JP2014039062A - パワーモジュール用基板、ヒートシンク付パワーモジュール用基板、パワーモジュール、及びパワーモジュール用基板の製造方法 - Google Patents

パワーモジュール用基板、ヒートシンク付パワーモジュール用基板、パワーモジュール、及びパワーモジュール用基板の製造方法 Download PDF

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伸幸 寺▲崎▼
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    • H01L2924/13055Insulated gate bipolar transistor [IGBT]

Abstract

【課題】パワーサイクル負荷時において熱抵抗の上昇を抑制するとともに、ヒートサイクル負荷時においてセラミックス基板に割れが生じることを抑制し、パワーサイクル及びヒートサイクルの負荷に対して高い信頼性を有するパワーモジュール用基板、ヒートシンク付パワーモジュール用基板、パワーモジュール、及びパワーモジュール用基板の製造方法を提供する。
【解決手段】セラミックス基板11と回路層12とを備えたパワーモジュール用基板10であって、回路層12は、セラミックス基板11の一方の面に配設されたアルミニウム層12Aと、アルミニウム層12Aの一方側に、固相拡散接合によって積層された銅層12Bと、を有し、アルミニウム層12Aと銅層12Bとの接合界面には、CuとAlからなる金属間化合物で構成された拡散層が形成されており、拡散層の厚さが1μm以上80μm以下の範囲内とされている。
【選択図】図1

Description

この発明は、セラミックス基板の一方の面に回路層が形成されたパワーモジュール用基板、このパワーモジュール用基板にヒートシンクが接合されたヒートシンク付パワーモジュール用基板、パワーモジュール用基板に半導体素子が接合されたパワーモジュール、及びパワーモジュール用基板の製造方法に関するものである。
各種の半導体素子のうちでも、電気自動車や電気車両などを制御するために用いられる大電力制御用のパワー素子においては、発熱量が多いことから、これを搭載する基板としては、例えばAlN(窒化アルミ)などからなるセラミックス基板上に導電性の優れた金属板を回路層として接合したパワーモジュール用基板が、従来から広く用いられている。
そして、このようなパワーモジュール用基板は、その回路層上に、はんだ材を介してパワー素子としての半導体素子が搭載され、パワーモジュールとされる。なお、この種のパワーモジュール用基板としては、セラミックス基板の下面にも放熱のために、熱伝導性が優れたヒートシンクを接合して、放熱させる構造としたものが知られている。
回路層を構成する金属としては、Al(アルミニウム)やCu(銅)等が用いられている。例えば、特許文献1には、セラミックス基板の一方の面に、アルミニウム板からなる回路層が接合されたパワーモジュール用基板が提案されている。
また、特許文献2には、セラミックス基板の一方の面に銅板からなる回路層が接合されたパワーモジュール用基板が提案されている。
特許第3171234号公報 特許第3211856号公報
ところで、特許文献1で示すパワーモジュールにおいては、回路層が比較的変形抵抗の小さなアルミニウム板で構成されているので、ヒートサイクルが負荷された際に、セラミックス基板と回路層との間に生じる熱応力を回路層によって吸収することができるものの、パワーサイクルが負荷された際に、半導体素子と回路層を接合するはんだにクラックが生じてパワーモジュールの信頼性が低下する場合がある。また、アルミニウムは銅と比べて熱伝導性が劣るので、アルミニウム板で構成された回路層は、銅で構成された回路層と比べて放熱性が劣る。さらには、アルミニウムは、その表面にアルミニウムの酸化被膜が形成されるため、そのままでは、回路層と半導体素子とをはんだで良好に接合することは困難である。
一方、特許文献2に示すように、回路層が銅板で構成されている場合には、銅は比較的変形抵抗が高いため、ヒートサイクルが負荷された際に、セラミックス基板と銅板との間に生じる熱応力によって、セラミックス基板に割れが発生する場合があった。
特に、最近では、パワーモジュールの小型化・薄肉化が進められるとともに、その使用環境も厳しくなってきており、半導体素子からの発熱量が大きくなり、ヒートサイクル及びパワーサイクルの条件が厳しくなっている。そのため、アルミニウムで回路層を構成した場合は、パワーサイクルが負荷された際に、パワーモジュールの信頼性が低下することが問題となる。また、銅で回路層を構成した場合は、ヒートサイクルが負荷された際に、パワーモジュールの信頼性が低下することが問題となる。
このように、銅で構成された回路層は、パワーサイクルに対する信頼性は高いものの、ヒートサイクルに対する信頼性が低下し、アルミニウムで構成された回路層はヒートサイクルに対する信頼性は高いものの、パワーサイクルに対する信頼性が低下することとなる。よって、従来はパワーサイクルもしくはヒートサイクルのどちらか一方の信頼性を優先することしかできず、両方の信頼性を両立させることはできなかった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、パワーサイクル負荷時において熱抵抗の上昇を抑制するとともに、ヒートサイクル負荷時においてセラミックス基板に割れが生じることを抑制し、パワーサイクル及びヒートサイクルの負荷に対して高い信頼性を有するパワーモジュール用基板、ヒートシンク付パワーモジュール用基板、パワーモジュール、及びパワーモジュール用基板の製造方法を提供することを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明のパワーモジュール用基板は、セラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に形成された回路層と、を備えたパワーモジュール用基板であって、前記回路層は、前記セラミックス基板の一方の面に配設されたアルミニウム層と、前記セラミックス基板の一方の面に配設されたアルミニウム層の一方側に、固相拡散接合によって積層された銅層と、を有し、前記アルミニウム層と前記銅層との接合界面には、CuとAlからなる金属間化合物で構成された拡散層が形成されており、前記拡散層の厚さが1μm以上80μm以下の範囲内とされていることを特徴としている。
