以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態である回胴式遊技機の概略正面図、図2はその回胴式遊技機の概略ブロック図である。
本実施形態の回胴式遊技機は、図1及び図2に示すように、第一回胴リール11a,第二回胴リール11b,第三回胴リール11cと、表示窓12と、メダル投入口13と、クレジット数表示部14と、MAXベットボタン15と、一枚投入ボタン16と、ベット枚数表示部17と、スタートレバー18と、第一停止ボタン19a,第二停止ボタン19b,第三停止ボタン19cと、精算ボタン21と、払出数表示部22と、メダル放出口23と、メダル受皿24と、払出装置25と、画像表示部30と、電飾表示部40と、スピーカ部50と、投入メダル検出センサ61と、MAXベットボタン操作検出センサ62と、一枚投入ボタン操作検出センサ63と、スタートレバー操作検出センサ64と、第一停止ボタン操作検出センサ65a,第二停止ボタン操作検出センサ65b,第三停止ボタン操作検出センサ65cと、第一回胴リール駆動手段66a,第二回胴リール駆動手段66b,第三回胴リール駆動手段66cと、主制御基板70と、演出制御基板80と、インターフェースボード90とを備える。
図1に示すように、回胴式遊技機の中央部のやや上側には、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cが並べて配設されている。各回胴リール11a,11b,11cは、複数の図柄を一列に配した図柄列を有しており、回転可能に構成されている。これらの回胴リール11a,11b,11cは、複数の図柄を変動させる変動表示及びその変動表示を停止させる停止表示が可能な図柄表示手段としての役割を果たすものである。第一回胴リール11aは第一回胴リール駆動手段66aにより駆動され、第二回胴リール11bは第二回胴リール駆動手段66bにより駆動され、そして、第三回胴リール11cは第三回胴リール駆動手段66cにより駆動される。ここで、各回胴リール駆動手段66a,66b,66cとしては、例えばステッピングモータが用いられる。これら回胴リール駆動手段66a,66b,66cの制御は、主制御基板70により行われる。尚、主制御基板70は、各回胴リール11a,11b,11cが表示窓12内の所定の位置に表示している図柄をステッピングモータのステップ数で把握することが可能であり、かかる表示図柄の把握には公知の方法が用いられる。
各回胴リール11a,11b,11cに配される図柄には、例えば、赤色の数字「7」図柄(赤7図柄)、青色の数字「7」図柄(青7図柄)、BAR図柄、リプレイ図柄、スイカ図柄、ベル図柄、チェリー図柄、青色のチェリー図柄(青チェリー図柄)、アルファベット「D」図柄(D図柄)等がある。各回胴リール11a,11b,11cの外周には、これらの図柄が合計21個若しくはそれ以下の個数、配されている。また、回胴リール11a,11b,11c毎に各図柄の数及び図柄の配置順序は異なっている。
図3は各回胴リール11a,11b,11cに配置される図柄列の一例を示す図である。図3の例では、各回胴リール11a,11b,11cに21個の図柄が配されている。また、各回胴リール11a,11b,11cにおいては、各図柄に図柄番号(0から20)が付されている。具体的に、第一回胴リール11aには、リプレイ図柄、ベル図柄、赤7図柄、スイカ図柄、リプレイ図柄、ベル図柄、BAR図柄、D図柄、チェリー図柄、リプレイ図柄、BAR図柄、スイカ図柄、ベル図柄、リプレイ図柄、青7図柄、スイカ図柄、リプレイ図柄、ベル図柄、BAR図柄、D図柄、チェリー図柄がこの順番で配されている。第二回胴リール11bには、ベル図柄、スイカ図柄、赤7図柄、BAR図柄、リプレイ図柄、ベル図柄、スイカ図柄、リプレイ図柄、ベル図柄、スイカ図柄、青7図柄、D図柄、リプレイ図柄、ベル図柄、スイカ図柄、BAR図柄、リプレイ図柄、ベル図柄、スイカ図柄、チェリー図柄、リプレイ図柄がこの順番で配されている。そして、第三回胴リール11cには、スイカ図柄、ベル図柄、赤7図柄、リプレイ図柄、チェリー図柄、ベル図柄、ベル図柄、BAR図柄、リプレイ図柄、D図柄、ベル図柄、青チェリー図柄、リプレイ図柄、スイカ図柄、ベル図柄、青7図柄、リプレイ図柄、スイカ図柄、ベル図柄、BAR図柄、リプレイ図柄がこの順番で配されている。尚、各回胴リール11a,11b,11cは、図3に示す図柄列が上から下に移動するように駆動される。
表示窓12は回胴リール11a,11b,11cの前側に設けられた透明な窓部である。この表示窓12は、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止時に回胴リールの回転方向に沿って三つの図柄を、その回転方向に直交する方向に沿って三つの図柄を表示することができる。すなわち、遊技者は、図1に示すように、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cの停止時において表示窓12からそれぞれの回胴リール11a,11b,11cに付された三つの図柄(合計九つの図柄)を目視することができる。
回胴式遊技機では、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止時に表示される図柄を、各種の役に対応する図柄の組合せに揃えるというゲーム(遊技)が行われる。すなわち、三つの回胴リール11a,11b,11cが回転を開始した後に三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、複数種類の役のうちいずれかの役に対応する図柄の組合せが表示窓12に停止表示されれば、ゲームの結果は当該役の入賞となる。
メダル投入口13は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入するための投入口である。投入メダル検出センサ61はメダル投入口13の内部に設けられており、メダルがメダル投入口13に投入されたことを検出するものである。投入メダル検出センサ61からの検出信号は主制御基板70に送られる。主制御基板70は、かかる投入メダル検出センサ61からの検出信号に基づいて、メダルが何枚投入されたのかを認識することができる。
表示窓12のすぐ下側には、クレジット数表示部14が設けられている。クレジット数表示部14は、メダルのクレジット数(貯留数)を所定の範囲内(例えば50枚以内)で表示するものである。主制御基板70は、ゲームの結果が所定の役の入賞になると、その役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を現在のクレジット数に加算し、その加算した数をクレジット数表示部14に表示させる。
本実施形態の回胴式遊技機では、メダルを1枚、2枚又は3枚投入することにより、一回のゲームを行うことができる。1枚、2枚又は3枚のメダルを投入することは、ゲームを行うための条件である。このため、遊技者は、ゲームを行う際に、1枚、2枚又は3枚のメダルをメダル投入口13から投入するか、或いは、現在のメダルのクレジット数からメダル1枚分、メダル2枚分又はメダル3枚分のクレジット数を使用しなければならない。
MAXベットボタン15及び一枚投入ボタン16は、メダル投入口13から実際にメダルを投入することに代えて、クレジットされているメダルの中から1枚、2枚又は3枚のメダルを使用してゲームを行う旨を指示するための遊技指示手段である。MAXベットボタン15及び一枚投入ボタン16は、表示窓12の左下側に設けられている。MAXベットボタン15は、クレジットされているメダルの中から3枚のメダルを使用してゲームを行うことを指示するボタンであり、また、一枚投入ボタン16は、クレジットされているメダルの中から1枚、2枚又は3枚のメダルを使用してゲームを行うことを指示するボタンである。具体的には、一枚投入ボタン16を一回押すことにより、クレジットされているメダルの中から1枚のメダルを使用してゲームを行うことが指示され、一枚投入ボタン16を二回押すことにより、クレジットされているメダルの中から2枚のメダルを使用してゲームを行うことが指示され、そして、一枚投入ボタン16を三回押すことにより、クレジットされているメダルの中から3枚のメダルを使用してゲームを行うことが指示される。すなわち、一枚投入ボタン16を三回押すことは、MAXベットボタン15を一回押すことと同じである。
MAXベットボタン操作検出センサ62はMAXベットボタン15が押されたことを検出するものであり、一枚投入ボタン操作検出センサ63は一枚投入ボタン16が押されたことを検出するものである。各ボタン操作検出センサ62,63からの検出信号は、主制御基板70に送られる。主制御基板70は、かかる検出信号を受けると、何枚のメダルを使用してゲームを行うのかを認識すると共に、現在のクレジット数からその認識したメダル枚数分のクレジット数を減算し、その減算した数をクレジット数表示部14に表示させる。
表示窓12の左下側には、ベット枚数表示部17が設けられている。かかるベット枚数表示部17は、当該ゲームに使用するメダルの枚数を表示するものである。具体的には、一枚投入ボタン16が一回押されると、主制御基板70は、ベット枚数表示部17の「一」の部分に対応するランプを点灯させる。一枚投入ボタン16が二回押されると、主制御基板70は、ベット枚数表示部17の「二」の部分に対応するランプを点灯させる。そして、一枚投入ボタン16が三回押され、又はMAXベットボタン15が押されると、主制御基板70は、ベット枚数表示部17の「三」の部分に対応するランプを点灯させる。
