JP6008802B2 - フェノールの精製方法 - Google Patents

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本発明は、フェノールの精製方法に関し、有用成分の消失を招くことなく高純度のフェノールを得ることができるフェノールの精製方法に関する。
フェノールは、一般にアルキルベンゼンをアルキルアリールヒドロペルオキシドに酸化する工程、アルキルベンゼンの酸化反応生成物を濃縮する工程、その濃縮液を酸触媒でフェノールとケトンに開裂反応させる工程、酸開裂生成物を中和する工程、中和後の酸開裂生成物を蒸留分離する工程を経て製造される。
例えば、フェノールの製造方法として、クメンの酸化によって得られたクメンヒドロペルオキシドを酸分解することによりフェノールを製造する方法が知られている(クメン法)。この方法における酸分解生成物は、フェノールおよびアセトンを主成分とし、このほかにα−メチルスチレン、アセトフェノン、クミルフェノール、2−フェニル−2−プロパノール(別名;α−ジメチルフェニルカルビノール)、微量のヒドロキシアセトン(HA)、α−フェニルプロピオンアルデヒド(α−PPA)を始めとする各種カルボニル化合物などの各種副生成物と未反応クメンなどを含有している。ところで、フェノールの誘導体であるジフェニロールプロパン(別名;ビスフェノールA)を原料としてポリカーボネートなどが製造されているが、これらの用途分野においては高純度のフェノールが要求されるのが実情である。
このような高純度フェノールとしては、不純物であるヒドロキシアセトン(HA)は30ppm以下に、好ましくは10ppm以下の量である必要がある。また含有されている他の脂肪族および芳香族カルボニル化合物の総量(HA以外の全脂肪族および芳香族カルボニル化合物)が100ppm以下に、好ましくは50ppm以下まで低減されている必要がある。このような高純度フェノールを得るために、酸分解生成物の中和物から、アセトン、クメン、水、α−メチルスチレン等の低沸点物質、およびアセトフェノン、2−フェニル−2−プロパノール等の高沸点物質の大部分を分別蒸留により除去して得られたフェノール留分を、さらに精製してヒドロキシアセトン等の脂肪族カルボニル化合物およびα−フェニルプロピオンアルデヒド等の芳香族カルボニル化合物を除去することが行われているが、これらのカルボニル化合物はフェノールから分離して除去することが特に難しく、製品フェノールの品質を悪化させている。
従来の高純度フェノールの製造方法として、例えば特公昭37−11664号公報(特許文献1)には、粗フェノール(ヒドロキシアセトン200ppm含有)を360℃で活性アルミナ触媒と接触させることにより、ヒドロキシアセトンをフェノールと反応させて2−メチルベンゾフラン(2−MBF)とし、次いで水蒸気蒸留でフェノールと2−メチルベンゾフランを分離することが提案されている。また特公昭54−1289号公報(特許文献2)には、クレゾールについて活性アルミナを用いることが開示されている。このほか特公昭42−12250号公報(特許文献3)には、粗フェノールを150〜250℃でシリカ・アルミナ触媒と接触させることによって不純物であるカルボニル化合物を他の化合物に転化し、フェノールから蒸留分離する方法が提案されている。またイギリス特許第1231991号公報(特許文献4)には、水を含まない粗フェノールを酸性イオン交換樹脂触媒と80〜150℃で接触させ、不純物であるカルボニル化合物を他の化合物に転化後、フェノールから蒸留分離する方法が提案されている。
しかしながら、これらの方法では、粗フェノール中の有用成分であるフェノールおよびα−メチルスチレンが不純物と反応してしまったり、あるいはそれぞれが相互に、または単独で付加反応してクミルフェノールや、オレフィン2量化物を生成して、当該有用成分が無駄に消失するなどの問題点があった。
特公昭37−11664号公報 特公昭54−1289号公報 特公昭42−12250号公報 イギリス特許第1231991号公報
本発明は前記した有用成分の消失を招くことなく、不純物であるカルボニル化合物を選択的に除去し、高純度のフェノールを製造することができるフェノールの精製方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウムを必須成分とし、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化ガリウムを任意成分とする銅系触媒を用い、粗フェノール中に不純物として含まれるカルボニル化合物を選択的に水素添加し、各々対応するアルコール化合物に転化させることにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち本発明の要旨は、粗フェノールを水素ガスの存在下で、酸化銅、酸化亜鉛および酸化アルミニウムを含有する触媒と接触させて接触水素添加(以下、水添ともいう)を行うことにより粗フェノール中のカルボニル化合物をアルコール化合物に転化し、次いでこのアルコール化合物を蒸留により除去することを特徴とするフェノールの精製方法である。なお、以下の説明では、精製の対象である、カルボニル化合物等の不純物を含有するフェノール含有被処理物を「粗フェノール」、粗フェノールからカルボニル化合物等の不純物が除去されて得られた精製物を「高純度フェノール」と呼ぶ場合がある。