本発明のパワーモジュール用基板によれば、回路層が銅層を有しており、この銅層の上に半導体素子が搭載された場合には、半導体素子から発生する熱をパワーモジュール用基板側へ伝達する際に、回路層の銅層で面方向に拡げて効率的に放散することができる。
さらに、セラミックス基板の一方の面に、比較的変形抵抗の小さいアルミニウム層が形成されており、ヒートサイクルが負荷された場合にセラミックス基板と回路層との熱膨張係数の差に起因して発生する熱応力をアルミニウム層が吸収するので、セラミックス基板に割れが発生することを抑制でき、接合に対する高い信頼性を得ることができる。
また、アルミニウム層の一方側には、比較的変形抵抗の大きい銅層が形成されているので、パワーサイクルが負荷された場合に、回路層の変形を抑制することができる。そのため、パワーサイクルに対する信頼性を得ることができる。
また、アルミニウム層と銅層とは、固相拡散接合によって接合されているので、ヒートサイクルが負荷された場合に、アルミニウム層と銅層との間に剥離が生じることが抑制され、回路層の熱伝導性及び導電性を維持することができる。
なお、アルミニウム層の一方側とは、セラミックス基板と接合されていない面側のことである。
また、アルミニウム層と銅層との接合界面に、CuとAlからなる金属間化合物で構成された拡散層が形成されていることから、アルミニウム層中のAl(アルミニウム原子)と銅層中のCu(銅原子)とが十分に相互拡散しており、アルミニウム層と銅層とが強固に接合されている。
また、前記拡散層は、前記銅層と前記拡散層との接合界面には、酸化物が、前記接合界面に沿って層状に分散している構成としても良い。
銅層と拡散層との接合界面には、酸化物が、接合界面に沿って層状に分散していることから、アルミニウム層の表面に形成された酸化膜が破壊されて固相拡散接合が十分に進行している。
また、前記銅板の厚さは、0.1mm以上6.0mm以下とされていても良い。
上記の範囲に銅板の厚さを設定することによって、半導体素子から発生する熱をパワーモジュール用基板側へ伝達する際に、回路層の銅層で面方向に熱を拡げてより効率的に放散することができるので、パワーサイクル負荷時の初期の熱抵抗を低減することが可能である。さらには、パワーサイクル負荷後においてもはんだに割れが発生することを抑制できるので、熱抵抗の上昇を抑制することが可能である。
また、本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板は、前記パワーモジュール用基板と、このパワーモジュール用基板の他方側に接合されたヒートシンクと、を備えていることを特徴としている。
本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板によれば、上述のようなパワーモジュール用基板の他方側にヒートシンクが接合されているので、パワーモジュール用基板側の熱をヒートシンクへ効率的に放散することができる。
また、本発明のパワーモジュールは、前記パワーモジュール用基板と、前記回路層の一方側に接合された半導体素子と、を備えていることを特徴としている。
本発明のパワーモジュールによれば、上述のようなパワーモジュール用基板を用いているので、パワーサイクルが負荷された場合に、半導体素子から発生する熱をパワーモジュール用基板側へ伝達する際に、回路層の銅層で面方向に拡げて、効率的に放散することができる。そして、半導体素子の温度上昇を抑制して、所定の温度で半導体素子を動作させることができ、動作の安定性を向上させることが可能となる。
また、半導体素子がはんだを介して銅層に接合される構成とされているので、アルミニウムで回路層を構成した場合と比較して、はんだ接合を良好に行うことができる。
なお回路層の一方側とは、セラミックス基板と接合されていない面側のことである。
また、本発明のパワーモジュール用基板の製造方法は、セラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に形成された回路層と、を備えたパワーモジュール用基板の製造方法であって、前記セラミックス基板の一方の面に、回路層を形成する回路層形成工程を備え、前記回路層形成工程は、前記セラミックス基板の一方の面に、アルミニウム層を配設するアルミニウム層配設工程と、前記アルミニウム層の一方側に、銅層を積層する銅層積層工程と、を有し、前記銅層積層工程において、前記アルミニウム層と前記銅層とを固相拡散接合し、前記アルミニウム層と前記銅層との接合界面に、CuとAlからなる金属間化合物で構成され、厚さが1μm以上80μm以下の範囲内とされた拡散層を形成することを特徴としている。
本発明のパワーモジュール用基板の製造方法によれば、回路層形成工程は、アルミニウム層配設工程と、銅層積層工程とを備え、銅層積層工程においてアルミニウム層と銅層とを固相拡散接合する構成とされているので、アルミニウム層と銅層とが固相拡散によって接合された回路層を備えたパワーモジュール用基板を得ることができる。
