JP2009277990A - パワーモジュール用基板、パワーモジュール及びパワーモジュール用基板の製造方法 - Google Patents

パワーモジュール用基板、パワーモジュール及びパワーモジュール用基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属板とセラミックス基板との高い接合強度が得られるパワーモジュール用基板の製造方法、パワーモジュール用基板及びこのパワーモジュール用基板を用いたパワーモジュールを提供する。
【解決手段】AlNからなるセラミックス基板11の表面に純アルミニウムからなる金属板12、13がケイ素を含有するろう材によって接合されたパワーモジュール用基板であって、金属板12、13とセラミックス基板11との接合界面30には、ケイ素濃度が金属板12、13中のケイ素濃度の5倍以上とされた高濃度部32が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

この発明は、大電流、高電圧を制御する半導体装置に用いられるパワーモジュール用基板、このパワーモジュール基板を備えたパワーモジュール及びこのパワーモジュール用基板の製造方法に関するものである。
半導体素子の中でも電力供給のためのパワーモジュールは発熱量が比較的高いため、これを搭載する基板としては、例えば、AlN(窒化アルミ)からなるセラミックス基板上にAl(アルミニウム)の金属板がAl−Si系のろう材を介して接合されたパワーモジュール用基板が用いられる。
また、この金属板は回路層として形成され、その金属板の上には、はんだ材を介してパワー素子の半導体チップが搭載される。
なお、セラミックス基板の下面にも放熱のためにAl等の金属板が接合されて金属層とされ、この金属層を介して放熱板上にパワーモジュール用基板全体が接合されたものが提案されている。
従来、前記回路層及び前記金属層としての金属板とセラミックス基板との良好な接合強度を得るため、例えば下記特許文献1に、セラミックス基板の表面粗さを0.5μm未満にしている技術が開示されている。
特開平3−234045号公報
しかしながら、金属板をセラミックス基板に接合する場合、単にセラミックス基板の表面粗さを低減しても十分に高い接合強度が得られず、信頼性の向上が図れないという不都合があった。例えば、セラミックス基板の表面に対して、乾式でAl粒子によるホーニング処理を行い、表面粗さをRa=0.2μmにしても、剥離試験で界面剥離が生じてしまう場合があることが分かった。また、研磨法により表面粗さをRa=0.1μm以下にしても、やはり同様に界面剥離が生じてしまう場合があった。
特に、最近では、パワーモジュールの小型化・薄肉化が進められるとともに、その使用環境も厳しくなってきており、電子部品からの発熱量が大きくなる傾向にあり、前述のように放熱板上にパワーモジュール用基板を配設する必要がある。この場合、パワーモジュール用基板が放熱板によって拘束されるために、熱サイクル負荷時に、金属板とセラミックス基板との接合界面に大きなせん断力が作用することになるため、さらなる接合強度の向上及び信頼性の向上が求められている。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、金属板とセラミックス基板とが確実に接合され、熱サイクル信頼性の高いパワーモジュール用基板、このパワーモジュール基板を備えたパワーモジュール及びこのパワーモジュール用基板の製造方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明のパワーモジュール用基板は、AlNからなるセラミックス基板の表面に純アルミニウムからなる金属板がケイ素を含有するろう材によって接合されたパワーモジュール用基板であって、前記金属板と前記セラミックス基板との接合界面には、ケイ素濃度が前記金属板中のケイ素濃度の5倍以上とされた高濃度部が形成されていることを特徴としている。
この構成のパワーモジュール用基板においては、AlNからなるセラミックス基板と純アルミニウムからなる金属板とがケイ素を含有するろう材によって接合され、この接合界面に、ケイ素濃度が前記金属板中のケイ素濃度の5倍以上とされた高濃度部が形成されているので、接合界面に存在するケイ素原子によってAlNからなるセラミックス基板と純アルミニウムからなる金属板との接合強度が向上することになる。なお、ここで、金属板中のケイ素濃度とは、金属板のうち接合界面から一定距離(例えば、50nm以上)離れた部分におけるケイ素濃度である。
接合界面に高濃度で存在するケイ素は、主にろう材中に含有されたケイ素であると考えられる。接合時に、ケイ素はアルミニウム(金属板)中に拡散し、接合界面から減少することになるが、セラミックスとアルミニウム(金属板)との界面部分が不均一核生成のサイトとなってケイ素原子が界面部分に残存し、ケイ素濃度が前記金属板中のケイ素濃度の5倍以上とされた高濃度部が形成されることになる。
