以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態である回胴式遊技機の概略正面図、図2はその回胴式遊技機の概略ブロック図である。
本実施形態の回胴式遊技機は、図1及び図2に示すように、第一回胴リール11a,第二回胴リール11b,第三回胴リール11cと、表示窓12と、メダル投入口13と、クレジット数表示部14と、MAXベットボタン15と、一枚投入ボタン16と、ベット枚数表示部17と、スタートレバー18と、第一停止ボタン19a,第二停止ボタン19b,第三停止ボタン19cと、清算ボタン21と、払出数表示部22と、メダル放出口23と、メダル受皿24と、払出装置25と、画像表示部30と、電飾表示部40と、スピーカ部50と、投入メダル検出センサ61と、MAXベットボタン操作検出センサ62と、一枚投入ボタン操作検出センサ63と、スタートレバー操作検出センサ64と、第一停止ボタン操作検出センサ65a,第二停止ボタン操作検出センサ65b,第三停止ボタン操作検出センサ65cと、第一回胴リール駆動手段66a,第二回胴リール駆動手段66b,第三回胴リール駆動手段66cと、主制御基板70と、演出制御基板80とを備える。
図1に示すように、回胴式遊技機の中央部のやや上側には、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cが配設されている。各回胴リール11a,11b,11cは、複数の図柄を一列に配した図柄列を有しており、回転可能に構成されている。これらの回胴リール11a,11b,11cは、複数の図柄を変動させる変動表示及びその変動表示を停止させる停止表示が可能な図柄表示手段としての役割を果たすものである。第一回胴リール11aは第一回胴リール駆動手段66aにより駆動され、第二回胴リール11bは第二回胴リール駆動手段66bにより駆動され、そして、第三回胴リール11cは第三回胴リール駆動手段66cにより駆動される。ここで、各回胴リール駆動手段66a,66b,66cとしては、例えばステッピングモータが用いられる。これら回胴リール駆動手段66a,66b,66cの制御は、主制御基板70により行われる。
各回胴リール11a,11b,11cに配される図柄には、例えば、赤色の数字「7」図柄(赤7図柄)、青色の数字「7」図柄(青7図柄)、BAR図柄、リプレイ図柄、スイカ図柄、ベル図柄、チェリー図柄等がある。各回胴リール11a,11b,11cの外周には、これらの図柄が合計21個若しくはそれ以下の個数、配されている。また、回胴リール11a,11b,11c毎に各図柄の数及び図柄の配置順序は異なっている。
表示窓12は回胴リール11a,11b,11cに対応する位置に設けられた透明な窓部である。遊技者は、図1に示すように、第一回胴リール11a,第二回胴リール11b,第三回胴リール11cの停止時において表示窓12からそれぞれの回胴リール11a,11b,11cに付された三つの図柄を目視することができる。
メダル投入口13は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入するための投入口である。投入メダル検出センサ61はメダル投入口13の内部に設けられており、メダルがメダル投入口13に投入されたことを検出するものである。投入メダル検出センサ61からの検出信号は主制御基板70に送られる。主制御基板70は、かかる投入メダル検出センサ61からの検出信号に基づいて、メダルが何枚投入されたのかを認識することができる。
表示窓12のすぐ下側には、クレジット数表示部14が設けられている。クレジット数表示部14は、メダルのクレジット数(貯留数)を所定の範囲内(例えば50枚以内)で表示するものである。メダル投入口13からメダルを投入すると、主制御基板70は、投入メダル検出センサ61からの信号に基づいて、現在のクレジット数からその投入したメダルの数だけ増加させた数を計数して貯留し、クレジット数表示部14に表示させる。また、主制御基板70は、ゲーム(遊技)において所定の役が成立すると、その役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を現在のクレジット数に加算し、その加算した数をクレジット数表示部14に表示させる。
MAXベットボタン15及び一枚投入ボタン16は、メダルを賭けてゲーム(遊技)を行う旨を指示するための遊技指示手段であり、表示窓12の左下側に設けられている。MAXベットボタン15は、メダルを三枚賭けてゲームを行うことを選択するボタンであり、また、一枚投入ボタン16は、メダルを一枚、二枚又は三枚賭けてゲームを行うことを選択するボタンである。具体的には、一枚投入ボタン16を一回押すことにより、メダルを一枚賭けてゲームを行うことが選択され、一枚投入ボタン16を二回押すことにより、メダルを二枚賭けてゲームを行うことが選択され、そして、一枚投入ボタン16を三回押すことにより、メダルを三枚賭けてゲームを行うことが選択される。すなわち、一枚投入ボタン16を三回押すことは、MAXベットボタン15を一回押すことと同じである。MAXベットボタン操作検出センサ62はMAXベットボタン15が押されたことを検出するものであり、一枚投入ボタン操作検出センサ63は一枚投入ボタン16が押されたことを検出するものである。各センサ62,63からの検出信号は、主制御基板70に送られる。これにより、主制御基板70は、メダルを何枚賭けてゲームを行うのかを認識することができる。
表示窓12の左下側には、ベット枚数表示部17が設けられている。かかるベット枚数表示部17は、当該ゲームにおいて賭けられたメダルの枚数を表示するものである。具体的には、一枚投入ボタン16が一回押されると、主制御基板70は、ベット枚数表示部17の「一」の部分に対応するランプを点灯させる。一枚投入ボタン16が二回押されると、主制御基板70は、ベット枚数表示部17の「二」の部分に対応するランプを点灯させる。そして、一枚投入ボタン16が三回押され、又はMAXベットボタン15が押されると、主制御基板70は、ベット枚数表示部17の「三」の部分に対応するランプを点灯させる。
本実施形態では、三つの回胴リール11a,11b,11cを停止させて所定の図柄を揃えるための入賞ラインが五つ設定されている。すなわち、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つのラインと、表示窓12の左上から右下に向かって延びるラインと、表示窓12の左下から右上に向かって延びるラインとである。メダルを何枚賭けるかに応じて、有効な入賞ラインが異なる。メダルを一枚賭けてゲームを行う場合には、表示窓12の中央部を通り水平方向に延びる一つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。メダルを二枚賭けてゲームを行う場合には、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。そして、メダルを三枚賭けてゲームを行う場合には、五つの入賞ラインすべてが有効な入賞ラインとなる。三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、五つの入賞ラインのうち有効な入賞ライン上に所定の図柄が揃い、所定の役が成立すると、当該ゲームが入賞となり、所定数のメダルが払い出される。
スタートレバー18は、ゲームを開始する旨を指示するために遊技者が操作するものである。メダル投入口13から一回のゲームに必要な数のメダルが投入されるか、又は、既に一回のゲームに必要な数のメダルがクレジットされている状態でMAXベットボタン15の操作、若しくは一枚投入ボタン16の必要回数の操作のうちいずれかの操作が行われることにより、スタートレバー18の操作が可能となる。ここで、一回のゲームは、スタートレバー18が操作されることにより開始し、三つの停止ボタン19a,19b,19cがすべて押された後、次回のゲームを行うためにメダルが投入され又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16が押下されることにより終了する。スタートレバー操作検出センサ64は、スタートレバー18が操作されたことを検出するものである。スタートレバー操作検出センサ64は、スタートレバー18が操作されたことを検出すると、ゲーム開始信号を主制御基板70に送る。主制御基板70は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号を受けているときに、スタートレバー操作検出センサ64からゲーム開始信号を受けると、ゲーム開始の処理を行う。具体的には、主制御基板70は、ゲーム開始信号を受けると、乱数値を取得し、その乱数値に基づいて役の抽選処理を行うと共に、前回のゲーム開始信号の受信時から4.1秒以上経過していれば直ちに、4.1秒経過前であれば4.1秒経過後に、三つの回胴リール11a,11b,11cの回転動作を開始する。
