以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態である遊技機の概略正面図、図2はその遊技機の概略ブロック図である。ここでは、遊技機が、いわゆるパチスロ機といわれる回胴式遊技機である場合について説明する。
本実施形態の回胴式遊技機は、図1及び図2に示すように、第一回胴リール11a,第二回胴リール11b,第三回胴リール11cと、表示窓12と、メダル投入口13と、クレジット数表示部14と、MAXベットボタン15と、一枚投入ボタン16と、ベット枚数表示部17と、スタートレバー18と、第一停止ボタン19a,第二停止ボタン19b,第三停止ボタン19cと、清算ボタン21と、払出数表示部22と、メダル放出口23と、メダル受皿24と、画像表示部30と、電飾表示部40と、スピーカ部50と、投入メダル検出センサ61と、MAXベットボタン操作検出センサ62と、一枚投入ボタン操作検出センサ63と、スタートレバー操作検出センサ64と、第一停止ボタン操作検出センサ65a,第二停止ボタン操作検出センサ65b,第三停止ボタン操作検出センサ65cと、第一回胴リール駆動手段66a,第二回胴リール駆動手段66b,第三回胴リール駆動手段66cと、主制御基板70と、演出制御基板80とを備える。ここで、画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50が本発明の演出手段に該当する。
図1に示すように、回胴式遊技機の中央部のやや上側には、第一回胴リール(左側回胴リール)11a、第二回胴リール(中央回胴リール)11b、第三回胴リール(右側回胴リール)11cが配設されている。各回胴リール11a,11b,11cは、複数の図柄を一列に配した図柄列を有しており、回転可能に構成されている。第一回胴リール11aは第一回胴リール駆動手段66aにより駆動され、第二回胴リール11bは第二回胴リール駆動手段66bにより駆動され、そして、第三回胴リール11cは第三回胴リール駆動手段66cにより駆動される。ここで、各回胴リール駆動手段66a,66b,66cとしては、例えばステッピングモータが用いられる。これら回胴リール駆動手段66a,66b,66cの制御は、主制御基板70により行われる。
各回胴リール11a,11b,11cに配される図柄には、例えば、赤色の数字「7」図柄、青色の数字「7」図柄、BAR図柄、リプレイ図柄、スイカ図柄、ベル図柄、チェリー図柄等がある。各回胴リール11a,11b,11cの外周には、これらの図柄が合計21個若しくはそれ以下の個数、配されている。また、回胴リール11a,11b,11c毎に各図柄の数及び図柄の配置順序は異なっている。
表示窓12は回胴リール11a,11b,11cに対応する位置に設けられた透明な窓部である。遊技者は、図1に示すように、第一回胴リール11a,第二回胴リール11b,第三回胴リール11cの停止時において表示窓12からそれぞれの回胴リール11a,11b,11cに付された三つの図柄を目視することができる。
メダル投入口13は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入するための投入口である。投入メダル検出センサ61はメダル投入口13の内部に設けられており、メダルがメダル投入口13に投入されたことを検出するものである。投入メダル検出センサ61からの検出信号は主制御基板70に送られる。主制御基板70は、かかる投入メダル検出センサ61からの検出信号に基づいて、メダルが何枚投入されたのかを認識することができる。
表示窓12のすぐ下側には、クレジット数表示部14が設けられている。クレジット数表示部14は、メダルのクレジット数(貯留数)を所定の範囲内(例えば50枚以内)で表示するものである。メダル投入口13からメダルを投入すると、主制御基板70は、投入メダル検出センサ61からの信号に基づいて、現在のクレジット数からその投入したメダルの数だけ増加させた数を計数して貯留し、クレジット数表示部14に表示させる。また、主制御基板70は、ゲーム(遊技)において所定の役が成立すると、その役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を現在のクレジット数に加算し、その加算した数をクレジット数表示部14に表示させる。
MAXベットボタン15及び一枚投入ボタン16は、メダルを賭けてゲーム(遊技)を行う旨を指示するための遊技指示手段であり、表示窓12の左下側に設けられている。MAXベットボタン15は、メダルを三枚賭けてゲームを行うことを選択するボタンであり、また、一枚投入ボタン16は、メダルを一枚、二枚又は三枚賭けてゲームを行うことを選択するボタンである。具体的には、一枚投入ボタン16を一回押すことにより、メダルを一枚賭けてゲームを行うことが選択され、一枚投入ボタン16を二回押すことにより、メダルを二枚賭けてゲームを行うことが選択され、そして、一枚投入ボタン16を三回押すことにより、メダルを三枚賭けてゲームを行うことが選択される。すなわち、一枚投入ボタン16を三回押すことは、MAXベットボタン15を一回押すことと同じである。MAXベットボタン操作検出センサ62はMAXベットボタン15が押されたことを検出するものであり、一枚投入ボタン操作検出センサ63は一枚投入ボタン16が押されたことを検出するものである。各センサ62,63からの検出信号は、主制御基板70に送られる。これにより、主制御基板70は、メダルを何枚賭けてゲームを行うのかを認識することができる。
表示窓12の左下側には、ベット枚数表示部17が設けられている。かかるベット枚数表示部17は、当該ゲームにおいて賭けられたメダルの枚数を表示するものである。具体的には、一枚投入ボタン16が一回押されると、主制御基板70は、ベット枚数表示部17の「一」の部分に対応するランプを点灯させる。一枚投入ボタン16が二回押されると、主制御基板70は、ベット枚数表示部17の「二」の部分に対応するランプを点灯させる。そして、一枚投入ボタン16が三回押され、又はMAXベットボタン15が押されると、主制御基板70は、ベット枚数表示部17の「三」の部分に対応するランプを点灯させる。
本実施形態では、三つの回胴リール11a,11b,11cを停止させて所定の図柄を揃えるための入賞ラインが五つ設定されている。すなわち、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つのラインと、表示窓12の左上から右下に向かって延びるラインと、表示窓12の左下から右上に向かって延びるラインとである。メダルを何枚賭けるかに応じて、有効な入賞ラインが異なる。メダルを一枚賭けてゲームを行う場合には、表示窓12の中央部を通り水平方向に延びる一つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。メダルを二枚賭けてゲームを行う場合には、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。そして、メダルを三枚賭けてゲームを行う場合には、五つの入賞ラインすべてが有効な入賞ラインとなる。三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、五つの入賞ラインのうち有効な入賞ライン上に所定の図柄が揃い、所定の役が成立すると、当該ゲームが入賞となり、所定数のメダルが払い出される。
スタートレバー18は、ゲームを開始する旨を指示するために遊技者が操作するものである。メダル投入口13から一回のゲームに必要な数のメダルが投入されるか、又は、既に一回のゲームに必要な数のメダルがクレジットされている状態でMAXベットボタン15の操作、若しくは一枚投入ボタン16の必要回数の操作のうちいずれかの操作が行われることにより、スタートレバー18の操作が可能となる。ここで、一回のゲームは、スタートレバー18が操作されることにより開始し、三つの停止ボタン19a,19b,19cがすべて押された後、次回のゲームを行うためにメダルが投入され又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16が押下されることにより終了する。スタートレバー操作検出センサ64は、スタートレバー18が操作されたことを検出するものである。スタートレバー操作検出センサ64は、スタートレバー18が操作されたことを検出すると、ゲーム開始信号を主制御基板70に送る。主制御基板70は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号を受けているときに、スタートレバー操作検出センサ64からゲーム開始信号を受けると、ゲーム開始の処理を行う。具体的には、主制御基板70は、ゲーム開始信号を受けると、乱数値を取得し、その乱数値に基づいて内部抽選処理を行うと共に、前回のゲーム開始信号の受信時から4.1秒以上経過していれば直ちに、4.1秒経過前であれば4.1秒経過後に、三つの回胴リール11a,11b,11cの回転動作を開始する。
第一停止ボタン19aは第一回胴リール11aの回転動作の停止を指示するためのものであり、第二停止ボタン19bは第二回胴リール11bの回転動作の停止を指示するためのものであり、第三停止ボタン19cは第三回胴リール11cの回転動作の停止を指示するためのものである。第一停止ボタン操作検出センサ65aは第一停止ボタン19aが押されたことを検出するものであり、第二停止ボタン操作検出センサ65bは第二停止ボタン19bが押されたことを検出するものであり、第三停止ボタン操作検出センサ65cは第三停止ボタン19cが押されたことを検出するものである。各停止ボタン操作検出センサ65a,65b,65cからの検出信号は、主制御基板70に送られる。主制御基板70は、停止ボタン操作検出センサ65a,65b,65cからの検出信号を受けると、当該停止ボタン操作検出センサに対応する回胴リールの回転動作を所定の制御方法により停止する。こうして、三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、それらの回胴リール11a,11b,11cに付されている図柄が有効な入賞ライン上において特定の組合せとなると、役が成立することになる。
役の種類には、例えば、BB(ビッグボーナス)と、RB(レギュラーボーナス)と、スイカ小役と、ベル小役と、チェリー小役と、リプレイとがある。このうち、BBとRBは、大当りである大役(ボーナス)と称されるものである。BBには、遊技者が赤色の数字「7」の図柄(BB図柄)を有効な入賞ライン上に揃えることができるという特典を有する役であるBB1と、遊技者が青色の数字「7」の図柄(BB図柄)を有効な入賞ライン上に揃えることができるという特典を有する役であるBB2とがある。RBは、遊技者が「BAR」の図柄(RB図柄)を有効な入賞ライン上に揃えることができるという特典を有する役である。大役になると、回胴式遊技機は、遊技者に有利な遊技状態に移行する。例えば、BB図柄が有効な入賞ライン上に揃うことによりBBが成立した場合には、遊技者が最も多量のメダルを獲得可能なBBゲームに突入する。また、RB図柄が有効な入賞ライン上に揃うことによりRBが成立した場合には、BBゲームに次いで遊技者が多量のメダルを獲得可能なRBゲームに突入する。
