JPH10259847A - 位置依存型ダンパ - Google Patents

位置依存型ダンパ

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Publication number
JPH10259847A
JPH10259847A JP8601897A JP8601897A JPH10259847A JP H10259847 A JPH10259847 A JP H10259847A JP 8601897 A JP8601897 A JP 8601897A JP 8601897 A JP8601897 A JP 8601897A JP H10259847 A JPH10259847 A JP H10259847A
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JP
Japan
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piston
cylinder
oil
expansion
dependent damper
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JP8601897A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Inagaki
泰弘 稲垣
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 位置依存型ダンパにおいて、静的な釣合位置
から伸長側と圧縮側への変位の全般に亙る伸側および圧
側減衰力をバルブ特性に保つ。 【解決手段】 シリンダ2とピストン14の静的な釣合
位置Xを基準にシリンダ2の両側内壁面を拡げて拡径部
10,11とし、かつ、ピストン14の外周面にこれら
拡径部10,11を含めてシリンダ2の内壁面へと追従
しつつ全ストロークに亙って常に油密に摺接する拡縮自
在のピストンシール15を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種の振動体に
減衰作用を加えて制振するための位置依存型ダンパに関
し、さらに詳しくは、静的な釣合位置を挟んで伸張側お
よび圧縮側へのストローク位置に応じて自動的に減衰特
性を適切に切り換え得る、特に、乗り物などのサスペン
ション装置への使用に好適な位置依存型ダンパに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の位置依存型ダンパとして
は、例えば、図5に示すようなものが知られている。
【0003】すなわち、この位置依存型ダンパMは、シ
リンダa内をピストンロッドbに取り付けたピストンc
により外周のピストンシールdを介して伸張側の上部作
動油室Uと圧縮側の下部作動油室Lとに区画している。
【0004】そして、これら上部作動油室Uと下部作動
油室Lをピストンcに設けた下部作動油室L側へと向っ
て開く伸側減衰バルブeと、逆に、上部作動油室U側に
向って開く圧側減衰バルブfを通して相互に連通してい
る。
【0005】また、シリンダaの外周には、それを取り
巻いて配置したアウタシェルgにより両者の間をリザー
バ室Rとして画成し、このリザーバ室Rをシリンダaの
下部側壁に設けたボトムオリフィスhを通して下部作動
油室Lへと連通している。
【0006】一方、シリンダaにおけるピストンcとの
静的な釣合位置(通常の使用状態である1Gの状態)X
の近傍におる内壁面には、当該側壁を外方へと膨出させ
てピストンcの外周面を越える(跨ぐ)長さの絞り油路
iを形成しており、この絞り油路iの部分をピストンc
が摺動するときにのみ当該絞り油路iを通して上部作動
油室Uと下部作動油室Lを相互に連通するようにしてあ
る。
【0007】なお、伸側減衰バルブeの上方には、ピス
トンロッドbへと嵌着してバンプラバーjを設け、この
バンプラバーjを位置依存型ダンパMの最伸張近傍でシ
リンダaの上端にあるベアリングkに当てることによ
り、最伸長時における衝撃の発生を緩和するようにして
いる。
【0008】かくして、振動体に加わった外部振動に伴
