JP6029388B2 - 電源装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、商用電源を整流平滑して得られる高圧直流電圧を、機器が必要とする低圧直流電圧に変換するスイッチング電源装置、及びその電源装置を備えた画像形成装置に関する。
近年、様々な電子機器において省電力化が望まれている。それに伴い、電子機器の電源に関しても、より一層の省電力化が望まれている。電子機器の電源の一例として、FET(電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子を所定の周波数で駆動して、目標の電圧を出力するスイッチング方式の電源(以下、「スイッチング電源」という)が使用されている。スイッチング電源の中には、通常動作(「通常モード」ともいう)時において、負荷が軽い場合には、スイッチング素子のスイッチング動作の回数を減らして効率を向上させるスイッチング電源がある。また、省電力化の規格も年々変更されており、通常動作時もさることながら、軽負荷運転よりも更に省電力化して効率を向上させることが求められている。そのため、スイッチング電源においては、通常モードでは、出力電圧として、例えばDC24Vを出力するが、省電力化を図るパワーセーブモードでは、出力電圧は、例えばDC3.2Vとして、待機電力の削減を行う。
スイッチング電源における損失(電力ロス)の多くは、トランスの出力電圧を制御するスイッチング素子のスイッチング動作に起因するものである。そのため、スイッチング電源の効率化には、スイッチング動作の回数を低減させることが大きく寄与する。そこで、スイッチング素子のオン状態の時間を長くすることにより、1回のスイッチング動作のエネルギーを大きくし、その分、スイッチング動作の休止期間を長くして、単位時間当りのスイッチング回数を減らすことがよく行われる。
例えば、特許文献1には、省電力動作時の消費電力をより低減することを目的とする電源装置が開示されている。この電源装置では、トランスの出力電圧が低い電圧に設定された省電力動作の場合、トランスの一次巻線と巻回方向が同じ補助巻線に誘起される電圧に応じてスイッチング素子をオフし、トランスの出力電圧に基づき、スイッチング素子をオンする制御が行われる。
特開2011−10397号公報
ところが、上述したスイッチング電源には、次のような課題がある。トランスは、スイッチング素子がオン状態時に流れる励磁電流によって振動し、振動音を発生することが知られている。そして、励磁電流による振動音の周波数、即ちスイッチング素子によるスイッチング周波数が、人間の可聴周波数帯(一般に20Hz〜20KHz)である場合には、トランスの振動音は人間にとって耳障りとなる。
スイッチング素子のスイッチング周波数について、通常モード時の通常負荷時のスイッチング周波数をfnml、通常モード時の負荷が軽い場合のスイッチング周波数をfstb、パワーセーブモード時のスイッチング周波数をfpsvと定義する。この場合、3つのスイッチング周波数について、一般的に次のような大小関係が成り立つ。
fnml > fstb > fpsv
通常モード時の負荷が軽い場合のスイッチング周波数fstb、及びパワーセーブモード時のスイッチング周波数fpsvは、スイッチング素子のスイッチング周期が長く、人間の可聴周波数帯域内である場合が多い。
更に、トランスの振動音は、トランスを流れる励磁電流(即ちスイッチング素子であるFETのドレイン電流)のピーク値が大きいほど大きく、耳障りとなる。トランスを流れる励磁電流のピーク値について、通常モード時の通常負荷時の励磁電流のピーク値をInml、通常モード時の負荷が軽い場合の励磁電流のピーク値をIstb、パワーセーブモード時の励磁電流のピーク値をIpsvと定義する。この場合、3つの励磁電流のピーク値について、一般的に、次のような大小関係が成り立つ。
Inml > Istb > Ipsv
