JP6031784B2 - パワーモジュール用基板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、大電流、高電圧を制御する半導体装置に用いられるパワーモジュール用基板及びその製造方法に関する。
従来のパワーモジュールとして、セラミックス基板の一方の面に、アルミニウム等からなる回路層が積層され、この回路層の上に半導体チップ等の電子部品がはんだ付けされるとともに、セラミックス基板の他方の面にアルミニウム等からなる放熱層が形成され、この放熱層にヒートシンクが接合された構成のものが知られている。
この種のパワーモジュールに用いられるパワーモジュール用基板においては、はんだ濡れ性を向上させるために、回路層の表面にはんだ材との接合性が良好な金属からなるニッケルメッキ等のメッキ層(金属膜)が施されたものが知られている(特許文献1)。
しかし、特許文献1に提案されているように、回路層にメッキ層を形成した場合、回路層との密着性は高くなるが、はんだ付け時に生じる回路層とメッキ層との熱膨張差によって、メッキ層に割れ(クラック)が発生することがある。そして、メッキ層内にクラックが生じると、熱サイクル負荷時にそのクラックを起点にして、はんだにもクラックが生じ、熱抵抗の上昇を招くことがある。
そこで、特許文献2記載のパワーモジュール用基板においては、はんだ接合層(はんだ層)が形成される回路層を、本体層と、回路層の一方の面側に露呈する表面硬化層とで構成しており、回路層の一方の面側部分の変形抵抗を大きくして、熱サイクル負荷時におけるうねりやシワの発生を抑制している。また、比較的変形抵抗が小さい本体層は、熱サイクル負荷時の熱応力をその変形によって吸収することが可能となり、セラミックス基板と回路層との接合信頼性を向上させることができる。
特開2010‐238932号公報 特開2011‐181845号公報
しかしながら、特許文献2においては、回路層の表面を硬化させることで、パワーサイクルによる繰り返し加熱時におけるうねりやシワの発生を抑制することができるが、回路層の表面硬化のために、回路層表面への添加元素の固着工程及び添加元素の拡散のための熱処理工程が必要となっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、上記のような添加元素の固着工程及び熱処理工程を省きながら、回路層の表面にうねりやシワが発生することを防止でき、パワーサイクル耐性に優れたパワーモジュール用基板を提供することを目的とする。
本発明は、セラミックス基板にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる回路層が積層されるとともに、前記回路層の表面にニッケルメッキ層が形成されてなり、該ニッケルメッキ層の表面に電子部品がはんだ付けされるパワーモジュール用基板であって、前記ニッケルメッキ層内には、粒子径0.1μm以上10μm以下の硬質粒子が分散量2vol%以上30vol%以下で分散して設けられ、前記硬質粒子は、ニッケルメッキ層の最表面に露出しておらず、前記ニッケルメッキ層は、前記硬質粒子が分散して設けられた硬質メッキ層の上に、硬質粒子を含有しない被覆メッキ層が1μm〜15μmの厚みで形成されていることを特徴とする。
回路層の表面に、硬質粒子を含有するニッケルメッキ層を形成することで、硬質粒子を含有しない場合のニッケルメッキ層よりも硬度を高くして、回路層及びはんだ接合層の変形を抑制することができるため、ニッケルメッキ層の表面にうねりやシワが発生することを防止できる。また、硬質粒子がニッケルメッキ層の最表面に露出しないように埋没されているので、はんだ接合層との接合性を良好に保つことができる。
したがって、はんだ接合層の割れ発生を防止でき、パワーサイクル耐性に優れたパワーモジュール用基板を製造することができる。