また、前記高濃度部において、酸素濃度が前記金属板中及び前記セラミックス基板中の酸素濃度よりも高くされ、前記高濃度部の厚さが4nm以下とされている構成を採用することが好ましい。
接合界面に高濃度で存在する酸素は、セラミックス基板の表面に存在する酸素及びろう材の表面に形成された酸化膜から取り込まれたものであると考えられる。ここで、酸素濃度が接合界面において高濃度に存在するということは、これらの酸化膜が確実に除去されるように十分に加熱されていることになり、セラミックス基板と金属板とを強固に接合することが可能となる。さらに、この高濃度部の厚さが4nm以下とされているので、熱サイクルを負荷した際の応力によって高濃度部にクラックが発生することが抑制される。
ここで、前記高濃度部を含む前記接合界面をエネルギー分散型X線分析法で分析したAl、Si、O、Nの質量比が、Al:Si:O:N=40〜80wt%:2〜10wt%:20wt%以下:10〜40wt%とされることが好ましい。
前記高濃度部を含む接合界面に存在するケイ素の質量比が2wt%以上とされているので、セラミックス基板とアルミニウム(金属板)との接合力を確実に向上させることができる。なお、接合界面にケイ素を、質量比が10wt%を超えるように存在させることは困難である。
また、前記高濃度部を含む接合界面に存在する酸素原子の質量比が20wt%を超えると、酸素濃度の高い部分が厚く存在することになり、熱サイクルを負荷した際に、この高濃度部においてクラックが発生してしまい接合信頼性が低下するおそれがある。このため、酸素濃度は20wt%以下に抑えることが好ましい。
なお、エネルギー分散型X線分析法による分析を行う際のスポット径は極めて小さいため、前記接合界面の複数点(例えば、10〜100点)で測定し、その平均値を算出することになる。また、測定する際には、金属板の結晶粒界とセラミックス基板との接合界面は測定対象とせず、結晶粒とセラミックス基板との接合界面のみを測定対象とする。
本発明のパワーモジュールは、前述のパワーモジュール用基板と、該パワーモジュール用基板上に搭載された電子部品と、を備えることを特徴としている。
この構成のパワーモジュールによれば、セラミックス基板と金属板との接合強度が高く、使用環境が厳しい場合であっても、その信頼性を飛躍的に向上させることができる。
また、本発明のパワーモジュール用基板の製造方法は、AlNからなるセラミックス基板の表面に純アルミニウムからなる金属板を、ケイ素を含有するろう材により接合してパワーモジュール用基板を製造する方法であって、セラミックス基板及び金属板を、ろう材を介して積層して加圧した状態で加熱し、前記ろう材を溶融させてセラミックス基板及び金属板の界面に溶融アルミニウム層を形成する溶融工程と、冷却によって前記溶融アルミニウム層を凝固させる凝固工程とを有し、前記溶融工程及び前記凝固工程において、前記セラミックス基板と前記金属板との接合界面に、ケイ素濃度が前記金属板中のケイ素濃度の5倍以上とされた高濃度部を生成させることを特徴としている。
この構成のパワーモジュール用基板の製造方法によれば、前記溶融工程及び前記凝固工程において、前記セラミックス基板と前記金属板との接合界面に、ケイ素濃度が前記金属板中のケイ素濃度の5倍以上とされた高濃度部を生成させているので、ケイ素原子によってAlNからなるセラミックス基板と純アルミニウムからなる金属板との接合強度の向上を図ることができる。また、前記溶融工程において、ろう材を界面で十分に溶融して溶融アルミニウム層が形成された上で、その後、凝固工程によって凝固されているので、セラミックス基板と金属板とを強固に接合することができる。
ここで、接合前の前記セラミックス基板の接合面に、予めケイ素を付着させるケイ素付着工程を有していてもよい。
この場合、ケイ素付着工程においてセラミックス基板と金属板との接合界面にケイ素元素を確実に存在させることが可能となる。これにより、接合界面に、ケイ素濃度が前記金属中のケイ素濃度の5倍以上とされた高濃度部を確実に生成させることが可能となり、AlNからなるセラミックス基板と純アルミニウムからなる金属板との接合強度の向上を図ることができる。なお、ケイ素原子はスパッタリングや蒸着などによってセラミックス基板の接合面に付着させることができる。
本発明によれば、金属板とセラミックス基板とが確実に接合され、熱サイクル信頼性の高いパワーモジュール用基板、このパワーモジュール基板を備えたパワーモジュール及びこのパワーモジュール用基板の製造方法を提供することが可能となる。
