図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
スロットマシン100には演出を行うための複数のデバイスが設けられている。図1において、Aは、前扉130の上部にアーチ状に配置されたアーチ(図1ではその一部に符号を付しているが、左右対称にアーチ状の部分がアーチAである)であり、Bはゲーム表示部131の右側に設けられたランプであり、Cはゲーム表示部131の下側に設けられた7セグメントLEDである。これらは、視覚に訴える発光素子を備えるデバイスである。また、Dは音響を発生するスピーカである。なお、点線で示したものは、デバイスA〜Dを制御する周辺基板201a〜201dである(これらについては後述する)。
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つの回胴のそれぞれに対応して3つのストップスイッチ140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の上側には、液晶表示装置LCDが設けてある。
スロットマシン本体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個の回胴からなるリール(回胴)ユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つの回胴(第1回胴〜第3回胴)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転回胴の図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205が設けられている。
前記前扉130の裏面には、図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたメダル投入口132の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
図3は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図示しないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部を備える。
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、リールの回転・停止やメダルの払い出しなどの処理(遊技処理)を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134,ストップボタン140,リールユニット(リール駆動装置を含む)203,リール位置検出回路71、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらは前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、アーチ状に設けられた電飾であるアーチを点滅させるアーチ基板201a、ゲーム表示部131の左右に設けられた電飾(ランプ)を点滅させるRGB基板201b、ゲーム表示部131の下側に設けられた7セグメントLEDを点滅させるLED基板201cが接続されている。また、スピーカから音響を流すためのスピーカ基板201dが接続されている(スピーカ基板201dの制御はサブ基板20が行っており、後述のコマンド処理とは直線関係していない。なお、スピーカの制御について後述のコマンド処理を適用することもできる)。サブ基板20に接続されるこれら基板を周辺基板(ローカル基板)と呼ぶことにする。周辺基板とは、サブ基板20により制御されるものであり、主に映像、光、音響により演出を行うものである。なお、以下の説明では、便宜上、液晶制御基板200とその他の周辺基板を区別することがある。
液晶制御基板200は、液晶表示装置LCDを制御するものであり、液晶表示装置LCDに所定の画像を表示するものである。
アーチ基板201aは、アーチ状に設けられた電飾であるアーチAの点滅を制御するものである。
RGB基板201bは、ゲーム表示部131の右に設けられた電飾(ランプ)Bの点滅を制御するものである。
LED基板201cは、ゲーム表示部131の下側に設けられた7セグメントLED(C)の点滅を制御するものである。
スピーカ基板201dは、遊技機の上部に設けられたスピーカDから流す音響を制御するものである。
これら複数の周辺基板は、BUS接続されている。すなわち、複数の周辺基板が共通のバスに接続され、当該バスを通じてサブ基板20と通信を行う。当該バスを流れる信号は、パラレル信号(例えば8ビットの線で信号を伝送するもの)あるいはシリアル信号(例えば、I2C(Inter-Integrated Circuit)のようにデータ線とクロック線の2本の線で信号を伝送するもの)である。なお、サブ基板20から出た信号がサブ基板20に戻るように構成することもできる。
サブ基板20から周辺基板へは、アドレスを指定してデータを送る。例えば、周辺基板としての液晶制御基板200へデータを送る場合は、液晶制御基板200に予め対応づけられているアドレスを指定してデータをバスに流す。液晶制御基板200は、アドレスにより自分宛のデータであることを認識すると、アドレスに引き続くデータをラッチに取り込む。取り込んだデータに従って所定の動作を行う。取り込んだデータが、液晶制御基板200で取得したあるいは取得可能なデータをサブ基板20へ送信するコマンドであれば、当該データをサブ基板20へ送信する。所定のデータ受信後は、予め定められたデータを常にサブ基板20へ送信するようにすることもできる。