第一停止ボタン19aは第一回胴リール11aの回転動作の停止を指示するためのものであり、第二停止ボタン19bは第二回胴リール11bの回転動作の停止を指示するためのものであり、第三停止ボタン19cは第三回胴リール11cの回転動作の停止を指示するためのものである。第一停止ボタン操作検出センサ65aは第一停止ボタン19aが押されたことを検出するものであり、第二停止ボタン操作検出センサ65bは第二停止ボタン19bが押されたことを検出するものであり、第三停止ボタン操作検出センサ65cは第三停止ボタン19cが押されたことを検出するものである。各停止ボタン操作検出センサ65a,65b,65cからの検出信号は、主制御基板70に送られる。主制御基板70は、停止ボタン操作検出センサ65a,65b,65cからの検出信号を受けると、当該停止ボタン操作検出センサに対応する回胴リールの回転動作を所定の制御方法により停止する。こうして、三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、それらの回胴リール11a,11b,11cに付されている図柄が有効な入賞ライン上において特定の組合せとなると、役が成立することになる。
本実施形態の回胴式遊技機では、役の種類として、大役と、スイカ小役と、ベル小役と、チェリー小役と、リプレイ役(再遊技役)とがある。このうち、スイカ小役、ベル小役、チェリー小役は、小当りである小役と称されるものである。主制御基板70による役の抽選処理によりスイカ小役に当選したときには、遊技者は三つのスイカ図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能になる。そして、三つのスイカ図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、スイカ小役が成立する。また、主制御基板70による役の抽選処理によりベル小役に当選したときには、遊技者は三つのベル図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能になる。そして、三つのベル図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、ベル小役が成立する。更に、主制御基板70による役の抽選処理によりチェリー小役に当選したときには、遊技者は第一回胴リール11aに配されたチェリー図柄を有効な入賞ライン上に停止させることが可能となる。そして、第一回胴リール11aに配されたチェリー図柄が有効な入賞ライン上に停止すると、チェリー小役が成立する。かかる小役が成立したときには、それぞれの小役の種類に応じて所定枚数のメダルが払い出される。
また、主制御基板70による役の抽選処理によりリプレイ役に当選したときには、遊技者は三つのリプレイ図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能になる。三つのリプレイ図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、リプレイ役が成立する。このリプレイ役が成立した場合には、回胴式遊技機は、再遊技の状態、すなわち、今回のゲームに賭けたメダルの枚数と同数のメダルが自動投入され、遊技者が新たにメダルを投入することなく、再度、ゲームを行うことが可能な状態となる。尚、本実施形態では、リプレイ役はメダルの払出しがないことから、リプレイ役を小役に含めていないが、次の遊技のための新たなメダルの投入操作が不要なので、その遊技に使用したメダルが払い出されたと仮定して、リプレイ役を小役として取扱うことも可能である。
大役には、BB(ビッグボーナス)、CTBB1(チャレンジタイムビッグボーナス1)、CTBB2(チャレンジタイムビッグボーナス2)という三種類の役がある。主制御基板70による役の抽選処理によりBBに当選すると、遊技者は、三つの赤7図柄を有効な入賞ライン上に揃えることができるようになる。三つの赤7図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、BBが成立する。このBBが成立した場合には、回胴式遊技機は、BBゲームに突入する。BBゲームでは、ベル小役、スイカ小役、チェリー小役の当選確率が飛躍的に向上して、遊技者が短期間に多量のメダルを獲得することができる。このBBゲームは、メダルの累積払出枚数が345枚を超えたときに終了する。また、主制御基板70による役の抽選処理によりCTBB1に当選すると、遊技者は、三つの青7図柄を有効な入賞ライン上に揃えることができるようになる。この三つの青7図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、CTBB1が成立する。一方、主制御基板70による役の抽選処理によりCTBB2に当選すると、遊技者は、三つのBAR図柄を有効な入賞ライン上に揃えることができるようになる。この三つのBAR図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、CTBB2が成立する。かかるCTBB1又はCTBB2が成立した場合には、回胴式遊技機は、CTBB1ゲーム又はCTBB2ゲームに突入する。CTBB1ゲーム又はCTBB2ゲームでは、リール制御が特殊な制御状態となり、役の抽選結果に関係なく、遊技者の技量次第でいずれの小役をも有効な入賞ライン上に揃えることができるようになる。ここで、CTBB1ゲームは、メダルの累積払出枚数が253枚を超えたら終了し、CTBB2ゲームは、メダルの累積払出枚数が110枚を超えたら終了する。このように、大役が成立すると、当該大役の種類に応じた大役ゲーム(BBゲーム、CTBB1ゲーム、CTBB2ゲーム)が実行され、各大役ゲームの終了条件は、大役の種類毎に異なるメダルの総払出枚数で規定されている。尚、以下では、赤7図柄、青7図柄、BAR図柄のことをまとめて「大役図柄」とも称することにする。
払出数表示部22は、成立した役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を表示するものである。払出数表示部22の制御は主制御基板70により行われる。メダル放出口23からは、例えば、遊技者が清算ボタン21を押した場合にそのときのクレジット数に対応する数のメダルが放出される。メダル受皿24は、メダル放出口23から放出されるメダルを蓄積するための皿である。また、払出装置25は、所定の回転機構(不図示)を利用してメダルを一枚ずつメダル放出口23から払い出す装置である。かかる払出装置25の動作は、主制御基板70により制御される。
画像表示部30は、表示窓12の上側に設けられている。本実施形態では、画像表示部30として液晶表示装置を用いている。画像表示部30は、複数の文字、数字、図形やキャラクター等の画像を変動表示することにより、役の成立の予告、所定の情報の告知、その他の遊技に関わる演出を行う。例えば、大当り確定を予告するプレミアム演出を行ったり、入賞ライン上に揃えるべき図柄の種類を告知したりする。また、画像表示部30の演出制御は、主制御基板70からのコマンド(指令信号)に基づいて演出制御基板80により行われる。尚、画像表示部30の構成については後に詳述する。
電飾表示部40は、複数の表示用ランプを点灯表示することにより、各種の遊技状態を報知したり、遊技に関わる演出を行ったりするものである。本実施形態では、表示用ランプとして、発光ダイオード(light-emitting diode)を用いている。この電飾表示部40の制御は、主制御基板70からのコマンドに基づいて演出制御基板80により行われる。かかる電飾表示部40は、図1に示すように、前扉の裏側であってその外周の各部に設けられている。
スピーカ部50は、音により遊技に関わる演出を行うものである。スピーカ部50の制御は、主制御基板70からのコマンドに基づいて演出制御基板80により行われる。かかるスピーカ部50は、図1及び図2に示すように、第一ドアスピーカ51と、第二ドアスピーカ52と、背面スピーカ53とを有する。第一ドアスピーカ51及び第二ドアスピーカ52はそれぞれ、前扉の裏側上部の左側、右側に設けられている。すなわち、図1において、前扉上部に点線で描いた円の部分が第一ドアスピーカ51及び第二ドアスピーカ52である。また、背面スピーカ53は回胴式遊技機の背面側に設けられている。
主制御基板70は、主に遊技内容やメダルの払出しの制御及び管理を行う。かかる主制御基板70は、図2に示すように、乱数発生手段71と、ROM72と、RAM73と、CPU74とを備えている。ROM72には、遊技内容の制御等に関する各種のプログラムが格納されている。また、RAM73は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。
CPU74は、ROM72に格納されたプログラムを実行することにより、遊技内容の制御を行ったり、演出制御基板80を制御することによって演出の制御を行ったりする。具体的に、CPU74は、乱数値に基づく役抽選処理を行う役抽選手段としての役割と、回胴リール11a,11b,11cの駆動・停止処理、遊技状態の管理、演出制御基板80へのコマンドの送信処理等を行う遊技制御手段としての役割とを果たす。
