以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態である遊技機の概略正面図、図2はその遊技機の概略ブロック図である。ここでは、遊技機が、いわゆるパチスロ機といわれる回胴式遊技機である場合について説明する。
本実施形態の回胴式遊技機は、図1及び図2に示すように、第一回胴リール11a,第二回胴リール11b,第三回胴リール11cと、表示窓12と、メダル投入口13と、クレジット数表示部14と、MAXベットボタン15と、一枚投入ボタン16と、ベット枚数表示部17と、スタートレバー18と、第一停止ボタン19a,第二停止ボタン19b,第三停止ボタン19cと、清算ボタン21と、払出数表示部22と、メダル放出口23と、メダル受皿24と、画像表示部30と、電飾表示部40と、スピーカ部50と、投入メダル検出センサ61と、MAXベットボタン操作検出センサ62と、一枚投入ボタン操作検出センサ63と、スタートレバー操作検出センサ64と、第一停止ボタン操作検出センサ65a,第二停止ボタン操作検出センサ65b,第三停止ボタン操作検出センサ65cと、第一回胴リール駆動手段66a,第二回胴リール駆動手段66b,第三回胴リール駆動手段66cと、主制御装置70と、副制御装置80とを備える。ここで、画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50が本発明の演出手段に該当する。
図1に示すように、回胴式遊技機の中央部のやや上側には、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cが配設されている。各回胴リール11a,11b,11cは、複数の図柄を一列に配した図柄列を有しており、回転可能に構成されている。これら各回胴リール11a,11b,11cは、複数の図柄を可変表示することができる可変表示手段である。第一回胴リール11aは第一回胴リール駆動手段66aにより駆動され、第二回胴リール11bは第二回胴リール駆動手段66bにより駆動され、そして、第三回胴リール11cは第三回胴リール駆動手段66cにより駆動される。ここで、各リール駆動手段66a,66b,66cとしては、例えばステッピングモータが用いられる。これらのリール駆動手段66a,66b,66cの制御は、主制御装置70により行われる。
各回胴リール11a,11b,11cに配される図柄には、例えば、赤色の数字「7」図柄、青色の数字「7」図柄、バー図柄、リプレイ図柄、スイカ図柄、ベル図柄、チェリー図柄等がある。各回胴リール11a,11b,11cの外周には、これらの図柄が合計21個配されている。また、回胴リール11a,11b,11c毎に各図柄の数及び図柄の配置順序は異なっている。
表示窓12は回胴リール11a,11b,11cに対応する位置に設けられた透明な窓部である。遊技者は、第一回胴リール11a,第二回胴リール11b,第三回胴リール11cの停止時において表示窓12からそれぞれの回胴リール11a,11b,11cに付された三つの図柄を目視することができる。
メダル投入口13は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入するための投入口である。投入メダル検出センサ61はメダル投入口13の内部に設けられており、メダルがメダル投入口13に投入されたことを検出するものである。投入メダル検出センサ61からの検出信号は主制御装置70に送られる。
表示窓12のすぐ下側には、クレジット数表示部14が設けられている。クレジット数表示部14は、メダルのクレジット数(貯留数)を所定の範囲内(例えば50枚以内)で表示するものである。メダル投入口13からメダルを投入すると、主制御装置70は、投入メダル検出センサ61からの信号に基づいて、現在のクレジット数からその投入したメダルの数だけ増加させた数を計数して貯留し、クレジット数表示部14に表示させる。また、主制御装置70は、ゲームにおいて所定の役が成立すると、その役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を現在のクレジット数に加算し、その加算した数をクレジット数表示部14に表示させる。
MAXベットボタン15及び一枚投入ボタン16は、メダルを賭けてゲーム(遊技)を行う旨を指示するための遊技指示手段であり、表示窓12の左下側に設けられている。MAXベットボタン15は、メダルを三枚賭けてゲームを行うことを選択するボタンであり、また、一枚投入ボタン16は、メダルを一枚、二枚又は三枚賭けてゲームを行うことを選択するボタンである。具体的には、一枚投入ボタン16を一回押すことにより、メダルを一枚賭けてゲームを行うことが選択され、一枚投入ボタン16を二回押すことにより、メダルを二枚賭けてゲームを行うことが選択され、そして、一枚投入ボタン16を三回押すことにより、メダルを三枚賭けてゲームを行うことが選択される。すなわち、一枚投入ボタン16を三回押すことは、MAXベットボタン15を一回押すことと同じである。MAXベットボタン操作検出センサ62はMAXベットボタン15が押されたことを検出するものであり、一枚投入ボタン操作検出センサ63は一枚投入ボタン16が押されたことを検出するものである。各センサ62,63からの検出信号は、主制御装置70に送られる。これにより、主制御装置70は、メダルを何枚賭けてゲームを行うのかを認識することができる。
表示窓12の左下側には、ベット枚数表示部17が設けられている。かかるベット枚数表示部17は、当該ゲームにおいて賭けられたメダルの枚数を表示するものである。具体的には、一枚投入ボタン16が一回押されると、主制御装置70は、ベット枚数表示部17の「壱」の部分に対応するランプを点灯させる。一枚投入ボタン16が二回押されると、主制御装置70は、ベット枚数表示部17の「弐」の部分に対応するランプを点灯させる。そして、一枚投入ボタン16が三回押され、又はMAXベットボタン15が押されると、主制御装置70は、ベット枚数表示部17の「参」の部分に対応するランプを点灯させる。
本実施形態では、三つの回胴リール11a,11b,11cを停止させて所定の図柄を揃えるための入賞ラインが六つ設定されている。すなわち、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つのラインと、表示窓12の左上から右下に向かって延びるラインと、表示窓12の左下から右上に向かって延びるラインと、表示窓12の左部の真ん中から中央部の真ん中に向かって延び、その中央部の真ん中から右下に向かって延びるラインとである。メダルを何枚賭けるかに応じて、有効な入賞ラインが異なる。メダルを一枚賭けてゲームを行う場合には、表示窓12の中央部を通り水平方向に延びる一つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。メダルを二枚賭けてゲームを行う場合には、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。そして、メダルを三枚賭けてゲームを行う場合には、六つの入賞ラインすべてが有効な入賞ラインとなる。三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、六つの入賞ラインのうち有効な入賞ライン上に所定の図柄が揃い、所定の役が成立すると、当該ゲームが入賞となり、所定数のメダルが払い出される。
スタートレバー(開始手段)18は、ゲームを開始する旨を指示するために遊技者が操作するものである。メダル投入口13から一回のゲーム(遊技)に必要な数のメダルが投入されるか、又は、既に一回のゲームに必要な数のメダルがクレジットされている状態でMAXベットボタン15の操作、若しくは一枚投入ボタン16の必要回数の操作のうちいずれかの操作が行われることにより、スタートレバー18の操作が可能となる。ここで、一回のゲームは、スタートレバー18が操作されることにより開始し、三つの停止ボタン19a,19b,19cがすべて押されることにより終了する。スタートレバー操作検出センサ64は、スタートレバー18が操作されたことを検出するものである。スタートレバー操作検出センサ64は、スタートレバー18が操作されたことを検出すると、ゲーム開始信号を主制御装置70に送る。主制御装置70は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号を受けているときに、スタートレバー操作検出センサ64からゲーム開始信号を受けると、前回のゲーム開始信号の受信時から所定時間(4.1秒)経過した後、ゲーム開始の処理を行う。具体的には、乱数値を取得し、その乱数値に基づいて内部抽選処理を行うと共に、三つの回胴リール11a,11b,11cの回転動作を開始する。
第一停止ボタン19aは第一回胴リール11aの回転動作の停止を指示するためのものであり、第二停止ボタン19bは第二回胴リール11bの回転動作の停止を指示するためのものであり、第三停止ボタン19cは第三回胴リール11cの回転動作の停止を指示するためのものである。これらの停止ボタン19a,19b,19cは本発明の停止手段に該当する。第一停止ボタン操作検出センサ65aは第一停止ボタン19aが押されたことを検出するものであり、第二停止ボタン操作検出センサ65bは第二停止ボタン19bが押されたことを検出するものであり、第三停止ボタン操作検出センサ65cは第三停止ボタン19cが押されたことを検出するものである。各停止ボタン操作検出センサ65a,65b,65cからの検出信号は、主制御装置70に送られる。主制御装置70は、停止ボタン操作検出センサ65a,65b,65cからの検出信号を受けると、当該停止ボタン操作検出センサに対応する回胴リールの回転動作を所定の制御方法により停止する。こうして、三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、それらの回胴リール11a,11b,11cに付されている図柄が有効な入賞ライン上において特定の組合せとなると、役が成立することになる。
