JP2006321738A - 2−アルキルフェノールの製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 反応後の煩雑な分離・精製操作を必要とせずに、香料・農薬・紫外線吸収剤・酸化防止剤等の中間原料として有用である2−アルキルフェノールを高純度・高収率で製造する方法を提供する。
【解決手段】 固体酸触媒を用いたフェノール類とオレフィン類との反応で2−アルキルフェノールを製造する際に、極性有機化合物、極性有機化合物及び水、又は、固体酸触媒に対して3重量%以上の水を存在させることを特徴とする2−アルキルフェノールの製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 固体酸触媒を用いたフェノール類とオレフィン類との反応で2−アルキルフェノールを製造する際に、極性有機化合物、極性有機化合物及び水、又は、固体酸触媒に対して3重量%以上の水を存在させることを特徴とする2−アルキルフェノールの製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は2−アルキルフェノールの製造法、更に詳しくは固体酸触媒を用いてフェノール類のオルソ位をアルキル化して2−アルキルフェノールを製造する際に高収率、高選択率かつ高い生産性で製造する方法に関する。得られた2−アルキルフェノールは香料、農薬、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の中間原料として有用である。
2−アルキルフェノール類を製造する方法としては、アルミニウムフェノキサイドを触媒として使用することにより、フェノール類と第3級オレフィンとの反応において、フェノール類のオルソ位を高選択的にアルキル化する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、当該方法では、目的物の分離手段として反応液をそのまま蒸留すると、主生成物である目的の2−アルキルフェノールの加熱による脱アルキル化及び不均化が生じ、結果として目的物である2−アルキルフェノールを収率良く得ることが、困難なものであった。
そこで、アルミニウムフェノキサイドを触媒として用いる反応において、2−アルキルフェノールを高純度、高収率で得るための方法が種々検討された(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7及び特許文献8参照。)。
しかし、これらの方法は反応液と触媒を分離するための濾過、反応液の中和、抽出、分液等の煩雑な操作が必要となり、その為の装置コストは甚大なものとなる。また、使用した触媒は回収・再利用ができない、或いはできたとしても非常に煩雑な操作が必要となり、このため製造コストが甚大となること、及び大量の産業廃棄物が生じることからも、工業的な製造方法としては決して好ましいとはいえない。
一方、アルミニウムフェノキサイドとは別に固体酸触媒を用いたフェノール類と第3級オレフィンの反応によるアルキルフェノールの合成方法が公知である(例えば、特許文献9、特許文献10参照。)。
この触媒の利点としては、(1)反応終了後の反応液と触媒の分離は濾過のみで、更に容易に濾過が可能、(2)反応液中の酸の混入が極めて低く、中和、抽出、分液等の煩雑な操作が必要ない、(3)廃酸処理が不要、(4)装置に対する腐食性が少ない、(5)触媒の繰り返し使用が可能、などが挙げられる。
固体酸触媒の中でも、特に、スチレンとジビニルベンゼンを共重合させて得られる3次元網目構造を有する共重合体に官能基であるスルホン基を導入した強酸性イオン交換樹脂は、その樹脂中に含まれる水分が約1.5%のものが市販されており、入手性が良く、フェノールとオレフィンの反応のような非水系反応では広く使用されている。しかしながら、この触媒を用いた場合の反応後の主生成物は4−アルキルフェノールであり、目的とする2−アルキルフェノールはほとんど生成しない(例えば、特許文献10参照。)。
従って、本発明の目的は、反応後の煩雑な分離・精製操作を必要とせずに、香料・農薬・紫外線吸収剤・酸化防止剤等の中間原料として有用である2−アルキルフェノールを高純度・高収率で製造する方法を提供することである。
本発明者らは、このような実情を鑑みて鋭意検討した結果、固体酸触媒を用いたフェノール類とオレフィン類との反応において水及び/又はカルボン酸エステル類及び/又はケトン類を存在させると高収率・高選択率で2−アルキルフェノールが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、下記の2−アルキルフェノールの製造方法に関する。
(1)固体酸触媒を用いたフェノール類とオレフィン類との反応で2−アルキルフェノールを製造する際に、極性有機化合物、極性有機化合物及び水、又は、固体酸触媒に対して3重量%以上の水を存在させることを特徴とする2−アルキルフェノールの製造方法。
(2)極性有機化合物の量又は極性有機化合物及び極性有機化合物の総量が、固体酸触媒に対して3重量%以上である(1)に記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
(2)極性有機化合物の量又は極性有機化合物及び極性有機化合物の総量が、固体酸触媒に対して3重量%以上である(1)に記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