また、前記銅層積層工程において、前記アルミニウム層の一方側に銅層を積層し、前記アルミニウム層と前記銅層に対して、3kgf/cm以上35kgf/cm以下の荷重を負荷した状態で、400℃以上548℃未満で保持することにより、前記アルミニウム層と前記銅層とを固相拡散接合する構成とされても良い。
このような条件で固相拡散接合を行うことにより、アルミニウム層と銅層とを確実に固相拡散によって接合できる。また、アルミニウム層と銅層との界面に、隙間が生じることを抑制することが可能である。
本発明によれば、パワーサイクル負荷時において熱抵抗の上昇を抑制するとともに、ヒートサイクル負荷時においてセラミックス基板に割れが生じることを抑制し、パワーサイクル及びヒートサイクルの負荷に対して高い信頼性を有するパワーモジュール用基板、ヒートシンク付パワーモジュール用基板、パワーモジュール、及びパワーモジュール用基板の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係るパワーモジュール、ヒートシンク付パワーモジュール用基板、パワーモジュール用基板の概略説明図である。 図1のアルミニウム層と銅層との界面の拡大図である。 図2の拡散層の拡大説明図である。 本発明の実施形態に係るパワーモジュールの製造方法を説明するフロー図である。 本発明の実施形態に係るヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法の概略説明図である。
以下に、本発明の実施形態について、添付した図面を参照して説明する。
図1に、本発明の実施形態であるパワーモジュール1、ヒートシンク付パワーモジュール用基板30、パワーモジュール用基板10を示す。
このパワーモジュール1は、ヒートシンク付パワーモジュール用基板30と、このヒートシンク付パワーモジュール用基板30の一方側(図1において上側)にはんだ層2を介して接合された半導体素子3と、を備えている。
はんだ層2は、例えばSn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−In系、若しくはSn−Ag−Cu系のはんだ材(いわゆる鉛フリーはんだ材)とされており、ヒートシンク付パワーモジュール用基板30と半導体素子3とを接合するものである。
半導体素子3は、半導体を備えた電子部品であり、必要とされる機能に応じて種々の半導体素子が選択される。本実施形態では、IGBT素子とされている。
ヒートシンク付パワーモジュール用基板30は、パワーモジュール用基板10と、パワーモジュール用基板10の他方側(図1において下側)に接合されたヒートシンク31とを備えている。
そして、パワーモジュール用基板10は、図1で示すように、セラミックス基板11と、このセラミックス基板11の一方の面(図1において上面)に形成された回路層12と、セラミックス基板11の他方の面(図1において下面)に形成された金属層13と、を備えている。
セラミックス基板11は、回路層12と金属層13との間の電気的接続を防止するものであって、絶縁性の高いAlN(窒化アルミ)で構成されている。また、セラミックス基板11の厚さは、0.2〜1.5mmの範囲内に設定されており、本実施形態では、0.635mmに設定されている。
金属層13は、セラミックス基板11の他方の面(図1において下面)に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属板が接合されることにより形成されている。本実施形態においては、金属層13は、純度が99.99%以上のアルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)の圧延板からなるアルミニウム板23がセラミックス基板11に接合されることで形成されている。
回路層12は、図1で示すように、セラミックス基板11の一方の面に配設されたアルミニウム層12Aと、このアルミニウム層12Aの一方側(図1において上側)に積層された銅層12Bと、を有している。
アルミニウム層12Aは、図5に示すように、アルミニウム板22Aがセラミックス基板11の一方の面に接合されることにより形成されている。本実施形態においては、アルミニウム層12Aは、純度が99.99%以上のアルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)の圧延板からなるアルミニウム板22Aがセラミックス基板11に接合されることにより形成されている。
銅層12Bは、アルミニウム層12Aの一方側(図1において上側)に接合されることにより形成されている。本実施形態においては、銅層12Bは、図5に示すように、無酸素銅の圧延板からなる銅板22Bがアルミニウム層12Aに固相拡散接合されることにより形成されている。
そして、これらのアルミニウム層12Aと銅層12Bとの界面には、図2で示すように、拡散層12Cが形成されている。この銅板22Bの厚さは、0.1mm以上6.0mm以下に設定されていることが好ましい。
拡散層12Cは、アルミニウム層12Aのアルミニウム原子と、銅層12Bの銅原子とが相互拡散することによって形成されるものである。この拡散層12Cにおいては、アルミニウム層12Aから銅層12Bに向かうにしたがい、漸次アルミニウム原子の濃度が低くなり、かつ銅原子の濃度が高くなる濃度勾配を有している。
図3に、拡散層12Cの拡大説明図を示す。この拡散層12Cは、CuとAlからなる金属間化合物で構成されており、本実施形態では、複数の金属間化合物が接合界面に沿って積層した構造とされている。ここで、この拡散層12Cの厚さtは、1μm以上80μm以下の範囲内、好ましくは、5μm以上80μm以下の範囲内に設定されている。