一方、スイカ小役、ベル小役、チェリー小役は、小当りである小役と称されるものである。スイカ小役は、遊技者がスイカ図柄を有効な入賞ライン上に揃えることができるという特典を有する役であり、ベル小役は、遊技者がベル図柄を有効な入賞ライン上に揃えることができるという特典を有する役であり、チェリー小役は、遊技者がチェリー図柄を有効な入賞ライン上の左側の位置に停止させることができるという特典を有する役である。かかる小役が成立したときには、それぞれ所定枚数のメダルが払い出される。
また、リプレイは、遊技者がリプレイ図柄を有効な入賞ライン上に揃えることができるという特典を有する役である。このリプレイが成立した場合には、回胴式遊技機は、再遊技の状態、すなわち、今回のゲームに賭けたメダルの枚数と同数のメダルが自動投入され、遊技者が新たにメダルを投入することなく、再度、ゲームを行うことが可能な状態となる。尚、本実施形態では、リプレイはメダルの払出しがないことから、リプレイを小役に含めていないが、次の遊技のための新たなメダルの投入操作が不要なので、その遊技に使用したメダルが払い出されたと仮定して、リプレイを小役として取扱うことも可能である。
払出数表示部22は、成立した役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を表示するものである。払出数表示部22の制御は主制御基板70により行われる。メダル放出口23からは、例えば、遊技者が清算ボタン21を押した場合にそのときのクレジット数に対応する数のメダルが放出される。メダル受皿24は、メダル放出口23から放出されるメダルを蓄積するための皿である。
画像表示部30は、表示窓12の上側に設けられている。本実施形態では、画像表示部30として液晶表示装置を用いている。かかる画像表示部30は、図1及び図2に示すように、液晶パネル31と、液晶パネル31を制御する液晶制御基板32とを有する。画像表示部30は、複数の文字、数字、図形やキャラクター等の画像を変動表示することにより、役の成立の予告、所定の情報の告知、その他の遊技に関わる演出を行う。例えば、大当り確定を予告するプレミアム演出を行ったり、入賞ライン上に揃えるべき図柄の種類を告知したりする。この画像表示部30の演出制御は、主制御基板70からのコマンド(指令信号)に基づいて演出制御基板80により行われる。
電飾表示部40は、複数の表示用ランプを点灯表示することにより、各種の遊技状態を報知したり、遊技に関わる演出を行ったりするものである。本実施形態では、表示用ランプとして、発光ダイオード(light-emitting diode)を用いている。この電飾表示部40の制御は、主制御基板70からのコマンドに基づいて演出制御基板80により行われる。かかる電飾表示部40は、図1に示すように、前扉の裏側であってその外周の各部に設けられている。
スピーカ部50は、音により遊技に関わる演出を行うものである。スピーカ部50の制御は、主制御基板70からのコマンドに基づいて演出制御基板80により行われる。かかるスピーカ部50は、図1及び図2に示すように、第一ドアスピーカ51と、第二ドアスピーカ52と、背面スピーカ53とを有する。第一ドアスピーカ51及び第二ドアスピーカ52はそれぞれ、前扉の裏側上部の左側、右側に設けられている。すなわち、図1において、前扉上部に点線で描いた円の部分が第一ドアスピーカ51及び第二ドアスピーカ52である。また、背面スピーカ53は回胴式遊技機の背面側に設けられている。
主制御基板70は、主に遊技内容やメダルの払出しの制御及び管理を行う。かかる主制御基板70は、図2に示すように、乱数発生手段71と、ROM72と、RAM73と、CPU(遊技制御手段)74とを備えている。ROM72には、遊技内容の制御等に関する各種のプログラムが格納されている。また、RAM73は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。
CPU74は、ROM72に格納されたプログラムを実行することにより、遊技内容の制御を行ったり、演出制御基板80を制御することによって演出の制御を行ったりする。具体的には、乱数値に基づく内部抽選処理、回胴リール11a,11b,11cの駆動・停止処理、遊技状態の管理、演出制御基板80へのコマンドの送信処理等を行う。
まず、乱数値に基づく内部抽選処理を説明する。乱数発生手段71は、所定範囲の数値を順次発生すると共に、所定のタイミングで当該数値を乱数値として取得し、その取得した乱数値をCPU74に送出するものである。本実施形態では、乱数発生手段71として、2バイトのハードウェア乱数カウンタを用いることにしている。このため、乱数発生手段71の発生する数値の範囲は、0から65535までの範囲である。したがって、取得される乱数値もこの範囲内の数である。また、乱数発生手段71は、スタートレバー操作検出センサ64からのゲーム開始信号を受けたときに、乱数値を取得する。その乱数値はCPU74に送られ、CPU74はその送られた乱数値に基づいて内部抽選処理を行う。ここで、ROM72には、役と乱数値との対応関係を示した役抽選テーブルが格納されている。CPU74は、乱数発生手段71から送られた乱数値が、役抽選テーブルにおいていずれの役に対応するかを調べることにより、どの役に当選したか、はずれであるかを決定する。CPU74は、内部抽選の結果に基づいて、遊技内容の制御を行ったり、所定のコマンドを演出制御基板80に送ったりする。
次に、回胴リール11a,11b,11cの駆動・停止処理を説明する。CPU74は、回胴リール11a,11b,11cを駆動及び停止させるリール制御を行う。このCPU74のリール制御には、リールの駆動開始制御、リールの駆動停止制御の他、例えば、役に当選した場合に行われるリール引込み制御、役に当選しなかった場合に行われるはずれ制御等がある。
リール引込み制御とは、停止ボタンが押されたときに、その押されたタイミングで有効な入賞ライン上にある図柄を含めて当該図柄から所定のコマ数(例えば、5コマ)の範囲内に当該役を構成する図柄が存在するときに、その図柄を当該有効な入賞ライン上に引き込むように回胴リールの停止位置を制御することをいう。但し、遊技者が停止ボタンを押したタイミングにおいて上記の所定のコマ数の範囲内に当該役を構成する図柄が存在しないときには、リールの引込み制御が働かず、押したなりの図柄が有効な入賞ライン上に停止する。したがって、このときには、当該役を構成する図柄は有効な入賞ライン上に揃わず、当該役は成立しないことになる。
はずれ制御とは、有効な入賞ラインには大役、小役、リプレイのいずれの役も成立しないように、回胴リールの停止位置を制御することをいう。したがって、この場合には、遊技者が特定の役を狙って停止ボタンを押したとしても、どのような役も成立せず、ゲームの結果はいわゆる「はずれ」となる。
次に、遊技状態の管理について説明する。本実施形態の回胴式遊技機では、遊技機の遊技状態として、「一般遊技状態」、「高確率再遊技状態」、「BB遊技状態」、「RB遊技状態」等の各種の遊技状態が設定されている。ここで、「一般遊技状態」は、通常の遊技状態のことであり、「高確率再遊技状態」は、乱数値に基づく内部抽選処理においてリプレイに当選する確率が高く設定された遊技状態である。また、「BB遊技状態」は、遊技者が最も多量のメダルを獲得可能なBBゲームを実行する遊技状態であり、「RB遊技状態」は、BBゲームに次いで遊技者が多量のメダルを獲得可能なRBゲームを実行する遊技状態である。CPU74は、内部抽選の結果に基づいて遊技状態の移行を制御する。このように遊技機が複数の遊技状態を有することにより、遊技状態に応じて多彩な内容の遊技を実現することができる。
次に、演出制御基板80へのコマンド送信処理について説明する。CPU74から演出制御基板80に送信するコマンドには多くの種類がある。例えば、抽選結果コマンド、操作コマンド、停止位置コマンド、回胴回転停止コマンド等がある。CPU74は、これらのコマンドを演出制御基板80に送信することにより、演出制御基板80に様々な情報を伝えて、演出制御基板80を制御している。
抽選結果コマンドは、内部抽選処理の結果に基づいて作成される指令信号である。この抽選結果コマンドには、当選番号コマンドと遊技状態コマンドとが含まれている。CPU74は、スタートレバー18が押下されたときに、上述の内部抽選処理を行うと共に、その抽選により当選した役の種類を示す当選番号コマンドを作成する。また、CPU74は、その抽選時における遊技状態を示す遊技状態コマンドを作成する。ここで、CPU74は内部抽選の結果に基づいて遊技状態の移行を制御するが、遊技状態が移行された場合、CPU74によって作成される遊技状態コマンドは、移行後の遊技状態を示すものではなく、移行前の遊技状態を示すものである。こうして作成された当選番号コマンド及び遊技状態コマンドは、抽選結果コマンドとして演出制御手段80に出力される。
操作コマンドは、遊技者によって所定の操作が行われたときに作成される指令信号である。CPU74は、遊技者によって所定の操作が行われたときに、当該操作が行われた旨の操作コマンドを作成し、その作成した操作コマンドを演出制御基板80に出力する。具体的には、スタートレバー18の押下時、第一停止ボタン19aの押下時、第二停止ボタン19bの押下時、第三停止ボタン19cの押下時、そして、メダルの投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に、操作コマンドが作成される。すなわち、スタートレバー18の押下時には、スタートレバー18が押下された旨の操作コマンドが作成される。第一停止ボタン19aの押下時には、第一停止ボタン19aが押下された旨の操作コマンドが作成され、第二停止ボタン19bの押下時には、第二停止ボタン19bが押下された旨の操作コマンドが作成され、そして、第三停止ボタン19cの押下時には、第三停止ボタン19cが押下された旨の操作コマンドが作成される。また、メダルの投入時には、メダル投入口13からメダルが所定個数投入された旨の操作コマンドが作成され、MAXベットボタン15の押下時には、MAXベットボタン15が一回押下された旨の操作コマンドが作成され、そして、一枚投入ボタン16の押下時には、一枚投入ボタン16が所定回数押下された旨の操作コマンドが作成される。しかし、実際に、CPU74は、メダルの投入時、MAXベットボタン15の押下時、一枚投入ボタン16の押下時にあっては、いずれも全く同じ内容の操作コマンドを作成することにしている。尚、メダル投入時に作成される操作コマンドには、メダルの投入枚数を示す情報も含まれている。
停止位置コマンドは、各回胴リール11a,11b,11cの停止位置(停止表示)を示す指令信号である。CPU74は、各回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、当該回胴リールの停止位置に基づいて停止位置コマンドを作成し、その作成した停止位置コマンドを演出制御基板80に出力する。具体的に、停止位置コマンドの内容としては、当該回胴リールが停止したときに当該回胴リールが所定の基準位置(例えば表示窓12内における上段の位置)に表示している図柄の図柄番号が用いられる。各回胴リールの停止位置コマンドは、当該回胴リールに対応する停止ボタンが押下された旨の操作コマンドとともに演出制御基板80に出力される。また、回胴回転停止コマンドは、三つの回胴リール11a,11b,11cがすべて回転を停止したときに作成される指令信号である。CPU74は、三つの回胴リール11a,11b,11cがすべて回転を停止したときに、三つの回胴リール11a,11b,11cがすべて回転を停止した旨の回胴回転停止コマンドを作成し、演出制御基板80に出力する。
