JP5640571B2 - パワーモジュール用基板の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、大電流、高電圧を制御する半導体装置に用いられるパワーモジュール用基
板の製造方法に関するものである。
半導体素子の中でも電力供給のためのパワー素子は発熱量が比較的高いため、これを搭載する基板としては、例えば特許文献1に示すように、AlN(窒化アルミ)からなるセラミックス基板上にAl(アルミニウム)の金属板がろう材を介して接合されたパワーモジュール用基板が用いられる。
また、この金属板は回路層として形成され、その金属板の上には、はんだ材を介してパワー素子(半導体素子)が搭載される。
なお、セラミックス基板の下面にも放熱のためにAl等の金属板が接合されて金属層とされ、この金属層を介して放熱板上にパワーモジュール用基板全体が接合されたものが提案されている。
また、回路層を形成する手段としては、セラミックス基板に金属板を接合した後に、この金属板に回路パターンを形成する方法の他に、例えば特許文献2に開示されているように、予め回路パターン状に形成された金属片をセラミックス基板に接合する方法が提案されている。
ここで、前記回路層及び前記金属層としての金属板とセラミックス基板との良好な接合強度を得るため、例えば下記特許文献3に、セラミックス基板の表面粗さを0.5μm未満とした技術が開示されている。
特開2003−086744号公報 特開2008−311294号公報 特開平3−234045号公報
しかしながら、金属板をセラミックス基板に接合する場合、単にセラミックス基板の表面粗さを低減しても十分に高い接合強度が得られず、信頼性の向上が図れないという不都合があった。例えば、セラミックス基板の表面に対して、乾式でAl粒子によるホーニング処理を行い、表面粗さをRa=0.2μmにしても、剥離試験で界面剥離が生じてしまう場合があることが分かった。また、研磨法により表面粗さをRa=0.1μm以下にしても、やはり同様に界面剥離が生じてしまう場合があった。
特に、最近では、パワーモジュールの小型化・薄肉化が進められるとともに、その使用環境も厳しくなってきており、搭載される半導体素子等の電子部品からの発熱量が大きくなる傾向にあり、前述のように放熱板上にパワーモジュール用基板を配設する必要がある。この場合、パワーモジュール用基板が放熱板によって拘束されるために、熱サイクル負荷時に、金属板とセラミックス基板との接合界面に大きなせん断力が作用することになり、従来にも増して、セラミックス基板と金属板との間の接合強度の向上及び信頼性の向上が求められている。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、金属板とセラミックス基板とが確実に接合され、熱サイクル信頼性の高いパワーモジュール用基板の製造方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明のパワーモジュール用基板の製造方法は、セラミックス基板の表面に、アルミニウムからなる金属板が積層されて接合されたパワーモジュール用基板の製造方法であって、前記セラミックス基板の接合面及び前記金属板の接合面のうち少なくとも一方に、Siに加えて、Zn,Ge,Ag,Mg,Ca,Ga及びLiから選択される1種又は2種以上の添加元素を固着し、Si及び前記添加元素を含有する固着層を形成する固着工程と、前記固着層を介して前記セラミックス基板と前記金属板と積層する積層工程と、積層された前記セラミックス基板と前記金属板を積層方向に加圧するとともに加熱し、前記セラミックス基板と前記金属板との界面に溶融金属領域を形成する加熱工程と、この溶融金属領域を凝固させることによって、前記セラミックス基板と前記金属板とを接合する凝固工程と、を有し、前記固着工程において、前記セラミックス基板と前記金属板との界面に、Si及び前記添加元素を、0.1mg/cm以上10mg/cm以下の範囲内で介在させ、前記加熱工程において、前記固着層の元素を前記金属板側に拡散させることにより、前記セラミックス基板と前記金属板との界面に、前記溶融金属領域を形成し、前記凝固工程において、前記溶融金属領域が形成された状態で温度を一定に保持し、前記溶融金属領域中のSi及び前記添加元素をさらに前記金属板側に拡散させることにより、温度を一定に保持した状態で前記溶融金属領域の凝固を進行させることを特徴としている。
この構成のパワーモジュール用基板の製造方法によれば、前記セラミックス基板の接合面及び前記金属板の接合面のうち少なくとも一方に、Siに加えて、Zn,Ge,Ag,Mg,Ca,Ga及びLiから選択される1種又は2種以上の添加元素を固着し、Si,及び前記添加元素を含有する固着層を形成する固着工程を備えているので、前記金属板と前記セラミックス基板の接合界面には、Siに加えて、Zn,Ge,Ag,Mg,Ca,Ga及びLiから選択される1種又は2種以上の添加元素が介在することになる。ここで、Si、並びに、Zn,Ge,Ag,Mg,Ca,Ga及びLiといった元素は、アルミニウムの融点を降下させる元素であるため、比較的低温条件において、金属板とセラミックス基板との界面に溶融金属領域を形成することができる。
