JP6036233B2 - ステアリングホイールの位置調節装置 - Google Patents

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Description

この発明は、運転者の体格や運転姿勢に応じてステアリングホイールの高さ位置や前後位置を調節する為の、ステアリングホイールの位置調節装置の改良に関する。具体的には、このステアリングホイールの高さ位置又は前後位置を調節すべく、調節レバーを回動させる際に、この調節レバーが勢い良く回動する事を防止して、この調節レバーを操作する運転者に不快感を与える事を防止するものである。尚、本発明の対象となるステアリングホイールの位置調節装置には、前記ステアリングホイールの高さ位置のみを調節できる、単なるチルト式ステアリング装置、前後位置を調節するテレスコピック式ステアリング装置、高さ位置及び前後位置を調節できる、チルト・テレスコピック式ステアリング装置がある。
[公知従来技術の説明]
ステアリングホイールの位置調節装置が、広く知られている。先ず、自動車用ステアリング装置の従来構造の1例に就いて、特許文献1の記載に基づいて説明する。自動車用ステアリング装置は、図8に示す様に構成して、ステアリングホイール1の回転をステアリングギヤユニット2の入力軸3に伝達し、この入力軸3の回転に伴って左右1対のタイロッド4、4を押し引きして、前車輪に舵角を付与する様にしている。前記ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト5の後端部に支持固定されており、このステアリングシャフト5は、円筒状のステアリングコラム6を軸方向に挿通した状態で、このステアリングコラム6に回転自在に支持されている。又、前記ステアリングシャフト5の前端部は、自在継手7を介して中間シャフト8の後端部に接続し、この中間シャフト8の前端部を、別の自在継手9を介して、前記入力軸3に接続している。尚、図示の例では、電動式パワーステアリング装置を組み込んでいる。この為に、前記ステアリングコラム6の前端部に、補助力付与の為の動力源となる電動モータ10を、このステアリングコラム6の前端部に固定したハウジング11に支持する事により設けている。そして、この電動モータ10の出力トルク(補助力)を、前記ハウジング11内に設けたギヤユニット等を介して、前記ステアリングシャフト5に付与する様にしている。
上述の様な自動車用ステアリング装置に関し、運転者の体格や運転姿勢に応じて前記ステアリングホイール1の高さ位置を調節する為の、チルト式ステアリング装置を組み込んでいる。この為に図8に示した従来構造の場合には、前記ハウジング11の上部前端部を車体12に対し、幅方向(本明細書及び特許請求の範囲で「幅方向」とは、ステアリング装置を設置する車体の幅方向を言う。又、同じく、前後は、車体の前後で言う。)に配置したチルト軸13により、揺動変位可能に支持している。又、前記ステアリングコラム6の中間部後端寄り部分に、車体12に対して支持された支持ブラケット14を設置している。この支持ブラケット14は、幅方向に離隔した左右1対の支持板部15を備え、これら両支持板部15により前記ステアリングコラム6の中間部(本明細書で「中間部」とは、両端を除く範囲で、端部に近い部分を含む)を幅方向両側から挟む状態で、前記車体12に対し支持されている。又、前記ステアリングコラム6の中間部下面で前記両支持板部15に挟持される部分に、特許請求の範囲に記載した被挟持部である、変位ブラケット16を設けている。
そして、これら両支持板部15に、特許請求の範囲に記載した固定側透孔であり、前記チルト軸13を中心とする円弧状、或いはこの円弧の接線方向の直線状で上下方向に長い、上下方向長孔17を形成している。又、前記変位ブラケット16の一部でこれら両長孔17の一部に整合する部分に、特許請求の範囲に記載した変位側透孔である、通孔18を形成している。尚、図8に示した構造は、前記ステアリングホイール1の高さ位置に加えて前後位置も調節できるチルト・テレスコピック機構を組み込んでいる為、前記通孔18を、前記ステアリングシャフト5及び前記ステアリングコラム6の軸方向に長い前後方向長孔としている。これに合わせて、これらステアリングシャフト5及びステアリングコラム6を伸縮可能な構造としている。又、前記両長孔17及び通孔18に調節ロッド(図8には省略)を、幅方向に挿通している。更に、この調節ロッドの一端部に調節レバーを、他端部にアンカ部を、それぞれ設けて、この調節レバーの揺動に基づいて前記両支持板部15の内側面同士の間隔を拡縮するロック機構を構成している。前記ステアリングホイール1の位置調節を行う際には、前記調節レバーを所定方向に揺動させる事により、前記両支持板部15の内側面同士の間隔を拡げる。この状態で、前記調節ロッドが前記両長孔17及び前記通孔18内で動ける範囲内で、前記ステアリングホイール1の高さ位置及び前後位置を調節できる。このステアリングホイール1を所望の位置に移動させた後、前記調節レバーを逆方向に揺動させて、前記両支持板部15の内側面同士の間隔を縮めれば、前記ステアリングホイール1を、調節後の位置に保持できる。
又、ステアリングホイールの位置調節装置のより具体的な構造として、前記特許文献1には、図9〜12に示す様な構造も記載されている。この従来構造の第2例も、ステアリングホイール1(図8参照)の高さ位置を調節する為のチルト機構に加えて、前後位置を調節する為のテレスコピック機構を備えている。この為に、ステアリングコラム6aは、後側のアウタコラム19の前端部と、前側のインナコラム20の後端部とを軸方向の変位を可能に嵌合させる事により、全長を伸縮可能に構成している。又、前記アウタコラム19の前端部は欠円筒状として、直径を弾性的に拡縮可能としている。又、この前端部を幅方向両側から挟持する力を加減する事で、前記アウタコラム19の前端部の内径を拡縮可能としている。この様なステアリングコラム6aの内径側には、ステアリングシャフト5aを、回転自在に支持している。このステアリングシャフト5aに関しても、アウタシャフト21とインナシャフト22との組み合わせにより、全長を伸縮可能に構成している。
前記ステアリングコラム6aの前端部には、電動モータ10a(図12参照、図9〜11には省略)や減速機等、電動式パワーステアリング装置の構成部材を設置する為のハウジング11aを結合固定している。このハウジング11aは、上部に幅方向に設けた支持管23を挿通した、チルト軸である図示しないボルトにより、車体の一部に、揺動変位を可能に支持する。前記ステアリングシャフト5aの後端部で前記ステアリングコラム6aよりも後方に突出した部分には、前記ステアリングホイール1を固定する。又、前記ステアリングシャフト5aの前端部で前記ステアリングコラム6aよりも前方に突出した部分は、自在継手7を介して中間シャフト8(図8参照)に連結する。
又、支持ブラケット14aは車体に固定した車体側ブラケット(図示省略)に対して、二次衝突に基づく衝撃荷重により前方への変位(離脱)を可能に結合支持する。前記支持ブラケット14aは、それぞれが鋼板等の、十分な強度及び剛性を有する金属板製である、取付板部24と左右1対の支持板部15a、15bとを、溶接等により結合固定して成る。このうちの取付板部24を車体に対し、二次衝突に伴って加わる衝撃荷重に基づき、前方への離脱を可能に支持する。
又、前記アウタコラム19を両側から挟む状態で設けた、前記両支持板部15a、15bの互いに整合する位置に、前記支持管23の中心軸をその中心とする部分円弧形の上下方向長孔17(図9にその一部を図示)を形成している。前記アウタコラム19は、これら両上下方向長孔17を挿通した調節ロッド25により、前記両支持板部15a、15b同士の間に支持している。この為に、前記アウタコラム19の前部上方に、幅方向に互いに離隔した1対の被支持壁部26、26から成る被挟持部27を設け、これら両被支持壁部26、26に、特許請求の範囲に記載した変位側透孔であり、前記アウタコラム19の軸方向に長い、前後方向長孔28(図13参照)を形成している。このアウタコラム19は前記支持ブラケット14aに対して、前記両上下方向長孔17及び前記両前後方向長孔28を挿通した、前記調節ロッド25により支承している。従って前記アウタコラム19は、この調節ロッド25が前記両上下方向長孔17内で変位できる範囲で、前記支持管23を挿通したボルトを中心として、上下方向に揺動変位可能である。又、前記調節ロッド25が前記両前後方向長孔28内で変位できる範囲で、前後方向(軸方向)に変位可能である。
前記調節ロッド25は、基端部(図12の右端部)に、特許請求の範囲に記載したアンカ部である、外向フランジ状の鍔部29を固設すると共に、先端部に、駆動カム30と被駆動カム31とから成るカム装置32を設けている。そして、調節レバー33により、このうちの駆動カム30を回転駆動させて、前記被駆動カム31と前記鍔部29との距離を拡縮可能としている。即ち、前記駆動カム30と前記被駆動カム31との互いに対向する面には、例えば特許文献2に記載されている様に、それぞれが円周方向に関して凹部と凸部とを、傾斜面を介して交互に連続させたカム面を形成している。そして、このうちの凸部同士を突き合わせた状態で前記カム装置32の軸方向寸法を拡張し、それぞれの凸部を相手面の凹部に整合させた状態で、このカム装置32の軸方向寸法を縮められる様にしている。尚、前記両カム30、31のうちの駆動カム30は、前記調節レバー33の基端部に結合固定し、被駆動カム31は前記両支持板部15a、15bに形成した上下方向長孔17のうちの一方(図12の左側)の支持板部15aに形成した上下方向長孔17に、この上下方向長孔17に沿った変位のみを可能に(前記調節ロッド25を中心とする回動を阻止した状態で)係合させている。