(3)フェノール類がフェノール或いは2位及び/又は6位に置換基を持たない置換フェノールである(1)又は(2)に記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
(4)固体酸触媒が有機固体酸であり、この有機固体酸が、有機固体酸の重量に対して1〜150重量%の水を含む(1)〜(3)のいずれかに記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
(4)固体酸触媒が有機固体酸であり、この有機固体酸が、有機固体酸の重量に対して1〜150重量%の水を含む(1)〜(3)のいずれかに記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
(5)有機固体酸が、固体酸の重量に対して3〜150重量%の水を含む(4)に記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
(6)有機固体酸が有機酸性イオン交換樹脂である(4)又は(5)に記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
(7)オレフィン類が2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチル−1−ブテン又はこれらの2種以上の混合物である(1)〜(6)のいずれかに記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
(6)有機固体酸が有機酸性イオン交換樹脂である(4)又は(5)に記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
(7)オレフィン類が2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチル−1−ブテン又はこれらの2種以上の混合物である(1)〜(6)のいずれかに記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
(8)極性有機化合物がカルボン酸エステル類、ケトン類又はこれらの混合物である(1)〜(7)のいずれかに記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
(9)カルボン酸エステル類が酢酸エチルである(8)に記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
(1)ケトン類がメチルエチルケトン、アセトン又はこれらの混合物である(8)又は(9)に記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
(9)カルボン酸エステル類が酢酸エチルである(8)に記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
(1)ケトン類がメチルエチルケトン、アセトン又はこれらの混合物である(8)又は(9)に記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
本発明によれば、酸性固体触媒を用いたフェノール類のアルキル化反応において、反応系に極性有機溶媒、極性有機溶媒及び水、又は特定量の水を存在させることにより、2−アルキルフェノール類の選択率及び収率を著しく向上させことができる。従って、本発明の方法は、工業的に極めて優れた2−アルキルフェノールの製造方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる固体酸触媒は酸性の固体物質であり、酸性イオン交換樹脂等の有機固体酸、ゼオライト、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素等の無機酸化物あるいはこれらの複合酸化物、更にスメクタイト、カオリナイト等の層状化合物をアルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウムの中から選ばれる1種類以上の金属酸化物で処理したイオン交換型層状化合物などの無機固体酸が例示される。固体酸触媒としては、水を全く含有しないものであってもよいが、その固体酸触媒の重量(固形分)に対して1〜150重量%の水を含有するものが好ましく、1.5〜150重量%の水を含有するものがより好ましく、3〜150重量%の水を含有するものが更に好ましく、5〜100重量%の水を含有するものが更に好ましい。なお、本明細書において、固体酸触媒の重量(固形分)とは、固体酸触媒中の水以外の固形分の重量を意味する。本発明における固体酸触媒としては、酸性イオン交換樹脂が好ましい。酸性イオン交換樹脂の例として、イオン交換体としてスルホン基又はカルボン酸基を有し、高分子基体としてフェノールとホルムアルデヒドを縮重合させて得られる高分子基体や、スチレン又はハロゲン化スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体を高分子基体として有するものが挙げられる。これらの中でもスルホン基を有する強酸性イオン交換樹脂が入手性、取り扱い性等の面で特に好ましい。また、工業的に入手が容易なスルホン基を有する強酸性イオン交換樹脂には、樹脂の重量のほぼ同量の水が吸着しているもの(ウエットタイプ)と、ほとんど水を含んでいないもの(ドライタイプ)が存在するが、これらはどちらも好適に使用できる。