よって、比較的低温、短時間の接合条件で接合しても、セラミックス基板と金属板とを強固に接合することが可能となる。
また、加熱工程において、固着層のSiと、Zn,Ge,Ag,Mg,Ca,Ga及びLiから選択される1種又は2種以上の添加元素と、を前記金属板側に拡散させることにより、前記セラミックス基板と前記金属板との界面に前記溶融金属領域を形成し、この溶融金属領域を凝固させることで、前記金属板と前記セラミックス基板を接合する構成としているので、ろう材箔等を用いる必要がなく、低コストで、金属板とセラミックス基板とが確実に接合されたパワーモジュール用基板を製造することができる。
このように、ろう材箔を使用せずに、前記セラミックス基板と前記金属板とを接合可能であることから、ろう材箔の位置合わせ作業等を行う必要がなく、例えば、予め回路パターン状に形成された金属片をセラミックス基板に接合する場合であっても、位置ズレ等によるトラブルを未然に防止することができる。
また、前記固着工程において、前記セラミックス基板と前記金属板との界面に介在されるSi及び前記添加元素の固着量を0.1mg/cm以上としているので、セラミックス基板と金属板との界面に、溶融金属領域を確実に形成することができ、セラミックス基板と金属板とを強固に接合することが可能となる。
さらに、前記セラミックス基板と前記金属板との界面に介在されるSi及び前記添加元素の固着量を10mg/cm以下としているので、固着層にクラックが発生することを防止することができ、セラミックス基板と金属板との界面に溶融金属領域を確実に形成することができる。さらに、Si及び前記添加元素が過剰に金属板側に拡散して界面近傍の金属板の強度が過剰に高くなることを防止できる。よって、パワーモジュール用基板に冷熱サイクルが負荷された際に、熱応力を金属板で吸収することができ、セラミックス基板の割れ等を防止できる。
さらに、前記固着工程において、前記セラミックス基板と前記金属板との界面に、Si及び前記添加元素を、0.1mg/cm以上10mg/cm以下の範囲内で介在させているので、前記金属板のうち前記セラミックス基板との界面近傍におけるSi及び前記添加元素の濃度の合計が0.05質量%以上5質量%以下の範囲内とされたパワーモジュール用基板を製造することができる。
しかも、金属板及びセラミックス基板に直接固着層を形成しているので、酸化被膜は、金属板の表面にのみ形成されることになる。すると、両面に酸化被膜が形成されたろう材箔を用いた場合に比べて、金属板及びセラミックス基板の界面に存在する酸化被膜の合計厚さが薄くなるため、初期接合の歩留りを向上させることができる。
なお、前記セラミックス基板の接合面及び前記金属板の接合面のうち少なくとも一方に直接Si及び前記添加元素を固着させる構成としているが、生産性の観点から、金属板の接合面にSi及び前記添加元素を固着させることが好ましい。
また、前記セラミックス基板の接合面及び前記金属板の接合面のうち少なくとも一方に、Si及び前記添加元素をそれぞれ単独で固着して、Si層及び添加元素層を形成してもよい。あるいは、前記セラミックス基板の接合面及び前記金属板の接合面のうち少なくとも一方に、Si及び前記添加元素を同時に固着させてSiと前記添加元素の固着層を形成してもよい。
ここで、前記固着工程では、Si及び前記添加元素とともにAlを固着させる構成とすることが好ましい。
この場合、Si及び前記添加元素とともにAlを固着させているので、形成される固着層がAlを含有することになり、加熱工程において、この固着層が優先的に溶融して溶融金属領域を確実に形成することが可能となり、セラミックス基板と金属板とを強固に接合することができる。また、Mg,Ca,Liなどの酸化活性元素の酸化を防止することができる。なお、Si及び前記添加元素とともにAlを固着させるには、Si及び前記添加元素とAlとを同時に蒸着してもよいし、Si及び前記添加元素とAlの合金をターゲットとしてスパッタリングしてもよい。さらに、Si及び添加元素とAlとを積層してもよい。
また、前記固着工程は、めっき、蒸着、CVD、スパッタリング、コールドスプレー、又は、粉末が分散しているペースト及びインクなどの塗布によって、前記セラミックス基板の接合面及び前記金属板の接合面のうち少なくとも一方にSi及び前記添加元素を固着させるものとすることが好ましい。
この場合、めっき、蒸着、CVD、スパッタリング、コールドスプレー、又は、粉末が分散しているペースト及びインクなどの塗布によって、Si及び前記添加元素が前記セラミックス基板の接合面及び前記金属板の接合面のうち少なくとも一方に確実に固着されるので、セラミックス基板と金属板との接合界面にSi及び前記添加元素を確実に介在させることが可能となる。また、Si及び前記添加元素の固着量を精度良く調整することができ、溶融金属領域を確実に形成して、セラミックス基板と金属板とを強固に接合することが可能となる。
本発明によれば、金属板とセラミックス基板とが確実に接合され、熱サイクル信頼性の高いパワーモジュール用基板の製造方法を提供することが可能となる。