また、CPU74は、スタートレバー16が押下されたときに、上述の内部抽選処理を行うと共に、その内部抽選の結果に応じた演出コマンドを生成し、その生成した演出コマンドを演出制御基板80に出力する。この演出コマンドの内容は内部抽選の結果等を示すものであり、演出制御基板80はかかる演出コマンドに基づいて遊技の演出内容を決定することになる。このように、CPU74は、演出制御基板80に所定の指令信号(演出コマンド、操作コマンド等)を送ることにより、演出制御基板80を制御する。
尚、回胴式遊技機に関しては、さまざまな規格が定められている。その一つに、スタートレバー18を操作してから4.1秒を経過しないと、次にスタートレバー18を操作しても、回胴リール11a,11b,11cが回転しないという規格がある。このため、CPU74は、かかる規格に合致するように、回胴リール11a,11b,11cの駆動開始制御を行う。但し、スタートレバー18を操作してから4.1秒以内に、次にスタートレバー18を操作した場合であっても、CPU74が、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号をすでに受けていれば、乱数値に基づく内部抽選処理は行われる。
演出制御基板80は、主制御基板70と通信ケーブル線を介して接続されている。かかる演出制御基板80は、主に遊技演出に関わる機能を実現する。すなわち、演出制御基板80は、主制御基板70からの指示(演出コマンド、操作コマンド等)を受けて、画像表示部30、電飾表示部40、スピーカ部50の行う演出を制御する。
演出制御基板80は、図2に示すように、ROM(記憶手段)81と、RAM82と、連続演出カウンタ83と、演出モード変更カウンタ84と、CPU(演出制御手段)85とを有する。ROM81には、遊技演出に関する各種のプログラムが格納されている。RAM82は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。特に、このRAM82には、例えば、現在の演出モードに関する情報、演出抽選によって選ばれた演出組合せデータ、連続演出パターンデータ、演出抽選によって「CNTB」という抽選フラグが選ばれた場合における「変更先の演出モードに関する情報」及び「変更終了後の演出モードに関する情報」などが記憶される。これらの情報については後に詳述する。CPU85は、ROM81に格納されたプログラムを実行することにより、遊技演出の制御を行う。
また、ROM81には、プログラムの他に、各種のデータが格納されている。次に、このROM81に格納されているデータの内容を詳しく説明する。図3は演出制御基板80のROM81に格納されているデータの内容を説明するための図である。ROM81のデータ格納領域としては、図3に示すように、演出抽選テーブル格納領域81a、連続演出パターンデータテーブル格納領域81b、演出組合せデータテーブル格納領域81c、演出基本データ格納領域81d、画像演出用パターンデータ格納領域81e、電飾演出用パターンデータ格納領域81f、音声演出用パターンデータ格納領域81g、演出モード変更用抽選テーブル格納領域81h、変更先演出モード回数用抽選テーブル格納領域81i等がある。
演出抽選テーブル格納領域81aには、演出抽選テーブルが各演出モード毎に格納されている。演出モードは、演出抽選テーブルの種類を表すものである。CPU85は、現在の演出モードがいずれの演出モードであるかを常に認識している。すなわち、CPU85は、現在の演出モードに関する情報をRAM82に記憶して、現在の演出モードを管理している。ここで、電源投入時においては、現在の演出モードとして所定の演出モードが初期設定される。
図4は演出抽選テーブルを説明するための図である。各演出抽選テーブルには、図4に示すように、演出番号と抽選フラグとフラグ別演出番号とを決定するための抽選確率が内部抽選の結果毎に定められている。演出番号は後述する演出組合せデータに付与された管理番号であり、この演出番号により、後述する通常演出の内容が特定される。また、抽選フラグは当該演出の種類等を表すものである。この抽選フラグについては後に詳述する。尚、図4に示す演出抽選テーブルでは、説明の都合上、抽選確率を用いているが、実際には役抽選のときと同様に、このような抽選確率となるように所定の乱数値が記述されている。また、図4に示す演出抽選テーブルにおいては、大役、小役、リプレイ等の各役に加えて、いずれの役にも当選しなかったいわゆる「はずれ」をも一つの役として役に含めることにし、内部抽選の結果として「役1」,「役2」,・・・,「役10」の合計10種類の役がある場合を例示している。
画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50に実行させる遊技演出の具体的な内容については、CPU85が決定する。演出の具体的な内容は、抽選により演出番号又はフラグ別演出番号に基づいて決められる。この抽選の確率が演出抽選テーブルに記述されているのである。図4に記載された各数値を65536で除した値が実際の抽選確率である。例えば、現在の演出モードが「第一の演出モード」であり、「役1」の当選という内容を示す演出コマンドが主制御基板70から送られた場合、CPU85は、「第一の演出モード」に対する演出抽選テーブルにおいて「役1」の項目に記載された抽選確率を用いて演出抽選を行うことにより、演出番号、フラグ別演出番号及び抽選フラグを決定する。
本実施形態では、演出抽選テーブルで用いられる抽選フラグとして、「NRML」、「CNTA」、「CNTB」の三種類のフラグが含まれている。演出抽選テーブルにおける抽選フラグの項目には、「NRML」、「CNTA」、「CNTB」のうちいずれかのフラグが指定される。かかる三種類のフラグのうち「NRML」及び「CNTA」は、演出の種類を表すものである。すなわち、「NRML」は、当該演出が通常演出であることを意味し、一方、「CNTA」は、当該演出が連続演出であることを意味する。通常演出とは、ゲームが一回行われるまでの間における遊技の演出の内容が定められた演出組合せデータにしたがって行われる演出をいい、連続演出とは、ゲームが複数回行われるまでの間における遊技の演出の内容が定められた連続演出パターンデータにしたがって行われる演出をいう。
「NRML」のフラグ別演出番号は、図4に示すように、途中に「CNTA」や「CNTB」が介在すると、その分の番号を飛ばして番号を付しているので、「NRML」の場合は、演出番号とフラグ別演出番号とが必ず一致する。したがって、本実施形態では、「NRML」の場合は、演出番号を使用し、フラグ別演出番号は使用してない。フラグ別演出番号は、後述するように「CNTA」と「CNTB」のときに使用する。
また、抽選フラグの項目に「CNTA」が指定されている場合には、当該連続演出が行われるゲーム回数(連続演出ゲーム回数)に関する情報(不図示)もその抽選フラグの項目に記述することにしている。CPU85は、演出抽選の処理において抽選フラグとして「CNTA」を取得した際に、その抽選フラグの項目に記述されている連続演出ゲーム回数を、連続演出カウンタ83の計数値としてセットする。そして、主制御基板70から演出コマンドが送られる毎に、連続演出カウンタ83の計数値から1を減算する。このように、連続演出カウンタ83は、連続演出が行われるゲームの残り回数を計数するものであり、CPU85は、連続演出カウンタ83により連続演出が行われるゲームの回数を管理している。
本実施形態では、抽選フラグの項目に「CNTB」というフラグが指定されることがある。演出抽選テーブルで用いられる抽選フラグの種類に「CNTB」を含めたことは、本実施形態の回胴式遊技機の大きな特徴点である。この「CNTB」は、演出モードの変更を表すものであり、本発明の「演出モード変更フラグ」に該当する。具体的に、「CNTB」は、今回のゲームにおいて、演出モードを現在の演出モードから所定の他の演出モードに変更し、当該他の演出モードに対する演出抽選テーブルを用いて再度、演出抽選を行うべきことを意味する。
また、抽選フラグの項目に「CNTB」が指定されている場合には、「変更先の演出モードに関する情報」と、「変更先の演出モードにおけるゲーム回数に関する情報」と、「変更終了後の演出モードに関する情報」とを当該抽選フラグの項目に記述するようにしている。ここで、図4においては、これらの情報を省略している。「変更先の演出モードに関する情報」は、現在の演出モードから変更する他の演出モードを示すものである。「変更先の演出モードにおけるゲーム回数(演出モード変更ゲーム回数)に関する情報」は、その変更先の演出モードに対する演出抽選テーブルを用いて演出抽選を行うゲームの回数を示すものである。したがって、かかる演出モード変更ゲーム回数だけ、その変更先の演出モードに対する演出抽選テーブルを用いて演出抽選が行われると、その次のゲームにおいては、演出モードは当該変更先の演出モードからさらに別の演出モードに移行することになる。その移行する別の演出モードを示すのが、「変更終了後の演出モードに関する情報」である。尚、本実施形態では、「変更終了後の演出モードに関する情報」として、通常は、元の演出モード、すなわち当該変更先の演出モードに変更する前の演出モードを設定することにしている。この変更終了後の演出モードは、元の演出モードに限定されるものではなく、他の演出モードに移行するように設定してもよいし、或いは、例えば抽選で移行する演出モードを決定するようにしてもよい。
CPU85は、演出抽選の処理において抽選フラグとして「CNTB」を取得した際に、その抽選フラグの項目に記述されている演出モード変更ゲーム回数を、演出モード変更カウンタ84の計数値としてセットする。そして、主制御基板70から演出コマンドが送られる毎に、演出モード変更カウンタ84の計数値から1を減算する。このように、演出モード変更カウンタ84は、変更先の演出モードに対する演出抽選テーブルを用いて演出抽選が行われるゲームの残り回数を計数するものであり、CPU85は、演出モード変更カウンタ84により当該ゲームの回数を管理している。また、CPU85は、演出抽選の処理において抽選フラグとして「CNTB」を取得した際に、その抽選フラグの項目に記述されている「変更先の演出モードに関する情報」と「変更終了後の演出モードに関する情報」とを、RAM82に一時的に記憶する。