質メッキ層上に被覆メッキ層を重ねて形成することで、硬質粒子が露出しない最表面を確実に形成することができる。したがって、良好なはんだ濡れ性を得ることができる。
本発明のパワーモジュール用基板において、前記硬質粒子は、SiC、Al、TiO、ZrO、SiO、BC、Cr、Cr、TiC、WC、BN、CBN、ダイヤモンド、MoSから選択される1種又は2種以上で構成されているとよい。
これらの硬質粒子は、Niより熱膨張係数が小さいため、熱サイクル負荷時のうねりやシワの発生を有効に抑制することができる。
本発明のパワーモジュール用基板の製造方法は、セラミックス基板にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる回路層が積層されるとともに、前記回路層の表面にニッケルメッキ層が形成されてなり、該ニッケルメッキ層の表面に電子部品がはんだ付けされるパワーモジュール用基板の製造方法であって、前記回路層の表面をZnで被覆するジンケート処理工程と、粒子径0.1μm以上10μm以下の硬質粒子が分散したニッケルメッキ浴中に浸漬することによってZnをNiで置換して前記硬質粒子の分散量が2vol%以上30vol%以下とされる硬質メッキ層を形成する無電解ニッケルメッキ処理工程と、前記硬質粒子を含有しないニッケルメッキ浴中に浸漬することによって厚み1μm〜15μmの被覆メッキ層を形成する被覆メッキ処理工程とを有することを特徴とする。
本発明の製造方法により、硬質粒子が分散した硬質メッキ層上に硬質粒子を含有しない被覆メッキ層を重ねて形成することができるため、硬質粒子が露出しない最表面を確実に形成することができる。したがって、良好なはんだ濡れ性を得ることができる。
本発明のパワーモジュール用基板の製造方法において、前記硬質粒子は、SiC、Al、TiO、ZrO、SiO、BC、Cr、Cr、TiC、WC、BN、CBN、ダイヤモンド、MoSから選択される1種又は2種以上で構成されているとよい。
本発明によれば、回路層の表面にうねりやシワが発生することを防止できるとともに、はんだ濡れ性を良好にでき、パワーモジュール用基板のパワーサイクル耐性を向上させることができる。
本発明の実施形態のパワーモジュール用基板を用いたパワーモジュールの全体構成を示す縦断面図である。 回路層の表面に形成されたニッケルメッキ層を説明する要部拡大図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、この発明により製造されるパワーモジュール基板3を用いたパワーモジュール1を示している。この図1のパワーモジュール1は、セラミックス基板2を有するパワーモジュール用基板3と、パワーモジュール用基板3の表面に搭載された半導体チップ等の電子部品4と、パワーモジュール用基板3の裏面に接合されたヒートシンク5とから構成される。
パワーモジュール用基板3は、セラミックス基板2の両面に金属層が積層されており、その一方の金属層が回路層6となり、その表面に電子部品4が接合される。また、他方の金属層は放熱層7とされ、その表面にヒートシンク5が取り付けられる。
セラミックス基板2は、例えば、AlN(窒化アルミニウム)、Si(窒化珪素)等の窒化物系セラミックス、もしくはAl(アルミナ)等の酸化物系セラミックスやSiC(炭化珪素)等の炭化物系セラミックスにより形成される。
回路層6及び放熱層7は、いずれも純度99.90質量%以上のアルミニウムが用いられ、JIS規格では、1N90(純度99.90質量%以上:いわゆる3Nアルミニウム)又は1N99(純度99.99質量%以上:いわゆる4Nアルミニウム)を用いることができる。なお、回路層6及び放熱層7には、アルミニウムの他、アルミニウム合金を用いることもできる。
また、回路層6及び放熱層7は、それぞれプレス加工により所望の外形に打ち抜いたものをセラミックス基板2に接合するか、あるいは平板状のものをセラミックス基板2に接合した後に、エッチング加工により所望の外形に形成するか、いずれの方法も採用することができる。