役の種類には、大きく分けて、大役(ボーナス)と、小役とがある。大役には、例えば、赤色及び青色の数字「7」の図柄(BB図柄)が有効な入賞ライン上に揃った場合の役であるビッグボーナス(BB)と、バー図柄(RB図柄)が有効な入賞ライン上に揃った場合の役であるレギュラーボーナス(RB)とがある。大役になると、回胴式遊技機は、遊技者に有利な遊技状態に移行する。例えば、BBが成立した場合には、メダルが15枚払い出されるとともに、遊技者が最も多量のメダルを獲得可能なBBゲームに突入する。また、RBが成立した場合には、メダルが15枚払い出されるとともに、BBゲームに次いで遊技者が多量のメダルを獲得可能なRBゲームに突入する。
一方、小役には、例えば、スイカ図柄が有効な入賞ライン上に揃った場合の役(スイカ小役)と、ベル図柄が有効な入賞ライン上に揃った場合の役(ベル小役)と、チェリー図柄が有効な入賞ライン上の左側の位置に停止した場合の役(チェリー小役)とがある。かかる小役が成立したときには、それぞれ所定枚数のメダルが払い出される。その他に、リプレイ図柄が有効な入賞ライン上に揃った場合の小役(リプレイ小役)がある。この小役が成立した場合には、再遊技、すなわち、今回のゲームで賭けたメダルと同量の遊技価値を用いて次回のゲームを行うことができる。尚、大役又は小役を構成する図柄が有効な入賞ライン上に揃わなかった場合には、外れとなる。
払出数表示部22は、成立した役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を表示するものである。払出数表示部22の制御は主制御装置70により行われる。メダル放出口23からは、例えば、遊技者が清算ボタン21を押した場合にそのときのクレジット数に対応する数のメダルが放出される。メダル受皿24は、メダル放出口23から放出されるメダルを蓄積するための皿である。
画像表示部30は、表示窓12の上側に設けられている。本実施形態では、画像表示部30として液晶表示装置を用いている。かかる画像表示部30は、図1及び図2に示すように、液晶パネル31と、液晶パネル31を制御する液晶制御基板32とを有する。画像表示部30は、複数の文字、数字、図形やキャラクター等の画像を変動表示することにより、役の成立の予告、所定の情報の告知、その他の遊技の演出を行う。例えば、大当り確定を予告するプレミアム演出を行ったり、有効な入賞ライン上に揃えるべき図柄の種類を告知したりする。この画像表示部30の制御は、主制御装置70からのコマンドに基づいて副制御装置80により行われる。
電飾表示部40は、図1及び図2に示すように、三つのトップLEDユニット41a,41b,41cと、二つのパネルLEDユニット42a,42bと、三つのバックライト(不図示)と、三つのトップLED基板44a,44b,44cと、二つのパネルLED基板45a,45bと、三つのバックライト基板46a,46b,46cとを有する。三つのトップLEDユニット41a,41b,41cはそれぞれ、回胴式遊技機の上部の左側、中央、右側に設けられている。二つのパネルLEDユニット42a,42bはそれぞれ、表示窓12の左側、右側に設けられている。そして、三つのバックライトはそれぞれ、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cの内部に設けられている。また、三つのトップLED基板44a,44b,44cはそれぞれ、トップLEDユニット41a,41b,41cを制御するものであり、二つのパネルLED基板45a,45bはそれぞれ、パネルLEDユニット42a,42bを制御するものである。そして、三つのバックライト基板46a,46b,46cはそれぞれ、各バックライトを制御するものである。かかる電飾表示部40は、各種の遊技状態を報知したり、遊技の演出を行ったりする。この電飾表示部40の制御は、主制御装置70からのコマンドに基づいて副制御装置80により行われる。
スピーカ部50は、図1及び図2に示すように、第一ドアスピーカ51と、第二ドアスピーカ52と、背面スピーカ53とを有する。第一ドアスピーカ51及び第二ドアスピーカ52は回胴式遊技機の正面側に設けられており、背面スピーカ53は回胴式遊技機の背面側に設けられている。かかるスピーカ部50は、音により遊技の演出を行うものである。スピーカ部50の制御は、主制御装置70からのコマンドに基づいて副制御装置80により行われる。
主制御装置70及び副制御装置80は、回胴式遊技機の内部に取り付けられている。ここで、主制御装置70と副制御装置80とは別の基板上に形成されている。そして、副制御装置80は、主制御装置70と通信ケーブル線を介して接続されている。
主制御装置70は、主に遊技内容やメダルの払出しの制御及び管理を行う。かかる主制御装置70は、図2に示すように、乱数発生手段71と、ROM72と、RAM73と、CPU(遊技制御手段)74とを備えている。ROM72には、遊技内容の制御等に関する各種のプログラムが格納されている。また、RAM73は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。CPU74は、ROM72に格納されたプログラムを実行することにより、遊技状態の管理、スタートレバー18が操作されたときに行う抽選、回胴リール11a,11b,11cの駆動・停止処理、副制御装置80へのコマンドの送信処理等を行う。ここで、スタートレバー18が操作されたときに行う抽選には、遊技の当り/外れ(役の当選/不当選)に関する抽選である乱数値に基づく内部抽選が含まれる。
まず、遊技状態の管理について詳しく説明する。図3は各遊技状態の遷移を説明するための図である。本実施形態の回胴式遊技機では、八つの遊技状態が設定されている。すなわち、「BB未作動時の一般遊技状態」と、「RTA遊技状態」と、「RTB遊技状態」と、「BB内部中状態」と、「RB内部中状態」と、「BB作動時の一般遊技状態」と、「BB作動時のRB内部中状態」と、「RB作動中状態」とである。ここで、図3では、「BB作動時の一般遊技状態」、「BB作動時のRB内部中状態」及び「RB作動中状態」をまとめて「ボーナス遊技状態」として示している。また、以下では、「RTA遊技状態」及び「RTB遊技状態」をまとめて「RT遊技状態」とも称することにする。
BB未作動時の一般遊技状態とは、通常の遊技状態のことである。回胴式遊技機がBB未作動時の一般遊技状態にある場合に、乱数値に基づく内部抽選によりBB又はRBに当選すると、図3に示すように、遊技状態がBB未作動時の一般遊技状態からRTA遊技状態に移行する。但し、後述するCPU74のリール制御により、BB未作動時の一般遊技状態のときに、BB図柄又はRB図柄が有効な入賞ライン上に揃うことはない。
RT遊技状態は、乱数値に基づく内部抽選処理においてリプレイ小役に当選する確率が高く設定された遊技状態である。このRT遊技状態中に行われる遊技をRT遊技と称し、かかるRT遊技状態は、RT遊技を所定回数消化するまで、又は、抽選等でRT遊技状態を解除する等、所定の条件が成立するまで継続する。RTA遊技状態ではRT遊技の回数が多く設定され、RTB遊技状態ではRT遊技の回数が少なく設定されている。その他の点については、RTA遊技状態とRTB遊技状態とは全く同じである。RT遊技状態のときも、BB未作動時の一般遊技状態と同様に、内部抽選によりBB又はRBに当選しても、BB図柄又はRB図柄が有効な入賞ライン上に揃うことはない。但し、回胴式遊技機がRT遊技状態にあるときに、内部抽選によりBB又はRBに当選した回数はそれぞれ、BBストック数、RBストック数としてカウントされ、RAM73に記憶されている。後に、RT遊技状態が解除され、遊技状態がBB作動時の一般遊技状態又はRB作動中状態に移行したときに、ある時点で、当該ストック数に対応するメダルが放出される。このように、RT遊技状態を設けたことにより、遊技者はメダルを大量に獲得することが可能である。
また、回胴式遊技機がRTA遊技状態にある場合、内部抽選によりスイカ小役又はチェリー小役に当選し、所定の条件を満たすと、図3に示すように、遊技状態がRTA遊技状態からRTB遊技状態に移行する。そして、回胴式遊技機がRTA遊技状態又はRTB遊技状態にある場合に、予め設定されたRT遊技の回数が消化されると、図3に示すように、遊技状態が、RTA遊技状態又はRTB遊技状態からBB内部中状態又はRB内部中状態に移行する。具体的には、BB未作動時の一般遊技状態において内部抽選によりBBに当選して当該RTA遊技状態に移行したのであれば、遊技状態がBB内部中状態に移行し、BB未作動時の一般遊技状態において内部抽選によりRBに当選して当該RTA遊技状態に移行したのであれば、遊技状態がRB内部中状態に移行する。
BB内部中状態は、BB未作動時の一般遊技状態での内部抽選によるBBの当選状態が維持され、遊技者自身の停止ボタン19a,19b,19cの操作によりBB図柄を有効な入賞ライン上に揃える機会が与えられた遊技状態である。回胴式遊技機がBB内部中状態にある場合、BB図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、図3に示すように、遊技状態はBB内部中状態からBB作動時の一般遊技状態に移行する。また、RB内部中状態は、BB未作動時の一般遊技状態での内部抽選によるRBの当選状態が維持され、遊技者自身の停止ボタン19a,19b,19cの操作によりRB図柄を有効な入賞ライン上に揃える機会が与えられた遊技状態である。回胴式遊技機がRB内部中状態にある場合、RB図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、図3に示すように、遊技状態はRB内部中状態からRB作動中状態に移行する。
