図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面斜視図、図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つの回胴のそれぞれに対応して3つのストップスイッチ140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の上側には、液晶表示装置LCDが設けてある。
液晶表示装置LCDの両側にはアーチランプAHが設けてある。アーチランプAHは、その内部に設けられた発光素子の点滅を通じて所定の演出を行うものである。また、ゲーム表示部131の両側にもアーチランプAH’が設けてある。さらに内側、すなわちゲーム表示部131とアーチランプAH’の間にはサイドランプSLが設けてある。また、前記ゲーム表示部131の下側には、7セグLEDなどを搭載した表示部9Cが設けてある。これらは、遊技機の電飾装置であり、本発明の実施の形態の処理による節電対象となり得るものである。
アーチランプAHなどの電飾装置は、その内部に複数の発光素子(発光ダイオード)を備えている。例えば、アーチランプAHは3個又は6個、アーチランプAH’は6個、サイドランプSLは6個又は10個の発光素子を備えている。7セグLEDは、それぞれ7つのLED(セグメント)を備えている。
スロットマシン本体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個の回胴を含むリール(回胴)ユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つの回胴(第1回胴〜第3回胴)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転回胴の図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205が設けられている。
前記前扉130の裏面には、図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたリジェクトボタン133の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
図3はスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図示しないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部を備える。
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、当該ケースに収納された基板を取り外す際には痕跡が残るように、当該ケースには封印処理が施されている。
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、リールの回転・停止やメダルの払い出しなどの処理(遊技処理)を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134,ストップボタン140,リールユニット(リール駆動装置を含む)203,リール位置検出回路71、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これら80〜82は前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(ローカル基板)が接続されている。
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
ホッパ駆動部80は、ホッパ81を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
投入受付部1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1リール〜第3リールの回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1リール〜第3リールの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10はベットスイッチBETの有効/無効を制御する。ベットスイッチBETが有効になっていないときは(許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1050から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。リプレイ処理手段1600については、後に再度説明を加える。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