前記触媒は、酸化ケイ素、酸化ジルコニウムおよび酸化ガリウムから選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
前記カルボニル化合物としては、芳香族カルボニル化合物および脂肪族カルボニル化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
前記接触水素添加は、反応温度100〜300℃、水素圧0.5〜30MPaで行なうことが望ましい。
本発明によれば、酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウムを必須成分とし、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化ガリウムを任意成分とする触媒を用い、粗フェノール中のカルボニル化合物を水素添加し、各々対応するアルコール化合物に転化することにより、有用成分であるフェノールおよびα−メチルスチレンの消失を抑制しつつ、フェノールを蒸留により容易に分離して、高純度フェノール類を製造することができる。
また、本発明によれば、フェノールからの分離が特に困難なヒドロキシアセトンを選択的に水素添加することができるので、水素使用量の削減の観点から好ましい。したがって、本発明の精製方法には大きな工業的価値がある。
ヒドロキシアセトン(HA)、ヒドロキシアセトン水素化物であるプロピレングリコール(PG)およびα-フェニルプロピオンアルデヒド(α−PPA)水素化物である2−フェニル−1−プロパノール(PPnol)とフェノールの蒸留試験結果を示す図面である(参考例1参照)。
本発明のフェノールの精製方法は、粗フェノールを水素ガスの存在下で、酸化銅、酸化亜鉛および酸化アルミニウムを含有する触媒と接触させて接触水素添加を行うことにより粗フェノール中のカルボニル化合物をアルコール化合物に転化し、次いでこのアルコール化合物を蒸留により除去することを特徴とする。
粗フェノールは、精製の対象となる被処理物である。粗フェノールは、精製の目的物であるフェノールの他、フェノールから分離され、除去されるべき成分、すなわち不純物を含有する。粗フェノール中のフェノールの含有率は、通常80〜99重量%、好ましくは85〜99重量%である。
本発明のフェノールの精製方法により処理される粗フェノールは、不純物としてカルボニル化合物を含有する。カルボニル化合物は、従来の精製方法ではフェノールからの分離、除去が困難であった。本発明のフェノールの精製方法はカルボニル化合物をきわめて効果的に除去することができる。
カルボニル化合物としては、例えば芳香族カルボニル化合物および脂肪族カルボニル化合物等が挙げられる。芳香族カルボニル化合物としては、α−フェニルプロピオンアルデヒド(α−PPA)、アセトフェノン(Anone)、ベンズアルデヒド(BAD)等が挙げられる。肪族カルボニル化合物としては、ヒドロキシアセトン(HA)、メシチルオキシド(MO)等が挙げられる。粗フェノールは前記カルボニル化合物を1種含んでいてもよいし、2種以上を含んでいてもよい。本発明のフェノールの精製方法は、脂肪族カルボニル化合物としてのヒドロキシアセトン(HA)、および/または芳香族カルボニル化合物としてのα−フェニルプロピオンアルデヒド(α−PPA)を不純物として含む粗フェノールに対して特に有効である。
粗フェノール中のカルボニル化合物の含有率は、通常1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%である。
粗フェノールに含まれるカルボニル化合物以外の不純物は、粗フェノールの生成方法により様々であり、特に制限はないが、例えばアセトン、α−メチルスチレン、クミルフェノール、2−フェニル−2−プロパノール、α−メチルスチレンの2量体(2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン)および粗フェノールの生成に用いた原料の未反応物などである。これらの不純物は、一般に前記カルボニル化合物に比較し、フェノールから分離、除去することが容易である。これらの不純物は水素添加前に蒸留等により粗フェノールからあらかじめ除去しておいてもよい。