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
ホッパ駆動部80は、ホッパ81を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
投入受付部1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1リール〜第3リールの回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1リール〜第3リールの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10はベットスイッチBETの有効/無効を制御する。ベットスイッチBETが有効になっていないときは(許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1050から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
リール制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1リール〜第3リールをステッピングモータにより回転駆動して、第1リール〜第3リールの回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールにそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リール〜第3リールを抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
また、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、そのリール停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リール〜第3リールの各リールを停止させる制御を行う。
すなわち、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1リール〜第3リールのうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1リール〜第3リールの停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リール〜第3リールを停止させる制御を行う。
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1リール〜第3リールの位置(押下検出位置)と、第1リール〜第3リールの実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1リール〜第3リールの停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるリールインデックス(図示せず)を備えており、リール制御手段1300は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップスイッチ140の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
リール制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リール〜第3リールを停止させる制御を行っている。
本実施形態の遊技機では、第1リール〜第3リールが、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各リールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
入賞判定手段1400は、第1リール〜第3リールの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リール〜第3リールの全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
リールユニット203は、図示しない3つのリールを備えるが、3つのリールそれぞれにひとつづつステッピングモータが取り付けられている。ステッピングモータは、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンのリールの回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
次に、遊技機における遊技処理について図4を参照して説明を加える。
一般的に、遊技機において、メダルの投入(クレジットの投入)に始まり、払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技である。一遊技が終了するまでは次回の遊技に進めないという決まりがある。
先ず、規定枚数のメダルが投入されることでスタートスイッチ134が有効になり、図4の処理が開始される。
ステップS1において、スタートスイッチ134が操作されることにより、スタートスイッチ134がONとなる。そして、次のステップS2に進む。