本発明で用いられる固体酸触媒は酸性の固体物質であり、酸性イオン交換樹脂等の有機固体酸、ゼオライト、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素等の無機酸化物あるいはこれらの複合酸化物、更にスメクタイト、カオリナイト等の層状化合物をアルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウムの中から選ばれる1種類以上の金属酸化物で処理したイオン交換型層状化合物などの無機固体酸が例示される。固体酸触媒としては、水を全く含有しないものであってもよいが、その固体酸触媒の重量(固形分)に対して1〜150重量%の水を含有するものが好ましく、1.5〜150重量%の水を含有するものがより好ましく、3〜150重量%の水を含有するものが更に好ましく、5〜100重量%の水を含有するものが更に好ましい。なお、本明細書において、固体酸触媒の重量(固形分)とは、固体酸触媒中の水以外の固形分の重量を意味する。本発明における固体酸触媒としては、酸性イオン交換樹脂が好ましい。酸性イオン交換樹脂の例として、イオン交換体としてスルホン基又はカルボン酸基を有し、高分子基体としてフェノールとホルムアルデヒドを縮重合させて得られる高分子基体や、スチレン又はハロゲン化スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体を高分子基体として有するものが挙げられる。これらの中でもスルホン基を有する強酸性イオン交換樹脂が入手性、取り扱い性等の面で特に好ましい。また、工業的に入手が容易なスルホン基を有する強酸性イオン交換樹脂には、樹脂の重量のほぼ同量の水が吸着しているもの(ウエットタイプ)と、ほとんど水を含んでいないもの(ドライタイプ)が存在するが、これらはどちらも好適に使用できる。
本発明における触媒である固体酸触媒(固形分)の添加量は特に制限はないが、その効果と経済性を考慮すると、フェノール類に対して0.01〜200重量%が好ましく、0.1〜150重量%がより好ましく、1〜100重量%が更に好ましい。
本発明に用いられるオレフィン類としては、炭素数が4〜8の分岐状オレフィンで、フェノール類と反応して2−第3アルキルフェノール類になるものが好ましい。具体的にはイソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、2−エチル−2−ブテン、2,4,4−トリメチルペンテン−1、2,4,4−トリメチルペンテン−2などが挙げられる。これらの化合物は単独で用いてもまた混合物で用いても差し支えない。また、これらのオレフィンは飽和炭化水素化合物及び/又は複数の2重結合をもつ炭化水素との混合物であっても差し支えない。
本発明において用いられるフェノール類はフェノール及びフェノール誘導体であり、ベンゼン環に直接置換したヒドロキシル基(フェノール性水酸基)を1個以上持つ化合物を指す。また、本発明に用いられるフェノール類は、フェノール性水酸基以外に置換基を有する置換フェノール類であってもよいが、その場合、2位及び/又は6位に置換基を持たない置換フェノール類であることが好ましい。本発明に用いられるフェノール類の具体例としては、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、t−ブチルフェノール、t−アミルフェノール、ヘキシルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、キシレノール、ジブチルフェノール、ジアミルフェノール、ジオクチルフェノール、クロルフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール、カテコール、ブチルカテコール、ヒドロキノン、ブチルヒドロキノン、1−ナフトール、2−ナフトール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等が挙げられる。
本発明におけるフェノール類の添加量は特に制限はないが、その効果と経済性を考慮すればオレフィン1molに対して、0.01〜10mol程度が好ましく、0.1〜5molがより好ましく、0.5〜3molが更に好ましい。
本発明において用いられる極性有機化合物としては、例えば、有機カルボン酸エステル類、ケトン類等が好ましい。両者は単独で用いてもよいし、両者を併用してもよい。
有機カルボン酸エステル類としては、例えば、炭素数が2〜10の有機カルボン酸エステルが好適に用いられ、具体的には酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸アミル、γ−ブチロラクトン、酪酸メチル、蟻酸エチル等が挙げられる。
有機カルボン酸エステル類としては、例えば、炭素数が2〜10の有機カルボン酸エステルが好適に用いられ、具体的には酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸アミル、γ−ブチロラクトン、酪酸メチル、蟻酸エチル等が挙げられる。
本発明において用いられるケトン類は炭素数が3〜6のケトン類が好ましく、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