前記ステアリングホイール1の位置を調節する際には、前記調節レバー33を下方に回動させて前記カム装置32の軸方向寸法を縮め、前記被駆動カム31と前記鍔部29との距離を拡げる。この結果、前記両支持板部15a、15bの内側面同士の距離が拡がり、これら両支持板部15a、15bの内側面と前記両被支持壁部26、26の外側面との当接部の面圧が低下乃至は喪失する。この状態で、前記支持ブラケット14aに対する、前記被挟持部27の支持力が、低下乃至は喪失するので、前記調節ロッド25が前記両上下方向長孔17及び前記両前後方向長孔28内で変位できる範囲で、前記アウタコラム19を変位させる。この変位により、このアウタコラム19内に回転自在に支持されたステアリングシャフト5aの後端部に支持固定された、前記ステアリングホイール1の位置(高さ位置と前後位置との一方又は双方)を調節する。
そして、前記ステアリングホイール1の位置を調節した後、前記調節レバー33を上方に回動させて前記カム装置32の軸方向寸法を拡げ、前記被駆動カム31と前記鍔部29との距離を縮める。この結果、前記両支持板部15a、15bの内側面と前記両被支持壁部26、26の外側面とが強く当接し、前記ステアリングホイール1の高さ位置が固定される。同時に、前記両被支持壁部26、26が設けられた、前記アウタコラム19の前端部の直径が縮まり、このアウタコラム19の前端部内周面と前記インナコラム20の後端部外周面とが強く当接し、前記ステアリングコラム6aが伸縮不能になる。この結果、前記ステアリングホイール1の前後位置が固定される。
上述の様な、締め付け機構としてカム装置32を組み込んだステアリングホイールの位置調節装置は、締め付け機構としてナットとボルト(スタッド)とを備えたねじ式のものを利用した構造に比べ、前記調節レバー33の回動量を少なく抑えて、大きな締め付け力を得られる。但し、前記カム装置32を使用する事に伴って、前記ステアリングホイール1の位置調節を行うべく、前記調節レバー33を所定方向(図9〜12の構造を含め、一般的には下方)に回動させる際に、この調節レバー33の回動が、過度に勢い良くなる可能性がある。この理由は、この調節レバー33を所定方向に回動させて、前記両カム30、31のカム面を構成する凸部同士を突き合わせた状態から、それぞれの凸部を相手面の凹部に向けて移動させる際に、各凸部が相手側カム面の傾斜面を滑り落ちる様に移動する為である。即ち、前記ステアリングホイール1の位置を固定した状態で、前記両カム30、31同士の間には、互いに引き離す方向に力が加わっている。この状態からこれら両カム30、31のカム面を構成する各凸部を、それぞれ相手側カム面の凹部に向けて移動させる際に、これら各凸部が、それぞれ各相手側カム面の傾斜面に沿ってこれら各凹部に向け、勢い良く移動する。言い換えれば、前記各凸部がこれら各凹部に向け、前記各傾斜面を滑り落ちる様に移動する。この結果、前記駆動カム30を基端部に固定した前記調節レバー33が、前記所定方向に勢い良く回動し、この調節レバー33を操作する運転者に違和感乃至不快感を与えたり、不快な衝突音が発生する。
[未公知先発明の説明]
上述の様な事情に鑑みて本発明者は先に、ステアリングホイールの位置調節を行うべく、調節レバーを回動させる際に、この調節レバーが勢い良く回動する事を防止して、この調節レバーを操作する運転者に不快感を与える事のないステアリングホイールの位置調節装置に関する発明を行った(特願2012−227130、同2012−242385)。本発明は、これら両先発明の改良であり、これら両先発明と共通する部分が多いので、先ず、これら両先発明の構造及び作用に就いて、図13〜29により説明する。
先ず、図13〜23は、特願2012−227130に開示された、第一の先発明の構造を示している。この第一の先発明のステアリングホイールの位置調節装置では、調節レバー33の基端部にボス部34を設け、このボス部34の外周面のうちでこの調節レバー33から円周方向に外れた部分に突片35を、このボス部34の外周面から径方向外方に突出する状態で形成している。従ってこの突片35は、前記調節レバー33と共に、調節ロッド25を中心として回動する。そして、この突片35の先端部と、支持ブラケット14bの支持板部15cの外側面との間に、伸縮式ダンパ36を掛け渡している。この為、図20に示す様に、前記突片35の先端部に、この伸縮式ダンパ36の一端部を結合する為の、円形の結合孔37を形成している。又、前記支持板部15cの下半部を後方に延長して延長部38とし、この延長部38の後端部に、前記伸縮式ダンパ36の他端部を結合する為に、円形の結合孔(図示省略)を形成している。
前記伸縮式ダンパ36は、シリンダ部39と、ダンパ用ロッド40と、グリース41とから構成したもので、伸縮可能であるが、伸縮させる方向の力に対して抵抗となる。この様な伸縮式ダンパ36を構成する、前記シリンダ部39は、アルミニウム等の金属により、或いは耐油性合成樹脂により、先端部が開口した円筒状に構成している。又、前記ダンパ用ロッド40は、前記シリンダ部39と同様の材料により円柱状に造られたもので、先端部乃至中間部をこのシリンダ部39内に、このシリンダ部39の先端開口から緩く挿入している。更に、前記グリース41を、このシリンダ部39の内周面と前記ダンパ用ロッド40の外周面との間に介在させている。言い換えれば、これら両周面同士の間の隙間42を、前記グリース41によりほぼ塞いでいる。このグリース41としては、基油の動粘度が500〜50000mm2/s(40℃)の範囲のもの、より好ましくは5000〜20000mm2/s(40℃)の範囲のものを使用する。
尚、前記シリンダ部39の内周面と前記ダンパ用ロッド40の外周面との形状は、図17の(A)に示す様な、単なる円筒面でも良いが、同図の(B)に示す様な、スプライン状の凹凸形状とする事もできる。前記伸縮式ダンパ36は、前記シリンダ部39と前記ダンパ用ロッド40とが軸方向に相対変位する際に、前記隙間42内に存在するグリース41に剪断力が作用する事で、この相対変位(前記伸縮式ダンパ36を伸縮させる事)に対する抵抗を生じる。そして、この抵抗力は、前記グリース41の粘度が高い程、前記隙間42の厚さが小さい程、前記両周面同士の対向面積が広い程(この隙間42の周長が長い程)、それぞれ大きくなる。又、前記抵抗力は、前記伸縮式ダンパ36が伸縮する勢いが強い(伸縮速度が速い)場合には大きくなり、伸縮する勢いが弱い(伸縮速度が遅い)場合には小さくなる。
そこで、前記グリース41の粘度、前記隙間42の厚さ、前記両周面同士の対向面積を適正に規制して、前記伸縮式ダンパ36の伸縮方向の力に対する抵抗(ダンパ性能)を所望の値にする。そして、前記ステアリングホイール1の位置調節を行うべく、前記調節レバー33を図21の(A)(B)−(b)に示した状態から同図の(A)(B)−(a)に示した状態に向け、下方に回動させる際に、この調節レバー33が勢い良く回動する事を効果的に防止できる様にする。この為に前記伸縮式ダンパ36の両端部は、前記突片35の先端部と前記延長部38の後端部とに、揺動及び調節ロッド25の軸方向の変位を可能に結合支持している。
前記ダンパ用ロッド40の先端部を前記突片35の先端部に結合する為、このダンパ用ロッド40の先端部に先端側フランジ43を形成している。そして、この先端側フランジ43に、図18の(A)に示す様な挿通孔44を形成するか、同図の(B)に示す様な、茸形の弾性脚片45を形成する。このうちの挿通孔44を設けた構造の場合には、この挿通孔44と前記結合孔37とに緩く挿通した、リベット、小ねじ及びナット等の結合杆部材により、揺動変位を可能に結合する。又、前記弾性脚片45を設けた構造の場合には、この弾性脚片45を、その最大径部の外径を弾性的に縮めつつ、前記結合孔37に挿入する。挿入した状態では、この結合孔37の内周面と前記弾性脚片45の外周面との間に存在する隙間、或いはこの弾性脚片45の弾性変形に基づき、前記先端側フランジ43に対する、前記ダンパ用ロッド40の各方向の揺動変位を可能にする。
前記シリンダ部39の基端部に関しては、基端側フランジ46を形成し、この基端側フランジ46に、図19の(A)に示す様な挿通孔44a又は同図の(B)に示す様な弾性脚片45aを形成している。そして、前記ダンパ用ロッド40の先端部と同様にして、前記延長部38の後端部に形成した結合孔に対し、各方向の揺動変位を可能に結合する。
ステアリングホイール1の位置調節を可能とする状態と、同じく調節後の位置に保持する状態とで前記突片35は、カム装置32の伸縮ストローク分(例えば1〜2.5mm程度)、前記調節ロッド25の軸方向に変位する。前記伸縮式ダンパ36の両端部を前記突片35或いは前記延長部38に、揺動変位を可能に結合すれば、前記伸縮ストロークに基づく、これら突片35と延長部38との相対変位を吸収できる。
上述の様に構成する先発明のステアリングホイールの位置調節装置によれば、前記ステアリングホイール1の位置調節を行うべく、前記調節レバー33を回動させる際に、この調節レバー33が勢い良く回動する事を防止できる。即ち、前述した様に、前記ステアリングホイール1を調節後の位置に保持する為の拡縮機構としてカム装置を使用すると、何らの対策も施さない場合には、前記調節レバー33を下方に回動させる際に、この調節レバー33が運転者の意に反して勢い良く回動する可能性がある。これに対して先発明のステアリングホイールの位置調節装置の構造では、前記調節レバー33を下方に回動させるのに伴って、前記伸縮式ダンパ36の全長が縮まる。この結果、この調節レバー33を下方に回動させる事に対する抵抗が働き、この調節レバー33が下方に回動しようとする勢いが弱められる。この結果、この調節レバー33を操作する運転者に不快感を与える事を防止できる。