ステップS2において、メイン基板10により抽選処理が行われる。そして、次のステップS3に進む。
ステップS3において、第1リール〜第3リールの回転が開始する。そして、次のステップS4に進む。
ステップS4において、ストップボタン140が操作されることにより、ストップボタン140がONとなる。そして、次のステップS5に進む。
ステップS5において、第1リール〜第3リールのうち押下されたストップボタン140に対応するリールについて回転停止処理が行われる。そして、次のステップS6に進む。
ステップS6において、三個のリールに対応するストップボタン140の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個のリールに対応する3つのストップボタン140すべての操作が行われたと判定された場合、次のステップS7に進む。
ステップS7において、抽選フラグ成立中に当該抽選フラグに対応する入賞図柄が有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。そして、入賞が確定したと判定された場合、次のステップS8に進む。なお、入賞が確定しなかったときは、抽選フラグが成立していてもメダルの払い出しは行われない。
ステップS8において、入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
メダルの投入からステップS8の実行完了までが、一遊技である。ステップS8の待機処理が終了すると、処理はフローチャートの最初に戻る。言い換えれば、次の遊技が可能な状態になる(次遊技へ移行する)。
次に、発明の実施の形態に係るデバイス出力コマンドの解釈処理について説明を加える。これにはいくつかのバリエーションが考えられるので、それらを順番に説明する。
[ひとつのコマンドで液晶制御コマンドと複数の周辺基板を制御するケース]
図5は、発明の実施の形態に係る液晶制御基板200のブロック図を示す。同図は発明の実施の形態による処理に関連する部分のみを示し、描画処理や画像出力処理その他の処理を行う部分の表示は省略している。
2001は、液晶表示装置(画面表示部)LCD及び複数の周辺基板201a〜201cを制御するためにサブ基板20からデバイス出力コマンドを受けるデバイス出力コマンド受信部である。デバイス出力コマンドは、従来のアーチ出力コマンド、RGB出力コマンド、LED出力コマンド、液晶表示コマンド(これらについては後述の図24の説明を参照されたい)に代わるものであり、アーチ出力、RGB出力、LED出力、液晶表示をまとめてひとつで行うことのできるコマンドである(これらアーチ出力などについては後述の比較例参照)。
2002は、デバイス出力コマンドを解釈するためのコマンドテーブルである。コマンドテーブル2002は、ひとつのデバイス出力コマンドとこれに対応する複数の制御コマンド(出力コマンド)の関係を予め複数記憶している。詳しくは後述する。
2003は、コマンドテーブル2002に基づきデバイス出力コマンドを解釈し、液晶コントローラ2007、アーチ基板201a、RGB基板201b、LED基板201cそれぞれの制御コマンドを生成するコマンド処理部である。コマンド処理部2003は、コマンドテーブル2002に基づきデバイス出力コマンドをそれぞれ複数の制御コマンド(アーチ出力コマンド、RGB出力コマンド、LED出力コマンド、液晶出力コマンド)に展開し、それらを対応する周辺基板へ送信する。
2004〜2006は、生成された制御コマンドをアーチ基板201a、RGB基板201b、LED基板201cへ送るコマンド送信部である。
2007は、生成された制御コマンドに基づき液晶表示装置LCDを表示制御する液晶コントローラ(送信部)である。
図6は、テーブル2002の記憶内容の一例を示す。
テーブル2002は、複数のデバイス出力コマンド(コマンドA、コマンドB、・・・)を記憶し、各デバイス出力コマンドに対応して出力コマンド(アーチ出力A、RGB出力A、LED出力A、液晶出力A、アーチ出力B、RGB出力B、LED出力B、液晶出力B、・・・)を記憶している。
デバイス出力コマンド(コマンドA、コマンドB、・・・)は、従来の複数のコマンド(図24参照)が複合されたものであり、ひとつのコマンドで複数の周辺基板に対して所定の処理を命じることができるものである。
出力コマンド(アーチ出力A、RGB出力A、LED出力A、液晶出力A、アーチ出力B、RGB出力B、LED出力B、液晶出力B、・・・)は、前記デバイス出力コマンドをテーブル2002に基づき解釈した結果得られる複数のコマンドであり、各周辺基板に対応するものである。
アーチ出力A、アーチ出力Bは、アーチ基板201aに対するコマンドであり、アーチ状に設けられた電飾であるアーチAの点滅を制御するものである。
RGB出力A、RGB出力Bは、RGB基板201bに対するコマンドであり、ゲーム表示部131の右に設けられた電飾(ランプ)Bの点滅を制御するものである。
LED出力A、LED出力Bは、LED基板201cに対するコマンドであり、ゲーム表示部131の下側に設けられた7セグメントLED(C)の点滅を制御するものである。
液晶出力A、液晶出力Bは、液晶制御基板200に対するコマンドであり、液晶表示装置LCDを制御して、液晶表示装置LCDに所定の画像を表示するものである。
なお、図6にはスピーカ基板201dに対するコマンドはないが、これはスピーカ基板201dに対するコマンドをコマンドAなどに含めることができないことを意味しない。テーブル2002にスピーカ基板201dに対するコマンドの行を追加することで、スピーカ基板201dに対する制御が可能になる。