本発明の第1の実施形態であるパワーモジュール用基板を用いたパワーモジュールの概略説明図である。 本発明の第1の実施形態であるパワーモジュール用基板の回路層及び金属層のSi濃度及び添加元素濃度を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態であるパワーモジュール用基板の回路層及び金属層(金属板)とセラミックス基板との接合界面の模式図である。 本発明の第1の実施形態であるパワーモジュール用基板の製造方法を示すフロー図である。 本発明の第1の実施形態であるパワーモジュール用基板の製造方法を示す説明図である。 図5における金属板とセラミックス基板との接合界面近傍を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態であるパワーモジュール用基板の回路層及び金属層のSi濃度及び添加元素濃度を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態であるパワーモジュール用基板の回路層及び金属層(金属板)とセラミックス基板との接合界面の模式図である。 本発明の第2の実施形態であるパワーモジュール用基板の製造方法を示すフロー図である。 本発明の第2の実施形態であるパワーモジュール用基板の製造方法を示す説明図である。
以下に、本発明の実施形態について添付した図面を参照して説明する。図1に本発明の第1の実施形態であるパワーモジュール用基板、ヒートシンク付パワーモジュール用基板及びパワーモジュールを示す。
このパワーモジュール1は、回路層12が配設されたパワーモジュール用基板10と、回路層12の表面にはんだ層2を介して接合された半導体チップ3と、ヒートシンク4とを備えている。ここで、はんだ層2は、例えばSn−Ag系、Sn−In系、若しくはSn−Ag−Cu系のはんだ材とされている。なお、本実施形態では、回路層12とはんだ層2との間にNiメッキ層(図示なし)が設けられている。
パワーモジュール用基板10は、セラミックス基板11と、このセラミックス基板11の一方の面(図1において上面)に配設された回路層12と、セラミックス基板11の他方の面(図1において下面)に配設された金属層13とを備えている。
セラミックス基板11は、回路層12と金属層13との間の電気的接続を防止するものであって、絶縁性の高いAlN(窒化アルミ)で構成されている。また、セラミックス基板11の厚さは、0.2〜1.5mmの範囲内に設定されており、本実施形態では、0.635mmに設定されている。なお、本実施形態では、図1に示すように、セラミック基板11の幅は、回路層12及び金属層13の幅より広く設定されている。
回路層12は、図5に示すように、セラミックス基板11の一方の面に導電性を有する金属板22が接合されることにより形成されている。本実施形態においては、回路層12は、純度が99.99%以上のアルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)の圧延板からなる金属板22がセラミックス基板11に接合されることにより形成されている。
金属層13は、図5に示すように、セラミックス基板11の他方の面に金属板23が接合されることにより形成されている。本実施形態においては、金属層13は、回路層12と同様に、純度が99.99%以上のアルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)の圧延板からなる金属板23がセラミックス基板11に接合されることで形成されている。
ヒートシンク4は、前述のパワーモジュール用基板10を冷却するためのものであり、パワーモジュール用基板10と接合される天板部5と、冷却媒体(例えば冷却水)を流通するための流路6と、を備えている。ヒートシンク4(天板部5)は、熱伝導性が良好な材質で構成されることが望ましく、本実施形態においては、A6063(アルミニウム合金)で構成されている。
また、本実施形態においては、ヒートシンク4の天板部5と金属層13との間には、アルミニウム又はアルミニウム合金若しくはアルミニウムを含む複合材(例えばAlSiC等)からなる緩衝層15が設けられている。
そして、図2に示すように、セラミックス基板11と回路層12(金属板22)及び金属層13(金属板23)との接合界面30の幅方向中央部においては、回路層12(金属板22)及び金属層13(金属板23)にSiに加えて、Zn,Ge,Ag,Mg,Ca,Ga及びLiから選択される1種又は2種以上の添加元素が固溶している。回路層12及び金属層13の接合界面30近傍には、接合界面30から積層方向に離間するにしたがい漸次Si濃度及び前記添加元素の濃度が低下する濃度傾斜層33が形成されている。ここで、この濃度傾斜層33の接合界面30側(回路層12及び金属層13の接合界面30近傍)のSi及び前記添加元素の濃度の合計が、0.05質量%以上5質量%以下の範囲内に設定されている。
なお、回路層12及び金属層13の接合界面30近傍のSi及び前記添加元素の濃度は、EPMA分析(スポット径30μm)によって、接合界面30から50μmの位置で5点測定した平均値である。また、図2のグラフは、回路層12(金属板22)及び金属層13(金属板23)の中央部分において積層方向にライン分析を行い、前述の50μm位置での濃度を基準として求めたものである。
