図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つの回胴のそれぞれに対応して3つのストップスイッチ140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の上側には、液晶表示装置LCDが設けてある。
スロットマシン本体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個の回胴からなるリール(回胴)ユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つの回胴(第1回胴〜第3回胴)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回胴の図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205が設けられている。
前記前扉130の裏面には、図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたメダル投入口132の下側位置の裏側、ちょうどリジェクトボタン133の背面のあたりに取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
図3は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図示しないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部を備える。
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、回胴の回転・停止やメダルの払い出しなどの処理(遊技処理)を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134,ストップボタン140,リールユニット(回胴駆動装置を含む)203,リール位置検出回路71、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらホッパ駆動部80、ホッパ81及びメダル検出部82は前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(デバイス制御基板)が接続されている。周辺基板とは、サブ基板20により制御されるものであり、主に映像、光、音響により演出を行うものである。なお、以下の説明では、便宜上、液晶制御基板200とその他の周辺基板を区別して説明を行う。
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
ホッパ駆動部80は、ホッパ81を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
投入受付部1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1回胴〜第3回胴の回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1回胴〜第3回胴の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10はベットスイッチBETの有効/無効を制御する。ベットスイッチBETが有効になっていないときは(許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1050から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。リプレイ処理手段1600については、後に再度説明を加える。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
リール制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1回胴〜第3回胴をステッピングモータにより回転駆動して、第1回胴〜第3回胴の回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中の回胴にそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1回胴〜第3回胴を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
また、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、その回胴停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1回胴〜第3回胴の各回胴を停止させる制御を行う。
すなわち、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1回胴〜第3回胴のうち押下されたボタンに対応する回胴の停止位置を決定して、決定された停止位置で回胴を停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1回胴〜第3回胴の停止位置を決定し、決定された停止位置で第1回胴〜第3回胴を停止させる制御を行う。