BB作動時の一般遊技状態は、遊技者が最も多量のメダルを獲得可能なBBゲームを実行する遊技状態である。回胴式遊技機がBB作動時の一般遊技状態にある場合、内部抽選によりRBに当選し、遊技者がRB図柄を有効な入賞ライン上に揃えられないと、遊技状態はBB作動時の一般遊技状態からBB作動時のRB内部中状態に移行する。BB作動時のRB内部中状態は、BB作動時の一般遊技状態での内部抽選によるRBの当選状態が維持され、遊技者自身の停止ボタン19a,19b,19cの操作によりRB図柄を有効な入賞ライン上に揃える機会が与えられた遊技状態である。そして、回胴式遊技機がBB作動時のRB内部中状態にある場合、RB図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、遊技状態はBB作動時のRB内部中状態からRB作動中状態に移行する。また、RB作動中状態は、BBゲームに次いで遊技者が多量のメダルを獲得可能なRBゲームを実行する遊技状態である。
回胴式遊技機がBB作動時の一般遊技状態にある場合、予め定められたBBゲームの遊技数が消化された時点において、BBストック数又はRBストック数が「1」以上であれば、遊技状態はBB作動時の一般遊技状態からRTA遊技状態に移行し、一方、BBストック数及びRBストック数がともに「0」であれば、BB未作動時の一般遊技状態に移行する。同様に、回胴式遊技機がRB作動中状態にある場合、予め定められたRBゲームの遊技数が消化された時点において、BBストック数又はRBストック数が「1」以上であれば、遊技状態はBB作動中状態からRTA遊技状態に移行し、一方、BBストック数及びRBストック数がともに「0」であれば、BB未作動時の一般遊技状態に移行する。
次に、乱数値に基づく内部抽選処理について詳しく説明する。乱数発生手段71は、所定範囲の数値を順次発生すると共に、所定のタイミングで当該数値を乱数値として取得し、その取得した乱数値をCPU74に送出するものである。本実施形態では、乱数発生手段71として、2バイトのハードウェア乱数カウンタを用いることにしている。このため、乱数発生手段71の発生する数値の範囲は、0から65535までの範囲である。したがって、取得される乱数値もこの範囲内の数である。また、乱数発生手段71は、スタートレバー操作検出センサ64からのゲーム開始信号を受けたときに、乱数値を取得する。CPU74は、その乱数値に基づいて内部抽選処理を行う。
ROM72には、各種のプログラムの他に、取得された乱数値と当選内容(BB、RB、各種小役、不当選)との対応関係を示すデータが、後に詳述する図4に示すように遊技状態毎に格納されている。すなわち、本実施形態では、0から65535までの合計65536個の全数値データを、所定数の当選エリアに振り分けている。ここで、当選エリアの最大数は、当選内容の種類に対応して、図4に示すように「0」から「6」までの7個である。そして、遊技状態毎に、各当選エリアに所定の当選内容を対応させている。このような、65536個の全数値データを所定数の当選エリアに振り分け、各当選エリアに当選内容を対応させたデータは、内部抽選処理の際に用いられる抽選データを構成し、かかる抽選データがROM72に記憶されているのである。CPU74は、乱数発生手段71によって取得された乱数値を、ROM72に記憶されている抽選データと照合することにより、内部抽選を行う。例えば、回胴式遊技機がBB未作動時の一般遊技状態にあり、乱数発生手段71によって乱数値Aが取得された場合、CPU74は、図4に示すような抽選データを用いて、その乱数値Aが当選エリア「0」,「1」,・・・,「6」のいずれに振り分けられているのかを照合する。そして、乱数値Aが当選エリア「2」に振り分けられていれば、内部抽選の結果はベル小役の当選ということになる。尚、当選エリアの個数、各当選エリアに振り分けられる数値データの個数は、一般には、遊技状態毎に異なる。
図4は各遊技状態について当選エリアと当選内容との対応関係を示すデータの一例を示す図である。このデータは、ROM72に記憶された抽選データの一部を構成する。この例では、遊技状態がBB未作動時の一般遊技状態、RTA遊技状態、RTB遊技状態、RB内部中状態、BB内部中状態である場合には、65536個の全数値データの範囲を「0」から「6」までの7つの当選エリアに区分している。遊技状態がBB作動時の一般遊技状態である場合には、全数値データの範囲を「0」から「3」までの4つの当選エリアに区分し、遊技状態がBB作動時のRB内部中状態である場合には、全数値データの範囲を「0」から「2」までの3つの当選エリアに区分している。そして、遊技状態がRB作動中状態である場合には、全数値データの範囲を「0」及び「1」の2つの当選エリアに区分している。
また、各遊技状態について、それぞれの当選エリアには次のような当選内容を割り当てている。すなわち、遊技状態がBB未作動時の一般遊技状態である場合には、当選エリア「0」に対しては「不当選」を、当選エリア「1」に対しては「チェリー小役」を、当選エリア「2」に対しては「ベル小役」を、当選エリア「3」に対しては「スイカ小役」を、当選エリア「4」に対しては「リプレイ小役」を、当選エリア「5」に対しては「RB」を、当選エリア「6」に対しては「BB」をそれぞれ、割り当てている。遊技状態がRTA遊技状態又はRTB遊技状態である場合には、当選エリア「0」に対しては「BB」又は「RB」を、当選エリア「1」に対しては「チェリー小役」を、当選エリア「2」に対しては「ベル小役」を、当選エリア「3」に対しては「スイカ小役」を、当選エリア「4」に対しては「リプレイ小役」を、当選エリア「5」に対しては「RB」を、当選エリア「6」に対しては「BB」をそれぞれ、割り当てている。
遊技状態がRB内部中状態である場合には、当選エリア「0」に対しては「RB」を、当選エリア「1」に対しては「チェリー小役」及び「RB」を、当選エリア「2」に対しては「ベル小役」及び「RB」を、当選エリア「3」に対しては「スイカ小役」及び「RB」を、当選エリア「4」に対しては「リプレイ小役」及び「RB」を、当選エリア「5」に対しては「RB」を、当選エリア「6」に対しては「BB」及び「RB」をそれぞれ、割り当てている。遊技状態がBB内部中状態である場合には、当選エリア「0」に対しては「BB」を、当選エリア「1」に対しては「チェリー小役」及び「BB」を、当選エリア「2」に対しては「ベル小役」及び「BB」を、当選エリア「3」に対しては「スイカ小役」及び「BB」を、当選エリア「4」に対しては「リプレイ小役」及び「BB」を、当選エリア「5」に対しては「RB」及び「BB」を、当選エリア「6」に対しては「BB」をそれぞれ、割り当てている。
遊技状態がBB作動時の一般遊技状態である場合には、当選エリア「0」に対しては「不当選」を、当選エリア「1」に対しては「小役グループ」を、当選エリア「2」に対しては「スイカ小役」を、当選エリア「3」に対しては「RBシフト」をそれぞれ、割り当てている。遊技状態がBB作動時のRB内部中状態である場合には、当選エリア「0」に対しては「RBシフト」を、当選エリア「1」に対しては「小役グループ」及び「RBシフト」を、当選エリア「2」に対しては「スイカ小役」及び「RBシフト」をそれぞれ、割り当てている。ここで、「小役グループ」当選とは、小役を構成する図柄のうち所定の図柄の組合せが有効な入賞ライン上に揃うと、所定枚数のメダルが払い出されるというものである。また、「RBシフト」当選とは、RB図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、遊技状態が当該BB作動時の一般遊技状態又はBB作動時のRB内部中状態からRB作動中状態に移行するというものである。この「RBシフト」当選は、「BB」当選又は「RB」当選と同様に、遊技者自身の停止ボタン19a,19b,19cの押下操作により、RB図柄が有効な入賞ライン上に揃えられるまで、「RBシフト」当選という内部状態が次のゲームに持ち越される。したがって、遊技者がRB図柄を有効な入賞ライン上に揃えることができないと、遊技状態がBB作動時の一般遊技状態にあったときには、BB作動時のRB内部中状態に移行し、遊技状態がBB作動時のRB内部中状態にあったときには、そのままBB作動時のRB内部中状態が維持される。また、遊技状態がRB作動中状態である場合には、当選エリア「0」に対しては「不当選」を、当選エリア「1」に対しては「役物」をそれぞれ、割り当てている。ここで、「役物」当選とは、所定の図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、所定枚数のメダルが払い出されるというものである。
また、各遊技状態について当選エリアと65536個の数値データの範囲との対応関係を示すデータが設定されている。このデータも、ROM72に記憶された抽選データの一部を構成する。例えば、BB未作動時の一般遊技状態についての当選エリアと数値データの範囲との対応関係を示すデータでは、当選エリア「0」に対応する数値データの範囲は、65536分の47699の確率で「不当選」に当選するような範囲に設定されている。当選エリア「1」に対応する数値データの範囲は、65536分の837の確率で「チェリー小役」に当選するような範囲に設定され、当選エリア「2」に対応する数値データの範囲は、65536分の6810の確率で「ベル小役」に当選するような範囲に設定され、当選エリア「3」に対応する数値データの範囲は、65536分の660の確率で「スイカ小役」に当選するような範囲に設定されている。そして、当選エリア「4」に対応する数値データの範囲は、65536分の8980の確率で「リプレイ小役」に当選するような範囲に設定され、当選エリア「5」に対応する数値データの範囲は、65536分の220の確率で「RB」に当選するような範囲に設定され、当選エリア「6」に対応する数値データの範囲は、65536分の330の確率で「BB」に当選するような範囲に設定されている。