って位置依存型ダンパMが伸縮動作すると、シリンダa
とピストンcがベアリングkとピストンシールdをガイ
ドとして軸方向に相対変位を起こす。
【0009】そこで、今、シリンダaとピストンcが図
示の静的な釣合位置Xから絞り油路iの部分を通り越し
て伸張側の上部作動油室Uまたは圧縮側の下部作動油室
Lに変位を起こしたとする。
【0010】このとき、ピストンcの上端または下端縁
がシリンダaにおける絞り油路iの部分を通り過ぎるま
では、当該絞り油路iを通して上部作動油室Uと下部作
動油室Lが相互に連通している。
【0011】そのために、この間は、伸長および圧縮動
作の何れの場合にあっても、ピストンcの伸側および圧
側減衰バルブe,fが押し開かれることなくシリンダa
の膨出部とピストンcとの間の絞り油路iを通して上部
作動油室Uと下部作動油室Lとの間にオイルを流す。
【0012】なお、このときに、ピストンロッドbの退
出および浸入によって生じるシリンダa内のオイルの不
足分と余剰分(ピストンロッドbの退出および浸入体積
分のオイル)は、下部作動油室Lとリザーバ室Rとの間
でボトムオリフィスhからオイルのやり取りを行うこと
で補償する。
【0013】しかも、これと併せて、圧縮動作時には、
下部作動油室Lからボトムオリフィスhを通してリザー
バ室Rへと押し出されるオイルの流動抵抗で、当該圧縮
動作時における下部作動油室L内のオイル圧力を確保す
る。
【0014】これによって、位置依存型ダンパMは、絞
り油路iを通るときのオイルの流動抵抗で二次曲線的な
オリフィス特性の伸側減衰力と圧側減衰力を発生しつ
つ、これら伸側減衰力と圧側減衰力で振動体に加わった
外部振動を減衰する。
【0015】それに対して、ピストンcの上端または下
端縁が絞り油路iの一方の端部を通り過ぎて(絞り油路
iを越えて)伸張側或いは圧縮側に移動すると、ピスト
ンcにより絞り油路iの一方端の開口部が塞がれて当該
絞り油路iによる上部作動油室Uと下部作動油室Lの連
通を遮断する。
【0016】しかし、このピストンcによる絞り油路i
の遮断は、位置依存型ダンパMの伸縮動作に伴うボトム
オリフィスhでのオイルの過不足補償機能と、圧縮動作
時における下部作動油室L内のオイル圧力確保機能には
何等の影響をも与えない。
【0017】したがって、この場合には、位置依存型ダ
ンパMの伸張動作に伴いピストンcに設けた伸側減衰バ
ルブeを押し開いて上部作動油室U内のオイルを下部作
動油室Lへと押し出し、当該伸側減衰バルブeを押し開
いて流れるオイルの流動抵抗でバルブ特性の伸側減衰力
を発生する。
【0018】また、圧縮動作時にあっては、ピストンc
の圧側減衰バルブfを押し開いて下部作動油室L内のオ
イルを上部作動油室Uに押し出し、当該圧側減衰バルブ
fを押し開いて流れるオイルの流動抵抗でバルブ特性の
圧側減衰力を発生し、かくして、上記したバルブ特性の
伸側減衰力と協同して振動体に加わった外部振動を減衰
することになる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記した
従来タイプにおける位置依存型ダンパMにあっては、シ
リンダaとピストンcの相対関係が絞り油路iを越えて
伸張側または圧縮側に動作した場合にのみ、ピストンc
の伸側減衰バルブeと圧側減衰バルブfが作用してバル
ブ特性の伸側および圧側減衰力を発生する。
【0020】しかし、シリンダaとピストンcの相対関
係が絞り油路iの部分を越えるまでは、当該絞り油路i
による上部作動油室Uと下部作動油室Lの連通によって
ピストンcの伸側減衰バルブeと圧側減衰バルブfが押
し開かれることなく、絞り油路iを通るオイルの流動抵
抗のみによってオリフィス特性の伸側および圧側減衰力
を発生することになる。
【0021】その結果、位置依存型ダンパMの伸縮動作
時における初期減衰力がオリフィス特性となって減衰力
の立ち上がりに遅れを生じるばかりでなく、低速域での
伸縮動作時における減衰力もオリフィス特性となって位
置依存型ダンパMによる振動体への減衰作用に不足が生
じ、振動の収まりが悪くなってしまうという不都合な点
を有していた。