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1回胴〜第3回胴の位置(押下検出位置)と、第1回胴〜第3回胴の実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1回胴〜第3回胴の停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるリールインデックス(図示せず)を備えており、リール制御手段1300は、回胴が1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、回胴の基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在の回胴の回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップスイッチ140の作動時における回胴の位置を、回胴の基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
リール制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とを回胴を停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)回胴を停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)回胴を停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止している回胴の停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各回胴の停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1回胴〜第3回胴を停止させる制御を行っている。
本実施形態の遊技機では、第1回胴〜第3回胴が、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中の回胴を停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各回胴の停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各回胴が停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
入賞判定手段1400は、第1回胴〜第3回胴の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1回胴〜第3回胴の全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
リールユニット203は、図示しない3つの回胴を備えるが、3つの回胴それぞれにひとつづつステッピングモータが取り付けられている。ステッピングモータは、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンの回胴の回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
次に、遊技機における遊技処理について図4を参照して説明を加える。
一般的に、遊技機において、メダルの投入(クレジットの投入)に始まり、払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技である。一遊技が終了するまでは次回の遊技に進めないという決まりがある。
先ず、規定枚数のメダルが投入されることでスタートスイッチ134が有効になり、図4の処理が開始される。
ステップS1において、スタートスイッチ134が操作されることにより、スタートスイッチ134がONとなる。そして、次のステップS2に進む。
ステップS2において、メイン基板10により抽選処理が行われる。そして、次のステップS3に進む。
ステップS3において、第1回胴〜第3回胴の回転が開始する。そして、次のステップS4に進む。
ステップS4において、ストップボタン140が操作されることにより、ストップボタン140がONとなる。そして、次のステップS5に進む。
ステップS5において、第1回胴〜第3回胴のうち押下されたストップボタン140に対応する回胴について回転停止処理が行われる。そして、次のステップS6に進む。
ステップS6において、三個の回胴に対応するストップボタン140の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個の回胴に対応する3つのストップボタン140すべての操作が行われたと判定された場合、次のステップS7に進む。
ステップS7において、抽選フラグ成立中に当該抽選フラグに対応する入賞図柄が有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。そして、入賞が確定したと判定された場合、次のステップS8に進む。なお、入賞が確定しなかったときは、抽選フラグが成立していてもメダルの払い出しは行われない。
ステップS8において、入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
