以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態によるスロットマシンを詳細に説明する。スロットマシンは、図柄が付された回転可能な複数のリールと、複数のリールを一斉に回転させる開始操作をするためのスタートレバーと、リールの回転を個々に停止させる操作をするための複数のストップボタンと、役の抽選を行う役抽選手段とを備え、役抽選手段により当選した役に対応する図柄が停止したリールにより表示されたときに当該役が入賞する遊技を提供する遊技機である。
例えば、営利目的で遊技を提供するような遊技場に設置されるスロットマシンにおいては、遊技の進行に伴う遊技状態等の情報を示す信号を外部に出力するための外部信号出力手段が備えられる。遊技状態等の情報を示す信号を外部に出力する典型的な例は、所定のインターフェース基板を介して外部の試験装置に接続し、試験装置が行う制御により遊技を所定回数連続的に再現して、スロットマシンが適正な範囲で動作するか否かの試験(いわゆる「打ち込み再現試験」)する場合である。通常の遊技動作時には、上述した所定のインターフェース基板がスロットマシンに接続されないため、スロットマシンの内部情報が出力されることはない。ここでは、はじめに、外部への信号出力のためのインターフェース基板が接続されない通常の状態で遊技が実行される、スロットマシンの実施形態を説明する。
[スロットマシンの前面外観構成]
図1は、本発明の実施の形態によるスロットマシン10の前面外観を示す正面図である。スロットマシン10は、略矩形状の箱体である筐体を備え、前扉20が筐体の開口を開閉可能とするように設けられる。通常は、図1に示されるように、前扉20が開口を閉塞する位置で筐体にロックされる。
前扉20は、遊技者に対し視覚的な演出効果を高めるような意匠が施されたパネル部材により構成される。前扉20のパネル部材は、リール40L、40C、40Rに付された図柄の表示等を行う遊技領域である中段位置の中央パネル部30と、中央パネル部30の下方において主にリールの回転及び停止等の遊技操作を行うためのスイッチ等が配置される操作パネル部50と、中央パネル部30の上方において主に遊技演出のためのランプやスピーカ等が配置される上部パネル部60と、操作パネル部50の下方においてスロットマシン10の遊技において登場するキャラクタなどが描かれる下部パネル部70と、により概ね構成される。なお、前扉20は、中央パネル部30、操作パネル部50、上部パネル部60及び下部パネル部70等がそれぞれユニット化されたパネル部材により組み立てられる。また、これらパネル部が一体として構成される1つのパネル部材により前扉20を製造してもよい。
中央パネル部30には、硬質アクリル等の樹脂板からなる中パネル31が設けられる。その中パネル31の略中央には、3列の縦長矩形の透明部からなる表示窓32が形成される。この表示窓32を通して、筐体内部のリール40L、40C、40Rのそれぞれ横3列×縦3コマの合計9コマの図柄が視認可能とされている。
表示窓32には、リール40L、40C、40Rを横切る5本のラインが設定されている。これら5本のラインは、水平方向の3本のライン(水平中段L1、水平上段L2A、水平下段L2B)と、斜め方向の2本のライン(斜め右下がりL3A、斜め右上がりL3B)とからなる。詳細は後述するが、これらのラインL1、L2A、L2B、L3A、L3Bのうち、当該遊技に賭けられる遊技媒体であるメダルの数(以下「ベット数」という)に応じて入賞判定の基準となるライン(以下「有効ライン」という)が選択される。有効ラインとして選択されたライン上に所定の組み合せの図柄が停止して表示されたとき、その図柄の組み合せに対応する役(例えばメダルを獲得できる小役や他の特別遊技状態への移行させる特別遊技役など)が成立することとなる。
中央パネル部30の中パネル31には、表示窓32の他に、遊技に関する各種情報を遊技者へ知らせるための各種ランプ及び表示器等が設けられている。
例えば、中パネル31には、左端の表示窓32に隣接して3つの操作指示ランプ33L、33C、33Rが設けられる。これら操作指示ランプ33L、33C、33Rは、それぞれ後述するストップボタン56L、56C、56R及びリール40L、40C、40Rに対応している。例えば、リール40L、40C、40Rが回転しているときに、何れか1つの操作指示ランプ33L、33C、33Rが点灯することで、停止させるべきリールを遊技者に報知して、停止操作をアシストすることができる。
また、中パネル31の下部には、3つのベット数表示ランプ34a、34b、34cと、クレジット数表示器35と、獲得枚数表示器36とが設けられる。
ベット数表示ランプ34a、34b、34cは、当該遊技に賭けられたメダルの枚数を表示するランプである。すなわち、1枚のメダルが賭けられるとベット数表示ランプ34aのみが点灯し、2枚のメダルが賭けられるとベット数表示ランプ34a及び34bが点灯し、3枚のメダルが賭けられると全てのベット数表示ランプ34a、34b及び34cが点灯する。
クレジット数表示器35は、2桁の7セグメント数値表示器からなり、スロットマシン10にクレジット(内部貯留)されているメダルの枚数を随時表示する。なお、遊技者はスロットマシン10にクレジットされたメダルを自由に使用することができ、そのクレジット数が後述するメイン制御基板100のRAM103に記録されて管理される。
獲得枚数表示器36は、2桁の7セグメント数値表示器からなり、当該遊技において入賞系の役が成立することにより遊技者に払い出されるメダルの枚数を表示する。なお、入賞によりメダルを払い出す態様としては、スロットマシン10の内部にクレジットする場合と、後述するメダル払出口71からメダルを排出する場合とがある。
中央パネル部30の下方に設けられる操作パネル部50は、その上面が若干傾斜する卓状面50aを有しており、その卓状面50aの右部に遊技者がスロットマシン10へメダルを投入するためのメダル投入口51が設けられる。このメダル投入口51の内部には、投入されたメダルを検出し、かつ、正規・非正規のメダルを振り分けるメダルセレクタ28が設けられる。スロットマシン10のメイン制御基板100は、このメダルセレクタ28が出力するメダル検知信号の回数を計測することで、投入されたメダルの枚数を認識する。
操作パネル部50の卓状面50aの左部には、遊技者がクレジットからメダルを賭ける指示をするための1−ベットボタン52及びマックスベットボタン54が設けられる。1−ベットボタン52が操作されると、スロットマシン10にクレジットされているメダルのうち1枚が遊技に賭けられる。マックスベットボタン54が操作されると、クレジットされているメダルのうち3枚が遊技に賭けられる。1−ベットボタン52又はマックスベットボタン54の操作によりメダルが賭けられると、その賭けられたメダルの枚数がクレジット数から減算され、これに伴ってクレジット数表示器35の表示値も減算される。
なお、スロットマシン10にメダルが全く賭けられていない状態で遊技者がメダル投入口51からメダルを投入すると、そのメダルが投入されるごとにベット数表示ランプ34a、34b、34cが順次点灯し、それぞれの枚数に応じたメダルがスロットマシン10に賭けられる。そして、賭けられたメダルの枚数が規定数最多の3枚になると、それ以降メダルが投入されるごとにクレジット数が加算され、これに伴ってクレジット数表示器35の表示値も加算される。
ここで、スロットマシン10に1枚のメダルが賭けられた遊技では、上述した5本のラインのうち、例えば中段のラインL1だけが入賞判定の基準となる有効ラインとして選択される。また、2枚のメダルが賭けられた遊技では、例えば3本の水平のラインL1、L2A、L2Bが有効ラインとして選択される。また、最多の3枚のメダルが賭けられた遊技では、例えば下段のラインL2Bを除く4本のラインL1、L2A、L3A、L3Bが有効ラインとして選択される。このように、スロットマシン10の遊技では、賭けられるメダルの枚数が多いほど、有効ラインとして選択されるラインが増えるため、図柄を揃えることによる入賞の機会も増すこととなる。また、賭けたメダルの枚数に関わらず全てのラインL1、L2A、L2B、L3A、L3Bを有効にするとともに、メダルの数に応じて役の当選確率を異なるようにして入賞の機会を増やしてもよい。
操作パネル部50の正面左部には、傾倒操作が可能な操作ノブを有するスタートレバー55が設けられる。遊技者がスロットマシン10にメダルを賭けた後、スタートレバー55を操作すると、全てのリール40L、40C、40Rが一斉に回転を開始する。これにより、円筒状のリール40L、40C、40Rの各外周面に印刷された図柄が、表示窓32を通して上から下へと移動(スクロール)して表示される。
操作パネル部50の正面の中央部には、遊技者の押圧操作によってリール40L、40C、40Rの回転を停止させる操作(これを「停止操作」という)をするための、3つのストップボタン56L、56C、56Rが設けられる。左端のストップボタン56Lは左端のリール(左リール)40Lに対応し、中央のストップボタン56Cは中央のリール(中リール)40Cに対応し、右端のストップボタン56Rは右端のリール(右リール)40Rに対応している。
すなわち、スロットマシン10は、スタートレバー55の傾倒操作により回転したリール40L、40C、40Rに対し、ストップボタン56Lが操作されるとリール40Lが停止し、ストップボタン56Cが操作されるとリール40Cが停止し、ストップボタン56Rが操作されるとリール40Rが停止するように構成されている。また、ストップボタン56L、56C、56Rの操作を契機に対応するリール40L、40C、40Rが停止するときには、規定される制御コマ数(停止操作を受け付けた瞬間からリールが停止するまでにラインを越える図柄の数のこと。例えば5コマ)以内の図柄が水平のラインL1、L2A、L2Bの定位置にそれぞれ必ず停止するように制御される。
なお、スタートレバー55の傾倒操作を契機にリール40L、40C、40Rの回転が開始してから定速回転(例えば、80回転/分)に達するまでは、ストップボタン56L、56C、56Rによるリール40L、40C、40Rへの停止操作は受け付けられず無効とされる。
中央パネル部30の上方に位置する上部パネル部60には、その中央部に例えばカラー液晶ディスプレイからなる画像表示装置61が設けられる。画像表示装置61は、例えば遊技の進行に応じて展開するアニメーションを演出画像として表示する。なお、スロットマシンに設けられる表示装置としては、画像表示装置61でなくても、例えばドットマトリクス式の表示装置であってもよい。また、遊技履歴や内部抽選結果の情報を文字や記号等で直接的に表示するものでもよく、そのような情報をコード化して表示するものでもよい。すなわち、表示装置として、用途や目的に適合したあらゆる方式の表示手段を用いることができる。
また、上部パネル部60には、上部ランプ62及びコーナーランプ63L、63Rが設けられる。上部ランプ62及びコーナーランプ63L、63Rは、例えばリール40L、40C、40Rが停止して何れかの役が成立した場合において、その役に応じたパターンで点灯及び点滅することで、役の成立を視覚的に演出する。
また、上部パネル部60には、ステレオのスピーカ64L、64Rが設けられる。例えば画像表示装置61が表示する動画の演出画像に伴って、演出効果音がスピーカ64L、64Rを介して出力される。
中央パネル部30の下方に位置する下部パネル部70には、メダル払出口71と受け皿72とが設けられる。メダル払出口71は、スロットマシン10の筐体内部に収容されるメダル払出装置83が放出するメダルを受け皿72に払い出す開口として形成される。
また、下部パネル部70の下方部左右にはスピーカ73L、73Rが設けられる。例えば、遊技において何らかの役が成立したとき、上部ランプ62及びコーナーランプ63L、63R等の演出ランプの点灯や点滅に連動した効果音がスピーカ73L、73Rを介して出力される。
[スロットマシンのシステム構成]
図2は、スロットマシン10を制御する全体のシステム構成を示すブロック図である。また、図3は、スロットマシン10における制御手段を示すブロック図である。メイン制御基板100は、主として遊技の進行を制御する制御回路基板であり、CPU(中央処理装置)101と、ROM(読み取り専用の不揮発メモリ)102と、RAM(読み書き可能な作業用メモリ)103とを備えている。メイン制御基板100のCPU101がROM102に記憶されるプログラムに従って演算処理を実行することで、スロットマシン10における遊技進行及び全体的なシステム制御が実行される。
また、メイン制御基板100のROM102には、スロットマシン10の遊技に係る制御プログラムの他に、例えば図4に示されるような図柄番号と種別コードとが対応付けられた図柄番号テーブル、役と図柄とを対応付けた役図柄テーブル、及び、各役の当選数値又は当選数値の範囲が割り当てられた役抽選テーブルなどのテーブルデータが記憶される。また、ROM102には、ストップボタン56L、56C、56Rの停止操作の順序(「停止操作順」又は単に「押し順」ともいう)と、所定の役(重複当選役も含む)と停止操作順とを対応付けた停止操作順テーブルのデータなども記憶される。
メイン制御基板100のRAM103には、CPU101が上述したプログラムの処理を行う過程で参照する変数や各種フラグが記憶される。例えば、上述したクレジット数の他に、当該遊技において賭けられたベット数、役の抽選のため取得した乱数値、表示窓32に停止した図柄の図柄番号、入賞により払い出されたメダルの枚数、特定の遊技状態における遊技回数などの変数データを一時的に記憶する変数メモリ領域がRAM103に設定されている。また、RAM103には、内部抽選による結果を示す当選役フラグ581、成立した役を示す役成立フラグ582及び当該遊技の遊技状態を示す例えばRT状態フラグ583などのフラグ領域が設定されている。
メイン制御基板100の信号力ポートには、図1に示したスタートレバー55、ストップボタン56L、56C、56R、1−ベットボタン52及びマックスベットボタン54などのスイッチ類が接続される。そして、これらスイッチ類からの回転開始信号や停止操作信号などの接点信号がメイン制御基板100に入力され、遊技者が行った操作がCPU101に認識される。また、メイン制御基板100には、メダルセレクタ28が接続される。メダルセレクタ28は、メダル投入口51から投入されたメダルが正規であると判別したことを示すメダル検知信号をメイン制御基板100に対し出力する。