リール制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1リール〜第3リールをステッピングモータにより回転駆動して、第1リール〜第3リールの回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールにそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リール〜第3リールを抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
また、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、そのリール停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リール〜第3リールの各リールを停止させる制御を行う。
すなわち、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1リール〜第3リールのうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1リール〜第3リールの停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リール〜第3リールを停止させる制御を行う。
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1リール〜第3リールの位置(押下検出位置)と、第1リール〜第3リールの実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1リール〜第3リールの停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるリールインデックス(図示せず)を備えており、リール制御手段1300は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップスイッチ140の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
リール制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リール〜第3リールを停止させる制御を行っている。
本実施形態の遊技機では、第1リール〜第3リールが、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各リールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
入賞判定手段1400は、第1リール〜第3リールの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理(入賞判定)を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リール〜第3リールの全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
リールユニット203は、図示しない3つのリールを備えるが、3つのリールそれぞれにひとつづつステッピングモータが取り付けられている。ステッピングモータは、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンのリールの回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
ステッピングモータは、各相の巻線への電流の与え方を変えることにより、特性を変えることができる(励磁モードが変わる)。二相型については次の通りである。
・一相励磁
常に巻線一相のみに電流を流す。位置決め精度は良い。
・二相励磁
二相に電流を流す。一相励磁の約2倍の出力トルクが得られる。位置決め精度は良く、停止したときの静止トルクが大きいため、停止位置を確実に保持できる。
・一−二相励磁
一相と二相を交互に切り替えて電流を流す。一相励磁・二相励磁の場合のステップ角度の半分にすることができるので、滑らかな回転を得られる。
なお、ステッピングモータを「駆動する」とは、当該モータを上記励磁により回転させることとともに、所望の位置で停止させその位置を保持するために各相を励磁することも含むものとする。
スロットマシンでは、例えば、4相の基本ステップ角度1.43度のステッピングモータを使用し、パルスの出力方法として一−二相励磁を採用している。
次に、遊技機における遊技処理について図4を参照して説明を加える。
一般的に、遊技機において、メダルの投入(クレジットの投入)に始まり、払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技である。一遊技が終了するまでは次回の遊技に進めないという決まりがある。
先ず、規定枚数のメダルが投入されることでスタートスイッチ134が有効になり、図4の処理が開始される。
ステップS1において、スタートスイッチ134が操作されることにより、スタートスイッチ134がONとなる。そして、次のステップS2に進む。
ステップS2において、メイン基板10により抽選処理が行われる。そして、次のステップS3に進む。