このように、BB未作動時の一般遊技状態についての当選エリアと数値データの範囲との対応関係を示すデータにおいては、当選エリア「4」に対応する数値データの範囲は、約7.3回に1回だけリプレイ小役に当選するような確率に設定されている。これに対し、RT遊技状態についての当選エリアと数値データの範囲との対応関係を示すデータにおいては、当選エリア「4」に対応する数値データの範囲は、約1.2回に1回、リプレイ小役に当選するような確率に設定されている。このように、RT遊技状態では、リプレイ小役に当選する確率はとても高くなっている。また、RT遊技状態において、リプレイ小役以外の他の役に当選する確率は、BB未作動時の一般遊技状態において当該役に当選する確率とほぼ同じに設定されている。尚、他の遊技状態についての当選エリアと数値データの範囲との対応関係を示すデータでも、同様に、各当選エリアに対応する数値データの範囲が所定の範囲に設定されている。ここでは、これらのデータの内容についての詳しい説明を省略する。
CPU74は、乱数発生手段71から送られた乱数値に基づいて内部抽選処理を行う。すなわち、CPU74は、乱数発生手段71から送られた乱数値を抽選データと照合することにより、内部抽選を行う。具体的には、CPU74は、まず、当該遊技状態についての当選エリアと数値データの範囲との対応関係を示すデータに基づいて、今回の乱数値が振り分けられる当選エリアを認識する。次に、CPU74は、当該遊技状態についての当選エリアと当選内容との対応関係を示すデータに基づいて、その認識した当選エリアに対応する当選内容を認識する。そして、CPU74は、その当選内容から、今回の内部抽選の結果がいずれの役の当選であるか、役の不当選であるかを決定する。
次に、回胴リール11a,11b,11cの駆動・停止処理について詳しく説明する。CPU74は、回胴リール11a,11b,11cを駆動及び停止させるリール制御を行う。このCPU74のリール制御には、リールの駆動開始制御、リールの駆動停止制御の他、例えば、役に当選した場合に行われるリール引込み制御、役に当選しなかった場合に行われる外れ制御等がある。
リール引込み制御とは、停止ボタンが押されたときに、その押されたタイミングで有効な入賞ライン上にある図柄を含めて当該図柄から所定のコマ数(例えば、5コマ)の範囲内に当該役を構成する図柄が存在するときに、その図柄を当該有効な入賞ライン上に引き込むように回胴リールの停止位置を制御することをいう。但し、遊技者が停止ボタンを押したタイミングにおいて上記の所定のコマ数の範囲内に当該役を構成する図柄が存在しないときには、リールの引込み制御が働かず、押したなりの図柄が有効な入賞ライン上に停止する。したがって、このときには、当該役を構成する図柄は有効な入賞ライン上に揃わず、当該役は成立しないことになる。
外れ制御とは、有効な入賞ラインにはいずれの役も成立しないように、リールの停止位置を制御することをいう。したがって、この場合には、遊技者が特定の役を狙って停止ボタンを押したとしても、どのような役も成立せず、ゲームの結果は外れとなる。また、遊技機がBB未作動時の一般遊技状態、RT遊技状態のいずれかにあり、内部抽選の結果がBB又はRBの当選である場合にも、CPU74は外れ制御を行う。したがって、この場合に、BB図柄又はRB図柄が有効な入賞ライン上に揃うことはない。
尚、回胴式遊技機に関しては、さまざまな規格が定められている。その一つに、スタートレバー18を操作してから4.1秒を経過しないと、次にスタートレバー18を操作しても、回胴リール11a,11b,11cが回転しないという規格がある。このため、CPU74は、かかる規格に合致するように、回胴リール11a,11b,11cの駆動開始制御を行う。但し、スタートレバー18を操作してから4.1秒以内に、次にスタートレバー18を操作した場合であっても、CPU74が、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号をすでに受けていれば、乱数値に基づく内部抽選処理は行われる。
次に、副制御装置80へのコマンドの送信処理について詳しく説明する。主制御装置70から副制御装置80に送信するコマンドには多くの種類がある。例えば、内部抽選の結果に基づいて作成される遊技の演出に関する演出コマンド(演出指令信号)や、遊技者によって所定の操作が行われたときに作成される操作コマンド(操作指令信号)等がある。
CPU74は、遊技者によって所定の操作が行われたときに、当該操作が行われた旨の操作コマンドを作成し、その作成した操作コマンドを副制御装置80に出力する。具体的には、スタートレバー18の押下時、第一停止ボタン19aの押下時、第二停止ボタン19bの押下時、第三停止ボタン19cの押下時、そして、メダルの投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に、操作コマンドが作成される。すなわち、スタートレバー18の押下時には、スタートレバー18が押下された旨の操作コマンドが作成される。第一停止ボタン19aの押下時には、第一停止ボタン19aが押下された旨の操作コマンドが作成され、第二停止ボタン19bの押下時には、第二停止ボタン19bが押下された旨の操作コマンドが作成され、そして、第三停止ボタン19cの押下時には、第三停止ボタン19cが押下された旨の操作コマンドが作成される。また、メダルの投入時には、メダル投入口13からメダルが所定個数投入された旨の操作コマンドが作成され、MAXベットボタン15の押下時には、MAXベットボタン15が一回押下された旨の操作コマンドが作成され、そして、一枚投入ボタン16の押下時には、一枚投入ボタン16が所定回数押下された旨の操作コマンドが作成される。しかし、実際に、CPU74は、メダルの投入時、MAXベットボタン15の押下時、一枚投入ボタン16の押下時にあっては、いずれも全く同じ内容の操作コマンドを作成することにしている。
また、CPU74は、スタートレバー18が押下されたときに、上述の内部抽選を行うと共に、その内部抽選の結果に基づいて演出コマンドを生成し、その生成した演出コマンドを副制御装置80に出力する。すなわち、CPU74から副制御装置80に送られる演出コマンドには、内部抽選結果の情報が含まれている。そして、副制御装置80はかかる演出コマンドに基づいて遊技の演出内容を決定することになる。
図5はCPU74が生成する演出コマンドを説明するための図である。ここで、図5には、回胴式遊技機がBB未作動時の一般遊技状態、RT遊技状態、RB内部中状態、BB内部中状態にある場合に生成される演出コマンドのみを示しており、その他の遊技状態にある場合に生成される演出コマンドについては省略している。
図5の例に示すように、遊技状態の如何にかかわらず、乱数値に基づく内部抽選の結果が当選エリア「1」〜「4」の当選、すなわち小役の当選である場合には、当該小役の当選に対応する演出コマンド「13」〜「16」が選ばれる。具体的には、スイカ小役の当選に対しては演出コマンド「13」が、ベル小役の当選に対しては演出コマンド「14」が、チェリー小役の当選に対しては演出コマンド「15」が、リプレイ小役の当選に対しては演出コマンド「16」が選ばれる。
一方、乱数値に基づく内部抽選の結果が当選エリア「0」、「5」、「6」の当選である場合には、遊技状態に応じた所定の演出コマンドが選ばれる。具体的に、遊技状態がBB未作動時の一般遊技状態であるとき、当選エリア「0」の当選に対しては、BB未作動時の一般遊技状態における不当選を表す演出コマンド「1」が選ばれる。当選エリア「5」の当選に対しては、BB未作動時の一般遊技状態におけるRB当選を表す演出コマンド「2」が選ばれる。そして、当選エリア「6」の当選に対しては、BB未作動時の一般遊技状態におけるBB当選を表す演出コマンド「3」が選ばれる。
また、遊技状態がRT遊技状態であるとき、当選エリア「0」の当選に対しては、RT遊技状態におけるRB当選又はBB当選を表す演出コマンド「4」が選ばれる。当選エリア「5」の当選に対しては、RT遊技状態におけるRB当選を表す演出コマンド「5」が選ばれる。そして、当選エリア「6」の当選に対しては、RT遊技状態におけるBB当選を表す演出コマンド「6」が選ばれる。
また、遊技状態がRB内部中状態であるとき、当選エリア「0」の当選に対しては、RB内部中状態におけるRB当選を表す演出コマンド「7」が選ばれる。当選エリア「5」の当選に対しては、RB内部中状態におけるRB当選を表す演出コマンド「8」が選ばれる。そして、当選エリア「6」の当選に対しては、RB内部中状態におけるRB当選及びBB当選を表す演出コマンド「9」が選ばれる。更に、遊技状態がBB内部中状態であるとき、当選エリア「0」の当選に対しては、BB内部中状態におけるBB当選を表す演出コマンド「10」が選ばれる。当選エリア「5」の当選に対しては、BB内部中状態におけるRB当選及びBB当選を表す演出コマンド「11」が選ばれる。そして、当選エリア「6」の当選に対しては、BB内部中状態におけるBB当選を表す演出コマンド「12」が選ばれる。