具体的に、図4に示す例では、第一の演出モードに対する演出抽選テーブルには、合計10個の演出番号が含まれている。このうち、最初の1番から5番までの各演出番号については、抽選フラグとして「NRML」が指定されており、次の6番から8番までの各演出番号については、抽選フラグとして「CNTA」が指定されている。そして、さらに次の9番及び10番の演出番号については、抽選フラグとして「CNTB」が指定されている。ここで、図4には示されていないが、例えば、本実施形態では、「CNTB」が指定されているフラグ別演出番号1に対する抽選フラグの項目には、「変更先の演出モードに関する情報」として「第二の演出モード」が、「演出モード変更ゲーム回数に関する情報」として「2」が、「変更終了後の演出モードに関する情報」として「第一の演出モード」がそれぞれ記述されている。また、「CNTB」が指定されているフラグ別演出番号2に対する抽選フラグの項目には、「変更先の演出モードに関する情報」として「第三の演出モード」が、「演出モード変更ゲーム回数に関する情報」として「5」が、「変更終了後の演出モードに関する情報」として「第一の演出モード」がそれぞれ記述されている。本実施形態では、「第一の演出モード」が、ある演出ステージの基本的演出を行う演出モードであるので、変更終了後の演出モードとして第一の演出モードを記述している。
一方、第二の演出モードに対する演出抽選テーブルには、合計10個の演出番号が含まれている。このうち、11番から16番までの各演出番号については、抽選フラグとして「NRML」が指定されており、次の17番から20番までの各演出番号については、抽選フラグとして「CNTA」が指定されている。したがって、図4に示す第二の演出モードに対する演出抽選テーブルにおいては、いずれの演出番号についても、演出モード変更フラグである「CNTB」は指定されていない。尚、本実施形態では、第一の演出モードに対する演出抽選テーブルに「CNTB」という抽選フラグが含まれており、第二の演出モードに対する演出抽選テーブルには「CNTB」という抽選フラグが含まれていない場合を説明しているが、一般には、「CNTB」をすべての演出モードに対する演出抽選テーブルに含めるようにしてもよい。
ところで、各演出モードに対する演出抽選テーブルは、当該演出抽選テーブルに含まれる複数の演出番号とそれらの有する抽選フラグとフラグ別演出番号とによって、当該演出抽選テーブルを用いたときに実行され得る演出の具体的内容の範囲を規定するという役割と、各演出番号に当選する抽選確率を定めるという役割とを果たしている。このため、演出モードを変更することにより、演出の内容を変えたり、演出の出現頻度を変えたりすることができる。例えば、第一の演出モードに対する演出抽選テーブルと第二の演出モードに対する演出抽選テーブルとでは全く異なる内容の演出を定めておけば、演出抽選で「CNTB」が取得され、演出モードが第一の演出モードから第二の演出モードに変わることにより、演出の内容を容易に変更することができる。特に、第一の演出モードに対する演出抽選テーブルと第二の演出モードに対する演出抽選テーブルとで異なる演出ステージにおける演出内容を定めておけば、演出モードの変更に応じて、演出ステージを変えることができる。具体的には、第一の演出モードでは画像表示部に町の画像を表示し、抽選で「CNTB」を取得すると、第二の演出モードに移行して、画像表示部に海の画像を表示することにより、演出ステージを変更することができる。また、第一の演出モードに対する演出抽選テーブルと第二の演出モードに対する演出抽選テーブルとでは、演出の内容を全く同じに定め、抽選確率を全く異なるように定めておけば、演出抽選で「CNTB」が取得され、演出モードが第一の演出モードから第二の演出モードに変わることにより、演出の出現頻度を容易に変更することができる。具体的な例を挙げると、第二の演出モードでは、第一の演出モードに比べて、大役当選を遊技者に期待させるような演出を多く出現させることができる。
演出組合せデータテーブル格納領域81cには、演出組合せデータテーブルが格納されている。図5は演出組合せデータテーブルを説明するための図である。演出組合せデータテーブルには、図5に示すように、各「NRML」の演出番号に対応する演出組合せデータが記述されている。なお、「CNTB」という抽選フラグが指定されたフラグ別演出番号に対応する演出組合せデータは存在しない。「CNTB」という抽選フラグは、演出モードの移行を意味するものであり、その「CNTB」という抽選フラグが付与されたフラグ別演出番号は、その演出組合せデータテーブルに形式的に設けられたにすきない。このため、「CNTB」という抽選フラグが付与されたフラグ別演出番号については、演出内容を表す演出組合せデータは定義されていない。
各演出組合せデータは、ゲームが一回行われるまでの間において所定の操作が行われる毎に画像表示部30、電飾表示部40、スピーカ部50のそれぞれに実行させる遊技演出の内容に関する情報を含んでいる。具体的に、かかる演出組合せデータにおいては、スタートレバー18の押下時(レバー押下時)、第一停止ボタン19aの押下時(第一押下時)、第二停止ボタン19bの押下時(第二押下時)、第三停止ボタン19cの押下時(第三押下時)、及びメダル投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時(ベット押下時)の合計五つの操作タイミングが定められており、これらの各操作タイミングに対応して所定の遊技演出の内容に関する情報が設定されている。ここでは、演出組合せデータに含まれる遊技演出の内容に関する情報としては、後述する演出基本データの番号を用いている。
CPU85は、前述の演出抽選処理を行い、抽選フラグ「NRML」を有する演出番号を決定した場合には、当該演出番号に対応する演出組合せデータを演出組合せデータテーブルから取得する。この取得した演出組合せデータはRAM82に記憶される。CPU85は、RAM82に記憶されている演出組合せデータに基づいて画像表示部30、電飾表示部40、スピーカ部50を制御する。すなわち、その演出組合せデータに記述されている内容が、今回、スタートレバー18が押下された時から次回、スタートレバー18が押下されるまでの間において、上記の各操作タイミング時に行うべき遊技の演出内容となる。また、各演出組合せデータには、確定フラグという項目が含まれている。例えば、確定フラグの項目に「BET_FIX」と記述されている場合には、メダル投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に表示される画面がその後もそのまま維持され、一方、「NULL」と記述されている場合には、画面は維持されない。
連続演出パターンデータテーブル格納領域81bには、連続演出パターンデータテーブルが格納されている。図6は連続演出パターンデータテーブルを説明するための図である。連続演出パターンデータテーブルには、図6に示すように、「CNTA」の各フラグ別演出番号に対応する連続演出パターンデータが記述されている。各連続演出パターンデータは、ゲームが複数回行われるまでの間において所定の操作が行われる毎に画像表示部30、電飾表示部40、スピーカ部50のそれぞれに実行させる遊技演出の内容に関する情報を含んでいる。ここでは、連続演出パターンデータに含まれる遊技演出の内容に関する情報として、図5に示す「NRML」の演出番号を用いている。すなわち、各連続演出パターンデータは、「NRML」の演出番号を複数個含んでいる。連続演出パターンデータに含まれる「NRML」の演出番号の個数は、当該連続演出パターンデータにしたがった連続演出が何ゲームにわたって行われるのかを表す。そして、それら各「NRML」の演出番号が記述されている順番は、当該「NRML」の演出番号に対応する演出組合せデータにしたがった通常演出が何ゲーム目に行われるのかを表している。したがって、かかる連続演出パターンデータは、それに含まれる「NRML」の演出番号の個数と同じ回数だけゲームが行われるまでの間において、それらの「NRML」の演出番号が記述されている順に、当該演出番号に対応する演出組合せデータにしたがった通常演出を行うという内容を示している。例えば、図6に示す「CNTA」のフラグ別演出番号1の場合は、6と199が記述されているので、一回目のゲームでは図5に示す「NRML」の演出番号6の演出を行う。次に、二回目のゲームで、「NRML」の演出番号199の演出を行う。
CPU85は、前述の演出抽選処理を行い、抽選フラグ「CNTA」を有するフラグ別演出番号を決定した場合には、当該フラグ別演出番号に対応する連続演出パターンデータを連続演出パターンデータテーブルから取得する。この取得した連続演出パターンデータはRAM82に記憶される。CPU85は、RAM82に記憶されている連続演出パターンデータに基づいて画像表示部30、電飾表示部40、スピーカ部50を制御する。すなわち、その連続演出パターンデータに記述されている内容が、今回、スタートレバー18が押下された時から、その後、当該連続演出パターンデータに含まれる「NRML」の演出番号の個数と同じ回数だけスタートレバー18が押下されるまでの間において、所定の各操作タイミング時に行うべき遊技の演出内容となる。
演出基本データ格納領域81dには、複数の演出基本データが格納されている。図7は演出基本データを説明するための図である。各演出基本データには、図7に示すように、当該演出基本データの番号、画像演出用パターンデータ番号、電飾演出用パターンデータ番号、音声演出用パターンデータ番号が含まれる。ここで、画像演出用パターンデータ番号とは、画像表示部30を制御するための複数の画像演出用パターンデータに付与された管理番号であり、電飾演出用パターンデータ番号とは、電飾表示部40を制御するための複数の電飾演出用パターンデータに付与された管理番号であり、そして、音声演出用パターンデータ番号とは、スピーカ部50を制御するための複数の音声演出用パターンデータに付与された管理番号である。また、画像演出用パターンデータ格納領域81eには、複数の画像演出用パターンデータが格納され、電飾演出用パターンデータ格納領域81fには、複数の電飾演出用パターンデータが格納され、そして、音声演出用パターンデータ格納領域81gには、複数の音声演出用パターンデータが格納されている。
CPU85は、所定の操作タイミング時に、RAM82に記憶されている演出組合せデータに基づいて当該操作タイミング時における演出基本データ番号を特定した後、その特定した演出基本データ番号に対応する演出基本データを決定する。そして、その決定した演出基本データに記述されている各パターンデータ番号に対応する演出用パターンデータをROM81の演出用パターンデータ格納領域81e,81f,81gから読み出す。次に、CPU85は、こうして読み出した画像演出用パターンデータ、電飾演出用パターンデータ、音声演出用パターンデータをそれぞれ、画像表示部30、電飾表示部40、スピーカ部50に送る。これにより、画像表示部30は、その画像演出用パターンデータに基づいて画像を表示し、電飾表示部40は、その電飾表示用パターンデータに基づいて発光ダイオードの点灯を行う。また、スピーカ部50は、その音声演出用パターンデータに基づいて音声を出力する。
次に、本実施形態の回胴式遊技機において主制御基板70が行う処理の手順について説明する。図8は主制御基板70が行う処理の手順を説明するためのフローチャートである。