メイン制御基板100に備えられる乱数発生器108は、例えば0〜65535の範囲で値が繰り返される乱数値を出力する。メイン制御基板100の役抽選手段502は、遊技にメダルが賭けられた後にスタートレバー55が操作され、それにより生じる回転開始信号を受けた時点で乱数発生器108から乱数値を取得する。そして、役抽選手段502は、ROM102の役抽選テーブルで参照される、この乱数値が属する当選数値範囲に対応する役を当選役として選択する。なお、本実施の形態のようにハードウェアの乱数発生器108によって乱数を発生させる代わりに、CPU101の演算処理による、いわゆるソフトウェア乱数処理により抽選のための乱数値が取得されてもよい。メイン制御基板100の役抽選手段502により行われる抽選を本明細書では「役抽選」又は「内部抽選」という。また、当選した役を「当選役」といい、遊技において当選した役が少なくとも1つ存在する状態を「当選状態」又は「内部当選中」ともいう。この役抽選手段502は、小役や再遊技役等の役の抽選だけでなく、メイン制御基板100側で行うフリーズ等の特殊な演出の条件設定(フリーズ開始要件、フリーズ演出内容及びフリーズ時間など)、及び、所定の図柄が表示されるか又は表示されないようにするストップボタン56L、56C、56Rの停止操作順の選択などの抽選処理をすることも可能である。
また、メイン制御基板100には、ベット数表示ランプ34a、34b、34c、クレジット数表示器35及び獲得枚数表示器36等の表示器類が接続される。メイン制御基板100のCPU101は、1−ベットボタン52又はマックスベットボタン54等により賭けられたメダルのベット数に応じて、ベット数表示ランプ34a、34b、34cを点灯させる。また、RAM103に記憶されるクレジット数及び払い出されたメダルの枚数などの情報データがセグメントコードにコード化されて、クレジット数表示器35及び獲得枚数表示器36に表示される。
メイン制御基板100には、また、リール40L、40C、40Rを回転駆動させるリール駆動手段41が接続される。リール駆動手段41は、各リール40L、40C、40Rの駆動軸に連結する例えばステッピングモータからなり、メイン制御基板100のリール回転制御手段503から送信される励磁データ信号(駆動パルス信号)に応じて各リール40L、40C、40Rの回転及び停止の動作を制御する。なお、本明細書では、リールの回転及び停止の制御を含めて「回転制御」という。
なお、メイン制御基板100に設けられるリール回転制御手段503は、各リール40L、40C、40Rに設けられるフォトセンサが各リールの回転基準位置を示す基準位置信号を受信し、その受信した時点を基準にして現時点のリール40L、40C、40Rの各回転位置を検出する。検出された各リール40L、40C、40Rの回転位置の情報がRAM103のリール制御フラグ563に随時記憶更新される。
また、メイン制御基板100には、払出制御基板300を介してメダル払出装置83が接続される。メダル払出装置83は、メダルを貯留可能なホッパー部と、ホッパー部に貯留したメダルを放出する払出機構部とからなる。メイン制御基板100は、入賞等によりメダルを遊技者に払い出すときに払出制御基板300に対し払出指令信号を出力し、払出制御基板300がメダル払出装置83を作動させてメダルを1枚ずつカウントしながら放出させる。なお、メダル払出装置83から放出されたメダルは、メダル払出口71から受け皿72へと排出される。
メイン制御基板100のコマンド送信手段520は、遊技の進行に応じて時々刻々変化する遊技状態等の情報(例えば役抽選手段502による役抽選結果、リールの回転開始、回転停止、表示図柄、入賞判定結果など)を示す各種コマンドを、そのような遊技状態等の情報が発生する都度作成し、一方向通信によりサブ制御基板200に対し出力する。
サブ制御基板200は、CPU201と、ROM202と、RAM203とを備えている。CPU201は、メイン制御基板100から送信されてくるコマンドや遊技進行に関する各種情報を受信し、これらコマンド等に応じてROM202に記憶されるプログラムに従って演算処理を実行することにより、スロットマシン10の主に遊技の演出の制御を行う。
サブ制御基板200には、画像表示装置61と、上部ランプ62、コーナーランプ63L、63R等のランプ類と、スピーカ64L、64R、73L、73Rが接続される。
サブ制御基板200の演出制御手段600は、画像データメモリから随時選択される画像データを読み取り、同期信号、輝度信号及び色信号を複合した映像信号を生成して、この映像信号に基づく動画像を画像表示装置61に表示させる制御を行う。
また、演出制御手段600は、ランプ類62、63R、63Lの点灯及び点滅の駆動を行うとともに、音声データメモリからアナウンスや楽音等の音声データを読み取って音信号に変換・増幅し、その生成した音信号に基づいてスピーカ64L、64R、73L、73Rを鳴動させる。
サブ制御基板200の乱数発生器208は、例えば0〜65535の範囲で繰り返される乱数値を出力する。サブ制御基板200の演出抽選手段610は、取得した乱数値が演出抽選テーブルにおいて属する数値範囲に応じて、メイン制御基板100から送信されてくる役抽選結果などの情報に対応する遊技演出の演出パターンを選択する。サブ制御基板200で行われるこのような抽選を「演出抽選」という。なお、サブ制御基板200の演出抽選手段610は、遊技の演出パターンを選択するだけでなく、特定の遊技演出をするかしないかの抽選や、メイン制御基板100の役抽選手段502により選択される停止操作順の結果を遊技者に報知するかしないかの抽選(AT抽選)なども行う。
なお、サブ制御基板200の演出抽選手段610は、本実施の形態のようにハードウェアの乱数発生器208に代わって、CPU201の演算処理による、いわゆるソフトウェア乱数処理により抽選処理を行ってもよい。
[スロットマシンの遊技に供される役]
図4は、回転可能な左リール40L、中リール40C及び右リール40Rに付される図柄の配列を例示する図である。図4に示されるような長手方向において等間隔に合計21コマの図柄を印刷したリールテープが、各リール40L、40C、40Rの外周面にそれぞれ巻回されて貼り付けられる。1つのリールにおいて配列される図柄には、リールが回転する方向に沿って1ずつ増加する「0」〜「20」の図柄番号が割り当てられる。また、各図柄の種類ごとに図柄コードが割り当てられる。そして、各リール40L、40C、40Rについて図柄番号と図柄コードとが対応付けられた図柄番号テーブルがメイン制御基板100のROM102に記憶されている。なお、リールに付される図柄としては、図4に示されるような「ベル」、「スイカ」、数字の「7」及び「チェリー」などをモチーフとしたものが一般的に用いられる。しかし、これらの図柄のモチーフは伝統的に慣用されているものに過ぎず、スロットマシンの機種、テーマ、キャラクタ等に合わせて、適宜、変更し選択することができる。
図5は、本実施の形態によるスロットマシン10の遊技に供される役と各役に対応する図柄の組み合せを例示する図である。このような役と図柄との対応関係は、メイン制御基板100のROM102に記憶される役図柄テーブルで管理される。
スロットマシン10の役には、例えば、入賞時にメダルを獲得できる「小役」や、遊技者がメダルを投入しなくても次の遊技を行える「再遊技役(リプレイ役)」などがある。すなわち、「小役」に対応付けられた図柄が有効ラインに揃って表示されたとき入賞となり、その入賞した役に配当として割り当てられている枚数のメダルを遊技者に払い出す役をいう。図5の実施形態では、払い出されるメダルの枚数が異なる複数種類の小役1、小役2及び小役3が備えられる。例えば、「スイカ」図柄が何れかの1本の有効ラインに揃って表示されると小役3が入賞し、小役3に割り当てられた配当5枚×1ラインの合計5枚のメダルが払い出される。また、中リール40Cの「ベル」図柄が3本の有効ライン(L1、L3A、L3B)が交差する中段に表示されると、遊技者は、配当4枚×3ラインの合計12枚のメダルを獲得することができる。また、小役2は、配当数は同じであるが、図柄の組み合わせが異なる複数の小役2a、小役2b及び小役2cを含んでおり、これらは1回の抽選処理で重複して当選する役でもある。
なお、図4及び図5の実施形態では、小役2aに係る「ベル」図柄は、5コマ以内の間隔で配置されているので、停止操作のタイミングに関わらず確実に有効ラインに引き込み制御できる図柄である。一方、小役2bに対応する図柄は、5コマより多い間隔を有しているので配置されているので、リール40L、40C、40Rを適切なタイミングで目押しをしなければ入賞ができない、いわゆる取りこぼしの可能性のある図柄で構成される。また、小役2cに対応する図柄は、例えば中リール40Cの「チェリー」のみ5コマ以内の間隔で配置され、左リール40L及び右リール40Rの図柄が5コマより多い間隔を有する取りこぼしの可能性のある図柄で構成される。つまり、リール40L、40C、40Rの回転を停止させる引き込み制御により小役2aは確実に成立し、小役2c、小役2bの順に目押しの困難性が高くなるように設定されている。
次に「再遊技役(リプレイ役)」は、成立すると遊技者がメダルを投入しなくても次の遊技を行える役である。本実施形態では「再遊技役」として、同時当選する複数の再遊技役a、再遊技役b、再遊技役c、再遊技役d及び再遊技役eが備えられる。図5で示した再遊技役に係る図柄の配置により、再遊技役a、再遊技役bは引き込み制御により確実に成立し、再遊技役c、再遊技役d、再遊技役eは目押しのタイミングが合わなければ成立しないように難易度が高く設定されている。
なお、複数の再遊技役a〜eは、後述するように重複して当選し、定められた停止操作順に応じて引き込み制御の対象が選択される役でもある。また、必ずしも同一の「リプレイ」図柄の組み合わせではない、特殊な図柄が対応する再遊技役b〜eなどは、成立すると後述するように他のRT状態(一般遊技において再遊技役などの当選確率が異なる遊技状態)に遷移する役でもある。
これら小役、再遊技役は、役抽選手段502による当選状態を次の遊技に持ち越すことができない第1の役系統(入賞系)に属する役として分類できる。つまり、これら入賞系の役は当選状態で当該役に対応する図柄の組み合わせが有効ラインに表示されることにより入賞が確定するが、対応する図柄が有効ラインに表示されなければ当選状態が消滅する役である。また、これら小役、再遊技役等の入賞系の役は、上述したように例えば小役2a、2b及び2cのように同じ種類であっても図柄の組み合わせが異なる複数の役が重複して当選する場合がある。同様に、再遊技役a〜eもその一部の組み合わせが重複して当選する(但し、全ての再遊技役a〜eが同時に重複当選することを意図するものではない)。また、複数の再遊技役a〜eの全部若しくは一部が小役1〜3とともに重複して当選するような遊技であってもよい。
スロットマシン10は、また、成立すると遊技者に特に有利な特別遊技状態に移行させる「特別遊技役(ボーナス役)」を備える。本実施形態による「特別遊技役」としては、「SB(シングルボーナス)」に移行させる「SB役」、「RB(レギュラーボーナス)」に移行させる「RB役」及び「BB(ビッグボーナス)」に移行させる「BB役」などがある。「SB」は、一般遊技よりも高い確率で特定の小役が当選する高確率遊技をいう。「RB」は、このような高確率遊技が複数回連続する遊技状態のことであり、所定遊技回数(例えば12遊技)消化するか、又は「小役」が所定回数(例えば8回)入賞するまで継続する遊技状態をいう。「BB」は、その一般遊技中に特定の「小役」とともに上述の「RB役」が高い確率で当選し、所定の最大払出枚数(例えば480枚)のメダルの払い出しが終了するまで継続する遊技状態をいう。
更に本実施形態のスロットマシン10には、特別遊技役であるBB役が2種類備えられる。BB役の1つである「BB1役」は、その成立によりBB1特別遊技状態に移行させるとともに、BB1特別遊技状態が終了後に所定遊技回数AT状態(停止操作のアシスト)を継続させるAT役でもある。AT状態では、役抽選手段502が抽選した例えば小役2などの遊技者に有利な所定の当選役が成立するか、又は遊技者に有利な停止出目が成立するように、サブ制御基板200のAT制御手段620が画像表示装置61の動画や、操作指示ランプ33L、33C、33Rの点灯などにより、リール40L、40C、40Rの第1停止ボタン又は停止操作順、狙うべき図柄や絵柄などを遊技者に報知する。
これら特別遊技役(BB1役、BB2役、RB役及びSB役)は、役抽選手段502による当選状態を次の遊技に持ち越すことができる第2の役系統(役物系)に属する役として分類できる。つまり、特別遊技役が当該遊技で成立しなくても、次以降の遊技で成立すれば対応する特別遊技状態に移行することができる。また、特別遊技役の当選状態が持ち越された一般遊技で役抽選が行われ、その結果、特別遊技役の当選とともに小役や再遊技役などの入賞系の役が同時に当選するような場合も通常あり得る。そのような一般遊技では、再遊技役の図柄を最優先に引き込み制御するなど、成立させる役に優先順位を設けてもよい。
(スロットマシンの遊技状態)
図6(a)は、本実施形態によるスロットマシン10のメイン制御基板100が制御する遊技状態の遷移例であり、図6(b)は、サブ制御基板200が制御する演出状態の遷移例である。
図6(a)を参照し、スロットマシン10の遊技状態は、上述したように大まかには、「一般遊技」状態か、RB役やBB役などが成立した「特別遊技」状態かに分けられる。そして、再遊技役の当選確率の相違ということでみた場合、一般遊技状態においては、少なくとも更に3つの遊技状態(これを「RT状態」という。)が存在する。すなわち、一般遊技状態の遊技は、再遊技役の当選確率が比較的低い「RT0」状態、再遊技役の当選確率が比較的高い「RT1」状態、又は、これらRT0、RT1状態とは再遊技役の当選確率が異なる「RT2」状態かの何れかのRT状態に属している。なお、再遊技役の当選確率が異なるRT状態をこれら以外にも複数種類設けてもよい。
図6(a)の実施形態によれば、RT0状態において特定の図柄役である例えば再遊技役bが成立したときには、高確率のRT1状態に遷移する。また、RT1状態において特定の図柄役である例えば再遊技役cが成立したときにはRT0状態に遷移する。その一方で、一般遊技状態(RT0及びRT1の何れの状態であってもよい)でBB1役やBB2役などの特別遊技役が内部当選した場合は、更に再遊技役の当選確率が異なるRT2状態に遷移する。
なお、図示はしないが、RT0状態から遷移する内部当選中のRT2状態と、RT1状態から遷移する内部当選中のRT2状態とを、再遊技役の当選確率が更に異なる別のRT状態として区別してもよい。また、再遊技役の当選確率が比較的高いRT1状態から当選確率が比較的低いRT0状態への遷移条件を所定遊技回数経過後のように有限条件としてもよい。更に、図6(a)の実施形態に別のRT状態を追加したり、別の特定図柄の表示や、特定の役の取りこぼし(不成立)をRT状態の遷移条件に加えたりするなどの変更を適宜してもよい。