粗フェノール中の、カルボニル化合物以外の不純物の含有率は、通常1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%である。
例えば、粗フェノールがクメン法により生成された場合、粗フェノールは、クメンの酸化反応によって得られたクメンヒドロペルオキシドを酸分解し、その生成物の中和物から、分別蒸留により軽質留分(例えばアセトン、クメン、α-メチルスチレン)の大部分を除いた残留分である。その組成を例示すると以下の通りである。なお、当該組成範囲はあくまでも例示を目的としたものであって、本発明の技術的範囲を何ら制限するものではない。
フェノール 87.0 〜 95.6wt%
クメン 1.0 〜 0.1wt%
α−メチルスチレン 2.0 〜 0.1wt%
ヒドロキシアセトン 0.5 〜 0.1wt%
α−フェニルプロピオンアルデヒド 0.5 〜 0.1wt%
アセトフェノン 4.0 〜 2.0wt%
2−フェニル−2−プロパノール 1.0 〜 0.5wt%
その他の高沸点成分 4.0 〜 1.5wt%
上記の粗フェノール中のクメンおよびα−メチルスチレンは軽質留分として、アセトフェノン、2−フェニル−2−プロパノールおよびその他の高沸点成分は重質留分として、蒸留により比較的容易にフェノールから分離できるが、ヒドロキシアセトンおよびα−フェニルプロピオンアルデヒド等のカルボニル化合物はフェノールからの蒸留分離が難しい。前述のとおり、本発明のフェノールの精製方法は、このようなカルボニル化合物をきわめて効果的に除去することができる。
上記不純物のうち、α−メチルスチレンは工業的に有用な物質であるので、工業的に利用可能な状態でフェノールから分離、除去されることが好ましい。
またアセトフェノンは前述した様に比較的容易にフェノールとの蒸留分離が可能であり、工業製品としての価値もあるが、アセトフェノンの水添物である1−メチル−ベンジルアルコールは価値が無く、廃棄するしかないため、水素消費費用の観点からもアセトフェノンの水添反応が起こることは好ましくない。このため、アセトフェノンは水素添加前に蒸留等により粗フェノールから除去しておくことが好ましい。
本発明において接触水素添加に用いる触媒は、酸化銅、酸化亜鉛および酸化アルミニウムを含有する銅系触媒である。前記触媒における酸化銅、酸化亜鉛および酸化アルミニウムの各々の含有率は、上記の順に、好ましくは10〜70重量%、5〜60重量%、1〜20重量%、であり、より好ましくは20〜60量%、10〜50重量%、2〜15重量%である。
前記触媒は上記以外の成分(任意成分)を含んでもよいし、含まなくてもよい。
前記触媒は、任意成分として酸化ケイ素、酸化ジルコニウムおよび酸化ガリウムから選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。前記触媒がこれらの任意成分を含有すると、粗フェノールに含まれる前記カルボニル化合物を効率的に接触水素添加し、アルコールに変換することができる。前記触媒における酸化ケイ素、酸化ジルコニウムおよび酸化ガリウムから選ばれる少なくとも1種を含む場合、その含有率は、上記の順に、好ましくは0.1〜10重量%、0.1〜30重量%、0.1〜10重量%、であり、より好ましくは0.2〜5量%、0.2〜30重量%、0.1〜5重量%である。前記触媒全体に対する任意成分の合計含有率は、50重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましい。
前記触媒の調製方法は特に限定されるものではないが、例えば以下の方法を挙げることができる。すなわち、本発明に使用される触媒は、銅、アルミニウム、亜鉛の硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物および水酸化物等と、任意成分としてケイ素、ジルコニウム、ガリウムの硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物および水酸化物等とを原料として、共沈法、含浸法、混錬法などの公知の方法で製造することが可能である。
(触媒調製)
一般的に、前記の触媒は、金属成分の酸性水溶性塩を含む水溶液からなるA液と沈殿剤の水溶液からなるB液とを混合して沈澱物(触媒の前駆体)を形成する方法が、金属成分が均一に分散した触媒を得る上で好ましい製造方法の一つである。前記のB液を構成する沈殿剤に用いる塩基性化合物は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの少なくともいずれか1種類を含有するアルカリ金属の炭酸塩、または水酸化物、あるいはアンモニウム塩の少なくともいずれか1種類からなる。ここで、A液とB液とを混合して沈澱物を形成する際には、たとえば、