本実施形態では、図3に示すように、3種の金属間化合物が積層された構造とされており、アルミニウム層12A側から銅層12B側に向けて順に、θ相16、η2相17、ζ2相18とされている。
また、この拡散層12Cと銅層12Bとの接合界面には、酸化物19が、接合界面に沿って層状に分散している。なお、本実施形態においては、この酸化物19は、アルミナ(Al)等のアルミニウム酸化物とされている。なお、酸化物19は、拡散層12Cと銅層12Bとの界面に分断された状態で分散しており、拡散層12Cと銅層12Bとが直接接触している領域も存在している。
さらに、本実施形態では、銅層12Bの平均結晶粒径が50μm以上200μm以下の範囲内とされ、アルミニウム層12Aの平均結晶粒径が500μm以上とされている。
ヒートシンク31は、パワーモジュール用基板10側の熱を放散するためのものである。ヒートシンク31は、熱伝導性が良好な材質で構成されることが望ましく、本実施形態においては、A6063(Al合金)で構成されている。このヒートシンク31には、冷却用の流体が流れるための流路32が設けられている。
そして、本実施形態においては、パワーモジュール用基板10の金属層13とヒートシンク31とが、接合層33を介して接合されている。
接合層33は、パワーモジュール用基板10とヒートシンク31とを接合するものである。本実施形態においては、図5に示すように、無酸素銅の圧延板からなる銅板43が、金属層13とヒートシンク31との間に配置されて固相拡散接合されることによって、金属層13とヒートシンク31とが接合層33を介して接合されるようになっている。この接合層33には、相互拡散によるアルミニウムと銅の濃度勾配が形成されている。
次に、本実施形態であるパワーモジュール1、ヒートシンク付パワーモジュール用基板30、パワーモジュール用基板10の製造方法について、図4及び図5を用いて説明する。
まず、図5で示すように、セラミックス基板11の一方の面及び他方の面に、Al−Si系のろう材を介してアルミニウム板22A、23を積層する。そして、加圧・加熱後冷却することによって、セラミックス基板11とアルミニウム板22A、23を接合し、アルミニウム層12A及び金属層13を形成する(アルミニウム層及び金属層接合工程S11)。なお、このろう付けの温度は、640℃〜650℃に設定されている。
次に、図5で示すように、アルミニウム層12Aの一方側に銅板22Bを配置し、金属層13の他方側に銅板43を配置し、銅板43の他方側にはさらにヒートシンク31を配置する。そして、一方側及び他方側から荷重を負荷し、真空加熱炉の中に配置する。本実施形態においては、アルミニウム層12A及び銅板22B、金属層13及び銅板43、ヒートシンク31及び銅板43との接触面に負荷される荷重は、3kgf/cm以上35kgf/cm以下とされている。そして、真空加熱の加熱温度を、400℃以上548℃未満とし、5分以上240分以下保持して固相拡散接合を行い、アルミニウム層12Aに銅板22Bを接合して銅層12Bを形成すると同時に、金属層13とヒートシンク31とを、接合層33を介して接合する(銅層及びヒートシンク接合工程S12)。本実施形態においては、アルミニウム層12Aと銅板22B、金属層13と銅板43、ヒートシンク31と銅板43の接合されるそれぞれの面は、予め当該面の傷が除去されて平滑にされた後に、固相拡散接合されている。
なお、同時に、アルミニウム層12Aの一方側に銅板22Bを固相拡散接合し、金属層13の他方側に銅板43を固相拡散接合し、銅板43の他方側にはさらにヒートシンク31を固相拡散接合する場合の真空加熱の好ましい加熱温度は、アルミニウム板22Aを構成する金属(Al)と銅板22Bを構成する金属(Cu)、アルミニウム板23を構成する金属(Al)と銅板43を構成する金属(Cu)、及びヒートシンク31を構成する金属(Al−Mg−Si系)と銅板43を構成する金属(Cu)、の共晶温度のうち、最も低い共晶温度(共晶温度含まず)から共晶温度−5℃の範囲とされている。
こうして、アルミニウム層12Aと、アルミニウム層12Aの一方側に積層された銅層12Bと、を有する回路層12が形成されるようになっている。
上述のようにして、本実施形態であるセラミックス基板11の一方側に回路層12が形成されたヒートシンク付パワーモジュール用基板30、及びパワーモジュール用基板10が得られる。
そして、回路層12の一方側(表面)に、はんだ材を介して半導体素子3を載置し、還元炉内においてはんだ接合する(半導体素子接合工程S13)。
上述のようにして、本実施形態であるパワーモジュール1が製出される。
以上のような構成とされた本実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板30、及びパワーモジュール用基板10によれば、回路層12が銅層12Bを有し、銅層12Bの上に半導体素子3が搭載されるので、アルミニウムで構成された回路層と比べて、半導体素子3から発生する熱を回路層12の銅層12Bで面方向に拡げ、効率的にパワーモジュール用基板10側へ放散することができる。
さらに、セラミックス基板11の一方の面及び他方の面に比較的変形抵抗の小さいアルミニウムで構成されたアルミニウム層12A及び金属層13が形成されており、ヒートサイクルが負荷された場合に、セラミックス基板11と回路層12及び金属層13との熱膨張係数の差に起因して生じる熱応力をアルミニウム層12A及び金属層13が吸収するので、ヒートサイクルに対する高い信頼性を得ることができる。
また、アルミニウム層12Aの一方側には、比較的変形抵抗の大きい銅層12Bが形成されており、パワーサイクルが負荷された場合に、回路層12の変形を抑制することができるため熱抵抗の上昇を抑制でき、パワーサイクルに対する高い信頼性を得ることができる。