尚、前記伸縮式ダンパ36を構成するシリンダ部39とダンパ用ロッド40との材質は特に問わない。但し、このシリンダ部39を構成する外径側材料の線膨張係数よりも、前記ダンパ用ロッド40を構成する内径側材料の線膨張係数を大きくすれば、温度変化に拘らず、前記伸縮式ダンパ36のダンパ性能の変化を少なく抑える(最も理想的には一定に保つ)事ができる。この理由は、前記両材料の線膨張係数の大小関係を上述の様に規制する事により、温度変化に伴う前記グリース41の粘性変化が前記ダンパ性能を変化させる方向と、同じく前記シリンダ部39の内周面と前記ダンパ用ロッド40の外周面との間の隙間42の厚さ変化が前記ダンパ性能を変化させる方向とが、互いに逆になる為である。
具体的には、前記グリース41の粘度ηが低くなる高温時に、前記シリンダ部39の熱膨張量に比べて前記ダンパ用ロッド40の熱膨張量が多くなり、前記隙間42の厚さhが小さくなる。逆に、前記グリースの粘度ηが高くなる低温時には、前記シリンダ部39の熱収縮量に比べて前記ダンパ用ロッド40の熱収縮量が多くなり、前記隙間hの厚さが大きくなる。前記シリンダ部39の内周面と前記ダンパ用ロッド40の外周面との間に作用する粘性摩擦力F(∝ダンパ性能)は、これら両周面同士の対向面積をAとし、これら両周面と前記グリース41との間の摩擦係数をkとすれば、次式で表される。
=(η・A・k)/h
この式から明らかな通り、前記粘度ηが高くなる程、前記厚さhが小さくなる程、前記両周面同士の間に作用する粘性摩擦力、即ち、前記伸縮式ダンパ36のダンパ性能は大きくなる。逆に、前記粘度ηが低くなる程、前記厚さhが大きくなる程、このダンパ性能は小さくなる。前記外径側、内径側両材料の線膨張係数の大小関係を上述の様に規制する事により、前記粘性ηと厚さhとが、温度変化に対応して前記ダンパ性能を、互いに逆方向に変化させる。即ち、前記両材料の線膨張係数の大小関係を上述の様に規制する事により、上記式中の「η/h」の値の変化を小さく抑えられる。残りの「A・k」は温度により殆ど変化しないので、温度変化に伴う前記ダンパ性能の変化を少なく抑えて、温度変化に拘らず、前記調節レバー33を操作する為に要する力の変動を少なく抑えられる。この結果、この調節レバー33を操作する運転者に与える違和感を、より一層低減できる。
上述の様に構成する第一の先発明のステアリングホイールの位置調節装置は、前記カム装置32を設けた構造で、前記ステアリングホイール1の位置調節を行うべく、前記調節レバー33を回動させる際に、この調節レバー33が勢い良く回動する事を防止できて、この調節レバー33を操作する運転者に違和感を与える事を防止できる。但し、前記ステアリングホイール1の高さ位置変化や前記調節レバー33の姿勢変化に拘らず、前記伸縮式ダンパ36の性能を一定に、且つ、十分に保つ面から、改良の余地がある。即ち、この伸縮式ダンパ36の傾斜角度は、図21の(A)と(B)とを比較すれば明らかな通り、前記ステアリングホイール1の高さ位置(ステアリングコラム6aの傾斜角度)により変化する。又、図21の(a)と(b)とを比較すれば明らかな通り、前記調節レバー33の姿勢によっても変化する。
そして、前記伸縮式ダンパ36の傾斜角度変化に拘らず、前記シリンダ部39の開口部を上に向けたままの状態に保ち難い為、このシリンダ部39内に保持しておくグリースの量を多くし難い。この事は、前記伸縮式ダンパ36の小型化とダンパ性能確保との両立の面から不利である。又、図21の(a)の(A)⇔(B)同士の間で、前記伸縮式ダンパ36が伸縮する。この事は、ステアリングコラム6aを揺動変位させる際にこの伸縮式ダンパ36が抵抗になる事に繋がる。前記先発明構造の場合には、次述する様に、この伸縮式ダンパ36の組み付け位置を工夫する事により、前記ステアリングコラム6aを揺動変位に伴うこの伸縮式ダンパ36の伸縮量を少なく抑える事を考慮している。
図22は、図21の(a)に示す様に、前記調節レバー33を下方に回動させて、前記ステアリングホイール1の上下位置調節を可能にした状態を示している。前記抵抗を低く抑えるべく、前記両端の連結部の位置を規制する為に、図22に鎖線で示す様に、前記調節ロッド25を上下方向長孔17の上端部まで移動させ、前記ステアリングホイール1を調節可能な上端位置とした状態での、前記ダンパ用ロッド40の先端側の連結部(挿通孔44若しくは弾性脚片45)の中心位置を、上端側中心位置Oとする。又、前記調節ロッド25を上下方向長孔17の下端部まで移動させ、前記ステアリングホイール1を調節可能な下端位置とした状態での、前記ダンパ用ロッド40の先端側の連結部の中心位置を、下端側中心位置Oとする。又、これら両中心位置O、O同士を結ぶ線分xを想定し、更にこの線分xの垂直二等分線yを想定する。そして、前記シリンダ部39の基端部と前記支持板部15cの延長部38との連結部(挿通孔44a若しくは弾性脚片45a)の中心位置Oを、前記垂直二等分線y上に存在させる。
前記伸縮式ダンパ36の両端部の連結部の位置を上述の様に規制すれば、前記ステアリングホイール1の上下位置を調節すべく、前記調節ロッド25を前記上下方向長孔17に沿って移動させる際に、この調節ロッド25が、前記基端側の中心位置Oを中心とする円弧γの、ほぼ接線方向に移動する。この為、この基端側の中心位置Oと、先端側中心位置である前記ダンパ用ロッド40の先端側の連結部の中心位置との距離の変化量を僅少に抑えられる。この結果、前記伸縮式ダンパ36の伸縮量も僅少に抑えられる。先に述べた通り、前記シリンダ部39の内周面と前記ダンパ用ロッド40の外周面との間に存在するグリース41の剪断抵抗は、これら両周面同士の相対変位速度が速い程大きくなる。逆に言えば、この相対変位速度が遅い場合には、前記グリースの剪断抵抗を低く抑えられて、前記伸縮式ダンパ36の抵抗を小さく抑えられる。従って、上述の様に、前記シリンダ部39の基端部と前記支持板部15cの延長部38との連結部の中心位置Oを、前記垂直二等分線y上に存在させれば、前記ステアリングホイール1の高さ調節時に、前記伸縮式ダンパ36が抵抗になる事を抑えて、この高さ調節作業を軽い力で行える。尚、この様な効果は、前記中心位置Oを前記垂直二等分線yの近傍{前記線分xの中点を通り、且つ、この垂直二等分線yに対して絶対値で10度以内(好ましくは5度以内)の角度だけ傾斜した直線上}に存在させる事によっても、同様の理由によって得られる。
上述の様に、前記伸縮式ダンパ36の配置状態を規制する事により、この伸縮式ダンパ36がステアリングコラム6aを揺動変位させる事に対する抵抗となる程度を低く抑えられるが、全く抵抗にならない様にする事はできない。
又、前記伸縮式ダンパ36の伸縮に伴って、前記隙間42内のグリース41が押し出されたりして流失するのを防止する為に、前記伸縮式ダンパ36の構造及び設置状態を、図21、23の様に規制している。この様な規制が必要になる理由は、次の通りである。
即ち、前記伸縮式ダンパ36により、前記調節レバー33が勢い良く下方に回動するのを防止する為には、前記隙間42内に十分量のグリース41が存在している事が必要である。一方、前記シリンダ部39を奥端が完全に塞がれた構造とし、このシリンダ部39内で前記ダンパ用ロッド40が軸方向移動する構造とした場合、このシリンダ部39に対するこのダンパ用ロッド40挿入量が増大する際に、このシリンダ部39の奥部空間の圧力が上昇する。この結果、前記隙間42内のグリース41が、このシリンダ部39の開口側から押し出されて周囲に流失する。一方、このシリンダ部39を単なる円管状とした(両端を開口させた)場合には、前記伸縮式ダンパ36の姿勢変化に伴って前記隙間42から前記シリンダ部39の基端側に入り込んだグリース41が、そのまま基端側開口から周囲に流失する。何れにしても、前記ステアリングホイール1の高さ位置調節の繰り返しに伴って、前記隙間42内のグリース41が不足し、前記伸縮式ダンパ36のダンパ性能が劣化する。
この様にして生じる、前記伸縮式ダンパ36のダンパ性能の劣化を防止する為に先発明の第1例の場合には、図23に示す様に、前記シリンダ部39の基端部を、このシリンダ部39の内部空間に空気を吸排する空気流路47a、47bを除いて塞いでいる。このうち、図23の(A)に示した構造は、前記シリンダ部39の基端開口全体を蓋体48aにより塞ぐと共に、このシリンダ部39の基端部に、このシリンダ部39を径方向に貫通する空気流路47aを形成している。又、図23の(B)(C)に示した構造は、前記シリンダ部39の基端開口を、一部が欠けた、略円形の蓋体48bにより塞ぎ、この欠けた部分とこのシリンダ部39の基端部内周面との間部分を、前記空気流路47bとしている。何れの構造の場合でも、前記伸縮式ダンパ36を前記突片35と前記延長部38との間に掛け渡した状態で、前記空気流路47a、47bを上方に配置する。
又、前記シリンダ部39と前記ダンパ用ロッド40とは、使用に伴って前記伸縮式ダンパ36の全長が最も縮まった状態でも、このダンパ用ロッド40の基端面が前記シリンダ部39の奥端面に突き当たらず、これら基端面と奥端面との間に、グリース溜りとして機能する空間49が残る程度の長さに規制している。そして、この空間49内に、前記シリンダ部39の内周面と前記ダンパ用ロッド40の外周面との間の隙間42からはみ出したグリースを貯溜しておける様にしている。