(1)沈殿槽中に予め、A液を仕込んでおき、その中にB液を投入する方法、
(2)逆に沈殿槽中に予めB液を仕込んでおき、その中にA液を投入する方法、
(3)沈殿槽中にA液とB液とを一括混合する方法、
(4)A液を、金属化合物のうちの1成分または2以上の成分を含む水溶液からなるA1液と金属化合物のうちの残りの成分を含む水溶液からなるA2液とに分割し、まずA1液とB液とを混合して、沈殿を生成させ、ついでその沈澱物を含む液中にA2液を加えて同様に沈澱させる沈澱法
などがある。これらの他にも種々のバリエーションが可能で、適宜採用することができる。このような沈澱物を形成させる沈殿法において、沈殿反応が速やかに進行するように適度な金属成分濃度、沈殿剤濃度で、十分な撹拌を行うことが、例えば各成分を均一に微分散させる目的などから好ましい方法である。
触媒の前駆体を生成するときの温度としては10〜70℃が望ましい。10℃以上の温度であれば、沈殿生成反応は速やかに進行する傾向がある。また、70℃を越えなければ、生成した沈殿物が安定に水酸化物を主体とする構造を維持し易いので好ましい。沈殿時間としては、十分な撹拌ができれば、短くても構わないが、好ましくは、10〜180分で行うのが好ましい。これ以上長くなると、経済的ではなく、さらにA液あるいはB液のどちらかを敷き水として、他方だけを供給して沈殿生成を行う場合にはpHが長時間にわたって常に変化するため、結晶構造に影響を与え、却って不均一な構造になる可能性がある。
A液の金属成分の水溶液濃度の上限としては、酸性金属塩が完全に溶解できる濃度であれば特に制限はない。B液の沈殿剤濃度の上限についても沈殿剤が完全に溶解できる濃度であって、十分な撹拌ができれば特に制限はない。またA液の金属成分の水溶液濃度およびB液の沈殿剤濃度の下限については特に制限はないが、希薄になりすぎると生産効率が極端に悪くなるため、その濃度は、経済性を考慮して選定することが望ましい。
前記の沈殿槽の形状は特に制限されないが、沈殿生成時に溶液を均一に撹拌するために円筒状であることが望ましい。沈殿槽には、撹拌を効率的にするため、適宜、邪魔板などを設置してもよい。溶液の撹拌方法については、一般的には、溶液中に撹拌羽根を入れて撹拌モータにより羽根を回転させることにより行われるが、撹拌羽根を使わず、強制的にポンプにより液の吸込み、沈殿槽への吹き込みによる液循環することによって、撹拌効果を得ることも可能である。
A液あるいはB液、あるいはその両方を供給することによって触媒前駆体の沈殿生成を終了した後は、結晶構造を制御するために、適宜、熟成を行う。この熟成は、通常は、沈殿含有液をそのまま沈殿槽で、あるいは他の容器に移液して行う。熟成時の温度は、構造制御の時間に関係する。望ましい構造へ制御するためには、高温にすればするほど短時間でよいが、あまり温度が高すぎると、結晶構造の変化が非常に速くなり制御が難しくなる。本触媒調製方法においては35〜95℃、好ましくは45〜90℃、更に好ましくは50〜85℃で熟成する。熟成時間は温度が高いほど短時間でよいが、その熟成終了の目安は得られた触媒前駆体の表面積が下がり始める前とするのが好ましい。この時間は組成によって、多少なり影響を受けるが、概ね24時間以内であれば、大きな問題はない。
通常、前記のA液に含まれる銅、亜鉛、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウムおよびガリウムの相対的な比率は、後述する洗浄工程や焼成工程を経て固体触媒となってからも変化することはない。
〈触媒前駆体の洗浄〉
前記熟成工程を経て得られた触媒前駆体は、適宜水で洗浄して、沈殿剤を除去する。特に、アルカリ金属塩を沈殿剤とした場合には触媒前駆体中にアルカリ金属が残存し易い傾向がある。触媒中のアルカリ金属の存在は本反応において好ましくない反応を起こす可能性があるため、このアルカリ金属はできる限り除去することが望まれる。本触媒調製方法においては、触媒前駆体中のアルカリ金属の含有率は、銅、亜鉛、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウムおよびガリウムの全量100モル%に対して、0.2モル%以下とすることが好ましい。沈殿剤を除くための洗浄方法については特に限定されず、一般的な洗浄しながらのろ過の他、ろ過してケーキとした後、水中に再分散させて、ろ過を繰り返すなど、種々の方法を採ることができる。洗浄した触媒前駆体は最後にろ過などにより、できる限り水分を除去してケーキ状にすることが好ましい。