メダルの投入からステップS8の実行完了までが、一遊技である。ステップS8の待機処理が終了すると、処理はフローチャートの最初に戻る。言い換えれば、次の遊技が可能な状態になる(次遊技へ移行する)。
図5は、サブ基板20とその周辺基板(デバイス制御基板)の接続の説明図である。図3に示すように、サブ基板20には、液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202が接続されている。これらは、サブ基板20の周辺基板と言うべきものである。
これら複数の周辺基板は、図5のように接続されている(スピーカ基板201の表示は省略している)。すなわち、複数の周辺基板が共通のバスに接続され、当該バスを通じてサブ基板20と通信を行う。当該バスを流れる信号は、パラレル信号(例えば8ビットの線で信号を伝送するもの)あるいはシリアル信号(例えば、I2C(Inter-Integrated Circuit)のようにデータ線とクロック線の2本の線で信号を伝送するもの)である。なお、図5の例ではサブ基板20から出た信号がサブ基板20に戻っているが、これは一例であり、一般的なバス構造のように接続端の反対側の端が開放されていてもよい。
サブ基板20から周辺基板へは、アドレスを指定してデータを送る。例えば、周辺基板としての液晶制御基板200へデータを送る場合は、液晶制御基板200に予め対応づけられているアドレスを指定してデータをバスに流す。液晶制御基板200は、アドレスにより自分宛のデータであることを認識すると、アドレスに引き続くデータをラッチに取り込む。取り込んだデータに従って所定の動作を行う。取り込んだデータが、液晶制御基板200で取得したあるいは取得可能なデータをサブ基板20へ送信するコマンドであれば、当該データをサブ基板20へ送信する(所定のデータ受信後は、予め定められたデータを常にサブ基板20へ送信するようにすることもできる)。
サブ基板20と周辺基板(デバイス制御基板)の間の通信において、周辺基板は受けたコマンドをサブ基板20へ返信するハンドシェイク通信が行われている。これについて図6を参照して説明を加える。
あるコマンド(Xコマンド、任意のコマンドである)をサブ基板20が特定の周辺基板(例えば液晶制御基板)宛に送信すると、当該周辺基板はXコマンドを受け、これに基づき予め定められた処理を行う。この処理の開始時点で(あるいは処理の終了時点でもよい)受信したXコマンドをサブ基板20へ返信する。これがハンドシェイク通信である。サブ基板20は送信したXコマンドと同じコマンドを受信することにより、Xコマンドが周辺基板に到達したこと、及び、当該コマンドの処理が行われていることを知ることができる。
もし、何らかの理由(コマンド通信の際にエラーが発生した、不正なコマンドであるなど)で周辺基板がXコマンドの処理を開始しないときは異常時の処理となり、周辺基板はサブ基板20へ異常を報知する。具体的には異常種別に応じたコマンド(異常通知コマンド)をサブ基板20へ返信する。これによりサブ基板20はXコマンドの処理が行われていないこと、及び、異常の種別を知ることができる。
ハンドシェイク通信によれば、コマンドの伝達を確実に行うことができるというメリットがあるが、コマンドの返信を必ず行うことから通信路の帯域を多く使ってしまう(単方向通信の2倍の通信帯域を消費する)というデメリットもある。
次に、本発明の実施の形態に係る通信手順について説明を加える。
この通信手順は、液晶表示装置に表示されるアイテムに関する動きを制御するためのものである。アイテムとは、キャラクタや物などの画面上に表示される画像のことである。アイテムは、液晶制御基板200のVDP(Video Display Processor)により作成されるビットマップの画像である。
本発明の実施の形態に係る通信手順により制御されるアイテムは、特に、位置(長さ、高さ、表示場所など)、大きさ(直径、半径など)及び形状(楕円の離心率など)の少なくともいずれかが予め定められた規則に基づき自動的に変化するものである(前記アイテムの位置、大きさ及び形状の少なくともいずれかのことを「パラメータ」と呼ぶ)。典型的には、パラメータは1次元の数値である(1次元のパラメータを複数組み合わせることもできる。この場合、各パラメータについて本発明の実施の形態の処理をそれぞれ適用することができる)。別の見方をすれば、パラメータは、アイテムを構成する要素の数(例えば図7のバーA〜Eのうちの点灯しているもの、あるいは表示されているものの数)であって、アイテムの位置、大きさ及び形状のいずれかを特定することのできるものであるとも言える。液晶表示装置LCDに表示されるアイテムが変化してこの変化を遊技者が視覚を通じて認識するとき、そのような変化を規定するものがここでいうパラメータである。パラメータの値を特定することにより、アイテムの位置、大きさ及び形状の少なくともいずれかが特定される。言い換えれば、パラメータ=Z(具体的な数値)とすることで、アイテムの位置、大きさ及び形状の少なくともいずれかがこれに対応して表示される。なお、アイテムの位置、大きさ及び形状の全てがパラメータで特定されれば、ひとつのパラメータでひとつのアイテムを指定でき、この結果、パラメータが同じであれば同じアイテムが表示されるようになる。しかし、アイテムの位置、大きさ及び形状の一部のみを特定する場合はパラメータが同じであってもアイテムは必ずしも同じにならない(大きさ(=面積)が同じであるが形状が異なるなど)。本発明の実施の形態はこのようなケースも含むものである。要するに、パラメータを変えることで異なるアイテムであると遊技者が認識できればよく、その具体的な態様は問わない。このことを明確にするために、本明細書では「パラメータ」という用語を用いた。