そして、回路層6には所望の回路パターンが形成されており、その表面にはニッケルメッキ層9が形成されている。このニッケルメッキ層9は、図2に示すように、硬質粒子10が分散して設けられた硬質メッキ層91と、その硬質メッキ層91上に硬質粒子を含有しない被覆メッキ層92を重ねて形成することにより構成されており、ニッケルメッキ層9の最表面に、硬質粒子10が露出しないように埋没されている。
硬質メッキ層91は、SiC(炭化珪素)、Al(アルミナ)、TiO(酸化チタン)、ZrO(ジルコニア)、SiO(シリカ)、BC(ボロンカーバイド)、Cr(炭化クロム)、Cr(酸化クロム)、TiC(炭化チタン)、WC(炭化タングステン)、BN(窒化ホウ素)、CBN(立方晶窒化ホウ素)、ダイヤモンド、MoS(二硫化モリブデン)から選択される1種又は2種以上の硬質粒子を含有するニッケルメッキ層により構成され、例えば、SiCを含有するNi‐P‐SiC複合メッキにより、厚み1μm〜15μmに形成される。
これらの硬質粒子は、Niより熱膨張係数が小さいため、熱サイクル負荷時のうねりやシワの発生を有効に抑制することができる。例えば、W,SiCは、熱膨張係数がそれぞれ4.5×10−6、4.1×10−6で、Niの熱膨張係数13.4×10−6よりも低く、IGBTチップ(熱膨張係数2.4×10−6)との熱膨張差の緩和効果に寄与する。また、熱伝導率がNiの90W/m・Kよりも高く、それぞれ173W/m・K、170W/m・Kであり、IGBTチップで発生した熱を効率的に拡散させるのに有効である。さらに、これらの硬質粒子は、通常のニッケルメッキよりも硬度が高いため、回路層6及びはんだ接合層9の変形を抑制することができる。
また、硬質粒子は、粒子径0.1μm以上10μm以下に形成され、硬質メッキ層91の硬質粒子の分散量は、2vol%以上30vol%に設定されている。硬質粒子の分散量が2vol%未満であると、必要な硬度が得られず、十分な効果を得ることができない。また、30vol%を超える場合には、回路層との密着性を損なうおそれがある。
また、被覆メッキ層92は、硬質粒子を含まないニッケルメッキ層で構成され、Ni‐Pメッキにより、厚み1μm〜15μmに形成される。
そして、セラミックス基板2と回路層6及び放熱層7とは、Al−Si系、Al−Ge系、Al−Cu系、Al−Mg系またはAl−Mn系等の合金のろう材により、ろう付け接合されている。
また、セラミックス基板2と回路層6及び放熱層7との接合は、ろう付け以外にもTLP接合法(Transient Liquid Phase Bonding)と称される過渡液相接合法によって接合してもよい。この過渡液相接合法においては、回路層及び放熱層の表面に蒸着させた銅層を、回路層及び放熱層とセラミックス板との界面に介在させて行う。加熱により、回路層及び放熱層のアルミニウム中に銅が拡散し、回路層及び放熱層の銅層近傍の銅濃度が上昇して融点が低下し、アルミニウムと銅との共晶域にて接合界面に金属液相が形成される。この金属液相が形成された状態で温度を一定に保持しておくと、金属液相がセラミックス板と反応するとともに、銅がさらにアルミニウム中に拡散することに伴い、金属液相中の銅濃度が徐々に低下して融点が上昇し、温度を一定に保持した状態で凝固が進行する。これにより、回路層及び放熱層とセラミックス板との強固な接合が得られる。
また、セラミックス基板と銅製の回路層とを、活性金属ろう材を用いて接合する方法を採用することもできる。例えば、活性金属であるTiを含む活性金属ろう材(Ag‐27.4質量%Cu‐2.0質量%Ti)を用い、銅製の回路層とセラミックス基板との積層体を加圧した状態のまま真空中で加熱し、活性金属であるTiをセラミックス基板に優先的に拡散させて、Ag‐Cu合金を介して回路層とセラミックス基板とを接合できる。
