発明の実施の形態1.
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つの回胴のそれぞれに対応して3つのストップボタン140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の上側には、液晶表示装置LCDが設けてある。
スロットマシン本体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個の回胴からなるリール(回胴)ユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つの回胴(第1回胴〜第3回胴)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転回胴の図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205が設けられている。
前記前扉130の裏面には、図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたメダル投入口132の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
図3は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図示しないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部を備える。
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、リールの回転・停止やメダルの払い出しなどの処理(遊技処理)を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
サブ基板20は、メイン基板10からコマンドを受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンドに応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134,ストップボタン140,リールユニット(リール駆動装置を含む)203,リール位置検出回路71、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらは前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(デバイス制御基板)が接続されている。周辺基板とは、サブ基板20により制御されるものであり、主に映像、光、音響により演出を行うものである。
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
ホッパ駆動部80は、ホッパ81を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
投入受付手段1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1リール〜第3リールの回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1リール〜第3リールの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10はベットスイッチBETの有効/無効を制御する。ベットスイッチBETが有効になっていないときは(許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1100から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
リール制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1リール〜第3リールをステッピングモータにより回転駆動して、第1リール〜第3リールの回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールにそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リール〜第3リールを抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
また、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、そのリール停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リール〜第3リールの各リールを停止させる制御を行う。
すなわち、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1リール〜第3リールのうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1リール〜第3リールの停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リール〜第3リールを停止させる制御を行う。