まず、乱数値に基づく役の抽選処理を説明する。乱数発生手段71は、所定範囲の数値を順次発生すると共に、所定のタイミングで当該数値を乱数値として取得し、その取得した乱数値をCPU74に送出するものである。本実施形態では、乱数発生手段71として、2バイトのハードウェア乱数カウンタを用いることにしている。このため、乱数発生手段71の発生する数値の範囲は、0から65535までの範囲である。したがって、取得される乱数値もこの範囲内の数である。かかる乱数発生手段71は、スタートレバー操作検出センサ64からのゲーム開始信号を受けたときに、乱数値を取得する。その乱数値はCPU74に送られ、CPU74はその送られた乱数値に基づいて役の抽選処理を行う。ここで、ROM72には、役と乱数値との対応関係を示した役抽選テーブルが格納されている。CPU74は、乱数発生手段71から送られた乱数値が、役抽選テーブルにおいていずれの役に対応するかを調べることにより、どの役に当選したか、はずれであるかを決定する。CPU74は、役抽選の結果に基づいて、遊技内容の制御を行ったり、所定のコマンドを演出制御基板80に送ったりする。
次に、回胴リール11a,11b,11cの駆動・停止処理を説明する。CPU74は、遊技の制御の一つとして、回胴リール11a,11b,11cを駆動及び停止させるリール制御を行う。このCPU74のリール制御には、リールの駆動開始制御、リールの駆動停止制御がある。リールの駆動開始制御とは、所定枚数のメダルが投入されることを条件に、スタートレバー18が押されたときに、三つの回胴リール11a,11b,11cの駆動動作を開始するように制御することをいう。具体的に、CPU74は、投入メダル検出センサ61からメダルが投入された旨の信号が送られて、所定枚数のメダルが投入されたことを認識したこと、又は、MAXベットボタン操作検出センサ62若しくは一枚投入ボタン操作検出センサ63から信号が送られたことを条件として、その後、スタートレバー操作検出センサ64からの信号を受けたときに、三つの回胴リール11a,11b,11cの駆動を開始する。また、リールの駆動停止制御とは、回胴リールが駆動している場合、当該回胴リールに対する停止ボタンが押されたときに、当該回胴リールの駆動を停止するように制御することをいう。具体的に、CPU74は、回胴リールが駆動している場合、当該回胴リールに対する停止ボタンが押され、その停止ボタンに対する停止ボタン操作検出センサから当該停止ボタンが押された旨の信号を受けたときに、当該回胴リールの駆動を停止する。
また、CPU74のリール制御には、リールの駆動開始制御、リールの駆動停止制御の他、例えば、役に当選した場合に行われるリール引込み制御、役に当選しなかった場合に行われるはずれ制御等がある。リール引込み制御とは、停止ボタンが押されたときに、その押されたタイミングで有効な入賞ライン上にある図柄を含めて当該図柄から所定のコマ数(例えば、5コマ)の範囲内に当該役を構成する図柄が存在するときに、その図柄を当該有効な入賞ライン上に引き込むように回胴リールの停止位置を制御することをいう。但し、遊技者が停止ボタンを押したタイミングにおいて上記の所定のコマ数の範囲内に当該役を構成する図柄が存在しないときには、リールの引込み制御が働かず、押したなりの図柄が有効な入賞ライン上に停止する。したがって、このときには、当該役を構成する図柄は有効な入賞ライン上に揃わず、当該役は成立しないことになる。一方、はずれ制御とは、有効な入賞ラインには大役、小役、リプレイ役のいずれの役も成立しないように、回胴リールの停止位置を制御することをいう。したがって、この場合には、遊技者が特定の役を狙って停止ボタンを押したとしても、どのような役も成立せず、ゲームの結果はいわゆる「はずれ」となる。
次に、遊技状態の管理について説明する。本実施形態の回胴式遊技機では、遊技機の遊技状態として、「一般遊技状態」、「高確率再遊技状態」、「BB遊技状態」、「CTBB1遊技状態」、「CTBB2遊技状態」等の各種の遊技状態が設定されている。ここで、「一般遊技状態」は、通常の遊技状態のことであり、「高確率再遊技状態」は、乱数値に基づく役の抽選処理においてリプレイ役に当選する確率が高く設定された遊技状態である。「BB遊技状態」は、遊技者が最も多量のメダルを獲得可能なBBゲームを実行する遊技状態である。また、「CTBB1遊技状態」は、BBゲームに次いで遊技者が多量のメダルを獲得可能なCTBB1ゲームを実行する遊技状態であり、「CTBB2遊技状態」は、BBゲーム及びCTBB1ゲームに次いで遊技者が多量のメダルを獲得可能なCTBB2ゲームを実行する遊技状態である。CPU74は、役抽選の結果等に基づいて遊技状態の移行を制御する。例えば、CPU74は、役抽選によりBBに当選した場合、遊技者が三つのBB図柄を有効な入賞ライン上に揃えると、遊技状態をBB遊技状態に移行し、BBゲームを次回のゲームから実行させる。このように遊技機が複数の遊技状態を有することにより、遊技状態に応じて多彩な内容の遊技を実現することができる。尚、以下では、「BB遊技状態」、「CTBB1遊技状態」、「CTBB2遊技状態」のことをまとめて「大役遊技状態」とも称することにする。
次に、演出制御基板80へのコマンド送信処理について説明する。CPU74から演出制御基板80に送信するコマンド(指令信号)には多くの種類がある。例えば、役抽選処理の結果に基づいて作成される遊技の演出に関するコマンド(演出コマンド)や、遊技者によって所定の操作が行われたときに作成されるコマンド(操作コマンド)等がある。
CPU74は、遊技者によって所定の操作が行われたときに、当該操作が行われた旨の操作コマンドを作成し、その作成した操作コマンドを演出制御基板80に出力する。具体的には、スタートレバー18の押下時、第一停止ボタン19aの押下時、第二停止ボタン19bの押下時、第三停止ボタン19cの押下時、そして、メダルの投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に、操作コマンドが作成される。すなわち、スタートレバー18の押下時には、スタートレバー18が押下された旨の操作コマンドが作成される。第一停止ボタン19aの押下時には、第一停止ボタン19aが押下された旨の操作コマンドが作成され、第二停止ボタン19bの押下時には、第二停止ボタン19bが押下された旨の操作コマンドが作成され、そして、第三停止ボタン19cの押下時には、第三停止ボタン19cが押下された旨の操作コマンドが作成される。また、メダルの投入時には、メダル投入口13からメダルが所定個数投入された旨の操作コマンドが作成され、MAXベットボタン15の押下時には、MAXベットボタン15が一回押下された旨の操作コマンドが作成され、そして、一枚投入ボタン16の押下時には、一枚投入ボタン16が所定回数押下された旨の操作コマンドが作成される。しかし、実際に、CPU74は、メダルの投入時、MAXベットボタン15の押下時、一枚投入ボタン16の押下時にあっては、いずれも全く同じ内容の操作コマンドを作成することにしている。
また、CPU74は、スタートレバー18が押下されたときに、上述の役抽選処理を行うと共に、その役抽選の結果に応じた演出コマンドを生成し、その生成した演出コマンドを演出制御基板80に出力する。この演出コマンドの内容は役抽選の結果等を示すものであり、演出制御基板80はかかる演出コマンドに基づいて遊技の演出内容を決定することになる。このように、CPU74は、演出制御基板80に演出コマンド等を送ることにより、演出制御基板80を制御している。
更に、CPU74は、同一種類の大役図柄が有効な入賞ライン上に揃い、大役が成立すると、遊技状態を大役遊技状態に移行させると共に、ボーナス開始コマンドを生成し、その生成したボーナス開始コマンドを演出制御基板80に出力する。このボーナス開始コマンドの内容は、次のゲームから大役ゲームが開始することを示すものである。このとき、CPU74は、その成立した大役の種類(BB、CTBB1、CTBB2)を示すボーナス種類コマンドを生成し、その生成したボーナス種類コマンドも演出制御基板80に出力する。また、CPU74は、遊技機が大役遊技状態にある場合、メダル投入口13からメダルが投入されたとき又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16が押下されたときに、ボーナス中コマンドを生成し、その生成したボーナス中コマンドを演出制御基板80に出力する。このボーナス中コマンドの内容は、遊技機が大役遊技状態であることを示すものである。すなわち、ボーナス中コマンドは、大役ゲームが実行されている間、メダル投入口13からメダルが投入され又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16が押下される度に、演出制御基板80に送られる。更に、CPU74は、小役に対応する図柄が有効な入賞ライン上に揃い、当該小役が成立したときに、当該小役の成立に対して払い出されるメダルの払出枚数を示す払出枚数コマンド(払出枚数用指令信号)を生成し、その生成した払出枚数コマンドを演出制御基板80に出力する。