スタートレバー18は、ゲームを開始する旨を指示するために遊技者が操作するものである。メダル投入口13から一回のゲームを行うのに必要な枚数のメダルが投入されるか、又は、既に一回のゲームを行うのに必要な枚数のメダルがクレジットされている状態でMAXベットボタン15の操作、若しくは一枚投入ボタン16の必要回数の操作のうちいずれかの操作が行われることにより、スタートレバー18の操作が可能となる。ここで、一回のゲームは、スタートレバー18が操作されることにより開始し、三つの停止ボタン19a,19b,19cがすべて押されることにより終了する。スタートレバー操作検出センサ64は、スタートレバー18が操作されたことを検出するものである。スタートレバー操作検出センサ64は、スタートレバー18が操作されたことを検出すると、ゲーム開始信号を主制御基板70に送る。主制御基板70は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号が送られて、ゲームを行うのに必要な枚数のメダルが投入されていることを認識しているときに、スタートレバー操作検出センサ64からゲーム開始信号を受けると、ゲーム開始の処理を行う。具体的には、主制御基板70は、ゲーム開始信号を受けると、乱数値を取得し、その乱数値に基づいて役の抽選処理を行うと共に、前回のゲーム開始信号の受信時から4.1秒以上経過していれば直ちに、4.1秒経過前であれば4.1秒経過後に、三つの回胴リール11a,11b,11cの回転動作を開始する。このように、スタートレバー18は、三つの回胴リール11a,11b,11cの変動表示動作を開始する契機を与える変動指示手段としての役割を果たしている。
第一停止ボタン19aは第一回胴リール11aの回転動作の停止を指示するためのものであり、第二停止ボタン19bは第二回胴リール11bの回転動作の停止を指示するためのものであり、第三停止ボタン19cは第三回胴リール11cの回転動作の停止を指示するためのものである。すなわち、各停止ボタン19a,19b,19cは、当該回胴リールが停止表示する契機を与える停止指示手段としての役割を果たす。また、第一停止ボタン操作検出センサ65aは第一停止ボタン19aが押されたことを検出するものであり、第二停止ボタン操作検出センサ65bは第二停止ボタン19bが押されたことを検出するものであり、第三停止ボタン操作検出センサ65cは第三停止ボタン19cが押されたことを検出するものである。各停止ボタン操作検出センサ65a,65b,65cからの検出信号は、主制御基板70に送られる。主制御基板70は、停止ボタン操作検出センサ65a,65b,65cからの検出信号を受けると、当該停止ボタン操作検出センサに対応する回胴リールの回転動作を所定の制御方法により停止する。
本実施形態では、三つの回胴リール11a,11b,11cを停止させて所定の図柄を揃えるための入賞ラインが五つ設定されている。すなわち、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つのラインと、表示窓12の左上から右下に向かって延びるラインと、表示窓12の左下から右上に向かって延びるラインとである。メダルを何枚使用してゲームを行うかに応じて、有効な入賞ラインが異なる。1枚のメダルを使用してゲームを行う場合には、表示窓12の中央部を通り水平方向に延びる一つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。2枚のメダルを使用してゲームを行う場合には、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。そして、3枚のメダルを使用してゲームを行う場合には、五つの入賞ラインすべてが有効な入賞ラインとなる。三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、五つの入賞ラインのうち有効な入賞ライン上に所定の図柄の組合せが揃えば、ゲームの結果はその組合せに対応する役の入賞となる。
いま、役の種類について説明する。図4は各役の入賞となる図柄の組合せを説明するための図である。本実施形態では、図4に示すように、とても多くの種類の役が定義されている。すなわち、4種類の再遊技役、12種類の小役、2種類の大役の合計18種類の役が定義されている。具体的に、4種類の再遊技役は、リプレイ1役、リプレイ2役、リプレイ3役、リプレイ4役から構成される。12種類の小役は、チェリー小役、ベル小役、スイカ小役、チャンス1小役、チャンス2小役、チャンス3小役、チャンス4小役、チャンス5小役、チャンス6小役、チャンス7小役、チャンス8小役、チャンス9小役から構成される。そして、2種類の大役は、ビッグボーナス(BB)、チャレンジタイムビッグボーナス(CT)から構成される。
リプレイ1役の入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配されたリプレイ図柄が有効な入賞ライン上に揃うことである。リプレイ2役の入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配されたリプレイ図柄、ベル図柄、リプレイ図柄が有効な入賞ライン上に揃うことであり、リプレイ3役の入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配されたリプレイ図柄、ベル図柄、ベル図柄が有効な入賞ライン上に揃うことである。リプレイ4役の入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配されたリプレイ図柄、リプレイ図柄、ベル図柄が有効な入賞ライン上に揃うことである。
また、チェリー小役の入賞条件は、第一回胴リール11aに配されたチェリー図柄が有効な入賞ライン上であって表示窓12内のいずれかの位置に停止表示されることであり、ベル小役の入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配されたベル図柄が有効な入賞ライン上に揃うことであり、スイカ小役の入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配されたスイカ図柄が有効な入賞ライン上に揃うことである。チャンス1小役の入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配された赤7図柄、ベル図柄、BAR図柄が有効な入賞ライン上に揃うことであり、チャンス2小役の入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配された青7図柄、ベル図柄、BAR図柄が有効な入賞ライン上に揃うことである。チャンス3小役の入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配された赤7図柄、ベル図柄、赤7図柄が有効な入賞ライン上に揃うことであり、チャンス4小役の入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配された青7図柄、ベル図柄、赤7図柄が有効な入賞ライン上に揃うことであり、チャンス5小役の入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配された赤7図柄、ベル図柄、青7図柄が有効な入賞ライン上に揃うことであり、チャンス6小役の入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配された青7図柄、ベル図柄、青7図柄が有効な入賞ライン上に揃うことである。チャンス7小役の入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配されたBAR図柄、ベル図柄、BAR図柄が有効な入賞ライン上に揃うことであり、チャンス8小役の入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配されたBAR図柄、ベル図柄、赤7図柄が有効な入賞ライン上に揃うことであり、チャンス9小役の入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配されたBAR図柄、ベル図柄、青7図柄が有効な入賞ライン上に揃うことである。
更に、BBの入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配された赤7図柄が有効な入賞ライン上に揃うこと、又は三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配された青7図柄が有効な入賞ライン上に揃うことである。そして、CTの入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配されたBAR図柄が有効な入賞ライン上に揃うことである。
主制御基板70による役の抽選処理により小役に当選したときには、当該ゲームにおいて当該小役に入賞することができる権利が発生し、遊技者は当該ゲームにおいて当該小役に対応する図柄の組合せを有効な入賞ライン上に揃えることが可能になる。そして、当該小役に対応する図柄の組合せが有効な入賞ライン上に揃うと、当該小役の入賞となる。小役に入賞すると、当該小役の種類に応じて所定枚数のメダルが払い出される。具体的には、ベル小役の入賞時には10枚のメダルが払い出され、チェリー小役の入賞時には4枚のメダルが払い出され、スイカ小役の入賞時には7枚のメダルが払い出される。そして、各チャンス小役の入賞時には1枚のメダルが払い出される。
また、主制御基板70による役の抽選処理により再遊技役に当選したときには、当該ゲームにおいて当該再遊技役に入賞することができる権利が発生し、遊技者は当該ゲームにおいて当該再遊技役に対応する図柄の組合せを有効な入賞ライン上に揃えることが可能になる。そして、当該再遊技役に対応する図柄の組合せが有効な入賞ライン上に揃うと、当該再遊技役の入賞となる。再遊技役に入賞すると、回胴式遊技機は、再遊技の状態、すなわち、今回のゲームで使用したメダルの枚数と同枚数のメダルが自動投入されたものとみなされ、遊技者が新たにメダルを投入することなく、再度、ゲームを行うことが可能な状態となる。尚、本実施形態では、再遊技役はメダルの払出しがないことから、再遊技役を小役に含めていないが、次のゲームのための新たなメダルの投入操作が不要なので、そのゲームに使用したメダルが払い出されたと仮定して、再遊技役を小役として取扱うことも可能である。