図6の例では、他に、処理順と出力先周辺基板の種類も記憶されているが、これらは必須ではない。
処理順を対応付けることにより、特定のデバイス出力コマンドに関して演出を行う際に、周辺基板の動作の順番を個別に指定することができる。同様のことはテーブル2002において出力コマンド(アーチ出力A、RGB出力A、LED出力A、液晶出力A)の順番を並べ替えても可能ではあるが、処理順を設けることによりより簡単に順番を指定することができる。
出力先周辺基板の種類は、例えば送信先のアドレスのようなものであり、コマンドごとに送信先が固定であれば不要である。しかし、同種の基板が複数あるような場合には、出力先周辺基板の種類があると便利である。例えば、アーチ基板αとアーチ基板βがあるとして、アーチ出力A1をアーチ基板αに送りアーチ出力A2をアーチ基板βに送るという処理を、必要に応じてアドレスを交換することで逆にすることができる。種類が異なる基板であってもコマンドに互換性があるときは、同様のことができる。
コマンド処理部2003は、サブ基板20から受けたデバイス出力コマンドを、コマンドテーブル2002の各コマンド種別についてコマンドA、B、・・・と順次比較し、一致するものがあったら(コマンドのデータが一致している、あるいはコマンドの識別コードが一致しているような場合)、それに対応するテーブルの内容である各出力種別(アーチ出力A、・・・)を読み出す。そして、それらを解釈して、液晶コントローラ2007や各周辺基板が実行できるコマンドを生成し(テーブル2002のアーチ出力Aなどがそのまま実行可能である場合にはそのまま出力すれば足りる)、出力先として指定される周辺基板(液晶出力のときは液晶コントローラ2007)へ送る。このとき、処理順が指定されていたら、これに従い処理を行う。
図7は、発明の実施の形態に係る遊技機の処理フローチャートを示す。なお、図7では処理順についての処理を行っておらず、デバイスに対する処理の順番は固定的である。
S10:演出が発生したとき、サブ基板20は液晶制御基板200へデバイス出力コマンドを送信する。
演出の内容、その発生タイミングは公知であるので、説明は省略する。
デバイス出力コマンドは複数の周辺基板に対して出力を行うものであり、それらの具体的な処理内容はコマンドテーブル2002に予め定義されている。
デバイス出力コマンドは、ひとつのコマンドで液晶制御コマンドと複数の周辺基板を同時に制御するものである。なお、後述のように、ひとつのコマンドで液晶制御コマンドと唯一の周辺基板を制御することや、ひとつのコマンドで複数の周辺基板を制御し、液晶制御を行わない(液晶制御コマンドを含まない)ようにすることもできる。
S11:コマンド受信部2001がデバイス出力コマンドを受信する。
S12:コマンド処理部2003が受けたデバイス出力コマンドを解析する。
解析の結果、受けたデバイス出力コマンドが図6のコマンドAであれば、以下のステップでアーチ出力A、RGB出力A、LED出力A、液晶出力Aを出力する(以下の説明では、コマンドAを例にとる)。
なお、処理順が指定されているときは、S13〜S16の順番はそれに従うようにしてもよい(図8及びその説明参照)。
S13:アーチ出力コマンドをコマンド送信部2004により送信する。
S14:RGB出力コマンドをコマンド送信部2005により送信する。
S15:LED出力コマンドをコマンド送信部2006により送信する。
S16:液晶出力コマンドを液晶コントローラ2007へ送る。
S17:受けたデバイス出力コマンドに対応付けられた全てのコマンド処理が完了したら、サブ基板20へコマンドを返信する。
S18:サブ基板20は返信コマンドを受信する。
これによりサブ基板20は当該デバイス出力コマンドの処理が完了したことを知り、本処理を終了する。
[ひとつのコマンドで液晶制御コマンドと1つの周辺基板を制御するケース]
図8は、他の発明の実施の形態に係る液晶制御基板200のブロック図を示す。同図を図5と比較すると、コマンド送信部をひとつしか備えない点で相違するのみであるので、その説明は省略する。
図8や図9の例は、アーチAのみを備えていることを意味しているのではなく、ランプBや、7セグメントLED(C)などの他のデバイスを備えていても、それらの出力コマンドをコマンドA、B、・・・に含めないという意味である。例えば、液晶表示装置LCDとアーチAの制御することが、ランプB、7セグメントLED(C)の制御とは独立して行われることを意味する。なお、図8や図9の例は、アーチAのみ備える遊技機に適用できることは言うまでもない。
図9は、テーブル2002の他の記憶内容の一例を示す。
図9を図6と比較してわかるように、コマンド送信部をひとつしか備えないことに伴い、出力種別がアーチ出力と液晶出力の2つしかない。すなわち、テーブル2002は、複数のコマンドA、コマンドB、・・・を記憶し、各デバイス出力コマンドに対応して2つの出力コマンド(アーチ出力A、液晶出力A、アーチ出力B、液晶出力B、・・・)を記憶している。
図9の例では、処理順が記憶されている。この処理について図10を参照して説明を加える。
図10は、他の発明の実施の形態に係る遊技機の処理フローチャートを示す。同図において、図7と同一又は相当部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