また、スロットマシン10の演出内容の相違ということでみた場合、進行中の演出状態は、図6(b)に示される非AT状態又はAT状態の何れかの演出状態に属することとなる。この実施形態によれば、例えばサブ制御基板200の演出抽選手段610がATを当選すると、その当選したATの開始条件の成立によりAT状態に遷移する。本実施形態では、上述したBB1役の当選に基づいてATの実行が確定した場合に、当該BB1特別遊技状態の終了をもってAT状態に遷移する。なお、BB1特別遊技状態の終了などの条件を設けずにAT当選と同時にAT状態に遷移するものでもよい。
図6(b)の実施形態によれば、AT状態の遊技が所定回数消化されたときにAT状態が終了して非AT状態に遷移する。AT状態が継続する遊技回数としては、例えば30遊技を1セットとすることができる。また、AT当選をストックして、そのストックしたセット回数だけAT状態を継続させてもよい。AT状態中に演出抽選手段610が別のAT抽選を行ってもよい。AT状態中にATが当選すれば、引続きもう1セット(例えば30遊技)のAT遊技状態が継続する。
[スロットマシンの制御手段]
次に、本実施形態によるスロットマシン10に備えられる制御手段及びその動作を説明する。スロットマシン10における全体の制御は、上述したメイン制御基板100とサブ制御基板200とに備えられる各制御手段の連携によりなされる。図3に示した各制御手段は、メイン制御基板100のCPU101及びサブ制御基板200のCPU201が演算処理を行うことにより実現されるが、これらの一部をハードウェアで構成することもできる。以下、フローチャートを参照しながら、各制御手段を説明する。
(遊技制御手段)
はじめに、メイン制御基板100に備えられる遊技制御手段500は、サブルーチンを呼び出すことで生成される、賭枚数設定手段501、役抽選手段502、リール回転制御手段503、入賞判定手段504、メダル払出制御手段505及び更新処理手段506などの各制御手段を統括して、スロットマシン10で行われる遊技の進行を制御する。
図7は、スロットマシン10で行われる単位遊技に対応させたフローチャートであり、遊技制御手段500が実行する遊技制御処理の流れを示している。
(賭枚数設定手段)
遊技開始の待機状態では、賭枚数設定手段501が起動する(ステップS10)。ここで、遊技開始の待機状態とは、リール40L、40C、40Rが停止して入賞判定がされた後であって、次のベット操作待ちの状態をいう。図8は、賭枚数設定手段501による賭枚数設定処理を示すフローチャートである。
図8を参照して賭枚数設定手段501の動作を説明する。賭枚数設定手段501は、当該遊技において再遊技役に係る成立役フラグ582が設定されているか否か判断する(ステップS101)。再遊技役に係る成立役フラグ582がオンに設定されている場合(ステップS101:YES)、成立役フラグ582をオフにクリアして(ステップS102)、以降の遊技制御処理に進む。すなわち、再遊技役が成立すると、遊技者はメダルの投入(ベット操作)を行うことなく次の遊技を行える。なお、再遊技役に係る成立役フラグ582は、後述する入賞判定手段504によって再遊技役の成立が判定されたときにオンに設定される(ステップS166)。
賭枚数設定手段501は、当該遊技において再遊技役に係る成立役フラグ582が設定されておらず(ステップS101:NO)、1−ベットボタン52の操作を検知すると(ステップS103:YES)、クレジットがある場合に(ステップS104:YES)、クレジット数変数552から「1」を減算する(ステップS105)。そして、ベット数変数561には「1」を加算する(ステップS107)。
また、遊技開始の待機状態で、メダルセレクタ28が正規のメダルの投入を検知したときには(ステップS106:YES)、その投入されたメダルを検知するごとにベット数変数561を加算する(ステップS107)。そして、メダルの賭け枚数が遊技者が望む任意の規定数(最大で「3」)になるまで(ステップS108:YES)、ベット数変数561を加算する(ステップS107)。
また、賭枚数設定手段501は、マックスベットボタン54の操作を検知すると(ステップS103:YES)、クレジットがある場合に(ステップS104:YES)、クレジット数変数552から「3」を減算し(ステップS105)、ベット数変数561を「3」に設定する(ステップS107)。
遊技制御手段500は、最終的に賭けられたメダルの規定数に応じて有効ラインを設定する。すなわち、ベット数変数561の値(ベット数)が「1」のときには、1本のラインL1を有効ラインとして設定し、ベット数が「2」のときには、3本のラインL1、L2A、L2Bを有効ラインとして設定し、ベット数が「3」のときには、4本のラインL1、L2A、L3A、L3Bを有効ラインとして設定する。
再び図7を参照し、遊技制御手段500は、メダルの賭け枚数が規定数に達した状態でスタートレバー55が傾倒操作され回転開始信号を検知すると(ステップS11:YES)、コマンド送信手段520が回転開始コマンドをサブ制御基板200に送信する(ステップS12)。
(役抽選手段)
次に役抽選手段502を説明する。役抽選手段502は、スタートレバー55の操作を契機とする遊技制御処理のステップS13(図7参照)において、乱数発生器108から取得した乱数値に基づく役のテーブル抽選を行う。
役抽選手段502が一般遊技(例えばRT0状態)において役の当選/外れの判定のために参照する典型的な役抽選テーブルの一例を図9に示す。図9の実施形態によれば、乱数発生器108から取得した乱数値が再遊技役の当選数値範囲(抽選結果番号9〜14)に属する場合には、その当選数値範囲に対応する再遊技役が当選となる。また、乱数値が小役の当選数値範囲(抽選結果番号4〜8)に属する場合には、その当選数値範囲に対応する小役が当選となる。同様に、乱数値がRB役の当選数値範囲(抽選結果番号3)に属する場合には当該RB役が当選となり、BB役の当選数値範囲(抽選結果番号1〜2)に属する場合には当該BB役が当選となる。
なお、図9は、再遊技役の当選確率が約1/7.3である一般遊技(RT0状態)の役抽選テーブルを示す例であり、RT状態が遷移した一般遊技(例えばRT1、RT2状態など)や特別遊技状態では別の抽選確率の役抽選テーブルが用いられる。
また、役抽選手段502は、以下のようにして停止操作順の抽選も行う。図10は、小役と停止操作順との関連付けを例示する図である。また、図11は、再遊技役と停止操作順との関連付けを例示する図である。図9には詳細に図示していないが、小役2の当選数値範囲(抽選結果番号5〜7)には、同時当選する小役2a、小役2b及び小役2cからなる複数の組み合せがそれぞれ対応付けされている。同様に、再遊技役の当選数値範囲(抽選結果番号9〜14)には同時当選する再遊技役a、再遊技役b、再遊技役c、再遊技役d及び再遊技役eからなる複数の再遊技役の組み合せが対応付けされている。
図10に示されるように、例えば、役抽選手段502による乱数抽選で抽選結果番号6の結果であれば、内部的には小役2a及び2cが同時当選する。この場合、第1停止操作が中(ストップボタン56C)を押し順正解と設定され、第1停止操作が左又は右(ストップボタン56L、56R))を押し順不正解と設定される。ここで、4本のラインL1、L2A、L3A、L3Bが有効ラインに設定された場合には、後述するリール回転制御手段503は、次に説明するように図柄を引き込み制御する。前記抽選結果番号6の当選で最初に中のストップボタン56Cが操作されたときには(押し順正解)、対応する中リール40Cの「ベル」図柄を中段の有効ラインL1に引き込んで小役2aを入賞させる。この場合、小役2aの配当4枚×3ラインにより合計12枚のメダルが払い出される。他方、最初に左のストップボタン56L又は右のストップボタン56Rが操作された場合には(押し順不正解)、リール回転制御手段503は、「ベル」図柄を上段の有効ラインL2Aに引き込む。これにより、配当4枚×1ラインの合計4枚のメダルが払い出されるが、押し順正解の場合に比較して獲得するメダルの枚数が少なくなる。
また、図11で示されるように、例えば役抽選手段502による乱数抽選で抽選結果番号9の結果であれば、再遊技a、b及びcが同時当選する。この場合、再遊技役bを成立させるための押し順は、操作順1(左→中→右)となる。なお、再遊技役bは、図6(a)に示した高確率の再遊技役確率変動遊技状態であるRT1への遷移契機となり得る特殊図柄役でもある。また、図6(a)の実施形態で示したRT1の一般遊技状態では、図示はしないが、再遊技役a又はcの図柄を引き込む押し順が対応付けられた役抽選テーブルが用いられ、遊技者の操作によってはRT1からRT0への遷移契機となる再遊技役cの図柄が表示される場合もある。
図12は、役抽選手段502による役抽選処理(図7の遊技制御処理におけるステップS13の詳細)を示すフローチャートである。図12に示される処理において、役抽選手段502は、例えばスタートレバー55のオンの信号の立下りのタイミングで乱数発生器108が示す乱数値を取得し(ステップS131)、取得した乱数値をRAM103の乱数値変数562に記憶させる。ここで、乱数発生器108は、クロック動作する例えば16ビットのインクリメントカウンタからなり、「0」〜「65535」の何れかの数値を出力する。
そして、役抽選手段502は、ROM102に記憶された役抽選テーブルを参照して、取得した乱数値が属する当選数値範囲に対応する役を当選役として選択する。すなわち、取得した乱数値が小役の当選数値範囲に属する場合は小役の当選を判定し(ステップS132:YES)、当選した小役に係る当選役フラグ581をオンに設定する(ステップS133)。なお、当選役フラグ581は、内部当選中の役の種類を記憶するフラグであり、役抽選手段502による当選によりオンに設定され、当該役の成立(入賞)によりオフにクリアされる。
また、役抽選手段502は、取得した乱数値が再遊技役の当選数値範囲に属する場合は(ステップS135:YES)、当選した再遊技役に係る当選役フラグ581をオンに設定する(ステップS136)。
役抽選手段502は、取得した乱数値がBB役の当選数値範囲に属する場合はBB役の当選を判定し(ステップS138:YES)、当選したBB役に係る当選役フラグ581をオンに設定する(ステップS139)。同様に、RB役の当選を判定した場合は(ステップS140:YES)、RB役に係る当選役フラグ581をオンに設定する(ステップS141)。
図7で参照される遊技制御処理のステップS14において、コマンド送信手段520は、役抽選手段502による役抽選の結果(役と停止操作順との関連付けを含む)を示す役抽選結果コマンドをサブ制御基板200に送信する。
このように役抽選手段502は、小役や再遊技役などの入賞系の役や特別遊技役などの役物系の役の抽選とともに、小役や再遊技役などに関連付けされた停止操作順及びBB1役などに関連付けられたATの実行に関する条件なども抽選する。なお、特定の役の抽選結果に対応して停止操作順が定められるものでもよい。また、役抽選手段502は、所定の役が入賞した時などに遊技の進行を停止して、画像表示装置61やリール40L、40C、40Rの変則動作などによる演出期間を確保するためのフリーズ演出の有無、フリーズ演出時間、フリーズ演出の条件(例えば開始条件、終了条件)及びその内容(演出動作パターンなど)の抽選を行ってもよい。
(リール回転制御手段)
次に、リール回転制御手段503を説明する。遊技制御処理のステップS15(図7参照)において、リール回転制御手段503は、スタートレバー55及びストップボタン56L、56C、56Rからの停止操作信号に応じてリール40L、40C、40Rの回転及び停止の制御をする。ここで、図13は、リール回転制御手段503によるリール回転制御処理を示すフローチャートである。
リール回転制御手段503は、当該遊技にメダルが賭けられた状態でスタートレバー55が傾倒操作されて出力される回転開始信号を検知した時、リール駆動手段41に対して駆動パルス信号を出力することで、各リール40L、40C、40Rを一斉に回転させる加速制御を行う(ステップS151)。そして、リール回転制御手段503は、各リール40L、40C、40Rの回転数が所定の例えば80回転/分となったとき(ステップS152:YES)、その回転数で定速制御する(ステップS153)。
定速で回転制御されるリール40L、40C、40Rに対しては、ストップボタン56L、56C、56Rによる停止操作の受け付けが可能となる(ステップS155)。そして、何れかのストップボタン56L、56C、56Rから停止操作信号を受け付けたとき(ステップS156:YES)、その停止操作を示す回転停止コマンドをコマンド送信手段520によりサブ制御基板200へ送信する(ステップS157)。そして、リール回転制御手段503は、その停止操作に対応するリール40L、40C、40Rを所定時間(例えば190msec)以内で、かつ、規定される制御コマ数(例えば5コマ)以内の図柄を滑らせて有効ラインに停止させる図柄停止制御(引き込み制御又は蹴飛ばし制御)を行う(ステップS158)。
リール回転制御手段503は、全てのリール40L、40C、40Rが停止するまで(ステップS159:YES)、ストップボタン56L、56C、56Rの停止操作に対応するリールを停止させる、ステップS156〜S158の制御を行う。そして、全てのリール40L、40C、40Rの停止を検出すると(ステップS159:YES)、処理を遊技制御手段500に返す。
図13に示したステップS158の図柄停止制御において、詳細にはリール回転制御手段503は、表示窓32のラインL1に停止させるべき図柄を事前に決定する。例えば左のリール40Lが定速回転中にストップボタン56Lからの停止操作信号を検知したとき、中段のラインL1を通過している左リール40Lの図柄の図柄番号Xを取得する。この場合、図柄番号Xの図柄を含め、後続する5コマの図柄番号X+1、X+2、X+3、X+4、X+5の各図柄がラインL1へ停止すべき候補として認識される。リール回転制御手段503は、ROM102の図柄番号テーブルと、役図柄テーブルと、内部抽選の結果を記憶する当選役フラグ581とを参照し、何れかの役に当選している場合にはその役に対応する図柄が図柄番号X〜X+5の図柄の中に存在するか調べる。役に対応する図柄が存在すれば、その図柄をラインL1上に停止させる「引き込み制御」の対象として決定する。
ステップS158の図柄停止制御において、当選役フラグ581が示す当選している役に対応する図柄が図柄番号X〜X+5のなかに存在せず、又は、当選役フラグ581が何れの役も示さない外れの場合には、当該リール40Lの図柄番号X〜X+5の中の役成立に関わる図柄(例えば小役1の「チェリー」などの単独入賞図柄を含む)が有効ライン上に表示されないように制御される。この場合、リール回転制御手段503は、他のリール40C、40Rがもし既に停止していれば、その有効ラインに表示された他のリールの図柄との関係(リーチ表示態様等)で役が成立しない図柄を選択する。このように、役成立に関わる図柄を有効ラインから外して停止させる制御を「蹴飛ばし制御」という。