このように、演出コマンド「1」〜「12」は、乱数値に基づく内部抽選の結果(どの当選エリアに当選したのか)だけではなく遊技機の遊技状態をも表し、一方、演出コマンド「13」〜「16」は、遊技状態がBB未作動時の一般遊技状態、RT遊技状態、RB内部中状態、BB内部中状態のうちのいずれであっても、小役の当選という内部抽選の結果のみを表す。主制御装置70は、所定の演出コマンドを副制御装置80に送信すると、副制御装置80はその演出コマンドに基づいて遊技の演出内容を決定し、その決定した遊技の演出内容に従って画像表示部30、電飾制御部40及びスピーカ部50を制御する。
尚、遊技状態がBB作動時の一般遊技状態、BB作動時のRB内部中状態、RB作動中状態にある場合には、主制御装置70のCPU74は、乱数値に基づく内部抽選の結果及び遊技機の遊技状態に対応する内容の演出コマンドを生成し、その生成した演出コマンドを副制御装置80に送信する。
ところで、上述したように、小役の当選以外の内部抽選結果を表す演出コマンドは、遊技状態に関する情報を含んでいるが、小役の当選という内部抽選結果を表す演出コマンドは、遊技状態に関する情報を含んでいない。このため、主制御装置70のCPU74は、小役の当選という内部抽選結果を示す演出コマンドを副制御装置80に送信する際には、遊技状態を特定するための情報をも副制御装置80に送信することにしている。これにより、副制御装置80は、遊技機の遊技状態を確実に把握することができる。
副制御装置80は、主に遊技の演出に関する制御を行う。かかる副制御装置80は、図2に示すように、ROM(記憶手段)81と、RAM82と、CPU(演出制御手段)83とを有する。ROM81には、遊技の演出に関する各種のプログラムが格納されている。RAM82は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。CPU83は、ROM81に格納されたプログラムを実行することにより、遊技の演出の制御を行う。
また、ROM81には、プログラムの他に、各種のデータが格納されている。例えば、遊技者によって所定の操作が行われる毎に実行される遊技の演出の内容に関する情報を含む複数の演出組合せデータ(演出組合せ情報)が格納されている。CPU83は、主制御装置70から演出コマンドを受ける度に、当該演出コマンドに基づいて、ROM81に格納されている複数の演出組合せデータの中から特定の演出組合せデータを決定する。ここで、この決定した特定の演出組合せデータはRAM82に一時的に記憶される。そして、CPU83は、主制御装置70から操作コマンドを受けたときに、当該決定した特定の演出組合せデータに含まれる、当該操作コマンドの内容に応じた遊技の演出の内容に関する情報に従って画像表示部30、電飾表示部40、スピーカ部50を制御する。
次に、ROM81に格納されているデータの内容をさらに詳しく説明する。図6はROM81に格納されているデータの内容を説明するための図である。ROM81のデータ格納領域としては、図6に示すように、抽選データインデックステーブル格納領域81a、抽選データテーブル格納領域81b、演出組合せデータテーブル格納領域81c、演出基本データ格納領域81d等がある。演出組合せデータテーブル格納領域81cには、複数の演出組合せデータがテーブル形式で格納されている。抽選データインデックステーブル格納領域81a及び抽選データテーブル格納領域81bに格納されているデータは、CPU83が主制御装置70から送られた演出コマンドに基づいて特定の演出組合せデータを決定する際に利用される。
抽選データインデックステーブル格納領域81aには、抽選データインデックステーブルが格納されている。図7は抽選データインデックステーブルを説明するための図である。抽選データインデックステーブルには、図7に示すように、演出モードと抽選データインデックス番号との対応関係が示されている。抽選データインデックス番号は、後述する複数の抽選データテーブルに付与された管理番号である。演出モードは、遊技状態及びRT遊技の残数(RT数)に応じて定められている。例えば、かかる演出モードには、12個の通常演出モードと、5個の連続演出モードとが含まれる。各通常演出モードは遊技状態及びRT遊技の残数と関連付けられている。具体的に、RT遊技状態には、RT遊技の残数に応じて、通常演出モード2〜10が対応する。また、RB内部中状態には、通常演出モード11が対応し、BB内部中状態には、通常演出モード12が対応する。そして、これらの遊技状態以外の遊技状態には、通常演出モード1が対応する。ここで、遊技機がRT遊技状態以外の遊技状態にある場合には、RT遊技の残数はゼロである。
主制御装置70は、RT遊技の残数に関する情報等もコマンドとして副制御装置80のCPU83に送信する。このため、CPU83は、主制御装置70から送られた演出コマンドとその他のコマンド(RT遊技の残数に関する情報、遊技状態を特定するための情報)とに基づいて、遊技機の遊技状態を認識することができる。例えば、演出コマンドが「1」、「2」、「3」である場合には、CPU83は、当該演出コマンドに含まれる遊技状態に関する情報に基づいて遊技状態がBB未作動時の一般遊技状態であると認識する。演出コマンドが「4」、「5」、「6」である場合には、CPU83は、当該演出コマンドに含まれる遊技状態に関する情報に基づいて遊技状態がRT遊技状態であると認識する。また、CPU83は、RT遊技の残数に関する情報に基づいて遊技状態がRT遊技状態であるか否かを認識することができる。更に、前回の演出内容の決定処理時におけるRT遊技の残数が「0」でない場合であって、今回、RT遊技の残数が「0」である場合には、CPU83は、遊技状態がBB内部中状態又はRB内部中状態であることを認識する。そして、このとき、演出コマンドが「7」、「8」、「9」である場合には、CPU83は遊技状態がRB内部中状態であると認識し、演出コマンドが「10」、「11」、「12」である場合には、遊技状態がBB内部中状態であると認識する。演出コマンドが「13」〜「17」である場合には、CPU83は、主制御装置70から送られた他のコマンド(遊技状態を特定するための情報)に基づいて遊技状態を認識することができる。こうして、CPU83は、遊技状態を認識すると共に、RT遊技の残数に関する情報に基づいてRT遊技の残数を認識すると、それに対応した演出モードを特定した後、抽選データインデックステーブルから、その特定した演出モードに対応する抽選データインデックス番号を決定する。
抽選データテーブル格納領域81bには、各抽選データインデックス番号に対応した抽選データテーブル(組合せ演出テーブル)が格納されている。図8は抽選データテーブルを説明するための図である。図8では、抽選データインデックス番号「1」に対応する抽選データテーブルを示している。各抽選データテーブルには、図8に示すように、乱数値に基づく内部抽選の結果(どの当選エリアに当選したか)毎に、組合せ番号と抽選確率との対応関係が記述されている。ここで、組合せ番号とは、各演出組合せデータに付与された管理番号のことである。画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50に実行させる遊技演出の具体的な内容については、CPU83が決定する。本実施形態では、演出の具体的な内容は演出組合せデータに記述されており、抽選により所定の演出組合せデータが決定される。この抽選の確率が抽選データテーブルに記述されているのである。図8に記載された各数値を65536で除した値が抽選確率である。例えば、当選エリア「2」の当選という内容を示す演出コマンド「14」が主制御装置70から送られた場合、CPU83は、当該抽選データテーブルにおいて当選エリア「2」の欄に記載された抽選確率を用いて、演出組合せデータの抽選を行う。そして、当該演出抽選で当選した組合せ番号を決定する。また、当選エリア「3」の当選という内容を示す演出コマンド「13」が主制御装置70から送られた場合、CPU83は、当該抽選データテーブルにおいて当選エリア「3」の欄に記載された抽選確率を用いて、演出組合せデータの抽選を行う。そして、当該演出抽選で当選した組合せ番号を決定する。
演出組合せデータテーブル格納領域81cには、演出組合せデータテーブルが格納されている。図9は演出組合せデータテーブルを説明するための図である。演出組合せデータテーブルには、図9に示すように、各組合せ番号に対応する演出組合せデータが記述されている。各演出組合せデータは、遊技者による各操作タイミング毎に定められた遊技の演出内容に関する情報である演出基本データを含んでいる。ここでは、操作タイミングとして、スタートレバー18の押下時(レバー押下時)、第一停止ボタン19aの押下時(第一押下時)、第二停止ボタン19bの押下時(第二押下時)、第三停止ボタン19cの押下時(第三押下時)、及びメダル投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時(ベット押下時)の合計五つの操作タイミングが設定されている。また、本実施形態では、遊技の演出内容に関する情報として、演出基本データの番号が用いられている。CPU83は、スタートレバー押下時の内部抽選後に主制御装置70から演出コマンドが送られたときに、前述の演出抽選で決定した組合せ番号に対応する演出組合せデータを演出組合せデータテーブルから取得する。この取得した演出組合せデータはRAM82に記憶される。CPU83は、RAM82に記憶されている演出組合せデータに基づいて画像表示部30、電飾表示部40、スピーカ部50を制御する。すなわち、その演出組合せデータに記述されている内容が、今回、スタートレバー18が押下された時から次回、スタートレバー18が押下されるまでの間において、上記の各操作タイミング時に行うべき遊技の演出内容となる。また、各演出組合せデータには、確定フラグという項目が含まれている。例えば、確定フラグの項目に「BET_FIX」と記述されている場合には、メダル投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に表示される画面がその後もそのまま維持され、一方、「NULL」と記述されている場合には、画面は維持されない。