なお、回路層6と電子部品4との接合には、Sn‐Cu系、Sn‐Ag系、Sn‐Ag‐Cu系、Sn‐Sb系、Zn‐Al系もしくはPb‐Sn系等のはんだ材が用いられる。図中符号8がそのはんだ接合層を示す。また、電子部品4と回路層6の端子部との間は、アルミニウム等からなるボンディングワイヤやリボンボンディング等(図示略)により接続される。
また、ヒートシンク5は、平板状のもの、熱間鍛造等によって多数のピン状フィンを一体に形成したもの、押出成形によって相互に平行な帯状フィンを一体に形成したもの等、適宜の形状のものを採用することができる。また、ヒートシンク5と放熱層7との間に、さらにアルミニウム、アルミニウム合金、銅又は銅合金などの金属板で形成された放熱板若しくは応力緩衝層を設けることもできる。
次に、本実施形態のパワーモジュール用基板の製造方法について説明する。
まず、セラミックス基板2の各面にろう材を介して回路層6及び放熱層7を積層し、これらの積層体を積層方向に加圧した状態で加熱し、ろう材を溶融させることによって回路層6及び放熱層7をそれぞれセラミックス基板2に接合する。
そして、この回路層6の表面に、ニッケルメッキ処理を施して、ニッケルメッキ層9を形成し、パワーモジュール用基板3とする。
まず、回路層6との密着性を確保するため、回路層6の表面をZnで被覆するジンケート処理を施す(ジンケート処理工程)。次に、ジンケート処理後の回路層6を、硬質粒子が分散したニッケルメッキ浴中に浸漬することによって、ZnをNiで置換して硬質メッキ層91を形成し(無電解ニッケルメッキ処理工程)、その硬質メッキ層91が形成された回路層6を、硬質粒子を含有しないニッケルメッキ浴中に浸漬することによって、被覆メッキ層92を形成する(被覆メッキ処理工程)。このように、ニッケルメッキ層9は、回路層6の表面上に硬質メッキ層91を形成した後、この硬質メッキ層91上に被覆メッキ層92を形成することにより構成される。
ニッケルメッキ層9が形成されたパワーモジュール用基板3には、その回路層6の上面に電子部品4がはんだ付けされるとともに、放熱層7がヒートシンク5にろう付けされる。そして、電子部品4と回路層6との間がボンディングワイヤ等で接続され、パワーモジュール1が完成する。
このように、回路層の表面に、硬質粒子を含有する硬質メッキ層を形成することで、硬質粒子を含有しない場合のニッケルメッキ層よりも硬度を高くして、回路層及びはんだ接合層の変形を抑制することができる。そのため、ニッケルメッキ層の表面にうねりやシワが発生することを防止できる。また、硬質メッキ層の上に硬質粒子を含有しない被覆メッキ層を重ねる等の方法により、硬質粒子が露出しない最表面を確実に形成することができ、はんだ接合層との接合性を良好に保つことができる。
したがって、はんだ接合層の割れ発生を防止でき、パワーサイクル耐性に優れたパワーモジュール用基板を製造することができる。
次に、本発明の効果確認のために、セラミックス基板の両面に回路層及び放熱層をろう付け接合した後に、その回路層にニッケルメッキ層を形成した試料1〜3を表1に示す条件で作製し、これらの「パワーサイクル後の熱抵抗上昇率」、「はんだ濡れ性」をそれぞれ評価した。
回路層及び放熱層には、JIS規格における1N99(純度99.99質量%以上:いわゆる4Nアルミニウム)、セラミックス基板にはAlNを用いた。また、試料1〜3のニッケルメッキ層は、以下に示す手順で作製した。
まず、回路層の表面に付着している油分を除去するために、石油系脱脂剤を用いて予備脱脂工程を行い、その予備脱脂した金属板を、さらに弱アルカリ性脱脂剤に温度70〜80℃、1〜5分間浸漬させることにより脱脂する本脱脂工程を行った。そして、回路層の表面の酸化皮膜を除去するため、エッチング液(メルテックス株式会社製のエッチアルム14、濃度45g/L、温度:70℃〜80℃)に15秒間浸漬させてアルカリエッチング処理を施した(アルカリエッチング工程)。