ここで、本実施形態では、Geを添加元素として用いており、回路層12及び金属層13の接合界面30近傍のGe濃度が0.05質量%以上1質量%以下、Si濃度が0.05質量%以上0.5質量%以下の範囲内に設定されている。
また、セラミックス基板11と回路層12(金属板22)及び金属層13(金属板23)との接合界面30を透過電子顕微鏡において観察した場合には、図3に示すように、接合界面30にSiが濃縮したSi高濃度部32が形成されている。このSi高濃度部32においては、Si濃度が、回路層12(金属板22)及び金属層13(金属板23)中のSi濃度よりも5倍以上高くなっている。なお、このSi高濃度部32の厚さHは4nm以下とされている。
ここで、観察する接合界面30は、図3に示すように、回路層12(金属板22)及び金属層13(金属板23)の格子像の界面側端部とセラミックス基板11の格子像の界面側端部との間の中央を基準面Sとする。
以下に、前述の構成のパワーモジュール用基板10の製造方法について、図4から図6を参照して説明する。
(固着工程S1)
まず、図5及び図6に示すように、金属板22、23のそれぞれの接合面に、スパッタリングによってSiと、Zn,Ge,Ag,Mg,Ca,Ga及びLiから選択される1種又は2種以上の添加元素と、を固着し、固着層24、25を形成する。
ここで、本実施形態では、Geを添加元素として用いており、固着層24、25におけるSi量は0.002mg/cm以上1.2mg/cm以下、Ge量は0.002mg/cm以上2.5mg/cm以下に設定されている。
(積層工程S2)
次に、図5に示すように、金属板22をセラミックス基板11の一方の面側に積層し、かつ、金属板23をセラミックス基板11の他方の面側に積層する。このとき、図5及び図6に示すように、金属板22、23のうち固着層24、25が形成された面がセラミックス基板11を向くように積層する。すなわち、金属板22、23とセラミックス基板11との間にそれぞれ固着層24、25(Si及び前記添加元素)を介在させているのである。このようにして積層体20を形成する。
(加熱工程S3)
次に、積層工程S2において形成された積層体20を、その積層方向に加圧(圧力1〜35kgf/cm)した状態で真空加熱炉内に装入して加熱し、図6に示すように、金属板22、23とセラミックス基板11との界面にそれぞれ溶融金属領域26、27を形成する。この溶融金属領域26、27は、図6に示すように、固着層24、25のSi及び前記添加元素が金属板22、23側に拡散することによって、金属板22、23の固着層24、25近傍のSi濃度及び前記添加元素の濃度(本実施形態では、Ge濃度)が上昇して融点が低くなることにより形成されるものである。なお、上述の圧力が1kgf/cm未満の場合には、セラミックス基板11と金属板22、23との接合を良好に行うことができなくなるおそれがある。また、上述の圧力が35kgf/cmを超えた場合には、金属板22,23が変形するおそれがある。よって、上述の加圧圧力は、1〜35kgf/cmの範囲内とすることが好ましい。
ここで、本実施形態では、真空加熱炉内の圧力は10−3〜10−6Paの範囲内に、加熱温度は550℃以上650℃以下の範囲内に設定している。
(凝固工程S4)
次に、溶融金属領域26、27が形成された状態で温度を一定に保持しておく。すると、溶融金属領域26、27中のSi及び添加元素(本実施形態では、Ge)が、さらに金属板22、23側へと拡散していくことになる。これにより、溶融金属領域26、27であった部分のSi濃度及び前記添加元素の濃度(本実施形態では、Ge濃度)が徐々に低下していき融点が上昇することになり、温度を一定に保持した状態で凝固が進行していくことになる。つまり、セラミックス基板11と金属板22、23とは、いわゆる拡散接合(Transient Liquid Phase Diffusion Bonding)によって接合されているのである。このようにして凝固が進行した後に、常温にまで冷却を行う。
このようにして、回路層12及び金属層13となる金属板22、23とセラミックス基板11とが接合され、本実施形態であるパワーモジュール用基板10が製造される。
以上のような構成とされた本実施形態であるパワーモジュール用基板10及びパワーモジュール1においては、金属板22、23の接合面にSi及び前記添加元素(本実施形態では、Ge)を固着させる固着工程S1を備えているので、金属板22、23とセラミックス基板11の接合界面30には、Si及び前記添加元素とが介在することになる。ここで、Si、並びに、Zn,Ge,Ag,Mg,Ca,Ga及びLiといった元素は、アルミニウムの融点を降下させる元素であるため、比較的低温条件において、金属板とセラミックス基板との界面に溶融金属領域を形成することができる。
さらに、セラミックス基板11と回路層12(金属板22)及び金属層13(金属板23)とが、金属板22、23の接合面に形成されたSi及び前記添加元素を含有する固着層24、25のSi及び前記添加元素を金属板22、23側に拡散させることによって溶融金属領域26、27を形成し、この溶融金属領域26、27中のSi及び前記添加元素を金属板22、23へ拡散させることによって凝固させて接合しているので、比較的低温、短時間の接合条件で接合しても、セラミックス基板11と金属板22、23とを強固に接合することが可能となる。