以上のことから、通常モードの通常負荷時には、励磁電流のピーク値Inmlは大きいものの、スイッチング周波数fnmlが可聴周波数帯域外であるため、人間にはトランスの振動音は聞こえない。また、通常モードで負荷が軽い場合には、励磁電流のピーク値Istbはある程度大きく、更に、スイッチング周波数fstbも可聴周波数帯域内であるため、トランスの振動音が大きい。ところが、パワーセーブモード時には、スイッチング周波数fpsvは可聴周波数帯域内であるものの、励磁電流のピーク値Ipsvが小さいため、トランスの振動音は小さい。従って、上述したスイッチング電源では、通常モードで負荷が軽い場合にトランスの振動音が大きいという課題がある。
また、この課題を解決するために、通常モードやパワーセーブモードにおいても、スイッチング素子のスイッチング周波数が常に可聴周波数帯域外(一般に20KHz以上)で動作するように設定されたスイッチング電源が考案されている。しかしながら、このようなスイッチング電源においては、パワーセーブモードにおけるスイッチング素子のスイッチングによる電力ロスが大きくなり、電源装置の待機電力が上昇するという課題がある。
本発明はこのような状況のもとでなされたものであり、通常モードで負荷が軽い場合において、トランスの振動音を抑えつつ、待機電力を低減することを目的とする。
前述した課題を解決するため、本発明では次のとおりに構成する。
(1)一次巻線と二次巻線と補助巻線を有するトランスと、前記トランスの一次巻線への電流をスイッチングするためのスイッチング手段と、前記一次巻線に流れる電流を検出し、前記電流に応じた電圧を出力する電流検出手段と、前記電流検出手段が出力する電圧に応じて、前記スイッチング手段のスイッチング動作を制御する制御手段と、前記トランスの一次巻線と巻回方向が異なる前記補助巻線に誘起される電圧を検出する第一の電圧検出手段と、前記第一の電圧検出手段により検出された前記補助巻線に誘起される電圧が第一の所定値より高い場合には、前記電流検出手段により前記制御手段へ出力される電圧を補正する補正手段と、前記電流検出手段が出力する電圧を検出する第二の電圧検出手段と、を有し、前記補正手段は、前記第二の電圧検出手段により検出された前記電流検出手段が出力する電圧が第二の所定値を超えたときには、前記電流検出手段が前記制御手段へ出力する電圧を補正しないことを特徴とする電源装置。
(2)記録材に画像形成を行う画像形成手段を有する画像形成装置であって、前記画像形成装置に電力を供給する前記(1)項に記載の電源装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、通常モードで負荷が軽い場合において、トランスの振動音を抑えつつ、待機電力を低減することができる。
実施例との比較のための従来の直流電源装置の回路構成を示す図、及びコントロールモジュール内部のブロック図 実施例との比較のための従来の電源装置の通常モードにおける電流、電圧波形を示す図 実施例との比較のための従来の電源装置のパワーセーブモードにおける電流、電圧波形を示す図 実施例1の電源装置の回路構成を示す図 実施例1の電源装置の通常モード(軽負荷時)、パワーセーブモードにおける電流、電圧波形を示す図 実施例2の電源装置の回路構成を示す図 実施例3の電源装置の回路構成を示す図 実施例4のレーザビームプリンタの概略構成を示す図
以下に、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
[電源装置の概要]
まず、以下の実施例との比較のために、従来の直流電源装置の回路構成と動作について、図1(a)を用いて説明する。図1(a)には、フライバック方式のスイッチング電源の回路を示す。図1(a)において、スイッチSW1がオンされると、商用交流電源より入力された交流電圧Vacは、ダイオードD101〜D104から構成されるダイオードブリッジDA1を介して、全波整流され、一次電解コンデンサC1により平滑化される。そして、入力された交流電圧Vacは、一次電解コンデンサC1に概ね一定の直流電圧Vhとして充電される。そして、同時に、コントロールモジュールCNT1(以下、「制御モジュールCNT1」という)を起動させるため、起動端子STに電圧Vstが供給され、制御モジュールCNT1が起動される。制御モジュールCNT1は、スイッチング動作を行うNチャネル型の電界効果トランジスタFET1(以下、「FET1」という)のオンオフを制御するICである。