また、本実施形態では、アルミニウム層12Aと銅層12Bとの間に、CuとAlの拡散層からなる拡散層12Cが形成されているので、アルミニウム層12A中のAlが銅層12B側へ、銅層12B中のCuがアルミニウム層12A側へと十分に相互拡散し、アルミニウム層12Aと銅層12Bとが確実に固相拡散接合されており、接合強度を確保することができる。
また、銅層12Bと拡散層12Cとの接合界面に、酸化物19が接合界面に沿って層状に分散しているので、アルミニウム層12Aに形成された酸化膜が確実に破壊され、CuとAlの相互拡散が十分に進行していることになり、銅層12Bと拡散層12Cとが確実に接合されている。
また、本実施形態では、拡散層12Cは、複数の金属間化合物が前記接合界面に沿って積層した構造とされているので、脆い金属間化合物が大きく成長してしまうことを抑制できる。また、銅層12B中のCuとアルミニウム層12A中のAlとが相互拡散することにより、銅層12B側からアルミニウム層12A側に向けてそれぞれの組成に適した金属間化合物が層状に形成されていることから、接合界面の特性を安定させることができる。
具体的には、拡散層12Cは、アルミニウム層12A側から銅層12B側に向けて順に、θ相16、η2相17、ζ2相18の3種の金属間化合物が積層しているので、拡散層12C内部における体積変動が小さくなり、内部歪みが抑えられることになる。
さらに、本実施形態においては、アルミニウム層12Aの平均結晶粒径が500μm以上とされ、銅層12Bの平均結晶粒径が50μm以上200μm以下の範囲内とされており、アルミニウム層12A及び銅層12Bの平均結晶粒径が比較的大きく設定されている。よって、アルミニウム層12A及び銅層12Bに過剰な歪み等が蓄積されておらず、疲労特性が向上することになる。したがって、ヒートサイクル負荷において、パワーモジュール用基板10とヒートシンク31との間に生じる熱応力に対する接合信頼性が向上する。
さらに、本実施形態においては、拡散層12Cの平均厚みが1μm以上80μm以下、好ましくは5μm以上80μm以下の範囲内とされているので、CuとAlの相互拡散が十分に進行しており、アルミニウム層12Aと銅層12Bとを強固に接合できるとともに、アルミニウム層12A及び銅層12Bに比べて脆い金属間化合物が必要以上に成長することが抑えられており、接合界面の特性が安定することになる。
ここで、銅板22Bの好ましい厚さは0.1mm以上6.0mm以下とされている。
銅板22Bを0.1mm以上とすることで、半導体素子3からの熱を銅層12Bで拡げてより効率的に熱を伝達し、パワーサイクル負荷時の初期の熱抵抗を低減することができるので、パワーサイクルに対する信頼性をより高くすることが可能である。また、銅板22Bを6.0mm以下とすることで、回路層12の剛性を低減させ、ヒートサイクル負荷時においてセラミックス基板11に割れが生じることを抑制できる。
上述のようなパワーモジュール用基板10、及びヒートシンク付パワーモジュール用基板30を用いたパワーモジュール1においては、半導体素子3から発生する熱を効率的に放散することができる。そして、半導体素子3の温度上昇を抑制して、所定の温度で半導体素子3を動作させることができ、動作の安定性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態においては、アルミニウム層12Aと銅層12Bとは、固相拡散接合によって接合されているので、セラミックス基板11の一方側に形成されたアルミニウム層12Aと銅層12Bとを有する回路層12を得ることができる。
また、固相拡散接合は、セラミックス基板11の一方の面及び他方の面に、アルミニウム層12A及び金属層13を形成し、アルミニウム層12Aの一方側に銅板22Bを配置し、金属層13の他方側に銅板43とヒートシンク31とを配置した後に、アルミニウム層12Aと銅板22B、金属層13と銅板43、ヒートシンク31と銅板43に対して、3kgf/cm以上35kgf/cm以下の荷重が負荷された状態で、400℃以上548℃未満で保持する構成とされている。このような構成にすることによって、アルミニウム層12Aと銅板22Bが十分に密着した状態で、アルミニウム層12A中に銅板22Bの銅原子を固相拡散させ、銅板22B中にアルミニウム層12Aのアルミニウム原子を固相拡散させて固相拡散接合し、アルミニウム層12Aの一方側に銅層12Bを確実に形成することができる。
さらに、このように固相拡散接合を行うことで、アルミニウム層12Aと銅層12Bとの間に隙間が生じることを抑制してアルミニウム層12Aと銅層12Bとを接合することができるので、アルミニウム層12Aと銅層12Bとの接合界面における熱伝導性及び導電性を良好にし、半導体素子3から生じる熱をセラミックス基板11側に効率的に放散することが可能である。さらには、固相拡散接合されたアルミニウム層12Aと銅層12Bとの界面には、拡散層12Cが形成されている。この拡散層12Cは、固相拡散によって形成されているので、接合強度が高い。そのため、ヒートサイクル及びパワーサイクルが負荷された際に、界面の剥離が生じ難く良好な接合状態を保つことができ、熱伝導性及び導電性を維持することが可能である。
また、金属層13と銅板43、ヒートシンク31と銅板43がそれぞれ固相拡散接合され、接合層33を介して金属層13とヒートシンク31とを接合することができる。さらに、上述のような条件で固相拡散接合を行うことで、金属層13とヒートシンク31との間に隙間が生じることを抑制して、接合層33を介して接合することができるので、金属層13とヒートシンク31との間における熱伝導性を良好にすることができる。また、金属層13とヒートシンク31とは、接合層33によって強固に接合されており、ヒートサイクル及びパワーサイクルが負荷された際に、金属層13と接合層33、ヒートシンク31と接合層33との界面の剥離が生じ難く良好な接合状態を保つことができ、熱伝導性を維持することが可能である。