まず、主制御基板70のCPU74は、ベットボタン操作待ち処理を行う(S1)。すなわち、CPU74は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62又は一枚投入ボタン操作検出センサ63からの検出信号が送られてくるのを待つ。そして、かかる検出信号を受けると、CPU74は、メダル投入口13からメダルが所定個数投入された旨又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16が所定回数押下された旨の操作コマンドを演出制御基板80に送信する。次に、CPU74は、スタートレバー押下待ち処理を行う(S2)。すなわち、CPU74は、スタートレバー操作検出センサ64から検出信号が送られてくるのを待つ。CPU74は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号を受けているときに、スタートレバー操作検出センサ64から信号を受けると、ゲームが開始されたことを認識する。
こうしてゲームが開始されると、CPU74は、乱数値に基づく内部抽選処理を行う(S3)。すなわち、主制御基板70の乱数発生手段71は、スタートレバー操作検出センサ64からの信号を受けたタイミングで、乱数値を取得して、その取得した乱数値をCPU74に送る。CPU74は、ROM72に格納されている所定の役抽選テーブルに基づいて、当該取得された乱数値がどの役に対応するかを調べることにより、どの役に当選したか、はずれであるかを決定する。その後、CPU74は、その内部抽選の結果に基づいて演出コマンドを生成し、その作成した演出コマンドを演出制御基板80に送信する(S4)。尚、ここでは、演出コマンドが、スタートレバー18が押下された旨の操作コマンドとしての役割をも果たすものとする。
次に、CPU74は、前回のスタートレバー操作検出センサ64からの信号を受けてから4.1秒経過するのを待つ(S5)。そして、4.1秒経過すると、CPU74は、回胴リール駆動手段66a,66b,66cを制御して、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cを回転させる(S6)。
次に、CPU74は、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止処理を行う(S7)。すなわち、CPU74は、第一停止ボタン操作検出センサ65aから信号を受けたときに、第一回胴リール駆動手段66aを制御して、第一回胴リール11aを停止させると共に、第一停止ボタン19aが押下された旨の操作コマンドを演出制御基板80に送信する。また、CPU74は、第二停止ボタン操作検出センサ65bから信号を受けたときに、第二回胴リール駆動手段66bを制御して、第二回胴リール11bを停止させると共に、第二停止ボタン19bが押下された旨の操作コマンドを演出制御基板80に送信する。更に、CPU74は、第三停止ボタン操作検出センサ65cから信号を受けたときに、第三回胴リール駆動手段66cを制御して、第三回胴リール11cを停止させると共に、第三停止ボタン19cが押下された旨の操作コマンドを演出制御基板80に送信する。また、CPU74は、各回胴リールの停止位置を示す停止位置コマンド及び三つの回胴リールがすべて停止した旨の回胴回転停止コマンドを演出制御基板に送信する。
こうして、三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、所定の図柄が有効な入賞ライン上に揃い、所定の役が成立すると、当該ゲームが入賞となり、CPU74は、所定数のメダルを払い出す(S8)。以上で、図8に示す処理フローが終了するが、その後、CPU74は、再びステップS1から処理を開始する。
次に、本実施形態の回胴式遊技機において演出制御基板80が行う処理の手順について説明する。図9、図10及び図11は演出制御基板80が行う処理の手順を説明するためのフローチャートである。
まず、演出制御基板80のCPU85は、コマンド待ち処理を行う(S11)。主制御基板70は、演出制御基板80に対して様々な種類のコマンドを送出している。このコマンド待ち処理では、CPU85は、主制御基板70からコマンドが送られてくるのを待つ。CPU85は、コマンドを受け取ると、その受け取ったコマンドが演出コマンドであるかどうかを判断する(S12)。そのコマンドが演出コマンドでなければ、ステップS31に移行し、そのコマンドが演出コマンドであれば、ステップS13に移行する。
ステップS13では、CPU85は、演出モード変更カウンタ84の計数値がゼロであるかどうかを判断する。演出モード変更カウンタ84の計数値がゼロでなければ、CPU85は、以前に「CNTB」という抽選フラグが選ばれたことにより前回のゲームにおいて変更先の演出モードに対する演出抽選テーブルを用いて演出抽選が行われたということを認識する。そして、この場合には、ステップS14に移行する。一方、演出モード変更カウンタ84の計数値がゼロであれば、CPU85は、以前に「CNTB」という抽選フラグが選ばれたことにより前回のゲームにおいて変更先の演出モードに対する演出抽選テーブルを用いて演出抽選処理が行われたのではないということを認識する。そして、この場合には、ステップS17に移行する。
ステップS13の処理において演出モード変更カウンタ84の計数値がゼロでないと判断した場合、CPU85は、演出モード変更カウンタ84の計数値を1だけデクリメントする(S14)。このデクリメント後の演出モード変更カウンタ84の計数値は、今回のゲームにおいて、当該変更先の演出モードに対する演出抽選テーブルを用いて演出抽選が行われるゲームの残り回数を表す。次に、CPU85は、演出モード変更カウンタ84の計数値がゼロであるかどうかを判断する(S15)。このステップS15の処理において、演出モード変更カウンタ84の計数値がゼロでないと判断した場合、CPU85は、今回のゲームにおいても当該変更先の演出モードに対する演出抽選テーブルを用いて演出抽選が行われるべきことを認識する。そして、この場合には、ステップS17に移行する。一方、演出モード変更カウンタ84の計数値がゼロであると判断した場合、CPU85は、前回のゲームにおいて当該変更先の演出モードに対する演出抽選テーブルを用いて演出抽選を行うことが終了したことを認識する。そして、CPU85は、RAM82に記憶されている変更終了後の演出モードに関する情報を認識し、その変更終了後の演出モードを現在の演出モードとしてRAM82に記憶する(S16)。
ステップS17では、CPU85は、連続演出カウンタ83の計数値がゼロであるかどうかを判断する。連続演出カウンタ83の計数値がゼロでなければ、CPU85は、前回のゲーム時には連続演出が行われていたということを認識する。そして、この場合には、ステップS18に移行する。一方、連続演出カウンタ83の計数値がゼロであれば、CPU85は、前回のゲーム時には連続演出が行われていないということを認識する。そして、この場合には、ステップS21に移行する。
また、ステップS17の処理において連続演出カウンタ83の計数値がゼロでないと判断した場合、CPU85は、連続演出カウンタ83の計数値を1だけデクリメントする(S18)。このデクリメント後の連続演出カウンタ83の計数値は、今回のゲームを行う時点において、連続演出が行われるゲームの残り回数を表す。次に、CPU85は、連続演出カウンタ83の計数値がゼロであるかどうかを判断する(S19)。このステップS19の処理において、連続演出カウンタ83の計数値がゼロであると判断した場合、CPU85は、前回のゲームの終了時点で連続演出がすべて終了したことを認識する。そして、この場合には、CPU85は、演出モード変更カウンタ84の計数値をゼロにリセットする(S20)。その後、今回のゲーム時において行うべき演出内容を決定するために、ステップS21に移行する。一方、連続演出カウンタ83の計数値がゼロでないと判断した場合、CPU85は、前回のゲームの終了時点で連続演出がすべて終了しておらず、今回も引き続き、連続演出を行うべきことを認識する。すなわち、CPU85は、今回のゲームにおいては、RAM82にすでに記憶されている当該連続演出パターンデータに基づいて遊技演出の制御を行うことになる。そして、この場合には、ステップS11に移行する。
ステップS21では、CPU85は、RAM82に記憶されている現在の演出モードを認識し、その現在の演出モードに対する演出抽選テーブルを特定する。そして、その演出抽選テーブルに記述されている抽選確率を用いて演出抽選を行い、演出番号、フラグ別演出番号及び抽選フラグを決定する。次に、CPU85は、その決定した抽選フラグが「CNTB」であるかどうかを判断する(S22)。当該抽選フラグが「CNTB」であれば、CPU85は、その抽選フラグの項目に記述されている変更先の演出モードに関する情報を取得し、その変更先の演出モードを現在の演出モードとしてRAM82に記憶する(S23)。すなわち、このステップS23の処理により、演出モードの変更(移行)が行われる。次に、CPU85は、その抽選フラグの項目に記述されている演出モード移行ゲーム回数に関する情報を取得し、その取得した演出モード移行ゲーム回数を演出モード変更カウンタ84の計数値としてセットする(S24)。また、CPU85は、その抽選フラグの項目に記述されている変更終了後の演出モードに関する情報を取得し、その変更終了後の演出モードをRAM82に記憶する(S25)。その後は、ステップS21に移行する。すなわち、ステップS21の処理において「CNTB」という抽選フラグが選ばれた場合には、ステップS22からS25までの処理が行われた後、再び、ステップS21の処理が行われることにより、今回のゲームにおいて再度、演出抽選が行われることになる。
一方、ステップS22の処理において当該抽選フラグが「CNTB」でないと判断した場合、CPU85は、当該抽選フラグが「CNTA」であるかどうかを判断する(S26)。当該抽選フラグが「NRML」であれば、CPU85は、当該演出番号に対応する演出組合せデータを演出組合せデータテーブルから取得し、その取得した演出組合せデータをRAM82に記憶する(S27)。その後は、ステップS11に移行する。
一方、ステップS26の処理において、当該抽選フラグが「CNTA」であれば、CPU85は、その抽選フラグの項目に記述されている連続演出ゲーム回数を、連続演出カウンタ83の計数値としてセットする(S28)。そして、CPU85は、当該フラグ別演出番号に対応する連続演出パターンデータを連続演出パターンデータテーブルから取得し、その取得した連続演出パターンデータをRAM82に記憶する(S29)。その後は、ステップS11に移行する。
また、ステップS12において主制御基板70から送られたコマンドが演出コマンドでないと判断すると、CPU85は、そのコマンドが操作コマンドであるかどうかを判断する(S31)。そのコマンドが操作コマンドでなければ、CPU85は、当該コマンドに基づいてその他の処理を行う(S34)。その後、ステップS11に移行する。一方、ステップS31において当該コマンドが操作コマンドであると判断すると、CPU85は、RAM82に記憶されている演出組合せデータにおいて、当該操作コマンドに対応する遊技の演出が定められているかどうかを判断する(S32)。当該操作コマンドに対応する遊技の演出が定められていなければ、ステップS34に移行する。