(入賞判定手段)
次に、入賞判定手段504を説明する。入賞判定手段504は、遊技制御処理のステップS16(図7参照)において、全てのリール40L、40C、40Rが停止したときに起動される。図14は、入賞判定手段504による入賞判定処理を示すフローチャートである。
入賞判定手段504は、始めにRAM103で管理される全ての役についての成立役フラグ582をクリアしてイニシャライズする(ステップS161)。続いて入賞判定手段504は、各リール40L、40C、40RについてRAM103のリール制御フラグ563を参照して、有効ラインに表示された図柄を認識する(ステップS162)。なお、入賞判定手段504は、リールの回転基準位置から送出した駆動パルス信号のパルス数の積算値に基づいて有効ライン上の図柄を認識してもよい。
また、入賞判定手段504は、役図柄テーブルを参照して、有効ラインに沿って表示されたリール40L、40C、40Rの図柄の組み合せが何れかの役に対応する組み合せと一致するか否か調べる。入賞判定手段504は、有効ライン上の図柄の表示態様が何れかの役に対応する図柄の組み合せと一致する場合、当該対応する役が成立(入賞)したと判定する。
入賞判定手段504は、例えば小役が成立したと判定したとき(ステップS163:YES)、当該小役に係る成立役フラグ582をオンに設定する(ステップS164)。また、再遊技役が成立したと判定したとき(ステップS165:YES)、当該再遊技役に係る成立役フラグ582をオンに設定する(ステップS166)。
入賞判定手段504は、例えばBB役が成立したと判定したときには(ステップS167:YES)、BB役に係る成立役フラグ582をオンに設定するとともに(ステップS168)、BB状態フラグ585をオンに設定する(ステップS169)。同様に、RB役が成立したと判定したときには(ステップS170:YES)、RB役に係る成立役フラグ582をオンに設定するとともに(ステップS171)、RB状態フラグ584をオンに設定する(ステップS172)。
入賞判定手段504は、小役、再遊技役(リプレイ役)又は特別遊技役(BB役、RB役)のうちの何れかの役が成立したと判断すると、成立した当該役の当選役フラグ581をクリアする(ステップS173)。その一方で、特別遊技役以外の当選を持ち越しできない小役、再遊技役又は特定図柄役などが内部当選していた遊技で、これらの役を取りこぼしたときには、その当選役フラグ581をクリアする(ステップS174)。更に、入賞判定手段504は、一般遊技状態で図6(a)に示したRT状態の所定の遷移条件を満たすと判断したときに(ステップS175:YES)、RAM103のRT状態フラグ583をその遷移先の状態を示す値に更新する(ステップS176)。
入賞判定手段504による入賞判定の結果の情報は、コマンド送信手段520により賞判定結果コマンドとしてサブ制御基板200に送信される(図7のステップS17)。
(メダル払出制御手段)
次に、図7に示した遊技制御処理のステップS18において、入賞判定手段504が例えば小役の入賞を判定したときにはメダル払出制御手段505が起動される。ここで、図15は、メダル払出制御手段505によるメダル払出制御処理を示すフローチャートである。
小役の入賞時に遊技者へ配当されるメダルの払い出し方法は、クレジットとして内部貯留する場合と、メダル払出口71からメダルを受け皿72に払い出す場合とがある。本実施形態によるスロットマシン10では、クレジットへの内部貯留が優先され、すなわち、通常は払い出される枚数のメダルがクレジットに加算されるが、加算されるクレジットが所定の上限(例えば50枚)を超えるときには、その超える枚数分のメダルがメダル払出口71から放出される。
メダル払出制御手段505は、小役が入賞したとき、その入賞した小役に対応する配当数に図柄が揃った有効ラインの数を乗算したメダルの払出枚数をRAM103の払出数カウンタ571(以下「PCNT」)に設定する(ステップS181)。ステップS182においてPCNTがゼロ以上、すなわち払い出しがある場合(ステップS182:YES)、クレジット数変数552が50枚の上限(満杯)か否か判断する(ステップS183)。
クレジット数変数552が満杯のとき(ステップS183:YES)、メダル払出制御手段505はメダル払出装置83を作動して、メダルを1枚放出させる(ステップS184)。そして、PCNTを「1」だけ減算し(ステップS186)、ステップS182の処理に戻る。クレジット数変数552が満杯でないとき(ステップS183:NO)、メダル払出制御手段505は、クレジット数変数552を「1」加算し(ステップS185)、PCNTを「1」だけ減算して(ステップS186)、ステップS182の処理に戻る。メダル払出制御手段505は、このようにメダルを1枚ずつ払い出すステップS182〜S186までの処理をPCNTがゼロになるまで繰り返す。
(更新処理手段)
次に、更新処理手段506を説明する。更新処理手段506は、当該遊技制御処理におけるステップS19(図7参照)において、次の遊技への移行を含む更新処理を行う。ここで、図16は、更新処理手段506による処理を示すフローチャートである。
更新処理手段506は、BB特別遊技に係るBB状態フラグ585がオンのとき(ステップS191:YES)、当該遊技において入賞により払い出されたメダルの枚数を払出総数カウンタ574(以下「DCNT」)に加算して積算する(ステップS192)。そして、DCNTが、BB特別遊技の終了条件である最大払出枚数に相当する例えば480枚を超える場合に(ステップS193:YES)、BB特別遊技に係るBB状態フラグ585をオフにし(ステップS194)、DCNTをクリアする(ステップS195)。
更新処理手段506は、RB遊技に係るRB状態フラグ584がオンのときには(ステップS196:YES)、遊技回数カウンタ572(以下「GCNT」)に「1」を加算する(ステップS197)。また、当該遊技において小役が成立しその成立役フラグ582がオンのときには(ステップS198:YES)、小役入賞回数カウンタ573(以下「WCNT」)に「1」を加算する(ステップS199)。
更新処理手段506は、RB遊技の回数に相当するGCNTが例えば12遊技を超える場合、又は、小役の成立回数に相当するWCNTが例えば8回を超える場合に(ステップS200:YES)、RB状態フラグ584をオフにし(ステップS201)、GCNT及びWCNTをクリアする(ステップS202)。
更新処理手段506は、遊技状態に係るフラグを参照して上述したRT0〜RT2又は一般遊技と特別遊技間で遊技状態が変更された場合には(ステップS203:YES)、その変更された遊技状態に応じた役抽選テーブルをROM102から読み出して、役抽選手段502に設定する(ステップS204)。
(演出制御手段)
次に、図3に示したサブ制御基板200に備えられる各種制御手段を説明する。サブ制御基板200に備えられる演出制御手段600は、以下説明する各制御手段とともに、スロットマシン10の遊技の進行に付随して行われる演出を主に制御する。
演出制御手段600は、メイン制御基板100から送信されてくるコマンドの内容及びそのタイミングに応じて、上部ランプ62、コーナーランプ63L、63R等のランプ類を用いた光による演出、スピーカ64L、64R、73L、73Rを用いた音による演出、及び、画像表示装置61を用いた画像や文字等による演出の制御を行う。
例えば演出制御手段600は、スタートレバー55が傾倒操作され、メイン制御基板100から回転開始コマンド(図7のステップS12)を受信すると、所定の又は随時選択される演出画像を画像表示装置61に表示して、リールの回転動作に遊技者の関心を惹き込むような演出をする。演出制御手段600は、メイン制御基板100が実行する役抽選の結果や現在の遊技の進行状態に応じて画像表示装置61などで演出する演出パターンを選択する。また、次に説明する演出抽選手段610が演出画像や演出パターンを抽選処理により選択してもよい。
(演出抽選手段)
サブ制御基板200に備えられる演出抽選手段610は、メイン制御基板100からのコマンドを受信するごとに、又は特定の例えば回転開始コマンドや役抽選結果コマンドを受信した時などに起動される。演出抽選手段610は、乱数発生器208を備え、所定のタイミングで乱数発生器208が示す乱数値を取得する。演出抽選手段610は、ROM202に記憶された演出抽選テーブルを参照して、取得した乱数値が属する数値範囲に対応する演出内容を選択する。
なお、演出抽選手段610は、演出パターンを選択する抽選(演出抽選)の他にも、メイン制御基板100から送信されてくる役抽選手段502が行った役抽選結果の報知をするかしないかの抽選(役報知抽選)や、所定の図柄が表示されるように停止操作順などの操作を遊技者にアシストするAT演出をするか否かの抽選(AT抽選)も行う。
(AT制御手段)
サブ制御基板200のAT制御手段620は、ATに係る複数の演出パターンの中から、役抽選結果コマンドが示す役と停止操作順との関連付けに対応する演出パターンを選択する。ATの実行に関連する演出パターンやAT演出画像を演出抽選手段610による抽選で選択してもよい。
AT制御手段620は、ストップボタン56L、56C、56Rが停止操作されるごとにメイン制御基板100から送信される回転停止コマンドを受信して、次に停止させるべきリールを報知するATの演出画像を画像表示装置61に表示させる。これにより、所定の図柄が表示される停止操作を遊技者に報知する。
AT制御手段620は、基本的には、演出抽選手段610によるAT抽選で実行する権利を獲得することにより、1セット(例えば30遊技)のATを実行する。AT状態中や1セットのAT終了時にも演出抽選手段610によるAT抽選が行われる。なお、このAT状態が継続する確率を「AT継続率」という。
また、メイン制御基板100でAT役である例えばBB1役が当選された時点で、ATの実行が確定するものでもよい。このとき、1セットの遊技回数(例えば30遊技など)及びAT継続率(例えば25%)などのAT状態の実行内容や終了条件などを抽選で決定してもよい。
AT制御手段620によりATが実行されると、例えば特定の小役に対応する図柄を有効ラインに引き込む押し順等をアシストすることで、遊技者は確実にメダルを獲得することができる。また、例えば上述した「ベル」図柄を3本の有効ラインが交差する中段のラインに引き込むようにアシストすることで、メダルの配当をより多くすることができる。更には、例えば図6(a)に示した再遊技役の当選確率が比較的高いRT1に遷移させる再遊技役bの特定図柄を表示させるアシストや、逆に再遊技役の当選確率が比較的低いRT0に遷移しないように再遊技役cの特定図柄を表示させないなどのアシストをして、メダルが減らないRT状態に導くことによっても遊技者に有利な状態を与えることができる。
[スロットマシンの外部信号出力手段]
以上、通常の遊技動作を行うスロットマシン10の実施形態を説明した。次に、所定のインターフェース基板800がスロットマシン10に接続されたときに、遊技状態(例えば一般遊技中のRT状態、特別遊技状態など)及び遊技の進行に係る内部的な情報(例えば役抽選結果、入賞結果、払い出し枚数など)を示す信号を外部に出力する外部信号出力手段530についての実施形態を説明する。なお、遊技状態及び遊技の進行に係る内部的な情報のことを「遊技状態等の情報」と本明細書では称する。次に説明する複数の実施形態では、適正範囲で動作するスロットマシンの認定試験(打ち込み再現試験)を行うためにプログラミングがされた試験装置900へ外部信号として試験信号を出力する例を挙げ、特に詳細には、役抽選手段502による役の抽選結果に関連する情報を含む役抽選信号を外部信号として試験装置900へ出力する例を実施形態として説明する。しかし、本発明は、外部信号の送信先を試験装置900に限定することを意図していない。また、本発明に係る外部信号が以下説明する役抽選信号のみに限定されることはなく、他の遊技状態等の情報を示す信号にも適用され得る。
図17は、上述した実施形態によるスロットマシン10に対し、試験用のインターフェース基板800を介して試験装置900を接続したシステムの全体の構成を示すブロック図である。同図において破線で囲まれる部分が、既に説明したスロットマシン10の構成に対応する。
図17に示されるように、スロットマシン10の筐体内において、メイン制御基板100の入力ポートに接続されるスタートレバー55、ストップボタン56L、56C、56R、1−ベットボタン52及びマックスベットボタン54などの遊技操作に関するスイッチ信号(回転開始信号や停止操作信号など)の各ラインから分岐するラインが、外部接続用の集中コネクタ701に既に接続されている。同様に、メダルセレクタ28などのセンサ信号のラインから分岐するラインも集中コネクタ701に接続されている。上述したスロットマシン10の認定試験を行う際には、ハーネス810を介してインターフェース基板800が入力用の集中コネクタ701に外部から接続される。
また、メイン制御基板100からの遊技状態等の情報を示す試験信号が外部出力されるライン711が、出力用の集中コネクタ702に接続される。同様に、メイン制御基板100からリール駆動手段41に出力される励磁データ信号のラインから分岐したライン712と、メイン制御基板100から払出制御基板300に出力される払出指令信号のラインから分岐したライン713とが集中コネクタ702に接続される。そして、ハーネス820を介してインターフェース基板800が出力用の集中コネクタ702に接続される。これにより、メイン制御基板100からの遊技状態等の情報を示す信号、励磁データ信号及び払出指令信号が、外部信号として集中コネクタ702及びハーネス820を介してインターフェース基板800に伝達され、最終的に試験装置900へ出力される。
スロットマシン10の認定試験に際して、試験装置900は、遊技者が実際に行う操作手順に即してプログラムされた操作指令をインターフェース基板800に出力する。インターフェース基板800は、試験装置900からの操作指令に応じてスイッチ信号(回転開始信号や停止操作信号など)を生成し、メイン制御基板100のそれぞれに対応するスイッチ信号の入力ポートに出力する。これにより、試験装置900の主導下でスロットマシン10の遊技動作が再現される。
スロットマシン10の外部信号出力手段530が、再現された遊技進行に伴って生じる遊技状態等の情報を所定のデータ構成の外部信号を生成してインターフェース基板800に出力することで、遊技状態等を示す試験信号が試験装置900に送信される。これにより、所定回数連続して再現された遊技における遊技状態、入賞及びメダルの投入及び払出し枚数などの詳細な遊技状態等の情報が試験装置900に記録され、その記録を解析することにより適正範囲で動作する遊技機であるか否かが検査される。