更に、前記空気流路47a、47bを、前記ステアリングホイール1の調節位置及び前記調節レバー33の回動位置の如何に拘らず、前記空間49内のグリースが、重力に基づき、前記空気流路47a、47bを通じて漏出しない位置に配置している。
即ち、前記伸縮式ダンパ36の姿勢は、図21の(A)に示した、前記ステアリングホイール1を上端位置とする場合と、同じく(B)に示した下端位置にする場合とで変化する。又、(a)に示した前記調節レバー33を下方に回動させた場合と、同じく(b)に示した上方に回動させた場合とでも変化する。そして、図21の(A)−(a)に示した、前記ステアリングホイール1を上端位置とし、前記調節レバー33を下方に回動させた状態で、前記伸縮式ダンパ36の基端側が低くなる方向に最も大きく傾斜する。前記空間49の容積と前記空気流路47a、47bの設置位置は、この様な図21の(A)−(a)に示した状態でも、前記空間49内に存在するグリース41が外部に漏出しない様に、前記伸縮式ダンパ36内に充填するグリース41の量との関係で規制している。そして、前記シリンダ部39の内周面と前記ダンパ用ロッド40の外周面との間の隙間42内に保持されるグリースの量を確保して、前記伸縮式ダンパ36の性能を維持できる様にしている。
上述の様な考慮により、前記隙間42内に保持するグリースの量を或る程度確保はできるが、より十分な量を確保する面からは改良の余地がある。即ち、前記図21の(A)に示した状態では前記シリンダ部39の基端側が先端開口に比べて明らかに下側に位置するのに対して、同じく(B)に示した状態では前記シリンダ部39の先端開口の高さ位置が基端側に比べてあまり高くない状態となる。この為、何れの状態でも前記隙間42及び空間49内に留まるグリースの量を十分に確保する事は難しい。
前記特願2012−242385で開示した、第二の先発明の構造は、上述の様な事情に鑑みて発明したものである。次に、この第二の先発明の構造に就いて、図24〜29により説明する。この第二の先発明の構造の場合には、調節ロッド25aを、基端部(図28の左端部)に六角形等の非円形の頭部50を、先端部(図28の右端部)に雄ねじ部51を、それぞれ設けたボルトにより構成している。又、調節レバー33aの基端部に設けるボス部34aと、カム装置32aを構成する駆動カム30aとを一体としている。又、このボス部34aの外側面に、前記頭部50を嵌合させる係合凹部52を形成している。前記調節ロッド25aは、前記雄ねじ部51の側から前記ボス部34aの中心孔53aに挿通し、更に、前記駆動カム30aと共に前記カム装置32aを構成する被駆動カム31aの中心孔53b、一方の支持板部15cに形成した上下方向長孔17、被挟持部27に形成した前後方向長孔28、他方の支持板部15b(図14参照)に形成した上下方向長孔を挿通して、前記雄ねじ部51をこの他方の支持板部15bの外側面から突出させる。この状態で、前記頭部50と前記係合凹部52とを係合させて、前記調節ロッド25aと前記調節レバー33aとを、同期して(一体的に)回転する様に組み合わせる。又、前記雄ねじ部51にナット(図示省略)を螺着して、特許請求の範囲に記載したアンカ部とする。これら雄ねじ部51とナットとの間には、止めピン、かしめ等の緩み止め手段を設ける。又、このナットの内側面と前記他方の支持板部15bの外側面との間には、滑りワッシャ等のスラスト軸受を設けて、これらナットと支持板部15bとの相対回転に要する力の低減を図る。
前記被駆動カム31aは、前記一方の支持板部15cに形成した上下方向長孔17に、この上下方向長孔17に沿った変位のみを可能に係合させている。この為に、前記被駆動側カム31aの内側面に、上下方向に長い係合凸部54を形成し、この係合凸部54を前記上下方向長孔17に係合させている。又、この状態で、前記駆動カム30aの内側面に設けた駆動側カム面55と、前記被駆動カム31aの外側面に設けた被駆動側カム面56とを係合させている。これら両カム面55、56は何れも、円周方向に交互に配置した凸部と凹部とを、傾斜面により連続させて成る。そして、前記調節レバー33aの回転に伴って、特許請求の範囲に記載した押圧部である前記被駆動カム31aと、同じくアンカ部である前記ナットとの間隔を拡縮できる様にしている。
そして、第二の先発明に係る構造の場合には、前記駆動カム30aと前記被駆動カム31aとの間に、全長を伸縮させる方向に対する抵抗となる伸縮式ダンパ36aを掛け渡している。この伸縮式ダンパ36aの基本的構成は、前述した第一の先発明に係る構造に組み込む伸縮式ダンパ36(図13〜16参照)と同じで、シリンダ部39と、ダンパ用ロッド40と、グリース41とから成る。
前記伸縮式ダンパ36aを前記駆動カム30aと前記被駆動カム31aとの間に掛け渡す為に、このうちの駆動カム30aの外周面に突片35aを一体に設け、この突片35aの先端部に結合孔37aを設けている。又、前記被駆動側カム31aと一体に支持腕部57を設け、この支持腕部57の先端部に第二結合孔58を設けている。尚、この支持腕部57の先半部は基半部に対し、前記駆動カム30a側にオフセットさせて、前記調節ロッド25aの軸方向(図3の左右方向)に関する、前記伸縮式ダンパ36aの両端支持部の位置関係を適正にしている。
前記伸縮式ダンパ36aは、前記ダンパ用ロッド40の先端部に設けた先端側フランジ43aを前記突片35aの先端の結合孔37aに、前記シリンダ部39の基端部に設けた基端側フランジ46aを前記支持腕部57の先端の第二結合孔58に、それぞれ結合ねじ59a、59bにより、揺動変位を可能に結合している。そして、前記両フランジ43a、46aを前記両結合孔37a、58に、これら両結合孔37a、58を中心とする揺動変位と、前記調節ロッド25aの軸方向に関する若干の(前記カム装置32aの軸方向寸法の変化を吸収できるだけの)揺動変位とを可能に結合する。この様にして、前記伸縮式ダンパ36aを前記突片35aの先端と前記支持腕部57の先端との間に掛け渡した状態で、この伸縮式ダンパ36aを構成する前記シリンダ部39を、開口部を上方に向けた状態で、前記ダンパ用ロッド40の下側に配置する。
上述の様に構成する第二の先発明に係るステアリングホイールの位置調節装置の場合には、前記伸縮式ダンパ36aが伸縮するのは、図29の(a)⇔(b)で示す、前記調節レバー33aを回動させる場合のみである。これに対し、同じく図29の(A)⇔(B)で示す、前記ステアリングホイール1の高さ位置を調節すべく、前記ステアリングコラム6aを揺動変位させる際には、前記伸縮式ダンパ36aが伸縮する事はない。従って、この伸縮式ダンパ36aが前記ステアリングホイール1の高さ位置調節に対する抵抗にはならず、この高さ位置調節を、より円滑に行える。
又、前記第二の先発明に係る構造の場合には、図29から明らかな通り、前記伸縮式ダンパ36aを構成するシリンダ部39とダンパ用ロッド40とのうち、先端部が開口した筒状のシリンダ部39を下側に配置し、且つ、前記ステアリングコラム6aや前記調節レバー33aの姿勢に拘らず、前記シリンダ部39が上下方向に大きく傾斜したままになる様にできる。従って、このシリンダ部39の内周面と前記ダンパ用ロッド40の外周面との間に介在させたグリース41が外部に漏れ出し難くできる。この為、これら両周面同士の間に、長期間に亙り十分量のグリース41を保持できて、前記調節レバー33aを操作する運転者に前記不快感を与える事の防止効果を、より長期間に亙り維持できる。
以上に述べた様な前記両先発明に係るステアリングホイールの位置調節装置は、前記伸縮式ダンパ36、36aの端部を相手部材に対し、前記カム装置32、32aの伸縮ストロークを吸収する為の揺動変位を可能に、且つ、走行に伴う振動によるがたつきを抑える状態で結合する面からは、改良の余地がある。即ち、前述の図13〜23に示した第一の先発明の構造にしても、図24〜29に示した第二の先発明の構造にしても、前記伸縮式ダンパ36、36aの両端部は、前記カム装置32、32aの拡縮に伴って、前記調節ロッド25、25aの軸方向に相対変位する。従って、前記伸縮式ダンパ36、36aの両端部は相手面に対し、この軸方向に関する揺動変位を可能に支持する必要がある。但し、単に前記伸縮式ダンパ36、36aの両端部は相手面に対し緩く結合した場合には、悪路走行時の振動に伴って結合部ががたつき、この結合部で異音が発生し、運転者等の乗員に不快感を与える為、好ましくない。
特開2011−121443号公報 特開2002−59851号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、先発明の効果を維持し、しかも、伸縮式ダンパの端部と相手部材との結合部を、調節ロッドの軸方向の相対変位を吸収可能に、且つ、必要に応じて、悪路走行時等にもがたつく事がない構造を実現すべく発明したものである。
本発明のステアリングホイールの位置調節装置は、ステアリングコラムと、被挟持部と、変位側透孔と、ステアリングシャフトと、支持ブラケットと、1対の固定側透孔と、調節ロッドと、アンカ部と、押圧部と、拡縮機構と、調節レバーとを備える。
このうちのステアリングコラムは、筒状である。
又、前記被挟持部は、このステアリングコラムの一部に固設されている。
又、前記変位側透孔は、前記被挟持部に設けられている。
又、前記ステアリングシャフトは、前記ステアリングコラムの内径側に回転自在に支持されて、後端部でこのステアリングコラムの後端開口から後方に突出した部分にステアリングホイールを固定する。