ステップS3において、第1リール〜第3リールの回転が開始する。そして、次のステップS4に進む。
ステップS4において、ストップボタン140が操作されることにより、ストップボタン140がONとなる。そして、次のステップS5に進む。
ステップS5において、第1リール〜第3リールのうち押下されたストップボタン140に対応するリールについて回転停止処理が行われる。そして、次のステップS6に進む。
ステップS6において、三個のリールに対応するストップボタン140の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個のリールに対応する3つのストップボタン140すべての操作が行われたと判定された場合、次のステップS7に進む。
ステップS7において、抽選フラグ成立中に当該抽選フラグに対応する入賞図柄が有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。そして、入賞が確定したと判定された場合、次のステップS8に進む。なお、入賞が確定しなかったときは、抽選フラグが成立していてもメダルの払い出しは行われない。
ステップS8において、入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
メダルの投入からステップS8の実行完了までが、一遊技である。ステップS8の待機処理が終了すると、処理はフローチャートの最初に戻る。言い換えれば、次の遊技が可能な状態になる(次遊技へ移行する)。
図5(a)は、発明の実施の形態に係る遊技機の電飾制御系統のブロック図を示す。図中、DSは電飾装置を示すが、これには前述のアーチランプAH、AH’、サイドランプSL、7セグLEDなどを搭載した表示部9Cが含まれる。前述のように、これらには複数の発光素子が設けられている。なお、LED基板202と電飾装置DSが一体となっていてもよい。
図5(b)は、発明の実施の形態に係るランプデータ及びタイマー短縮フラグの送信に係る処理の概略フローチャートである。
これらの図に基づき発明の実施の形態に係る遊技機の電飾制御の概要について説明を加える。
サブ基板20は、メイン基板10からのコマンドに基づき液晶表示画面の制御や音響発生などの演出に係る処理を行うものであり、電飾制御についても同じである。メイン基板10からサブ基板20へ送られるコマンドの内容は公知であるので、その説明は省略する。
サブ基板20はメイン基板10からのコマンドを解析し、当該コマンドが電飾制御に関するものであるとき(S10)、対応するランプデータを読み出す(S11)。ランプデータは電飾装置DSの発光素子の点灯を制御するデータであり、点灯の態様ごとに予め設けられている(サブ基板20のROMに記憶されている)。例えば図6や図7に示すようなものである。電飾の演出に係るコマンドを受けたときに、当該コマンドに対応するランプデータが読み出される。データの内容については後述する。
なお、「点灯」とは、単色の発光素子においてこれが発光することであり、多色の発光素子においていずれかの色で発光することである。
読み出したランプデータをLED基板202へ送る前に、遊技機が節電モードであるかどうか判定する(S12)。例えば、サブ基板20は、節電モード/非節電モードのどちらかであるかを示す信号を受けている。節電モードとなるのは、例えば次のような場合である。
・遊技機に節電スイッチが設けられていて、ホールにおいて当該スイッチがオンになっているとき
・節電時間帯が設定されていて、図示しないタイマーにより現在時刻が当該節電時間帯であると判定されたとき
・メダルが投入されない、スタートスイッチ134やベットスイッチBETが一定時間操作されていないなど遊技がなされていないと判定されとき
節電モードでないときは、そのままランプデータが送信される(S15)。
節電モードであるときは、点灯区間短縮処理が行われ(S13)、当該処理において所定の条件を満たしたときはランプデータとともにタイマー短縮フラグが送信される(S14)。点灯区間短縮処理については後述する。
図6及び図7に示すように、電飾の演出に係るコマンドに対応するランプデータは複数のデータから成り立っている。各データは発光素子の点灯状態のデータと、その点灯時間のデータを含む。ランプデータは、所定の範囲のデータを繰り返し実行することを指示するもの(LOOPデータ)も含むことがある。図6及び図7のランプデータはLOOPデータを含んでいるが、これが存在しないランプデータもある。
点灯状態のデータは、どの発光素子を点灯又は消灯させるかを指定するためのデータであり、例えば、1バイトのデータの各ビットに複数の発光素子をそれぞれ対応させ、「0」を消灯、「1」を点灯のように定義したものである。
点灯時間のデータは、点灯の持続時間を指定するものである。指定の方法として100msのように時間を直接指定するやり方と(図6(a)、図7(a)(b))、所定のタイミング(例えばタイマーの出力間隔)を基準とするやり方(図6(b)、この例では1単位は10msになっている)がある。本発明の実施の形態はいずれにも適用できる。