固相拡散接合する際にアルミニウム層12A及び銅板22Bに対して負荷される荷重が3kgf/cm未満の場合は、アルミニウム層12Aと銅板22Bとを十分に接合させることが困難となり、アルミニウム層12Aと銅層12Bとの間に隙間が生じる場合がある。また、35kgf/cmを超える場合には、負荷される荷重が高すぎるために、セラミックス基板11に割れが発生することがあるため、固相拡散接合の際に負荷される荷重は、上記の範囲に設定されている。
固相拡散接合する際の温度が400℃以上の場合には、アルミニウム原子と銅原子との拡散が促進され、短時間で十分に固相拡散させることができる。また、548℃未満の場合には、アルミニウムと銅との間で液相が生じて接合界面にコブが生じたり、厚みが変動したりすることを抑制できる。そのため、固相拡散接合の好ましい温度は、400℃以上548℃未満の範囲に設定されている。
また、固相拡散接合時におけるより望ましい熱処理温度は、アルミニウム板22Aを構成する金属(Al)と銅板22Bを構成する金属(Cu)の共晶温度(共晶温度含まず)から共晶温度−5℃の範囲とされている。このような共晶温度(共晶温度含まず)から共晶温度−5℃の範囲を選択したときには、液相が形成されずアルミニウムと銅の化合物が生成されないので、固相拡散接合の接合信頼性が良好となることに加えて、固相拡散接合の際の拡散速度が速く、比較的短時間で固相拡散接合できるため上記のように設定されている。
また、固相拡散接合する際に、接合される面に傷がある場合、固相拡散接合時に隙間が生じる場合があるが、アルミニウム層12Aと銅板22B、金属層13と銅板43、ヒートシンク31と銅板43、の接合される面は、予め当該面の傷が除去されて平滑にされた後に、固相拡散接合されているので、それぞれの接合界面に隙間が生じることを抑制して接合することが可能である。
また、半導体素子3がはんだ層2を介して銅層12Bに接合される構成とされているので、アルミニウムのみで構成された回路層に接合される場合と比べて、はんだ付けを良好に行うことが可能である。
また、本実施形態においては、金属層13とヒートシンク31とが接合層33を介して固相拡散接合によって接合されており、金属層13とヒートシンク31との間に、アルミニウムや銅と比較して熱伝導性が劣るはんだやグリースを介在させていないので、金属層13とヒートシンク31との間の熱伝導性を向上させることができる。
また、銅層12B及びヒートシンク31を一度に接合可能な構成とされているので、製造コストを大幅に低減することが可能である。
また、本実施形態であるパワーモジュール1は、パワーモジュール用基板10の下方にヒートシンク31を備えているので、半導体素子3から発生する熱がパワーモジュール用基板10側に伝達され、ヒートシンク31を介して熱を効率的に放散することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
なお、上記の実施形態においては、銅層とヒートシンクとを固相拡散接合によって、同時に接合する場合について説明したが、銅層を固相拡散接合で形成した後に、ヒートシンクを固相拡散接合する構成とされても良い。
また、セラミックス基板の一方の面にアルミニウム層を形成した後に、アルミニウム層の一方側に銅層を固相拡散接合する場合について説明したが、アルミニウム板と銅板を固相拡散接合した後に、セラミックス基板の一方の面に接合する構成とされても良い。
また、上記の実施形態では、セラミックス基板の一方の面及び他方の面に形成されるアルミニウム層及び金属層を、純度99.99%の純アルミニウムの圧延板として説明したが、これに限定されることはなく、純度99%のアルミニウム(2Nアルミニウム)やアルミニウム合金等であっても良い。
また、上記の実施形態では、銅層は無酸素銅の銅板で構成されている場合について説明したが、これに限定されることはなく、その他の純銅や銅合金等の銅板で構成されても良い。
さらに、セラミックス基板としてAlNからなるセラミックス基板を用いたものとして説明したが、これに限定されることはなく、SiやAl等からなるセラミックス基板を用いても良い。
また、上記の実施形態では、パワーモジュール用基板が金属層を備える場合について説明したが、金属層を備えていなくても良い。
また、上記実施の形態では、パワーモジュールがヒートシンクを備える場合について説明したが、ヒートシンクを備えていなくても良い。
また、上記実施の形態では、パワーモジュール用基板の金属層とヒートシンクとの間に銅板を介在させて固相拡散接合によって接合する場合について説明したが、金属層とヒートシンクとを、はんだやネジ留めなどによって接合しても良い。
(実施例1)
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験(実施例1)の結果について説明する。
図4のフロー図に記載した手順に従って、表1に示す条件で固相拡散接合を行い、発明例1−1〜1−10のヒートシンク付パワーモジュールを作製した。
なお、セラミックス基板は、AlNで構成され、40mm×40mm、厚さ0.635mmのものを使用した。
また、回路層のアルミニウム層は、4Nアルミニウムの圧延板で構成され、37mm×37mm、厚さ0.1mmのものを使用した。
回路層の銅層は、無酸素銅の圧延板で構成され、37mm×37mm、厚さ0.3mmのものを使用した。
金属層は、4Nアルミニウムの圧延板で構成され、37mm×37mm、厚さ1.6mmのものを使用した。
