JP6034750B2 - パラデシルフェノール - Google Patents

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本発明は、新規なパラデシルフェノールに関し、詳しくはフェノールのパラ位にターシャリーデシル基を有するフェノール化合物に関する。
最近、新聞、テレビ、雑誌等で報道されているように内分泌攪乱化学物質、いわゆる環境ホルモンが大きな社会問題となってきている。環境省では、環境ホルモン戦略計画SPEED’98に外因性内分泌攪乱化学物質として内分泌攪乱作用を有すると疑われている化学物質65種を記載し、対応をとりつつある。内分泌攪乱作用を有すると疑われている65種の化学物質の中には、難分解性でそれ自体毒性の強いPCBやダイオキシンのように製造禁止されているものも存在する。また、非イオン界面活性剤(洗剤)であるノニルフェノールエトキシレートの原料として、あるいは油溶性フェノール樹脂原料、殺虫剤・殺菌剤の原料として有用なノニルフェノールも、内分泌攪乱作用を有すると疑われている化学物質65種中に含まれている。
本発明は、ノニルフェノールと同様に各種化学製品の原料として用いることが可能であり、しかもノニルフェノールのような環境ホルモンの恐れのないフェノール化合物を提供することを目的としている。
そこで本発明者らは、前記課題を解決する為に鋭意検討した結果、驚くべきことにパラデシルフェノールが上記課題を達成できることを見出し本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は下記一般式(I)で表されるパラデシルフェノールに係わる。
(一般式(I)において、nは1または2であり、mおよびkは3以上の正の整数であり、nとmとkの合計は9である。)
前記一般式(I)において、nが1であり、mおよびkがともに4である化合物を80モル%以上含有するパラデシルフェノールが本発明の好ましい態様である。
本発明はさらに、2-ブチル-1-ヘキセンを主成分として含むデセンと、フェノールとを酸性触媒の存在下で反応させることを特徴とする下記一般式(I)で表されるパラデシルフェノールの製造方法に係わる。
(一般式(I)において、nは1または2であり、mおよびkは3以上の整数であり、nとmとkの合計は9である。)
上記製造方法においては、酸性触媒が固体酸触媒であることが好ましい。
本発明によれば、エストロゲン様作用がノニルフェノールよりも弱い化合物であるパラデシルフェノールが提供される。そのためノニルフェノールの代替品として、界面活性剤、油溶性フェノール樹脂原料、殺虫剤、殺菌剤等の原料としての活用が期待される。
実施例1で得られた化合物のGC/MSチャートを示す。 実施例1で得られた化合物のH-NMRチャートを示す。 実施例1で得られた化合物の13C-NMRチャートを示す。 実施例1で得られた化合物の13C-NMRチャート(拡大図)を示す。
本発明は、下記一般式(I)で表されるパラデシルフェノールに係わる。
本発明のパラデシルフェノールは、フェノールのパラ位にターシャリーデシル基を有する上記一般式(I)で表される化合物を90モル%以上、好ましくは95モル%以上、より好ましくは97モル%以上含有する化合物として定義される。上記一般式(I)で表される化合物は、具体的にはnは1または2であり、mおよびkは3以上の整数であり、nとmとkの合計は9である。換言すれば、上記一般式(I)で表される化合物は(n,m,k)が、(1,4,4)、(1,3,5)、(2,3,4)である3種類の異性体の混合物である。なお本発明のパラデシルフェノールのうち、前記一般式(I)で表される化合物以外の化合物(以下、「不純物」と呼ぶ場合がある)としてはフェノールそのもの、あるいはジデシルフェノールを例として挙げることができる。これら不純物の含有量は通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下、より好ましくは3モル%以下であり、含有量は後述する製造方法で得られる粗生成物の精製の程度に依存する。不純物含量が10モル%以下であれば、本発明のパラデシルフェノールはノニルフェノールよりも弱いエストロゲン様作用を示すと同時に、界面活性剤など各種用途の原料として問題なく使用することが可能である。
前記一般式(I)で表される化合物のうち、(n,m,k)が(1,4,4)である化合物を80モル%以上含有し、(n,m,k)が(1,3,5)と(2,3,4)である化合物の合計含有量が20モル%未満であるパラデシルフェノールが本発明の特に好ましい態様である。 本発明のパラデシルフェノールは、フェノールと、2-ブチル-1-ヘキセンを主成分として含むデセンとを酸触媒存在下で加熱するという、従来知られているフェノールのアルキル化反応方法によって得られる。なお本発明において、2-ブチル-1-ヘキセンを「主成分」として含むとは、各種のデセン異性体の混合物の中に占める2-ブチル-1-ヘキセン含有量が50重量%を超えることとして定義される。
フェノールと反応させるオレフィンとしては、純粋な2-ブチル-1-ヘキセンを用いることが望ましいが該高純度オレフィン製造は一般には高コストになることから、2-ブチル-1-ヘキセンを主成分として含むデセンを用いる方法が経済的に有利である。このようなデセンとしては、1-ヘキセン製造において副生するデセンを例示することができる (特開2011-195584号公報)。1-ヘキセン製造時に副生するデセンは、2-ブチル-1-ヘキセンを主成分とし、3-プロピル-1-ヘプテン、5-メチル-1-ノネン、5-エチル-1-オクテン等の異性体を少量含有する混合デセンである。本発明者らの検討によれば、フェノールの酸触媒アルキル化反応では、これらデセンのうち、2-ブチル-1-ヘキセンは言うに及ばず、5-メチル-1-ノネンもカチオン転位を経由して(n,m,k)が(1,4,4)であるデシルフェノールに転換されることを確認している。