LOOPデータは、ループするデータの範囲を示すパラメータと、その繰り返し回数を含むものである。無限ループのときは繰り返し回数の指定がないか、あるいは特定の値(例えば999)に設定されている。
図6及び図7は、いずれもN個のデータ(Nは自然数)を含む例を示す。なお、後述するが、図6は本発明の実施の形態に係るタイマー短縮フラグがセットされるケースを示し、図7はセットされないケースを示す。
図8は、発明の実施の形態に係る点灯区間短縮処理を示すフローチャートである。この処理は図5(b)のS13に相当する。
S20:サブ基板20は、ランプデータを設定する。
図6及び図7に示すひとつのランプデータを読み出し、LED基板202へ送るように設定する。
S21:サブ基板20は、節電モードかどうか判定する。
サブ基板20は、入力された節電モード/非節電モードの判定信号に基づき、この判定を行う。節電モードとなるケースについては前述した。
節電モードと判定されたとき、S22乃至S25の処理が実行される。
S22:サブ基板20は、実行するランプデータを確認する。
ランプデータがどのようなデータを含んでいるか、確認する。
S23:サブ基板20は、無限ループのデータがあるかどうか判定する。
無限ループのデータがあるときは、タイマー短縮フラグをセットすることなく本処理を終了する。このように処理する理由は後述する(図12(e)及びその説明参照)。
図7(b)において最後のデータ(END)は無限ループであるので、S23でYESとなる。図6(a)(b)と図7(a)では、(N−1)番目のデータがLOOPデータであるが、その繰り返し回数は10回で無限ループではないので、S23でNOとなる。
なお、ランプデータにLOOPデータが存在しないことが予めわかっている場合には、S23の処理はなくてもよい。
S24:サブ基板20は、最後のデータが全消灯のデータであるかどうか判定する。
最後のデータが全消灯のデータでないときは(NO)、タイマー短縮フラグをセットすることなく本処理を終了する。このように処理する理由は後述する(図12(d)及びその説明参照)。
図7(a)において最後のデータ(END)は全部点灯(全点灯)であるので、S24でYESとなる。図6(a)(b)は最後のデータが全部消灯であるので、S24でNOとなる。
S25:S23でNOであり、かつ、S24でYESであるとき、サブ基板20はタイマー短縮フラグをセットする。
このS25の処理の後に、図5(b)のS14が実行され、LED基板202へランプデータ及びタイマー短縮フラグが送られる。
なお、図8の「S24:最後のデータが全消灯?」に代えて、図9のように「S24b:最後のデータの点灯数が閾値より小さい?」を判定するようにしてもよい。図8のS24は、最後のデータが全点灯であると却って消費電力が増加することから、そのような場合にタイマー短縮フラグをセットしないようにするためのものである(図12(d)及びその説明参照)。
タイマー短縮フラグのセットにより消費電力が増えるかどうかは、個々のランプデータの内容による。例えば、最後のデータが5個の発光素子のうち4個を点灯させるものであるが、当該ランプデータによる点灯個数の平均値が3個であれば、タイマー短縮フラグのセットにより4個の発光素子を点灯させ続けることは却って消費電力の増加を招くが、当該ランプデータによる点灯個数の平均値が4個よりも多ければ消費電力を下げることができる。このように節電できるかどうかはケースバイケースなので、S24の判定基準は可変であることが好ましい。
そこで、点灯割合というパラメータを導入し、これを予め定めた閾値を比較することで判定を行うようにしてもよい(図9のS24b)。
点灯割合は、制御対象である電飾装置の発光素子の総数のうちで点灯するものの割合である。例えば、5個の発光素子のうち4個を点灯させるデータの点灯割合は80%である。全点灯の点灯割合は100%である。
閾値は、点灯割合に対応付けて定める。ランプデータによる点灯個数の点灯割合の平均値が80%であるならば、閾値をこれよりも小さな値、例えば60%とすることで消費電力を下げることができる。なお、図9のS24bで閾値=100%とすると、その処理結果は図8のS24と同じになる(全点灯の点灯割合は100%であるため)。
図10は、発明の実施の形態に係るランプデータ実行処理のフローチャートである。
S30:LED基板202は、タイマー短縮フラグがオンであるかどうか判定する。
オンであるとき、S31の処理を行う。
S31:LED基板202は、ランプデータのタイマー短縮処理を行う。
例えば、発光素子の点灯時間を1/M(Mは2以上の整数)にする。図6(a)のデータNo.1の100msを1/Mにし、同図(b)の同じく10単位を1/Mにする。あるいは何%か短縮する。例えば、係数kを予め定めておき(0<k<1)、点灯時間に係数kを乗じる。
図6(b)のように点灯時間を所定単位で表しているときは、その基準となる時間を短くするようにしてもよい。(基準となる時間)を1/Mにする。あるいは、(基準となる時間)に係数kを乗じる。
短縮処理のための構成については、後に説明を加える。