尚、回胴式遊技機に関しては、さまざまな規格が定められている。その一つに、スタートレバー18を操作してから4.1秒を経過しないと、次にスタートレバー18を操作しても、回胴リール11a,11b,11cが回転しないという規格がある。このため、CPU74は、かかる規格に合致するように、回胴リール11a,11b,11cの駆動開始制御を行う。但し、スタートレバー18を操作してから4.1秒以内に、次にスタートレバー18を操作した場合であっても、CPU74が、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号をすでに受けていれば、乱数値に基づく役抽選処理は行われる。
演出制御基板80は、主制御基板70と通信ケーブル線を介して接続されている。かかる演出制御基板80は、主に遊技演出に関わる機能を実現する。演出制御基板80は、図2に示すように、ROM81と、RAM82と、CPU83とを有する。ROM81には、遊技の演出に関する各種のプログラムが格納されている。RAM82は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。CPU83は、ROM81に格納されたプログラムを実行することにより、遊技の演出の制御を行うものである。すなわち、CPU83は、主制御基板70から送られた演出コマンド、ボーナス開始コマンド、ボーナス中コマンド等に基づいて遊技の演出内容を決定し、その決定した遊技の演出内容にしたがって画像表示部30、電飾表示部40、スピーカ部50を制御する演出制御手段としての役割を果たす。
ROM81には、プログラムの他に、演出内容決定用テーブルが格納されている。かかる演出内容決定用テーブルは、遊技状態毎に設けられている。各演出内容決定用テーブルには、役抽選の結果毎に、演出組合せデータの番号と抽選確率との対応関係が記述されている。演出組合せデータは、画像表示部30、電飾表示部40、スピーカ部50に行わせる遊技演出の内容を特定する情報を含むものである。かかる演出組合せデータもROM81に格納されている。具体的に、各演出組合せデータにおいては、スタートレバー18の押下時、第一停止ボタン19aの押下時、第二停止ボタン19bの押下時、第三停止ボタン19cの押下時、及び、メダルの一枚目投入時又はベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時(一枚目投入時)の合計五つの操作タイミングが定められている。そして、各演出組合せデータには、各操作タイミングに対応して、画像演出の内容、電飾演出の内容、音声演出の内容を特定する情報が含まれている。ここで、電飾演出の内容、音声演出の内容を特定する情報としてはそれぞれ、電飾演出用パターンデータの番号、音声演出用パターンデータの番号が用いられる。電飾演出用パターンデータは電飾表示部40を制御するためのデータであり、音声演出用パターンデータはスピーカ部50を制御するためのデータである。これら電飾演出用パターンデータ及び音声演出用パターンデータもROM81に格納されている。
CPU83は、主制御基板70から演出コマンドを受けたとき、所定の演出内容決定用テーブルにおいて当該演出コマンド(役抽選の結果)に対する抽選確率を用いて、演出内容の抽選を行い、一つの演出組合せデータの番号を決定する。そして、CPU83は、その決定した番号を有する演出組合せデータをROM81から取得し、RAM82に一時記憶する。また、CPU83は、そのRAM82に記憶されている演出組合せデータに基づいて画像表示部30、電飾表示部40、スピーカ部50を制御する。特に、画像表示部30を制御する場合には、CPU83は、その演出組合せデータに含まれる所定の画像演出の内容を特定する情報に基づいて通常演出の表示コマンドを生成し、その生成した通常演出の表示コマンドを画像表示部30に送信する。通常演出の表示コマンドは、画像表示部30に行わせる画像演出の内容を示すものである。画像表示部30は、かかる通常演出の表示コマンドを受け取ると、その通常演出の表示コマンドに応じた内容の画像を表示することになる。
また、CPU83は、主制御基板70からボーナス開始コマンド又はボーナス中コマンドが送られた場合、そのボーナス開始コマンド又はボーナス中コマンドを通常演出の表示コマンドとして画像表示部30に送信する。通常演出の表示コマンドとしてのボーナス開始コマンドは、大役ゲーム開始時用の画像演出を行うべきことを示すものであり、通常演出の表示コマンドとしてのボーナス中コマンドは、大役ゲーム実行時用の画像演出を行うべきことを示すものである。例えば、画像表示部30は、通常演出の表示コマンドとしてのボーナス開始コマンドを受け取ると、大役ゲーム開始時用の画像として、次回のゲームから大役ゲームが開始することを示すアニメーションを表示することになる。一方、画像表示部30は、通常演出の表示コマンドとしてのボーナス中コマンドを受け取ると、大役ゲーム実行時用の画像として、大役ゲームが現在実行されていることを示すアニメーションを表示することになる。
このように、CPU83は、画像表示部30に通常演出の表示コマンドを送信することにより、画像表示部30を制御しているが、CPU83が画像表示部30に送るコマンドとしては、上記複数種類の通常演出の表示コマンドの他に、ボーナス種類コマンド、払出枚数コマンド等がある。すなわち、CPU83は、主制御基板70からボーナス種類コマンド、払出枚数コマンドが送られると、それらのコマンドをRAM82に一時記憶すると共に、画像表示部30に送信する。
次に、画像表示部30の構成について詳しく説明する。図3は画像表示部30の概略ブロック図である。
画像表示部30は、図3に示すように、表示制御CPU(表示制御手段)31と、ROM32と、表示制御VDP(Video Display Processor)33と、画像ROM34と、VRAM35と、液晶パネル(画像表示手段)36とを有する。ROM32には、画像表示の制御に関する各種のプログラムが格納されており、画像ROM34には、多数の画像データが格納されている。また、表示制御CPU31には、RAM31aが内蔵されている。このRAM31aはデータを一時的に記憶する作業用のメモリである。例えば、各種のコマンドが演出制御基板80から表示制御CPU31に送られると、そのコマンドはRAM31aに一時記憶される。
表示制御CPU31は、ROM32に格納されたプログラムを実行することにより、画像表示の制御を行うものである。具体的に、表示制御CPU31は、演出制御基板80から通常演出の表示コマンドが送られると、表示制御VDP33を制御して、当該通常演出の表示コマンドに応じた内容の画像を液晶パネル36に表示させる。また、表示制御VDP33は、表示制御CPU31の指示を受けて、画像データをVRAM35に展開すると共に、そのVRAM35に展開した画像データをそのVRAM35内のフレームバッファ35aに転送するものである。フレームバッファ35a内の画像データは所定のタイミングで液晶パネル36に送られる。表示制御VDP33が画像データをフレームバッファ35aに転送する動作が繰り返し行われることにより、画像が液晶パネル36上でアニメーションとして表示されることになる。
ROM32には、プログラムの他に、通常演出テーブルと、シナリオテーブルとが格納されている。これらのテーブルは、表示制御CPU31が画像表示の制御を行う際に用いられる。通常演出テーブルは、通常演出の表示コマンドの種類に応じて複数設けられている。この通常演出テーブルには、一つの画面を構成するのに必要な情報が含まれている。図4は通常演出テーブルを説明するための図である。各通常演出テーブルには、図4に示すように、シナリオテーブルアドレスと、複数組の画像データアドレス及びVRAMアドレスと、テーブル終端コードとが記述されている。シナリオテーブルアドレスは、当該通常演出テーブルと関連付けられたシナリオテーブルのアドレスである。画像データアドレス及びVRAMアドレスは、一画面を構成するある画像要素について、画像ROM34に格納されているその画像データのアドレス及び当該画像データをVRAM35に展開するときのVRAM35内のアドレスである。これら各組の画像データアドレス及びVRAMアドレスの全体が、一つの画面を構成するのに必要な情報である。例えば、ある画面に、画像要素として、背景、主人公のキャラクターが含まれている場合、画像データアドレス1には、その背景を表す画像データのアドレスが指定され、画像データアドレス2には、その主人公のキャラクターを表す画像データのアドレスが指定される。また、テーブル終端コードは、当該通常演出テーブルの終端を示すコードである。