一方、ステップS32において当該操作コマンドに対応する遊技の演出が定められていると判断すると、CPU85は、RAM82に記憶されている演出組合せデータに基づいて演出処理を行う(S33)。すなわち、CPU85は、RAM82に記憶されている演出組合せデータに基づいて当該操作時における演出基本データ番号を特定した後、その特定した演出基本データ番号に対応する演出基本データをROM81から取得し、画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50を制御する。具体的には、スタートレバー18が押下された旨の操作コマンドが主制御基板70から送られた場合には、CPU85は、スタートレバー18の押下時に対する演出基本データに基づいて、画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50を制御する。これにより、スタートレバー18の押下時に、画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50は所定の遊技の演出を行う。また、第一停止ボタン19aが押下された旨の操作コマンドが主制御基板70から送られた場合には、CPU85は、第一停止ボタン19aの押下時に対する演出基本データにしたがって、画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50を制御する。これにより、第一停止ボタン19aの押下時に、画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50は所定の遊技の演出を行う。第二停止ボタン19bが押下された旨の操作コマンドが主制御基板70から送られた場合には、CPU85は、第二停止ボタン19bの押下時に対する演出基本データにしたがって、画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50を制御する。これにより、第二停止ボタン19bの押下時に、画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50は所定の遊技の演出を行う。第三停止ボタン19cが押下された旨の操作コマンドが主制御基板70から送られた場合には、CPU85は、第三停止ボタン19cの押下時に対する演出基本データにしたがって、画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50を制御する。これにより、第三停止ボタン19cの押下時に、画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50は所定の遊技の演出を行う。更に、メダル投入口13からメダルが所定個数投入された旨又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16が所定回数押下された旨の操作コマンドが主制御基板70から送られると、CPU85は、メダル投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に対する演出基本データにしたがって、画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50を制御する。これにより、メダル投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に、画像表示部30、電飾表示部40及びスピーカ部50は所定の遊技の演出を行う。尚、ステップS33の処理の後は、ステップS34に移行する。
次に、本実施形態の回胴式遊技機において演出制御基板80が行う処理の手順の変形例について説明する。図12及び図13は演出制御基板80が行う処理の手順の変形例を説明するためのフローチャートである。なお、図12及び図13に示す本変形例において、図9及び図10に示す処理と同一のものには、同一の符号を付することにより、その詳細な説明は省略する。また、本変形例の手順において、図11に示す処理の手順は変更がないので、図11及び図11に関連する説明は省略する。
本変形例では、図12に示すステップS13の処理において、演出モード変更カウンタ84の計数値がゼロでないと判断した場合、CPU85は、演出モード変更カウンタ84の計数値を1だけデクリメントする(S14)。このデクリメント後の演出モード変更カウンタ84の計数値は、今回のゲームにおいて、当該変更先の演出モードに対する演出抽選テーブルを用いて演出抽選が行われるゲームの残り回数を表す。次に、CPU85は、演出モード変更カウンタ84の計数値がゼロであるかどうかを判断する(S15)。このステップS15の処理において、演出モード変更カウンタ84の計数値がゼロでないと判断した場合、CPU85は、今回のゲームにおいても当該変更先の演出モードに対する演出抽選テーブルを用いて演出抽選が行われるべきことを認識する。そして、この場合には、ステップS17に移行する。一方、演出モード変更カウンタ84の計数値がゼロであると判断した場合、CPU85は、前回のゲームにおいて当該変更先の演出モードに対する演出抽選テーブルを用いて演出抽選を行うことが終了したことを認識する。そして、CPU85は、ステップS160で演出モードを変更するための抽選を行う。抽選により決定された演出モードは、現在の演出モードとしてRAMに記憶される。その後、ステップS17〜S20の処理を行って、今回のゲーム時において行うべき演出内容を決定するために、図13に示すステップS21に移行する。ステップS21では、CPU85はステップS160の抽選により決定して、RAMに記憶されている現在の演出モードに対応する演出抽選テーブルを特定する。そして、その演出抽選テーブルに記述されている抽選確率を用いて演出抽選を行い、演出番号、フラグ別演出番号及び抽選フラグを決定する。次に、ステップS22に移行して、CPU85は、その決定した抽選フラグが「CNTB」であるかどうかを判断する。
ところで、「CNTB」の演出のときに、連続演出の「CNTA」が抽選で決定すると、移行前の「CNTB」の抽選フラグの「変更先の演出モードにおけるゲーム回数に関する情報」を用いて設定されたゲーム回数、例えば5ゲームの同じ連続演出が行われる。このときの連続演出が格闘技の勝負が決まる演出であるとする。この場合、同じ格闘技の勝負の演出を5回連続で表示することなり、ゲームの興趣がそがれる恐れがある。そこで、本変形例では、ステップS26の判断で、抽選フラグが「CNTA」である判断すると、ステップS28で、CPU85が、その抽選フラグの項目に記述されている連続演出ゲーム回数を、「CNTA」用の連続演出カウンタ83の計数値としてセットした後に、ステップS281に移行して、ステップS24でセットした演出モード移行ゲーム回数を記憶する演出モード変更カウンタ84の値をリセットして0に設定する。このように「CNTB」で演出モードを変更した後に、上述した演出内容の「CNTA」の連続演出を抽選で決定したときには、「CNTB」の演出モード変更カウンタ84の値をリセットして0に設定することにより、「CNTA」の1回の連続演出が終わったときに、他の演出モードに移行できるようになる。図12及び図13における他のステップは、上述した図9及び図10の各ステップの処理と同様である。なお、本変形例では変更終了後の演出モードをステップS160で抽選により決定するので、図13では図10に示すステップS25の処理に対応する処理は省略している。また、同様の理由から、本変形例では変更終了後の演出モードに関する情報は省略することが可能である。
また、本実施形態の変形例は、上記の本変形例に限定されるものではなく、例えば、「CNTB」の「変更先の演出モードに関する情報」として第三の演出モードを記述し、「変更先の演出モードにおけるゲーム回数に関する情報」として1を記述しておく。また、第三の演出モードの演出抽選テーブルは、「CNTA」の連続演出だけとする。このようにすると、抽選で「CNTB」を決定したときには、第三の演出モードに移行し、「CNTA」の1ゲームの連続演出が行われ、この1ゲームの連続演出が行われた後に、他の演出モードに移行できるようになる。
上記の本実施形態の回胴式遊技機では、演出抽選テーブルに用いられる抽選フラグに、演出の種類を表すフラグの他に、「CNTB」(演出モード変更フラグ)が含まれており、演出制御基板のCPUが、演出抽選により抽選フラグとして「CNTB」を決定したときに、今回のゲームにおいて、演出モードを現在の演出モードから所定の他の演出モードに変更し、当該他の演出モードに対する演出抽選テーブルを用いて再度、演出抽選を行う。これにより、演出モードの変更及び演出の再抽選を1ゲーム中に行うことができるので、演出の展開をすばやく行うことができる。また、演出内容を容易に変更したり、演出の出現頻度を容易に変更したりして、演出の変化に幅を持たせることができる。例えば、第一の演出モードに対する演出抽選テーブルと第二の演出モードに対する演出抽選テーブルとでは全く異なる内容の演出を定めておけば、演出抽選で「CNTB」が取得され、演出モードが第一の演出モードから第二の演出モードに変わることにより、演出の内容を容易に変更することができる。また、第一の演出モードに対する演出抽選テーブルと第二の演出モードに対する演出抽選テーブルとでは、演出の内容を全く同じに定め、抽選確率を全く異なるように定めておけば、演出抽選で「CNTB」が取得され、演出モードが第一の演出モードから第二の演出モードに変わることにより、演出の出現頻度を容易に変更することができる。このように、本実施形態では、演出の展開をすばやく行うことができると共に演出の変化に幅を持たせることができるので、遊技性の向上を図ることができる。
次に、本実施形態で、ゲーム終了時に抽選により演出モードの変更を行う場合について説明する。本実施形態では、内部抽選処理の結果、及び、三つの回胴リールが停止したときの停止表示(以下、単に出目とも称する。)に基づいて演出モードの変更を行なうか否かの抽選を行なう。この抽選で、演出モードの変更が決まれば、演出モードの変更が行われる。
まず、内部抽選の結果、取りこぼす可能性のある小役に当選していて、しかも遊技者がその小役を取りこぼしたときに抽選により演出モードを変更する場合について説明する。図14は、各回胴リール11a,11b,11cに配される図柄列の一例を示す図である。図14の例では、各回胴リール11a,11b,11cに21個の図柄が配されている。また、各回胴リール11a,11b,11cにおいては、各図柄に図柄番号(0から20)が付されている。具体的に、第一回胴リール(左側回胴リール)11aには、青リプレイ図柄、ブランク図柄、ベル図柄、赤7図柄、ベル図柄、青リプレイ図柄、スイカ図柄、ベル図柄、青リプレイ図柄、バー図柄、バー図柄、ブランク図柄、青リプレイ図柄、ブランク図柄、ベル図柄、青7図柄、ベル図柄、青リプレイ図柄、ブランク図柄、チェリー図柄、バー図柄がこの順番で配されている。第ニ回胴リール(中央回胴リール)11bには、青リプレイ図柄、ベル図柄、チェリー図柄、赤7図柄、ブランク図柄、青リプレイ図柄、ベル図柄、スイカ図柄、チェリー図柄、青リプレイ図柄、ベル図柄、青7図柄、ブランク図柄、青リプレイ図柄、ベル図柄、スイカ図柄、バー図柄、青リプレイ図柄、ベル図柄、スイカ図柄、バー図柄がこの順番で配されている。そして、第三回胴リール(右側回胴リール)11cには、スイカ図柄、青リプレイ図柄、ベル図柄、赤7図柄、赤リプレイ図柄、スイカ図柄、青リプレイ図柄、ベル図柄、赤リプレイ図柄、青7図柄、青リプレイ図柄、ベル図柄、赤リプレイ図柄、バー図柄、青リプレイ図柄、ベル図柄、赤リプレイ図柄、チェリー図柄、青リプレイ図柄、ベル図柄、赤リプレイ図柄がこの順番で配されている。尚、各回胴リール11a,11b,11cは、図14に示す図柄列が上から下に移動するように駆動される。