上述のパラメータの意義のもとでは、アイテムの位置、大きさ、形状などは相互に重複して理解され、厳格に分離して解釈されない。例えば、アイテムが三角形であるとき、その高さの変化は大きさ(面積)の変化と見ることもできるし、あるいは形状の変化と見ることもできる(鈍角三角形から鋭角三角形に変化するなど)。あるいは、次に述べる図7のバーであれば、バーの構成要素A〜Eの点灯しているものの数の変化は、当該バーの高さ、大きさあるいは形状の変化と見ることもできる(数の変化を高さ、大きさあるいは形状の変化に含めることができる)。したがって、以下の説明ではパラメータの変化に伴うアイテムの変化について、説明の便宜上、複数の見方から説明を加えることがある(バーの点灯数をバーの高さと表現するなど)。
アイテムとして、いわゆるメーター演出に用いられるレベルメーター(公知)がある。この例を図7に示す。レベルメーターは複数の水平バーを積層してなるもので、その高さ(点灯しているバーの数)が何らかのレベル(得点など)を意味するものである。積層されるバーの数は予め定められていて(図7では5つ)、それらのいくつかが点灯することでレベルを表す。図7(a)は、すべてのバーA乃至Eが消灯しているのでレベル=0(最小値)を示す(白抜きは消灯を示す)。同図(b)は、バーAとBが点灯しているのでレベル=2を示す(斜線は点灯を示す)。同図(c)は、すべてのバーA乃至Eが点灯しているのでレベル=5(最大値)を示す。図7のアイテムによれば、その表示態様によって最大で0から5までの6段階の値のいずれかを遊技者に認識させることができる。この0から5までの6段階の値がパラメータとなる。図7の例ではアイテムの表示位置(高さ)がパラメータとなっている。
以下、図7のレベルメーターを例に取り、発明の実施の形態について説明を加える。他のアイテムの例は後述する。以下の説明において、レベルメーターを構成するバーA乃至Eをそれらの点灯が意味するパラメータである0乃至5で表現することがある。
図8は、本発明の実施の形態に係る通信手順全体の概要を示す説明図である。
サブ基板20は、少なくとも、レベルメーター(アイテム)の表示位置(パラメータ)の変化を指示する移動コマンドと、表示位置(パラメータ)の変化を停止させる停止コマンドとを生成して液晶制御基板200へ送信する。
サブ基板20が移動コマンドを生成して液晶制御基板200へ送信する。液晶制御基板200が当該移動コマンドを受けてレベルメーターの表示位置を継続して変化するように制御する。ハンドシェイク通信を行っているので、液晶制御基板200は移動コマンドをサブ基板20へ返信する。
移動コマンドを受けて液晶表示装置(デバイス制御基板)200が表示位置(パラメータ)を変化させるための予め定められた規則は、例えば、時間経過に従って表示位置を単調に増加又は減少させる(例えば、アイテムの表示位置が数直線で定義されるとき、表示位置を示す値を増加又は減少させる)、といったものである(この詳細については後述する)。
サブ基板20が停止コマンドを生成して液晶制御基板200へ送信する。液晶制御基板200が当該停止コマンドを受けてレベルメーターの動きを停止させるとともに、停止後の位置をサブ基板20へ通知するための処理(返信コマンド生成処理)を実行する(この詳細については後述する)。ハンドシェイク通信を行っているので、液晶制御基板200は停止コマンドをサブ基板20へ返信する。返信される停止コマンド(変換コマンド)には、停止後の表示位置が含まれている。
サブ基板は、返信される停止コマンド(変換コマンド)に基づき停止コマンドが正しく実行されたこと、及び、停止後のレベルメーターの表示位置を取得することができる。この表示位置に基づき、例えばミニゲームの当選などを判定しその後の演出に反映させることができる(表示位置を使った演出処理は公知であるので説明は省略する)。
次に、図9乃至図11のフローチャートを参照して、発明の実施の形態に係る遊技機の処理について説明を加える。図9及び11のフローチャートは、例えばサブ基板20のCPUが予め定められたプログラムを実行することで実現され、図10のフローチャートは、例えば液晶制御基板200のCPUが予め定められたプログラムを実行することで実現される。
図9は、サブ基板20のコマンド送信処理のフローチャートである。
S10:送信コマンドを生成する。
送信コマンドには、上述の移動コマンド及び停止コマンド、並びにその他のコマンドがある。その他のコマンドは公知のものであるので、その説明は省略する。
移動コマンドは、アイテムのパラメータを変化させる、例えばレベルメーターの位置を変化させることを命令するものである。移動コマンドは、例えば図12(a)に示すように、4バイトの0x04000001というデータである。