【0022】したがって、この発明の目的は、静的な釣
合位置から伸長側と圧縮側への変位の全般に亙る伸側お
よび圧側減衰力をバルブ特性に保つことのできる新規の
構成を備えた位置依存型ダンパを提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、この発
明において、シリンダとピストンの静的な釣合位置を基
準にシリンダの両側内壁面を拡げて拡径部とし、かつ、
ピストンの外周面に両拡径部を含めてシリンダの内壁面
へと追従しつつ全ストロークに亙って常に油密に摺接す
る拡縮自在のピストンシールを配設することにより達成
される。
【0024】すなわち、上記のように構成することによ
って、振動体に加わった外部振動に伴って位置依存型ダ
ンパが伸縮動作するとき、ピストンの外周に設けたピス
トンシールが拡縮しつつシリンダの内壁面に追従して摺
接し、全ストロークに亙って常にシリンダとの間を油密
状態に保つ。
【0025】これによって、位置依存型ダンパは、伸縮
動作の初期および低速域での伸縮動作時において、静的
な釣合位置を中心にピストンがシリンダの両拡径部の間
における内壁面と摺接して動作する。
【0026】そのために、この間の伸張動作時にあって
は、両拡径部の間におけるシリンダの内部とピストンロ
ッドの断面積差にシリンダとピストンの相対変位長さを
乗じた量のオイルを、伸張側の上部作動油室からピスト
ンの伸側減衰バルブを押し開いて圧縮側の下部作動油室
へと流す。
【0027】なお、このときシリンダからのピストンロ
ッドの退出によって生じるオイルの不足分は、ボトムオ
リフィスを通して下部作動油室へとリザーバ室内のオイ
ルを吸い込むことによって補償する。
【0028】また、圧縮動作時にあっては、逆に、ピス
トンロッドの浸入体積分に相当する量のオイルを下部作
動油室からボトムオリフィスを通してリザーバ室へと押
し出し、ボトムオリフィスで下部作動油室内のオイル圧
力を確保しつつシリンダ内のオイルの余剰分をも補償す
る。
【0029】そして、先の伸張動作時と同様にして、各
拡径部の間におけるシリンダの内部とピストンロッドの
断面積差にシリンダとピストンの相対変位長さを乗じた
量のオイルを、下部作動油室からピストンの圧側減衰バ
ルブを押し開いて上部作動油室へと流す。
【0030】かくして、位置依存型ダンパは、上部作動
油室と下部作動油室間に亙り伸側減衰バルブと圧側減衰
バルブを交互に押し開いてオイルを流し、これら伸側お
よび圧側減衰バルブを押し開いて流れるときのオイルの
流動抵抗により、立ち上がりのよいバルブ特性の伸側減
衰力と圧側減衰力を発生して振動体に加わった外部振動
を効果的に減衰する。
【0031】それに対して、ピストンがシリンダにおけ
る何れか一方の拡径部に達する部位まで伸張側または圧
縮側に相対移動するようになると、これら何れの場合に
あっても、ピストンロッドの断面積が変わることなくシ
リンダの内径断面積のみが増加する。
【0032】したがって、この伸張側および圧縮側位置
での位置依存型ダンパの伸縮動作時にあっては、シリン
ダの内径断面積の増大によりピストンロッドとの間に生
じた断面積差の増大分だけ伸側および圧側減衰バルブを
押し開いて流れるオイルの単位ストローク当りの流量が
増大する。
【0033】しかし、この単位ストローク当りのオイル
流量の増大は、位置依存型ダンパの伸縮動作に伴うボト
ムオリフィスでのオイルの過不足補償機能と、圧縮動作
時における下部作動油室内のオイル圧力確保機能には何
等の影響をも与えない。
【0034】その結果、伸側および圧側減衰バルブを押
し開いて流れるときのオイルの流動抵抗が大きくなっ
て、これら伸側および圧側減衰バルブにより同様のバル
ブ特性をもつ大きな伸側減衰力と圧側減衰力を発生して
振動体に加わった外部振動を減衰する。
【0035】これによって、位置依存型ダンパは、静的
な釣合位置から伸長側と圧縮側への変位の全般に亙る伸
側および圧側減衰力をバルブ特性に保ち、伸縮動作時に
おける初期減衰力の立ち上がりと低速域での伸縮動作時
における減衰力を高めて一段と優れた減衰性能をもつ位