シナリオテーブルには、このシナリオテーブルと関連付けられた通常演出テーブルによって規定される画面において、各画像要素をアニメーションとして表現するための情報が含まれている。図5はシナリオテーブルを説明するための図である。シナリオテーブルには、図5に示すように、複数のシナリオデータと、テーブル終端コードとが記述されている。各シナリオデータには、タイマー値と、画像要素特定データと、位置データと、効果データとが含まれる。タイマー値は、当該シナリオデータに基づいて構成される画面を液晶パネル36に表示しておく時間である。画像要素特定データは、位置や効果を変更して表示すべき画像要素を特定するデータである。位置データは、当該画像要素特定データで特定される画像要素を画面内のどの位置に表示するかを示すデータである。効果データは、当該画像要素特定データで特定される画像要素をどのような効果をかけて表示するかを示すデータである。具体的に、効果データの内容としては、拡大、縮小、回転等がある。また、テーブル終端コードは、当該シナリオテーブルの終端を示すコードである。
また、液晶パネル36には、大役ゲームが実行されている間、当該大役ゲームの進行状況を示す大役ゲーム進行状況報知画像が表示される。この大役ゲーム進行状況報知画像は、当該大役ゲームにおけるメダルの累積払出枚数に応じて形状が変化する図形を用いて当該大役ゲームの進行状況を表示するものである。本実施形態では、上記図形として、長方形の図形であって、当該大役ゲームにおけるメダルの累積払出枚数に応じて横方向の長さが変化するものを用いている。すなわち、この図形は、現時点でのメダルの累積払出枚数を示すレベルメーターの役割を果たすことになる。大役ゲームはメダルの累積払出枚数が所定の総払出枚数を超えたときに終了するので、遊技者は、このレベルメーターの画像を見ることにより当該大役ゲームの進行状況を容易に知ることができる。
いま、かかる大役ゲーム進行状況報知画像について説明する。図6は大役ゲーム進行状況報知画像の具体例を説明するための図である。大役ゲーム進行状況報知画像は、図6に示すように、レベルメーターの画像Aと、基本画像Bとからなる。基本画像Bは、レベルメーターの画像Aと組み合わせて全体として一つのまとまりのある画像を構成するためのものである。本実施形態では、基本画像Bとしてパイプの外観を示す画像を用い、レベルメーターの画像Aとして長方形の図形の画像を用いている。レベルメーターの画像Aは、そのパイプの画像の中央部に表示される。そして、レベルメーターの横方向長さは、当該大役ゲームにおけるメダルの累積払出枚数が増えるにしたがって長くなる。ここで、レベルメーターの左端は、基本画像Bにおける所定の基準位置P1に固定されており、レベルメーターの右端が、当該大役ゲームにおけるメダルの累積払出枚数に応じて右方向に移動することになる。かかる大役ゲーム進行状況報知画像により、大役ゲームの進行状況に応じてパイプの内部がレベルメーターで満たされていく様子が表現される。具体的に、大役ゲームが開始されたが、まだメダルの払い出しが行われていない場合には、図6(a)に示すように、基本画像Bが表示されているだけで、レベルメーターの画像Aは表示されていない。メダルの累積払出枚数が増えると、図6(b)に示すように、大役ゲーム進行状況報知画像としては、レベルメーターが、基準位置P1からその時点における累積払出枚数に応じた所定の位置まで伸びたものが表示される。そして、メダルの累積払出枚数が当該大役ゲームに対する所定の総払出枚数に達すると、大役ゲーム進行状況報知画像としては、レベルメーターの右端が基本画像Bにおける所定の終端位置P2に位置し、レベルメーターが基本画像Bの内部を完全に満たしたものが表示される。尚、大役ゲームの際には、大役ゲーム進行状況報知画像以外の画像も表示されるが、図6では、それらの画像を省略し、大役ゲーム進行状況報知画像だけを示している。
このような大役ゲーム進行状況報知画像の表示を実現するために、ボーナス中コマンドに対する通常演出テーブルにおいては、当該画面を構成する画像要素に、レベルメーターの画像A、基本画像Bを含めている。すなわち、そのボーナス中コマンドに対する通常演出テーブルにおける複数の画像データアドレスの中には、レベルメーターの画像Aを表す画像データのアドレス、基本画像Bを表す画像データのアドレスが指定されている。また、そのボーナス中コマンドに対する通常演出テーブルと関連付けられたシナリオテーブルにおいては、レベルメーターの画像Aに対する効果データとして、右方向への拡大が指定されている。
表示制御CPU31は、大役ゲームが行われている間におけるメダルの累積払出枚数を、払出枚数用変数を用いて管理している。この払出枚数用変数はこれまでに払い出されたメダルの累積払出枚数を示すものであり、RAM31aに記憶されている。具体的に、表示制御CPU31は、大役ゲームが開始されたときに、払出枚数用変数をゼロにクリアする。表示制御CPU31は、大役ゲームが行われている間、演出制御基板80からの払出枚数コマンドを受けたときに、その払出枚数コマンドに基づいて今回払い出されるメダルの払出枚数を認識すると共に、RAM31aに記憶されている払出枚数用変数に基づいてこれまでに払い出されたメダルの累積払出枚数を認識する。そして、前者の払出枚数と後者の累積払出枚数とを加算することにより、当該払出枚数コマンドが送られた時点におけるメダルの累積払出枚数を算出する。その後、表示制御CPU31は、その算出されたメダルの累積払出枚数を、払出枚数用変数に設定して、RAM31aに記憶する。
また、表示制御CPU31は、大役ゲームが行われている間、払出枚数用変数に基づいて、現時点におけるメダルの累積払出枚数に対応するレベルメーターの横方向長さを決定する。具体的に、表示制御CPU31は、RAM31aに記憶されている払出枚数用変数に基づいて現時点におけるメダルの累積払出枚数sを認識する。そして、その認識した累積払出枚数sを当該大役ゲームに対する所定の総払出枚数s0で除し、その除して得られた値にレベルメーターの横方向の最大長さd0を乗ずることにより、現時点におけるメダルの累積払出枚数に対応するレベルメーターの横方向長さdを決定する。すなわち、現時点におけるレベルメーターの横方向長さdは、d=(s/s0)×d0という計算式により求めることができる。ここで、各種の大役ゲームに対する所定の総払出枚数s0は、前述したように、BBゲームについては345枚、CTBB1ゲームについては253枚、CTBB2ゲームについては110枚である。また、レベルメーターの横方向の最大長さd0は、各種の大役ゲームに対する所定の総払出枚数s0にかかわらず、いずれの種類の大役ゲームにおいても、例えば400ピクセルで同一に設定される。すなわち、各種の大役についての大役ゲームの終了時点にレベルメーターが成り得る形状はすべて同じである。このようにすれば、大役ゲームの種類毎に、基本画像Bを複数用意する必要はない。これら各種の大役ゲームに対する総払出枚数s0及びレベルメーターの横方向の最大長さd0に関するデータは、ROM32に格納されている。
表示制御CPU31は、大役ゲーム進行状況報知画像の表示を行うときには、上記のようにして算出されたレベルメーターの横方向長さdを表示制御VDP33に送信する。そして、表示制御VDP33は、レベルメーターを表す画像データを、レベルメーターがその送信された長さdを有するような拡大の効果をかけて、フレームバッファ35aに転送する。これにより、そのレベルベータ−の画像Aと基本用画像Bとはフレームバッファ35a内で合成され、その合成により得られる大役ゲーム進行状況報知画像が液晶パネル36に表示されることになる。
また、表示制御CPU31は、大役ゲーム進行状況報知画像を表示する際にレベルメーターの画像Aの表示を行うかどうかを、レベルメーター表示フラグで管理している。具体的に、表示制御CPU31は、演出制御基板80からボーナス中コマンドが送られたときに、レベルメーター表示フラグをオンにし、一方、演出制御基板80からボーナス中コマンド以外の通常演出の表示コマンドが送られたときには、レベルメーター表示フラグをオフにする。表示制御CPU31は、レベルメーター表示フラグがオンであると、表示制御VDP33を制御して、レベルメーターの画像Aを液晶パネル36に表示させる。そして、レベルメーター表示フラグがオフであると、レベルメーターの画像Aの表示を行わない。したがって、演出制御基板80からボーナス開始コマンドが送られたときには、レベルメーターの画像Aは表示されない。
次に、本実施形態の回胴式遊技機において主制御基板70が行う処理の手順について説明する。図7は主制御基板70が行う処理の手順を説明するためのフローチャートである。