次に、スロットマシン10に備えられる外部信号出力手段530の具体的な実施形態を説明する。ここでは、役抽選手段502による処理の結果を示す役抽選信号が試験信号として外部に出力される例を説明する。
上述したように、役抽選手段502が抽選する役は、当選状態を次の遊技に持ち越すことができない小役や再遊技役などが属する第1の役系統か、又は、当選状態を次の遊技に持ち越すことができるRB役、BB1役及びBB2役などの特別遊技役が属する第2の役系統かの何れかの系統に分類される。本明細書では、便宜上、当選状態を次の遊技に持ち越すことができない役が属する第1の役系統を「入賞系」と称し、当選状態を次の遊技に持ち越すことができる役が属する第2の役系統を「役物系」と称する。
(第1の実施形態)
図18は、第1の実施形態による役抽選信号のデータ構成を説明するための図である。また、図19は、第1の実施形態による役抽選信号の具体的なデータを例示する図である。これらの図に示されるように、役抽選信号は8ビットのデータとして構成され、試験装置900へはその8ビットのパラレル形式で出力される。なお、例えば図19は、単独当選及び重複当選を含めた個々の当選態様と役抽選信号のデータ値(当選態様コード)との対応関係を説明するためのあくまでも例示に過ぎない。すなわち図19の表において、例えば小役2a〜2cや再遊技役a〜eの当選態様と役抽選信号のデータ値とが個々に対応付けられているが、そのような表記によりこれらの役が単独で当選しなければならないことを意図するものではない。このことは、他の実施形態における役抽選信号のデータの例示(例えば図22、図24等)においても同様である。
この実施形態では、役抽選信号のデータ構成のうち、最上位ビット(以下「MSB」という)を当該役抽選信号の属性を識別させる識別ビットとして割り当て、識別ビットを除く最下位ビット(以下「LSB」という)側の7ビット(0〜6ビット目)を役の当選態様を示すコードデータ(当選態様コード)を設定するためのデータ領域として割り当てる。
すなわち、外部信号出力手段530は、識別ビット領域として割り当てられる7ビット目に第1の役系統(入賞系)の抽選結果に関する役抽選信号であることを識別させる値「0」を設定し、0〜6ビット目のデータ領域に第1の役系統に属する役であって内部当選中の役の種類や重複当選態様を示す当選態様コードを設定することにより、第1の役抽選信号のデータを生成する。
また、外部信号出力手段530は、識別ビット領域として割り当てられる7ビット目に第2の役系統(役物系)の抽選結果に関する役抽選信号であることを識別させる値「1」を設定し、0〜6ビット目のデータ領域に第2の役系統に属する役のうち内部当選中の役の種類を示す当選態様コードを設定することにより、第2の役抽選信号のデータを生成する。
図19を参照して、具体的な事例をいくつか挙げる。例えば、小役1が当選した場合には、第1の役抽選信号のデータとして、MSBの識別ビットの値「0」を含む「00000010」(02h:hは16進数表示であることを示す)の値が設定される。また、小役3が当選した場合には、第1の役抽選信号のデータとして、識別ビットの値「0」を含む「00000110」(06h)の値が設定される。
また、例えば、BB1役の当選が持ち越されている場合には、第2の役抽選信号のデータとして、MSBの識別ビットの値「1」を含む「10000001」(81h)の値が設定され、RB役が当選中であれば、識別ビットの値「1」を含む「10000011」(83h)の値が設定される。
ここで留意すべき点は、識別ビット領域に値「0」が設定される入賞系に属する役が何れも当選していないときには、その第1の役抽選信号のデータ領域の少なくとも1つのビットに値「1」を含むように当該役抽選信号が作成される。図19の例では、入賞系役が外れの場合に、値が「00000001」(01h)の第1の役抽選信号が生成される。入賞系が外れの場合に役抽選信号のデータ領域の値を0hとしてしまうと、8ビットのラインが全て“00000000”となる、いわゆる無信号の状態と区別ができなくなくためである。一方、識別ビット領域に値「1」が設定される役物系の第2の役抽選信号では、無信号の状態と区別する必要がないので、当選役がない外れのときにデータ領域に0hが設定される。つまり、役物系の特別遊技役が何れも当選していない外れの場合には、値が「10000000」(80h)の第2の役抽選信号が生成される。
このようなデータ構成とすることで、第1の役系統については、最多で126(=128−2)種類の入賞系の役の当選態様に対応可能な情報量とすることができ、第2の役系統については、最多で127(=128−1)種類の役物系の役の当選態様に対応可能な情報量とすることができる。
また、識別ビット領域に「0」の値が設定される第1の役抽選信号に係る役系統は、本実施形態のように小役等が属する第1の役系統であることが好ましい。入賞系の第1の役系統の小役等よりも役物系の第2の役系統の特別遊技役の方が当選する機会が少ないので、第2の役系統の識別ビット領域に値「0」を設定してしまうと、役抽選信号を伝送するパラレルラインのほとんどのビット値が“0”(ネガティブ)となる状態が継続し、故障や伝送エラーの診断が遅れる可能性があるためである。
次に図20を参照して、外部信号出力手段530による、外部信号としての役抽選信号の送信動作を説明する。図20は、図7に示したスロットマシン10のメイン制御基板100が実行する遊技制御処理において、役抽選信号を出力するステップを含むその前後の処理を抜粋して示すフローチャートである。なお、図20において、他の図面でも示される処理と同一又は対応する工程については同一のステップ番号を付している。
遊技制御処理において、役抽選手段502による役抽選処理(ステップS13)が終了すると、外部信号出力手段530が上述した方法で入賞系の役に係る識別ビットの値「0」の第1の役抽選信号のデータを生成し、インターフェース基板800の第1の送信バッファ801aにデータを格納する(ステップS13a)。また次に外部信号出力手段530は、上述した方法で役物系の役に係る識別ビットの値「1」の第2の役抽選信号のデータを生成し、インターフェース基板800の第2の送信バッファ801bにデータを格納する(ステップS13b)。
インターフェース基板800の送信バッファ801a〜801dは、例えば格納したデータを順に読み出して出力する、FIFO(First In First Out)構造のキュー送信バッファメモリから構成されることが好ましい。このような送信バッファ801a〜801dにデータが格納された役抽選信号が、順次、外部の試験装置900へ出力されることとなる。
かかる第1の実施形態によれば、役抽選手段502による役抽選処理の結果を示す役抽選信号を、役の系統ごとの第1及び第2の役抽選信号に分けて順次出力する構成とした。これにより、メイン制御基板100、インターフェース基板800及びこれらを接続するハーネス等の既存のハードウェアを変更又は改造しなくても、役抽選信号で伝達可能な情報量を増加させることができ、スロットマシンの多種多様な遊技状態等の情報の外部出力に対応することが可能になる。
なお、上述した第1の実施形態では、入賞系の第1の役系統に係る役抽選信号が出力された後に役物系の第2の役系統に係る役抽選信号が出力される例で説明したが、発明の実施にあたっては、それらを逆に、すなわち第2の役系統に係る役抽選信号を出力した後に第1の役系統に係る役抽選信号を出力する順序であってもよい。
(第2の実施形態)
図21は、第2の実施形態による役抽選信号のデータ構成を説明するための図である。また、図22は、この第2の実施形態による役抽選信号の具体的なデータを例示する図である。
この第2の実施形態では、役抽選信号のMSB側の2ビット(6〜7ビット目)を当該役抽選信号の属性を識別させるための識別ビットとして割り当て、LSB側の6ビット(0〜5ビット目)を役の当選態様を示すコードデータ(当選態様コード)を設定するためのデータ領域として割り当てる。
すなわち、外部信号出力手段530は、識別ビット領域に第1の役系統(入賞系)の抽選結果に関する役抽選信号であることを識別させる値「01」を設定し、0〜5ビット目のデータ領域に第1の役系統に属する役であって内部当選中の役の種類や重複当選態様を示す当選態様コードを設定することにより、第1の役抽選信号のデータを生成する。
また、外部信号出力手段530は、識別ビット領域に第2の役系統(役物系)の抽選結果に関する役抽選信号であることを識別させる値「10」を設定し、0〜5ビット目のデータ領域に第2の役系統に属する役のうち内部当選中の役の種類を示す当選態様コードを設定することにより、第2の役抽選信号のデータを生成する。
図22を参照して、具体的な事例をいくつか挙げる。例えば、小役1が当選した場合には、第1の役抽選信号のデータとして、MSBの識別ビットの値「01」を含む「01000001」(41h)の値が設定される。また、小役3が当選した場合には、第1の役抽選信号のデータとして、識別ビットの値「01」を含む「01000101」(45h)の値が設定される。
また、例えば、BB1役の当選が持ち越されている場合には、第2の役抽選信号のデータとして、識別ビットの値「10」を含む「10000001」(81h)の値が設定され、RB役が当選中であれば「10000011」(83h)の値が設定される。
このようなデータ構成とすることで、各役系統について最多で63(=64−1)種類の役の当選態様に対応可能な情報量とすることができる。
外部信号出力手段530は、役抽選手段502による役抽選処理(ステップS13)が終了後に、上述した方法で入賞系の役に係る識別ビットの値「01」の第1の役抽選信号のデータを生成し、インターフェース基板800の第1の送信バッファ801aにデータを格納する(ステップS13a)。また、外部信号出力手段530は、上述した方法で役物系の役に係る識別ビットの値「10」の第2の役抽選信号のデータを生成し、インターフェース基板800の第2の送信バッファ801bにデータを格納する(ステップS13b)。これにより、送信バッファ801a、801bにデータが格納された第1の役抽選信号及び第2の役抽選信号が、順次、外部の試験装置900へ出力される。
なお、第2の役系統(役物系)に係る役抽選信号を出力した後に第1の役系統(入賞系)に係る役抽選信号を出力する順序であってもよい。
かかる第2の実施形態によれば、役抽選手段502による役抽選処理の結果を示す役抽選信号を、役の系統ごとの第1及び第2の役抽選信号に分けて順次出力する構成とした。これにより、メイン制御基板100、インターフェース基板800及びこれらを接続するハーネス等の既存のハードウェアを変更又は改造しなくても、役抽選信号で伝達可能な情報量を増加させることができ、スロットマシンの多種多様な遊技状態等の情報の外部出力に対応することが可能になる。
この第2の実施形態では、スロットマシン10に備えられる役の全ての当選態様に対し、順に当選態様コードを予め割り振っておき、役抽選処理の結果に応じた当選態様コードを6ビットのデータ領域に設定して役抽選信号を生成する。本実施形態の役抽選信号の場合、データ領域が6ビットであるため、外れを含め64通りの当選態様コードで役の当選結果を表現している。しかし、スロットマシン10の入賞系役の当選態様(図柄の組み合わせ)が64種類を超えることも考えられ、そのような場合には、識別ビットの値を桁上げし(又は異なる識別ビット値を設定して)、65番目からの当選態様に対して改めて1hから振り直した当選態様コードをデータ領域に設定して役抽選信号を生成するようにしてもよい。
(第3の実施形態)
図23は、第3の実施形態による役抽選信号のデータ構成を説明するための図である。また、図24は、この第3の実施形態による役抽選信号の具体的なデータを例示する図である。
この第3の実施形態では、役抽選信号のデータ構成のうち、MSB側の2ビット(6〜7ビット目)を当該役抽選信号の属性を識別させる識別ビットとして割り当てる。すなわち、識別ビットの2ビットで表される4種類の値のうち値「11」で第2の役系統(役物系)に関する役抽選信号であることを識別させ、他の値「00」又は「01」の種別コードで第1の役系統(入賞系)の小役又は再遊技役の当選に関する役抽選信号であることを識別させる。更に、値「10」の種別コードで、フリーズ演出などの付加情報に関する役抽選信号であることを識別させる。
また、本実施形態では、役抽選信号のLSB側の6ビット(0〜5ビット目)に当選態様を示すコードデータ(当選態様データ)を設定するためのデータ領域を割り当てる。
このようなデータ構成とすることで、第1の役系統については、最多で126(=2×64−2)種類の入賞系の役の当選態様に対応可能な情報量とすることができ、第2の役系統については、最多で63(=1×64−1)種類の役物系の役の当選態様に対応可能な情報量とすることができる。このような特徴は、役物系の役よりも入賞系の役の当選態様の方が多いスロットマシン10において特に好適である。
加えて、第1の役系統である入賞系の役の当選態様を表現する領域を多く確保したことにより、例えば図24に示されるように、小役や再遊技役の重複当選状態及びフリーズ演出などの付加情報を伴う役の当選態様などの情報伝達も第3の役抽選信号に含ませることが可能になる。なお、識別ビット領域に特定の種別コードを設定した外部信号で(例えば第3の役抽選信号であれば識別ビット領域に特定の値「10」を設定して)、フリーズ演出時間や、ストップボタンの押し順、図柄の押し位置などの付加情報を出力するものでもよい。
また、識別ビット領域に値「00」の種別コードが設定される第1の役抽選信号に係る役系統は、本実施形態のように小役等が属する第1の役系統であることが好ましい。入賞系の第1の役系統の小役等よりも役物系の第2の役系統の特別遊技役の方が当選する機会が少ないので、第2の役系統の識別ビット領域に値「00」を設定してしまうと、役抽選信号を伝送するパラレルラインのほとんどのビット値が「0」(ネガティブ)となる状態が継続し、故障や伝送エラーの診断が遅れる可能性があるためである。
図24で参照される具体的な事例をいくつか挙げる。例えば、小役1が単独で当選した場合には、第1の役抽選信号のデータとして、識別ビットの種別コード「00」を含む「00000010」(02h)の値が設定される。また、小役2a、2bが重複当選した場合には、第1の役抽選信号のデータとして種別コード「00」を含む「00000111」(07h)の値が設定される。このように、小役の当選があるときには、MSB側の識別ビット領域に種別コード「00」を設定した第1の役抽選信号が生成される。