又、前記支持ブラケットは、前記被挟持部を幅方向両側から挟む1対の支持板部を有し、車体に固定の部分に支持される。
又、前記両固定側透孔は、前記両支持板部の互いに整合する部分に設けられている。
又、前記調節ロッドは、前記両固定側透孔及び前記変位側透孔に、幅方向に挿通されている。
又、前記アンカ部は、前記調節ロッドの基端部で前記両支持板部のうちの一方の支持板部の外側面から突出した部分に設けられている。
又、前記押圧部は、前記調節ロッドの先端部で、前記両支持板部のうちの他方の支持板部の外側面から突出した部分に設けられている。
又、前記拡縮機構は、前記押圧部と前記アンカ部との間隔を拡縮するものである。
更に、前記調節レバーは、前記調節ロッドを中心とする回動に基づいて、前記押圧部と前記アンカ部との間隔を拡縮させるものである。
そして、前記両固定側透孔と前記変位側透孔とのうちの少なくとも一方の透孔を、前記ステアリングホイールの調節方向に長い長孔としている。
特に、本発明のステアリングホイールの位置調節装置に於いては、前記調節レバーと共に前記調節ロッドを中心に回転する回転部分と、この調節レバーの回転に拘らず回転しない非回転部分との間に、全長を伸縮させる方向の力に対する抵抗となる伸縮式ダンパを掛け渡している。そして、少なくとも前記調節レバーを前記ステアリングホイールの位置調節を可能とする方向に回動させる事に対する抵抗を付与している。
又、前記伸縮式ダンパの両端部と前記回転部分及び前記非回転部分とは、前記調節ロッドとこれら回転部分及び非回転部分とのうちの一方に設けられた結合用杆状部と同じく他方に設けられた板状部分に形成された結合孔とを係合させる事により、前記調節ロッドの軸方向の変位、及び、この調節ロッドに対し平行な軸を中心とする揺動(往復回転)を可能に結合している。
更に、前記伸縮式ダンパの両端部と前記回転部分及び前記非回転部分との2箇所の結合部のうちの、少なくとも一方の結合部を構成する、前記結合用杆状部は、周方向に関して分割され、それぞれの先端部に当該結合用杆状部の径方向外方に突出した係止部を設けた複数の弾性脚片を備え、これら各弾性脚片により構成される部分の外径を弾性的に拡縮可能としている。
そして、前記結合用杆状部を前記結合孔に、前記各弾性脚片の先端側から押し込んだ状態で、これら各弾性脚片先端の前記各係止部を前記結合孔の開口周縁部に係止して、前記結合用杆状部がこの結合孔から抜け出る事を防止している。
上述の様な本発明のステアリングホイールの位置調節装置を実施する場合に、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記各弾性脚片の自由状態で、これら各弾性脚片のうち、前記結合用杆状部と前記板状部分とを結合した状態で、前記結合孔内に存在する部分の外接円の直径の最大値を、前記結合孔の内径よりも大きくする。そして、これら各弾性脚片をこの結合孔に押し込んで前記各係止部を前記結合孔の開口周縁部に係止した状態で、これら各弾性脚片の外周面の少なくとも一部をこの係止孔の内周面に、弾性的に押し付ける。
或いは、請求項3に記載した発明の様に、前記結合用杆状部と前記板状部分との間に設けた弾性部材により、前記各係止部を前記結合孔の開口周縁部に弾性的に押し付ける。
この様な請求項3に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項4に記載した発明の様に、前記結合用杆状部を、基半部を構成する大径部と、それぞれがこの大径部の先端面から突出した前記各弾性脚片とから成るものとする。又、前記弾性部材を圧縮方向の弾力を有するものとし、前記大径部と前記結合孔を設けた部材との間に設ける。
又、例えば請求項5に記載した発明の様に、前記弾性部材を、前記大径部の先端部外周縁に前記結合用杆状部と一体に設けられた、この大径部の先端面から離れる程直径が大きくなる方向に傾斜した弾性薄肉部とする。そして、この弾性薄肉部の先端縁を、前記板状部分のうちで前記結合孔の周囲部分に、弾性的に当接させる。
或いは、請求項6に記載した発明の様に、前記大径部の先端部に、外向フランジ状の鍔部を設ける。又、前記弾性部材を、前記板状部分のうちで前記結合孔の周縁部にこの板状部分と一体に設けられた、この板状部分から離れる程直径が大きくなる方向に傾斜した弾性薄肉部とする。そして、この弾性薄肉部の先端縁を前記鍔部に、弾性的に当接させる。
又、本発明を実施する場合に、例えば請求項7に記載した発明の様に、前記伸縮式ダンパを、先端部が開口した筒状のシリンダ部と、先端部乃至中間部をこのシリンダ部内に、このシリンダ部の先端開口から緩く挿入されたダンパ用ロッドと、これらシリンダ部の内周面とダンパ用ロッドの外周面との間に介在させたグリースとから構成する。そして、前記結合用杆状部を、前記シリンダ部の基端部と前記ダンパ用ロッドの先端部とに設ける。
又、本発明を実施する場合に、伸縮式ダンパの両端部を結合する回転部分及び非回転部分としては、請求項8又は請求項9に記載した発明の構造を採用できる。
このうちの請求項8に記載した発明の場合には、前述の図13〜23に示した第一の発明の如く、前記回転部分を、前記調節レバーの基端部に設けられてこの調節レバーと共に回転する突片とする。又、前記非回転部分を、前記他方の支持板部とする。
これに対して、請求項9に記載した発明は、前述の図24〜29に示した第二の先発明の如く、チルト式ステアリング装置(チルト・テレスコピック式ステアリング装置を含む)を対象とする。この為に、前記両固定側透孔を、前記両支持板部の互いに整合する部分に設けられた、それぞれが上下方向に長い1対のチルト用長孔とし、前記拡縮機構を、被駆動カムと駆動カムとを備えたカム装置により構成する。このうちの被駆動カムは、外側面を凸部と凹部とを傾斜面により連続させた被駆動側カム面とし、中心孔に前記調節ロッドを回転可能に挿通した状態で、前記他方の支持板部に設けた前記チルト用長孔に、このチルト用長孔に沿った変位のみを可能に係合する。又、前記駆動カムは、前記被駆動側カム面と対向する内側面を、凸部と凹部とを傾斜面により連続させた駆動側カム面とし、前記調節レバーにより前記調節ロッドの中心軸回りに回転させる。前記カム装置は、前記被駆動側カム面と前記駆動側カム面との係合に基づいて軸方向寸法を拡縮する。そして、前記回転部分を、前記調節レバーの基端部に設けられてこの調節レバーと共に回転する突片とし、前記非回転部分を、前記被駆動側カムに固定されてこの被駆動側カムと共に前記チルト用長孔に沿って変位する支持腕とする。
又、本発明のステアリングホイールの位置調節装置は、チルト式ステアリング装置に限らず、テレスコピック式ステアリング装置でも実施できる。この場合には、請求項15に記載した発明の様に、前記ステアリングコラムを、アウタコラムとインナコラムとを伸縮可能に組み合わせたテレスコピックステアリングコラムとする。又、前記ステアリングシャフトを、アウタシャフトとインナシャフトとを、トルク伝達可能に、且つ、伸縮可能に組み合わせたテレスコピックステアリングシャフトとする。又、前記被挟持部を、前記アウタコラムに設けて、前記通孔を、このアウタコラムの軸方向に長い前後方向長孔とする。そして、前記調節ロッドをこの前後方向長孔内で変位可能な範囲内で、前記ステアリングホイールの前後位置の調節を可能とする。
又、前記請求項7に記載した発明、又は、この請求項7に記載した発明を引用した請求項8〜9に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項10に記載した発明の様に、前記シリンダ部の内周面及び前記ダンパ用ロッドの外周面を、周方向に関して凹部と凸部とを交互に連続させた凹凸面として、これら両周面同士の対向面積を確保する。
或いは、請求項11に記載した発明の様に、グリースの基油の動粘度を、40℃で500〜50000mm2/sとする。
或いは、請求項12に記載した発明の様に、前記シリンダ部を構成する外径側材料の線膨張係数よりも、前記ダンパ用ロッドを構成する内径側材料の線膨張係数を大きくする。
この様な請求項12に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項13に記載した発明の様に、前記外径側材料を鉄系合金とし、前記内径側材料を軽合金又は合成樹脂とする。
或いは、請求項14に記載した発明の様に、前記外径側材料を金属とし、前記内径側材料を合成樹脂とする。
上述の様に構成する本発明のステアリングホイールの位置調節装置によれば、前述した先発明のステアリングホイールの位置調節装置と同様に、例えば請求項9に記載した発明の如く、カム装置により構成された拡縮機構を設けた構造で、ステアリングホイールの位置調節を行うべく、調節レバーを回動させる際に、この調節レバーが勢い良く回動する事を防止できる。即ち、この調節レバーと共に回転する回転部分と非回転部分との間に設けた伸縮式ダンパが、前記調節レバーをステアリングホイールの位置調節を可能とする方向に回動させる事に対する抵抗となる。この為、前記拡縮機構を構成する、駆動側、被駆動側両カム面を構成する各凸部の先端部が相手カム面に強く押し付けられ、前記拡縮機構の軸方向寸法が勢い良く縮まる傾向になっても、この勢いが弱められる。この結果、前記駆動側カム面を設けた駆動側カムを回動させる調節レバーを操作する運転者に不快感を与える事を防止できる。又、前記伸縮式ダンパは、小型で十分な減衰効果を得る事ができる為、設置スペースが限られる場合でも、前記不快感の防止を十分に図れる。