BB及びCTは、いわゆるボーナスと称される大役である。主制御基板70による役の抽選処理によりBBに当選すると、BBに入賞することができる権利が発生し、遊技者は、三つの赤7図柄又は三つの青7図柄を有効な入賞ライン上に揃えることができるようになる。三つの赤7図柄又は三つの青7図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、BBの入賞となる。BBに入賞すると、回胴式遊技機では、BBゲームが実行される。BBゲームでは、小役(例えば、チェリー小役、ベル小役、スイカ小役)の当選確率が飛躍的に向上して、遊技者が短期間に多量のメダルを獲得することができる。このBBゲームは、メダルの累積払出枚数が例えば345枚を超えたときに終了する。また、主制御基板70による役の抽選処理によりCTに当選すると、CTに入賞することができる権利が発生し、遊技者は、三つのBAR図柄を有効な入賞ライン上に揃えることができるようになる。この三つのBAR図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、CTの入賞となる。CTに入賞すると、回胴式遊技機では、CTゲームが実行される。CTゲームでは、リール制御が特殊な制御状態となり、役の抽選結果に関係なく、遊技者の技量次第でいずれの小役をも有効な入賞ライン上に揃えることができるようになる。このCTゲームは、メダルの累積払出枚数が例えば150枚を超えたときに終了する。
ところで、上述したように、役抽選処理により所定の役に当選すると、当該役に入賞することができる権利が発生するが、この入賞の権利は、役の種類に応じて異なる性質を有している。役抽選処理により小役又は再遊技役に当選した場合には、その役抽選の行われたゲームで当該小役又は再遊技役に対応する図柄の組合せを有効な入賞ライン上に揃えることができないと、当該小役又は再遊技役に入賞することができる権利は消滅する。すなわち、小役又は再遊技役の入賞の権利は当該役抽選の行われたゲームに関する限り有効である。一方、役抽選処理により大役に当選した場合には、当該大役に対応する図柄の組合せが有効な入賞ライン上に揃うまで、当該大役に入賞することができる権利は消滅しない。上記18種類の役は、入賞の権利が当該ゲーム限りであるかどうかという観点から、普通役と特別役とに分類することができる。すなわち、普通役とは入賞の権利が当該役抽選の行われたゲームに関する限り有効な役のことであり、小役及び再遊技役がこれに該当する。特別役とは当該役に対応する図柄の組合せが有効な入賞ライン上に揃うまで入賞の権利が消滅しない役のことであり、大役がこれに該当する。
払出数表示部22は、各ゲームにおいてそのゲームの結果に応じて払い出されるメダルの払出枚数を表示するものである。払出数表示部22の制御は主制御基板70により行われる。メダル放出口23からは、例えば、遊技者が精算ボタン21を押した場合にそのときのクレジット数に対応する数のメダルが放出される。メダル受皿24は、メダル放出口23から放出されるメダルを蓄積するための皿である。また、払出装置25は、所定の回転機構(不図示)を利用してメダルを一枚ずつメダル放出口23から払い出す装置である。かかる払出装置25の動作は、主制御基板70により制御される。
画像表示部30は、表示窓12の上側に設けられている。本実施形態では、画像表示部30として液晶表示装置を用いている。かかる画像表示部30は、図1及び図2に示すように、液晶パネル31と、液晶制御基板32とを有する。液晶パネル31は表示窓12の上側中央に配置されている。液晶制御基板32は液晶パネル31を制御するものである。画像表示部30は、複数の文字、数字、図形やキャラクター等の画像を液晶パネル31の画面に変動表示することにより、役の成立の予告、所定の情報の告知、その他の遊技に関わる演出を行う。例えば、大当り確定を予告するプレミアム演出を行ったり、有効な入賞ライン上に揃えるべき図柄の種類を告知したりする。この画像表示部30の演出制御は、主制御基板70からのコマンド(指令信号)に基づいて演出制御基板80により行われる。
電飾表示部40は、複数の表示用ランプ(表示素子)を点灯表示することにより、各種の遊技状態を報知したり、遊技に関わる演出を行ったりするものである。本実施形態では、表示用ランプとして、発光ダイオード(light-emitting diode)を用いている。かかる電飾表示部40は、図1に示すように、前扉の裏側であってその外周の各部に設けられている。この電飾表示部40の制御は、主制御基板70からのコマンドに基づいて演出制御基板80により行われる。
スピーカ部50は、音により遊技に関わる演出を行うものである。スピーカ部50の制御は、主制御基板70からのコマンドに基づいて演出制御基板80により行われる。かかるスピーカ部50は、図1及び図2に示すように、第一ドアスピーカ51と、第二ドアスピーカ52と、背面スピーカ53とを有する。第一ドアスピーカ51及び第二ドアスピーカ52はそれぞれ、前扉の裏側上部の左側、右側に設けられている。すなわち、図1において、前扉上部に点線で描いた円の部分が第一ドアスピーカ51及び第二ドアスピーカ52である。また、背面スピーカ53は回胴式遊技機の背面側に設けられている。
インターフェースボード(接続手段)90は、当該回胴式遊技機との間で信号の送受を行う試験装置と接続するためのものである。このインターフェースボード90は取り外し可能に構成されている。通常、回胴式遊技機を出荷する前に、当該回胴式遊技機の性能を評価する試験が行われる。かかる性能評価試験の際、上記の試験装置がインターフェースボード90に接続される。この試験装置は、回胴式遊技機に対して所定の信号を送信することによりゲームを実行させると共に、ゲーム開始の度に主制御基板70から送られる所定の試験信号を取得し、それら取得した試験信号の内容に基づいて所定の遊技データを作成するものである。回胴式遊技機の開発者等は、試験装置で作成された遊技データに基づいて当該回胴式遊技機の性能を評価することになる。そして、性能評価試験の結果、当該回胴式遊技機の性能について何ら問題がないという判断がなされると、インターフェースボード90は当該回胴式遊技機から取り外され、当該回胴式遊技機はインターフェースボード90を取り外した状態で出荷される。
図5は主制御基板70、インターフェースボード90及び試験装置110の概略ブロック図である。図5に示すように、インターフェースボード90には、六つのコネクタ91a,91b,91c,92a,92b,92cが設けられている。コネクタ91a,91b,91cはそれぞれ、主制御基板70のコネクタ75a,75b,75cと接続するためのものである。コネクタ92a,92b,92cはそれぞれ、試験装置110のコネクタ115a,115b,115cと接続するためのものである。主制御基板70と試験装置110との間における信号の送信は、パラレル通信方式により行われる。このため、主制御基板70のコネクタ75a,75b,75cとインターフェースボード90のコネクタ91a,91b,91cとの間を接続する伝送線L1,L2,L3、及び、インターフェースボード90のコネクタ92a,92b,92cと試験装置110のコネクタ115a,115b,115cとの間を接続する伝送線L4,L5,L6としては、パラレル通信用の信号線が用いられている。また、インターフェースボード90には、主制御基板70又は試験装置110から入力した信号を増幅して試験装置110又は主制御基板70に出力する増幅回路等が設けられている。
次に、主制御基板70について説明する。主制御基板70は、主に遊技内容やメダルの払出しの制御及び管理を行う。かかる主制御基板70には、図2及び図5に示すように、乱数発生手段71と、ROM72と、RAM73と、CPU74と、コネクタ75a,75b,75cとを備える。ROM72には、遊技内容の制御等に関する各種のプログラムが格納されている。また、RAM73は、遊技の制御に用いられる複数のデータを一時的に記憶する作業用のメモリである。例えば、投入メダル数に関するデータ、メダルのクレジット数に関するデータ、遊技状態に関するデータ等がRAM73に記憶されている。
CPU74は、ROM72に格納されたプログラムを実行することにより、RAM73に記憶された複数のデータを更新しながら当該複数のデータに基づいて遊技内容の制御等を行う。具体的に、CPU74は、乱数値に基づく役抽選処理を行う役抽選手段としての役割と、回胴リール11a,11b,11cの駆動・停止処理、遊技状態の管理、演出制御基板80へのコマンドの送信処理等を行う遊技制御手段としての役割とを果たす。また、CPU74は、所定の試験信号を作成してインターフェースボード90を介して試験装置110に出力する試験信号作成処理を行う。すなわち、CPU74は、本発明の信号作成手段に該当する。
まず、遊技状態の管理について説明する。本実施形態の回胴式遊技機では、遊技状態として、「一般遊技状態」、「BB内部中状態」、「CT内部中状態」、「BB遊技状態」、「CT遊技状態」が定義されている。尚、以下では、「BB内部中状態」及び「CT内部中状態」をまとめて「大役内部中状態」、「BB遊技状態」及び「CT遊技状態」をまとめて「大役遊技状態」とも称することにする。
「一般遊技状態」とは、再遊技役・小役・大役の抽選が行われる通常の遊技状態のことである。この一般遊技状態におけるゲーム(通常ゲーム)では、役抽選により小役に当選し、当該ゲームの結果が当該小役の入賞であると、メダルの獲得が可能である。遊技状態が一般遊技状態である場合、乱数値に基づく役抽選によりBBに当選すると、CPU74は、直ちに遊技状態を一般遊技状態からBB内部中状態に移行させ、一方、CTに当選すると、CPU74は、直ちに遊技状態を一般遊技状態からCT内部中状態に移行させる。
「BB内部中状態」は、遊技者自身の停止ボタン19a,19b,19cの操作により三つの赤7図柄又は三つの青7図柄を有効な入賞ライン上に揃える機会が与えられた遊技状態である。すなわち、BB内部中状態では、役抽選の結果にかかわらず、三つの赤7図柄又は三つの青7図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能である。遊技状態がBB内部中状態である場合、三つの赤7図柄又は三つの青7図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、CPU74は、次のゲーム時に遊技状態をBB内部中状態からBB遊技状態に移行させる。また、「CT内部中状態」は、遊技者自身の停止ボタン19a,19b,19cの操作により三つのBAR図柄を有効な入賞ライン上に揃える機会が与えられた遊技状態である。すなわち、CT内部中状態では、役抽選の結果にかかわらず、三つのBAR図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能である。遊技状態がCT内部中状態である場合、三つのBAR図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、CPU74は、次のゲーム時に遊技状態をCT内部中状態からCT遊技状態に移行させる。