また、セラミックス基板11と回路層12(金属板22)及び金属層13(金属板23)との接合界面30の幅方向中央部においては、回路層12(金属板22)及び金属層13(金属板23)にSi及び前記添加元素が固溶しており、回路層12及び金属層13のそれぞれの接合界面30側のSi及び前記添加元素の濃度の合計が、0.05質量%以上5質量%以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、Geを添加元素として用いており、回路層12及び金属層13の接合界面30近傍のGe濃度が0.05質量%以上1質量%以下、Si濃度が0.05質量%以上0.5質量%以下の範囲内に設定されているので、回路層12(金属板22)及び金属層13(金属板23)の接合界面30側の部分が固溶強化し、回路層12(金属板22)及び金属層13(金属板23)における亀裂の発生を防止することができる。
また、加熱工程S3においてSi及び前記添加元素が十分に金属板22、23側に拡散しており、金属板22、23とセラミックス基板11とが強固に接合されていることになる。
さらに、本実施形態では、セラミックス基板11がAlNで構成されており、金属板22、23とセラミックス基板11との接合界面30に、Si濃度が、回路層12(金属板22)及び金属層13(金属板23)中のSi濃度の5倍以上とされたSi高濃度部32が形成されているので、接合界面30に存在するSiによってセラミックス基板11と金属板22、23との接合強度の向上を図ることができる。
また、金属板の接合面にSi及び前記添加元素を固着させて固着層24、25を形成する固着工程S1を備えており、加熱工程S3において、固着層24、25のSi及び前記添加元素を金属板22、23側に拡散させることにより、セラミックス基板11と金属板22、23との界面に溶融金属領域26、27を形成する構成としているので、製造が困難なAl−Si系のろう材箔を用いる必要がなく、低コストで、金属板22、23とセラミックス基板11とが確実に接合されたパワーモジュール用基板10を製造することが可能となる。
また、本実施形態では、固着工程S1において、セラミックス基板11と金属板22、23との界面に介在されるSi量及びGe量を、Si;0.002mg/cm以上、Ge;0.002mg/cm以上としているので、セラミックス基板11と金属板22、23との界面に、溶融金属領域26、27を確実に形成することができ、セラミックス基板11と金属板22、23とを強固に接合することが可能となる。
さらに、セラミックス基板11と金属板22、23との界面に介在されるSi量及びGe量を、Si;1.2mg/cm以下、Ge;2.5mg/cm以下としているので、固着層24、25にクラックが発生することを防止することができ、セラミックス基板11と金属板22,23との界面に溶融金属領域26,27を確実に形成することができる。さらに、Si及び前記添加元素が過剰に金属板22,23側に拡散して界面近傍の金属板22,23の強度が過剰に高くなることを防止できる。よって、パワーモジュール用基板10に冷熱サイクルが負荷された際に、熱応力を回路層12、金属層13(金属板22,23)で吸収することができ、セラミックス基板11の割れ等を防止できる。
また、ろう材箔を使用せずに、金属板22、23の接合面に直接固着層24、25を形成しているので、ろう材箔の位置合わせ作業等を行う必要がなく、確実にセラミックス基板11と金属板22,23とを接合することができる。よって、このパワーモジュール用基板10を効率良く製出することが可能となる。
しかも、金属板22、23の接合面に固着層24、25を形成しているので、金属板22、23とセラミックス基板11との界面に介在する酸化被膜は、金属板22、23の表面にのみ存在することになるため、初期接合の歩留りを向上させることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について図7から図10を参照して説明する。
この第2の実施形態であるパワーモジュール用基板においては、セラミックス基板111がSiで構成されている。
セラミックス基板111と回路層112(金属板122)及び金属層113(金属板123)との接合界面130の幅方向中央部においては、図7に示すように、回路層112(金属板122)及び金属層113(金属板123)にSiに加えて、Zn,Ge,Ag,Mg,Ca,Ga及びLiから選択される1種又は2種以上の添加元素が固溶している。ここで、回路層112及び金属層113の接合界面130近傍のSi及び前記添加元素の濃度の合計が、0.05質量%以上5質量%以下の範囲内に設定されている。
なお、回路層112及び金属層113の接合界面130近傍のSi及び前記添加元素の濃度は、EPMA分析(スポット径30μm)によって、接合界面130から50μmの位置で5点測定した平均値である。また、図7のグラフは、回路層112(金属板122)及び金属層113(金属板123)の中央部分において積層方向にライン分析を行い、前述の50μm位置での濃度を基準として求めたものである。