以下に、本発明の実施形態について添付した図面を参照して説明する。図1に本発明の実施形態であるパワーモジュール用基板及びパワーモジュールを示す。
このパワーモジュール1は、回路層12が配設されたパワーモジュール用基板10と、回路層12の表面にはんだ層2を介して接合された半導体チップ3と、ヒートシンク4とを備えている。ここで、はんだ層2は、例えばSn−Ag系、Sn−In系、若しくはSn−Ag−Cu系のはんだ材とされている。なお、本実施形態では、回路層12とはんだ層2との間にNiメッキ層(図示なし)が設けられている。
パワーモジュール用基板10は、セラミックス基板11と、このセラミックス基板11の一方の面(図1において上面)に配設された回路層12と、セラミックス基板11の他方の面(図1において下面)に配設された金属層13とを備えている。
セラミックス基板11は、回路層12と金属層13との間の電気的接続を防止するものであって、絶縁性の高いAlN(窒化アルミ)で構成されている。また、セラミックス基板11の厚さは、0.2〜1.5mmの範囲内に設定されており、本実施形態では、0.635mmに設定されている。
回路層12は、セラミックス基板11の一方の面に導電性を有する金属板22がろう付けされることにより形成されている。本実施形態においては、回路層12は、純度が99.99%以上のアルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)の圧延板からなる金属板22がセラミックス基板11にろう付けされることにより形成されている。ここで、本実施形態においては、融点降下元素としてSiを含有したAl−Si系のろう材を用いている。
金属層13は、セラミックス基板11の他方の面に金属板23がろう付けされることにより形成されている。本実施形態においては、金属層13は、回路層12と同様に、純度が99.99%以上のアルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)の圧延板からなる金属板23がセラミックス基板11にろう付けされることで形成されている。本実施形態においてはAl−Si系のろう材を用いている。
ヒートシンク4は、前述のパワーモジュール用基板10を冷却するためのものであり、パワーモジュール用基板10と接合される天板部5と冷却媒体(例えば冷却水)を流通するための流路6とを備えている。ヒートシンク4(天板部5)は、熱伝導性が良好な材質で構成されることが望ましく、本実施形態においては、A6063(アルミニウム合金)で構成されている。
また、本実施形態においては、ヒートシンク4の天板部5と金属層13との間には、アルミニウム又はアルミニウム合金若しくはアルミニウムを含む複合材(例えばAlSiC等)からなる緩衝層15が設けられている。
そして、セラミックス基板11と回路層12(金属板22)及び金属層13(金属板23)との接合界面30を透過電子顕微鏡において観察した場合には、図2に示すように、接合界面30にケイ素及び酸素が濃縮した高濃度部32が形成されている。この高濃度部32においては、ケイ素濃度が、回路層12(金属板22)及び金属層13(金属板23)中のケイ素濃度よりも5倍以上高くなっており、さらに、酸素濃度が、回路層12(金属板22)及び金属層13(金属板23)中の酸素濃度よりも高くなっている。なお、この高濃度部32の厚さHは4nm以下とされている。
なお、ここで観察する接合界面30は、図2に示すように、回路層12(金属板22)及び金属層13(金属板23)の格子像の界面側端部とセラミックス基板11の格子像の界面側端部との間の中央を基準面Sとする。
また、この接合界面30をエネルギー分散型X線分析法(EDS)で分析した際のAl、Si、O、Nの質量比は、Al:Si:O:N=40〜80wt%:2〜10wt%:20wt%以下:10〜40wt%の範囲内に設定されている。なお、EDSによる分析を行う際のスポット径は1〜4nmとされており、接合界面30を複数点(例えば、本実施形態では20点)測定し、その平均値を算出している。また、回路層12及び金属層13を構成する金属板22、23の結晶粒界とセラミックス基板11との接合界面30は測定対象とせず、回路層12及び金属層13を構成する金属板22、23の結晶粒とセラミックス基板11との接合界面30のみを測定対象としている。
このようなパワーモジュール用基板10は、以下のようにして製造される。図3に示すように、AlNからなるセラミックス基板11の一方の面に回路層12となる金属板22(4Nアルミニウムの圧延板)が、厚さ15〜30μm、本実施形態では20μmのろう材箔24を介して積層され、セラミックス基板11の他方の面に金属層13となる金属板23(4Nアルミニウムの圧延板)が厚さ15〜30μm、本実施形態では20μmのろう材箔25を介して積層される。