停止コマンドは、アイテムのパラメータの変化を停止させる、例えばレベルメーターの位置の変化を停止させることを命令するものである。停止コマンドは、例えば図12(a)に示すように、4バイトの0x07000001というデータである。
S11:生成したコマンドを液晶制御基板200へ送信する。
これには図8に示したハンドシェイク通信が用いられる。
図10は、液晶制御基板200のコマンド受信処理のフローチャートである。
S20:コマンドを受信する。
S21:受信したコマンドの種類を判定する。
上述のように、コマンドには、移動コマンド、停止コマンド、その他のコマンドがある。それぞれ、S23、S24乃至S27、S22の処理を実行する。
S22:その他のコマンドについて通常の処理を行う。
その他のコマンドについての処理は公知であるから、その説明は省略する。
S23:移動コマンドを受けて表示位置の移動処理を行う。
この移動処理は、停止コマンドを受けるまでの間、自動的に継続する。
液晶制御基板(デバイス制御基板)200は、移動コマンドを受けて、レベルメーター(アイテム)の位置(パラメータ)を予め定められた規則に基づき変化させる。この規則の例を図13に示す。
図13(a)は、1次元の数値である位置(パラメータ)を、時間経過に従って単調に増加(又は減少)させる規則の例を示す。同図は単調増加の例を示すが、単調減少でも同じである。単調に増加するとは、途中で減少することなく値が増加していくことを言う。単調に減少するとは、途中で増加することなく値が減少していくことを言う。
具体的には、単調増加の場合、一定時間Tごとにパラメータに1を加えるようにする(単調減少であれば−1)。これを、停止コマンドを受けるまでの間継続する。
図13(a)において、パラメータは最小値=1、最大値=5の範囲にある整数値である。そして、パラメータを単調に増加させていきパラメータの上限(最大値=5)、に達したときに、パラメータを下限(最小値=1)に戻して再びパラメータを単調に増加させるようにしている(単調減少のときは、パラメータの下限に達したときに、パラメータを上限に戻して再び前記パラメータを単調に減少させるようにする)。
図13(b)は、1次元の数値である位置(パラメータ)を、時間経過に従って単調に増加(又は減少)させ、パラメータの上限(最大値=5)に達したときにはパラメータを単調に減少させるようにし、パラメータを単調に減少させていきパラメータの下限(最小値=1)に達したときにはパラメータを単調に増加させるようにする規則を示す。
図13(a)は鋸歯状の規則であり、同図(b)は三角波状の規則であると言える。
S24:停止コマンドを受けて表示位置の移動を停止する。
すなわち、S23:表示位置移動処理の実行を中止することで表示位置の移動を停止する。具体的には、単調増加の場合、一定時間Tごとにパラメータに1を加えるようにする(単調減少であれば−1)という処理を中止する。
S25:表示位置を取得する。
S24の処理によりレベルメーターの動きが止まるから、そのときの位置を取得する。具体的には、パラメータの値を取得することになる。レベルメーター画像の生成は液晶制御基板200で行っているから、その位置すなわち表示の状態は容易に取得できる。
S26:表示位置に基づき返信コマンドを生成する。
図13の例では、表示位置は1乃至6のいずれかである。そこで、各値を固有のコードに変換する。
図12(b)はその一例を示す。表示位置の1乃至6それぞれにデータ=01乃至05を対応付ける。そしてこのデータで返信コマンドの下位バイト(下位8ビット)で置き換える。これにより、同図右欄に示すような返信コマンドが得られる。
S27:コマンドを返信する。
受信したコマンドがその他のコマンド、移動コマンドであればそれをそのまま返信し、停止コマンドであれば、S26で生成したコマンドを返信する。
図11は、サブ基板20のコマンド受信処理のフローチャートである。
S30:返信コマンドを受信する。
S31:受信したコマンドの種類を判定する。
送信コマンドと同じコマンドを受信したとき、すなわち図10のS22,S23の処理により返信されたコマンドであれば、S32:変換コマンド以外の処理(通常処理)を行う。
返信されたコマンドが異常通知コマンド(図6参照)のときも、S32:変換コマンド以外の処理(通常処理)を行う。
S32:変換コマンド以外の処理(通常処理)は公知であるので、その説明は省略する。
受信したコマンドが変換コマンド(図12(b))であるとき、すなわち図10のS26の処理により生成されたコマンドであれば、S33乃至S36を実行する。
S33:変換コマンドと送信コマンドの上位3バイトが一致しているかどうか判定する。
上述のように、液晶制御基板(デバイス制御基板)200が停止コマンドを受けたときにサブ基板20へ返信する返信コマンドは、停止コマンドであって、その一部のデータが停止後のパラメータで置換されたものである。そこで、置換されていないデータ(上位3バイト)を送信した停止コマンドと比較することでハンドシェイク通信の確立をチェックする。
一致(YES)していればS34に進み、不一致(NO)であればハンドシェイク通信が確立していないから、S36:変換コマンド異常処理に進む。
S34:変換コマンドの下位1バイトは所定値かどうか判定する。