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1リール〜第3リールの位置(押下検出位置)と、第1リール〜第3リールの実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1リール〜第3リールの停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるリールインデックス(図示せず)を備えており、リール制御手段1300は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップボタン140の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
リール制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リール〜第3リールを停止させる制御を行っている。
本実施形態の遊技機では、第1リール〜第3リールが、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各リールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
入賞判定手段1400は、第1リール〜第3リールの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リール〜第3リールの全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
リールユニット203は、図示しない3つのリールを備えるが、3つのリールそれぞれにひとつづつステッピングモータが取り付けられている。ステッピングモータは、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンのリールの回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
次に、遊技機における遊技処理について図4を参照して説明を加える。
一般的に、遊技機において、メダルの投入(クレジットの投入)に始まり、払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技である。一遊技が終了するまでは次回の遊技に進めないという決まりがある。
先ず、規定枚数のメダルが投入されることでスタートスイッチ134が有効になり、図4の処理が開始される。
ステップS1において、スタートスイッチ134が操作されることにより、スタートスイッチ134がONとなる(レバー押下)。そして、次のステップS2に進む。
ステップS2において、メイン基板10により抽選処理が行われる。そして、次のステップS3に進む。
スタートスイッチ134がONになったことに起因して、ステップS3において、第1リール〜第3リールの回転が開始し、各リールの回転速度が所定回転速度(定常回転、その回転速度は約80rpm)に到達するまで加速される。所定回転速度に達したら加速が停止し、そのときの回転速度を維持しつつ定常回転を行う。定常回転になると各リールに対する停止操作が可能となる。3つのリールそれぞれに対応して3つのストップボタン140が設けられているが、あるリールが定常回転に達したとき当該リールに対応するストップボタン140が点灯して操作可能であることを遊技者に知らせるとともに、リール制御手段1300は当該ストップボタン140からの信号を受け付けるようになる。この処理が3つのリールそれぞれについて行われる。そして、次のステップS4に進む。
ステップS4において、ストップボタン140が操作されることにより、ストップボタン140がONとなる。そして、次のステップS5に進む。
ステップS5において、第1リール〜第3リールのうち押下されたストップボタン140に対応するリールについて回転停止処理が行われる。そして、次のステップS6に進む。
ステップS6において、三個のリールに対応するストップボタン140の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個のリールに対応する3つのストップボタン140すべての操作が行われたと判定された場合、次のステップS7に進む。
ステップS7において、抽選フラグ成立中に当該抽選フラグに対応する入賞図柄が有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。そして、入賞が確定したと判定された場合、次のステップS8に進む。なお、入賞が確定しなかったときは、抽選フラグが成立していてもメダルの払い出しは行われない。
ステップS8において、入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
メダルの投入からステップS8の実行完了までが、一遊技である。ステップS8の待機処理が終了すると、処理はフローチャートの最初に戻る。言い換えれば、次の遊技が可能な状態になる(次遊技へ移行する)。
図3に示すように、サブ基板20には、液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202が接続されている。これらは、サブ基板20の周辺基板(デバイス制御基板)と言うべきものである。