本発明において、反応系への添加物として、水及び/又は極性有機化合物のうち、水のみを用いる場合、及び、極性有機化合物のみを用いる場合、各々の場合の水の量及び極性有機化合物の量は、固体酸触媒の固形分(酸性イオン交換樹脂の場合には、その樹脂成分)に対して3〜150重量%程度とすることが好ましく、5〜130重量%とすることがより好ましく、10〜120重量%とすることがより好ましい。また、水及び極性有機化合物の両方を用いる場合、その総量を、固体酸触媒の固形分(酸性イオン交換樹脂の場合には、その樹脂成分に対して3〜150重量%程度とすることが好ましく、5〜130重量%とすることがより好ましく、5〜120重量%とすることがより好ましい。
水及び極性有機化合物の単独使用時の各々の量、及び併用時の合計量が、固体酸触媒の固形分に対して3重量%より少ないと、2−アルキルフェノールの選択性が著しく低下する傾向がある。また、これらの量が150重量%を超えても、更なる効果はみられない場合があり、経済的に好ましくない。
本発明において、反応系への添加物として、水及び/又は極性有機化合物のうち、水のみを用いる場合、及び、極性有機化合物のみを用いる場合、各々の場合の水の量及び極性有機化合物の量は、固体酸触媒の固形分(酸性イオン交換樹脂の場合には、その樹脂成分)に対して3〜150重量%程度とすることが好ましく、5〜130重量%とすることがより好ましく、10〜120重量%とすることがより好ましい。また、水及び極性有機化合物の両方を用いる場合、その総量を、固体酸触媒の固形分(酸性イオン交換樹脂の場合には、その樹脂成分に対して3〜150重量%程度とすることが好ましく、5〜130重量%とすることがより好ましく、5〜120重量%とすることがより好ましい。
水及び極性有機化合物の単独使用時の各々の量、及び併用時の合計量が、固体酸触媒の固形分に対して3重量%より少ないと、2−アルキルフェノールの選択性が著しく低下する傾向がある。また、これらの量が150重量%を超えても、更なる効果はみられない場合があり、経済的に好ましくない。
本発明においてはオレフィン及び/又はフェノールを溶解する溶媒を添加してもかまわない。具体的にはエタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロドデカン等の飽和炭化水素類、酢酸、プロピオン酸、安息香酸等有機カルボン酸類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン等エーテル類、スルホラン、DMF、DMAc、DMSO非プロトン性極性化合物等が挙げられる。
本発明における反応温度は約10〜150℃とすることが好ましく、30〜120℃がより好ましい。反応温度が10℃未満では反応速度が遅く工業的に有意とは言い難い。また反応温度が150℃を超えた場合、ポリマー等の副生成物が増大する傾向があり、目的成分の選択率の低下をもたらし、更にポリマー等の副生成物が触媒の活性を低下させる観点からも好ましくない。
本発明における反応圧力は特に限定されるものではないが、反応容器内自圧又はそれ以上に高圧であって、オレフィン類が液状を維持することが出来る圧力であることが好ましい。
本発明における反応形式は通常のバッチ方式、一部の原料もしくは触媒等を連続に供給するセミバッチ方式又は連続流通反応方式のいずれの反応形式を用いることが出来る。また、反応原料及び触媒等の各成分の添加順序及び添加方式等、特に制限されることはない。更に、触媒充填方式としては、固定床、移動床、擬似移動床等種々の方式が採用できる。
反応時間(流通反応においては滞留時間)は特に制限は無いが、通常0.5秒〜100時間、好ましくは1分〜60時間である。
反応後、必要であるならば反応生成物を触媒等から濾過分離、抽出、留去等の通常の分離方法によって分離回収することができる。
目的生成物である2−アルキルフェノール類は上記分離回収物から、溶媒抽出、蒸留、アルカリ処理、酸処理等の逐次的な方法、或いは、これらを適宜組み合わせた操作等、通常一般的に公知な分離・精製法によって分離・精製し目的物をより純粋な形で得ることができる。また、未反応原料は回収して、再び反応系へリサイクルして使用することもできる。
バッチ方式の場合、反応後に得られた反応生成物を、濾過等を用いて分離した後に回収された触媒は、そのまま又はその一部もしくは全部を再生した後、繰り返して触媒として反応に再使用することが出来る。
更に固定床又は移動床流通連続反応方式で実施する場合には、反応に供することによって、一部又は全部が失活もしくは活性低下した触媒は、反応を中断した後再生して反応に供することもできる。また、連続的もしくは断続的に触媒の一部を抜き出し、再生後、再び反応系へリサイクルして、再使用することもできる。更に新たな触媒を連続的又は断続的に反応器に供給することもできる。
以上、触媒である固体酸は繰り返して使用が可能なことから、産業廃棄物の大量発生もなく、高純度の2−アルキルフェノールが安価に製造することが可能である。
以下に実施例を示して、本発明を更に詳細に説明する。尚、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
尚、説明の中で用いる“イソアミレン”とはおおよそ以下に示す表1の組成を有するものである。
尚、説明の中で用いる“イソアミレン”とはおおよそ以下に示す表1の組成を有するものである。
また、本実施例中に用いられる収率及び選択率は以下の計算値で定義されるものである。