「BB遊技状態」は、小役の当選確率が飛躍的に向上したBBゲームが行われることにより遊技者が最も多量のメダルを獲得可能が遊技状態である。BBゲームは、メダルの累積払出枚数が345枚を超えたときに終了する。そして、BBゲームが終了すると、CPU74は、次のゲーム時に遊技状態をBB遊技状態から一般遊技状態に移行させる。また、「CT遊技状態」は、CTゲームが行われることによりBB遊技状態に次いで遊技者が多量のメダルを獲得可能が遊技状態である。CTゲームは、メダルの累積払出枚数が150枚を超えたときに終了する。そして、CTゲームが終了すると、CPU74は、次のゲーム時に遊技状態をCT遊技状態から一般遊技状態に移行させる。このように回胴式遊技機が複数の遊技状態を有することにより、遊技状態に応じて多彩な内容の遊技を実現することができる。
CPU74は、ゲームが開始されたときに行われる役抽選の結果やそのゲームの結果等に基づいて遊技状態の移行を制御している。そして、CPU74は、現在の遊技状態の内容を、遊技状態に関するデータで管理している。この遊技状態に関するデータはRAM73に記憶される。遊技状態に関するデータには、例えば、BB内部中フラグ、CT内部中フラグ、BBゲーム累積払出枚数、CTゲーム累積払出枚数等が含まれる。BB内部中フラグはBB内部中状態に関する遊技データであり、現在の遊技状態がBB内部中状態であることを示すものである。CPU74は、遊技状態が一般遊技状態である場合、役抽選によりBBに当選すると、直ちにBB内部中フラグをオンにする。そして、CPU74は、BB内部中フラグがオンである場合(遊技状態がBB内部中状態である場合)に、ゲームの結果がBBの入賞となると、BB内部中フラグをオフにする。CT内部中フラグはCT内部中状態に関する遊技データであり、現在の遊技状態がCT内部中状態であることを示すものである。CPU74は、遊技状態が一般遊技状態である場合、役抽選によりCTに当選すると、直ちにCT内部中フラグをオンにする。そして、CPU74は、CT内部中フラグがオンである場合(遊技状態がCT内部中状態である場合)に、ゲームの結果がCTの入賞となると、CT内部中フラグをオフにする。また、BBゲーム累積払出枚数はBB遊技状態に関する遊技データであり、当該BB遊技状態におけるBBゲームで払い出されたメダルの累積枚数を示すものである。CTゲーム累積払出枚数はCT遊技状態に関する遊技データであり、当該CT遊技状態におけるCTゲームで払い出されたメダルの累積枚数を示すものである。
次に、乱数値に基づく役の抽選処理を説明する。乱数発生手段71は、所定範囲の数値を順次発生すると共に、所定のタイミングで当該数値を乱数値として取得し、その取得した乱数値をCPU74に送出するものである。本実施形態では、乱数発生手段71として、2バイトのハードウェア乱数カウンタを用いることにしている。このため、乱数発生手段71の発生する数値の範囲は、0から65535までの範囲である。したがって、取得される乱数値もこの範囲内の数である。かかる乱数発生手段71は、スタートレバー操作検出センサ64からのゲーム開始信号が送られたときに、乱数値を取得する。その乱数値はCPU74に送られ、CPU74はその送られた乱数値に基づいて役の抽選処理を行う。
役の抽選処理は所定の役抽選テーブルを用いて行われる。かかる役抽選テーブルは、各種の役に対応する乱数値の範囲を当該役の抽選確率に応じて定めたものであり、遊技状態毎に設けられている。各役抽選テーブルはROM72に格納されている。各役抽選テーブルにおいては、0から65535までの合計65536個の全数値データが、各種の役や、いずれの役にも該当しない、いわゆる「不当選」に振り分けられている。CPU74は、乱数発生手段71から送られた乱数値が、役抽選テーブルにおいていずれの役に対応するかを調べることにより、どの役に当選したか、不当選に当選したかを決定する。CPU74は、役抽選の結果に基づいて、遊技内容の制御を行ったり、所定のコマンドを演出制御基板80に送ったりする。
本実施形態では、一般遊技状態に対する役抽選テーブルには、当選可能な役として、各役に単独で当選したという内容の役(単独当選役)と、複数の役に同時に当選したという内容の役(同時当選役)とが定義されている。具体的に、単独当選役としては、図4に示す4種類の再遊技役、12種類の小役、2種類の大役の合計18種類の役がある。また、同時当選役としては、9種類のチャンス小役の各々と2種類の大役の各々とを組み合わせることによって構成される合計18種類の役がある。役抽選により同時当選役に当選した場合には、遊技者はその同時当選役を構成する各役に対応する図柄の組合せを有効な入賞ライン上に揃えることが可能となる。本実施形態では、チャンス小役については、単独で当選するだけでなく、大役と同時に当選することもあるので、遊技者は、ゲームの結果が所定のチャンス小役の入賞となると、大役に当選しているかもしれないと考えることになる。これがチャンス小役における「チャンス」の意味である。
尚、本実施形態では、役抽選により大役に当選した場合に、当該大役に対応する図柄の組合せが有効な入賞ライン上に揃うまで当該大役に入賞することができる権利を消滅させないための方法として、上述したように、BB内部中フラグ・CT内部中フラグをRAM73に保持させておくという方法を用いている。しかし、大役入賞の権利を消滅させないための方法としては、その方法に限られず、例えば、大役内部中状態に対する役抽選テーブルにおいて、当選可能なすべての役を、当該大役との同時当選という形で定義しておくという方法を用いることもできる。
次に、回胴リール11a,11b,11cの駆動・停止処理を説明する。CPU74は、遊技の制御の一つとして、回胴リール11a,11b,11cを駆動及び停止させるリール制御を行う。このCPU74のリール制御には、リール駆動開始制御、リール駆動停止制御がある。リール駆動開始制御とは、所定枚数のメダルが投入されることを条件に、スタートレバー18が押下されたときに、三つの回胴リール11a,11b,11cの駆動動作を開始させる制御である。また、リール駆動停止制御とは、回胴リールが駆動している場合、当該回胴リールに対する停止ボタンが押されたときに、当該回胴リールの駆動を停止させる制御である。ここで、CPU74は、各ゲームにおいて、そのゲームの開始の際に役抽選により決定された役の入賞を許容するように、リール駆動停止制御を行う。具体的に、CPU74は、役抽選で決定された役が普通役(小役、再遊技役)である場合、当該ゲームにおいてのみゲームの結果が当該普通役の入賞となることを許容するようにリール駆動停止制御を行い、役抽選で決定された役が特別役(大役)である場合、その決定が行われたときから当該特別役に入賞するまでゲームの結果が当該特別役の入賞となることを許容するようにリール駆動停止制御を行う。
また、リール駆動停止制御には、小役・再遊技役・大役のいずれかの役の入賞が許容されている場合に行われるリール引込み制御、小役・再遊技役・大役のいずれの役の入賞も許容されていない場合に行われる外れ制御等が含まれる。外れ制御とは、有効な入賞ライン上には小役・再遊技役・大役のいずれの役に対応する図柄の組合せも揃わないように、回胴リールの停止位置を制御することをいう。したがって、この場合には、遊技者が小役・再遊技役・大役のいずれかの役を狙って停止ボタンを押したとしても、当該役には入賞せず、ゲームの結果はいわゆる「はずれ」となる。
リール引込み制御とは、停止ボタンが押されたときに、その押されたタイミングで有効な入賞ライン上にある図柄を含めて当該図柄から所定のコマ数(例えば、5コマ)の範囲内に入賞が許容されている役を構成する図柄が存在するときに、その図柄を当該有効な入賞ライン上に引き込むように回胴リールの停止位置を制御することをいう。但し、遊技者が停止ボタンを押したタイミングにおいて上記の所定のコマ数の範囲内に当該役を構成する図柄が存在しないときには、リールの引込み制御が働かず、押したなりの図柄が有効な入賞ライン上に停止する。したがって、このときには、当該役に対応する図柄の組合せは有効な入賞ライン上に揃わず、当該役に入賞することはない。
特に、本実施形態では、各回胴リール11a,11b,11cに、図3に示すような図柄列を配置している。かかる図柄列では、隣り合うリプレイ図柄同士の間には、多くとも四つの図柄しか含まれていない。また、第二回胴リール11bの図柄列及び第三回胴リール11cの図柄列では、隣り合うベル図柄同士の間には、多くとも四つの図柄しか含まれていない。このため、役抽選により4種類の再遊技役(リプレイ1役、リプレイ2役、リプレイ3役、リプレイ4役)のいずれかに当選した場合には、遊技者が三つの停止ボタン19a,19b,19cをどのようなタイミングで押したとしても、上記リール引込み制御により、当該再遊技役に対応する図柄の組合せが必ず有効な入賞ライン上に揃い、当該ゲームの結果は当該再遊技役の入賞となる。すなわち、役抽選により4種類の再遊技役のいずれかに当選した場合、当該再遊技役が成立する確率は100%であり、当該再遊技役についてはその成立を取りこぼしてしまうことはない。