これら複数の周辺基板(デバイス制御基板)は、図5のように接続されている。すなわち、複数の周辺基板が共通のバスに接続され、当該バスを通じてサブ基板20と通信を行う。当該バスを流れる信号は、パラレル信号(例えば8ビットの線で信号を伝送するもの)あるいはシリアル信号(例えば、I2C(Inter-Integrated Circuit)のようにデータ線とクロック線の2本の線で信号を伝送するもの)である。なお、図5の例ではサブ基板20から出た信号がサブ基板20に戻っているが、これは一例であり、一般的なバス構造のように接続端の反対側の端が開放されていてもよい。
サブ基板20から周辺基板へは、アドレスを指定してデータを送る。例えば、周辺基板としての液晶制御基板200へデータを送る場合は、液晶制御基板200に予め対応づけられているアドレスを指定してデータをバスに流す。液晶制御基板200は、アドレスにより自分宛のデータであることを認識すると、アドレスに引き続くデータをラッチに取り込む。取り込んだデータに従って所定の動作を行う。取り込んだデータが、液晶制御基板200で取得したあるいは取得可能なデータをサブ基板20へ送信するコマンドであれば、当該データをサブ基板20へ送信する(所定のデータ受信後は、予め定められたデータを常にサブ基板20へ送信するようにすることもできる)。
図6は、発明の実施の形態1及び後述の発明の実施の形態2に係る遊技機の演出動作の説明図(タイミングチャート)である。まず、この図に従って各契機(タイミング)について説明を加える。図6は、リプレイが入賞した「次の遊技(ゲーム)」における各種タイミングを示している。例えば、図6のtw(n−1)からtLまでの期間のいずれかにおいて自動投入信号が発生している(図8、図11、図13、図15についても同じ)。
tLは、スタートスイッチ134の押下(レバー押下)の契機(タイミング)である(以下の説明及び図面においてスタートスイッチを「スタートレバー」あるいは単に「レバー」と表記することもある)。
tcは、BET演出(第1演出)からレバー演出(第2演出)への切替タイミングである。
演出の実行の有無及び内容(どの操作契機で何の演出を出すか)は、レバー押下を契機に決定されている。当該レバー押下時には、当該遊技のレバー押下演出、第1番目に停止させるリールに対応したストップボタンの操作、第2番目に停止させるリールに対応したストップボタンの操作、第3番目に停止させるリールに対応したストップボタンの操作を契機とした演出、及び、次遊技のベット契機の演出を決定している。よって、第1演出が行われる場合、この第1演出は前回の遊技で決定され、第2演出は今回の遊技のレバー押下で決定される。
Taは、前回遊技のウエイト基準契機tw(n−1)からスタートスイッチ134の押下(レバー押下)までの時間である。
Twは、スタートスイッチ134の押下(レバー押下)から今回遊技のウエイト基準契機tw(n)までの時間である。この時間をウエイト時間と呼ぶことにする。
ウエイト時間を最小に設定するときは、Ta+Tw=4.1秒 である。ただし、Taが4.1秒よりも長いときは、Tw=0とする。
ウエイト基準契機とは、ウエイトを算出する際の基準となる契機である。具体的には、リールの回転開始契機、リールが予め定められた定常回転(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した契機(リールの定常回転契機)、ストップボタン140が有効化された契機(ストップボタン140の停止有効化契機)のいずれかである(これらの契機自体は公知であり詳しい説明は省略する)。なお、後述するように、場合によっては、スタートスイッチ134の押下タイミングを用いることができる場合もある。遊技機においては遊技と遊技の間隔(Ta+Tw)が所定時間(4.1秒)以上であることが求められていて、この時間に足りないときは「ウエイト時間」が設けられ、遊技の間隔が上記条件を満たすように設定される。
具体的には次のようになっている。
ウエイト基準契機がリールの回転開始契機であるとき、
(リールの回転開始から次のレバー押下までの時間)+(ウエイト時間)=4.1秒
ウエイト基準契機がリールの定常回転契機であるとき、
(リールの定常回転到達から次のレバー押下までの時間)+(ウエイト時間)=4.1秒
ウエイト基準契機がストップボタンの停止有効化契機であるとき、
(ストップボタンの停止有効化から次のレバー押下までの時間)+(ウエイト時間)=4.1秒
図6の例ではレバー押下契機tLが演出開始タイミングになっているが、これは一例である。図6のようにするほうが演出に使用できる時間が長くなり、その分BET演出を長くでき、遊技者が容易に認識できるようになるが、他の契機で演出を開始するようにもできる。
すなわち、スタートスイッチ134の操作によりメイン基板10において発生する契機には、レバー押下契機の他にも、リール回転開始契機、リール定常回転契機、ウエイト発生契機、ウエイト終了契機、ストップボタン有効化契機がある。これらの契機を演出開始タイミングとすることができる。これらの契機は、必要に応じてメイン基板10からサブ基板20へコマンドにより通知される(必要に応じて後述の演出切替信号生成部50にも通知される)。