S12で、受けたデバイス出力コマンドの解析を開始すると、次のS20〜S23の処理を行う。
S20:パラメータを1に設定する。
パラメータは、処理順に従って処理を行う際に用いる値であり、任意のものである。例えば、パラメータは整数値をとる変数である。パラメータ=1として、最初に処理すべき出力コマンドを指定する。
S21:処理順=パラメータとなる出力コマンドを探し、その処理を実行する。
解析の結果、受けたデバイス出力コマンドが図9のコマンドAであれば、パラメータ=1であるから、処理順=1のアーチ出力Aをまず処理する。
すなわち、アーチ出力コマンドをコマンド送信部2004により送信する。
S22:処理を完了したかどうか判定する。
例えば、コマンドAについて処理順=2について処理を完了したら、YESと判定し、S17の処理に進む。コマンドAがいくつの出力コマンドを含むか予め定められていて、パラメータが出力コマンドの数(図9例では「2」)に達したらYESとなる。そうでなければ(NO)、S23に進む。
S23:パラメータの現在の数に1を加算する。
上記例では、パラメータ=2となる。
そして、S21,S22の処理を繰り返す。図9の例では、パラメータ=2の時点で全ての出力コマンドを処理するから、次のS22でYESとなる。
以上の処理により、処理順に従って処理を実行することができる。
[ひとつのコマンドで複数の周辺基板を制御するケース(液晶制御コマンドを含まない)]
図11は、他の発明の実施の形態に係る液晶制御基板200のブロック図を示す。同図を図5と比較すると、液晶コントローラ2007を備えない点でのみ相違するので、その説明は省略する。
同様に、図12と図13は、図6と図7に対応し、液晶出力コマンドを含まず、その処理を行わない点でのみ相違する。
図11〜図13の例は、液晶制御基板200と液晶表示装置LCDを備えない遊技機を示しているのではなく、液晶制御基板200と液晶表示装置LCDを備えていても、その液晶出力コマンドをコマンドA、B、・・・に含めないという意味である。例えば、液晶表示装置LCDのみを制御することと、アーチA、ランプB、7セグメントLED(C)などの電飾系のみを制御することが、それぞれ独立して行われることを意味する。あるいは、サブ基板20が、バスBUSを経由せずに液晶制御基板200を直接制御するような場合が該当する。なお、図11〜図13の例は、液晶表示装置を備えない遊技機に適用できることは言うまでもない。
液晶制御基板200と同様のことが、スピーカ基板201dについても言える。すなわち、スピーカ基板201dへの出力コマンドをコマンドA、B、・・・に含めるようにもできる。
図12は、処理順を含まないコマンドテーブル2002を示す。この場合において、処理はテーブルに記憶された順番で実行され、図12の例では、図13に示すようにアーチ出力A、RGB出力A、LED出力Aの順番で実行される。
液晶系と電飾系の制御を独立して行う場合は、図13のS12において、液晶系のコマンドは液晶制御基板200を制御するだけと解釈され、他の演出の制御コマンドに展開されない。これに対し、他の演出の制御コマンドである図12のコマンドA、コマンドB、・・・は、コマンドテーブル2002において複数の演出装置に対応する制御コマンド(アーチ出力A、RGB出力A、LED出力A)に展開される。
この発明の実施の形態によれば、単一の契機に係るデバイス出力コマンドとこれに対応する複数の周辺基板ごとの複数の制御コマンドの関係を記憶するコマンドテーブルを備えるので、複数の制御コマンドをひとつのデバイス出力コマンドにまとめることができ、サブ基板からのコマンドの送信回数を減少させることができる。すなわち、サブ基板はひとつのデバイス出力コマンドを送信するだけで、液晶制御基板を含む複数の周辺基板の制御を行うことができる。
図8〜図20は、発明の実施の形態の変形例を示す。これらは、複数の出力コマンドが複合されたコマンドA、コマンドB、・・・に、さらにウエイト機能と追加コマンド機能を付加したものである。ウエイト機能とは、解析したコマンドAなどに予め定められたウエイト情報(コマンド)が含まれているときは当該コマンドAで指定された追加コマンドの実行を指定時間だけ待機(ウエイト)するという機能である。追加コマンド機能とは、コマンドAなどに複数の出力コマンドが指定されているときに、それらのコマンドを順次出力し周辺基板に実行させる機能である(追加コマンド機能によれば、ひとつのコマンドで複数の出力コマンドを実行させることができる。
ウエイト機能は、例えば、コマンドAでアーチを制御しようとしたとき、当該アーチを制御するタイミングを遅らせるものであり、具体的には当該アーチを制御するコマンドの「アーチ出力A」の出力を、コマンドAの解釈終了後から指定された時間あるいはフレーム数だけ待つというものである。
追加コマンド機能は、例えば、コマンドAでアーチを制御しようとしたとき、当該アーチを異なる複数のコマンド(例えば、「アーチ出力A」と「アーチ出力X」、前者はアーチを一定間隔で点滅させるものであり、後者は「アーチ出力A」よりも速く点滅させる、あるいは連続して点灯させるようなものである)で制御しようとするものである。後に出力されるコマンドが追加コマンドである。ウエイト機能と同様にタイミング指定を行うことができ、コマンド切替のタイミングを任意に指定することができる。言い換えれば、コマンドAによる演出の時間内において、「アーチ出力A」による演出の時間と「アーチ出力X」による演出の時間の比率を任意に設定することができる。極端なケースを想定すると、タイミングをゼロとすることで、先のコマンドである「アーチ出力A」を実行することなく「アーチ出力X」のみを実行することができ、また、タイミングをコマンドAによる演出時間の最大値とすることで、先のコマンドである「アーチ出力A」のみを実行し、「アーチ出力X」を実行しない、という制御も可能である。つまり、コマンド切替タイミングにより実行するコマンドを選択することもできる。したがって、追加コマンド機能は、図5などで説明した上記発明の実施の形態の上位バージョンであり、上位互換性があるものである。