上述したように、役抽選により同時当選役に当選した場合には、CPU74は、その同時当選役を構成する各役の入賞を許容するように、リールの駆動停止制御を行う。また、遊技状態が大役内部中状態である場合には、CPU74は、今回の役抽選で当選した役の入賞を許容するだけでなく、当該大役の入賞をも許容するように、リールの駆動停止制御を行う。このような場合、CPU74は、その入賞を許容する複数の役については、所定の優先順位にしたがってリール引込み制御を行う。この優先順位は、再遊技役>大役>小役というように予め定められている。例えば、BBとチャンス7小役との入賞が許容されている場合には、CPU74は、BBの入賞をチャンス7小役の入賞よりも優先して許容するように、リール引込み制御を行う。このため、例えば、第一回胴リール11aに対する第一停止ボタン19aが押されたときに、もし赤7図柄がとBAR図柄との両方の図柄が引込み制御可能な範囲に存在すれば、赤7図柄をBAR図柄よりも優先して有効な入賞ライン上に停止するように第一回胴リール11aの停止位置を制御する。また、もしBAR図柄が引込み制御可能な範囲に存在し、赤7図柄が引込み制御可能な範囲に存在しなければ、BAR図柄を有効な入賞ライン上に停止するように第一回胴リール11aの停止位置を制御する。一方、例えば、リプレイ1役とBBとの入賞が許容されている場合には、CPU74は、リプレイ1役の入賞をBBの入賞よりも優先して許容するように、リール引込み制御を行う。しかしながら、本実施形態では、リプレイ1役の成立を取りこぼすことはないので、リプレイ1役に当選した場合には、常に当該ゲームの結果はリプレイ1役の入賞となり、BBの入賞となることはない。このため、遊技状態が大役内部中状態である場合、役抽選によりリプレイ1役に当選してしまうと、遊技者は、当該ゲームにおいては当該大役に対応する図柄の組合せを有効な入賞ライン上に揃えることができない。遊技者は、役抽選により再遊技役以外の役に当選したときに、当該大役に対応する図柄の組合せを有効な入賞ライン上に揃えることが可能である。
尚、回胴式遊技機に関しては、さまざまな規格が定められている。その一つに、スタートレバー18を操作してから4.1秒を経過しないと、次にスタートレバー18を操作しても、回胴リール11a,11b,11cが回転しないという規格がある。このため、CPU74は、かかる規格に合致するように、回胴リール11a,11b,11cの駆動開始制御を行う。但し、スタートレバー18を操作してから4.1秒以内に、次にスタートレバー18を操作した場合であっても、CPU74が、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号を受けて、1枚、2枚若しくは3枚のメダルが投入されたことをすでに認識していれば、乱数値に基づく役抽選処理は行われる。
次に、演出制御基板80へのコマンド送信処理について説明する。CPU74から演出制御基板80に送信するコマンドには多くの種類がある。例えば、役の抽選処理の結果に基づいて作成される遊技の演出に関するコマンド(演出コマンド)や、遊技者によって所定の操作が行われたときに作成されるコマンド(操作コマンド)等がある。CPU74は、これらのコマンドを演出制御基板80に送信することにより、演出制御基板80に様々な情報を伝えて、演出制御基板80を制御している。
CPU74は、スタートレバー18が押下されたときに、上述の役抽選処理を行うと共に、その役抽選の結果に応じた演出コマンドを生成し、その生成した演出コマンドを演出制御基板80に出力する。この演出コマンドの内容は役抽選の結果等を示すものであり、演出制御基板80はかかる演出コマンドに基づいて遊技の演出内容を決定することになる。
また、CPU74は、遊技者によって所定の操作が行われたときに、当該操作が行われた旨の操作コマンドを生成し、その生成した操作コマンドを演出制御基板80に出力する。具体的には、スタートレバー18の押下時、第一停止ボタン19aの押下時、第二停止ボタン19bの押下時、第三停止ボタン19cの押下時、そして、メダルの投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に、操作コマンドが生成される。
次に、CPU74が行う試験信号作成処理について説明する。CPU74は、ゲーム開始の度に所定の試験信号を作成し、インターフェースボード90を介して試験装置110に出力する。CPU74が作成する試験信号としては、普通役信号及び特別役信号と、大役遊技信号とがある。普通役信号は、当該ゲームで入賞が許容されている普通役を示す信号であり、特別役信号は、当該ゲームで入賞が許容されている特別役を示す信号である。大役遊技信号は、現在の遊技状態がBB遊技状態、CT遊技状態、大役遊技状態以外の遊技状態のうちいずれであるかを示す信号である。本実施形態では、普通役信号、特別役信号、大役遊技信号としてそれぞれ、8ビットの信号を用いている。また、ROM72には、入賞許容役と普通役信号及び特別役信号との対応関係を示すテーブルと、遊技状態と大役遊技信号との対応関係を示すテーブルとが格納されている。CPU74は、これらのテーブルを参照して、普通役信号、特別役信号、大役遊技信号を作成する。
図6は入賞許容役と普通役信号及び特別役信号との対応関係を示すテーブルを説明するための図である。8ビットの普通役信号及び特別役信号のうち上位2ビット(第7ビット、第6ビット)の信号は、当該信号が普通役信号であるか特別役信号であるかを示す識別信号として利用される。すなわち、図6に示すように、当該信号が普通役信号である場合には、第7ビットに“0”が、第6ビットに“1”がセットされ、一方、当該信号が特別役信号である場合には、第7ビットに“1”が、第6ビットに“0”がセットされる。
普通役信号の下位6ビット(第5ビット〜第0ビット)の信号は、今回のゲームにおいて入賞が許容されている普通役の種類、すなわち今回のゲームにおいて役抽選で当選した普通役の種類を示す。具体的には、図6に示すように、今回のゲームにおいて「リプレイ1役」に当選した場合には、普通役信号の下位6ビットに“000001”がセットされ、今回のゲームにおいて「リプレイ2役」に当選した場合には、普通役信号の下位6ビットに“000010”がセットされ、今回のゲームにおいて「リプレイ3役」に当選した場合には、普通役信号の下位6ビットに“000011”がセットされ、今回のゲームにおいて「リプレイ4役」に当選した場合には、普通役信号の下位6ビットに“000100”がセットされる。今回のゲームにおいて「チェリー小役」に当選した場合には、普通役信号の下位6ビットに“000101”がセットされ、今回のゲームにおいて「ベル小役」に当選した場合には、普通役信号の下位6ビットに“000110”がセットされ、今回のゲームにおいて「スイカ小役」に当選した場合には、普通役信号の下位6ビットに“000111”がセットされる。そして、今回のゲームにおいて「チャンス1小役」に当選した場合には、普通役信号の下位6ビットに“001000”がセットされ、今回のゲームにおいて「チャンス2小役」に当選した場合には、普通役信号の下位6ビットに“001001”がセットされ、今回のゲームにおいて「チャンス3小役」に当選した場合には、普通役信号の下位6ビットに“001010”がセットされ、今回のゲームにおいて「チャンス4小役」に当選した場合には、普通役信号の下位6ビットに“001011”がセットされ、今回のゲームにおいて「チャンス5小役」に当選した場合には、普通役信号の下位6ビットに“001100”がセットされ、今回のゲームにおいて「チャンス6小役」に当選した場合には、普通役信号の下位6ビットに“001101”がセットされ、今回のゲームにおいて「チャンス7小役」に当選した場合には、普通役信号の下位6ビットに“001110”がセットされ、今回のゲームにおいて「チャンス8小役」に当選した場合には、普通役信号の下位6ビットに“001111”がセットされ、今回のゲームにおいて「チャンス9小役」に当選した場合には、普通役信号の下位6ビットに“010000”がセットされる。
また、今回のゲームにおいて普通役の入賞が許容されていない場合、すなわち、今回のゲームにおいて役抽選で「不当選」に当選又は「BB」若しくは「CT」に単独当選した場合には、CPU74は、普通役信号として入賞が許容されている普通役がないことを示す信号を作成する。具体的に、かかる場合、普通役信号の下位6ビットには“000000”がセットされる。
一方、特別役信号の下位6ビット(第5ビット〜第0ビット)の信号は、今回のゲームにおいて入賞が許容されている特別役の種類を示す。すなわち、今回のゲームにおいて役抽選で当選した大役の種類、又は、以前のゲームにおいて役抽選で大役に当選したが、未だ当該大役に入賞していない場合における大役の種類を示す。具体的には、図6に示すように、今回のゲームでBBの入賞が許容されている場合には、特別役信号の下位6ビットに“000101”がセットされ、今回のゲームでCTの入賞が許容されている場合には、特別役信号の下位6ビットに“000100”がセットされる。また、今回のゲームにおいてBBの入賞、CTの入賞のいずれも許容されていない場合には、CPU74は、特別役信号として入賞が許容されている特別役がないことを示す信号を作成する。具体的に、かかる場合、特別役信号の下位6ビットには“000000”がセットされる。
このように、本実施形態では、普通役信号のうち下位6ビットを利用して、今回のゲームにおいて入賞が許容されている普通役の種類を示すことにしているので、この普通役信号を用いると、入賞が許容されている普通役がないことを含めて、最大64種類の普通役を表現することが可能である。同様に、特別役信号のうち下位6ビットを利用して、今回のゲームにおいて入賞が許容されている特別役の種類を示すことにしているので、この特別役信号を用いると、入賞が許容されている特別役がないことを含めて、最大64種類の特別役を表現することが可能である。すなわち、本実施形態の回胴式遊技機で用いている普通役信号及び特別役信号は、役の種類の増加に対応可能な形式の信号であるといえる。
図7は遊技状態と大役遊技信号との対応関係を示すテーブルを説明するための図である。8ビットの大役遊技信号のうち、第5ビットの信号はCT遊技状態であることを示す信号として使用され、第3ビットの信号はBB遊技状態であることを示す信号として使用される。具体的に、図7に示すように、現在の遊技状態がBB遊技状態である場合には、大役遊技信号の第5ビットに“0”がセットされると共に、第3ビットに“1”がセットされる。現在の遊技状態がCT遊技状態である場合には、大役遊技信号の第5ビットに“1”がセットされると共に、第3ビットに“0”がセットされる。そして、現在の遊技状態が大役遊技状態でない場合、すなわち、一般遊技状態、BB内部中状態、CT内部中状態のいずれかである場合には、大役遊技信号の第5ビット及び第3ビットにそれぞれ“0”がセットされる。尚、実際、大役遊技信号における第5ビット及び第3ビット以外の各ビットは他の情報を試験装置110に通知するために利用されるが、本実施形態では、説明を簡単にするため、それらのビットはすべで“0”であるとする。