リール回転開始契機は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいてリール制御手段1300が第1リール〜第3リールをステッピングモータにより回転駆動する契機(当該回転駆動を開始する契機)である。
リール定常回転契機は、第1リール〜第3リールがステッピングモータにより回転駆動された後において、当該第1リール〜第3リールの回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達したという契機である。
ストップボタン有効化契機は、当該第1リール〜第3リールの回転速度が所定速度に達したことを受けて、これら回転中のリールにそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可したという契機である。
ウエイト発生契機は、遊技と遊技の間隔が所定時間に足りないときに設けられるウエイト時間(期間)の発生(開始)に係る契機である。
ウエイト終了契機は、上記ウエイト時間の終息(終了)に係る契機である。
ウエイト時間は、前述のように、遊技機においては遊技と遊技の間隔が所定時間(4.1秒)以上であることが求められていることに起因するもので、この所定時間に足りないときに設けられるものである。ウエイト時間により、遊技と遊技の間隔は常に前記所定時間以上となる。
上記各契機は公知であるのでそれらの詳細な説明は省略する。
計時開始タイミングは、上述のように遊技と遊技の間隔(Ta+Tw)を所定時間(4.1秒)以上とするための図示しないタイマーの計時開始の契機であり、上述したウエイト基準契機のいずれかである。計時終了タイミングは、計時開始タイミングで計時を開始した図示しないタイマーの計時終了の契機であり、上述したウエイト基準契機のいずれかである。
ウエイト時間は、今回の遊技においてスタートスイッチ134が押下されたタイミングにおいて前回の遊技における「計時開始タイミング」から所定時間(4.1秒)が経過していないとき、今回の遊技における「計時終了タイミング」までの時間である。
ここで、「計時開始タイミング」と「計時終了タイミング」は、例えば、下記(ア)乃至(エ)のいずれかのように予め定められている。「計時開始タイミング」は、前述のウエイト基準契機と、計時を開始するタイミングという意味において同じである。
(ア)前回の遊技におけるスタートスイッチ134が押下されたスタートスイッチ押下タイミングを計時開始タイミングとし、今回の遊技における複数のリールの回転の開始に係るリール回転開始タイミングを計時終了タイミングとする。
(イ)前回の遊技におけるリール回転開始タイミングを計時開始タイミングとし、今回の遊技におけるリール回転開始タイミングを計時終了タイミングとする。
(ウ)前回の遊技における複数のリールが定常回転になったリール定常回転タイミングを計時開始タイミングとし、今回の遊技におけるリール定常回転タイミングを計時終了タイミングとする。
(エ)前回の遊技における複数のストップボタンの操作が有効化されたストップボタン有効化タイミングを計時開始タイミングとし、今回の遊技におけるストップボタン有効化タイミングを計時終了タイミングとする。
上記した(ア)については、今回の遊技においてスタートスイッチ134が押下されたときに、ウェイト時間が設けられなかった場合に用いることが可能である(当該スタートスイッチ134の押下が計時開始タイミングとなる)。
レバー演出(第2演出)は所定のタイミング(図6の例ではtw(n)以降のタイミング)で終了する。例えば、レバー演出(第2演出)は、第1停止時(3つのストップボタン140のうちで最初に押下されたものに対応するリールが停止した時)に行う所定の演出が設定されている場合には、当該第1停止が行われると終了する。前記所定の演出が設定されていない場合にも、当該第1停止で終了するようにしても、あるいは終了しないようにしてもよい。
説明の便宜上、以下においては、演出開始タイミングがレバー押下契機tLである図6の例に基づき説明を加える。
図7は、発明の実施の形態1に係る遊技機の概略ブロック図である。発明の実施の形態1に係る遊技機の動作説明に必要な部分のみを表示し、その他の部分の表示は省略している。必要に応じて図3も参照されたい。
50は、前回の遊技でリプレイに入賞したことによってメダルの自動投入がされたときに、スタートスイッチ134が押下された契機(タイミング)で計時を開始し、このタイミングから予め定められた演出時間Tminが経過したときに演出切替信号を出力する演出切替信号生成部である。
リプレイが入賞した場合には、リプレイ処理手段1600により、遊技者の手持ちのメダルを使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われるが、この際に、リプレイ処理手段1600から自動投入処理のための自動投入信号が投入受付手段1050へ送られる。
演出時間Tminは、BET演出(第1演出)を実行すべき最小の時間であり、例えば、遊技者が当該演出を認識できる0.5秒程度の時間である。この程度であれば、液晶表示装置LCDの画面表示などを遊技者は認識することができる(演出としてスピーカからの効果音・音声、光の点滅がありこれらも含む(以下同じ)が、以下では画面の演出を例にとる)。