本実施形態では、チェリー小役とスイカ小役は、たとえ内部抽選の結果、これらの小役に当選し、これらの小役の入賞を許容するように各リールの駆動停止制御をおこなう場合でも、遊技者の停止ボタンの操作のタイミングによっては、取りこぼす可能性がある。したがって、チェリー小役とスイカ小役は、取りこぼす可能性のある小役である。すなわち、図14の第一回胴リールの図柄の配列は、チェリー図柄とスイカ図柄の間が7コマ以上あいているので、駆動停止制御の関係で、チェリー小役とスイカ小役とを同時にねらうことできない配列となっている。このため、目押しができる上級者であっても、第一回胴リールの停止ボタンを操作するときには、内部抽選の結果、どちらの小役に当選しているかが分からないので、チェリー小役かスイカ小役のどちらか一方の小役をねらって停止ボタンの操作を行なうことになる。したがって、本実施形態の第一回胴リールの図柄配列の場合、上級者でも、これらの小役の一方の役は、取りこぼすようなる。なお、本実施形態では、ベル小役は、内部抽選の結果、この小役に当選し、この小役の入賞を許容するように各リールの駆動停止制御を行う場合、図14に示す回胴リールの図柄配列であると、遊技者がどのようなタイミングで停止ボタンを操作しても、必ずこの小役に入賞するようになる。したがって、本実施形態では、ベル小役は取りこぼす可能性のない小役である。
また、以下の説明では、図4に示す演出抽選テーブルの各役は、具体的に、役3がはずれ、役4が赤7図柄のBB1、役5が青7図柄のBB2、役6がRB、役7がベル小役、役8がリプレイ、役9がチェリー小役、役10がスイカ小役、である場合について説明する。なお、ここでは、役1及び役2は使用しないので、役1及び役2には役が割り当てられてない。
図15は、内部抽選の結果、取りこぼす可能性のある小役に当選していて、しかも遊技者がその小役を取りこぼしたときに抽選により演出モードの変更を行う処理手順を説明するためのフローチャートである。図15に示す手順は、三つの回胴リールがすべて回転を停止したときに、主制御基板70のCPU74から送られる回胴回転停止コマンドを演出制御基板80が受けたときに実行される。本実施形態の場合、図11に示すフローチャートのステップS34で図15に示す手順が実行される。すなわち、演出制御基板80が回胴回転停止コマンドを受け取ると、このコマンドは演出コマンドでも操作コマンドでもないので、図9のステップS11、同図のステップS12、図11のステップS31を経て、ステップS34に移行して図15に示す処理手順が実行される。
図15に示すステップS41では、CPU85は、演出モード変更カウンタ84の計数値がゼロであるかどうかを判断する。演出モード変更カウンタ84の計数値がゼロでなければ、CPU85は、以前に「CNTB」という抽選フラグが選ばれたことにより前回のゲームにおいて変更先の演出モードに対する演出抽選テーブルを用いて演出抽選が行われたということを認識し、ゼロであれば、演出モードの変更が行われていないことを認識する。尚、ここでは変更先の演出モードがフェイク演出モードであるとする。フェイク演出モードとは、通常時の演出抽選確率よりも様々な演出が発生しやすい期待感を抱かせる演出モードのことをいう。例えば前述した、大役の当選を遊技者に期待させるような演出を、第一の演出モード(通常時の演出モード)に比べて多く出現させることができる第二の演出モードは、このフェイク演出モードの一つである。演出モード変更カウンタ84の計数値がゼロでなければ、既に、フェイク演出モードによる演出がおこなわれているので、重複した演出制御を避けるために、この処理を終了する。また、演出モード変更カウンタ84の計数値がゼロであれば、フェイク演出モードによる演出は行われていないので、ステップS42に移行する。
ステップS42では、今回のゲームで取りこぼす可能性のあるスイカ小役又はチェリー小役に内部抽選の結果、当選しているか否かを判断する。主制御基板から送信され、RAM82に記憶している抽選結果コマンドに基づいて、これらの小役に当選しているか否かを判断し、これらの役に当選していなければ、ゲーム終了時の演出モードの変更のための抽選を行なうことなく、本処理を終了する。これらの取りこぼしの可能性のある小役に内部抽選の結果、当選していれば、ステップS43に移行する。
ステップS43では、既に、主制御基板から送信され、RAM82に記憶している停止位置コマンドに基づいて、チェリー小役又はスイカ小役に入賞しているか否かを判断する。これらの役に入賞していれば、本処理を終了する。また、これらの役に入賞しておらず、遊技者がこれらの小役を取りこぼしていれば、ステップS44に移行する。
ステップS44では、乱数値と演出変更用抽選テーブルを用いて演出モードの変更を行うか否かの抽選を行なう。図16はゲーム終了時に演出モードの変更を行うか否かの抽選を行なうときに用いる演出モード変更用抽選テーブルを示す図である。演出モード変更用抽選テーブルは、演出モードの変更を行うか否かを決定するための抽選確率が、取りこぼした小役毎に定められたものであり、ROM81に格納されている。図16に示す演出モード変更用抽選テーブではチェリー小役及びスイカ小役を取りこぼしたときに、演出モードを通常時の演出モードからフェイク演出モードに変更するための抽選確率が取りこぼした各小役ごとに定められている。なお、図16に記載された各数値を65536で除した値が実際の抽選確率である。また、図16に示す演出モード変更用抽選テーブルでも、説明の都合上、抽選確率を用いているが、実際には役抽選のときと同様に、このような抽選確率となるように、所定の乱数値が記述されている。演出制御基板のCPU85は、乱数と演出モード変更用抽選テーブルを用いて演出モードの変更を行うか否かの抽選を行なう。
ステップS45では、ステップS44での抽選の結果、フェイク演出モードへの変更が決まったか否かを判断する。フェイク演出モードへ変更しないときには、本処理を終了する。フェイク演出モードへ変更するときには、ステップS46に移行する。
ステップS46では、変更先であるフェイク演出モードのゲームを何回行なうかの抽選を行なう。図17は変更先であるフェイク演出モードのゲーム数を決めるための抽選を行なうときに用いる変更先演出モード回数用抽選テーブルを示す図である。変更先演出モード回数用抽選テーブルは、変更先の演出モードのゲーム数を決めるための抽選確率が取りこぼした小役毎に定められているものであり、ROM81に格納されている。図17に示す変更先演出モード回数用抽選テーブルでは、取りこぼしたチェリー小役及びスイカ小役ごとに変更先の演出モードで行なうゲーム数(1又は2回)を決めるための抽選確率が定められている。なお、図17に記載された各数値を65536で除した値が実際の抽選確率である。また、図17に示す変更先演出モード回数用抽選テーブルでも、説明の都合上、抽選確率を用いているが、実際には役抽選のときと同様に、このような抽選確率となるように、所定の乱数値が記述されている。また、図17では、説明を簡略化するために、チェリー小役とスイカ小役とで、同じ抽選確率としているが、これらの抽選確率は異なるようにしてもよい。また、フェイク演出モードのゲーム数は1ゲームと2ゲームに限られるものではなく、3ゲーム以上であってもよい。演出制御基板のCPU85は、乱数と変更先演出モード回数用抽選テーブルを用いて、変更先の演出モードで行なうゲームの回数を決定する。ステップS47では、ステップS46の抽選で決まったゲーム数を演出モード変更カウンタ84の計数値としてセットして、本処理を終了する。
従来の回胴式遊技機の場合、フェイク演出モードに移行する抽選を行なうのはゲーム開始時だけであるが、本実施形態の場合、フェイク演出モードに移行する抽選を行なうのは、ゲーム開示時だけでなく、ゲーム終了時にも行う。したがって、従来の回胴式遊技機に比べて、より変化に富んだ多彩な演出を行うことができる。
また、本実施形態によれば、ゲーム開始時の演出モードの変更を行う抽選で、演出モードの変更を行わないことが決定しているときでも、ゲーム終了時の演出モードの変更を行う抽選で、演出モードの変更を行うことが決定すれば、演出モードの変更を行うので、ゲーム終了時の結果を次のゲームの演出に反映させて、多彩な演出を行うことができる。
また、目押しのできない初心者は、内部抽選で、チェリー小役やスイカ小役に当選しても、これらの小役を取りこぼすことが多い。この場合、従来の回胴式遊技機では、ゲーム開始時の演出モードを変更する抽選で、演出モードを変更しないことが決定している場合、通常時の演出モードでの演出が行われる。したがって、従来の回胴式遊技機では、初心者がこれらの小役を取りこぼしたときには、以後のゲームでの期待感は高くならない。これに対して、本実施形態の回胴式遊技機によれば、これらの小役を取りこぼしたときには、抽選によりフェイク演出モードへの変更を行なうことができるので、初心者に対しては期待感を高める演出を行う確率が高くなり、初心者でも多彩なゲームの演出を楽しむことができる。
一方、目押しができる上級者は、チェリー小役もスイカ小役も目押しで揃えることができる。しかしながら、本実施形態の第一回胴リールの図柄配列では、上述したように、目押しができる上級者であっても、第一回胴リールの停止ボタンを操作するときには、内部抽選の結果、どちらの小役に当選しているかが分からないので、チェリー小役かスイカ小役のどちらか一方の小役をねらって停止ボタンの操作を行なうことになる。すなわち、本実施形態の第一回胴リールの図柄配列の場合、上級者でも、これらの小役の一方の役は、取りこぼすようなる。したがって、本実施形態の回胴式遊技機は、上級者に対しても、抽選によりフェイク演出モードへの変更を行なうことができるので、上級者に対しても期待感を高める演出を行う確率が高くなり、上級者も多彩なゲームの演出を楽しむことができる。また、上級者が目押しで、当選したこれらの小役を揃えることができたときには、フェイク演出モードへの変更抽選を行わないので、フェイク演出モードに移行することはなく、上級者に対してはフェイク演出モードの演出が多発するのを抑えることができる。
上記の本実施形態によれば、目押しができない初心者に対しては、チェリー小役やスイカ小役を取りこぼしても、次のゲームで期待感を高める演出の発生頻度が高くなり、期待感を高めることができる。また、上級者に対しては、チェリー小役やスイカ小役は目押しで揃えることができるので、フェイク演出モードの演出が多発するのを抑えて、しかも従来の装置に比べて期待感を高める演出を行うことができる。したがって、本実施形態によれば、ゲーム終了時の出目を次のゲームの演出に反映させることにより、遊技者の技量に応じた演出を行うことができる。