ここで、本実施形態では、Agを添加元素として用いており、回路層112及び金属層113の接合界面130近傍のAg濃度が0.05質量%以上1.5質量%以下、Si濃度が0.05質量%以上0.5質量%以下、の範囲内に設定されている。
また、セラミックス基板111と回路層112(金属板122)及び金属層113(金属板123)との接合界面130を透過電子顕微鏡において観察した場合には、図8に示すように、接合界面130に酸素が濃縮した酸素高濃度部132が形成されている。この酸素高濃度部132においては、酸素濃度が、回路層112(金属板122)及び金属層113(金属板123)中の酸素濃度よりも高くなっている。なお、この酸素高濃度部132の厚さHは4nm以下とされている。
なお、ここで観察する接合界面130は、図8に示すように、回路層112(金属板122)及び金属層113(金属板123)の格子像の界面側端部とセラミックス基板111の格子像の接合界面側端部との間の中央を基準面Sとする。
以下に、前述の構成のパワーモジュール用基板の製造方法について、図9及び図10を参照して説明する。なお、本実施形態では、固着工程が、Si固着工程S10と添加元素固着工程S11とに分離されている。
(Si固着工程S10)
まず、図10に示すように、金属板122、123のそれぞれの接合面に、スパッタリングによってSiを固着し、Si層124A、125Aを形成する。ここで、Si層124A、125AのSi量は、0.002mg/cm以上1.2mg/cm以下に設定されている。また、Si層124A、125Aの厚さは、0.01μm以上5μm以下の範囲内に設定することが好ましい。
(添加元素固着工程S11)
次に、前述のSi層124A、125Aの上に、スパッタリングによってZn,Ge,Ag,Mg,Ca,Ga及びLiから選択される1種又は2種以上の添加元素を固着し、添加元素層124B、125Bを形成する。ここで、本実施形態では、添加元素としてAgを用いており、添加元素層124B、125BにおけるAg量は、0.08mg/cm以上5.4mg/cm以下に設定されている。また、添加元素層124B、125Bの厚さは、0.01μm以上5μm以下の範囲内に設定することが好ましい。
(積層工程S12)
次に、金属板122をセラミックス基板111の一方の面側に積層し、かつ、金属板123をセラミックス基板111の他方の面側に積層する。このとき、図10に示すように、金属板122、123のうちSi層124A、125A及び添加元素層124B、125Bが形成された面がセラミックス基板111を向くように積層する。すなわち、金属板122、123とセラミックス基板111との間にそれぞれSi層124A、125A及び添加元素層124B、125Bを介在させているのである。このようにして積層体を形成する。
(加熱工程S13)
次に、積層工程S12において形成された積層体を、その積層方向に加圧(圧力1〜35kgf/cm)した状態で真空加熱炉内に装入して加熱し、図10に示すように、金属板122、123とセラミックス基板111との界面にそれぞれ溶融金属領域126、127を形成する。この溶融金属領域126、127は、図10に示すように、Si層124A、125A及び添加元素層124B、125BのSi及び添加元素(本実施形態ではAg)が金属板122、123側に拡散することによって、金属板122、123のSi層124A、125A及び添加元素層124B、125B近傍のSi濃度及び添加元素の濃度が上昇して融点が低くなることにより形成されるものである。
ここで、本実施形態では、真空加熱炉内の圧力は10−3〜10−6Paの範囲内に、加熱温度は550℃以上650℃以下の範囲内に設定している。
(凝固工程S15)
次に、溶融金属領域126、127が形成された状態で温度を一定に保持しておく。すると、溶融金属領域126、127中のSi及び添加元素がさらに金属板122、123側へと拡散していくことになる。これにより、溶融金属領域126、127であった部分のSi濃度及び添加元素の濃度が徐々に低下していき融点が上昇することになり、温度を一定に保持した状態で凝固が進行していくことになる。つまり、セラミックス基板111と金属板122、123とは、いわゆる拡散接合(Transient Liquid Phase Diffusion Bonding)によって接合されているのである。このようにして凝固が進行した後に、常温にまで冷却を行う。
このようにして、回路層112及び金属層113となる金属板122、123とセラミックス基板111とが接合され、本実施形態であるパワーモジュール用基板が製造されることになる。
以上のような構成とされた本実施形態であるパワーモジュール用基板においては、金属板122、123の接合面にSiを固着させるSi固着工程S10と、前記添加元素(本実施形態ではAg)を固着させる添加元素固着工程S11と、を備えているので、金属板122、123とセラミックス基板111の接合界面130には、Si及び前記添加元素が介在することになる。ここで、Si、並びに、Zn,Ge,Ag,Mg,Ca,Ga及びLiといった元素は、アルミニウムの融点を降下するものであることから、低温条件での接合が可能となる。