計時開始タイミングは、前述の演出開始タイミングと同じものである。
なお、計時開始タイミングとして、他にも、前述のリールの回転の開始契機(タイミング)、リールが定常回転になった契機(タイミング)、ストップボタン140の操作が有効化された契機(タイミング)のいずれかを採用することができる。
ウエイト基準契機は、リールの回転の開始契機(タイミング)、リールが定常回転になった契機(タイミング)、ストップボタン140の操作が有効化された契機(タイミング)のいずれかであるが、計時開始タイミングはウエイト基準契機よりも前である。例えば、計時開始タイミングがスタートスイッチ134の押下された契機(タイミング)であるとき、ウエイト基準契機は、リールの回転の開始契機(タイミング)、リールが定常回転になった契機(タイミング)、ストップボタン140の操作が有効化された契機(タイミング)のいずれかであるが、計時開始タイミングがリールの回転の開始契機(タイミング)であるとき、ウエイト基準契機は、リールが定常回転になった契機(タイミング)、ストップボタン140の操作が有効化された契機(タイミング)のいずれかである。
メイン基板10は、演出開始タイミング信号(演出開始に係るコマンド、回転開始コマンドなど)と自動投入信号(リプレイ入賞によりメダルが自動投入されたことを知らせるコマンド)をサブ基板20と演出切替信号生成部50へ送る。
サブ基板20は、前回の遊技においてリプレイに入賞していないとき(自動投入信号を受けていないとき)、メダルセレクタ1でメダルの投入を受け付けたときに(その旨のコマンドを受けたとき)又はベットスイッチの出力に基づき、BET演出(第1演出)のデータをデバイス制御基板に送るとともに、スタートスイッチ134が押下されたときにレバー演出(第2演出)のデータをデバイス制御基板に送る(図17(a)参照)。
また、サブ基板20は、自動投入信号が入力された場合、計時開始タイミングでBET演出(第1演出)のデータをデバイス制御基板に送り、演出切替信号生成部50の演出切替信号に基づきレバー演出(第2演出)のデータをデバイス制御基板に送る。
図8は、自動投入信号が入力された場合(前回の遊技でのリプレイ入賞時)おいて上記処理を行ったときのタイミングチャートを示す。計時開始タイミングtL(これはレバー押下契機と一致しているが、前述のように他の契機とすることもできる)から演出時間Tminを経過した時点で演出の切り替えが行われる。したがって、ウエイト時間が十分にあるときにはBET演出(第1演出)は必ず演出時間Tminの間実行されるので、遊技者は当該演出を十分に認識することができる。画面がちらついてその内容を理解できないといったことはない。
ウエイト時間Twは一定ではなく遊技ごとに変化するので、ウエイト時間Twが演出時間Tminよりも短くなることがある。するとBET演出を実行する十分な時間が確保できなくなるので、このようにウエイト時間が所定時間(Tmin)よりも短くなる場合には、ウエイト時間の長さとは無関係にTmin分、BET演出を表示させてから演出切替信号を出力するようにしてもよい。なお、演出の前後関係上問題ないような場合には、BET演出(第1演出)を省略することも可能である。
図9は、図8のタイミングチャートを実現するための演出切替信号生成部50の処理フローチャートを示す。図10は、同じくサブ基板20の処理フローチャートである(リプレイ入賞時の処理を示す)。これらについて説明を加える。
S10:演出切替信号生成部50は、自動投入信号を受信したかどうか判定する。
メイン基板10がサブ基板20へ送る自動投入信号に基づき判定を行う。自動投入がされているときは、図8のTaにおいてメダル投入は行われないので、演出開始タイミングはレバー押下契機tL(あるいはこれ以降の契機)になる。
S11:演出切替信号生成部50は、演出開始タイミングであるかどうか判定する。
図8では、演出開始タイミングはレバー押下契機tLであるが、この他にも、リール回転開始契機、リール定常回転契機、ウエイト発生契機、ウエイト終了契機、ストップボタン有効化契機のいずれかでもよい。演出開始タイミングであるかどうかは、例えば、メイン基板10がサブ基板20へ送るコマンドに基づき判定を行う。
S12:演出開始タイミングと判断したら、演出切替信号生成部50は、図示しないタイマーを起動して計時を開始する。計時時間は、予め定められた演出時間Tminである。
S13:演出切替信号生成部50は、計時を終了したかどうか判定する。
S14:計時を終了したとき、演出切替信号生成部50は、演出切替信号を出力する。
演出切替信号の出力タイミングは、図8のtcである。
自動投入信号受信時において、サブ基板20は図10の処理を行う。
S20:サブ基板20は、演出開始タイミングであるかどうか判定する。
演出開始タイミングは、レバー押下契機tL、あるいはリール回転開始契機、リール定常回転契機、ウエイト発生契機、ウエイト終了契機、ストップボタン有効化契機のいずれかである。演出開始タイミングであるかどうかは、例えば、サブ基板20がメイン基板10から受けるコマンドに基づき判定を行う。
S21:サブ基板20は、BET演出を開始する。
BET演出データを周辺基板(デバイス制御基板)へ送る(図17及びこの説明参照)。