ここで留意すべき点は、図24の例で示されるように、入賞系の何れの役にも当選していないときには、識別ビット領域に種別コード「00」を設定するとともに、データ領域の少なくとも1つのビットに値「1」を含むように第1の役抽選信号を作成する。入賞系の役が外れの場合に役抽選信号のデータ領域の値を0hとしてしまうと、8ビットのラインが全て“00000000”となる、いわゆる無信号の状態と区別ができなくなくためである。
また、例えば、再遊技役a、b、cが重複当選した場合には、識別ビットの種別コード「01」を含む「01000110」(46h)の値が設定された第2の役抽選信号が生成される。
また、小役3の当選とともに例えば3秒のフリーズ演出が選択された場合には、識別ビットの種別コード「00」を含む「00000110」(06h)の値が設定された第1の役抽選信号が生成され、かつ、識別ビットの種別コード「10」を含む「10000001」(81h)の値が設定された第3の役抽選信号が生成される。
また、例えば、BB1役が当選中の場合には、識別ビットの値「11」を含む「11000001」(C1h)の値が設定された第4の役抽選信号が生成される。また、例えば、RB役が当選し5秒のフリーズが選択された場合には、識別ビットの値「10」を含む「10000010」(82h)の値が設定された第3の役抽選信号が生成され、かつ、識別ビットの値「11」を含む「11000011」(C3h)の値が設定された第4の役抽選信号が生成される。
図25は、役抽選信号を出力するステップを含む遊技制御処理の一部を抜粋して示すフローチャートである。なお、図25において、他の図面でも示される処理と同一又は対応する工程については同一のステップ番号を付している。
図25に示されるように、役抽選手段502による役抽選処理(ステップS13)が終了した後、外部信号出力手段530は、識別ビット領域に種別コード「00」を設定し、0〜5ビット目のデータ領域にその当選中の小役の種類や重複当選などの当選態様に対応する当選態様コードを設定することにより、第1の役抽選信号のデータを生成する。小役が当選していなければ、第1の役抽選信号のデータ領域に値0hが設定される。そして、外部信号出力手段530が、第1の役抽選信号のデータをインターフェース基板800の第1の送信バッファ801aに格納する(ステップS13a)。これにより、第1の役抽選信号が外部の試験装置900へ出力される。
また、外部信号出力手段530は、識別ビット領域に種別コード「01」を設定し、0〜5ビット目のデータ領域にその当選中の再遊技役の種類や重複当選などの当選態様に対応する当選態様コードを設定することにより、第2の役抽選信号のデータを生成する。再遊技役が当選していなければ、第2の役抽選信号のデータ領域に値0hが設定される。そして、外部信号出力手段530が、第2の役抽選信号のデータをインターフェース基板800の第2の送信バッファ801bに格納する(ステップS13b)。これにより、第2の役抽選信号が外部の試験装置900へ出力される。
また、外部信号出力手段530は、識別ビット領域に種別コード「10」を設定し、抽選の付加情報としてフリーズ演出が選択されている場合には、0〜5ビット目のデータ領域にフリーズ演出時間に対応するコードを設定することにより、第3の役抽選信号のデータを生成する。フリーズ演出が選択されていなければ、第3の役抽選信号のデータ領域に値0hが設定される。そして、外部信号出力手段530が、第3の役抽選信号のデータをインターフェース基板800の第3の送信バッファ801cに格納する(ステップS13c)。これにより、第3の役抽選信号が外部の試験装置900へ出力される。
また、外部信号出力手段530は、識別ビット領域に値「11」を設定し、0〜5ビット目のデータ領域にその当選中の役物系役の種類に対応する当選態様コードを設定することにより、第4の役抽選信号のデータを生成する。役物系役が当選中でなければ、第4の役抽選信号のデータ領域に値0hが設定される。そして、外部信号出力手段530が、第4の役抽選信号のデータをインターフェース基板800の第4の送信バッファ801dに格納する(ステップS13d)。これにより、第4の役抽選信号が外部の試験装置900へ出力される。
なお、外部信号出力手段530が第1〜第4の役抽選信号を外部出力する順序は任意でよい。また、外部信号出力手段530は、第3の役抽選信号(識別ビットの値「10」)に相当する、フリーズ演出の情報を含む外部信号を、実際のフリーズ演出の開始と同時に出力するか又は再出力してもよい。この場合において、上述のステップS13cで出力される第3の役抽選信号は、フリーズ演出の可能性のみを示す信号として試験装置900に認識され、フリーズ演出の開始と同時に再出力される外部信号は、所定の条件を満足した後のフリーズの実行を示す信号として認識される。また、フリーズ演出の可能性を示す信号は、フリーズ演出が実行される当該遊技の開始時でもよいし、フリーズ演出の実行が確定したタイミングで出力させてもよい(実際にフリーズ演出が行われる遊技より数ゲーム前にフリーズ演出の可能性を示す信号が出力される場合もある)。
かかる第3の実施形態によれば、特に第2の役系統(役物系)よりも第1の役系統(入賞系)の当選態様の種類が多いスロットマシン10において、役抽選信号により伝達可能な情報量を大幅に増加させることができる。したがって、今後更に増加し複雑化することが見込まれる、スロットマシン10の多種多様な遊技状態等の情報の出力にも十分対応が可能となる。
(第4の実施形態)
図26は、第4の実施形態による役抽選信号のデータ構成を説明するための図である。また、図27は、第4の実施形態による役抽選信号の具体的なデータを例示する図である。
第4の実施形態では、役抽選信号のデータ構成のうち、MSB側の2ビット(6〜7ビット目)を当該役抽選信号の属性を識別させる識別ビットとして割り当て、識別ビットを除くLSB側の6ビット(0〜5ビット目)を役の当選態様を示すコードデータ(当選態様データ)を設定するためのデータ領域として割り当てる。
データ領域に設定される役の当選態様の情報には、特定の役の図柄の組み合わせと、当該特定の役の当選とともに定まる付加情報とが含まれる。付加情報を有する特定の役としては、例えば遊技制御手段500が遊技の進行を一時的に停止させるフリーズ演出を伴う役がある。そして、特定の役の当選とともに定まる付加情報は、フリーズ演出の有無を示す情報及びそのフリーズ演出がされる時間の情報を含むことができる。また、フリーズ中にリール動作を伴う場合にはその動作パターン(ノッキング動作、逆回転、変動が開始するリールの順序など)や、変動動作するリールの位置(左、中、右)などの情報を含むことができる。
図26に示される役抽選信号のデータ構成のうち、LSB側の6ビットのデータ領域が第1及び第2のデータ領域に分けられる。本実施形態では、0〜3ビット目を第1のデータ領域とし、その第1のデータ領域を、内部当選した役の種類(フリーズ演出を伴う特定の役や重複当選の役の種類を含む)を示す当選役コードが設定される当選役データ領域として割り当てる。また、4〜5ビット目を第2のデータ領域とし、その第2のデータ領域を、特定の役の当選とともに定まるフリーズ演出時間などの付加情報の内容を示す付加コードが設定される付加情報データ領域として割り当てる。
なお、フリーズ演出を伴わない、つまり付加情報が設定されない役が当選した場合や当該役系統の役が全て外れの場合には、付加情報データ領域に付加コード「00」が設定される。これにより、データ構成を変更することなく、フリーズ演出(付加情報)の有無を役抽選信号に含ませることができる。
図26の実施形態では、外部信号出力手段530は、第1の役系統(入賞系)の役でフリーズ演出を伴わない役が内部当選した場合には、識別ビット領域に値「00」を設定し、0〜3ビット目の当選役データ領域に当選した役の種類を示す当選役コードを設定し、4〜5ビット目の付加情報データ領域に値「00」を設定することにより、第1の役抽選信号のデータを生成する。入賞系の役でフリーズ演出を伴う役が当選した場合には、識別ビット領域に値「01」を設定し、0〜3ビット目の当選役データ領域に当選した役の種類を示す当選役コードを設定し、4〜5ビット目の付加情報データ領域にフリーズ演出に対応する付加コード(「01」、「10」又は「11」)を設定することにより、第1の役抽選信号のデータを生成する。入賞系の役が何れも当選しなかった場合には、識別ビット領域に値「00」を設定し、データ領域に1hの値を設定した第1の役抽選信号のデータを生成する。
ここで留意すべき点は、入賞系の何れの役にも当選していないときには、識別ビット領域に種別コード「00」を設定するとともに、データ領域の少なくとも1つのビットに値「1」を含むように第1の役抽選信号を作成する。入賞系の役が外れの場合に役抽選信号のデータ領域の値を0hとしてしまうと、8ビットのラインが全て“00000000”となる、いわゆる無信号の状態と区別ができなくなくためである。
また、外部信号出力手段530は、第2の役系統(役物系)の役でフリーズ演出を伴わない特別遊技役が内部当選した場合には、識別ビット領域に値「10」を設定し、0〜3ビット目の当選役データ領域に当選した特別遊技役の種類を示す当選役コードを設定し、4〜5ビット目の付加情報データ領域に値「00」を設定することにより、第2の役抽選信号のデータを生成する。特別遊技役でフリーズ演出を伴う役が当選した場合には、識別ビット領域に値「11」を設定し、0〜3ビット目の当選役データ領域に当選した特別遊技役の種類を示す当選役コードを設定し、4〜5ビット目の付加情報データ領域にフリーズ演出に対応する付加コード(「01」、「10」又は「11」)を設定することにより、第2の役抽選信号のデータを生成する。役物系の特別遊技役が何れも当選しなかった場合には、識別ビット領域に値「00」を設定し、データ領域の値を0hとした第2の役抽選信号のデータを生成する。
識別ビット領域に「00」の値が設定される第1の役抽選信号に係る役系統は、本実施形態のように小役等が属する第1の役系統であることが好ましい。入賞系の第1の役系統の小役等よりも役物系の第2の役系統の特別遊技役の方が当選する機会が少ないので、第2の役系統の識別ビット領域に値「00」を設定してしまうと、役抽選信号を伝送するパラレルラインのほとんどのビット値が“0”(ネガティブ)となる状態が継続し、故障や伝送エラーの診断が遅れる可能性があるためである。
このようなデータ構成とすることで、第1の役系統については、フリーズ演出の内容を含めて最多で125(=64×2−3)種類の入賞系の役の当選態様に対応可能な情報量とすることができる。また、第2の役系統については、最多で126(=64×2−2)種類の役物系の役の当選態様に対応可能な情報量とすることができる。
図27を参照して、具体的な事例をいくつか挙げる。例えば、第1の役抽選信号について、フリーズ演出を伴わない小役1が単独で当選した場合には、データとして識別ビットの値「00」を含む「00000010」(02h)の値が設定される。また、フリーズ演出を伴わない再遊技役a、b、cが重複当選した場合には、第1の役抽選信号のデータとして識別ビットの値「00」を含む「00000111」(07h)の値が設定される。
その一方で、例えば、フリーズ演出を3秒伴う小役1が当選した場合には、第1の役抽選信号のデータとして、識別ビットの値「01」を含む「01010010」(52h)の値が設定される。また、例えば、フリーズ演出を5秒伴う小役3が当選した場合には、第1の役抽選信号のデータとして、識別ビットの値「01」を含む「01100110」(66h)の値が設定される。
また、第2の役抽選信号について、例えば、フリーズ演出を伴わないRB役が当選した場合には、データとして識別ビットの値「10」を含む「10000011」(83h)の値が設定される。その一方で、例えば、フリーズ演出を5秒伴うRB役が当選した場合には、第2の役抽選信号のデータとして、識別ビットの値「11」を含む「11100011」(E3h)の値が設定される。
図20で参照されるように、役抽選手段502による役抽選処理(ステップS13)が終了すると、外部信号出力手段530が上述した方法で入賞系の役に係る第1の役抽選信号のデータ(識別ビットの値「00」又は「01」)を生成し、インターフェース基板800の第1の送信バッファ801aにデータを格納する(ステップS13a)。また次に外部信号出力手段530は、上述した方法で役物系の役に係る第2の役抽選信号のデータ(識別ビットの値「10」又は「11」)を生成し、インターフェース基板800の第2の送信バッファ801bにデータを格納する(ステップS13b)。これにより、送信バッファ801a、801bにデータが格納された第1の役抽選信号及び第2の役抽選信号が、順次、外部の試験装置900へ出力されることとなる。
かかる第4の実施形態によれば、役抽選手段502による役抽選処理の結果としてフリーズ演出の内容などの付加情報を含む当選態様を示す役抽選信号を、役の系統ごとの第1及び第2の役抽選信号に分けて順次出力する構成とした。これにより、メイン制御基板100、インターフェース基板800及びこれらを接続するハーネス等の既存のハードウェアを変更又は改造しなくても、役抽選信号で伝達可能な情報量を増加させることができ、スロットマシンの多種多様な遊技状態等の情報の外部出力に対応することが可能になる。
なお、第2の役系統に係る役抽選信号を出力した後に第1の役系統に係る役抽選信号を出力する順序であってもよい。また、外部信号出力手段530は、フリーズ演出の付加情報を伴う、上述した識別ビットの値「01」又は「11」の役抽選信号に相当する外部信号を、実際のフリーズ演出の開始と同時に出力するか又は再出力してもよい。この場合において、上述のステップS13a又はS13bで出力される第1又は第2の役抽選信号は、フリーズ演出の可能性のみを示す信号として試験装置900に認識され、フリーズ演出の開始と同時に再出力される外部信号は、所定の条件を満足した後のフリーズの実行を示す信号として認識される。また、フリーズ演出の可能性を示す信号は、フリーズ演出が実行される当該遊技の開始時でもよいし、フリーズ演出の実行が確定したタイミングで出力させてもよい(実際にフリーズ演出が行われる遊技より数ゲーム前にフリーズ演出の可能性を示す信号が出力される場合もある)。
(第5の実施形態)
図28は、第5の実施形態による役抽選信号のデータ構成を説明するための図である。また、図29は、この第5の実施形態による役抽選信号の具体的なデータを例示する図である。
第5の実施形態では、役抽選信号のデータ構成のうち、MSBを当該役抽選信号の属性を識別させるための識別ビットとして割り当て、識別ビットを除くLSB側の7ビット(0〜6ビット目)を役の当選態様を示すコードデータ(当選態様データ)を設定するためのデータ領域として割り当てる。