接合層は、無酸素銅の圧延板で構成され、37mm×37mm、厚さ0.05mmのものを使用し、ヒートシンクは、A6063合金の圧延板で構成され、50mm×50mm、厚さ5mmのものを使用した。
また、固相拡散接合は、真空加熱炉内の圧力が、10−6Pa以上、10−3Pa以下の範囲内で行った。
半導体素子は、IGBT素子とし、12.5mm×9.5mm、厚さ0.25mmのものを使用した。
(ヒートサイクル試験)
ヒートサイクル試験は、冷熱衝撃試験機エスペック社製TSB−51を使用し、試験片(ヒートシンク付パワーモジュール)に対して、液相(フロリナート)で、−40℃×5分←→125℃×5分の3000サイクル実施した。
(パワーサイクル試験)
パワーサイクル試験は、Sn−Ag−Cuはんだを用いてIGBT素子を銅層へはんだ付けするとともに、アルミニウム合金からなる接続配線をボンディングしてヒートシンク付パワーモジュールとし、これを用いて行った。ヒートシンク中の冷却水温度、流量を一定とした状態で、IGBT素子への通電を、通電(ON)で素子表面温度140℃、非通電(OFF)で素子表面温度80℃となる1サイクルを10秒毎に繰り返すようにして調整し、これを10万回繰り返すパワーサイクル試験を実施した。
このヒートサイクル試験前後及びパワーサイクル試験前後における、アルミニウム層と銅層との界面における接合率及びヒートシンク付パワーモジュールの熱抵抗を測定した。
(アルミニウム層と銅層との界面の接合率評価)
パワーサイクル試験前後のヒートシンク付パワーモジュールに対して、アルミニウム層と銅層との界面の接合率について超音波探傷装置を用いて評価し、以下の式から算出した。ここで、初期接合面積とは、接合前における接合すべき面積、すなわち本実施例ではアルミニウム層及び銅層の面積とした。超音波探傷像において剥離は接合部内の白色部で示されることから、この白色部の面積を剥離面積とした。
(接合率)={(初期接合面積)−(剥離面積)}/(初期接合面積)
(熱抵抗評価)
熱抵抗は、次のようにして測定した。ヒータチップ(半導体素子)を100Wの電力で加熱し、熱電対を用いてヒータチップの温度を実測した。また、ヒートシンクを流通する冷却媒体(エチレングリコール:水=9:1)の温度を実測した。そして、ヒータチップの温度と冷却媒体の温度差を電力で割った値を熱抵抗とした。
上記の評価の結果を表1に示す。
発明例1−1〜1−10では、パワーサイクル試験後及びヒートサイクル試験後の接合率が共に高く、パワーサイクル負荷及びヒートサイクル負荷に対する高い接合の信頼性を有するヒートシンク付パワーモジュールであることが確認できた。
また、発明例1−1〜1−6では、パワーサイクル試験後及びヒートサイクル試験後の接合率が共にさらに高く、パワーサイクル負荷及びヒートサイクル負荷に対し、さらに高い接合の信頼性を有するヒートシンク付パワーモジュールであることが確認できた。
(実施例2)
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験(実施例2)の結果について説明する。
図4のフロー図に記載した手順に従って、荷重:9kgf/cm、温度:540℃、保持時間:180分の条件で固相拡散接合を行い、発明例2−1〜2−8のヒートシンク付パワーモジュールを作製した。
なお、セラミックス基板は、AlNで構成され、40mm×40mm、厚さ0.635mmのものを使用した。
回路層のアルミニウム層は、4Nアルミニウムの圧延板で構成され、37mm×37mm、発明例2−1〜2−7においては厚さ0.6mmのものを、発明例2−8においては厚さ0.1mmのものを使用した。
回路層の銅層は、無酸素銅の圧延板(銅板)で構成され、37mm×37mmのものを使用し、銅板の厚さは表2に示す厚さに設定した。
金属層は、4Nアルミニウムの圧延板で構成され、37mm×37mm、厚さ1.6mmのものを使用した。
接合層は、無酸素銅の圧延板で構成され、37mm×37mm、厚さ0.05mmのものを使用し、ヒートシンクは、A6063合金の圧延板で構成され、50mm×50mm、厚さ5mmのものを使用した。
また、固相拡散接合は、真空加熱炉内の圧力が、10−6Pa以上、10−3Pa以下の範囲内で行った。
半導体素子は、IGBT素子とし、12.5mm×9.5mm、厚さ0.25mmのものを使用した。
また、従来例1として次のヒートシンク付パワーモジュールを作製した。
まず、回路層となる無酸素銅からなる銅板(37mm×37mm、厚さ0.3mm)とAlNで構成されたセラミックス基板と金属層となる無酸素銅からなる銅板(37mm×37mm、厚さ0.3mm)とを、Ag−27.4質量%Cu−2.0質量%Tiのろう材箔を介して積層し、積層方向に0.5kgf/cmで加圧した状態で、10−3Paの真空雰囲気とした真空加熱炉内に装入し、850℃で10分加熱することによって、接合し、パワーモジュール用基板を作製した。次に前記パワーモジュール用基板とIGBT素子(12.5mm×9.5mm、厚さ0.25mm)及びヒートシンクを接合し、ヒートシンク付パワーモジュールを作成した。
さらに、次の手段にて作製したヒートシンク付パワーモジュールを従来例2とした。
まず、回路層となるアルミニウム板(37mm×37mm、厚さ0.4mm)とAlNで構成されたセラミックス基板と金属層となるアルミニウム板(37mm×37mm、厚さ0.4mm)とを、Al−10質量%Siのろう材箔を介して積層し、積層方向に5kgf/cmで加圧した状態で、真空加熱炉内に装入し、650℃で30分加熱することによって、接合しパワーモジュール用基板を作製した。次に前記パワーモジュール用基板とIGBT素子(12.5mm×9.5mm、厚さ0.25mm)及びヒートシンクを接合し、ヒートシンク付パワーモジュールを作成した。
(ヒートサイクル試験)