〈触媒前駆体の焼成〉
ケーキ状の触媒前駆体は適宜乾燥後、通常、焼成して触媒とする。乾燥する場合、水分が抜けやすいよう、ケーキをほぐしてから乾燥するのが好ましい。乾燥条件としては特に限定されないが、80〜150℃の空気中で行うことが好ましい。前記の焼成は触媒前駆体の成分を主として酸化物にするために行うものである。本発明で使用される触媒を得るためには、その焼成温度は、好ましくは300〜450℃、更に好ましくは350〜450℃である。
本発明で使用される触媒の形状は特に限定されないが、工業的に入手が容易なタブレット状およびヌードル状のものが推奨される。また、サイズは使用する反応塔の内径により決定されるが、直径2〜6mm、高さ2〜6mmの範囲のものが好ましい。
また、水素添加反応スタート時の急激な発熱の制御や、触媒活性を効果的に発現させるために、本発明で使用する銅系触媒に対して、予備還元処理を常法に従って行うことが有効である。一般に、この還元処理は100〜300℃で触媒を水素ガスと接触させることにより行われる。
本発明のフェノールの精製方法においては、前記粗フェノールを水素ガスの存在下で前記触媒と接触させて接触水素添加を行う。
前記接触水素添加を実施する反応装置としては、バッチ式反応装置、固定床連続反応装置、流動床連続反応および移動床連続反応装置等を挙げることができる。設備が簡単な固定床連続反応装置を使用することが望ましい。
反応温度は通常100〜300℃、好ましくは100〜200℃の範囲である。反応圧力は一般に水素圧0.5〜30MPa、好ましくは1〜10MPaである。反応時間はバッチ反応の場合、通常1〜20時間である。また、連続式反応の場合、反応における固体触媒の単位容積あたりの粗フェノールの供給速度(LHSV)は、0.5hr-1以上20hr-1以下であることが望ましく、1hr-1以上10hr-1以下であることがより望ましい。本発明において連続反応装置を用いる場合、使用される反応器は、単一の反応器であっても、複数の反応器でもよい。特に複数の反応器である場合、直列に反応器を設置することにより、反応条件をより精密に制御できる。
この接触水素添加反応により、粗フェノールに含有されるカルボニル化合物はアルコール化合物に転化される。例えば、ヒドロキシアセトン(HA)はプロピレングリコール(PG)に転換され、α−フェニルプロピオンアルデヒド(α−PPA)は2−フェニル−1−プロパノール(PPnol)に転換される。
本発明のフェノールの精製方法においては、接触水素添加により生成されたアルコール化合物を蒸留により除去する。このアルコール化合物はフェノールと沸点の差が大きいので、蒸留により容易にフェノールから分離、除去できる。蒸留は常法に基づき実施することができる。
粗フェノールに含まれるカルボニル化合物以外の不純物は、前述のとおり、蒸留等により容易に除去することができる。
本発明のフェノールの精製方法は、上述のとおり、従来法では分離、除去が困難であったカルボニル化合物をきわめて効果的に除去することができる。さらに本発明のフェノールの精製方法では、有用成分であるフェノールおよびα−メチルスチレンが不純物と反応したり、それぞれが相互に、または単独で付加反応したりすることを抑制することができる。このため、フェノールの収率が向上するとともに、有用成分であるα−メチルスチレンを工業的に利用可能な状態でフェノールから分離、除去することが可能になる。
以下実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。尚、カルボニル化合物の転化率はガスクロマトグラフィーでの分析値から算出した。
カルボニル化合物の転化率とは、水素添加反応前のカルボニル化合物の量に対する、そのカルボニル化合物の水素添加反応による減少量のモル比(%)を意味する。
〔実施例1〕
高圧用フィードポンプ、高圧用水素マスフロー、電気炉、触媒充填部分を有する反応器、背圧弁を設置した固定床反応装置を用い、ダウンフローによる加圧液相流通反応を行った。内径1cmのSUS316製反応器に、クラリアント触媒(株)製MDC−7触媒(CuO/ZnO/Al23=42%/48%/10%(重量比)、成型品を粉砕し250〜500μmへ分級したもの)を1.00g充填した。反応器内を水素ガスで2MPaまで加圧した後、反応器入口側より10ml/分の水素気流下、触媒に対し140℃で4時間還元処理を行った。放冷後、水素フィード量を0.6ml/分に変更し、ヒドロキシアセトン(HA)1800ppm、α−フェニルプロピオンアルデヒド(α−PPA)1300ppm、α−メチルスチレン(α−MS)500ppm、2−フェニル−2−プロパノール(Cnol)6000ppm、アセトフェノン(Anone)2.41重量%およびその他不純物、ならびにフェノール91.8重量%を含有する粗フェノールを6.0g/hでフィードし、100℃で反応させた。