S22:サブ基板20は、演出切替信号生成部50からの演出切替信号を待つ。
図8の例では、tcにて演出切替信号を受ける。
S23:演出切替信号を受けたら、サブ基板20は、レバー演出を開始する。
レバー演出データを周辺基板(デバイス制御基板)へ送る(図17及びこの説明参照)。
以上の処理により、前回の遊技でのリプレイ入賞時において、今回の遊技におけるレバー押下などの契機に基づきBET演出(第1演出)とレバー演出(第2演出)が行われるときであっても、BET演出(第1演出)の時間を最低限、時間Tminだけ確保することができる。時間Tminを遊技者が演出を認識できる程度の時間とすることで、リプレイ入賞があった次の遊技においてBET演出(第1演出)を確実に認識できるようになる。
なお、図6及び図8とは異なり、レバー押下契機tLが、ウエイト基準契機から4.1秒を経過している場合であっても、リールの回転開始から停止操作の有効化までは所定時間があるので、ウエイト時間に代えて、当該所定時間を利用してBET演出(第1演出)のための時間を確保してもよい。
例えば、レバー押下(レバー押下契機tL)から回転開始までが≒0秒であり、リールの回転開始から定常回転に達するまでが1.0秒であり、定常回転に達してから停止操作有効化となるまでが≒0秒である場合において、ウエイト基準契機を回転開始時とすると、前回の遊技の1回転開始時から4.1秒経過した後にレバー押下した場合であっても、レバー押下から停止操作が有効化されるまでの間に1.0秒間(1.0秒+0秒)は停止操作ができない期間であるので、ウエイト時間がない場合であっても、時間Tminとして0.5秒を確保することができる。
ウエイト基準契機をどこにするかに応じて、時間Tmin分のために確保できる時間が増減する(回転開始時の加速シーケンスの設定や、定常回転に達してから停止操作が有効化されるまでの処理の設定により異なる)。
例えば、レバー押下から回転開始までが≒0秒、回転開始から定常回転に達するまでが1.0秒であり、定常回転に達してから停止操作有効化となるまでが≒0秒である場合に、停止操作が有効となってから次回のレバー押下までの最短時間(遊技者が最速で操作を行った場合の最短時間)が2秒であるとする。すると、ウエイト基準契機を回転開始時とした場合にはウエイト基準契機からレバー押下までの時間が最短でも3秒となり、ウエイト時間は最大でも1.1秒なのに対し、定常回転到達時や停止操作有効化時とした場合には、最大2.1秒となる。
図7の例では、演出切替信号生成部50はメイン基板10、サブ基板20とは別個に設けられているように示されているが、演出切替信号生成部50をメイン基板10の内部に設けることができる。また、演出切替信号生成部50をサブ基板20の内部に設けることもできる。
演出切替信号生成部50をメイン基板10の内部に設ける場合は、例えば、図9の処理をメイン基板10で行い、演出切替信号をコマンドとしてサブ基板20へ送る。図9の処理を行うための情報はいずれもメイン基板10で発生されるものなので、図9の処理の実装は可能である。サブ基板20は、演出切替信号に係るコマンドに基づきBET演出(第1演出)からレバー演出(第2演出)に切り替える。
演出切替信号生成部50をサブ基板20の内部に設ける場合は、例えば、メイン基板10から受けるコマンドに基づき図9の処理を行う。この場合、図9の処理を行うための情報がコマンドとしてメイン基板10からサブ基板20へ送られなけれならない。サブ基板20は、自身で作成した演出切替信号に基づきBET演出(第1演出)からレバー演出(第2演出)に切り替える。
発明の実施の形態1によれば、BET演出(第1演出)の開始から演出時間Tmin経過した時点でレバー演出(第2演出)に切り替えるようにしたので、BET演出(第1演出)は必ず演出時間Tminの間実行され、遊技者は当該演出を十分に認識することができる。画面がちらついてその内容を理解できないといったことはない。
演出の切り替え(あるいは開始)について遊技者の操作を契機としつつ、リプレイが入賞した次のゲームにおいてメダル投入信号を契機として行うBET演出(第1演出)の実行の機会を確保でき、しかも、BET演出(第1演出)の表示が一瞬表示された後にすぐにレバー演出に表示が上書きされて画面がちらつく、という問題が生じないようにできた。
レバー演出(第2演出)が当該第1停止で終了する場合において、発明の実施の形態1のようにBET演出(第1演出)を行う時間を所定時間確保することにより、レバー演出(第2演出)を行う時期がスタートスイッチの操作直後に行うよりも遅れることになっても、少なくとも遊技者が第1停止を行わなければレバー演出(第2演出)が終了することはないため、レバー演出(第2演出)が無条件にちらつきのようになってしまうことを防止することができる。
発明の実施の形態2.
発明の実施の形態2は、発明の実施の形態1とは処理内容で異なるが、構成は同じなので、発明の実施の形態2においても図7を参照する。
図11は、自動投入信号受信時において発明の実施の形態2に係る処理を行ったときのタイミングチャートを示す。同図は、レバー押下契機tLを演出開始タイミング(これを前述のように他の契機とすることもできる)としてBET演出(第1演出)を開始するとともに、ウエイト時間Twを求め、これを所定の比率(例えば1:1)で配分し、配分(2分割)された期間のそれぞれをBET演出(第1演出)とレバー演出(第2演出)を割り当てるという処理のタイミングチャートを示している。