トランスT1には、一次巻線Np、二次巻線Nsの他に、第一補助巻線Nh、第二補助巻線Nnが巻回されており、二次巻線Nsは、一次巻線Npとは巻回方向が逆方向(いわゆるフライバック結合)となるよう構成されている。第一補助巻線Nhは、一次巻線Npとは巻回方向が逆方向(いわゆるフライバック結合)となるよう構成され、第二補助巻線Nnは、一次巻線Npと巻回方向が同方向(いわゆるフォワード結合)となるよう構成されている。
制御モジュールCNT1は、Vcc、Vdd、OUT、ST、IS、FB、MONの各端子を有している。電源入力端子であるVcc端子には、第二補助巻線Nnに誘起された電圧VnnをダイオードD2、コンデンサC3により整流平滑され、制御モジュールCNT1を駆動する電源電圧Vccが入力され、Vdd端子にはGND(グラウンド)電位が入力される。OUT端子は、FET1のゲート端子に接続され、ハイレベル/ローレベルの出力を行うことにより、FET1のオンオフ状態を制御する。ST端子は高電圧端子である。電源装置の起動時などの制御モジュールCNT1のVcc端子への入力電圧が低い場合に、ST端子に入力された電圧により、制御モジュールCNT1内部の起動回路から必要な電圧が供給され、制御モジュールCNT1は、起動時の動作を開始する。制御モジュールCNT1がFET1をオン状態からオフ状態にするタイミングは、IS端子の入力電圧VisやFB端子の入力電圧Vfbに基づいて決定される。
シャントレギュレータIC1は、トランスT1の出力電圧に基づいて、導通・非導通状態となる。シャントレギュレータIC1が導通状態になると、抵抗R4を介して、トランスT1の二次側に設けられたフォトカプラPC1のLED1に電流が流れ、LED1が発光する。トランスT1の一次側のフォトカプラPC1のフォトトランジスタTr1は、フォトカプラPC1のLED1によりオンオフ状態が制御される。そして、制御モジュールCNT1のFB端子にはフォトカプラPC1のフォトトランジスタTr1が接続され、トランスT1の二次側の出力電圧に比例した電圧が入力されるように構成されている。また、IS端子には、トランスT1の一次巻線Npに流れる電流により、電流検出抵抗Risの両端に発生した電圧が入力されるように構成されている。制御モジュールCNT1は、IS端子の入力電圧Visの上限値がFB端子の入力電圧Vfbに比例した電圧値となるように決定する。また、制御モジュールCNT1のMON端子には、第一補助巻線Nhに誘起された電圧Vnhである電圧Vmonが入力される。制御モジュールCNT1は、MON端子に入力される電圧VmonからトランスT1の回生終了を検出し、FET1をオフ状態からオン状態にするタイミングを決定する。
[通常モード(通常負荷時)における電源装置の動作]
次に、電源装置の一連の動作について、図2−1(a)を用いて説明を行う。図2−1(a)は、図1(a)の電源装置において、省電力動作を行わない通常モードの通常負荷時における電流、電圧波形を示した図である。図2−1(a)において、Vdsは、FET1のドレイン端子−ソース端子間の電圧波形であり、Idは、FET1のドレイン電流の波形を示す。Vnhは、第一補助巻線Nhに誘起される電圧波形を示し、Ifは、トランスT1の二次側に設けられた二次整流ダイオードD3を流れる電流波形を示している。Vis、Vfbは、それぞれ制御モジュールCNT1のIS端子の入力電圧波形(実線)、FB端子の入力電圧波形(破線)を示す。