まず、主制御基板70のCPU74は、ベットボタン操作待ち処理を行う(S1)。すなわち、CPU74は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62又は一枚投入ボタン操作検出センサ63からの検出信号が送られてくるのを待つ。そして、かかる検出信号を受けると、CPU74は、メダル投入口13からメダルが所定個数投入された旨又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16が所定回数押下された旨の操作コマンドを演出制御基板80に送信する。次に、CPU74は、スタートレバー押下待ち処理を行う(S2)。すなわち、CPU74は、スタートレバー操作検出センサ64から検出信号が送られてくるのを待つ。CPU74は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号を受けているときに、スタートレバー操作検出センサ64から信号を受けると、ゲームが開始されたことを認識する。
こうしてゲームが開始されると、CPU74は、乱数値に基づく役抽選処理を行う(S3)。すなわち、主制御基板70の乱数発生手段71は、スタートレバー操作検出センサ64からの信号を受けたタイミングで、乱数値を取得して、その取得した乱数値をCPU74に送る。CPU74は、ROM72に格納されている所定の役抽選テーブルに基づいて、当該取得された乱数値がどの役に対応するかを調べることにより、どの役に当選したか、はずれであるかを決定する。その後、CPU74は、その役抽選の結果に基づいて演出コマンドを生成し、その作成した演出コマンドを演出制御基板80に送信する(S4)。尚、ここでは、演出コマンドが、スタートレバー18が押下された旨の操作コマンドとしての役割をも果たすものとする。
次に、CPU74は、前回のスタートレバー操作検出センサ64からの信号を受けてから4.1秒経過するのを待つ(S5)。そして、4.1秒経過すると、CPU74は、回胴リール駆動手段66a,66b,66cを制御して、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cを回転させる(S6)。
次に、CPU74は、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止処理を行う(S7)。すなわち、CPU74は、第一停止ボタン操作検出センサ65aから信号を受けたときに、第一回胴リール駆動手段66aを制御して、第一回胴リール11aを停止させると共に、第一停止ボタン19aが押下された旨の操作コマンドを演出制御基板80に送信する。また、CPU74は、第二停止ボタン操作検出センサ65bから信号を受けたときに、第二回胴リール駆動手段66bを制御して、第二回胴リール11bを停止させると共に、第二停止ボタン19bが押下された旨の操作コマンドを演出制御基板80に送信する。更に、CPU74は、第三停止ボタン操作検出センサ65cから信号を受けたときに、第三回胴リール駆動手段66cを制御して、第三回胴リール11cを停止させると共に、第三停止ボタン19cが押下された旨の操作コマンドを演出制御基板80に送信する。
こうして、三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、所定の図柄の組合せが有効な入賞ライン上に揃い、所定の役が成立すると、当該ゲームが入賞となり、CPU74は、所定数のメダルを払い出す(S8)。以上で、図7に示す処理フローが終了するが、その後、CPU74は、再びステップS1から処理を開始する。
次に、本実施形態の回胴式遊技機において演出制御基板80が行う処理の手順について説明する。図8は演出制御基板80が行う処理の手順を説明するためのフローチャートである。
演出制御基板80のCPU83は、メダル投入口13からメダルが所定個数投入された旨又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16が所定回数押下された旨の操作コマンドが主制御基板70から送られると、RAM82に記憶されている演出組合せデータの中から、メダル投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に対する画像演出の内容を特定する情報、電飾演出用パターンデータの番号及び音声演出用パターンデータの番号を認識する。その後、CPU83は、その認識した画像演出の内容に基づいて通常演出の表示コマンドを作成し、その作成した通常演出の表示コマンドを画像表示部30に送信することにより、画像表示部30を制御すると共に、その認識した各番号の演出用パターンデータにしたがって、電飾表示部40、スピーカ部50を制御する(S11)。
次に、CPU83は、役抽選の結果に基づいて生成された演出コマンドが主制御基板70から送られると、演出内容の抽選処理を行う(S12)。具体的には、CPU83は、所定の演出内容決定用テーブルにおいて当該演出コマンド(役抽選の結果)に対する抽選確率を用いて、演出内容の抽選を行う。CPU83は、その決定した演出内容に対応する演出組合せデータをROM81から取得し、RAM82に一時記憶する。すなわち、RAM82に記憶されていた前回のゲーム時に決定された演出組合せデータは、今回のゲーム時に決定された演出組合せデータによって書き換えられる。
その後、CPU83は、RAM82に記憶されている演出組合せデータの中から、スタートレバー18の押下時に対する画像演出の内容を特定する情報、電飾演出用パターンデータの番号及び音声演出用パターンデータの番号を認識する。その後、CPU83は、その認識した画像演出の内容に基づいて通常演出の表示コマンドを作成し、その作成した通常演出の表示コマンドを画像表示部30に送信することにより、画像表示部30を制御すると共に、その認識した各番号の演出用パターンデータにしたがって、電飾表示部40、スピーカ部50を制御する(S13)。ここでは、演出コマンドが、スタートレバー18が押下された旨の操作コマンドとしての役割をも果たしている。
次に、CPU83は、第一停止ボタン19aが押下された旨の操作コマンドが主制御基板70から送られると、RAM82に記憶されている演出組合せデータの中から、第一停止ボタン19aの押下時に対する画像演出の内容を特定する情報、電飾演出用パターンデータの番号及び音声演出用パターンデータの番号を認識する。その後、CPU83は、その認識した画像演出の内容に基づいて通常演出の表示コマンドを作成し、その作成した通常演出の表示コマンドを画像表示部30に送信することにより、画像表示部30を制御すると共に、その認識した各番号の演出用パターンデータにしたがって、電飾表示部40、スピーカ部50を制御する(S14)。
また、CPU83は、第二停止ボタン19bが押下された旨の操作コマンドが主制御基板70から送られると、RAM82に記憶されている演出組合せデータの中から、第二停止ボタン19bの押下時に対する画像演出の内容を特定する情報、電飾演出用パターンデータの番号及び音声演出用パターンデータの番号を認識する。その後、CPU83は、その認識した画像演出の内容に基づいて通常演出の表示コマンドを作成し、その作成した通常演出の表示コマンドを画像表示部30に送信することにより、画像表示部30を制御すると共に、その認識した各番号の演出用パターンデータにしたがって、電飾表示部40、スピーカ部50を制御する(S15)。
更に、CPU83は、第三停止ボタン19cが押下された旨の操作コマンドが主制御基板70から送られると、RAM82に記憶されている演出組合せデータの中から、第三停止ボタン19cの押下時に対する画像演出の内容を特定する情報、電飾演出用パターンデータの番号及び音声演出用パターンデータの番号を認識する。その後、CPU83は、その認識した画像演出の内容に基づいて通常演出の表示コマンドを作成し、その作成した通常演出の表示コマンドを画像表示部30に送信することにより、画像表示部30を制御すると共に、その認識した各番号の演出用パターンデータにしたがって、電飾表示部40、スピーカ部50を制御する(S16)。
以上で、図8に示す処理フローが終了するが、その後、CPU83は、再びステップS11から処理を開始することになる。尚、ゲームはスタートレバー18の操作により開始するので、ステップS12の処理から次に図8の処理フローを開始したときのステップS11の処理までが、今回のゲーム時に行われる処理である。
次に、本実施形態の回胴式遊技機において画像表示部30の表示制御CPU31が行う処理の手順について説明する。図9は画像表示部30の表示制御CPU31が行う全体的な処理(メインルーチン)の手順を説明するためのフローチャートである。
図9に示す処理は、電源が投入されたときに開始される。まず、表示制御CPU31は、システムタイマーをクリアする(S111)。そして、表示制御CPU31は、演出タイマーをクリアする(S112)。すなわち、表示制御CPU31には、かかる二つのタイマーが設けられている。これらのタイマーはソフトウェアタイマーである。ここで、システムタイマーは、図9に示すメインルーチンを繰り返し実行するタイミングを決定するために用いられるものである。演出タイマーは、シナリオテーブルに含まれるタイマー値を設定するためのものである。