データ領域に設定される役の当選態様には、特定の役の図柄の組み合わせと、当該特定の役の当選とともに定まる付加情報とが含まれる。付加情報を有する特定の役としては、例えば対応する特定の図柄を表示させるためにリール40L、40C、40Rへの停止操作順が対応付けられる役がある。そして、特定の役の当選とともに定まる付加情報は、AT演出又は特定の図柄を引き込むための停止操作順の情報を含むことができる。
また、図28に示される役抽選信号のデータ構成のうち、MSB(識別ビット)を除く7ビットのデータ領域が第1及び第2のデータ領域に分けられる。本実施形態では、0〜2ビット目を第1のデータ領域とし、その第1のデータ領域を、内部当選した役の種類(停止操作順が設定される特定の役や重複当選の役の種類を含む)を示す当選役コードが設定される当選役データ領域として割り当てる。また、3〜6ビット目を第2のデータ領域とし、その第2のデータ領域を、特定の役の当選とともに定まる停止操作順などの付加情報の内容を示す付加コードが設定される付加情報データ領域として割り当てる。
なお、停止操作順が設定されない役が当選した場合や当該役系統の役が全て外れの場合には、付加情報データ領域に付加コード0hが設定される。これにより、データ構成を変更することなく、停止操作順の設定の有無を役抽選信号に含ませることができる。
図28で示される第5の実施形態では、外部信号出力手段530は、識別ビット領域に値「0」を設定し、0〜2ビット目の当選役データ領域に当選した入賞系役の種類を示す当選役コードを設定し、3〜6ビット目の付加情報データ領域に停止操作順を示す付加コード(0h〜9hの何れか)を設定することにより、第1の役抽選信号のデータを生成する。入賞系の役が何れも当選しなかった場合には、データ領域に1hの値を設定する。また、停止操作順が設定されないときは、付加情報データ領域に0hの値を設定する。
ここで留意すべき点は、入賞系の何れの役にも当選していないときには、データ領域の少なくとも1つのビットに値「1」を含むように第1の役抽選信号を作成する。入賞系の役が外れの場合に役抽選信号のデータ領域の値を0hとしてしまうと、8ビットのラインが全て“00000000”となる、いわゆる無信号の状態と区別ができなくなくためである。
また、外部信号出力手段530は、識別ビット領域に値「1」を設定し、0〜2ビット目の当選役データ領域に当選した役物系の特別遊技役の種類を示す当選役コードを設定することにより、第2の役抽選信号のデータを生成する。役物系の特別遊技役が何れも当選中でない場合には、データ領域に0hの値を設定して、第2の役抽選信号のデータを生成する。なお、役物系の特別遊技役に停止操作順が設定されていれば、3〜6ビット目の付加情報データ領域に付加コード(1h〜9hの何れか)を設定することもできる。
また、識別ビット領域に値「0」の値が設定される第1の役抽選信号に係る役系統は、本実施形態のように小役等が属する第1の役系統であることが好ましい。入賞系の第1の役系統の小役等よりも役物系の第2の役系統の特別遊技役の方が当選する機会が少ないので、第2の役系統の識別ビット領域に値「0」を設定してしまうと、役抽選信号を伝送するパラレルラインのほとんどのビット値が“0”(ネガティブ)となる状態が継続し、故障や伝送エラーの診断が遅れる可能性があるためである。
このようなデータ構成とすることで、第1の役系統については、操作停止順の対応付けの内容を含めて最多で126(=128−2)種類の入賞系の役の当選態様に対応可能な情報量とすることができる。また、第2の役系統については、最多で127(=128−1)種類の役物系の役の当選態様に対応可能な情報量とすることができる。特に付加情報データ領域のビット長を4ビットとしたので、6通りの押し順の組み合わせ及び3通りの第1停止操作ボタンの位置を含む、15通りの停止操作順の情報を役抽選信号に含めることができる。また、ストップボタンの押し位置(停止目標の図柄の種類)の情報を付加情報に含ませてもよい。
図29を参照して、具体的な事例をいくつか挙げる。例えば、第1の役抽選信号について、停止操作順が設定されない小役1が単独で当選した場合には、データとして識別ビットの値「0」を含む「00000010」(02h)の値が設定される。また、左、中、右の停止操作順が押し順正解として対応付けされる再遊技役a、b、cが重複当選した場合には、第1の役抽選信号のデータとして識別ビットの値「0」を含む「00100100」(24h)の値が設定される。
また、第2の役抽選信号について、RB役が当選した場合には、データとして識別ビットの値「1」を含む「10000011」(83h)の値が設定される。
図20を参照し、外部信号出力手段530は、役抽選手段502による役抽選処理(ステップS13)が終了後に、上述した方法で入賞系の役に係る第1の役抽選信号のデータ(識別ビットの値「0」)を生成し、インターフェース基板800の第1の送信バッファ801aにデータを格納する(ステップS13a)。また、外部信号出力手段530は、上述した方法で役物系の役に係る第2の役抽選信号のデータ(識別ビットの値「1」)を生成し、インターフェース基板800の第2の送信バッファ801bにデータを格納する(ステップS13b)。これにより、送信バッファ801a、801bにデータが格納された第1及び第2の役抽選信号が、順次、外部の試験装置900へ出力される。
なお、第2の役系統(役物系)に係る役抽選信号を出力した後に第1の役系統(入賞系)に係る役抽選信号を出力する順序であってもよい。
かかる第5の実施形態によれば、役抽選手段502による役抽選処理の結果として停止操作順が対応付けられる付加情報を含む当選態様を示す役抽選信号を、役の系統ごとの第1及び第2の役抽選信号に分けて順次出力する構成とした。これにより、メイン制御基板100、インターフェース基板800及びこれらを接続するハーネス等の既存のハードウェアを変更又は改造しなくても、役抽選信号で伝達可能な情報量を増加させることができ、スロットマシンの多種多様な遊技状態等の情報の外部出力に対応することが可能になる。
(第6の実施形態)
図30は、第6の実施形態による、役抽選信号のデータ構成を説明するための図である。また、図31は、第6の実施形態による役抽選信号の具体的なデータを例示する図である。これらの図に示されるように、役抽選信号は、第1の役系統(入賞系)の役の抽選結果に関する情報を示す第1の役抽選信号と、第2の役系統(役物系)の役の抽選結果に関する情報を示す第2の役抽選信号とからなる。更に、第1及び第2の役抽選信号のそれぞれが、8ビットの2つのセグメント信号から構成され、試験装置900へは各セグメント信号の単位(8ビットパラレル)で出力される。
第1の役抽選信号を構成する第1及び第2のセグメント信号は、MSB側の2ビット(6〜7ビット目)が識別ビット領域として割り当てられる。第1の役抽選信号において、第1のセグメント信号の識別ビット領域には値「00」が設定され、第2のセグメント信号の識別ビット領域には値「01」が設定される。また、第1及び第2のセグメント信号のデータ構成のうち、識別ビットを除くLSB側の6ビット(0〜5ビット目)が、第1の役抽選信号におけるそれぞれ上位側又は下位側のデータ領域として割り当てられる。すなわち、第1の役抽選信号で伝達しようとする当選態様の情報を、第1のセグメント信号のデータ領域に設定される下位側6ビット、及び、第2のセグメント信号のデータ領域に設定される上位側6ビットを統合させてなる、合計12ビットのコードデータで表現する。かかるデータ構成の第1の役抽選信号により、外れを含めて4095通りの入賞系役に係る当選態様が表現可能となる。
同様に、役物系の入賞態様を示す第2の役抽選信号を構成する第3及び第4のセグメント信号も、MSB側の2ビットが識別ビット領域として割り当てられ、LSB側の6ビットが、合計12ビットのそれぞれ上位側又は下位側のデータ領域として割り当てられる。第2の役抽選信号において、第3のセグメント信号の識別ビット領域には値「10」が設定され、第4のセグメント信号の識別ビット領域には値「11」が設定される。かかるデータ構成の第2の役抽選信号により、外れを含めて4096通りの役物系役に係る当選態様が表現可能となる。
なお、第1の役抽選信号を構成する第1及び第2のセグメント信号の識別ビットの値を共に例えば「01」とし、第2の役抽選信号を構成する第3及び第4のセグメント信号の識別ビットの値を共に例えば「10」として区別してもよい。
図30及び図31に示される実施形態は、第1の役抽選信号のデータ構成において、第1のセグメント信号のデータ領域(下位ビット側)に入賞系役の当選役の種類又は対応する図柄の組み合わせを示す当選態様コードを設定し、第2のセグメント信号のデータ領域(上位ビット側)に当該役の当選により定まる付加情報を示す付加コードを設定する例で示される。付加情報としては、上述した実施形態と同様に、役抽選と同時に又は他の条件を満たすことにより決定される、例えばフリーズ演出時間、フリーズ演出の開始及び終了条件、リール演出動作パターン、並びに、ストップボタンの押し順、目標の図柄の押し位置などの情報を含ませてもよい。
ここで留意すべき点は、入賞系の何れの役にも当選していないときには、第1の役抽選信号における第1のセグメント信号の識別ビット領域に種別コード「00」が設定されるとともに、そのセグメント信号のデータ領域の少なくとも1つのビットに値「1」が設定される。入賞系の役が外れの場合に第1のセグメント信号のデータ領域の値を0hとしてしまうと、8ビットのラインが全て“00000000”となる、いわゆる無信号の状態と区別ができなくなくためである。本実施形態では、入賞系役が外れの場合には、第1のセグメント信号の値が1hに設定される。
また、第1の役抽選信号において、フリーズ演出や停止操作順などの付加情報が設定されない役が当選した場合や入賞系の役が全て外れの場合には、第2のセグメント信号のデータ領域に付加コード0hの値が設定される。これにより、データ構成を変更することなく、付加情報の有無を第1の役抽選信号に含ませることができる。第2の役抽選信号についても同様である。
なお、フリーズ演出や停止操作順などの付加情報の有無に関係なく、スロットマシン10に備えられる入賞系役の全ての図柄組み合わせ態様(小役、通常再遊技役、特定再遊技役、小役の重複当選、再遊技役の重複当選、遊技状態移行出目、フリーズ確定出目など)に対しその図柄の組み合わせ(図柄出目)順に当選態様コードを単純に割り振り、第1及び第2のセグメント信号の各データ領域を統合してなる、拡張した12ビットのデータ領域に、当該遊技における抽選結果に対応する当選態様コードを設定するものでもよい。
図31を参照して、具体的な事例をいくつか挙げる。例えば、第1の役抽選信号について、付加情報を伴わない小役1が単独で当選した場合には、識別ビットの値「00」を含むデータ値「00000010」(02h)の第1のセグメント信号と、識別ビットの値「01」を含むデータ値「01000000」(40h)の第2のセグメント信号とが生成される。その一方で、例えば、フリーズ演出を3秒伴う小役1が当選した場合には、識別ビットの値「00」を含むデータ値「00000010」(02h)の第1のセグメント信号と、識別ビットの値「01」を含むデータ値「01010000」(50h)の第2のセグメント信号とが生成される。また、例えば、左、中、右の停止操作順が押し順正解として対応付けされる再遊技役a、b、cが重複当選した場合には、識別ビットの値「00」を含むデータ値「00001111」(0Fh)の第1のセグメント信号と、識別ビットの値「01」を含むデータ値「01000100」(44h)の第2のセグメント信号とが生成される。
また、第2の役抽選信号について、例えば、フリーズ演出を伴わないRB役が当選した場合には、識別ビットの値「10」を含むデータ値「10000011」(83h)の第3のセグメント信号と、識別ビットの値「11」を含むデータ値「11000000」(C0h)の第4のセグメント信号とが生成される。一方、例えば、フリーズ演出を5秒伴うRB役が当選した場合には、識別ビットの値「10」を含むデータ値「10000011」(83h)の第3のセグメント信号と、識別ビットの値「11」を含むデータ値「11100000」(E0h)の第4のセグメント信号とが生成される。
また、識別ビット領域に「00」の値が設定される第1の役抽選信号(第1のセグメント信号)に係る役系統は、本実施形態のように小役等が属する第1の役系統であることが好ましい。入賞系の第1の役系統の小役等よりも役物系の第2の役系統の特別遊技役の方が当選する機会が少ないので、第2の役系統の識別ビット領域に値「00」を設定してしまうと、役抽選信号を伝送するパラレルラインのほとんどのビット値が“0”(ネガティブ)となる状態が継続し、故障や伝送エラーの診断が遅れる可能性があるためである。
次に図32を参照して、外部信号出力手段530による、外部信号としての役抽選信号の送信動作を説明する。図32は、図7に示したスロットマシン10のメイン制御基板100が実行する遊技制御処理において、役抽選信号を出力するステップを含むその前後の処理を抜粋して示すフローチャートである。なお、図32において、他の図面で示される処理と同一の工程については同一のステップ番号を付している。
遊技制御処理において、役抽選手段502による役抽選処理(ステップS13)が終了すると、外部信号出力手段530が上述した方法で入賞系の役に係る第1の役抽選信号を構成する第1及び第2のセグメント信号のデータを生成する(ステップS13e)。また、外部信号出力手段530が上述した方法で役物系の役に係る第2の役抽選信号を構成する第3及び第4のセグメント信号のデータを生成する(ステップS13f)。
引続き、外部信号出力手段530は、第1の役抽選信号を構成する第1のセグメント信号のデータをインターフェース基板800の第1の送信バッファ801aに格納し(ステップS13g)、第2の役抽選信号を構成する第3のセグメント信号のデータを第2の送信バッファ801bに格納し(ステップS13h)、第1の役抽選信号を構成する第2のセグメント信号のデータを第3の送信バッファ801cに格納し(ステップS13i)、第2の役抽選信号を構成する第4のセグメント信号のデータを第4の送信バッファ801dに格納する(ステップS13j)。
インターフェース基板800の送信バッファ801a、801b、801c及び801dは、例えば格納したデータを順に読み出して出力する、FIFO(First In First Out)構造のキュー送信バッファメモリから構成される。送信バッファ801a〜801dにデータが格納された順に各セグメント信号が外部に出力される。
かかる第6の実施形態によれば、1つの役抽選信号を2つのセグメント信号で構成し、各役系統における当選態様を表現するデータ領域を、2つのセグメント信号の上位下位6ビットのデータ領域を統合させた合計12ビットに拡張した。これにより、メイン制御基板100、インターフェース基板800及びこれらを接続するハーネス等の既存のハードウェアを変更又は改造しなくても、スロットマシンの多種多様な遊技状態等の情報の外部出力に対応することが可能になる。