図11の例は比率が1:1を示しており、ウエイト時間Twの中間のTw/2で演出切替が行われている(レバー押下契機tLからTw/2したタイミングで、演出切替信号生成部50は演出切替信号を出力している)。
図11の例によれば、ウエイト時間Twが十分に長ければ、遊技者はBET演出(第1演出)を十分に認識することができる。画面がちらついてその内容を理解できないといったことはない。例えば、Tw/2=演出時間Tminであれば発明の実施の形態1と同じ効果を奏し、Tw/2>演出時間Tminであれば、発明の実施の形態1よりも演出をより認識しやすくなる。なお、ウエイト時間Twは一定ではなく遊技ごとに変化するので、Tw/2<演出時間Tminとなり得るが、このケースについては後述する。
図12は、図11のタイミングチャートを実現するための演出切替信号生成部50の処理フローチャートを示す。サブ基板20の処理フローチャートは図10と異ならないので、省略する。
図12において、図9と同じ処理については同じ符号を付し、その説明は省略する。
S30:演出切替信号生成部50は、ウエイト時間Twを算出する。ウエイト時間Twは次のように求める。
ウエイト基準契機がリールの回転開始契機であるとき、
(ウエイト時間)=4.1秒−(リールの回転開始から次のレバー押下までの時間)
ウエイト基準契機がリールの定常回転契機であるとき、
(ウエイト時間)=4.1秒−(リールの定常回転への到達から次のレバー押下までの時間)
ウエイト基準契機がストップボタンの停止有効化契機であるとき、
(ウエイト時間)=4.1秒−(ストップボタンが有効化されたときから次のレバー押下までの時間)
(リールの回転開始から次のレバー押下までの時間)、(リールの定常回転到達から次のレバー押下までの時間)、(ストップボタンの停止有効化から次のレバー押下までの時間)は、図11のTaに相当する。
S31:演出切替信号生成部50は、演出切替タイミングを算出する。
S30で求めたウエイト時間Twを予め定められた比率でBET演出(第1演出)用の期間(tL〜tc:第1期間)とレバー演出(第2演出)用の期間(tc〜tw(n):第2期間)に配分する。そして、この配分の結果に基づき演出切替信号を出力する。
例えば配分比率が1:1であれば、tc=tL+Tw/2である。配分比率がa:bであれば、tc=tL+Tw×(a/a+b)である。
演出切替タイミングの算出に際して、レバー押下契機tLに代えて、前述のように他の契機を採用することもできる。
S32:演出切替信号生成部50は、演出切替タイミングになったかどうかを判定する。
例えば、レバー押下契機tL(あるいはリールの回転の開始契機、リールが定常回転になった契機、ウエイト時間の開始契機などの他の契機)で図示しないタイマーを起動し、これがS31で算出したTw/2、Tw×(a/a+b)を計時したかどうかを判定する。
演出切替タイミングになったとき、S14で演出切替信号を出力する。
図7の例では、演出切替信号生成部50はメイン基板10、サブ基板20とは別個に設けられているように示されているが、発明の実施の形態1と同様に、演出切替信号生成部50をメイン基板10の内部に設けることができる。また、演出切替信号生成部50をサブ基板20の内部に設けることもできる。
演出切替信号生成部50をメイン基板10の内部に設ける場合は、例えば、図12の処理をメイン基板10で行い、演出切替信号をコマンドとしてサブ基板20へ送る。図9の処理を行うための情報はいずれもメイン基板10で発生されるものなので、図9の処理の実装は可能である。サブ基板20は、演出切替信号に係るコマンドに基づきBET演出(第1演出)からレバー演出(第2演出)に切り替える。
演出切替信号生成部50をサブ基板20の内部に設ける場合は、例えば、メイン基板10が図12のS10、S11、S30を実行し、サブ基板20がS31以降を実行するようにできる。この場合、メイン基板10はサブ基板20へウエイト時間Twを知らせるコマンドを送信する。
あるいは、演出切替信号生成部50をサブ基板20の内部に設ける場合において、例えば、メイン基板10が図12のS10、S11、S30、S31を実行し、サブ基板20がS32とS14を実行するようにできる。この場合、メイン基板10はサブ基板20へ演出切替タイミングTcを知らせるコマンドを送信する。
あるいは、演出切替信号生成部50をサブ基板20の内部に設ける場合において、図12の処理全体をサブ基板が実行するようにできる。この場合、図12の処理を行うために必要な情報がコマンドとしてメイン基板10からサブ基板20へ送られなけれならない。サブ基板20は、自身で作成した演出切替信号に基づきBET演出(第1演出)からレバー演出(第2演出)に切り替える。
発明の実施の形態2は、ウエイト時間が十分長いときに(具体的には、Tw/2≧演出時間Tmin)、発明の実施の形態1と同様の効果を奏する。すなわち、遊技者は当該演出を十分に認識することができる。画面がちらついてその内容を理解できないといったことはない。
発明の実施の形態2の変形例として、ウエイト時間が長くないとき(Tw/2<演出時間Tmin)の処理を追加した例を説明する。