上記のステップS111及びS112の処理は、電源が投入された時にだけ実行される電源投入時の処理である。これに対し、図9におけるステップS113からステップS118までの処理は、表示制御CPU31が行うメインルーチンになっている。すなわち、ステップS113からステップS118までの処理は、まず、電源投入時に実行されるが、その後は、割り込み信号が一定の周期で表示制御CPU31に送られる度に、繰り返し実行される。ここでは、この割り込み信号として、液晶パネル36上に1フレームの画像が表示されたときに液晶パネル36から送られる信号(VSYNC割り込み信号)を用いている。通常、1フレームの画像を表示するのに30msを要するので、VSYNC割り込み信号は30ms経過する度に表示制御CPU31に送られる。したがって、ステップS113からステップS118までの処理は、30ms経過する度に実行されることになる。実際、表示制御CPU31は、VSYNC割り込み信号が送られてきたかどうかを、システムタイマーの値によって判断している。すなわち、表示制御CPU31は、VSYNC割り込み信号が送られてくると、メインルーチンとは別に、割り込み処理として、システムタイマーの値を1だけインクリメントする処理を行う。そして、表示制御CPU31は、システムタイマーの値に基づいてステップS113からステップS118までの処理を実行するタイミングを決定している。
次に、ステップS113では、表示制御CPU31は、演出制御基板80からのコマンドを受信したかどうかを判断する。コマンドを受信したと判断すると、表示制御CPU31は、コマンド実行処理を行う(S114)。ステップS113の処理においてコマンドを受信していないと判断した場合又はステップS114の処理が終了した場合、表示制御CPU31は、シナリオ実行処理を行う(S115)。その後、表示制御CPU31は、レベルメーター表示実行処理を行う(S116)。コマンド実行処理、シナリオ実行処理、及びレベルメーター表示実行処理については、後に詳しく説明する。
次に、表示制御CPU31は、システムタイマーの値が「1」以上であるかどうかを判断する(S117)。システムタイマーの値が「1」以上であると判断すると、表示制御CPU31は、VSYNC割り込み信号が送られてきたことを認識する。そして、システムタイマーの値を「0」にクリアする(S118)。これにより、次回、VSYNC割り込み信号が送られてくると、再びシステムタイマーの値が「1」になるので、表示制御CPU31は、かかるシステムタイマーの値に基づいて今回のVSYNC割り込み信号が送られてから30ms経過したかどうかを判断することができる。その後、ステップS113に移行する。
次に、図9のメインルーチンに含まれるコマンド実行処理、シナリオ実行処理、レベルメーター表示実行処理について説明する。最初に、コマンド実行処理について説明する。図10は画像表示部30の表示制御CPU31が行うコマンド実行処理の手順を説明するためのフローチャートである。
まず、表示制御CPU31は、演出制御基板80から送られたコマンドが通常演出の表示コマンドであるかどうかを判断する(S121)。その送られたコマンドが通常演出の表示コマンドでないと判断すると、表示制御CPU31は、ステップS129に移行する。一方、その送られたコマンドが通常演出の表示コマンドであると判断すると、表示制御CPU31は、その通常演出の表示コマンドがボーナス開始コマンドであるかどうかを判断する(S122)。その通常演出の表示コマンドがボーナス開始コマンドであると判断すると、表示制御CPU31は、RAM31aに記憶されている払出枚数用変数をクリアする(S123)。
ステップS122の処理において演出制御基板80から送られた通常演出の表示コマンドがボーナス開始コマンドでないと判断した場合、又はステップS123の処理が終了した場合、表示制御CPU31は、演出制御基板80から送られた通常演出の表示コマンドがボーナス中コマンドであるかどうかを判断する(S124)。そして、表示制御CPU31は、その通常演出の表示コマンドがボーナス中コマンドであると判断すると、レベルメーター表示フラグをオンにし(S125)、一方、その通常演出の表示コマンドがボーナス中コマンドでないと判断すると、レベルメーター表示フラグをオフにする(S126)。かかるステップS125又はS126の処理の後、表示制御CPU31は、通常演出表示コマンド実行処理を行う(S127)。
ここで、通常演出表示コマンド実行処理について説明する。図11は画像表示部30の表示制御CPU31が行う通常演出表示コマンド実行処理の手順を説明するためのフローチャートである。まず、表示制御CPU31は、演出制御基板80から送られた通常演出の表示コマンドに基づいて通常演出の種類を認識し、その認識した種類に対応する通常演出テーブルを参照する(S141)。次に、表示制御CPU31は、その通常演出テーブルに記述されているシナリオテーブルアドレスを取得する(S142)。この取得したシナリオテーブルアドレスはRAM31aに記憶される。その後、表示制御CPU31は、その通常演出テーブルのテーブル値を更新する(S143)。テーブル値とは、通常演出テーブルにおける各行を指定するアドレスである。テーブル値を更新することにより、更新後のテーブル値は、現在のテーブル値によって指定される行から一つ下の行を指定するテーブル値となる。例えば、図4に示す通常演出テーブルにおいて、現在のテーブル値がシナリオテーブルアドレスの行を指定しているとする。このとき、テーブル値を更新すると、その更新したテーブル値は、画像データアドレス1及びVRAMアドレス1の行を指定することになる。
次に、表示制御CPU31は、その更新したテーブル値が通常演出テーブルにおける最終行、すなわちテーブル終端コードの行を指定しているかどうかを判断する(S144)。その更新したテーブル値が通常演出テーブルの最終行を指定していると判断すると、表示制御CPU31は、図11の通常演出表示コマンド実行処理を終了する。一方、その更新したテーブル値が通常演出テーブルの最終行を指定していないと判断すると、表示制御CPU31は、その更新したテーブル値の指定する行に対応する画像データアドレス及びVRAMアドレスを取得し、その取得した画像データアドレス及びVRAMアドレスを表示制御VDP33に送る。そして、表示制御VDP33は、かかる画像データアドレス及びVRAMアドレスを受け取ると、その画像データアドレスに対応する画像ROM34内の画像データを、そのVRAMアドレスに対応するVRAM35内の位置に転送する(S145)。その後、表示制御CPU31は、テーブル値を更新する(S146)。そして、表示制御CPU31は、ステップS144に移行する。かかるステップS144からステップS146までの処理を繰り返し行うことにより、一つの画面を構成する各画像要素に対する画像データがすべてVRAM35内に展開されることになる。
こうして、通常演出表示コマンド実行処理が終了すると、表示制御CPU31は、演出タイマーの値を「0」にクリアする(S128)。次に、ステップS121の処理において演出制御基板80から送られたコマンドが通常演出の表示コマンドでないと判断した場合、又はステップS128の処理が終了した場合、表示制御CPU31は、演出制御基板80から送られたコマンドが払出枚数コマンドであるかどうかを判断する(S129)。その送られたコマンドが払出枚数コマンドであると判断すると、表示制御CPU31は、その払出枚数コマンドに基づいて今回払い出されるメダルの払出枚数を認識すると共に、RAM31aに記憶されている払出枚数用変数に基づいてこれまでに払い出されたメダルの累積払出枚数を認識する。そして、表示制御CPU31は、前者の払出枚数と後者の累積払出枚数とを加算することにより、当該払出枚数コマンドが送られた時点におけるメダルの累積払出枚数を算出し、その算出されたメダルの累積払出枚数を、払出枚数用変数に設定して、RAM31aに記憶する(S130)。ステップS129の処理においてその送られたコマンドが払出枚数コマンドでないと判断した場合又はステップS130の処理が終了した場合、表示制御CPU31は、図10のコマンド実行処理を終了する。
次に、シナリオ実行処理について説明する。図12は画像表示部30の表示制御CPU31が行うシナリオ実行処理の手順を説明するためのフローチャートである。
まず、表示制御CPU31は、通常演出の表示コマンドがクリア状態にあるかどうかを判断する(S151)。表示制御CPU31が通常演出の表示コマンドを演出制御基板80から受信した直後は、その通常演出の表示コマンドはRAM31aに一時記憶されている。通常演出の表示コマンドがクリア状態にないと判断すると、表示制御CPU31は、ROM31aに記憶されている通常演出の表示コマンドをクリアする(S152)。その後、表示制御CPU31は、演出タイマーの値を「1」に設定する(S153)。このように、ステップS152及びS153の処理は、表示制御CPU31が通常演出の表示コマンドを演出制御基板80から受信した直後にだけ実行される処理である。