特に、本発明のステアリングホイールの位置調節装置の場合には、伸縮式ダンパの端部と相手部材とを、調節ロッドの軸方向の相対変位を吸収可能に、しかも、容易に、且つ、必要に応じて、悪路走行時等にもがたつかない様に結合できる。即ち、前記伸縮式ダンパの端部と相手部材との結合作業は、結合用杆状部を構成する複数の弾性脚片を結合孔に押し込むだけで完了できる。この様に、これら各弾性脚片をこの結合孔に押し込めば、これら各弾性脚片が弾性変形する事で、これら各弾性脚片の先端部に設けた各係止部同士が、前記結合用杆状部の径方向内方に、互いに近づく方向に変位しつつ、前記結合孔を通過する。そして、前記各係止部が前記結合孔を通過した後は、前記各弾性脚片が弾性的に復元して、これら各係止部の外接円の直径が前記結合孔の内径よりも大きくなる。この結果、これら各係止部がこの結合孔から抜け出る事がなくなり、前記伸縮式ダンパの端部と前記相手部材とが結合される。
そして、請求項2に記載した発明の場合には、前記各弾性脚片の外周面の少なくとも一部と前記係止孔の内周面とが弾性的に当接する事で、前記伸縮式ダンパの端部と相手部材との結合部ががたつく事を防止する。
これに対して、請求項3に記載した発明の場合には、前記各係止部が前記結合孔を通過すると同時に、前記弾性部材が前記結合用杆状部と前記板状部分との間で、弾性的に圧縮されて、この弾性部材が、これら結合用杆状部と板状部分との間で弾性的に突っ張る。
この結果、何れの構造の場合でも、前記伸縮式ダンパの端部と前記相手部材とを、前記結合用杆部を中心とする揺動(往復回転)、及び、この結合用杆部を傾斜させる方向の揺動変位を可能に、しかもがたつきなく結合できる。特に、請求項2に記載した発明の場合、並びに請求項3に記載した発明の場合でも請求項5、6に記載した発明の構造を採用すれば、独立した弾性部材が不要になるので、部品管理、組立作業が容易になる。
又、請求項9に記載した発明の場合には、前記伸縮式ダンパが伸縮するのは、前記調節レバーを回動させる場合のみである。即ち、この調節レバーをステアリングホイールの高さ位置を調節可能な状態に回動させた状態では、前記ステアリングホイールの高さ位置を調節すべく、ステアリングコラムを揺動変位させても、前記レバー側係止部分とカム側係止部分との距離が変化する事はない。従って、前記ステアリングコラムの揺動変位に伴って前記伸縮式ダンパが伸縮する事もない為、この伸縮式ダンパが前記ステアリングホイールの高さ位置調節に対する抵抗にはならず、この高さ位置調節を、より円滑に行える。
又、請求項10に記載した発明の様に、前記シリンダ部の内周面と前記ダンパ用ロッドの外周面との対向面積を確保すれば、小型の伸縮式ダンパにより、より十分なダンパ効果を得られる。
この場合に、請求項11に記載した発明の様に、前記両周面同士の間に介在させるグリースの粘度を、500〜50000mm2/s(40℃)の範囲に規制すれば、前記不快感の防止を有効に図れる。特に、前記粘度を5000〜20000mm2/s(40℃)の範囲に規制すれば、前記両周面の形状を単なる円筒面としても、前記不快感の防止を十分に図れる。
更に、請求項12〜14に記載した発明の様に、前記シリンダ部を構成する外径側材料の線膨張係数よりも、前記ダンパ用ロッドを構成する内径側材料の線膨張係数を大きくすれば、温度変化に伴うダンパ性能の変化を少なく抑える事ができる。即ち、前述した先発明の場合と同様にして、このダンパ性能の変化を少なく抑え、温度変化に拘らず、前記調節レバーを操作する為に要する力の変動を少なく抑えられる。この結果、この調節レバーを操作する運転者に与える違和感を、より一層低減できる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、伸縮式ダンパを組み立てた状態で示す斜視図。 シリンダ部のみを取り出して図1と同方向から見た斜視図。 図2の拡大a−a断面図。 結合用杆状部の先端部と結合孔とを結合する工程を順番に示す断面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2の右上部に相当する斜視図。 同第3例を示す、図4と同様の図。 同第4例を示す、図4と同様の図。 従来構造の第1例を示す、自動車用のステアリング装置の略側面図。 同第2例を、前上方から見た状態で示す斜視図。 同じく後下方から見た状態で示す斜視図。 同じく側面図。 同じく図11の右方から見た図。 第一の先発明に係るステアリングホイールの位置調節装置を示す側面図。 図13の拡大b−b断面図。 伸縮式ダンパの設置部分を取り出して示す、図13の中央部に相当する部分側面図。 伸縮式ダンパを取り出して示す側面図。 伸縮式ダンパの構造の2例を示す、図16の拡大c−c断面図(A)と伸縮ロッドを省略して示す(A)と同様の断面図(B)。 相手部材に結合する為のロッドの先端部の形状の2例を示す、図16の拡大d−d断面図。 相手部材に結合する為のシリンダ筒の基端部の形状の2例を示す、図16の拡大e−e断面図。 調節レバーの基端部を取り出して示す、図13の中央部に相当する側面図(A)と(A)のf−f断面図(B)。 ステアリングホイールの高さ位置調節に伴う伸縮式ダンパの姿勢変化の4例を示す側面図。 伸縮式ダンパの好ましい設置位置を説明する為の、図15と同様の図。 空気流路の形状の第1例を示すシリンダ筒基端部の断面図(A)と、第2例を示す同様の断面図(B)と、(B)の右方から見た図(C)。 第二の先発明に係るステアリングホイールの位置調節装置を示す側面図。 図24の中央部拡大図。 一部を省略して示す、図25のg−g断面図。 要部を取り出して図24〜25と同方向から見た部分側面図。 図27に示した部分の分解斜視図。 ステアリングホイールの高さ位置調節に伴う伸縮式ダンパの姿勢変化の4例を示す側面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜4は、請求項1〜5、7に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本発明の特徴は、調節レバー33(例えば、図9〜13参照)と共に調節ロッド25、25a(例えば、図13〜15、図24〜29参照)を中心に回転する回転部分と、この調節レバー33の回転に拘らず回転しない非回転部分との間に設けた、伸縮式ダンパ36bの構造を工夫した点にある。この特徴部分以外の構造は、前述の図13〜23に示した先発明の第1例、或いは図24〜29に示した先発明の構造の第2例の構造と同様である。又、特許請求の範囲中、請求項8〜15に記載した発明の具体的構造は、前記先発明の第1例或いは第2例で述べた通りであるから、重複する図示並びに説明を省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
伸縮式ダンパ36bを構成するシリンダ部39の基端部とダンパ用ロッド40の先端部とに、それぞれ結合用杆状部60a、60bを設けている。この為に、前記シリンダ部39はこのうちの結合用杆状部60aと共に、前記ダンパ用ロッド40は同じく結合用杆状部60bと共に、必要とする強度、剛性、耐油性等を有する高機能樹脂を射出成型する事により、或いはアルミニウム系合金等の軽合金をダイキャスト成型する事により、更にはステンレス鋼等の鉄系合金に削り出し加工を施す事により、それぞれ一体に構成している。
前記両結合用杆状部60a、60bは、それぞれ、1本の大径部61a(61b)と、周方向に関して互いに分割された、複数本(図示の例では4本)ずつの弾性脚片62a、62a(62b、62b)とから成る。このうちの大径部61a(61b)は、前記両結合用杆状部60a(60b)の基半部を構成し、前記各弾性脚片62a、62a(62b、62b)は、それぞれの基端部を前記大径部61a(61b)の先端面63a(63b)の径方向中間部に連続させた状態で、この先端面63a(63b)から突出している。これら各弾性脚片62a、62a(62b、62b)は、それぞれの先端部に向かう程{前記先端面63a(63b)から離れる程}互いの間隔が広くなる方向に、前記両結合用杆状部60a(60b)の中心軸に対し傾斜している。更に、前記各弾性脚片62a、62a(62b、62b)の先端部で、前記両結合用杆状部60a(60b)の径方向に関して外径側側面に、径方向外方に突出した鉤形の係止部64a、64a(64b、64b)を形成している。又、これら各係止部64a、64a(64b、64b)の先半部外周面は、前記各弾性脚片62a、62a(62b、62b)の先端面に向かうに従って前記両結合用杆状部60a(60b)の径方向に関して内側に向かう方向に傾斜した、ガイド傾斜面65a、65a(65b、65b)としている。尚、前記各弾性脚片62a、62a(62b、62b)の数は、4本に限らず、2〜3本、又は5本以上とする事もできる。
更に、前記大径部61a(61b)の先端面63a(63b)の外周縁部に、特許請求の範囲に記載した弾性部材に対応する弾性薄肉部66a(66b)の基端部を連続させている。この弾性薄肉部66a(66b)は、部分円すい筒状で、先端縁に向かう程{前記先端面63a(63b)から離れる程}、直径が大きくなる方向に傾斜している。