以下、ウエイト機能と追加コマンド機能、並びにこれらを併せて実行する機能について、順番に説明を加える。
[ウエイト機能]
図14は変形例のブロック図を示す。同図において、図5と同一・相当部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
2008は計時を行うためのタイマーである。
2009は液晶表示装置LCDに表示する画像のフレーム数をカウントするフレーム数カウンタである。
タイマー2008、フレーム数カウンタ2009は、いずれも計時手段である。
図15は、変形例のテーブル2002の記憶内容の一例を示す。
コマンド種別のコマンドA、コマンドB、・・・は変わらないが、出力種別に「ウエイト」が追加されている。これはウエイト処理を行うことを意味する。また、ウエイト数の欄が追加され、そこにウエイト数の数値が定義されている。同図の例では「0」はウエイトを行わないことを意味し、「0」以外の数値は当該数値に基づきウエイトを行うことを意味する。
なお、図15においても、図6の処理順、出力先周辺基板の欄を設けてもよい。
図16はウエイト処理のフローチャートである。
S20:デバイス出力コマンドを受けてこれを解釈する。
図15の例では、コマンドAを受けたのであれば、コマンド種別はウエイト、RGB出力A、LED出力A、液晶出力Aとなる。ウエイト以外の、RGB出力A、LED出力A、液晶出力Aは直ちに実行され、ウエイトに対応しているアーチ出力AはS25:ウエイト処理の後に実行される。
同様に、コマンドBを受けたのであれば、コマンド種別はアーチ出力B、RGB出力B、ウエイト、液晶出力Bとなる。ウエイト以外の、アーチ出力B、RGB出力B、ウエイト、液晶出力Bは直ちに実行され、ウエイトに対応しているLED出力BはS25:ウエイト処理の後に実行される。
S21:コマンド種別を判定する。
RGB出力A、LED出力A、液晶出力Aのような通常コマンド(ウエイト以外)であれば、S22に進む。ウエイトコマンドであればS24に進む。
S22:コマンドを読み出す。
S23:読み出したコマンドを送信する。
S22,S23は図5,図6の場合の処理と同じである。
S24:ウエイト数を読み出す。
図15の例でコマンドA、コマンドBのウエイトに該当する場合、ウエイト数の欄の数値を読み込む。
S25:ウエイト処理を行う。
S24で読み出したウエイト数に基づき計時手段2008又は2009で計時する。計時が完了したらS26に進む。この計時は、タイマー2008又はフレーム数カウンタ2009のいずれかを用いて行う。前者であれば、ウエイト数の数値は時間(例えばms)を意味し、後者であれば、当該数値はフレーム数を意味する(20フレームの間、ウエイトする)。なお、タイマー2008又はフレーム数カウンタ2009のいずれを使用するかを指定する情報をコマンドテーブル2002に記憶するようにしてもよい。
フレーム数に基づき計時することで、液晶表示装置LCDの画面の更新に同期してコマンドの送信タイミングを調整することができる。
S26:追加コマンドを読み出す。
図15の例で追加コマンドにあるアーチ出力A、LED出力Bを読み出す。そして、S23でコマンドを送信する。
図16の処理によれば、コマンド送信を任意の時間だけ遅延させることができる。これにより、特定の演出において特定の周辺基板の動作を遅らせることができる。もし、ウエイト無しの状態で複数の周辺基板の動作の同期がとれないとき(順番に処理する関係上、動作の早い遅いが生じる)、早い動作のコマンドについてウエイトを設けることで同期をとることもできる。
[追加コマンド機能]
機能ブロック図は、図14と同じである。
図17は、変形例のテーブル2002の記憶内容の一例を示す。
コマンド種別のコマンドA、コマンドB、・・・は変わらないが、追加コマンドが設けられている。また、コマンド切替タイミングの欄が追加され、そこにコマンド切替タイミングの数値が定義されている。同図の例では「0」はコマンド切替を行わないことを意味し(追加コマンドが存在しない)、「0」以外の数値は当該数値に基づきコマンド切替を行うことを意味する。追加コマンドの欄は、先のコマンドに引き続き出力されるコマンドを意味する。
なお、図17においても、図6の処理順、出力先周辺基板の欄を設けてもよい。
図18は追加コマンドに係る切替タイミング処理のフローチャートである。
S30:デバイス出力コマンドを受けてこれを解釈する。
S31:コマンドを読み出す。
コマンドAであれば、アーチ出力A、RGB出力A、LED出力A、液晶出力Aを読み出す。
S32:読み出したコマンドを送信する。
S33:コマンドテーブル2002のコマンド切替タイミングの欄を調べ、タイミングの指定があるかどうか判定する。
タイミングの指定がなければ処理を終了する。
タイミングの指定があればS34〜S38を実行する。