返信された変換コマンドの置換された一部のデータは、例えば図12(b)に示すように予め定められたものである。そこで、サブ基板200は、返信された変換コマンドの一部のデータが示す停止後のパラメータが予め定められた範囲にないとき、異常と判定する。図12(b)の例では取り得るデータは01乃至05の5種類のいずれかであるから、これら以外のデータ(例えば00)を検知したときに、S33でYESとなり、S36:変換コマンド異常処理に進む。
S35:変換コマンドに応じた処理を行う。
返信された変換コマンドにより、停止後のレベルメーターの表示位置を取得することができる。この表示位置に基づき、例えばミニゲームの当選などを判定しその後の演出に反映させることができる(表示位置を使った演出処理は公知であるので説明は省略する)。
S36:変換コマンド異常処理を行う。
必要に応じて、停止コマンドの再送などの処理を行う。
発明の実施の形態によれば、サブ基板20は、返信されたコマンドに基づきアイテムの表示位置(停止位置)を正確に把握することができ、これにより液晶表示装置LCDに表示された画像と演出の内容を確実にリンクさせることができる。より確実な演出を行うことができる。表示画像と同期を取る演出を容易に行うことができる。
図14は比較例としての通信手順を示す図である。これを参照して発明の実施の形態が解決した課題について説明を加える。
図14は、前述の「(ア)アイテム(メーターやカーソルなど)を特定の位置へ動かせ、というコマンドを送信することで、アイテムを逐次動かす」手順を示す。
図14のやり方によれば、アイテムを移動させる度にコマンドを頻繁に送信している。すなわち、レベルメーターを位置=1から位置=5へ移動させるために、合計5つのコマンド(表示位置(1)指定コマンド乃至表示位置(5)指定コマンド)を送信している。このため、サブ基板と周辺基板の間の通信帯域をより多く消費し、他の周辺基板との間の通信に悪影響を与えてしまうおそれがある。なお、位置=1から位置=5へ1回で移動させるようにすればコマンドは1つで済むが、レベルメーターが1から5にいきなり変化することになって不自然であるから、そのようなやり方は採用できない。
これに対し、発明の実施の形態の手順によれば、図8に示すように、移動コマンドと停止コマンドの2つだけで済むから、図14のような問題が生じない。レベルメーターを頻繁に動かせば動かすほど図8の手順のほうが有利である。
また、図14では、表示位置指定コマンドの送信に要する時間(ハンドシェイクでコマンド返信される時間を含む)をT’としたとき、この時間T’より短い時間でレベルメーターを動かすことができない。
これに対し、発明の実施の形態の手順によれば、レベルメーターの動きは図13の表示位置の更新間隔Tで決まり、この時間はCPUの処理速度に応じて任意に早くすることができる(通信帯域の影響を受けない)から、レベルメーターを素早く動かすことができる。
さらに、図14では、少なくとも5種類のコマンドが必要であるが、図8では、2種類のコマンドで足りる。したがって、発明の実施の形態の手順によれば、アイテムの指定位置が多い場合はコマンドの数(種類)が多数になり、他の処理のコマンド設計に影響を与えかねない、という問題は生じない。
以上の説明では、液晶表示装置LCDに表示されるアイテムとしてレベルメーターを挙げたが、発明の実施の形態はこれに限定されない。
例えば、図15(a)に示すような複数のバーが円形(放射状)に配列されたアイテムでもよい。この例では12本のバーが配置されそれぞれが点滅することで円形のメーターを模擬することができる。図中の数字がパラメータを示す(同図の例ではパラメータ=3である)。
同図(b)に示すような三角形の表示でありその高さが変化するアイテムでもよい。三角形の高さhがパラメータとなる。
同図(c)(d)に示すような円であってその直径が変化するアイテムでもよい。円の半径rがパラメータとなる。
同図(e)に示すような楕円であっての形状が変化するアイテム(形状の指定は例えば長軸と短軸の比率/離心率で行うことができる)、などがある。長軸と短軸の比=b/aがパラメータとなる。
また、以上の説明では、液晶表示装置LCDに表示されるアイテムを例に挙げたが、発明の実施の形態はこれに限定されない。例えば、いわゆる可動役物についても適用することができる。
可動役物は、所定の範囲内で可動する可動要素と、可動要素を動かす駆動部と、可動要素の位置情報を取得するセンサとを含むものである。図示しないデバイス制御基板(可動体制御部)が、サブ基板20からのコマンドに従い駆動部を駆動制御するとともにセンサから位置情報(パラメータ)の信号を受ける。
図16及び図17を参照して可動役物について説明を加える。同図の可動役物は、遊技機の液晶表示装置LCDの前面に設けられて、開閉することで液晶表示装置LCDの画面を見せたり隠したりするものである。
図16は、可動体50の概略図である。同図(a)は上面図、同図(b)は正面図、同図(c)はB−B矢視断面図、同図(d)はA−A矢視断面図である。なお、同図ではステッピングモータ54を含む駆動部と、インデックス56及びインデックスセンサ57は右側のシャッター51Rにのみ示されているが、同じものが左側のシャッター51Lについても設けられている(左側のものについての図示は省略されている)。