得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、HA転化率は44.6%、α−PPA転化率は25.0%およびAnone転化率は3.1%であり、各々対応するアルコール化合物が得られた。また、反応前後のα−メチルスチレンの2量体(MSD)の濃度、フェノールとα−MSの反応物であるクミルフェノール(CP)の濃度およびフェノール(PH)の濃度はガスクロマトグラフィーの分析精度の範囲内で差がなかった。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
(触媒1〔酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素含有触媒〕の調製)
硝酸銅三水和物5.15kg(21.3mol)、硝酸亜鉛六水和物3.72kg(12.5mol)、硝酸アルミニウム九水和物1.25kg(3.3mol)、およびコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製「スノーテックスST−O」)0.24kg(SiO2として0.8mol)を蒸留水11kgに溶解して、21.7kgの水溶液を調製し、A液とした。ここで「スノーテックスST−O」は、無水ケイ酸(SiO2 )含有量が20〜21重量%、酸化ナトリウム(Na2O)含有量が0.04重量%以下、pHが2〜4、粒子径が10〜20 mμ、粘度が3cps/25℃以下、比重が1.12〜1.14/25℃、氷結点が0℃の透明乳白色の膠質液である。次に、A液とは別に、無水炭酸ナトリウム4.58kg(43.3mol)を蒸留水31.2kgに溶解して水溶液を調製し、B液とした。撹拌機を設置した邪魔板付き100L沈殿槽にA液を入れた後、撹拌しながら、B液をおよそ0.18L/minの速度で滴下した。フィード時間はおよそ90分間であった。このときの沈殿槽内の液温は20〜25℃とした。沈殿槽内のpHはB液投入後はおよそ、6.2であった。B液投入後、得られた沈殿スラリーの温度をゆっくり70℃まで昇温し、2時間保持した。その後、沈殿スラリーをろ過しながら純水で沈殿物中のNaイオン濃度が0.2mol%以下になるまで沈殿を洗浄した後、ろ過により沈殿ケーキを得た。沈殿ケーキは120℃で乾燥した後、350℃で焼成して、触媒1を得た。得られた触媒1の組成は、CuO:54.8wt%、ZnO:32.8wt% 、Al23 :10.9wt%、SiO2:1.5wt%であった。
(反応評価)
上記のように調製し、250〜500μmへ分級した触媒1をMDC−7触媒の替わりに用いる以外は実施例1と同様にして反応を実施した。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
(触媒2〔酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム含有触媒〕の調製)
硝酸銅三水和物54.3g、硝酸亜鉛六水和物39.1g、硝酸アルミニウム九水和物6.6g、亜硝酸ジルコニウム二水和物15.4gおよびコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製「スノーテックスST−O」)1.26gを蒸留水に溶解して、500mlの水溶液を調製し、A液とした。ここで「スノーテックスST−O」は、無水ケイ酸(SiO2 )含有量が20〜21重量%、酸化ナトリウム(Na2O)含有量が0.04重量%以下、pHが2〜4、粒子径が10〜20 mμ、粘度が3cps/25℃以下、比重が1.12〜1.14/25℃、氷結点が0℃の透明乳白色の膠質液である。これとは別に、炭酸ナトリウム十水和物 139.0gを蒸留水に溶解して500mlの水溶液を調製し、B液とした。激しく撹拌した400mlの蒸留水中に、A液とB液を同時にいずれも10ml/minの速度で滴下した(この方法を共沈法と称する)。これを一昼夜放置し、得られた沈澱物を蒸留水で洗浄した後、110℃で乾燥し、ついで600℃にて空気中で2時間焼成し、触媒2を得た。得られた触媒の組成は、CuO:45.2wt%、ZnO:27.1wt% 、Al23 :4.5wt%、ZrO2 :22.6wt% 、SiO2:0.6wt%であった。
(反応評価)
上記のように調製し、250〜500μmへ分級した触媒2をMDC−7触媒の替わりに用いる以外は実施例1と同様にして反応を実施した。結果を表1に示す。
Figure 0006008802
〔比較例1〕