次に、アルカリエッチング処理後の回路層について、アルカリエッチングにより表面に生じたスマットを除去する工程を行った(1次スマット除去工程及び2次スマット除去工程)。1次スマット除去工程は、回路層を酸液(メルテックス株式会社製のアクタン70、濃度120g/L(60%HNO:50vol%+98%HSO:25vol%+水:50vol%)、温度:室温)に5〜15秒間浸漬させることにより行った。2次スマット除去工程は、酸液((60%HNO:50vol%+水50vol%)、温度:室温)に1〜5分間浸漬させることにより行った。
スマット除去を終えた回路層に、メッキ層と回路層との密着性を確保するため、2回のZnを置換するジンケート処理を行った(1次ジンケート処理工程及び2次ジンケート処理工程)。これにより、無電解ニッケルメッキ液中で、Niと置換されやすいZn皮膜が形成される。1次ジンケート処理工程で皮膜されるZn皮膜は粒子が大きい状態であるので、一度、Zn皮膜を剥離する処理(ジンケート剥離工程)を施した後に、ジンケート処理を行うことにより(2次ジンケート処理工程)、Zn粒子が微細な状態でZn皮膜が形成される。なお、1次ジンケート処理工程及び2次ジンケート処理工程はともに、亜鉛置換剤に15秒〜2分間浸漬させることにより行った。また、ジンケート剥離工程は、60%硝酸水溶液に5〜15秒浸漬させることにより行った。
そして、ジンケート処理により回路層の表面に形成されたZn皮膜を、ニッケルメッキ浴中でNiに置換させ、置換されたNiを触媒としてメッキ反応を進行させて、表1に示すように、試料1〜3の回路層に対してそれぞれ異なるニッケルメッキ層を形成した。
試料1は、SiCの硬質粒子を含有する硬質メッキ層(Ni‐P‐SiC複合メッキ)を形成した上に、被覆メッキ層(Ni‐Pメッキ)を重ねて被覆してニッケルメッキ層を形成した。同様に、試料2,3は、硬質メッキ層として、それぞれNi‐P‐BN複合メッキ、Ni‐P‐Al複合メッキ層を形成し、その上に被覆メッキ層(Ni‐Pメッキ)を被覆形成した。一方、試料4は、ニッケルメッキ層の最表面に硬質粒子が露出した状態に設けた。また、試料5は、硬質粒子を含有しない被覆メッキ層(Ni‐Pメッキ)のみでニッケルメッキ層を形成した。
なお、試料1〜4の硬質メッキ層で用いたSiC、Al、BNの硬質粒子は、粒子径1μm以上10μm以下とし、硬質粒子の分散量が12vol%程度となるように形成した。
そして、このようにして製作したそれぞれの試料について、「硬質粒子の露出状態」を観察し、「パワーサイクル後の熱抵抗上昇率」と「はんだ濡れ性」とを評価した。
「硬質粒子の露出状態」の評価は、ニッケルメッキ層の最表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察することにより実施した。1000倍の視野にて5箇所観察し、SEI像より凹凸、COMPO像より元素の情報を確認し、1μm以上の粒子状露出物の有無を判断した。そして、SEM観察によって粒子状露出物が確認できないものを「無」として硬質粒子が露出していないものと判断し、粒子状露出物が確認できるものを「有」として硬質粒子が露出しているものと判断した。
「パワーサイクル後の熱抵抗上昇率」の評価は、各試料のニッケルメッキ層の表面にSn‐Ag‐Cu系はんだを用いてIGBT半導体チップをはんだ付けするとともに、アルミニウム合金からなる接続配線をボンディングしてモジュール化したものを製作し、これを用いて行った。ヒートシンク中の冷却水温度、流量を一定とした状態で、半導体チップへの通電を、通電(ON)で140℃、非通電(OFF)で60℃となる1サイクルを10秒毎に繰り返すようにして調整し、これを15万回繰り返すパワーサイクル試験を実施した。そして、パワーサイクル試験の前後で半導体チップ表面とヒートシンク内表面(ヒートシンク底面)との間の熱抵抗を半導体チップ表面温度からそれぞれ測定し、パワーサイクル試験実施による熱抵抗の上昇率を求めた。