S34:コマンド切替タイミングを読み出す。
図17の例では、アーチ出力Aに対して「20」、LED出力Bに対して「20」が設定されている。
S35:タイマー処理を行う。
これはS25の処理と同じである。
S36:コマンドの実行を中止する。
図17の例では、コマンドAにおいてアーチ出力Aを中止し、コマンドBにおいてLED出力Bを中止する。
S37:追加コマンドを読み出す。
S38:コマンドを送信する。
図17の例では、コマンドAのアーチ出力Aに引き続いてアーチ出力Xを読み出して送信し、コマンドBのLED出力Bに引き続いてLED出力Xを読み出して送信する。
図18の処理によれば、ひとつのデバイス出力コマンドであっても、周辺基板に複数の動作を行わせることができる。当該動作それぞれの継続時間は任意に設定することができる。
[複数の追加コマンドを実行する機能]
上記例では、追加コマンドは一つであった(例えば、コマンドAで実行できるのはアーチ出力Aとアーチ出力Xの2つであった)。さらに追加コマンドを増やすことができる。図19は追加コマンドを2つにした例を示す。これによれば、合計3つのコマンドを実行することができる。なお、追加コマンドの数をさらに増やすようにしてもよい。
機能ブロック図は、図14と同じである。
図19は、変形例のテーブル2002の記憶内容の一例を示す。
この例では、2つの追加コマンドの欄が設けられる(「アーチ出力X」と「アーチ出力Y」)とともに、2つのコマンド切替タイミングの欄が設けられる(「コマンド切替タイミング」と「コマンド切替タイミング」)。この例では、まず「アーチ出力A」が実行され、その開始から「20」(これは所定の計時単位で20だけ計時することを意味する。計時単位は任意であるが、CPUのクロックを分周したタイミングを基準にすると便利である)経過したとき、「アーチ出力A」に代えて「アーチ出力X」が実行され、さらに「10」経過したとき、「アーチ出力X」に代えて「アーチ出力Y」が実行されることを意味する。
なお、「0」はコマンド切替を行わないことを意味し(追加コマンドが存在しない)、「0」以外の数値は当該数値に基づきコマンド切替を行うことを意味する。追加コマンドの欄は、先のコマンドに引き続き出力されるコマンドを意味する。
なお、図19においても、図6の処理順、出力先周辺基板の欄を設けてもよい。
図20は追加コマンドに係る切替タイミング処理のフローチャートである。
S30:デバイス出力コマンドを受けてこれを解釈する。
S31:コマンドを読み出す。
コマンドAであれば、アーチ出力A、RGB出力A、LED出力A、液晶出力Aを読み出す。
S32:読み出したコマンドを送信する。
S33:コマンドテーブル2002のコマンド切替タイミングの欄を調べ、タイミングの指定があるかどうか判定する。
タイミングの指定がなければ処理を終了する。
タイミングの指定があればS34〜S38を実行する。
S34:コマンド切替タイミングを読み出す。
図19の例では、アーチ出力Aに対して「コマンド切替タイミング1」において「20」が設定されている。
S35:タイマー処理を行う。
これはS25の処理と同じである。
S36:コマンドの実行を中止する。
図19の例では、コマンドAにおいてアーチ出力Aを中止する。
S37:追加コマンドを読み出す。
S38:コマンドを送信する。
図19の例では、コマンドAのアーチ出力Aに引き続いてアーチ出力Xを読み出して送信する。
S39:次のコマンド切替タイミングを検索する。
図19の例では、「コマンド切替タイミング2」に「10」の設定がある。これは次の追加コマンドが指定されていることを意味する(S33でYES)から、S34〜S38の処理を繰り返す。
そして、S38でアーチ出力Yを出力する。
なお、「コマンド切替タイミング2」が「0」であれば、さらなる追加コマンドはないことを意味するから、処理を終了する(S33でNO)。このことからわかるように、図19及び図20は、図17及び図18の上位バージョンであり、上位互換性がある。
S39で検索した結果、別のコマンド切替タイミングが見つからないときは(値「0」あるいは「コマンド切替タイミング3」の欄がない)、S33で「コマンド切替タイミング」は無いとされ、処理が終了する。
図20の処理によれば、ひとつのデバイス出力コマンドであっても、周辺基板に3つの動作を行わせることができる。当該動作それぞれの継続時間は任意に設定することができる。
[ウエイト機能と追加コマンド機能を同時実行する機能]
上記例では、ウエイト機能又は追加コマンド機能のいずれか一方を行っていた。しかし、テーブルを工夫するとともに処理を適切に行うようにすることで、ウエイト機能と追加コマンド機能を同時実行するようにもできる。
機能ブロック図は、図14と同じである。
図21は、変形例のテーブル2002の記憶内容の一例を示す。
コマンド種別のコマンドA、コマンドB、・・・は変わらないが、出力種別に「ウエイト」が追加されている。これはウエイト処理を行うことを意味する。また、ウエイト数/コマンド切替タイミングの欄が追加され、そこにウエイト数あるいはコマンド切替タイミングの数値が定義されている。同図の例では「0」はウエイト/コマンド切替のいずれも行わないことを意味し、「0」以外の数値は当該数値に基づきウエイト又はコマンド切替を行うことを意味する。追加コマンドの欄は、ウエイトの場合はその後に出力されるコマンドを意味し、コマンド切替の場合は先のコマンドに引き続き出力されるコマンドを意味する。