デセンのフェノールに対する使用量は特に限定されるものではない。一般に、デセンの使用量が多いとジデシルフェノールやデセンの多量体が副生しやすく、一方で使用量が少ない場合はデシルフェノールからの蒸留分離が容易な未反応フェノールが残存しやすいという理由によって、フェノール1モルに対して、通常0.1〜3当量、好ましくは0.3〜1当量が用いられる。
反応温度としては0〜180℃が好ましく、100〜140℃がより好ましい。反応圧力としては特に限定されるものではないが、常圧下が好ましい。
反応時間は、触媒の種類、触媒量、反応温度により異なるが、通常0.5〜10時間程度である。
溶媒の使用は任意である。溶媒を使用する場合は、反応に不活性なものであれば一般的に有機化学工業の分野で汎用されている有機溶剤を制限なく用いることができる。
触媒は酸触媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、硫酸、燐酸等の鉱酸、ヘテロポリ酸、イオン交換樹脂、ゼオライト、活性白土等の固体酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸が用いられる。これらの中ではアルキル化反応後の後処理の容易さから固体酸触媒を使用することが好ましい。触媒の使用量は、反応様式、触媒の酸強度等によって異なるが、通常、フェノールの重量に対して0.01〜25重量%の範囲で用いられる。好ましくは 0.5〜15重量%である。
反応終了後、生成したパラデシルフェノールを精製する方法は特に限定されない。例えば、固体酸触媒を用いる場合は、反応終了後、触媒を濾別、除去し、濾液から未反応フェノールを留去し、さらに蒸留することでパラデシルフェノールを得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
攪拌機、温度計および還流冷却装置を施した500 mLのセパラブルフラスコにフェノール150g (1.6モル)、活性白土10g (6.3重量%)を入れ、100℃に昇温した。これにデセン (2-ブチル-1-ヘキセン75重量%、3-プロピル-1-ヘプテン13重量%、5-メチル-1-ノネン11重量%を含む)112g (0.80モル)を3時間かけて滴下した。滴下開始から2時間経過後、1時間をかけて温度を120℃に上げ、滴下終了後、3時間反応させた。その後、活性白土を減圧濾過し、濾液をガスクロマトグラフィー(カラム:VF-5ms,内径0.25mm、長さ30m、膜厚0.25μm)により分析したところ、デセンは残存していないことが確認された。その後、濾液を減圧下(1.2kPa)で蒸留し、未反応のフェノールを留出除去した。さらに加熱して得た留分157gを回収し、高沸点不純物を釜残として分離した。
回収した化合物を分析したところ以下の結果となった。
沸点:173〜175℃/1.2kPa
融点:30〜35℃
GC/MS分析 (カラム:InertCap-5ms, 内径0.25mm、長さ30m、膜厚0.5μm):
デシルフェノール類が99.89面積%、フェノールが0.06面積%、ジデシルフェノール類が0.05面積%であった。m/z=234を示すピークが21本観測された(図1参照)ため、少なくとも21種の異性体が存在することが確認された。このうち、主ピーク17 (82.4面積%)は、下記構造式(II)のパラデシルフェノール(パラ-(5-メチルノナン-5-イル)フェノール)であると推定される。表1および図2に示す1H-NMR測定結果(400MHz、溶媒アセトン-d6)、並びに表2、図3および図4に示す13C-NMR測定結果 (100MHz、溶媒アセトン-d6)でも裏付けられた。
回収した化合物についてEstrogen receptor(ERα)レポーター遺伝子アッセイによるエストロゲン様作用の評価方法と結果を次に示す。
回収した化合物(DecylPH)、比較対象として4-ノニルフェノール(NonylPH)を用いて、エストロゲン様作用の評価を行った。
ヒトERα発現プラスミド(hERα/pcDNA3.1)及びレポータープラスミドb(ERE-AUG-Luc+)を一過性に導入したヒト子宮頸がん由来細胞株HeLa(ATCC No.CCL-2)に、DecylPH、NonylPHを終濃度として10μmol/L〜10p mol/Lで添加し、ルシフェラーゼ活性を指標としてERα依存性の転写活性を測定した。その結果、各物質のエストロゲン様作用の指標となるPC50値、PC10値、及びLogistic式(Hill equation)から導かれるEC50値は表3の結果となった。この結果から明らかなように、本願発明のパラデシルフェノールのストロゲン様活性は既存のノニルフェノールに比べて格段に弱くなっている。

Claims (3)

  1. 下記構造式(II)で表されるパラデシルフェノール。
  2. 2-ブチル-1-ヘキセンを主成分として含むデセンと、フェノールとを酸性触媒の存在下で反応させることを特徴とする下記構造式(II)で表されるパラデシルフェノールの製造方法。
  3. 酸性触媒が固体酸触媒であることを特徴とする請求項記載の製造方法。
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