CPU74は、ゲームが開始されて役抽選が行われた後、その役抽選の結果及びRAM93に記憶されている遊技状態に関するデータに基づいて、上述したような普通役信号、特別役信号、大役遊技信号を作成する。そして、図5に示すように、普通役信号及び特別役信号は、コネクタ75a、伝送線L1、コネクタ91aを介してインターフェースボード90に送られた後、コネクタ92a、伝送線L4、コネクタ115aを介して試験装置110に送られる。すなわち、普通役信号及び特別役信号はそれぞれ、同一の伝送線L1,L4を介して試験装置110に順次出力される。一方、大役遊技信号は、コネクタ75b、伝送線L2、コネクタ91bを介してインターフェースボード90に送られた後、コネクタ92b、伝送線L5、コネクタ115bを介して試験装置110に送られる。
ここで、普通役信号と特別役信号との送信タイミングを説明する。図8は普通役信号と特別役信号との送信タイミングの一例を説明するための図である。普通役信号及び特別役信号は、スタートレバー18が押下されて今回のゲームが開始してから次回のゲームが開始されるまでの間に試験装置110に出力される。具体的に、図8に示すように、CPU74は、当該ゲームにおいて役抽選が行われた後に、所定のタイミングで普通役信号を試験装置110に出力する。次に、CPU74は、当該普通役信号が出力されてから所定の時間が経過するのを待ち、その後、所定のタイミングで特別役信号を試験装置110に出力する。このように、本実施形態では、普通役信号及び特別役信号をそれぞれ、同一のコネクタ及び伝送線を介して試験装置110に順次送信することにより、普通役信号及び特別役信号を送信するためのハードウェア構成としては従来のものをそのまま利用することができるという利点がある。したがって、回胴式遊技機の開発者等は、役の種類を増加させたゲームの開発を積極的に行うことができる。尚、本実施形態では、普通役信号を特別役信号よりも先に出力する場合について説明するが、特別役信号を普通役信号よりも先に出力するようにしてもよい。
CPU74は、かかる試験信号作成処理を自己の行うメイン処理の一つとして行っている。このため、試験信号作成処理は、回胴式遊技機の出荷前における試験時にのみ行われるのではなく、ゲームが開始される度に常時行われる。但し、回胴式遊技機の出荷後は、インターフェースボード90は当該回胴式遊技機から取り外されているので、CPU74が試験信号作成処理を行っても、試験信号が外部に出力されることはない。
次に、演出制御基板80について説明する。演出制御基板80は、主に遊技の演出に関する制御を行うものである。演出制御基板80は、図2に示すように、ROM81と、RAM82と、CPU83とを有する。ROM81には、遊技演出の制御等に関する各種のプログラムの他に、電飾表示部40を制御するための複数の電飾演出用パターンデータや、スピーカ部50を制御するための複数の音声演出用パターンデータ等の各種のデータが格納されている。RAM82は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。
CPU83は、ROM81に格納されたプログラムを実行することにより、遊技の演出の制御を行う。すなわち、CPU83は、画像表示部30、電飾表示部40、スピーカ部50を制御する演出制御手段としての役割を果たす。具体的に、CPU83は、主制御基板70から演出コマンドを受けたとき、その演出コマンドに基づいて遊技の演出の内容を決定する。そして、CPU83は、その決定した演出内容に対応する画像演出制御用コマンドを作成し、液晶制御基板32に送出する。これにより、液晶制御基板32は、その画像演出制御用コマンドに基づいて所定の画像パターンの表示を制御する。また、CPU83は、その決定した演出内容に対応する電飾演出用パターンデータをROM81から読み出した後、その電飾演出用パターンデータに基づいて所定の点灯指令信号を生成する。そして、CPU83がその生成した点灯指令信号を電飾表示部40に送出すると、電飾表示部40はその点灯指令信号に基づいて所定の点灯表示を行う。更に、CPU83は、その決定した演出内容に対応する音声演出用パターンデータをROM81から取得し、その取得した音声演出用パターンデータに基づいてスピーカ部50を制御する。
次に、回胴式遊技機の性能を評価するための試験装置110について詳しく説明する。
試験装置110は、図5に示すように、ROM111と、RAM112と、CPU(演算手段)113と、表示部(出力手段)114と、コネクタ115a,115b,115cとを備える。この試験装置110としては、例えばパーソナルコンピュータが用いられる。ROM111には、回胴式遊技機の性能評価試験を行うための試験用プログラムが格納されている。また、このROM111には、図6に示すような入賞許容役と普通役信号及び特別役信号との対応関係を示すテーブル、図7に示すような遊技状態と大役遊技信号との対応関係を示すテーブルも記憶されている。RAM112は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。このRAM112には、例えば、回胴式遊技機から送られる試験信号に基づいて作成される各種の遊技データ等が記憶される。表示部114は、各種の遊技データの内容を表示するものである。この表示部114としては、例えば液晶表示装置が用いられる。
回胴式遊技機の性能評価試験を行う場合には、図5に示すように、試験装置110のコネクタ115aは伝送線L4によりインターフェースボード90のコネクタ92aと接続され、試験装置110のコネクタ115bは伝送線L5によりインターフェースボード90のコネクタ92bと接続され、そして、試験装置110のコネクタ115cは伝送線L6によりインターフェースボード90のコネクタ92cと接続される。
CPU113は、インターフェースボード90を介して回胴式遊技機の主制御基板70に各種の遊技操作信号を送信することにより、回胴式遊技機にゲームを実行させる。具体的に、遊技操作信号としては、メダル投入信号、スタートレバー押下信号、第一停止ボタン押下信号、第二停止ボタン押下信号、第三停止ボタン押下信号等がある。メダル投入信号は、投入メダル検出センサ61からの検出信号に相当するものである。このため、CPU74はメダル投入信号を受け取ると、実際にはメダルが投入されていないにもかかわらず、メダルが所定枚数投入されたことを認識する。スタートレバー押下信号は、スタートレバー操作検出センサ64からのゲーム開始信号に相当するものである。このため、CPU74はスタートレバー押下信号を受け取ると、ゲーム開始の処理を行う。第一停止ボタン押下信号、第二停止ボタン押下信号、第三停止ボタン押下信号はそれぞれ、停止ボタン操作検出センサ65a,65b,65cからの検出信号に相当するものである。このため、CPU74は各停止ボタン押下信号を受け取ると、当該停止ボタンに対応する回胴リールの回転動作を停止する。
CPU113が作成した各種の遊技操作信号は、図5に示すように、コネクタ115c、伝送線L6、コネクタ92cを介してインターフェースボード90に送られた後、コネクタ91c、伝送線L3、コネクタ75cを介して主制御基板70に送られる。実際、回胴式遊技機の性能評価試験を行う場合、CPU113は、これらの遊技操作信号を繰り返し何度も主制御基板70に送信し、例えば4000回のゲームを回胴式遊技機に実行させる。
また、CPU113は、回胴式遊技機の主制御基板70から送られる試験信号(普通役信号、特別役信号、大役遊技信号)に基づいて第一の遊技データを作成する。この第一の遊技データは、各回のゲーム毎に、当該ゲームで入賞が許容されている役と当該ゲーム時の遊技状態とを特定したものである。図9は第一の遊技データの一例を示す図である。図9に示すように、第一の遊技データのテーブルには、ゲーム回数を表す「ゲーム数」という項目と、入賞が許容されている役の種類を表す「入賞許容役」という項目と、遊技状態の種類を表す「遊技状態」という項目とが設けられている。「入賞許容役」の項目は、「普通役なし」、「リプレイ1」、「リプレイ2」、・・・、「ベル」、・・・、「チャンス9」、「BB」、「CT」という合計19個の小項目に分けられている。ここで、「普通役なし」とは、入賞が許容されている普通役がないことを意味する。「遊技状態」の項目は、「BB遊技状態」、「CT遊技状態」、「他の遊技状態」という合計3個の小項目に分けられている。ここで、「他の遊技状態」とは、BB遊技状態及びCT遊技状態以外の遊技状態、すなわち、一般遊技状態、BB内部中状態、CT内部中状態を意味する。
CPU113は、試験信号が送られる度に、当該試験信号のうち普通役信号及び特別役信号に基づいて、今回のゲームで入賞が許容されている役を認識する。ここで、CPU113は、ROM111に記憶されている、図6に示すような入賞許容役と普通役信号及び特別役信号との対応関係を示すテーブルを参照して、役の認識を行う。そして、CPU113は、第一の遊技データのテーブルにおいて、今回のゲーム数及びその認識した役に対応する欄に“1”を記載する。また、CPU113は、当該試験信号のうち大役遊技信号に基づいて、今回のゲーム時における遊技状態を認識する。ここで、CPU113は、ROM111に記憶されている、図7に示すような遊技状態と大役遊技信号との対応関係を示すテーブルを参照して、遊技状態の認識を行う。そして、CPU113は、第一の遊技データのテーブルにおいて、今回のゲーム数及びその認識した遊技状態に対応する欄に“1”を記載する。
例えば、第1回目のゲーム時に、普通役信号として“01000000”が、特別役信号として“10000000”が、そして大役遊技信号として“00000000”が主制御基板70から試験装置110に送られてきたとする。この場合、CPU113は、今回のゲームにおいて入賞が許容されている普通役及び特別役がいずれもないこと、及び、今回のゲーム時の遊技状態が大役遊技状態以外の遊技状態であることを認識する。そして、CPU113は、図9に示すように、第一の遊技データのテーブルにおいて、ゲーム数「1」及び「普通役なし」に対応する欄と、ゲーム数「1」及び「他の遊技状態」に対応する欄とにそれぞれ、“1”を記載する。また、第3回目のゲーム時に、普通役信号として“01000001”が、特別役信号として“10000000”が、そして大役遊技信号として“00000000”が主制御基板70から試験装置110に送られてきたとする。この場合、CPU113は、今回のゲームにおいて入賞が許容されている普通役が「ベル小役」であり入賞が許容されている特別役がないこと、及び、今回のゲーム時の遊技状態が大役遊技状態以外の遊技状態であることを認識する。そして、CPU113は、図9に示すように、第一の遊技データのテーブルにおいて、ゲーム数「3」及び「ベル」に対応する欄と、ゲーム数「3」及び「他の遊技状態」に対応する欄とにそれぞれ、“1”を記載する。