なお、外部信号出力手段530がセグメント信号を外部出力する順序は任意に定めてよい。
(第7の実施形態)
図33は、第7の実施形態による、役抽選信号を構成する各セグメント信号のデータ構成を説明するための図である。また、図34は、この第7の実施形態によるセグメント信号の具体的なデータを例示する図である。
これらの図に示されるように、役抽選信号は、第1の役系統(入賞系)の役の抽選結果に関する情報を示す第1の役抽選信号と、第2の役系統(役物系)の役の抽選結果に関する情報を示す第2の役抽選信号とからなる。更に、第1の役抽選信号は、8ビットの2つのセグメント信号から構成され、試験装置900へは各セグメント信号の単位(8ビットパラレル)で出力される。
第1の役抽選信号を構成する第1及び第2のセグメント信号は、MSB側の2ビット(6〜7ビット目)が識別ビット領域として割り当てられる。第1の役抽選信号において、第1のセグメント信号の識別ビット領域には値「01」が設定され、第2のセグメント信号の識別ビット領域には値「10」が設定される。また、第1及び第2のセグメント信号のデータ構成のうち、識別ビットを除くLSB側の6ビット(0〜5ビット目)が、第1の役抽選信号におけるそれぞれ上位側又は下位側のデータ領域として割り当てられる。すなわち、第1の役抽選信号で伝達しようとする当選態様の情報を、第1のセグメント信号のデータ領域に設定される下位側6ビット、及び、第2のセグメント信号のデータ領域に設定される上位側6ビットを統合させてなる、合計12ビットのコードデータで表現する。かかるデータ構成の第1の役抽選信号により、外れを含めて4096通りの入賞系役に係る当選態様が表現可能となる。
一方、役物系の入賞態様を示す第2の役抽選信号は1つのセグメント信号(第3のセグメント信号)からなり、そのデータ構成のうちMSB側の2ビットが識別ビット領域として割り当てられ、LSB側の6ビットが当選中の役の種類を示すデータ領域として割り当てられる。第2の役抽選信号におけるセグメント信号の識別ビット領域には値「11」が設定される。
図33及び図34に示される実施形態は、第1の役抽選信号のデータ構成において、第1のセグメント信号の下位データ領域に入賞系役の当選役の種類又は対応する図柄の組み合わせを示す当選態様コードを設定し、第2のセグメント信号の上位データ領域に当該役の当選により定まる付加情報を示す付加コードを設定する例で示される。
第1の役抽選信号において、フリーズ演出や停止操作順などの付加情報が設定されない役が当選した場合や入賞系の役が全て外れの場合には、第2のセグメント信号のデータ領域に付加コード0hの値が設定される。これにより、データ構成を変更することなく、付加情報の有無を第1の役抽選信号に含ませることができる。
なお、フリーズ演出や停止操作順などの付加情報の有無に関係なく、スロットマシン10に備えられる入賞系役の全ての図柄組み合わせ態様(小役、通常再遊技役、特定再遊技役、小役の重複当選、再遊技役の重複当選、遊技状態移行出目、フリーズ確定出目など)に対しその図柄の組み合わせ(図柄出目)順に当選態様コードを単純に割り振り、第1及び第2のセグメント信号の各データ領域を統合してなる12ビットのデータ領域に、当該遊技における抽選結果に対応する当選態様コードを設定するものでもよい。
図34を参照して、具体的な事例をいくつか挙げる。例えば、第1の役抽選信号について、付加情報を伴わない小役1が単独で当選した場合には、識別ビットの値「01」を含むデータ値「01000011」(41h)の第1のセグメント信号と、識別ビットの値「10」を含むデータ値「10000000」(80h)の第2のセグメント信号とが生成される。その一方で、例えば、フリーズ演出を3秒伴う小役1が当選した場合には、識別ビットの値「01」を含むデータ値「01000001」(41h)の第1のセグメント信号と、識別ビットの値「10」を含むデータ値「10010000」(80h)の第2のセグメント信号とが生成される。また、例えば、左、中、右の停止操作順が押し順正解として対応付けされる再遊技役a、b、cが重複当選した場合には、識別ビットの値「01」を含むデータ値「01001110」(4Eh)の第1のセグメント信号と、識別ビットの値「10」を含むデータ値「10000100」(84h)の第2のセグメント信号とが生成される。
また、第2の役抽選信号について、例えば、フリーズ演出を伴わないRB役が当選した場合には、識別ビットの値「11」を含むデータ値「11000011」(C3h)の第3のセグメント信号が生成される。一方、例えば、フリーズ演出を5秒伴うRB役が当選した場合には、識別ビットの値「11」を含むデータ値「11100011」(E3h)の第3のセグメント信号が生成される。
次に図35を参照して、外部信号出力手段530による、外部信号としての役抽選信号の送信動作を説明する。図35は、図7に示したスロットマシン10のメイン制御基板100が実行する遊技制御処理において、役抽選信号を出力するステップを含むその前後の処理を抜粋して示すフローチャートである。なお、図35において、他の図面でも示される処理と同一の工程については同一のステップ番号を付している。
遊技制御処理において、役抽選手段502による役抽選処理(ステップS13)が終了すると、外部信号出力手段530が上述した方法で入賞系の役に係る第1の役抽選信号を構成する第1及び第2のセグメント信号のデータを生成する(ステップS13e)。また、外部信号出力手段530が上述した方法で役物系の役に係る第2の役抽選信号を構成するセグメント信号のデータを生成する(ステップS13f)。
引続き、外部信号出力手段530は、第1の役抽選信号を構成する第1のセグメント信号のデータをインターフェース基板800の第1の送信バッファ801aに格納し(ステップS13g)、第2の役抽選信号を構成する第3のセグメント信号のデータを第2の送信バッファ801bに格納し(ステップS13h)、第1の役抽選信号を構成する第2のセグメント信号のデータを第3の送信バッファ801cに格納する(ステップS13i)。これにより送信バッファ801a〜801cにデータが格納された順に各セグメント信号が外部に出力される。
かかる第7の実施形態によれば、第1の役抽選信号を2つのセグメント信号で構成して、入賞系役の当選態様を表現するデータ領域を12ビットに拡張した。そして、役物系役の当選態様の情報を伝達する第2の役抽選信号については、データ領域が6ビットの1つのセグメント信号で生成するようにした。このように、各役系統の当選態様の種類や数に応じてセグメント信号の数を増減させることで、スロットマシンの多種多様な遊技状態等の情報の外部出力に関して要求される効率性又は伝送時間に対応することが可能になる。
(第8の実施形態)
次に、図36のフローチャートを参照して、上述した第1〜7の実施形態の外部信号出力手段530による外部信号の出力動作に適合した、回転中のリール40L、40C、40Rに対する停止操作信号の受け付け処理の変形例を説明する。ここで、図36は、図7に示したスロットマシン10のメイン制御基板100が実行する遊技制御処理において、役抽選信号を出力するステップと、停止操作信号を受け付けるステップとを含むそれらの前後の処理を抜粋して示すフローチャートである。なお、図36において、他の図面でも示される処理と同一の工程については同一のステップ番号を付し、既に説明をした処理については説明を省略する。また、図37は、第8の実施形態による、回転開始信号、役抽選信号及びリール動作等を示すタイムチャートである(第7の実施形態の方法により役抽選信号を生成した場合を例示)。
遊技制御処理において、メダルが規定枚数賭けられた状態で回転開始信号が検知されたとき(ステップS11:YES)、役抽選手段502による役抽選処理が行われる(ステップS13)。役抽選処理(ステップS13)が終了後、外部信号出力手段530は、例えば上述した第1〜7の実施形態のような方法で当選態様に係る第1及び第2の役抽選信号を生成し、送信バッファに格納する(ステップS13x)。なお、図36のフローチャートでは処理が単一のスレッドとして記載されているが、実際には回転開始信号の発生とともに役抽選手段502による役抽選処理が行われ、外部信号出力手段530及びインターフェース基板800による信号の外部出力の処理と、リール回転制御手段503によるリール40L、40C、40Rの加速及び定速制御の処理とが並列的に実行される。
送信バッファに格納されたデータが順次、外部出力される間に、リール回転制御手段503は、各リール40L、40C、40Rが所定の回転速度(例えば80回転/分)に到達したか否か判定する(ステップS152)。所定の回転速度に達し定速制御と判断されると(ステップS152:YES)、メインの遊技制御が所定時間待ち状態となり処理を遅延させる(ステップS154)。ステップS154で処理を遅延させる所定時間は、外部信号出力手段530による役抽選信号の出力が完了するまでの見込み時間が設定される。また、リール40L、40C、40Rの回転開始前にフリーズ演出が行われる場合には、その演出動作時間を含めてもよい。すなわち、第1及び第2の役抽選信号が全て試験装置900において受信される時まで処理が遅延される。
そして、ステップS154の遅延処理後に、停止操作信号の受け付け処理が許可される(ステップS155)。
かかる第8の実施形態によれば、スロットマシン10の遊技制御処理において、停止操作信号の受け付け処理の開始を、リール40L、40C、40Rが所定の回転速度に達した時点から所定時間遅延させるようにした。これにより、外部信号出力手段530が全ての役抽選信号(又は全てのセグメント信号)の外部出力を完了した後でなければ、停止操作を受け付けない構成とすることができる。したがって、役抽選信号等の外部信号の情報量が増大し情報伝達に時間がかかる場合や、リール40L、40C、40Rの回転開始がフリーズ演出により遅れる場合や、リール40L、40C、40Rの軽量化等により加速時間が短縮されたスロットマシン10であっても、外部信号の出力処理と本来の遊技制御処理とが干渉するおそれをなくすことができる。よって、例えば図37に示されるように、役抽選信号と停止操作受付を許可する信号とが同時に又は重複して試験装置900に送信されることはない。
(第9の実施形態)
次に、図38のフローチャートを参照して、上述した第1〜7の実施形態の外部信号出力手段530による外部信号の出力動作に適合した、回転中のリール40L、40C、40Rに対する停止操作信号の受け付け処理の他の変形例を説明する。図38は、図7に示したスロットマシン10のメイン制御基板100が実行する遊技制御処理において、役抽選信号を出力するステップと、停止操作信号を受け付けるステップとを含むそれらの前後の処理を抜粋して示すフローチャートである。なお、図38において、他の図面でも示される処理と同一の工程については同一のステップ番号を付し、既に説明をした処理については説明を省略する。また、図39は、第9の実施形態による、回転開始信号、役抽選信号及びリール動作等を示すタイムチャートである(第7の実施形態の方法により役抽選信号を生成した場合を例示)。
遊技制御処理において、メダルが規定枚数賭けられた状態で回転開始信号が検知されたとき(ステップS11:YES)、タイマが起動される(ステップS11a)。ここで、タイマは、メイン制御基板100のCUP101が実行するループ処理でステップをカウントする内部方式、メイン制御基板100に備えられるクロック部が出力する一定周期のパルス信号をカウントする方式又は外部タイマからの割り込み方式の何れのタイマでもよい。
続いて、役抽選手段502による役抽選処理が行われた後(ステップS13)、外部信号出力手段530が例えば上述した第1〜7の実施形態のような方法で当選態様に係る第1及び第2の役抽選信号を生成し、送信バッファに格納する(ステップS13x)。なお、図38のフローチャートでは処理が単一のスレッドとして記載されているが、実際には回転開始信号の発生とともに役抽選手段502による役抽選処理が行われ、外部信号出力手段530及びインターフェース基板800による信号の外部出力の処理と、リール回転制御手段503によるリール40L、40C、40Rの加速及び定速制御の処理とが並列的に実行される。
送信バッファに格納されたデータが順次、外部出力される間に、遊技制御処理は、ステップS11aで起動したタイマが所定時間経過するまで待ち状態となる(ステップS150)。ステップS150の処理で待つ所定時間は、外部信号出力手段530による第1及び第2の役抽選信号(全てのセグメント信号)の出力が完了するまでの見込み時間が設定される。また、リール40L、40C、40Rの回転開始前にフリーズ演出が行われる場合には、その演出動作時間を所定経過待ち時間に含めてもよい。すなわち、第1及び第2の役抽選信号を構成する全てのセグメント信号が試験装置900に受信される時まで待ち状態が継続する。
送信バッファに格納されたデータの外部出力処理と並行して、遊技制御処理でタイマが所定時間経過したと判断されると(ステップS150:YES)、各リール40L、40C、40Rが所定の回転速度(例えば80回転/分)に到達したか否か判定される(ステップS152)。そして、所定の回転速度に達し定速制御と判断された後に(ステップS152:YES)、停止操作信号の受け付け処理が許可される(ステップS155)。
かかる第9の実施形態によれば、スロットマシン10の遊技制御処理において、回転開始信号の発生から所定時間経過後に、リール40L、40C、40Rが所定の回転速度に達したか否かの判断の処理を行い、リールが所定の回転速度に達したことの判断に基づいて停止操作信号の受け付け処理を行うようにした。これにより、外部信号出力手段530が全ての役抽選信号(全てのセグメント信号)の外部出力を完了した後でなければ、停止操作を受け付けない構成とすることができる。したがって、役抽選信号等の外部信号の情報量が増大し情報伝達に時間がかかる場合や、リール40L、40C、40Rの回転開始がフリーズ演出により遅れる場合や、リール40L、40C、40Rの軽量化等により加速時間が短縮されたスロットマシン10であっても、外部信号の出力処理と本来の遊技制御処理とが干渉するおそれをなくすことができる。よって、例えば図39に示されるように、役抽選信号と停止操作受付を許可する信号とが同時に又は重複して試験装置900に送信されることはない。
以上、本発明に係る外部信号として、試験信号に用いられる役抽選信号を例に第1〜第9の実施形態を説明した。但し、本発明の範囲は、第1〜第9の実施形態のそれぞれ個別的又は限定的に解釈されるものでなく、各実施形態で説明された信号のデータ構成及び外部出力方法等を適宜組み合わせた態様をも含む。