実施例1と同様にして、ヒートシンク付パワーモジュールに対してヒートサイクル試験を行った。
このヒートサイクル試験後において、セラミックス基板と回路層との界面における接合率を測定した。
(セラミックス基板と回路層との界面の接合率評価)
ヒートサイクル試験後のヒートシンク付パワーモジュールに対して、セラミックス基板と回路層との界面の接合率について超音波探傷装置を用いて評価し、以下の式から算出した。ここで、初期接合面積とは、接合前における接合すべき面積、すなわち本実施例では回路層の面積とした。超音波探傷像において剥離は接合部内の白色部で示されることから、この白色部の面積を剥離面積とした。なお、ヒートサイクル試験においてセラミックス基板に割れが生じた場合、超音波探傷像において白色部として示され、接合率が小さくなる。したがって、接合率は、界面における剥離面積とセラミックス基板の割れの面積とが合わされて評価されたものである。
(接合率)={(初期接合面積)−(剥離面積)}/(初期接合面積)
(パワーサイクル試験)
実施例1と同様に、ヒートシンク付パワーモジュールに対してパワーサイクル試験を行った。
このパワーサイクル試験における初期の熱抵抗、及びパワーサイクル試験後の熱抵抗を測定した。熱抵抗の測定については、実施例1と同様の方法で行った。
上記の評価の結果を表2に示す。
従来例1では、パワーサイクル試験の初期の熱抵抗、及びパワーサイクル試験後の熱抵抗の上昇が小さいが、ヒートサイクル試験においてセラミックス基板に割れが生じ、セラミックス基板と回路層との界面における接合率が低下した。
また、従来例2では、ヒートサイクル試験後のセラミックス基板と回路層との間の接合率は高いが、パワーサイクル試験において初期の熱抵抗が大きく、試験後の熱抵抗の上昇も大きかった。
一方、発明例2−1〜2−8では、パワーサイクル試験において初期の熱抵抗が小さく、試験後の熱抵抗の上昇も小さく良好であった。さらに、ヒートサイクル試験後において、セラミックス基板とアルミニウム層(回路層)との界面における接合率が大きく良好であった。このように、発明例2−1〜2−8は、パワーサイクル及びヒートサイクルの負荷に対して高い信頼性を有するヒートシンク付パワーモジュールであることが確認できた。
1 パワーモジュール
3 半導体素子
10 パワーモジュール用基板
11 セラミックス基板
12 回路層
12A アルミニウム層
12B 銅層
12C 拡散層
13 金属層
30 ヒートシンク付パワーモジュール用基板
31 ヒートシンク

Claims (7)

  1. セラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に形成された回路層と、を備えたパワーモジュール用基板であって、
    前記回路層は、前記セラミックス基板の一方の面に配設されたアルミニウム層と、
    前記セラミックス基板の一方の面に配設されたアルミニウム層の一方側に、固相拡散接合によって積層された銅層と、を有し、
    前記アルミニウム層と前記銅層との接合界面には、CuとAlからなる金属間化合物で構成された拡散層が形成されており、前記拡散層の厚さが1μm以上80μm以下の範囲内とされていることを特徴とするパワーモジュール用基板。
  2. 前記銅層と前記拡散層との接合界面には、酸化物が、前記接合界面に沿って層状に分散していることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール用基板。
  3. 前記銅板の厚さは、0.1mm以上6.0mm以下とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパワーモジュール用基板。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の前記パワーモジュール用基板と、このパワーモジュール用基板の他方側に接合されたヒートシンクと、を備えていることを特徴とするヒートシンク付パワーモジュール用基板。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のパワーモジュール用基板と、前記回路層の一方側に接合された半導体素子と、を備えていることを特徴とするパワーモジュール。
  6. セラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に形成された回路層と、を備えたパワーモジュール用基板の製造方法であって、
    前記セラミックス基板の一方の面に、回路層を形成する回路層形成工程を備え、
    前記回路層形成工程は、
    前記セラミックス基板の一方の面に、アルミニウム層を配設するアルミニウム層配設工程と、
    前記アルミニウム層の一方側に、銅層を積層する銅層積層工程と、を有し、
    前記銅層積層工程において、前記アルミニウム層と前記銅層とを固相拡散接合し、前記アルミニウム層と前記銅層との接合界面に、CuとAlからなる金属間化合物で構成され、厚さが1μm以上80μm以下の範囲内とされた拡散層を形成することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
  7. 前記銅層積層工程において、
    前記アルミニウム層の一方側に銅板を積層し、
    前記アルミニウム層と前記銅板に対して、3kgf/cm以上35kgf/cm以下の荷重を負荷した状態で、400℃以上548℃未満で保持することにより、前記アルミニウム層と前記銅板とを固相拡散接合することを特徴とする請求項6に記載のパワーモジュール用基板の製造方法。
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