一方、前記伸縮式ダンパ36bの両端部を結合する為の、特許請求の範囲に記載した板状部分に相当する結合板部67には、円形の結合孔68を形成している。尚、この結合板部67は、前述の図13〜23に示した先発明の第1例に於ける突片35或いは延長部38、又は、図24〜29に示した先発明の構造の第2例に於ける突片35a或いは支持腕部57に相当する。前記結合孔68の内径は、前記両結合用杆状部60a(60b)の外径との関係で適切に規制し、この結合孔68内にこれら両結合用杆状部60a(60b)を容易に押し込み可能で、押し込み後は、これら両結合用杆状部60a(60b)が前記結合孔68から抜け出ない様にしている。具体的には、前記各弾性脚片62a、62a(62b、62b)の自由状態で、前記各係止部64a、64a(64b、64b)の外接円の直径が前記結合孔68の内径よりも大きく、前記各弾性脚片62a、62a(62b、62b)を互いに近付ける方向に弾性変形させた状態で、前記各係止部64a、64a(64b、64b)の外接円の直径が前記結合孔68の内径R(後述する実施の形態の第4例を示す図7参照)以下になる様にしている。又、前記各ガイド傾斜面65a、65a(65b、65b)の先端部(最小径部)の外接円の直径は、前記各弾性脚片62a、62a(62b、62b)の自由状態でも、前記合孔68の内径Rよりも小さくしている。
又、前記結合板部67の厚さは、前記各係止部64a、64a(64b、64b)と前記大径部61a(61b)との間隔及び前記弾性薄肉部66a(66b)の軸方向寸法との関係で適切に規制し、前記両結合用杆状部60a(60b)が前記結合孔68内に、がたつきなく、且つ、互いの中心軸を相対変位させる方向の揺動変位を可能に結合できる様にしている。具体的には、前記結合板部67の厚さを、前記各係止部64a、64a(64b、64b)の基端面69a(69b)と前記大径部61a(61b)の先端面63a(63b)との間隔よりも小さくしている。又、この間隔と前記厚さとの差を、前記弾性薄肉部66a(66b)の自由状態での軸方向寸法よりも小さくしている。
尚、本例の場合には、前記各弾性脚片62a、62a(62b、62b)の自由状態で、これら各弾性脚片62a、62a(62b、62b)の外接円の直径は、これら各弾性脚片62a、62a(62b、62b)の先端部で、最大値D(図7参照)となる。そして、この直径の最大値Dを、前記結合孔68の内径Rよりも大きく(D>R)している。
上述の様な結合板部67の結合孔68に、前述の様な結合用杆状部60a(60b)を結合するには、図4の(A)に示す様に、これら結合孔68と結合用杆状部60a(60b)とをほぼ同軸線上に配置した状態から、前記各係止部64a、64a(64b、64b)を前記結合孔68内に押し込む。この結果、これら各係止部64a、64a(64b、64b)が、前記各弾性脚片62a、62a(62b、62b)を互いに近付ける方向に弾性変形させつつ、前記結合孔68を通過する。そして、通過後は、前記各弾性脚片62a、62a(62b、62b)の弾性的復元に伴って、図4の(B)に示す様に、前記各係止部64a、64a(64b、64b)の基端面69a、69a(69b、69b)と、前記結合板部67の片面(図4の上面)のうちで前記結合孔68の周縁部とが係合する。又、この状態では、前記大径部61a(61b)の先端面63a(63b)と前記結合板部67の他面(図4の下面)との間に隙間が介在する。更に、前記弾性薄肉部66a(66b)は、その先端縁部が前記結合板部67の他面に押し付けられて、軸方向寸法が弾性的に縮んだ状態となる。更に、前記各弾性脚片62a、62a(62b、62b)の先端部外周面が前記係止孔68の内周面に、弾性的に押し付けられる。
上述の様に構成する本例の構造によれば、前記伸縮式ダンパ36bの両端部と相手部材に設けた結合板部67とを、調節ロッド25、25a(例えば、図13〜15、図24〜29参照)の軸方向の相対変位を吸収可能に、しかも悪路走行時等にもがたつく事がない様に、且つ、容易に結合できる。即ち、前記伸縮式ダンパ36bの両端部と前記結合板部67との結合作業は、前記両結合用杆状部60a(60b)を構成する複数の弾性脚片62a、62a(62b、62b)を前記結合孔68に押し込むだけで完了できる。そして、結合した状態では、前記弾性薄肉部66a(66b)が、前記大径部61a(61b)の先端面63a(63b)と前記結合板部67との間で弾性的に突っ張ると同時に、前記各弾性脚片62a、62a(62b、62b)の先端部外周面が前記係止孔68の内周面に、弾性的に押し付けられる。この結果、前記伸縮式ダンパ36bの両端部と前記結合板部67とを、前記結合用杆部60a(60b)を中心とする回転、及び、この結合用杆部60a(60b)を傾斜させる方向の揺動変位を可能に、しかもがたつきなく結合できる。しかも、前記弾性薄肉部66a(66b)は、前記伸縮式ダンパ36bを構成する、前記シリンダ部39又は前記ダンパ用ロッド40と一体に設けているので、独立した弾性部材が不要になり、部品管理、組立作業が容易になる。
[実施の形態の第2例]
図5は、請求項1〜5、7に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、弾性薄肉部66cの周方向複数箇所に、それぞれがこの弾性薄肉部66cの先端縁に達するきり込み70、70を形成している。そして、この弾性薄肉部66cの弾性を、上述した実施の形態の第1例の場合に比べて低く抑えている。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図6は、請求項1〜3、6に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、結合用杆状部60cの基半部を構成する大径部61cの先端部に、外向フランジ状の鍔部71を設けている。又、弾性薄肉部66dを、結合板部67aのうちで結合孔68の周縁部に、この結合板部67aと一体に設けている。この為に本例の場合には、これら結合板部67aと弾性薄肉部66dとを、合成樹脂等の弾性材により、一体に形成している。又、この弾性薄肉部66dは、前記結合板部67aから離れる程直径が大きくなる方向に傾斜した、部分円すい筒状である。そして、組み立て状態では、前記弾性薄肉部66dの先端縁を前記鍔部71に、弾性的に当接させている。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例又は上述した実施の形態の第2例の場合と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
図7は、請求項1、2に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の構造は、上述の実施の形態の第3例から、弾性薄肉部66dを除いている。従って、本例の場合には、各係止部64a、64a(64b、64b)の基端面69a(69b)を結合孔68の開口周縁部に押し付ける弾力は得られない。但し、本例の構造の場合も、各弾性脚片62a、62a(62b、62b)の自由状態で、これら各弾性脚片62a、62a(62b、62b)のうち、結合用杆状部60cと結合板部67とを結合した状態で、結合孔68内に存在する部分{前記各係止部64a、64a(64b、64b)を除く部分}の外接円の直径の最大値Dを、前記結合孔68の内径Rよりも大きく(D>R)している。従って、前記結合用杆状部60cと前記結合板部67とを結合した状態で、前記各弾性脚片62a、62a(62b、62b)の先端部外周面が前記結合孔68の内周面に弾性的に押し付けられる。この為、本例の場合も、伸縮式ダンパ36b(図1参照)の端部を前記結合板部67に、前記結合用杆状部60cを中心とする回転、及び、この結合用杆状部60cの軸方向に関する若干の変位を可能に、がたつきなく結合できる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第3例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
本発明を実施する場合に、図示の様なステアリングホイールの高さ位置及び前後位置を調節する為のチルト・テレスコピック式ステアリング装置としても実施できる事は勿論、ステアリングホイールの高さ位置のみを調節する為のチルト式ステアリング装置としても、更には、前後位置のみを調節する為のテレスコピック式ステアリング装置としても実施できる。又、伸縮式ダンパの両端部のうちの一端部のみを本発明の構造により相手部材に結合し、他端部は、ねじ等の他の構造により相手部材に結合する事もできる。
尚、実施の形態の第1〜3例の構造に設けた、弾性薄肉部の如き弾性部材を設ける構造の場合には、各弾性脚片の自由状態での外接円の直径の最大値を、結合孔の内径以下に抑えても良い。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5、5a ステアリングシャフト
6、6a ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10、10a 電動モータ
11、11a ハウジング
12 車体
13 チルト軸
14、14a、14b 支持ブラケット
15、15a、15b、15c 支持板部
16 変位ブラケット
17 上下方向長孔
18 通孔
19 アウタコラム
20 インナコラム
21 アウタシャフト
22 インナシャフト
23 支持管
24 取付板部
25、25a 調節ロッド
26 被支持壁部
27 被挟持部
28 前後方向長孔
29 鍔部
30、30a 駆動カム
31、31a 被駆動カム
32、32a カム装置
33、33a 調節レバー
34、34a ボス部
35、35a 突片
36、36a、36b 伸縮式ダンパ
37、37a 結合孔
38 延長部
39 シリンダ部
40 ダンパ用ロッド
41 グリース
42 隙間
43、43a 先端側フランジ
44、44a 挿通孔
45、45a 弾性脚片
46、46a 基端側フランジ
47a、47b 空気流路