収率={(各生成物のモル数)/(原料中に含まれるオレフィンのモル数)}×100(%)
選択率={(生成した2−アルキルフェノールのモル数)/(生成した全生成物のモル数)}×100(%)
収率={(各生成物のモル数)/(原料中に含まれるオレフィンのモル数)}×100(%)
選択率={(生成した2−アルキルフェノールのモル数)/(生成した全生成物のモル数)}×100(%)
[実施例1]
攪拌器、滴下ロート、還流冷却管、温度計を備え付けた200mlガラス製4つ口フラスコに、乾燥した強酸性イオン交換樹脂(スルホン化スチレン−ジビルベンゼン共重合体 商品名 アンバーリスト15dry 樹脂固形分に対する水分約1.5wt%)の7.9g、フェノール79g及び水1.3gを加えて、フラスコ内の温度を50℃まで昇温後、その温度で1時間攪拌した。次にフラスコ内の温度を50℃に保ったまま、イソアミレン53gを約5時間かけて滴下して、フェノールとの反応を行った。滴下終了後、更に50℃で1時間攪拌した。反応終了後室温まで温度を下げ、反応液と触媒を分離した後(分離は、濾過により、行なった。以下の実施例、比較例においても、同様)、反応液のガスクロマトグラフィー分析を行い、各生成物の収率、及び2−アルキルフェノール(2−tert−アミルフェノール)の選択率を定量した。結果を表2及び表3に示す。
攪拌器、滴下ロート、還流冷却管、温度計を備え付けた200mlガラス製4つ口フラスコに、乾燥した強酸性イオン交換樹脂(スルホン化スチレン−ジビルベンゼン共重合体 商品名 アンバーリスト15dry 樹脂固形分に対する水分約1.5wt%)の7.9g、フェノール79g及び水1.3gを加えて、フラスコ内の温度を50℃まで昇温後、その温度で1時間攪拌した。次にフラスコ内の温度を50℃に保ったまま、イソアミレン53gを約5時間かけて滴下して、フェノールとの反応を行った。滴下終了後、更に50℃で1時間攪拌した。反応終了後室温まで温度を下げ、反応液と触媒を分離した後(分離は、濾過により、行なった。以下の実施例、比較例においても、同様)、反応液のガスクロマトグラフィー分析を行い、各生成物の収率、及び2−アルキルフェノール(2−tert−アミルフェノール)の選択率を定量した。結果を表2及び表3に示す。
[実施例2]
水の添加量を6.3gにしたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2及び表3に示す。
水の添加量を6.3gにしたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2及び表3に示す。
[実施例3]
水の添加量を8.8gにしたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2及び表3に示す。
水の添加量を8.8gにしたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2及び表3に示す。
[実施例4]
フラスコ内の温度を70℃にしたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2及び表3に示す。
フラスコ内の温度を70℃にしたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2及び表3に示す。
[実施例5]
フラスコ内の温度を85℃にしたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2及び表3に示す。
フラスコ内の温度を85℃にしたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2及び表3に示す。
[実施例6]
水の代わりに酢酸エチル6.2gを加えたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2及び表3に示す。
水の代わりに酢酸エチル6.2gを加えたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2及び表3に示す。
[実施例7]
水の代わりに2−ブタノン(メチルエチルケトン)5.3gを加えたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2及び表3に示す。
水の代わりに2−ブタノン(メチルエチルケトン)5.3gを加えたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2及び表3に示す。
[実施例8]
水の代わりにアセトン8.2gを加えたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2及び表3に示す。
水の代わりにアセトン8.2gを加えたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2及び表3に示す。
比較例1
実施例1で水を加えなかったこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2及び表3に示す。
実施例1で水を加えなかったこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2及び表3に示す。
比較例2