演出基本データ格納領域81dには、複数の演出基本データが格納されている。図10は演出基本データを説明するための図である。各演出基本データには、図10に示すように、当該演出基本データの番号、画像演出用パターンデータ番号、電飾演出用パターンデータ番号、音声演出用パターンデータ番号が含まれる。これらのパターンデータ番号によりパターンデータが特定される。画像演出用パターンデータ、電飾演出用パターンデータ、音声演出用パターンデータは例えばROM81に格納されている。CPU83は、所定の操作タイミング時に、RAM82に記憶されている演出組合せデータから当該操作タイミング時における演出基本データ番号を特定した後、その特定した演出基本データ番号に対応する演出基本データを決定する。そして、その決定した演出基本データに記述されている各パターンデータ番号に対応するパターンデータをROM81から読み出す。次に、CPU83は、こうして読み出した画像演出用パターンデータ、電飾演出用パターンデータ、音声演出用パターンデータをそれぞれ、画像表示部30、電飾表示部40、スピーカ部50に送る。これにより、画像表示部30は、その画像演出用パターンデータに基づいて画像を表示し、電飾表示部40は、その電飾表示用パターンデータに基づいてランプやLEDの点灯を行う。また、スピーカ部50は、その音声演出用パターンデータに基づいて音声を出力する。
次に、本実施形態の回胴式遊技機において主制御装置70が行う処理の手順について説明する。図11は主制御装置70が行う処理の手順を説明するためのフローチャートである。
まず、主制御装置70のCPU74は、ベットボタン操作待ち処理を行う(S1)。すなわち、CPU74は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62又は一枚投入ボタン操作検出センサ63からの検出信号が送られてくるのを待つ。そして、かかる検出信号を受けると、CPU74は、メダル投入口13からメダルが所定個数投入された旨又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16が所定回数押下された旨の操作コマンドを副制御装置80に送信する。次に、CPU74は、スタートレバー押下待ち処理を行う(S2)。すなわち、CPU74は、スタートレバー操作検出センサ64から検出信号が送られてくるのを待つ。CPU74は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号を受けているときに、スタートレバー操作検出センサ64から信号を受けると、ゲームが開始されたことを認識する。
こうしてゲームが開始されると、CPU74は、乱数値に基づく内部抽選処理を行う(S3)。すなわち、主制御装置70の乱数発生手段71は、スタートレバー操作検出センサ64からの信号を受けたタイミングで、乱数値を取得して、その取得した乱数値をCPU74に送る。CPU74は、ROM72に格納されている抽選データに基づいて、当該取得された乱数値がどの当選エリアに属するかを調べることにより、どの役に当選したか、不当選であるかを決定する。その後、CPU74は、その内部抽選の結果に基づいて演出コマンドを生成し、その作成した演出コマンドを副制御装置80に送信する(S4)。このとき、RT遊技の残数に関する情報及び、必要に応じて遊技状態を特定するための情報も、副制御装置80に送られる。
次に、CPU74は、前回のスタートレバー操作検出センサ64からの信号を受けてから4.1秒経過するのを待つ(S5)。そして、4.1秒経過すると、CPU74は、回胴リール駆動手段66a,66b,66cの制御して、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cを回転させる(S6)。
次に、CPU74は、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止処理を行う(S7)。すなわち、CPU74は、第一停止ボタン操作検出センサ65aから信号を受けたときに、第一回胴リール駆動手段66aを制御して、第一回胴リール11aを停止させると共に、第一停止ボタン19aが押下された旨の操作コマンドを副制御装置80に送信する。また、CPU74は、第二停止ボタン操作検出センサ65bから信号を受けたときに、第二回胴リール駆動手段66bを制御して、第二回胴リール11bを停止させると共に、第二停止ボタン19bが押下された旨の操作コマンドを副制御装置80に送信する。更に、CPU74は、第三停止ボタン操作検出センサ65cから信号を受けたときに、第三回胴リール駆動手段66cを制御して、第三回胴リール11cを停止させると共に、第三停止ボタン19cが押下された旨の操作コマンドを副制御装置80に送信する。
こうして、三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、所定の図柄が有効な入賞ライン上に揃い、所定の役が成立すると、当該ゲームが入賞となり、CPU74は、所定数のメダルを払い出す(S8)。以上で、一回のゲーム時に主制御装置70が行う処理が終了する。
次に、本実施形態の回胴式遊技機において副制御装置80が行う処理の手順について説明する。図12は副制御装置80が行う処理の手順を説明するためのフローチャートである。
副制御装置80のCPU83は、メダル投入口13からメダルが所定個数投入された旨又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16が所定回数押下された旨の操作コマンドが主制御装置70から送られると、RAM82に記憶されている演出組合せデータの中から、メダル投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に対する演出基本データの番号を認識する。このとき、RAM82に記憶されている演出組合せデータは、前回のゲーム時に決定された演出組合せデータである。その後、CPU83は、その認識した番号の演出基本データに従って画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50を制御する(S11)。これにより、メダル投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の所定回数の押下時に、画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50は所定の遊技の演出を行う。
次に、CPU83は、内部抽選の結果に基づいて生成された演出コマンドが主制御装置70から送られると、演出組合せデータの抽選処理を行う(S12)。具体的には、CPU83は、主制御装置70から送られた演出コマンド、RT遊技の残数に関する情報、及び、必要に応じて送られた遊技状態を特定するための情報に基づいて所定の抽選データテーブルを特定する。そして、その抽選データテーブルに記述されている抽選確率を用いて演出組合せデータの抽選を行い、所定の演出組合せデータを決定する。その後、CPU83は、その演出組合せデータをRAM82に記憶する。すなわち、RAM82に記憶されていた前回のゲーム時に決定された演出組合せデータは、今回のゲーム時に決定された演出組合せデータによって書き換えられる。また、CPU83は、RAM82に記憶されている演出組合せデータの中から、スタートレバー18の押下時に対する演出基本データの番号を認識し、その認識した番号の演出基本データに従って画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50を制御する(S13)。これにより、スタートレバー18の押下時に、画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50は所定の遊技の演出を行う。すなわち、ここでは、演出コマンドが、スタートレバー18が押下された旨の操作コマンドとしての役割をも果たしている。
その後、CPU83は、第一停止ボタン19aが押下された旨の操作コマンドが主制御装置70から送られると、RAM82に記憶されている演出組合せデータの中から、第一停止ボタン19aの押下時に対する演出基本データの番号を認識し、その認識した番号の演出基本データに従って画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50を制御する(S14)。これにより、第一停止ボタン19bの押下時に、画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50は所定の遊技の演出を行う。また、CPU83は、第二停止ボタン19bが押下された旨の操作コマンドが主制御装置70から送られると、RAM82に記憶されている演出組合せデータの中から、第二停止ボタン19bの押下時に対する演出基本データの番号を認識し、その認識した番号の演出基本データに従って画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50を制御する(S15)。これにより、第二停止ボタン19bの押下時に、画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50は所定の遊技の演出を行う。更に、CPU83は、第三停止ボタン19cが押下された旨の操作コマンドが主制御装置70から送られると、RAM82に記憶されている演出組合せデータの中から、第三停止ボタン19cの押下時に対する演出基本データの番号を認識し、その認識した番号の演出基本データに従って画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50を制御する(S16)。これにより、第三停止ボタン19cの押下時に、画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50は所定の遊技の演出を行う。以上で、一回のゲーム時に副制御装置80が行う処理が終了する。