48a、48b 蓋体
49 空間
50 頭部
51 雄ねじ部
52 係合凹部
53a、53b 中心孔
54 係合凸部
55 駆動側カム面
56 被駆動側カム面
57 支持腕部
58 第二結合孔
59a、59b 結合ねじ
60a、60b、60c 結合用杆状部
61a、61b、61c 大径部
62a、62b 弾性脚片
63a、63b 先端面
64a、64b 係止部
65a、65b ガイド傾斜面
66a、66b、66c、66d 弾性薄肉部
67、67a 結合板部
68 結合孔
69a、69b 基端面
70 切り込み
71 鍔部

Claims (15)

  1. 筒状のステアリングコラムと、このステアリングコラムの一部に固設された被挟持部と、この被挟持部に設けられた変位側透孔と、このステアリングコラムの内径側に回転自在に支持されて、後端部でこのステアリングコラムの後端開口から後方に突出した部分にステアリングホイールを固定するステアリングシャフトと、前記被挟持部を幅方向両側から挟む1対の支持板部を有し、車体に固定の部分に支持される支持ブラケットと、これら両支持板部の互いに整合する部分に設けられた1対の固定側透孔と、これら両固定側透孔及び前記変位側透孔に、幅方向に挿通された調節ロッドと、この調節ロッドの基端部で前記両支持板部のうちの一方の支持板部の外側面から突出した部分に設けられたアンカ部と、前記調節ロッドの先端部で前記両支持板部のうちの他方の支持板部の外側面から突出した部分に設けられた押圧部と、この押圧部と前記アンカ部との間隔を拡縮する拡縮機構と、前記調節ロッドを中心とする回動に基づいてこの間隔を拡縮させる調節レバーとを備え、前記両固定側透孔と前記変位側透孔とのうちの少なくとも一方の透孔を、前記ステアリングホイールの調節方向に長い長孔としたステアリングホイールの位置調節装置に於いて、前記調節レバーと共に前記調節ロッドを中心に回転する回転部分と、この調節レバーの回転に拘らず回転しない非回転部分との間に、全長を伸縮させる方向の力に対する抵抗となる伸縮式ダンパを掛け渡す事により、少なくとも前記調節レバーを前記ステアリングホイールの位置調節を可能とする方向に回動させる事に対する抵抗を付与しており、前記伸縮式ダンパの両端部と前記回転部分及び前記非回転部分とは、前記調節ロッドとこれら回転部分及び非回転部分とのうちの一方に設けられた結合用杆状部と同じく他方に設けられた板状部分に形成された結合孔とを係合させる事により、前記調節ロッドの軸方向の変位、及び、この調節ロッドに対し平行な軸を中心とする揺動を可能に結合されており、前記伸縮式ダンパの両端部と前記回転部分及び前記非回転部分との2箇所の結合部のうちの、少なくとも一方の結合部を構成する、前記結合用杆状部は、周方向に関して分割され、それぞれの先端部に当該結合用杆状部の径方向外方に突出した係止部を設けた複数の弾性脚片を備え、これら各弾性脚片により構成される部分の外径を弾性的に拡縮可能としたものであり、前記結合用杆状部を前記結合孔に、前記各弾性脚片の先端側から押し込んだ状態で、これら各弾性脚片先端の前記各係止部を前記結合孔の開口周縁部に係止して、前記結合用杆状部がこの結合孔から抜け出る事を防止している事を特徴とするステアリングホイールの位置調節装置。
  2. 前記各弾性脚片の自由状態で、これら各弾性脚片のうち、前記結合用杆状部と前記板状部分とを結合した状態で前記結合孔内に存在する部分の外接円の直径の最大値が、前記結合孔の内径よりも大きく、これら各弾性脚片をこの結合孔に押し込んで前記各係止部を前記結合孔の開口周縁部に係止した状態で、これら各弾性脚片の外周面の少なくとも一部がこの係止孔の内周面に、弾性的に押し付けられている、請求項1に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  3. 前記結合用杆状部と前記板状部分との間に設けた弾性部材により、前記各係止部を前記結合孔の開口周縁部に弾性的に押し付けている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  4. 前記結合用杆状部が、基半部を構成する大径部と、それぞれがこの大径部の先端面から突出した前記各弾性脚片とから成るものであり、前記弾性部材が圧縮方向の弾力を有するもので、前記大径部と前記結合孔を設けた部材との間に設けられている、請求項3に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  5. 前記弾性部材が、前記大径部の先端部外周縁に前記結合用杆状部と一体に設けられた、この大径部の先端面から離れる程直径が大きくなる方向に傾斜した弾性薄肉部であり、この弾性薄肉部の先端縁を前記板状部分のうちで前記結合孔の周囲部分に弾性的に当接させている、請求項3〜4のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  6. 前記大径部の先端部に、外向フランジ状の鍔部が設けられており、前記弾性部材が、前記板状部分のうちで前記結合孔の周縁部にこの板状部分と一体に設けられた、この板状部分から離れる程直径が大きくなる方向に傾斜した弾性薄肉部であり、この弾性薄肉部の先端縁を前記鍔部に弾性的に当接させている、請求項3〜4のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  7. 前記伸縮式ダンパが、先端部が開口した筒状のシリンダ部と、先端部乃至中間部をこのシリンダ部内に、このシリンダ部の先端開口から緩く挿入されたダンパ用ロッドと、これらシリンダ部の内周面とダンパ用ロッドの外周面との間に介在させたグリースとから成るものであり、前記結合用杆状部が、前記シリンダ部の基端部と前記ダンパ用ロッドの先端部とに設けられている、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  8. 前記回転部分が、前記調節レバーの基端部に設けられてこの調節レバーと共に回転する突片であり、前記非回転部分が前記他方の支持板部である、請求項1〜7のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  9. 前記両固定側透孔が、前記両支持板部の互いに整合する部分に設けられた、それぞれが上下方向に長い1対のチルト用長孔であり、前記拡縮機構は、被駆動カムと駆動カムとを備えたカム装置により構成されるもので、このうちの被駆動カムは、外側面を凸部と凹部とを傾斜面により連続させた被駆動側カム面とし、中心孔に前記調節ロッドを回転可能に挿通した状態で、前記他方の支持板部に設けた前記チルト用長孔に、このチルト用長孔に沿った変位のみを可能に係合しており、前記駆動カムは、前記被駆動側カム面と対向する内側面を、凸部と凹部とを傾斜面により連続させた駆動側カム面とし、前記調節レバーにより前記調節ロッドの中心軸回りに回転させられるもので、前記被駆動側カム面と前記駆動側カム面との係合に基づいて軸方向寸法を拡縮するものであり、前記回転部分が、前記調節レバーの基端部に設けられてこの調節レバーと共に回転する突片であり、前記非回転部分が、前記被駆動側カムに固定されてこの被駆動側カムと共に前記チルト用長孔に沿って変位する支持腕である、請求項1〜7のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  10. 前記シリンダ部の内周面及び前記ダンパ用ロッドの外周面を、周方向に関して凹部と凸部とを交互に連続させた凹凸面として、これら両周面同士の対向面積を確保している、請求項7、又は、この請求項7を引用した請求項8〜9のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  11. グリースの基油の動粘度が、40℃で500〜50000mm2/sである、請求項7、又は、この請求項7を引用した請求項8〜10のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  12. 前記シリンダ部を構成する外径側材料の線膨張係数よりも、前記ダンパ用ロッドを構成する内径側材料の線膨張係数が大きい、請求項7、又は、この請求項7を引用した請求項8〜11のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  13. 前記外径側材料が鉄系合金であり、前記内径側材料が軽合金又は合成樹脂である、請求項12に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  14. 前記外径側材料が金属であり、前記内径側材料が合成樹脂である、請求項12に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
  15. 前記ステアリングコラムが、アウタコラムとインナコラムとを伸縮可能に組み合わせたテレスコピックステアリングコラムであり、前記ステアリングシャフトが、アウタシャフトとインナシャフトとを、トルク伝達可能に、且つ、伸縮可能に組み合わせたテレスコピックステアリングシャフトであり、前記被挟持部は、前記アウタコラムに設けられていて、前記通孔がこのアウタコラムの軸方向に長い前後方向長孔であり、前記調節ロッドがこの前後方向長孔内で変位可能な範囲内で、前記ステアリングホイールの前後位置の調節を可能としている、請求項1〜14のうちの何れか1項に記載したステアリングホイールの位置調節装置。
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