置依存型ダンパとすることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、この発明を適用した位置依
存型ダンパの好ましい実施の形態について説明する。
【0037】図1において、位置依存型ダンパ1は、シ
リンダ2と当該シリンダ2を取り巻いて配置したにアウ
タシェル3とを有し、これらシリンダ2とアウタシェル
3の上端開口部は、ベアリング4とシールケース5に納
めたシール6とによって密封されている。
【0038】それに対して、シリンダ2とアウタシェル
3の下端開口部は、蓋体7とボトムキャップ8によって
それぞれ密閉されており、蓋体7をアウタシェル3側の
ボトムキャップ8の内面へと押し付けてセンタリングす
ることにより、シリンダ2をアウタシェル3に対し同芯
状態に保って保持している。
【0039】シリンダ2には、静的な釣合位置Xを挟む
略々中央の部分9を除いて上下の側壁を外周へと膨出さ
せて作った所定長さの拡径部10,11が形成してあ
り、しかも、シリンダ2の蓋体7よりも僅か上方の側壁
部分には、シリンダ2を貫通してボトムオリフィス12
が設けてある。
【0040】これによって、アウタシェル3は、シリン
ダ2との間にリザーバ室Rを区画すると共に、当該リザ
ーバ室Rは、ボトムオリフィス12を通してシリンダ2
内の下部に通じることになる。
【0041】シリンダ2の内部には、ピストンロッド1
3の下端に嵌着してピストン14を挿入してあり、ピス
トン14の外周に設けたピストンシール15を介してシ
リンダ2の内部を伸張側の上部作動油室Uと圧縮側の下
部作動油室Lとに区画している。
【0042】ピストン14から上方に向って延びるピス
トンロッド13は、シリンダ2とアウタシェル3の上端
を塞ぐベアリング4とシールケース5に納めたシール6
を貫通して外部へと突出し、このピストンロッド13の
上端とアウタシェル3の下端を塞ぐボトムキャプ8を通
して位置依存型ダンパ1を振動する二部材間に装着す
る。
【0043】一方、ピストン14は、軸方向に貫通する
伸側ポート16と圧側ポート17を有し、これら伸側ポ
ート16の下端と圧側ポート17の上端をそれぞれ下部
作動油室Lと上部作動油室Uに向って開く伸側減衰バル
ブ18と圧側減衰バルブ19で塞いでいる。
【0044】また、ピストン14の外周は、シリンダ2
における中央の部分9の内径よりも僅かに小さい大きさ
に作られており、この外周に上記したピストンシール1
5がシリンダ2の中央の部分9の内壁面と摺接しつつ押
し縮められた状態で嵌挿してある。
【0045】この実施の形態の場合、上記ピストンシー
ル15は、図2に示すように、合口隙間20をもつ拡縮
自在の二枚(三枚以上でもよい)のピストンリング21
で構成してあり、かつ、合口隙間20と対向するピスト
ンリング21の表面には突片22を固着して設けてあ
る。
【0046】そして、互いの突片22を相手方の合口隙
間20に嵌めて重ね合わせることにより、各ピストンリ
ング21の合口隙間20を互にずらしつつオイル洩れを
阻止できる状態で拡縮自在に配設してある。
【0047】このようにして、位置依存型ダンパ1の伸
縮動作に伴う全ストロークに亙ってピストンシール15
を、自己の弾性力により中央の部分9から拡径部10,
11を含むシリンダ2の内壁面へと常に摺接状態を保っ
て伸縮動作するようにしてある。
【0048】なお、このピストンシール15としては上
記のような構成のものに限らず、例えば、図3に示すよ
うなコイル状のピストンリング23や、或いは図4に示
すように弾性材料からなるリップ付のモールドリング2
4を用いてやってもよい。
【0049】また、当該位置依存型ダンパ1にあって
は、ピストン14がシリンダ2の拡径部10と対向した
ときに、ピストンロッド13がスパンの短い状態でベア
リング4と拡縮自在のピストンシール15を通してシリ
ンダ2によりガイドされることになるのでシリンダ2に
対してガタ付く恐れがある。
【0050】そこで、当該実施の形態では、図5の従来
例における伸切り緩衝用のバンプラバーの代わりに、ベ
アリング4の内壁面から伸縮スプリング25で吊り下げ
て上部作動油室U内へと案内盤26を垂下して設けてい
る。
【0051】そして、この案内盤26をシリンダ2の内