また、「はんだ濡れ性」は、各試料のニッケルメッキ層の表面に、10mm×10mm(100mm)厚さ0.15mmのはんだ箔(Sn‐Ag‐Cu系)を載せ、260℃〜280℃で5分間、水素含有雰囲気下(水素濃度3%以上)で加熱し、ニッケルメッキ層上におけるはんだ材の濡れ広がりを、はんだ箔の初期面積との比率で評価した。そして、はんだ材の面積比率が60%以上であったものを「○」、60%未満であったものを「×」として評価した。
Figure 0006031784
表1に示すように、硬質粒子を含有する硬質メッキ層を有する実施例1〜3については、パワーサイクル後の熱抵抗上昇率を低く抑えることができた。
一方、硬質粒子を含有していないメッキ層で形成した試料5(従来例)は、パワーサイクル後の熱抵抗が上昇していた。
また、硬質粒子が表面に露出した試料4(比較例)は、はんだ濡れ性が悪く、電子部品の実装ができなかった。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1 パワーモジュール
2 セラミックス基板
3 パワーモジュール用基板
4 電子部品
5 ヒートシンク
6 金属層(回路層)
7 金属層(放熱層)
8 はんだ接合層
9 ニッケルメッキ層
10 硬質粒子
91 硬質メッキ層
92 被覆メッキ層

Claims (4)

  1. セラミックス基板にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる回路層が積層されるとともに、前記回路層の表面にニッケルメッキ層が形成されてなり、該ニッケルメッキ層の表面に電子部品がはんだ付けされるパワーモジュール用基板であって、前記ニッケルメッキ層内には、粒子径0.1μm以上10μm以下の硬質粒子が分散量2vol%以上30vol%以下で分散して設けられ、前記硬質粒子は、ニッケルメッキ層の最表面に露出しておらず、
    前記ニッケルメッキ層は、前記硬質粒子が分散して設けられた硬質メッキ層の上に、硬質粒子を含有しない被覆メッキ層が1μm〜15μmの厚みで形成されていることを特徴とするパワーモジュール用基板。
  2. 前記硬質粒子は、SiC、Al、TiO、ZrO、SiO、BC、Cr、Cr、TiC、WC、BN、CBN、ダイヤモンド、MoSから選択される1種又は2種以上で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール用基板。
  3. セラミックス基板にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる回路層が積層されるとともに、前記回路層の表面にニッケルメッキ層が形成されてなり、該ニッケルメッキ層の表面に電子部品がはんだ付けされるパワーモジュール用基板の製造方法であって、前記回路層の表面をZnで被覆するジンケート処理工程と、粒子径0.1μm以上10μm以下の硬質粒子が分散したニッケルメッキ浴中に浸漬することによって、ZnをNiで置換して前記硬質粒子の分散量が2vol%以上30vol%以下とされる硬質メッキ層を形成する無電解ニッケルメッキ処理工程と、前記硬質粒子を含有しないニッケルメッキ浴中に浸漬することによって厚み1μm〜15μmの被覆メッキ層を形成する被覆メッキ処理工程とを有することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
  4. 前記硬質粒子は、SiC、Al、TiO、ZrO、SiO、BC、Cr、Cr、TiC、WC、BN、CBN、ダイヤモンド、MoSから選択される1種又は2種以上で構成されていることを特徴とする請求項3に記載のパワーモジュール用基板の製造方法。
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