S32:LED基板202は、ランプデータに基づき発光素子を点灯制御する。
点灯制御は、発光させることとともに、発光させたものを消灯させることも含む(以下同じ)。
S32の処理については、図11のフローチャートを参照して詳しく説明を加える。なお、図11の処理は、タイマー短縮処理の有無によらず同じである(同短縮処理は図10のS31で実行されるため)。
S40:LED基板202は、受けたランプデータの各データを順番に解釈する。
解釈対象であるデータがループデータか、これ以外のデータか、点灯状態はどのようであるか、点灯時間はいくらか、最後のデータであるかどうかを把握する。
S41:LED基板202は、当該データがループデータ(LOOP)であるか判定する。
ループデータであるときS42とS43を実行し、そうでないときS44以降の処理を実行する。
S42:LED基板202は、当該データがループデータ(LOOP)であるとき、指定された範囲のデータに基づき発光素子を次々に点灯させる。図6(a)(b)の例であれば、データNo.3(半分点灯)、・・・、No.(N−2)(全部消灯)を順番に実行する。
S43:LED基板202は、ループデータの繰り返し回数だけ処理を完了していないとき、又は当該ループデータが無限ループであるとき(図7(b)の最後のデータ)、S42の処理を繰り返す。
ループを完了したらS40に戻り、次のデータを解釈する。
S44:LED基板202は、当該データが最後のデータ(END)であるか判定する。
最後のデータでなければ、当該データの内容に従って指定の発光素子を指定の時間点灯させるように、電飾装置DSへ制御データ又は駆動信号を出力する(S45)。
最後のデータであれば、当該データの内容に従って指定の発光素子を点灯制御させるように、電飾装置DSへ制御データ又は駆動信号を出力する(S46)。
S47:LED基板202は、S46による点灯制御の状態を維持する。
以上の処理による電飾装置DSの発光素子の点灯状態について、図12のタイミングチャートを参照して説明を加える。
図12(a)は、タイマー短縮フラグがオフである非短縮状態のタイミングチャートである。点灯時間は予め定められた時間である。例えば、コマンドを受けて図6(a)のランプデータがサブ基板20からLED基板202へ送られ、データNo.1で点灯、100ms、同No.2で全部消灯、50ms、同No.3で半分点灯、100ms、・・・のように発光素子が制御され(図11のS40、S41、S44でNO)、最後のデータENDが時刻t2で実行される(同S44でYES)。最後のデータENDは全部消灯なので、この状態が次のコマンドによるランプデータの処理開始(時刻t2)まで継続する(同S46、S47)。
図7(a)(b)についても同様であるが、図7(a)の最後のデータENDは全部点灯であり、図7(b)は無限ループを含むので、常に図12(a)の非短縮状態となる。
図12(b)は、タイマー短縮フラグがオンである短縮状態のタイミングチャートである。図6(a)のランプデータは、無限ループのデータを含まず(図8のS23でNO)、かつ、最後のデータが全消灯である(同S24でYES)ので、節電モードのときにタイマー短縮フラグがセットされる(同S25)。LED基板202でタイマー短縮処理がなされる(図10のS31)。例えば、半分(=1/2)に短縮されるとして、図6(a)のランプデータによれば、データNo.1で点灯、50ms、同No.2で全部消灯、25ms、同No.3で半分点灯、50ms、・・・のように、図12(a)の半分の時間で発光素子が制御される(図11のS40、S41、S44でNO)。したがって、最後のデータENDが半分の時間に対応する時刻t3で実行される(同S44でYES)。時刻t0からt3までの時間は、時刻t0からt1までの時間の半分である。最後のデータENDの全部消灯の状態が次のコマンドによるランプデータの処理開始(時刻t2)まで継続する。
図12(a)と図12(b)を比較するとわかるように、非短縮状態と比べて短縮状態では時刻t3からt1の時間だけ最後の状態が長くなっている。この最後の状態は全消灯であり消費電力がほぼゼロとなっている。したがって、非短縮状態と比べて短縮状態では消費電力が小さくなっている。このことは、図9のS24bの処理を適切な閾値の下で行った場合も同様である。
図12(c)は比較例である。これは、コマンドを受けてから、図12(b)の時刻t1からt3の時間に相当する時間を待機(全消灯)し、その後、図12(b)と同じように処理した例を示す。消費電力の点で図12(b)と(c)は同じであるが、発光素子の点滅、つまり電飾装置DSによる演出の開始タイミングが異なっている。図12(c)では待機しているので、液晶表示装置LCDにおける演出に比べて遅れることになる。もし時刻t0において液晶表装置LCDで演出が開始されるように、液晶表装置LCDと電飾装置DSとで演出の同期が取られている場合には、異なるデバイスによる演出間の同期が失われ、遊技者は演出に違和感を持つようになるので好ましくない。図12(b)のように短縮状態の点滅(演出)の開始タイミングは、図12(a)の非短縮状態の場合と同じようにするべきである。