次に、画像表示部30が行う演出の具体例を説明する。いま、回胴式遊技機は、BB未作動時の一般遊技状態にあり、RT遊技の残数がゼロであるとする。主制御装置70のCPU(遊技制御手段)74は、スタートレバー(開始手段)18が操作されたときに抽選を行う。この抽選には役の当選/不当選(遊技の当り/外れ)に関する抽選である内部抽選が含まれる。その後、CPU74は、副制御装置80のCPU(演出制御手段)83に、内部抽選結果の情報を含む演出コマンド(演出指令信号)及びRT遊技の残数に関する情報と、必要に応じて遊技状態を特定するための情報とを送る。このように、CPU74から副制御装置80のCPU83に送られる情報の中にはRT遊技の残数に関する情報が含まれている。例えば、主制御装置70のCPU74は、乱数値に基づく内部抽選を行い、当選エリア「2」の当選、すなわちベル小役の当選であるという結果が得られたとする。このとき、CPU74は、図5に示すように、当選エリア「2」の当選という内部抽選の結果に対応する演出コマンド「14」を生成する。そして、CPU74は、その演出コマンド「14」、RT遊技の残数がゼロである旨の情報(RT遊技の残数に関する情報)、及び遊技状態がBB未作動時の一般遊技状態であることを示す情報(遊技状態を特定するための情報)を、副制御装置80のCPU83に送る。
副制御装置80のROM(記憶手段)81は、遊技状態及びRT遊技の残数に応じて定められた複数の演出モードと複数の抽選データテーブルに付された抽選データインデックス番号との対応関係を記述した抽選データインデックステーブルを格納する抽選データインデックステーブル格納領域81aを備えている。CPU83は、主制御装置70のCPU74から送られた演出コマンド及びRT遊遊技の残数に関する情報と、必要に応じて送られた遊技状態を特定するための情報とに基づいて、抽選データインデックステーブルから所定の抽選データインデックス番号を決定する。いまの例では、CPU83は、遊技状態がBB未作動時の一般遊技状態であることを示す情報及びRT遊技の残数がゼロである旨の情報をCPU74から受け取っているので、演出モードとして通常演出モード1を選択し、図7に示す抽選データインデックステーブルから抽選データインデックス番号「1」を決定する。こうして決定された抽選データインデックス番号は、主制御装置70のCPU74から送られる演出コマンドに基づく遊技状態を特定する指令信号となる。
また、副制御装置80のROM81は、各抽選データインデックス番号に対応する抽選データテーブル(組合せ演出テーブル)を格納する抽選データテーブル格納領域81bを備えている。各抽選データテーブルは、主制御装置70のCPU74から送られた演出コマンドに基づいて演出組合せデータ(演出組合せ情報)を選択するために用いられるものである。CPU83は、当該抽選データインデックス番号に対応する抽選データテーブルを特定した後、その特定した抽選データテーブルと主制御装置70のCPU74から送られた演出コマンドとに基づいて、所定の演出組合せデータを選択する。いまの場合、CPU83は、抽選データインデックス番号「1」を決定したので、図8に示すような、抽選データインデックス番号「1」に対応する抽選データテーブルを特定する。また、CPU74から送られた演出コマンド「14」は当選エリア「2」の当選ということを意味するので、CPU83は、図8に示す抽選データテーブルにおいて当選エリア「2」の欄に示された抽選確率を用いて、演出組合せデータの抽選を行う。この抽選の結果、例えば、組合せ番号「88」の演出組合せデータが選ばれたとする。ここで、図8の例では、この組合せ番号「88」に当選する確率は5000/65536である。
更に、副制御装置80のROM81は、各組合せ番号に対応する演出組合せデータが記述された演出組合せデータテーブルを格納する演出組合せデータテーブル格納領域81cと、各演出組合せデータに含まれる遊技の演出内容に関する情報である演出基本データを格納する演出基本データ格納領域81dとを備えている。CPU83は、演出組合せデータテーブルから当該組合せ番号に対応する演出組合せデータを特定した後、その特定した演出組合せデータに含まれる、各操作タイミング毎に定められた演出基本データに従って、画像表示部30を制御する。いまの例では、CPU83は、組合せ番号「88」に対応する演出組合せデータとして、図9に示すように、レバー押下時における演出基本データ番号が「071」、第一押下時における演出基本データ番号が「091」、第二押下時における演出基本データが「093」、第三押下時における演出基本データ番号が「002」、ベット押下時における演出基本データが「056」であるものを特定する。
図13は組合せ番号「88」の演出組合せデータに対する画像演出の内容を説明するための図である。この組合せ番号「88」の演出組合せデータの内容は、有効な入賞ライン上にベル図柄を揃えるべきことを告知するものである。すなわち、スタートレバー18の押下時には図13(a)に示す画像が表示される。具体的に、この図13(a)の画像には、主人公が望遠鏡で何かを眺めている様子が描かれている。次に、第一停止ボタン19aの押下時に、図13(b)に示す画像が表示される。具体的に、この図13(b)の画像には、図13(a)の画面で主人公が眺めていた対象である駕籠が描かれている。但し、その駕籠に何が乗っているのかは明らかにされていない。次に、第二停止ボタン19bの押下時に、図13(c)に示す画像が表示される。具体的に、この図13(c)の画像には、駕籠に乗っている「ベル」が描かれている。そして、第三停止ボタン19cの押下時には、画像表示の切り替えが行われず、図13(c)の画像がそのまま表示される。これは、図9に示すように組合せ番号「88」の演出組合せデータにおいて第三停止ボタン19cの押下時に対する演出基本データ番号が「002」であり、図10から明らかなように番号「002」の演出基本データには「画像演出用パターンデータ番号:なし」と記述されているので、第三停止ボタン19cの押下時の画像表示の指定がないからである。その後、メダル投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に、図13(d)に示す画像が表示される。
このような内容の画像演出では、第二停止ボタン19bの押下時に表示される図13(c)の画像により、今回の内部抽選でベル小役に当選したこと、及び有効な入賞ライン上にベル図柄を揃えるべきことを遊技者に報知することができる。したがって、図13(c)の画像が表示された際に、既に停止している第一回胴リール11aと第二回胴リール11bとに付されたベル図柄が有効な入賞ライン上に揃っていれば、遊技者は、当該有効な入賞ライン上に第三回胴リール11cに付されたベル図柄を停止させようと、第三停止ボタン19cを押下するタイミングに神経を集中して遊技を行う。今回の内部抽選結果はベル小役の当選であり、当選図柄であるベル図柄についてはリール引込み制御が働くので、所定のタイミングで第三停止ボタン19cを押下すれば、三つのベル図柄を当該有効な入賞ラインに揃えることができるからである。一方、図13(c)の画像が表示された際に、既に停止している第一回胴リール11aと第二回胴リール11bとに付されたベル図柄が有効な入賞ライン上に揃っていなければ、遊技者は、今回の遊技で三つのベル図柄を有効な入賞ライン上に揃えることができないと判断して、次の遊技にチャレンジすることになる。
次に、別の演出の具体例を説明する。いま、回胴式遊技機は、先の例と同様にBB未作動時の一般遊技状態にあり、RT遊技の残数がゼロであるとする。主制御装置70のCPU(遊技制御手段)74は、スタートレバー(開始手段)18が操作されたときに抽選を行う。この抽選には役の当選/不当選(遊技の当り/外れ)に関する抽選である内部抽選が含まれる。その後、CPU74は、副制御装置80のCPU(演出制御手段)83に、内部抽選結果の情報を含む演出コマンド(演出指令信号)及びRT遊技の残数に関する情報と、必要に応じて遊技状態を特定するための情報とを送る。例えば、主制御装置70のCPU74は、乱数値に基づく内部抽選を行い、当選エリア「3」の当選、すなわちスイカ小役の当選であるという結果が得られたとする。このとき、CPU74は、図5に示すように、当選エリア「3」の当選という内部抽選の結果に対応する演出コマンド「13」を生成する。そして、CPU74は、その演出コマンド「13」、RT遊技の残数がゼロである旨の情報(RT遊技の残数に関する情報)、及び遊技状態がBB未作動時の一般遊技状態であることを示す情報(遊技状態を特定するための情報)を、副制御装置80のCPU83に送る。