可動体50は、左側のシャッター(可動要素)51L及び右側のシャッター(可動要素)51Rと、シャッター51L及び51Rの上端及び下端をそれぞれ摺動自在に保持する上側のレール52U及び下側のレール52Lと、可動体50の内側に下側のレール52Lと平行に設けられたラック53aと、これにかみ合うピニオン53bと、ピニオン53bがその回転軸に直接あるいは図示しない減速歯車機構を介して取り付けられたステッピングモータ54と、右側のシャッター51Rの内側に位置する図示しないフレームに取り付けられたブラケット55(腕金・張り出し金具であるブラケット55はステッピングモータ54の取り付け台座である)と、右側のシャッター51Rの内側に取り付けられたインデックス56と、インデックス56を検知するインデックスセンサ57とを備える。同図では、ピニオン53b〜インデックス56を右側のシャッター51Rについて示しているが、左側のシャッター51Lについても同様の構造であり、その説明は省略する。
同図(b)は、シャッター51L及び51Rをそれぞれ両側へ一杯に開いた状態をしめしており、同図の例では当該状態においてインデックスセンサ57はインデックス56を検知する。インデックスセンサ57は、例えばフォトインタラプタのような光学式あるいはマイクロスイッチのような接触式などのセンサである。シャッター51L及び51Rの移動可能な範囲は同じであり、可動体50の中央(詳しくは、シャッター51L及び51Rをそれぞれ両側へ一杯に開いた状態におけるシャッター51Lの右端と51Rの左端の中点)である中間点までしか移動できない。同図(b)の0、50、100の数字は移動範囲を示す。100は中間点に相当する。シャッター51Lは左側の0から中央の100まで移動可能であり、シャッター51Rは右側の0から中央の100まで移動可能である。そして、インデックスセンサ57は、シャッター51L、51Rが「0」の位置に来たことを検知するものである。すなわち、図17(a)に示すように、シャッター51L、51Rが一杯に開いたとき(下限に達したとき)にその端が「0」の位置にある。2つのシャッター51L及び51Rの端がそれぞれ「0」の位置にあると、それらがそれぞれ左右に一杯に開き、液晶表示装置LCDが露出する(遊技者が画面を見ることができる)。図17(b)に示すように、シャッター51L、51Rが完全に閉じたとき(上限に達したとき)にその端(シャッター51Lの右端とシャッター51Rの左端のそれぞれ)が「100」の位置にある。2つのシャッター51L及び51Rの当該右端左端がそれぞれ「100」の位置に移動しそれらが完全に閉じると、液晶表示装置LCDは全く見えなくなる。
なお、シャッター51L、51Rを動かすためのステッピングモータ54に与えるパルス数とインデックスセンサ57の信号に基づき、シャッター51L、51Rの現在位置を把握することは容易である。
ラック53aとピニオン53bは、回転力を直線の動きに変換する機構である。ピニオン53bは小口径の円形歯車であり、ラック53aは平板状の棒に歯切りをした(歯がつけられた)ものである。ステッピングモータ54によりピニオン53bに回転力を加えると、ラック53aの水平方向の移動に伴ってシャッター51L,51Rがラック53a上を水平方向に動く。図16によれば、ラック53aは可動体50のフレームに固定されているのに対し、ブラケット55は前扉130の図示しないフレームに取り付けられ、これにステッピングモータ54が取り付けられているから、シャッター51L,51Rは前扉130の左右に動く。
ステッピングモータ54は、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンの回胴の回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。ステッピングモータ54のコイルに所定の順番で電流を流すことでモータの軸は回転し、逆の順番で電流を流すとモータの軸は逆回転する。
上記例では、シャッター51L,51Rの位置をインデックス56とインデックスセンサ57により検出していたが、他の位置検出手段(センサ)を使用するようにもできる。例えば、インデックス56とインデックスセンサ57に代えて磁石とリードスイッチの組み合わせを用いることができる。あるいは、スライド抵抗のようなポテンショメーターを、その作用部がシャッター51L,51Rの動きに連動するように設ければ、当該ポテンションメーターの抵抗値(あるいは電圧値)に基づきシャッター51L,51Rの位置を直接知ることができる(可動要素が特定の位置にあることだけではなく、可動要素がどの位置にあるかを知ることができる)。
上記可動体50を制御するデバイス制御基板に対して移動コマンドを送信すると、シャッター51L,51Rは予め定められた規則(例えば図13)に従い、下限=0と上限=100の間を移動する。そして、停止コマンドを送信するとシャッター51L,51Rが停止する。デバイス制御基板は、このときの位置(パラメータ)を取得し、取得した位置を含む返信コマンドを生成してサブ基板20へ返信する。この処理は、図9乃至図13に示したとおりである。
以上の説明においてスロットマシンを例に挙げたが、この発明の実施の形態は、液晶表示装置や可動役物と、これらを制御するためのデバイス制御基板とを備える他の遊技機、例えばパチンコ機にも適用できることは言うまでもない。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。