図12(d)は、最後のデータが全点灯又は閾値よりも高い点灯割合のときに短縮しないことのメリットを説明するための比較例である。仮にこのケース(図7(a))において図12(b)と同じように短縮したとすると、時刻t3からt1にかけて最後のデータによる状態が維持されることになる。この期間は全点灯又は閾値よりも高い(つまり時刻t0からt3の間のよりも高い)点灯割合であるから、その消費電力は図12(a)の非短縮状態に比べて高くなる。したがって、最後のデータが全点灯又は閾値よりも高い点灯割合のときに短縮を行うと却って節電にならない。そこで、図8のS24、図9のS24bによりそのようなケースについてはタイマー短縮フラグをセットしないようにしている。
図12(e)は、無限ループのデータが存在するとき(図7(b))に短縮しないことの説明図である。無限ループのデータがあるということは、次のコマンドを受けるまでの間、図12(e)の時刻t0からt2までの間は、ずっと点滅を繰り返していなければならないことを意味する。この間は全消灯、全点灯などが続くような固定的な状態になることはない。これは演出上の要請によるものであり、節電モードにおいてもずっと点滅していなければならない。点滅を繰り返しているときに、その変化の間隔を短くしても消灯の時間が長くなることはなく、消費電力が小さくなることはない。このように無限ループのデータが存在するときに短縮しても節電効果はなく処理が複雑になるだけなので、そのようなケースについてはタイマー短縮フラグをセットしないようにしている。
図13乃至図15を参照して、タイマー短縮処理について説明を加える。
図13は、タイマーの出力信号を短縮することで短縮状態を実現するものである。
2021は、受けたランプデータの各データを順番に解釈するランプデータ解釈部である。このランプデータは、図6(b)のように基準信号を単位とするものである。
2022は、発光素子の点灯時間を定めるための基準信号を出力するタイマーである。
2022は、タイマー短縮フラグがオンのときにタイマー2022の基準信号を短縮するタイマー短縮部である。例えば、基準信号が、10msごとに出力されるパルスであるとき、これを1/2(M=2)に短縮するときは、5msごとに出力させる。
2024は、タンプデータ解釈部2021からのどの発光素子を点灯させるか、その点灯時間はいくらかに基づき発光素子を点灯させる駆動回路である。駆動回路2024の動作は、非短縮状態/短縮状態のいずれでも変わらない。例えば、10回基準信号を受けるまで点灯状態を継続するものであるとき、非短縮状態では100ms、短縮状態では50msの間点灯するものである。
したがって、図13の装置は、タイマー短縮フラグがオンのときに点灯時間を短縮(半分に)することができる。
図14は、非短縮状態用のタイマー2022−1と短縮状態用のタイマー2022−2を備え、タイマー短縮フラグがオン/オフに応じて、短縮状態用のタイマー2022−2、非短縮状態用のタイマー2022−1のいずれかを選択する選択部2025を備えるものを示す。
非短縮状態用のタイマー2022−1は例えば10msの基準信号を出力し、短縮状態用のタイマー2022−2は例えば5msの基準信号を出力する。
タイマー2022−1,2022−2の基準信号の出力が上記のように設定されているので、図14の装置は、図13の装置と同じ動作を行う。
図15は、図13及び図14とは異なり、タイマー2022の基準信号を調整する代わりに、解釈された点灯時間を短縮するものである。
2026は、タイマー短縮フラグがオンのときにランプデータ解釈部2021が出力する点灯時間を短縮する時間短縮部である。時間短縮部2026は、タイマー短縮フラグがオフのときは何もせず、ランプデータ解釈部2021が出力する点灯時間をそのまま駆動回路2024へ送る。
時間短縮部2026は、例えば点灯時間を1/2(M=2)に短縮するとき、図6(a)のデータNo.1の点灯時間を100msから50msに変更する。
以上の処理により、図15の装置は、図13及び図14の装置と同じ動作を行う。
発明の実施の形態によれば、節電モードにおいて、電飾装置の発光素子の点灯区間を短縮するので、その消費電力を少なくすることができ、節電を実現することができる。発明の実施の形態は遊技中であっても適用でき、電飾装置の報知機能を維持しつつ消費電力を抑制することのできる。
また、発明の実施の形態によれば、共通のランプデータを使用しつつ、タイマー短縮フラグのオン/オフで点灯区間の短縮を行うかどうか制御するので、節電モード用のランプデータを作成し記憶する必要がない。このためデータ作成の手間が省けるとともに、節電用のランプデータを記憶するためのメモリ容量を確保する必要がなく、遊技機のハードウエアに対する負担を少なくすることができる。
以上の説明において、スロットマシンを例に挙げたが、本発明の実施の形態はパチンコ機のような遊技機にも適用することができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。