このようにして形成された積層体20をその積層方向に加圧(圧力1〜3kg/cm)した状態で真空炉内に装入して加熱し、ろう材箔24、25を溶融する(溶融工程)。ここで真空炉内の真空度は、10−3Pa〜10−5Paとされている。この溶融工程によって、図4に示すように、回路層12及び金属層13となる金属板22、23の一部とろう材箔24、25とが溶融し、セラミックス基板11の表面に溶融アルミニウム層26、27が形成される。
次に、積層体20を冷却することによって溶融アルミニウム層26、27を凝固させる(凝固工程)。この溶融工程と凝固工程によって、セラミックス基板11と回路層12及び金属層13となる金属板22、23との接合界面30に、ケイ素及び酸素が濃縮した高濃度部32が形成される。
このようにして本実施形態であるパワーモジュール用基板10が製造される。
以上のような構成とされた本実施形態であるパワーモジュール用基板10及び付パワーモジュール1においては、回路層12及び金属層13となる金属板22、23とセラミックス基板11とがろう付けによって接合されており、これら金属板22、23とセラミックス基板11との接合界面30に、ケイ素濃度が、回路層12(金属板22)及び金属層13(金属板23)中のケイ素濃度の5倍以上とされ、かつ、酸素濃度が、回路層12(金属板22)及び金属層13(金属板23)中の酸素濃度よりも高くされた高濃度部32が形成されているので、接合界面30に存在するケイ素及び酸素によってセラミックス基板11と金属板22、23との接合強度の向上を図ることができる。
また、高濃度部32を含む接合界面30をエネルギー分散型X線分析法で分析した際のAl、Si、O、Nの質量比が、Al:Si:O:N=40〜80wt%:2〜10wt%:20wt%以下:10〜40wt%とされ、高濃度部32を含む接合界面30に存在するケイ素の質量比が2wt%以上とされているので、セラミックス基板とアルミニウム(金属板)との接合力を確実に向上させることができる。なお、接合界面30にケイ素を、質量比が10wt%を超えるように存在させることは困難である。
また、高濃度部32を含む接合界面30に存在する酸素原子の質量比が20wt%以下とされているので、熱サイクルを負荷した際に高濃度部32にクラックが発生することを防止できる。
また、金属板22、23とセラミックス基板11との接合には、Al−Si系のろう材を用いているので、接合温度を比較的低く設定しても、ろう材箔24、25を確実に溶融させて溶融アルミニウム層26、27を形成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、回路層及び金属層を構成する金属板を純度99.99%の純アルミニウムの圧延板としたものとして説明したが、これに限定されることはなく、純度99%のアルミニウム(2Nアルミニウム)であってもよい。
また、接合界面にケイ素原子を確実に点在させるために、接合前のセラミックス基板の接合面にケイ素原子を付着させるケイ素付着工程を有していてもよい。
さらに、ヒートシンクの天板部と金属層との間に、アルミニウム又はアルミニウム合金若しくはアルミニウムを含む複合材(例えばAlSiC等)からなる緩衝層を設けたものとして説明したが、この緩衝層がなくてもよい。
また、ヒートシンクをアルミニウムで構成したものとして説明したが、アルミニウム合金、銅や銅合金で構成されていてもよい。さらに、ヒートシンクとして冷却媒体の流路を有するもので説明したが、ヒートシンクの構造に特に限定はない。
本発明の有効性を確認するために行った比較実験について説明する。
図5に示すように、比較例1−3及び実施例1−3においては、厚さ0.635mmのAlNからなるセラミックス基板11と、厚さ0.6mmの4Nアルミニウムからなる回路層12と、厚さ0.6mmの4Nアルミニウムからなる金属層13と、厚さ5mmのアルミニウム合金(A6063)からなる天板部5と、厚さ1.0mmの4Nアルミニウムからなる緩衝層15とを共通に有している。
この試験片を用いて接合界面の観察及び接合強度の評価を行った。
この接合界面の観察は、電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)として日本電子株式会社製JEM−2010Fを用いて加速電圧200kVで行った。
観察試料は次のようにして作製した。まず、金属板とセラミックス基板とを接合した試料から試料をダイヤモンドカッタでスライスし、ダイヤモンド砥石によって機械研磨を行い、厚さを約30μm程度にする。その後、アルゴンイオン(5kV、30μA)によってイオンミリングを行い、電子線が透過可能な厚さである0.1μm以下の部分を有する観察試料を作製した。
接合界面の観察においては、接合界面に形成された高濃度部の厚さを20点測定し、その平均値を算出した。高濃度部の平均厚さ測定結果を表1に示す。