ステップS151の処理において通常演出の表示コマンドがクリア状態にあると判断した場合又はステップS153の処理が終了した場合、表示制御CPU31は、演出タイマーの値を1だけデクリメントする(S154)。次に、表示制御CPU31は、演出タイマーの値が「0」であるかどうかを判断する(S155)。演出タイマーの値が「0」でないと判断すると、表示制御CPU31は、図12のシナリオ実行処理を終了する。一方、演出タイマーの値が「0」であると判断すると、表示制御CPU31は、所定のシナリオテーブルにおいて現在のテーブル値に対応するタイマー値を取得し、演出タイマーの値をその取得したタイマー値に設定する(S156)。ここで、所定のシナリオテーブルとは、通常演出表示コマンド実行処理におけるステップS142の処理で取得したシナリオテーブルアドレスに対応するシナリオテーブルのことである。また、テーブル値とは、シナリオテーブルの各行を指定するアドレスのことである。このステップS156の処理において設定された演出タイマーの値(シナリオテーブルに含まれるタイマー値)は、当該タイマー値を含むシナリオデータに基づいて構成される画面を液晶パネル36に表示しておく時間を意味する。すなわち、演出タイマーの設定値により、一つのフレームの画像から次のフレームの画像を液晶パネル36に表示するタイミングが制御されることになる。
次に、表示制御CPU31は、当該シナリオテーブルにおいて、現在のテーブル値に対応する画像要素特定データ、位置データ、効果データを取得し、それら取得したデータを表示制御VDP33に送る。そして、表示制御VDP33は、かかる画像要素特定データ、位置データ、効果データを受け取ると、その画像要素特定データに対応する画像要素についてのVRAM35内の画像データを、位置データに対応するフレームバッファ35a内の位置に、効果データに対応する効果をかけて転送する(S157)。その後、表示制御CPU31は、テーブル値を更新する(S158)。すなわち、現在のテーブル値によって指定される行から一つ下の行を指定するテーブル値を、新たなテーブル値とする。そして、表示制御CPU31は、図12のシナリオ実行処理を終了する。
上述したことから分かるように、ステップS156の処理で設定された演出タイマーの値は、シナリオ実行処理が行われる度にステップS154の処理により1だけデクリメントされる。このため、ステップS155において、以前にステップS156の処理で設定された演出タイマーの値が「0」でないと判断されている限り、すなわち、その設定された演出タイマーの値に対応する時間が経過するまでは、ステップS157の処理が行われず、液晶パネル36に表示されている画面の内容はそのまま変動しない。そして、その設定された演出タイマーの値に対応する時間が経過すると、ステップS157の処理が行われ、液晶パネル36に表示されている画面の内容が変動することになる。このように、かかるシナリオ実行処理が行われることにより、画像のアニメーション表示を実現することができる。
次に、レベルメーター表示実行処理について説明する。図13は画像表示部30の表示制御CPU31が行うレベルメーター表示実行処理の手順を説明するためのフローチャートである。
まず、表示制御CPU31は、レベルメーター表示フラグがオンであるかどうかを判断する(S161)。レベルメーター表示フラグがオフであると判断すると、表示制御CPU31は、図13のレベルメーター表示実行処理を終了する。一方、レベルメーター表示フラグがオンであると判断すると、表示制御CPU31は、RAM31aに記憶されているボーナス種類コマンドに基づいて、大役の種類がBBであるかどうかを判断する(S162)。大役の種類がBBであると判断すると、表示制御CPU31は、RAM31aに記憶されている払出枚数用変数と、ROM32に記憶されているBBゲームに対する所定の総払出枚数(345枚)及びレベルメーターの最大長さとに基づいて、現時点におけるメダルの累積払出枚数に応じたレベルメーターの長さを算出する(S163)。具体的に、表示制御CPU31は、その払出枚数用変数が表すメダルの累積払出枚数をBBゲームに対する所定の総払出枚数で除し、その除して得られた値にレベルメーターの最大長さを乗ずることにより、現時点におけるメダルの累積払出枚数に応じたレベルメーターの横方向長さを算出する。
また、ステップS162の処理において大役の種類がBBでないと判断した場合、表示制御CPU31は、大役の種類がCTBB1であるかどうかを判断する(S164)。大役の種類がCTBB1であると判断すると、表示制御CPU31は、RAM31aに記憶されている払出枚数用変数と、ROM32に記憶されているCTBB1ゲームに対する所定の総払出枚数(253枚)及びレベルメーターの最大長さとに基づいて、現在の時点でのメダルの累積払出枚数に応じたレベルメーターの長さを演算する(S165)。一方、大役の種類がCTBB1でないと判断すると、表示制御CPU31は、大役の種類がCTBB2であることを認識し、RAM31aに記憶されている払出枚数用変数と、ROM32に記憶されているCTBB2ゲームに対する所定の総払出枚数(110枚)及びレベルメーターの最大長さとに基づいて、現在の時点でのメダルの累積払出枚数に応じたレベルメーターの長さを演算する(S166)。
ステップS163、S165又はS166の処理が終了した後、表示制御CPU31は、VRAM35内にあるレベルメーターを表す画像データを、フレームバッファ35aの所定範囲に転送する(S167)。ここで、所定範囲とは、当該レベルメーターの左端が表示される基準位置から、ステップS163、S165又はS166の演算処理で得られたレベルメーターの長さを当該基準位置に加算して得られる位置までの範囲である。こうして、レベルメーターの画像を表す画像データがフレームバッファ35aに転送されると、液晶パネル36には、そのレベルメーターの画像Aと基本画像Bとを合成した大役ゲーム進行状況報知画像が表示されることになる。その後、表示制御CPU31は、図13のレベルメーター表示実行処理を終了する。
本実施形態の回胴式遊技機では、画像表示部の表示制御CPUは、大役ゲームが実行されている間、払出枚数コマンドを受ける度に、その払出枚数コマンドに基づいて当該大役ゲームにおけるメダルの累積払出枚数を算出すると共に、その算出した累積払出枚数に基づいて当該累積払出枚数に対応するレベルメーターの横方向長さを決定し、その決定した横方向長さを有するレベルメーターが含まれる大役ゲーム進行状況報知画像を液晶パネルに表示させる。このように、レベルメーターの形状によって大役ゲームの進行状況を報知することにより、遊技者は大役ゲームの進行状況を容易に認識することができる。また、表示制御CPUが払出枚数コマンドを受ける度にレベルメーターの横方向長さをメダルの累積払出枚数に応じて変化させることにより、大役ゲームの進行状況を細かく表現することができると共に、レベルメーターが最終的な形状になる時期と当該大役ゲームが終了する時期とを略同じにすることができる。このため、遊技者はレベルメーターの形状を見るだけで大役ゲームの進行状況を詳細且つ正確に把握することができる。更に、大役が複数種類設けられている場合に、いずれの種類の大役についての大役ゲームが実行されても、大役ゲームの進行状況を報知するレベルメーターとして、その最終的な形状が同じ図形を用いたことにより、少ない画像データで複数種類の大役についての大役ゲームの進行状況を報知することが可能である。
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、大役ゲーム進行状況報知画像に含まれる長方形の図形(レベルメーター)として、大役ゲームにおけるメダルの累積払出枚数に応じて横方向の長さが変化するものを用いた場合について説明したが、その長方形の図形としては、大役ゲームにおけるメダルの累積払出枚数に応じて縦方向の長さが変化するものを用いてもよい。一般に、大役ゲーム進行状況報知画像は、大役ゲームが実行されている間、当該大役ゲームにおけるメダルの累積払出枚数に応じて形状が変化する図形を用いて当該大役ゲームの進行状況を示すものであればよい。但し、上記の実施形態のように、大役ゲームの進行状況を示すための図形として長方形の図形を用いることにより、大役ゲームの進行状況を簡単な図形で表示することができるので、遊技者は大役ゲームの進行状況をより容易に認識することができるという利点がある。
また、上記の実施形態では、大役ゲームの進行状況を報知する図形(レベルメーター)が長方形の図形である場合について説明したが、例えば、大役ゲームの進行状況を報知する図形は、長方形以外の多角形や円等であってもよい。ここで、大役ゲームの進行状況を報知する図形として円を用いる場合には、その半径を当該図形についての変化する長さとすることができる。これにより、大役ゲームが進行するにしたがって、円の形状が徐々に大きくなる。或いは、所定方向に沿っての直径を当該図形についての変化する長さとすることができる。これにより、大役ゲームが進行するにしたがって、円の形状が徐々に完成することになる。