また、第6回目のゲーム時に、普通役信号として“01000000”が、特別役信号として“10000101”が、そして大役遊技信号として“00000000”が主制御基板70から試験装置110に送られてきたとする。この場合、CPU113は、今回のゲームにおいて入賞が許容されている普通役がなく入賞が許容されている特別役が「BB」であること、及び、今回のゲーム時の遊技状態が大役遊技状態以外の遊技状態であることを認識する。そして、CPU113は、図9に示すように、第一の遊技データのテーブルにおいて、ゲーム数「6」及び「普通役なし」に対応する欄と、ゲーム数「6」及び「BB」に対応する欄と、ゲーム数「6」及び「他の遊技状態」に対応する欄とにそれぞれ、“1”を記載する。更に、第7回目のゲーム時は、普通役信号として“01000001”が、特別役信号として“10000101”が、そして大役遊技信号として“00000000”が主制御基板70から試験装置110に送られてきたとする。この場合、CPU113は、今回のゲームにおいて入賞が許容されている普通役が「リプレイ1役」であり入賞が許容されている特別役が「BB」であること、及び、今回のゲーム時の遊技状態が大役遊技状態以外の遊技状態であることを認識する。そして、CPU113は、図9に示すように、第一の遊技データのテーブルにおいて、ゲーム数「7」及び「リプレイ1」に対応する欄と、ゲーム数「7」及び「BB」に対応する欄と、ゲーム数「7」及び「他の遊技状態」に対応する欄とにそれぞれ、“1”を記載する。
ところで、図9に示す第一の遊技データのテーブルを見ると分かるように、一般遊技状態、BB内部中状態、CT内部中状態については各ゲーム時の遊技状態として記録がなされていない。これは、遊技状態が一般遊技状態、BB内部中状態、CT内部中状態であるかどうかは、当該ゲーム時の遊技状態と当該ゲームで入賞が許容されている役とに基づいて判別可能であるからである。すなわち、CPU113は、当該ゲーム時の遊技状態が「他の遊技状態」であり、且つ、当該ゲームで入賞が許容されている役に「BB」及び「CT」のいずれも含まれていなければ、当該ゲーム時における遊技状態が一般遊技状態であると判別することができる。一方、CPU113は、当該ゲームで入賞が許容されている役に「BB」又は「CT」が含まれていれば、当該ゲーム時における遊技状態がBB内部中状態又はCT内部中状態であると判別することができる。例えば、図9の例では、第6回目から第8回目までの3回にわたるゲームでは、入賞が許容されている役に「BB」が含まれているので、CPU113は、これら3回のゲームにおける遊技状態がBB内部中状態であると判断する。このように、CPU113は、第一の遊技データに基づいて、各ゲーム時の遊技状態が一般遊技状態、BB内部中状態、CT内部中状態、BB遊技状態、CT遊技状態のうちいずれの遊技状態であるかを認識することができる。
更に、CPU113は、第一の遊技データを作成した後、その第一の遊技データに基づいて第二の遊技データ、第三の遊技データを作成する。図10(a)は第二の遊技データの一例を示す図、図10(b)は第三の遊技データの一例を示す図である。第二の遊技データは、図10(a)に示すように、BB内部中ゲーム率、CT内部中ゲーム率、BBゲーム率、CTゲーム率、通常ゲーム率を示したものである。BB内部中ゲーム率は、全ゲーム回数に対するBB内部中状態におけるゲーム(BB内部中ゲーム)の回数の割合であり、CT内部中ゲーム率は、全ゲーム回数に対するCT内部中状態におけるゲーム(CT内部中ゲーム)の回数の割合である。BBゲーム率は、全ゲーム回数に対するBB遊技状態におけるゲーム(BBゲーム)の回数の割合であり、CTゲーム率は、全ゲーム回数に対するCT遊技状態におけるゲーム(CTゲーム)の回数の割合である。そして、通常ゲーム率は、全ゲーム回数に対する一般遊技状態におけるゲーム(通常ゲーム)の回数の割合である。CPU113は、第一の遊技データに基づいて、各遊技状態において行われたゲームの回数を集計し、その集計した遊技状態毎のゲームの回数を用いて上記各ゲーム率を算出することができる。また、第三の遊技データは、図10(b)に示すように、ゲーム数に応じた各遊技状態の分布を表示したグラフである。CPU113は、第一の遊技データに基づいて各ゲーム時の遊技状態を認識することにより、かかるグラフを作成することができる。回胴式遊技機の開発者等は、第一の遊技データ、第二の遊技データ及び第三の遊技データに基づいて当該回胴式遊技機の性能を容易に評価することができる。
上述したことから分かるように、本実施形態では、以下の各工程を備える試験方法を用いて、回胴式遊技機の性能を評価する試験を行っている。すなわち、かかる回胴式遊技機の試験方法は、主制御基板70のCPU74が、ゲームが開始される度に複数種類の役の中から所定の役を抽選で決定する抽選工程と、CPU74が、抽選工程において抽選を行う度に、今回のゲームにおいて入賞が許容されている普通役を示す普通役信号と今回のゲームにおいて入賞が許容されている特別役を示す特別役信号とを作成する信号作成工程と、CPU74が、信号作成工程において作成した普通役信号及び特別役信号をそれぞれ、同一の伝送線を介して試験装置に順次出力する信号出力工程と、試験装置110のCPU113が、信号出力工程においてCPU74から出力された普通役信号と特別役信号とを受け取る度に、当該普通役信号及び当該特別役信号に基づいて今回のゲームにおいて入賞が許容されている役の種類を認識すると共に、その認識した各種の役を集計する集計工程とを備えるものである。
次に、本実施形態の回胴式遊技機において主制御基板70のCPU74が行うメイン処理の手順について説明する。図11は主制御基板70のCPU74が行うメイン処理の手順を説明するためのフローチャートである。
まず、主制御基板70のCPU74は、メダル投入操作待ち処理を行う(S1)。すなわち、CPU74は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62若しくは一枚投入ボタン操作検出センサ63からの検出信号、又は試験装置110からのメダル投入信号が送られてくるのを待つ。そして、CPU74は、かかる信号を受け取り、所定枚数のメダルが投入されたことを認識すると、メダル投入口13からメダルが所定枚数投入された旨又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16が所定回数押下された旨の操作コマンドを作成し、演出制御基板80に送信する。
次に、CPU74は、スタートレバー押下待ち処理を行う(S2)。すなわち、CPU74は、スタートレバー操作検出センサ64からの検出信号、又は試験装置110からのスタートレバー押下信号が送られてくるのを待つ。CPU74は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号を受けているときに、スタートレバー操作検出センサ64から信号を受けると、ゲームが開始されたことを認識する。同様に、CPU74は、試験装置110からのメダル投入信号を受けているときに、試験装置110からのスタートレバー押下信号を受けると、ゲームが開始されたことを認識する。そして、CPU74は、スタートレバー18が押下された旨の操作コマンドを作成し、演出制御基板80に送信する。
こうしてゲームが開始されると、CPU74は、乱数値に基づく役抽選処理を行う(S3)。すなわち、主制御基板70の乱数発生手段71は、スタートレバー操作検出センサ64からの信号又は試験装置110からのスタートレバー押下信号を受けたタイミングで、乱数値を取得して、その取得した乱数値をCPU74に送る。CPU74は、現在の遊技状態に基づいて所定の役抽選テーブルを特定した後、その特定した役抽選テーブルに基づいて、当該取得された乱数値がどの役に対応するかを調べることにより、どの役に当選したか、不当選に当選したかを決定する。また、このとき、CPU74は、今回の役抽選結果に基づいて遊技状態に関するデータの内容を更新する。その後、CPU74は、役の抽選結果に基づいて演出コマンドを作成し、その作成した演出コマンドを演出制御基板80に送信する(S4)。尚、ここでは、演出コマンドが、スタートレバー18が押下された旨の操作コマンドとしての役割をも果たすものとする。
次に、CPU74は、試験信号作成処理を行う(S5)。図12は主制御基板70のCPU74が行う試験信号作成処理の手順を説明するためのフローチャートである。尚、上述したように、試験信号は試験装置110で利用されるものであるので、回胴式遊技機からインターフェースボード90が取り外されていれば、この試験信号作成処理は何らの意味も持たない。
まず、CPU74は、ステップS3の役抽選処理で当選した役、及び、RAM73に記憶されている遊技状態に関するデータに基づいて、今回のゲームで入賞が許容されている普通役及び特別役と、今回のゲーム時における遊技状態とを認識する。そして、CPU74は、ROM72に記憶されている入賞許容役と普通役信号及び特別役信号との対応テーブルを参照して、その認識した普通役に対応する普通役信号の下位6ビットの内容と、その認識した特別役に対応する特別役信号の下位6ビットの内容とを作成し、それぞれRAM73の所定領域に一時記憶する(S51)。また、CPU74は、ROM72に記憶されている遊技状態と大役遊技信号との対応テーブルを参照して、その認識した遊技状態に対応する大役遊技信号の内容を作成し、RAM73の所定領域に一時記憶する。
次に、CPU74は、RAM73の所定領域に記憶されている普通役信号の下位6ビットの内容を読み出し、図示しないレジスタの第5ビットから第0ビットにセットする(S52)。そして、CPU74は、そのレジスタの第7ビットに“0”を、第6ビットに“1”をセットする(S53)。これにより、そのレジスタには普通役信号の内容がセットされる。その後、CPU74は、そのレジスタにセットされた普通役信号を、コネクタ75aから伝送線L1、コネクタ91aを介してインターフェースボード90に出力する(S54)。この普通役信号は、インターフェースボード90のコネクタ92a、伝送線L4、コネクタ115aを介して試験装置110に送られる。