実施例1で水を加えなかったこと及びフラスコ内温度を80℃にしたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2及び表3に示す。
表2及び表4中、(1)〜(6)は、下記のとおりである。
(1)2−tert−アミルフェノール
(2)4−tert−アミルフェノール
(3)2,4−ジ−tert−アミルフェノール
(4)ジアミルフェノール
(5)トリアミルフェノール
(6)イソアミレンダイマー
実施例1で水を加えなかったこと及びフラスコ内温度を80℃にしたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2及び表3に示す。
表2及び表4中、(1)〜(6)は、下記のとおりである。
(1)2−tert−アミルフェノール
(2)4−tert−アミルフェノール
(3)2,4−ジ−tert−アミルフェノール
(4)ジアミルフェノール
(5)トリアミルフェノール
(6)イソアミレンダイマー
[実施例9]
攪拌器、滴下ロート、還流冷却管、温度計を備え付けた200mlガラス製4つ口フラスコに、強酸性イオン交換樹脂(スルホン化スチレン−ジビルベンゼン共重合体 商品名 アンバーリスト15Jwet 樹脂固形分量に対する水分 約92wt%)の8.0g、フェノール80gを加えて80℃で1時間攪拌した。次に内部温度を80℃に保ったまま、イソアミレン53gを約5時間かけて滴下して、フェノールとの反応を行った。滴下終了後、更に80℃で1時間攪拌した。反応終了後室温まで温度を下げ、反応液と触媒を分離した後、反応液のガスクロマトグラフィー分析を行い、2−アミルフェノールの収率及び選択率を定量した。結果を表3に示す。
攪拌器、滴下ロート、還流冷却管、温度計を備え付けた200mlガラス製4つ口フラスコに、強酸性イオン交換樹脂(スルホン化スチレン−ジビルベンゼン共重合体 商品名 アンバーリスト15Jwet 樹脂固形分量に対する水分 約92wt%)の8.0g、フェノール80gを加えて80℃で1時間攪拌した。次に内部温度を80℃に保ったまま、イソアミレン53gを約5時間かけて滴下して、フェノールとの反応を行った。滴下終了後、更に80℃で1時間攪拌した。反応終了後室温まで温度を下げ、反応液と触媒を分離した後、反応液のガスクロマトグラフィー分析を行い、2−アミルフェノールの収率及び選択率を定量した。結果を表3に示す。
[実施例10]
触媒をアンバーリスト16(wet)(樹脂固形分に対する水分 約82wt%)に変えたこと以外は実施例9と同様に行った。結果を表3に示す。
触媒をアンバーリスト16(wet)(樹脂固形分に対する水分 約82wt%)に変えたこと以外は実施例9と同様に行った。結果を表3に示す。
Claims (10)
- 固体酸触媒を用いたフェノール類とオレフィン類との反応で2−アルキルフェノールを製造する際に、極性有機化合物、極性有機化合物及び水、又は、固体酸触媒に対して3重量%以上の水を存在させることを特徴とする2−アルキルフェノールの製造方法。
- 極性有機化合物の量又は水及び極性有機化合物の総量が、固体酸触媒に対して3重量%以上である請求項1記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
- フェノール類がフェノールあるいは2位及び/又は6位に置換基を持たない置換フェノール類である請求項1又は2記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
- 固体酸触媒が有機固体酸であり、この有機固体酸が、有機固体酸の重量に対して1〜150重量%の水を含む請求項1〜3いずれか記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
- 有機固体酸が、固体酸の重量に対して3〜150重量%の水を含む請求項4記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
- 有機固体酸が有機酸性イオン交換樹脂である請求項4又は5記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
- オレフィン類が2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチル−1−ブテン又はこれらの2種以上の混合物である請求項1〜6いずれか記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
- 極性有機化合物がカルボン酸エステル類、ケトン類又はこれらの混合物である請求項1〜7いずれか記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
- カルボン酸エステル類が酢酸エチルである請求項8記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
- ケトン類がメチルエチルケトン、アセトン又はこれらの混合物である請求項8又は9記載の2−アルキルフェノールの製造方法。
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- 2005-05-18 JP JP2005145110A patent/JP2006321738A/ja active Pending
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