壁面へと摺接させることにより、ピストン14で案内盤
26を押しつつ伸縮スプリング25を押し縮めて伸切り
時の衝撃を緩和すると共に、これらベアリング4と案内
盤26でピストンロッド13を二点支持することによ
り、シリンダ2に対してピストンロッド13がガタ付く
のを防止するようにしたのである。
【0052】次に、以上のように構成した位置依存型ダ
ンパ1の伸縮動作時における減衰作用について説明す
る。
【0053】今、図1の静的な釣合位置Xにある位置依
存型ダンパ1が振動体に加わった外部振動に伴って伸縮
動作を始めたとすると、ピストン14の外周に設けたピ
ストンシール15がシリンダ2の中央の部分9と両側の
拡径部10,11の内壁面に追従して拡縮しつつ、全ス
トロークに亙り摺接して常にシリンダ2との間を油密状
態に保つ。
【0054】これによって、位置依存型ダンパ1が伸縮
動作を始めた初期および低速域での伸縮動作時にあって
は、静的な釣合位置Xを中心にピストン14がシリンダ
の中央の部分9における内壁面と摺接して動作すること
になる。
【0055】そのために、この間の伸張動作時にあって
は、シリンダ2の中央の部分9における内径断面とピス
トンロッド13の断面積差にシリンダ2とピストン14
の相対変位長さを乗じた量のオイルを、上部作動油室U
からピストン13の伸側ポート16を通して伸側減衰バ
ルブ18を押し開きつつ下部作動油室Lへと流す。
【0056】なお、このときシリンダ2からのピストン
ロッド13の退出によって生じるオイルの不足分は、ボ
トムオリフィス12を通して下部作動油室Lへとリザー
バ室R内のオイルを吸い込むことによって補償する。
【0057】また、圧縮動作時にあっては、逆に、ピス
トンロッド13の浸入体積分に相当する量のオイルを下
部作動油室Lからボトムオリフィス12を通してリザー
バ室Rへと押し出し、ボトムオリフィス12で下部作動
油室L内のオイル圧力を確保しつつシリンダ2内のオイ
ルの余剰分をも補償する。
【0058】そして、先の伸張動作時と同様にして、シ
リンダ2の中央の部分9における内径断面とピストンロ
ッド13の断面積差にシリンダ2とピストン14の相対
変位長さを乗じた量のオイルを、下部作動油室Lからピ
ストン13の圧側ポート17を通して圧側減衰バルブ1
9を押し開きつつ上部作動油室Uへと流す。
【0059】かくして、位置依存型ダンパ1は、上部作
動油室Uと下部作動油室L間に亙り伸側減衰バルブ18
と圧側減衰バルブ19を交互に押し開いてオイルを流
し、これら伸側および圧側減衰バルブ18,19を押し
開いて流れるときのオイルの流動抵抗により、立ち上が
りのよいバルブ特性の伸側減衰力と圧側減衰力を発生し
て振動体に加わった外部振動を効果的に減衰する。
【0060】それに対して、ピストン14に設けたピス
トンシール15がシリンダ2における何れか一方の拡径
部10,11に達する部位まで伸張側または圧縮側に相
対移動するようになると、これら何れの場合にあっても
ピストンシール15がシリンダ2の内壁面に沿って拡が
り、ピストンロッド13の断面積が変わることなくシリ
ンダ2の内径断面積のみが増加する。
【0061】したがって、この伸張側および圧縮側位置
での位置依存型ダンパ1の伸縮動作時にあっては、シリ
ンダ2の内径断面積の増大によりピストンロッド13と
の間に生じた断面積差の増大分だけ伸側および圧側減衰
バルブ18,19を押し開いて流れるオイルの単位スト
ローク当りの流量が増大する。
【0062】しかも、このピストンシール15の拡張に
伴う単位ストローク当りのオイル流量の増大は、位置依
存型ダンパ1の伸縮動作に伴うボトムオリフィス12で
のオイルの過不足補償機能と、圧縮動作時における下部
作動油室L内のオイル圧力確保機能には何等の影響をも
与えない。
【0063】その結果、伸側および圧側減衰バルブ1
8,19を押し開いて流れるときのオイルの流動抵抗が
大きくなって、これら伸側および圧側減衰バルブ18,
19により同様のバルブ特性をもつ大きな伸側減衰力と
圧側減衰力を発生して振動体に加わった外部振動を減衰
する。
【0064】これによって、位置依存型ダンパ1は、静
的な釣合位置Xから伸長側と圧縮側への変位の全般に亙