次に、本実施形態で、チャンス目が出現したときに、抽選により演出モードを変更する場合について説明する。チャンス目とは、内部抽選の結果、ボーナスに当選し、当該ボーナスを取りこぼしたときに表示される出目であって、且つ、取りこぼしの可能性のある小役(本実施形態の場合、チェリー小役とスイカ小役)を取りこぼしたときにも表示される出目である。図18は表示窓12から目視できる停止図柄の一例を示す図であり、チャンス目を説明するための図である。本実施形態では、図18に示す、第三回胴リールの停止図柄である青リプレイ図柄・ベル図柄・赤リプレイ図柄の出目はチャンス目であり、この出目は、はずれのときには停止しない出目である。このチャンス目は、上述したように、内部抽選の結果、ボーナスに当選し、当該ボーナスを取りこぼしたときに表示される出目であると共に、内部抽選の結果、取りこぼす可能性のある小役に当選し、当該小役を取りこぼしたときにも表示される出目でもある。
本実施形態では、チャンス目が出現すると、演出制御基板のCPU85は、ステップS43で、主制御基板から送信されてRAM82に記憶されている停止位置コマンドに基づいて、遊技者がチェリー小役又はスイカ小役を取りこぼしたと判断する。これにより、上述したように、抽選により演出モードの変更が行われる。
目押しのできない初心者は、チェリー小役やスイカ小役を取りこぼすことが多い。したがって、初心者の場合、チャンス目が出現する可能性が高い。しかし、初心者は、チャンス目が出現しても、何の図柄を取りこぼしてチャンス目が出現したのかを判断することができない。この場合、従来の回胴式遊技機では、ゲーム開始時の演出モードを変更する抽選で、演出モードを変更しないことが決定していると、通常時の演出モードでの演出が行われる。したがって、従来の回胴式遊技機では、初心者はチャンス目が出現しても、以後のゲームで期待感が高くならない。これに対して、本実施形態の回胴式遊技機によれば、チャンス目が出現したときに、抽選によりフェイク演出モードへの変更を行なうので、初心者に対しては、期待感を高める演出を行う確率が高くなり、初心者であっても、多彩なゲームの演出を楽しむことができる。
一方、目押しができる上級者は、チェリー小役もスイカ小役も目押しで揃えることができるので、上級者にとってチャンス目は、初心者がゲームを行なっているときに比べて出現する頻度が少ない出目となる。このチャンス目が表示されたときには、上級者は、ボーナスに内部当選しているか、或いは小役に当選していたかが分かる。したがって、チャンス目は、上級者にとってはボーナスに内部当選しているかもしれないと期待させる嬉しい出目となる。また、このチャンス目が出現したときには、期待感を高める演出を行う確率が高くなり、上級者も多彩なゲームの演出を楽しむことができる。しかも、上級者はチェリー小役やスイカ小役は目押しで揃えることができるので、上級者に対してはフェイク演出モードの演出が多発するのを抑えることができる。したがって、本実施形態によれば、ゲーム終了時の出目を次のゲームの演出に反映させることにより、遊技者の技量に応じた演出を行うことができる。
次に、本実施形態の変形例である、同時当選役を備える回胴式遊技機で、同時当選役の小役を取りこぼしたときに、抽選により演出モードを変更する場合について説明する。ここで、同時当選役とは、取りこぼしの可能性のある小役とボーナスとが同時に当選する役をいう。本変形例の回胴式遊技機は、取りこぼしの可能性のある小役とボーナスとが内部抽選の結果、同時に当選する役、例えば、赤7図柄のBB1とチェリー小役が同時に当選する役、及び、赤7図柄のBB1とスイカ小役が同時に当選する役を備えている。本変形例の回胴式遊技機は、図4に示す演出抽選テーブルの役1が赤7図柄のBB1とチェリー小役の同時当選役であり、役2が赤7図柄のBB1とスイカ小役の同時当選役である。
本変形例の回胴式遊技機は、取りこぼしの可能性のある役とボーナスとが内部抽選の結果、同時に当選する場合がある点で上述した実施形態の回胴式遊技機とは異なるが、その他の点は上述した実施形態の回胴式遊技機と同じである。したがって、本変形例の回胴式遊技機において、上述した実施形態の回胴式遊技機と同一のものについては、その詳細な説明は省略する。
本変形例の回胴式遊技機では、内部抽選の結果、同時当選役に当選し、当該同時当選しているボーナスと小役を取りこぼしたときにも、上述したチャンス目が出現する。また、同時当選する小役については、各小役毎にボーナスに同時に当選している割合を示す期待度が異なるように設定している。本変形例の場合、チェリー小役とスイカ小役とでは、チェリー小役の方の期待度を高く設定している。
具体的には、本変形例の場合、ボーナスと同時抽選の対象となっているチェリー小役が内部抽選の結果、当選する確率を示す出現率は約1/262.2に、また内部抽選の結果、チェリー小役とボーナスとが同時に当選している割合を示す期待度は約25.5%に設定している。一方、ボーナスと同時抽選の対象となっているスイカ小役が出現する確率を示す出現率は約1/72.8に、また内部抽選の結果、スイカ小役とボーナスとが同時に当選している割合を示す期待度は約4.4%に設定している。このように本変形例の回胴式遊技機の場合、スイカ小役が当選したときのボーナスの期待度(4.4%)よりもチェリー小役が当選したときのボーナスの期待度(25.5%)が高いので、チェリー小役を取りこぼして、上述したチャンス目が出現したときには、スイカ小役を取りこぼしたときに比べて、フェイク演出モードに移行する確率を高く設定している。すなわち、図16に示す、ゲーム終了時に演出モードの変更を行うか否かの抽選を行なうときに用いる演出モード変更用抽選テーブルで、チェリー小役のフェイク演出モードに移行する確率を高く設定している。なお、本発明は、取りこぼしの可能性のある小役がチェリー小役とスイカ小役に限られるものではなく、他の小役、例えば、入賞したときに獲得することができる賞メダルの枚数が一枚の所謂一枚役と呼ばれる小役であってもよい。この一枚役は、取りこぼす可能性が高くなるように図柄が配列されていること、及び賞メダルの数が他の小役に比べて少ないので、上級者であっても、通常、この役をねらってゲームを行なうことはない。したがって、この一枚役とボーナスとが同時当選していても、取りこぼすことが多い。かかる取りこぼしの確率の高い一枚役とボーナスとが同時当選する確率を高く設定しておくことにより、チャンス目が出現する機会が多くなり、上級者の期待感をより高めることができる。また、このような取りこぼす可能性の高い小役が当選したときには、予め、スタートレバー18の押下時に演出モードを変更する抽選を行うようにしてもよい。また、同時に当選するボーナスは、BBだけなく、RBやCTBB(リール制御が特殊な制御状態となり、役の抽選結果に関係なく、遊技者の技量次第でいずれの小役をも有効な入賞ライン上に揃えることができるようになる役である。)等であってもよい。
本変形例の回胴式遊技機によれば、チェリー小役又はスイカ小役とボーナスとが内部抽選の結果、同時に当選し、ボーナスとこれらの小役を取りこぼすと、チャンス目が出現する。このチャンス目が出現すると、演出制御基板のCPU85は、ステップS43で、主制御基板から送信されてRAM82に記憶されている停止位置コマンドに基づいて、遊技者がボーナスとチェリー小役又はスイカ小役を取りこぼしたと判断する。これにより、上述したように、抽選により演出モードの変更が行われる。
目押しのできない初心者の場合、小役とボーナスとが同時当選しても、ボーナスも小役の図柄も揃えることができないことが多い。従来の回胴式遊技機の場合、ゲーム開始時に演出モードを変更しないことが決定していると、初心者が同時当選役のボーナスと小役を取りこぼしても、演出モードが変更されないので、初心者はチャンス目が出現しても、次のゲームの演出を楽しむことがでない。これに対して、本変形例の回胴式遊技機は、チャンス目が出現すると、次のゲームで期待感を高める演出の発生頻度が高くなるので、初心者であっても多彩な演出を楽しむことができる。
一方、上級者は、本変形例の回胴式遊技機のように、ボーナスと小役に同時当選しても小役を揃えられる可能性が高いので、取りこぼすことは少ない。その際に、ゲーム開始時に演出モードの変更を行わないことが決定している場合に、前記したようにボーナスと同時当選している確率を低く設定しているスイカ図柄が揃ったときには、上級者は経験上期待度が低いことを知っていることが多く、このような場合に、ゲーム終了時の演出モードを変更する抽選を行って、フェイク演出モードに移行したとしても、上級者にとっては却って煩わしくなることが多い。したがって、小役とボーナスとが同時当選している場合に、小役が揃ったときには、ゲーム終了時の演出モードを変更する抽選を行なわないようにすることにより、上級者にとって好ましいゲームの演出を行うことができる。このように、本変形例の回胴式遊技機は、ゲームの結果を反映した演出を行うことにより、遊技者の技量に応じた演出を行うことが可能となり、従来の回胴式遊技機にない特有の作用・効果を奏する。
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、上述した実施形態では、図16に示す演出モード変更用抽選テーブルを用いて、ゲーム終了時に演出モードの変更を行うか否か決定していたが、この抽選テーブルの代わりに、条件判断ロジックで処理するようにしてもよい。例えば、チェリー小役に当選していた場合、40000/65536=約2/3の確率で、フェイク演出モードに移行するように、乱数を用いて条件判断ロジックで抽選処理を行なうようにしてもよい。図17に示す変更先演出モード回数用抽選テーブルについても同様である。
また、上記の実施形態では、チャンス目が出現する回胴式遊技機について説明したが、本発明はチャンス目が出現しない回胴式遊技機であってもよい。また、上記の実施形態では、ゲーム開始時に抽選により演出モードの変更を行う場合がある回胴式遊技機について説明したが、本発明は、ゲーム開始時には抽選による演出モードの変更を行うことがない回胴式遊技機であってもよい。
また、上記の実施形態では、小役を取りこぼしたときに、抽選により演出モードの変更を行う場合について説明したが、小役を取りこぼさなかったときにも、出目に基づいて、抽選により演出モードの変更を行うようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、演出制御基板のCPUが、演出抽選により抽選フラグとして「CNTB」を決定したときに、演出モードを、現在の演出モードから、その抽選フラグの項目に記述されている変更先の演出モードに変更する場合について説明したが、演出制御基板のCPUは、演出抽選により抽選フラグとして「CNTB」を決定したときに、演出モードの抽選を行うことにより、現在の演出モードから変更する他の演出モードを決定するようにしてもよい。このように、現在の演出モードから変更する他の演出モードが抽選で決定されることにより、他の演出モードとして選ばれ得る演出モードの範囲を広げることができるので、演出の変化にさらに幅を持たせることができる。
また、上記の実施形態では、本発明を回胴式遊技機に適用した場合について説明したが、例えば、本発明をパチンコ遊技機に適用してもよい。