次に、CPU74は、一定時間、ウエイト処理を行った後(S55)、RAM73の所定領域に記憶されている特別役信号の下位6ビットの内容を読み出し、上記レジスタの第5ビットから第0ビットにセットする(S56)。そして、CPU74は、そのレジスタの第7ビットに“1”を、第6ビットに“0”をセットする(S57)。これにより、そのレジスタには特別役信号の内容がセットされる。その後、CPU74は、そのレジスタにセットされた特別役信号を、コネクタ75aから伝送線L1、コネクタ91aを介してインターフェースボード90に出力する(S58)。この特別役信号は、インターフェースボード90のコネクタ92a、伝送線L4、コネクタ115aを介して試験装置110に送られる。
次に、CPU74は、RAM73の所定領域に記憶されている大役遊技信号の内容を読み出し、図示しないレジスタにセットする(S59)。その後、CPU74は、そのレジスタにセットされた大役遊技信号を、コネクタ75bから伝送線L2、コネクタ91bを介してインターフェースボード90に出力する(S60)。この大役遊技信号は、インターフェースボード90のコネクタ92b、伝送線L5、コネクタ115bを介して試験装置110に送られる。以上で、図12に示す試験信号作成処理が終了する。尚、ステップS59及びS60の処理を、ステップS52〜S58の処理より先に行うようにしてもよい。
こうして、ステップS5の試験信号作成処理が終了すると、CPU74は、4.1秒待ち処理を行う(S6)。すなわち、CPU74は、前回のスタートレバー操作検出センサ64からの信号又は前回の試験装置110からのスタートレバー押下信号を受けてから4.1秒経過するのを待つ。そして、4.1秒経過すると、CPU74は、回胴リール駆動手段66a,66b,66cを制御して、三つの回胴リール11a,11b,11cを回転させる(S7)。
次に、CPU74は、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止処理を行う(S8)。すなわち、CPU74は、第一停止ボタン操作検出センサ65aから信号を受けたとき又は試験装置110から第一停止ボタン押下信号を受けたときに、第一回胴リール駆動手段66aを制御して、第一回胴リール11aを停止させる。そして、第一停止ボタン19aが押下された旨の操作コマンドを作成し、演出制御基板80に送信する。また、CPU74は、第二停止ボタン操作検出センサ65bから信号を受けたとき又は試験装置110から第二停止ボタン押下信号を受けたときに、第二回胴リール駆動手段66bを制御して、第二回胴リール11bを停止させる。そして、第二停止ボタン19bが押下された旨の操作コマンドを作成し、演出制御基板80に送信する。更に、CPU74は、第三停止ボタン操作検出センサ65cから信号を受けたとき又は試験装置110から第三停止ボタン押下信号を受けたときに、第三回胴リール駆動手段66cを制御して、第三回胴リール11cを停止させる。そして、第三停止ボタン19cが押下された旨の操作コマンドを作成し、演出制御基板80に送信する。
こうして、三つの回胴リール11a,11b,11cがすべて停止すると、CPU74は、有効な入賞ライン上に停止表示している図柄の組合せを認識し、入賞判定処理を行う(S9)。この入賞判定処理により、例えば、当該ゲームの結果が小役の入賞であると判定すると、CPU74は、所定枚数のメダルを払い出す。また、このとき、CPU74は、今回のゲームの結果に基づいて遊技状態に関するデータの内容を更新する。以上で、図11に示す処理フローが終了するが、その後、CPU74は、再びステップS1から処理を開始する。
次に、試験装置110が主制御基板70からの試験信号を受信する際に行う処理(試験信号受信処理)の手順について説明する。図13は試験装置110のCPU113が行う試験信号受信処理の手順を説明するためのフローチャートである。
まず、CPU113は、試験信号の入力待ち処理を行う(S101)。すなわち、CPU113は、コネクタ115aを介して普通役信号又は特別役信号が送られてくるのを待つと共に、コネクタ115bを介して大役遊技信号が送られてくるのを待つ。CPU113は、試験信号を受け取ると、その受け取った試験信号がコネクタ115aを介して入力されたものであるかどうかを判断する(S102)。その試験信号がコネクタ115aを介して入力されたものであれば、ステップS105に移行する。
一方、ステップS102の処理において試験信号がコネクタ115aを介して入力されたものでなく、コネクタ115bを介して入力されたものであると判断すると、CPU113は、この試験信号が大役遊技信号であることを認識し、その大役遊技信号の内容から今回のゲーム時の遊技状態に関する情報を取得する(S103)。そして、CPU113は、その取得した遊技状態に関する情報を、第一の遊技データのテーブルに記録する(S104)。その後は、ステップS101に移行する。
ステップS105では、CPU113は、当該試験信号の第6ビットが“1”であるかどうかを判断する。第6ビットが“1”であれば、CPU113は、この試験信号が普通役信号であることを認識し、その普通役信号の下位6ビットの内容から今回のゲームにおいて入賞が許容されている普通役に関する情報を取得する(S106)。そして、CPU113は、その取得した普通役に関する情報を、第一の遊技データのテーブルに記録する(S107)。その後は、ステップS101に移行する。
ステップS105の処理において試験信号の第6ビットが“1”でないと判断すると、CPU113は、この試験信号の第7ビットが“1”であるかどうかを判断する(S108)。第7ビットが“1”でなければ、CPU113は、当該試験信号は不正信号であるとして、何らの処理を行わない。その後は、ステップS101に移行する。一方、第7ビットが“1”であれば、CPU113は、この試験信号が特別役信号であることを認識し、その特別役信号の下位6ビットの内容から今回のゲームにおいて入賞が許容されている特別役に関する情報を取得する(S109)。そして、CPU113は、その取得した特別役に関する情報を、第一の遊技データのテーブルに記録する(S110)。その後は、ステップS101に移行する。
本実施形態の回胴式遊技機では、主制御基板のCPUは、役抽選を行う度に、今回のゲームにおいて入賞が許容されている普通役(小役、再遊技役)を示す普通役信号と今回のゲームにおいて入賞が許容されている特別役(大役)を示す特別役信号とを作成し、その作成した普通役信号及び特別役信号をそれぞれ、同一の伝送線を介して試験装置に順次出力する。このように、主制御基板のCPUは、各回のゲームにおいて役抽選で決定された役を示す信号を作成するのではなく、当該ゲームにおいて入賞が許容されている普通役を示す普通役信号と当該ゲームにおいて入賞が許容されている特別役を示す特別役信号とを作成して出力する。このため、試験装置は、回胴式遊技機から送られる特別役信号に基づいて各ゲームにおいて遊技状態が大役内部中状態であるかどうかを認識することができるので、大役内部中状態におけるゲームの回数を容易に集計することができる。しかも、複数種類の役を普通役と特別役とに分け、各回のゲームにおいて入賞が許容されている役を示す信号として普通役信号、特別役信号という二つの信号を作成することにしているので、かかる普通役信号及び特別役信号を用いると、役の種類の増加に容易に対応することができる。また、普通役信号及び特別役信号をそれぞれ、同一の伝送線を介して試験装置に順次送信することにより、普通役信号及び特別役信号を送信するためのハードウェア構成としては従来のものをそのまま利用することができるという利点がある。
また、本実施形態では、主制御基板のCPUは、今回のゲームにおいて普通役の入賞が許容されていない場合、普通役信号として入賞が許容されている普通役がないことを示す信号を作成し、今回のゲームにおいて特別役の入賞が許容されていない場合、特別役信号として入賞が許容されている特別役がないことを示す信号を作成する。これにより、試験装置は、回胴式遊技機から送られる普通役信号及び特別役信号に基づいて、役抽選により今回のゲームでいずれの役にも該当しない、いわゆる「不当選」に当選したことや、今回のゲームでは特別役の入賞が許容されていないことを容易に把握することができる。
更に、本実施形態の回胴式遊技機の試験方法は、主制御基板のCPUが、ゲームが開始される度に複数種類の役の中から所定の役を抽選で決定する抽選工程と、主制御基板のCPUが、抽選工程において抽選を行う度に、今回のゲームにおいて入賞が許容されている普通役を示す普通役信号と今回のゲームにおいて入賞が許容されている特別役を示す特別役信号とを作成する信号作成工程と、主制御基板のCPUが、信号作成工程において作成した普通役信号及び特別役信号をそれぞれ、同一の伝送線を介して試験装置に順次出力する信号出力工程と、試験装置のCPUが、信号出力工程において主制御基板のCPUから出力された普通役信号と特別役信号とを受け取る度に、当該普通役信号及び当該特別役信号に基づいて今回のゲームにおいて入賞が許容されている役の種類を認識すると共に、その認識した各種の役を集計する集計工程とを備えている。このため、試験装置は、回胴式遊技機の信号作成手段から送られる特別役信号に基づいて各回の遊技において入賞が許容されている特別役があるかどうかを認識することができるので、各種の特別役の入賞が許容されている遊技の回数を容易に集計することができる。しかも、複数種類の役を普通役と特別役とに分け、各回の遊技において入賞が許容されている役を示す信号として普通役信号、特別役信号という二つの信号を作成することにしているので、かかる普通役信号及び特別役信号を用いると、役の種類の増加に容易に対応することができる。また、主制御基板のCPUが普通役信号及び特別役信号をそれぞれ、同一の伝送線を介して試験装置に順次送信することにより、試験装置のハードウェア構成としては従来のものをそのまま利用することができるという利点がある。
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。