陽イオン交換樹脂(Amberlyst−15E)5gとヒドロキシアセトン(HA)1800ppm、α−フェニルプロピオンアルデヒド(α−PPA)1300ppm、α−メチルスチレン(α−MS)500ppm、2−フェニル−2−プロパノール(Cnol)6000ppm、アセトフェノン(Anone)2.41重量%およびその他不純物、ならびにフェノール91.8重量%を含有する粗フェノール250gを量り取り、電磁誘導回転攪拌機の付いたSUS316製の500mlオートクレーブに装入した。オートクレーブの内部を窒素で置換した(0.5MPa、3回)後、オートクレーブを密閉した。攪拌速度450rpmで攪拌しながら、オートクレーブを110℃まで加熱して反応を実施した。2時間後、加熱を停止し、十分冷却してから開封した。内容物をろ過して触媒(陽イオン交換樹脂)を除去し、得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、HA転化率は100%、α−PPA転化率は100%およびAnone転化率は1%であったが、有効成分である原料中のα−MSおよびCnolの脱水反応により生成したα−MSはフェノールと全量反応しクミルフェノールに転化した。
〔比較例2〕
陽イオン交換樹脂のかわりに、酸度関数がHo≦−8.2である水素交換モルデナイト型ゼオライトを用い、反応温度を160℃にした以外は比較例1と同様に操作を行った。その結果、HA転化率は95%、α−PPA転化率は92%およびAnone転化率は0%であったが、有効成分である原料中のα−MSおよびCnolの脱水反応により生成したα−MSはフェノールと全量反応しクミルフェノールに転化した。
〔実施例4〕
実施例1の粗フェノールを、ヒドロキシアセトン(HA)1800ppm、アセトフェノン1.9重量%、α−メチルスチレンの2量体(MSD)1.0重量%、フェノール97.1重量%を含有する粗フェノールに変更した以外は、実施例1と同様に反応を行なった。
HA、アセトフェノン、MSDの各成分の水素添加に消費された水素量(モル)をHAの水素添加に理論的に必要な水素量(モル)で割った値は、順に、0.45、0.20、0.03であった。
〔実施例5〕
実施例4において触媒を実施例2で使用した触媒1に変更した以外は、実施例4と同様に反応を行なった。HA、アセトフェノン、MSDの各成分の水素添加に消費された水素量(モル)をHAの水素添加に理論的に必要な水素量(モル)で割った値は、順に、0.56、0.01、0.01であった。
〔実施例6〕
実施例4において触媒を実施例3で使用した触媒2に変更した以外は、実施例4と同様に反応を行なった。HA、アセトフェノン、MSDの各成分の水素添加に消費された水素量(モル)をHAの水素添加に理論的に必要な水素量(モル)で割った値は、順に、0.54、0.01、0.01であった。
〔参考例1〕
ヒドロキシアセトン(HA)、ヒドロキシアセトンの水素添加物であるプロピレングリコール(PG)およびα-フェニルプロピオンアルデヒド(α−PPA)の水素添加物である2−フェニル−1−プロパノール(PPnol)とフェノールの蒸留での分離性を調べるため、フェノールにHA、PGおよびPPnolを各々1000ppm添加した原料を用い、オルダーショウ・ガラス製蒸留塔30段で分画蒸留を行った。蒸留は原料仕込み量800g、還流比2、圧力200Torrで行い留出液をガスクロマトグラフィーで分析したところ全留出液にHAが検出されたが、PGおよびPPnolは全留出液に不検出であった。結果を図1に示す。

Claims (4)

  1. 粗フェノールを水素ガスの存在下で、酸化銅、酸化亜鉛および酸化アルミニウムを含有する触媒と接触させて接触水素添加を行うことにより粗フェノール中のカルボニル化合物をアルコール化合物に転化し、次いでこのアルコール化合物を蒸留により除去することを特徴とするフェノールの精製方法。
  2. 前記触媒が、さらに酸化ケイ素、酸化ジルコニウムおよび酸化ガリウムから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載のフェノールの精製方法。
  3. 前記カルボニル化合物が、芳香族カルボニル化合物および脂肪族カルボニル化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載のフェノールの精製方法。
  4. 前記接触水素添加を、反応温度100〜300℃、水素圧0.5〜30MPaで行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフェノールの精製方法。
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