また、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)としてノーラン社製Voyagerを用いて、金属板とセラミックス基板との接合界面を分析した。分析結果を表1に示す。ここで、金属板のうち接合界面から50nm離れた位置を同様に分析した結果、ケイ素濃度(金属板中のケイ素濃度)は、0.2〜0.3wt%であった。
なお、前述のTEM観察及びEDS分析には、2軸傾斜分析用ホルダーを使用した。
接合強度の評価としては、熱サイクル(−45℃−125℃)を3000回繰り返した後の接合率を比較した。評価結果を表1に示す。
Figure 2009277990
接合界面にケイ素が高濃度に存在しない比較例1−3においては、熱サイクル試験後の接合率が低く、熱サイクル信頼性に劣ることが確認された。
一方、接合界面に、ケイ素が金属板中の5倍以上の濃度で存在している実施例1−3においては、3000サイクル後においても接合率が90%以上となり、熱サイクル信頼性が向上することが確認された。
なお、実施例3において高濃度部の厚さが0.0nmとなっているが、透過型電子顕微鏡観察における20点の測定値すべてが0.0nmだったものである。なお、このように高濃度部が明確に観察されていなくても、接合界面をEDS分析した結果、ケイ素濃度が5.5wt%と金属板中のケイ素濃度(0.2〜0.3wt%)の5倍以上であり、高濃度部が存在していることは明らかである。
本発明の実施形態であるパワーモジュール用基板を用いたパワーモジュールの概略説明図である。 本発明の実施形態であるパワーモジュール用基板の回路層及び金属層(金属板)とセラミックス基板との接合界面の模式図である。 本発明の実施形態であるパワーモジュール用基板の製造方法を示す説明図である。 図4における金属板とセラミックス基板との接合界面近傍を示す説明図である。 比較実験に用いたパワーモジュール用基板を示す説明図である。
符号の説明
1 パワーモジュール
2 半導体チップ(電子部品)
10 パワーモジュール用基板
11 セラミックス基板
12 回路層
13 金属層
22、23 金属板
24、25 ろう材箔(ろう材)
26、27 溶融アルミニウム層
30 接合界面
32 高濃度部

Claims (6)

  1. AlNからなるセラミックス基板の表面に純アルミニウムからなる金属板がケイ素を含有するろう材によって接合されたパワーモジュール用基板であって、
    前記金属板と前記セラミックス基板との接合界面には、ケイ素濃度が前記金属板中のケイ素濃度の5倍以上とされた高濃度部が形成されていることを特徴とするパワーモジュール用基板。
  2. 前記高濃度部においては、酸素濃度が、前記金属板中及び前記セラミックス基板中の酸素濃度よりも高くされており、前記高濃度部の厚さが4nm以下とされていることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール用基板。
  3. 前記高濃度部を含む前記接合界面をエネルギー分散型X線分析法で分析したAl、Si、O、Nの質量比が、Al:Si:O:N=40〜80wt%:2〜10wt%:20wt%以下:10〜40wt%とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパワーモジュール用基板。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のパワーモジュール用基板と、該パワーモジュール用基板上に搭載される電子部品と、を備えたことを特徴とするパワーモジュール。
  5. AlNからなるセラミックス基板の表面に純アルミニウムからなる金属板を、ケイ素を含有するろう材により接合してパワーモジュール用基板を製造する方法であって、
    セラミックス基板及び金属板を、ろう材を介して積層して加圧した状態で加熱し、前記ろう材を溶融させてセラミックス基板及び金属板の界面に溶融アルミニウム層を形成する溶融工程と、冷却によって前記溶融アルミニウム層を凝固させる凝固工程とを有し、
    前記溶融工程及び前記凝固工程において、前記セラミックス基板と前記金属板との接合界面に、ケイ素濃度が前記金属板中のケイ素濃度の5倍以上とされた高濃度部を生成させることを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
  6. 接合前の前記セラミックス基板の接合面に、予めケイ素を付着させるケイ素付着工程を有していることを特徴とする請求項5に記載のパワーモジュール用基板の製造方法。
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