図13は、図11と同様のケースにおいて、ウエイト時間Twが非常に短い(≒0)ときを示す。これは、遊技者のレバー操作が遅く、レバー操作の前に前回のウエイト基準契機から4.1秒又はこれに近い時間が経過した場合である。
図13の例では、レバー押下と同時又はこの直後にウエイト基準契機が到来するので、BET演出(第1演出)の時間を確保できない。このような場合にBET演出(第1演出)を実行するとその時間が短いため、画面のちらつきが生じる。
そこで、図13のような場合には無理にBET演出(第1演出)を行わないようにしてもよい。演出の一部が欠けることによりストーリーに影響を与えることがあるが、この影響が比較的軽いと考えられるとき、画面のちらつきを防止することに重点を置くようにできる。なお、発明の実施の形態1と同様に、ウエイト時間とは無関係にTmin分の時間、第1演出を行うようにしてもよい。すなわち、Tmin分、BET演出を表示させてから演出切替信号を出力するようにしてもよい。なお、演出の前後関係上問題ないような場合には、BET演出(第1演出)を省略することも可能である。
図14は、図13のタイミングチャートに対応する演出切替信号生成部50の処理フローチャートを示す。サブ基板20の処理フローチャートは図10と異ならないので、省略する。
図14において、図9及び図12と同じ処理については同じ符号を付し、その説明は省略する。
S40:演出切替信号生成部50は、S31で算出された演出切替タイミングに基づき、BET演出(第1演出)について最小限の演出時間Tminが確保できているかどうか判定する。
例えば、tc−tL<Tminであるとき、S40でNOとなる。
S40でNOの場合、直ちにS14を実行し、BET演出(第1演出)を中止する。あるいは、サブ基板20でBET演出(第1演出)のデータ送信を行わないようにしてもよい。例えば、メイン基板10から演出開始タイミング信号(コマンド)と演出切替信号(コマンド)を同時に送信し、図10のS21をスキップさせるようにする。
発明の実施の形態2の他の変形例として、ウエイト時間が長くないとき(Tw/2<演出時間Tmin)でもBET演出(第1演出)を行えるようにした例を説明する。
図15は、図13と同じくウエイト時間Twが非常に短い(≒0)ときを示す。これは、遊技者のレバー操作が遅れ、レバー操作の前に前回のウエイト基準契機から4.1秒又はこれに近い時間が経過した場合である。
図15の例では、前回のウエイト基準契機から4.1秒を超えた時点に次のウエイト基準契機を設定するようにしている。すなわち、レバー押下契機tLに延長期間Text(例えば1秒以上の所定時間)を付加し、この期限の満了時を次のウエイト基準契機tw(n)としている。延長期間Textの付加によりBET演出(第1演出)の時間を確保できる。例えば、延長期間Textの半分をBET演出に割り当て、0.5秒間のBET演出の時間が確保されるので、画面のちらつきも生じない。演出の一部が欠けないのでストーリーに影響を与えない。
演出切替信号生成部50は、ウエイト時間Twに延長期間Textを含めた期間をBET演出(第1演出)用の第1期間とレバー演出(第2演出)用の第2期間に配分し、この配分の結果に基づき演出切替信号を出力する。
例えば、Tw+Textを1:1あるいはa:bで配分する。あるいは、この期間の最初のTminを第1期間とし、残りを第2期間とするようにもできる。例えば、tc−tL=Tminとなるようにtw(n)を設定する。Textを最小にするように、第2期間をゼロとしてもよい。tc=tw(n)とする場合にはText=Tminである。
図16は、図15のタイミングチャートに対応する演出切替信号生成部50の処理フローチャートを示す。サブ基板20の処理フローチャートは図10と異ならないので、省略する。
図16において、図9、図12及び図14と同じ処理については同じ符号を付し、その説明は省略する。
S50:演出時間Tminを確保できていないとき、演出切替信号生成部50は、ウエイト基準契機タイミングを延期する。
これにより、ウエイト基準契機tw(n−1)とtw(n)の間隔は4.1秒より大きくなる。延長期間Textは、上記のように最小でTminである。
S51:演出切替信号生成部50は、延長後のウエイト基準契機tw(n)を算出する。
S52:演出切替信号生成部50は、延長後の演出切替タイミングを算出する。
例えば、Tw+Textを1:1で配分し、tc=tL+(Tw+Text)/2とする。あるいは、a:bで配分し、tc=tL+(Tw+Text)×(a/a+b)とする。
あるいは、この期間の最初のTminを第1期間とし、残りを第2期間とするようにもできる。tc=tL+Tminとする。ただし、Text≧Tminとする。Textを最小にするように、第2期間をゼロとしてもよい。tc=tw(n)とすればText=Tminである。
この変形例によれば、ウエイト時間が長くないとき(Tw/2<演出時間Tmin)でもBET演出(第1演出)を行えるようにできる。遊技者はBET演出(第1演出)を十分に認識することができる。画面がちらついてその内容を理解できないといったことはない。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。