る伸側および圧側減衰力をバルブ特性に保ち、伸縮動作
時における初期減衰力の立ち上がりと低速域での伸縮動
作時における減衰力を高めて一段と優れた減衰性能をも
つことになる。
【0065】なお、これまでの説明にあっては、複筒タ
イプのボトムオリフィス式位置依存型ダンパを例にとっ
てこの発明の実施の形態を説明してきたが、例えば、ベ
ースバルブを用いた複筒タイプの位置依存型ダンパや単
筒タイプのガス封入式位置依存型ダンパ或いはその他の
形式の位置依存型ダンパにもこの発明を適用し得ること
は言うまでもない。
【0066】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、静的な釣合位置から伸長側と圧縮側への変位の全般
に亙る伸側および圧側減衰力をバルブ特性に保つこがで
き、したがって、伸縮動作時における初期減衰力の立ち
上がりと低速域での伸縮動作時における減衰力を高め
て、一段と優れた減衰性能をもつ位置依存型ダンパとす
ることができる。
【0067】請求項2の発明によれば、上記の効果に加
えてピストンに設けるピストンシールを容易に構成する
ことができる。
【0068】また、請求項3の発明によれば、上記ピス
トンに設けるピストンシールの密封性能を向上させつつ
より簡単に構成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による位置依存型ダンパの実施の形態
を示す縦断正面図である。
【図2】同上の位置依存型ダンパで用いたピストンシー
ルを分解して示す拡大平面図である。
【図3】同上のピストンシールの変形例を同様に拡大し
て示す斜視図である。
【図4】同じく、ピストンシールの他の変形例を示すた
めに位置依存型ダンパを部分的に拡大して示す縦断正面
図である。
【図5】従来例である位置依存型ダンパを示す縦断正面
図である。
【符号の説明】
L 下部作動油室 R リザーバ室 U 上部作動油室 X 静的な釣合位置 1 位置依存型ダンパ 2 シリンダ 9 シリンダの中央の部分 10,11 シリンダの拡径部 12 ボトムオリフィス 13 ピストンロッド 14 ピストン 15 ピストンシール 16 伸側ポート 17 圧側ポート 18 伸側減衰バルブ 19 圧側減衰バルブ 20 合口隙間 21 ピストンリング 22 突片 23 コイル状のピストンリング 24 弾性材からなるリップ付モールドリング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダとピストンの静的な釣合位置を
    基準にシリンダの両側内壁面を拡げて拡径部とし、か
    つ、ピストンの外周面に両拡径部を含めてシリンダの内
    壁面へと追従しつつ全ストロークに亙って常に油密に摺
    接する拡縮自在のピストンシールを配設したことを特徴
    とする位置依存型ダンパ。
  2. 【請求項2】 合口隙間を互いにずらして規制した複数
    枚の弾性ピストンリング、または、複数巻きのコイル状
    ピストンリングで拡縮自在のピストンシールを構成した
    請求項1の位置依存型ダンパ。
  3. 【請求項3】拡縮自在のピストンシールを弾性材料から
    なるリップ付モールドリングで構成した請求項1の位置
    依存型ダンパ。
JP8601897A 1997-03-19 1997-03-19 位置依存型ダンパ Pending JPH10259847A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8601897A JPH10259847A (ja) 1997-03-19 1997-03-19 位置依存型ダンパ

Applications Claiming Priority (1)

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JP8601897A JPH10259847A (ja) 1997-03-19 1997-03-19 位置依存型ダンパ

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