さらに、セラミックス基板111と回路層112(金属板122)及び金属層113(金属板123)とが、金属板122、123の接合面に形成されたSi層124A、125Aと添加元素層124B、125BのSi及び添加元素を金属板122、123側に拡散させることによって溶融金属領域126、127を形成し、この溶融金属領域126、127中のSi及び添加元素を金属板122、123へ拡散させることによって凝固させて接合しているので、比較的低温、短時間の接合条件で接合しても、セラミックス基板111と金属板122、123とを強固に接合することが可能となる。
また、本実施形態では、セラミックス基板111がSiで構成されており、回路層112及び金属層113となる金属板122、123とセラミックス基板111との接合界面130に、酸素濃度が回路層112及び金属層113を構成する金属板122、123中の酸素濃度よりも高くされた酸素高濃度部132が生成されているので、この酸素によってセラミックス基板111と金属板122、123との接合強度の向上を図ることができる。また、この酸素高濃度部132の厚さが4nm以下とされているので、熱サイクルを負荷した際の応力によって酸素高濃度部132にクラックが発生することが抑制される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、回路層及び金属層を構成する金属板を純度99.99%の純アルミニウムの圧延板としたものとして説明したが、これに限定されることはなく、純度99%のアルミニウム(2Nアルミニウム)であってもよい。
また、固着工程において、金属板の接合面にSi及び前記添加元素を固着させる構成としたものとして説明したが、これに限定されることはなく、セラミックス基板の接合面にSi及び前記添加元素を固着させてもよいし、セラミックス基板の接合面及び金属板の接合面に、それぞれSi及び前記添加元素を固着させてもよい。
また、固着工程において、Si及び前記添加元素とともにAlを固着させてもよい。
さらに、固着工程において、スパッタによってSi及び前記添加元素を固着するものとして説明したが、これに限定されることはなく、めっき、蒸着、CVD、コールドスプレー、又は、粉末が分散しているペースト及びインクなどの塗布によって、Si及び前記添加元素を固着させてもよい。
また、第2の実施形態において、固着工程を、Si固着工程S10の後に添加元素固着工程S11を行うものとして説明したが、これに限定されることはなく、添加元素固着工程の後にSi固着工程を行ってもよい。
さらに、添加元素とSi等の合金を用いて、Siと添加元素の合金層を形成してもよい。
また、セラミックス基板と金属板との接合を、真空加熱炉を用いて行うものとして説明したが、これに限定されることはなく、N雰囲気、Ar雰囲気及びHe雰囲気等でセラミックス基板と金属板との接合を行ってもよい。
また、ヒートシンクの天板部と金属層との間に、アルミニウム又はアルミニウム合金若しくはアルミニウムを含む複合材(例えばAlSiC等)からなる緩衝層を設けたものとして説明したが、この緩衝層がなくてもよい。
さらに、ヒートシンクをアルミニウムで構成したものとして説明したが、アルミニウム合金、又はアルミニウムを含む複合材等で構成されていてもよい。さらに、ヒートシンクとして冷却媒体の流路を有するもので説明したが、ヒートシンクの構造に特に限定はなく、種々の構成のヒートシンクを用いることができる。
また、セラミックス基板をAlN、Siで構成されたものとして説明したが、これに限定されることはなく、Al等の他のセラミックスで構成されていてもよい。
本発明の有効性を確認するために行った比較実験について説明する。
厚さ0.635mmのAlNからなるセラミックス基板に、厚さ0.6mmの4Nアルミニウムからなる回路層と、厚さ0.6mmの4Nアルミニウムからなる金属層とを接合し、パワーモジュール用基板を作製した。
ここで、回路層及び金属層となるアルミニウム板(4Nアルミニウム)の接合面に、Si及び添加元素を固着して固着層を形成し、金属板とセラミックス基板とを積層して加圧加熱し、金属板とセラミックス基板とを接合した。
そして、固着する添加元素を変更した種々の試験片を製出し、これらの試験片を用いて接合信頼性の評価を行った。接合信頼性の評価としては、冷熱サイクル(−45℃−125℃)を2000回繰り返した後の接合率を比較した。結果を表1から表3に示す。
なお、接合率は、以下の式で算出した。ここで、初期接合面積とは、接合前における接合すべき面積のこととした。
接合率 = (初期接合面積−剥離面積)/初期接合面積
また、これらの試験片について、金属板のうちセラミックス基板の接合界面近傍(接合界面から50μm)のSi及び添加元素の濃度を、EPMA分析(スポット径30μm)によって測定した。Si及び添加元素の合計濃度を表1−3に併せて示す。
Figure 0005640571
Figure 0005640571