副制御装置80のROM(記憶手段)81は、遊技状態及びRT遊技の残数に応じて定められた複数の演出モードと複数の抽選データテーブルに付された抽選データインデックス番号との対応関係を記述した抽選データインデックステーブルを格納する抽選データインデックステーブル格納領域81aを備えている。CPU83は、主制御装置70のCPU74から送られた演出コマンド及びRT遊遊技の残数に関する情報と、必要に応じて送られた遊技状態を特定するための情報とに基づいて、抽選データインデックステーブルから所定の抽選データインデックス番号を決定する。いまの例では、CPU83は、遊技状態がBB未作動時の一般遊技状態であることを示す情報及びRT遊技の残数がゼロである旨の情報をCPU74から受け取っているので、演出モードとして通常演出モード1を選択し、図7に示す抽選データインデックステーブルから抽選データインデックス番号「1」を決定する。
また、副制御装置80のROM81は、各抽選データインデックス番号に対応する抽選データテーブル(組合せ演出テーブル)を格納する抽選データテーブル格納領域81bを備えている。各抽選データテーブルは、主制御装置70のCPU74から送られた演出コマンドに基づいて演出組合せデータ(演出組合せ情報)を選択するために用いられるものである。CPU83は、当該抽選データインデックス番号に対応する抽選データテーブルを特定した後、その特定した抽選データテーブルと主制御装置70のCPU74から送られた演出コマンドとに基づいて、所定の演出組合せデータを選択する。いまの場合、CPU83は、抽選データインデックス番号「1」を決定したので、図8に示すような、抽選データインデックス番号「1」に対応する抽選データテーブルを特定する。また、CPU74から送られた演出コマンド「13」は当選エリア「3」の当選ということを意味するので、CPU83は、図8に示す抽選データテーブルにおいて当選エリア「3」の欄に示された抽選確率を用いて、演出組合せデータの抽選を行う。この抽選の結果、例えば、組合せ番号「92」の演出組合せデータが選ばれたとする。ここで、図8の例では、この組合せ番号「92」に当選する確率は4100/65536である。
更に、副制御装置80のROM81は、各組合せ番号に対応する演出組合せデータが記述された演出組合せデータテーブルを格納する演出組合せデータテーブル格納領域81cと、各演出組合せデータに含まれる遊技の演出内容に関する情報である演出基本データを格納する演出基本データ格納領域81dとを備えている。CPU83は、演出組合せデータテーブルから当該組合せ番号に対応する演出組合せデータを特定した後、その特定した演出組合せデータに含まれる、各操作タイミング毎に定められた演出基本データに従って、画像表示部30を制御する。いまの例では、CPU83は、組合せ番号「92」に対応する演出組合せデータとして、図9に示すように、レバー押下時における演出基本データ番号が「071」、第一押下時における演出基本データ番号が「091」、第二押下時における演出基本データが「002」、第三押下時における演出基本データ番号が「095」、ベット押下時における演出基本データが「056」であるものを特定する。
図14は組合せ番号「92」の演出組合せデータに対する画像演出の内容を説明するための図である。この組合せ番号「92」の演出組合せデータの内容は、三つの回胴リール11a,11b,11cが停止した後に内部抽選の結果を告知するものである。すなわち、スタートレバー18の押下時には図14(a)に示す画像が表示される。ここで、この図14(a)の画像は、図13(a)の画像と同じものである。次に、第一停止ボタン19aの押下時に、図14(b)に示す画像が表示される。この図14(b)の画像は、図13(b)の画像と同じものである。そして、第二停止ボタン19bの押下時には、図9に示す組合せ番号「92」の演出組合せデータにおいて第二停止ボタン19bの押下時に対する演出基本データ番号が「002」であるので、図10に示す番号「002」の演出基本データの内容にしたがい画像表示の切り替えが行われず、図14(b)の画像がそのまま表示される。次に、第三停止ボタン19cの押下時に、図14(c)に示す画像が表示される。具体的に、この図14(c)の画像には、駕籠に乗っている「スイカ」が描かれている。その後、メダル投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に、図14(d)に示す画像が表示される。
このような内容の画像演出では、第三停止ボタン19cの押下時、すなわち三つの回胴リール11a,11b,11cがすべて停止した時に表示される図14(c)の画像により、今回の内部抽選ではスイカ小役に当選していたことを遊技者に報知することができる。したがって、今回のゲームで三つのスイカ図柄が有効な入賞ライン上に揃い、スイカ小役が成立していれば、遊技者は、図14(c)の画像を見て、自己の技量によりスイカ図柄が有効な入賞ライン上に揃ったので、遊技機がそれを祝福するような演出を行っていると感じることになる。一方、今回のゲームで三つのスイカ図柄が有効な入賞ライン上に揃っていなければ、遊技者は、図14(c)の画像を見て、今回のゲームではスイカ図柄を有効な入賞ライン上に揃えるべきであった、スイカ図柄を取りこぼしてしまったと反省することになる。このように、本実施形態の回胴式遊技機では、遊技者の各操作タイミングに対応して変化する一連の演出を行うことができる。
また、図13、図14に示す演出がなされる場合には、スタートレバー18の押下時及び第一停止ボタン19aの押下時には双方共通の演出が行われるため、遊技者は、その時点ではいずれの役が内部抽選で当選しているのか分からないままに、期待感を込めて意中の図柄を狙った遊技に挑戦することができる。
尚、上述した図13及び図14に示す画像演出は演出内容の一例であり、一般に、複数の演出組合せデータにはさまざまな演出内容が定められている。
また、上記の実施形態では、演出コマンド「14」,「13」の送信とともに遊技状態を特定する別のコマンド(遊技状態を特定するための情報)が主制御装置70から副制御装置80に送られる場合について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、主制御装置70から副制御装置80に送られる演出コマンドとして、その遊技状態も一意に決定できるものを用いてもよい。これは、演出コマンドのビット数を増やし、内部抽選の結果だけでなく遊技状態をも特定する演出コマンドを送信するようにすることにより可能となる。例えば、BB未作動時の一般遊技状態における当選エリア「2」,「3」の当選という内容の演出コマンドをそれぞれ「14」,「13」とし、RT遊技状態における当選エリア「2」,「3」の当選という内容の演出コマンドをそれぞれ「34」,「33」とし、RB内部中状態における当選エリア「2」,「3」の当選という内容の演出コマンドをそれぞれ「44」,「43」とし、BB内部中状態における当選エリア「2」,「3」の当選という内容の演出コマンドをそれぞれ「54」,「53」として、同じ内部抽選の結果であっても遊技状態毎に異なる内容の演出コマンドが送信されるようにすればよい。
更に、主制御装置70から副制御装置80に送られる演出コマンドとしては、遊技状態及びRT遊技の残数をも一意に決定できるものを用いてもよい。これにより、副制御装置80のCPU83は、主制御装置70のCPU74から送られた演出コマンドだけに基づいて、抽選データインデックステーブルから所定の抽選データインデックス番号を決定することができる。
本実施形態の回胴式遊技機では、副制御装置のCPUが、主制御装置から演出コマンドを受ける度に、当該演出コマンドに基づいて、副制御装置のROMに格納されている複数の演出組合せデータの中から特定の演出組合せデータを決定し、且つ、主制御装置から操作コマンドが送られたときに、その決定した特定の演出組合せデータに含まれる、当該操作コマンドの内容に応じた遊技の演出内容に関する情報に従って画像表示部、電飾表示部及びスピーカ部を制御する。すなわち、副制御装置のCPUは、遊技者による操作が行われる度に、遊技の演出内容を決定し、その決定した演出内容に従って画像表示部等を制御する必要はない。このため、本実施形態の回胴式遊技機では、遊技の演出に関する制御がとても簡易化されるので、回胴式遊技機の開発期間の短縮とその開発費用の低減を図ることができる。また、演出組合せデータには遊技者による所定の操作毎に定められた遊技の演出内容に関する情報が含まれているので、副制御装置のCPUは、演出組合せデータに従って画像表示部等を制御することにより、遊技者の各操作に応じて変化する一連の演出を容易に実行させることができる。
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
上記の実施形態では、演出組合せデータに、スタートレバーの押下時、三つの停止ボタンの押下時、及びメダル投入時又はMAXベットボタン若しくは一枚投入ボタンの押下時の合計五つの操作タイミングに対する遊技の演出内容に関する情報が含まれている場合について説明したが、演出組合せデータで定める操作タイミングとしては、これら五つの操作タイミングにさらに別の操作タイミングを加えたものを用いてもよく、また、上記の五つの操作タイミングのうちから選択された二つ、三つ又は四つの操作タイミングを用いてもよい。
上記の実施形態では、本発明を、遊技媒体としてメダルを使用した回胴式遊技機に適用した場合について説明したが、例えば、パロット機、パチロット機等と称される、遊技媒体としてパチンコ球を使用したスロットマシン遊技機に適用することができる。また、本発明を、複数の図柄を可変表示可能な複数の可変表示手段を備えるパチンコ遊技機に適用することもできる。一般に、可変表示手段としては、上述した回胴リールだけでなく、CRT表示器や液晶表示器等を用いることができる。更に、本発明を、ゲームセンター等に設置されたゲーム機や遊技媒体を使用しない家庭用のテレビゲーム機等にも適用することができる。