また、図21では、スピーカ出力の行が追加されている。図21によれば、スピーカ基板201dについても制御することができる。これに対応して、図14にはスピーカ基板201d用のコマンド送信部が追加される(なお、コマンド送信がアドレスを指定して行われるのであれば、複数の周辺基板に対してコマンド送信部を兼用することができ、この場合、ひとつのコマンド送信部を備えるだけで済む)。
なお、図21においても、図6の処理順、出力先周辺基板の欄を設けてもよい。
図22は、図21に基づく処理フローチャートを示す。
S10:演出が発生したとき、サブ基板20は液晶制御基板200へデバイス出力コマンドを送信する。
デバイス出力コマンドは複数の周辺基板に対して出力を行うものであり、それらの具体的な処理内容はコマンドテーブル2002に予め定義されている。
S11:コマンド受信部2001がデバイス出力コマンドを受信する。
S12:コマンド処理部2003が受けたデバイス出力コマンドを解析する。
受信するコマンドの種類は次の4種類である。
(1)通常コマンド(ウエイト処理、追加コマンド処理のいずれも行わない)
(2)ウエイト機能のみを行うコマンド
(3)追加コマンド機能のみを行うコマンド
(4)ウエイト機能と追加コマンド機能の両方を行うコマンド
コマンドの処理を行う前に、受信した複合コマンド(コマンドA、コマンドB、・・・)が含むコマンドが、上記(1)〜(4)のいずれに該当するかを調べる。なお、複合コマンドには複数のコマンドが含まれるから、当該複数のコマンドそれぞれについて上記(1)〜(4)のいずれに該当するかを判定する。
例えば、出力種別が「ウエイト」以外の通常のコマンドであり、ウエイト数/コマンド切替タイミングの数値が「0」であれば(1)通常コマンドと判定する(図21の「液晶出力A」。出力種別が「ウエイト」であり、かつ、追加コマンドがひとつであれば(2)ウエイト機能のみと判定する(図21の「RGB出力A」)。出力種別が「ウエイト」以外の通常のコマンドであり、かつ、追加コマンドが存在すれば(3)追加コマンド機能のみと判定する(図21の「アーチ出力A」、「アーチ出力X」「アーチ出力Y」)。出力種別が「ウエイト」であり、かつ、追加コマンドが複数存在すれば(4)ウエイト機能と追加コマンド機能の両方を行うと判定する(図21の「ウエイト」、「LED出力A」、「LED出力B」)。
図22において、「(1)通常コマンド」と判定すると、S40で「通常」となり、S42:通常のコマンド出力処理を行う。この処理は、前述のS12〜S16の処理に相当するので、詳しく説明しない。
図22において、「(2)ウエイト機能のみを行うコマンド」と判定すると、S40で「ウエイト/コマンド切替」となるとともに、S41で「ウエイトのみ」となり、S43:ウエイト処理を行う。この処理は、前述のS24〜S26の処理に相当するので、詳しく説明しない。
図22において、「(3)追加コマンド機能のみを行うコマンド」と判定すると、S40で「ウエイト/コマンド切替」となるとともに、S41で「コマンド切替のみ」となり、S44:コマンド切替処理を行う。この処理は、前述のS34〜S38の処理に相当するので、詳しく説明しない。
図22において、「(4)ウエイト機能と追加コマンド機能の両方を行うコマンド」と判定すると、S40で「ウエイト/コマンド切替」となるとともに、S41で「ウエイトとコマンド切替両方含む」となり、S45:ウエイト処理とともにコマンド切替処理を行う。これらの処理は、前述のS24〜S26、S34〜S38の処理に相当するので、詳しく説明しない。
S17:受けたデバイス出力コマンドに対応付けられた全てのコマンド処理が完了したら、サブ基板20へコマンドを返信する。
S18:サブ基板20は返信コマンドを受信する。
これによりサブ基板20は当該デバイス出力コマンドの処理が完了したことを知り、本処理を終了する。
[ウエイト機能と複数の追加コマンド機能を同時実行する機能]
図23に示すように、テーブルに「ウエイト」を記憶するとともに、コマンド切替タイミングの欄を複数設け、追加コマンドの欄を複数設けることで、ウエイト機能と複数の追加コマンド機能を同時に実行することができる。追加コマンドの数は、メモリの容量、追加コマンドの必要な数の範囲内において、その欄を増やすことで任意の数にできる。
図23のテーブルによる処理は、図20と図22の処理と同様なので、その説明は割愛する。
上述の処理によれば、ひとつのデバイス出力コマンドであっても、周辺基板に複数の動作を行わせることができる。当該動作それぞれの継続時間は任意に設定することができる。
図24は、比較例を示す。
図24では、アーチ出力コマンド送信(S100)、受信(S200)、RGB出力コマンド送信(S300)、受信(S400)、LED出力コマンド送信(S500)、受信(S600)、液晶表示コマンド送信(S700)、受信(S800)により4つのコマンドの送受信が行われているが、これによる制御内容(周辺基板により遊技者に提示される演出内容)は、上述の発明の実施の形態の場合と同じである。すなわち、同じ演出を行う場合において、図7は、図24に比べて四分の一のコマンド送信で済むことになり、コマンド送信回数が大幅に少なくなっている。
なお、図24において、S100とS200については処理の詳細を示し、他については詳細を省略しているが、それらの処理内容もS100、S200と同様である。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。