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固着層のSi量が0.01mg/cm(厚さ換算0.043μm)、及び添加元素(Li)の固着量が0.05mg/cm(厚さ換算0.935μm)とされ、固着量の合計が0.06mg/cmとされた比較例1では、冷熱サイクル(−45℃−125℃)を2000回繰り返した後の接合率が50.6%と非常に低い値を示した。これは、界面に介在するSi量及び添加元素(Li)量が少なく、金属板とセラミックス基板との界面に溶融金属領域を十分に形成することができなかったためと判断される。
固着層のSi量が1.2mg/cm(厚さ換算5.15μm)、及び添加元素(Zn)の固着量が1.2mg/cm(厚さ換算1.68μm)、添加元素(Ge)の固着量が2.4mg/cm(厚さ換算4.51μm)、添加元素(Ag)の固着量が5.3mg/cm(厚さ換算5.05μm)とされ、固着量の合計が10.1mg/cmとされた比較例2では、冷熱サイクル(−45℃−125℃)を2000回繰り返した後の接合率が63.8%であった。これは、Si及び添加元素(Zn、Ge、Ag)の量が多く金属板が硬くなり過ぎて、冷熱サイクルによる熱応力が接合界面に負荷されたためと推測される。
これに対して、本発明例1−63においては、冷熱サイクル(−45℃−125℃)を2000回繰り返した後の接合率が全て93%以上であった。
また、固着層のSi量が0.01mg/cm(厚さ換算0.043μm)、及び添加元素(Li)の固着量が0.09mg/cm(厚さ換算1.68μm)とされ、固着量の合計が0.1mg/cmとされた本発明例64や固着層のSi量が1.1mg/cm(厚さ換算4.72μm)、及び添加元素(Zn)の固着量が1.2mg/cm(厚さ換算1.68μm)、添加元素(Ge)の固着量が2.2mg/cm(厚さ換算4.13μm)、添加元素(Ag)の固着量が5.1mg/cm(厚さ換算4.86μm)とされ、固着量の合計が9.6mg/cmとされた本発明例65においても、冷熱サイクル(−45℃−125℃)を2000回繰り返した後の接合率が70%を超えていた。
この結果から、本発明例によれば、Si及び各種添加元素の拡散によって、金属板とセラミックス基板との界面に溶融金属領域を確実に形成することが可能となり、金属板とセラミックス基板とを強固に接合できたと判断される。
また、本発明例1−65においては、金属板のうちセラミックス基板の接合界面近傍(接合界面から50μm)のSi及び各種添加元素の合計濃度が0.05質量%以上5質量%以下の範囲内になることが確認された。
1 パワーモジュール
3 半導体チップ(電子部品)
10 パワーモジュール用基板
11、111 セラミックス基板
12、112 回路層
13、113 金属層
22、23、122、123 金属板
24、25 固着層
26、27、126、127 溶融金属領域
30、130 接合界面
124A、125A Si層
124B、125B 添加元素層

Claims (3)

  1. セラミックス基板の表面に、アルミニウムからなる金属板が積層されて接合されたパワーモジュール用基板の製造方法であって、
    前記セラミックス基板の接合面及び前記金属板の接合面のうち少なくとも一方に、Siに加えて、Zn,Ge,Ag,Mg,Ca,Ga及びLiから選択される1種又は2種以上の添加元素を固着し、Si及び前記添加元素を含有する固着層を形成する固着工程と、
    前記固着層を介して前記セラミックス基板と前記金属板と積層する積層工程と、
    積層された前記セラミックス基板と前記金属板を積層方向に加圧するとともに加熱し、前記セラミックス基板と前記金属板との界面に溶融金属領域を形成する加熱工程と、
    この溶融金属領域を凝固させることによって、前記セラミックス基板と前記金属板とを接合する凝固工程と、を有し、
    前記固着工程において、前記セラミックス基板と前記金属板との界面に、Si及び前記添加元素を、0.1mg/cm以上10mg/cm以下の範囲内で介在させ、
    前記加熱工程において、前記固着層の元素を前記金属板側に拡散させることにより、前記セラミックス基板と前記金属板との界面に、前記溶融金属領域を形成し、
    前記凝固工程において、前記溶融金属領域が形成された状態で温度を一定に保持し、前記溶融金属領域中のSi及び前記添加元素をさらに前記金属板側に拡散させることにより、温度を一定に保持した状態で前記溶融金属領域の凝固を進行させることを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
  2. 前記固着工程では、Si及び前記添加元素とともに、Alを固着させることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール用基板の製造方法。
  3. 前記固着工程は、めっき、蒸着、CVD、スパッタリング、コールドスプレー、又は、粉末が分散しているペースト及びインクなどの塗布によって、前記セラミックス基板の接合面及び前記金属板の接合面のうち少なくとも一方に、Siと、Zn,Ge,Ag,Mg,Ca,Ga及びLiから選択される1種又は2種以上の添加元素と、を固着させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパワーモジュール用基板の製造方法。
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