図1(a)において、制御モジュールCNT1のST端子に電圧Vstが印加されると、制御モジュールCNT1は、OUT端子からハイレベルの信号出力Vgを行い、FET1をオフ状態からオン状態にする。そして、FET1がオン状態になると、トランスT1の一次巻線Npを介して、FET1にドレイン電流Idが流れる。この後、ドレイン電流Idは、時間の経過と共に直線的に上昇していく(図2−1(a)のt10)。ドレイン電流Idは、電流検出抵抗Risによって電圧Visに変換され、制御モジュールCNT1の電流検出を行うIS端子に供給される。
一方、制御モジュールCNT1のフィードバック端子FBには、電圧Vfbが供給されている。電圧Vfbは、スイッチング電源の出力電圧の誤差増幅信号であり、出力電圧が規定値よりも大きい場合には低下し、出力電圧が規定値よりも小さい場合には上昇する。制御モジュールCNT1は、IS端子への入力電圧Visが上昇し、FB端子への入力電圧Vfbよりもわずかに大きくなった時点で、OUT端子の出力をハイレベルからローレベルにし、FET1はオン状態からオフ状態となる(t11、t13)。FET1がオフ状態になると、ドレイン電流Idは瞬時に0となる。すると、FET1のドレイン−ソース間電圧Vdsは上昇し、概ね一定の電圧(Vh+Vcl)となる(t11〜t12)。
トランスT1には、一次巻線Npの他に、二次巻線Ns及び第一補助巻線Nhが巻かれている。二次巻線Ns及び第一補助巻線Nhは、一次巻線Npに対して巻方向を異に構成されている(いわゆる、「フライバック結合」されている)。FET1がオフしている間(t11〜t12)、二次巻線Ns及び第一補助巻線Nhには、正のパルス電圧が誘起される。二次巻線Nsに誘起されたパルス電圧は、二次整流ダイオードD3及び二次平滑コンデンサC4によって整流平滑され、概ね一定の出力電圧Vout−hとなる。尚、通常モード時と、後述するパワーセーブモード時の出力電圧を区別するために、通常モードの場合には「−h」、パワーセーブモードの場合には「−l」の符号を、「出力電圧Vout」の後に付け、後述する他の電圧についても同様とする。二次整流ダイオードD3の順方向降下電圧をVfd3とすると、前述の電圧Vclは、出力電圧Vout−hを用いて、概ね次式で表される。
Figure 0006029388
一方、第一補助巻線Nhに誘起される正のパルス電圧Vnh−hは、出力電圧Vout−hを用いて、概ね次式で表される。
Figure 0006029388
二次巻線Nsに流れる電流Ifは直線的に減少し、やがて0になる(t12)。すると、FET1のドレイン端子−ソース端子間の電圧Vdsは下降を始める。ドレイン端子−ソース端子間の電圧Vdsの波形は、第一補助巻線Nhの電圧Vnhの波形と相似形となる。電圧Vnhは、MON端子の入力電圧Vmonとして、制御モジュールCNT1のMON端子に入力される。制御モジュールCNT1は、MON端子に入力された電圧Vnhが、立下りエッジで、且つ0ボルトとなったことを検出すると、OUT端子の出力をローレベルからハイレベルにし、その結果、FET1はオフ状態からオン状態となる。FET1がオン状態になると、再度、トランスT1の一次巻線Npを介して、FET1にドレイン電流Idが流れ始め(t12)、以降、上述した動作が繰り返される。
[制御モジュールCNT1の概要]
制御モジュールCNT1の動作について、図1(b)を用いて説明する。図1(b)は、制御モジュールCNT1内部を示したブロック図であり、ST、Vcc、Vdd、MON、IS、FB、OUTは、制御モジュールCNT1の入出力端子を指している。図1(b)において、コンパレータCMP1は、IS端子に入力された電圧Visと、FB端子に入力された電圧Vfbの電圧値を比較し、電圧Visの方が高い場合にはハイレベルを出力し、電圧Vfbの方が高い場合にはローレベルを出力する。図2−1(a)に示すように、FET1がオンしている状態では、電圧Vfbは電圧Visよりも高く、このときのコンパレータCMP1の出力はローレベルである。その結果、コンパレータCMP1の後段に設けられたセット・リセットフリップフロップSR−FF(以下、「SR−FF」という)のリセット端子(以下、「R端子」という)にはローレベルが入力される。そして、SR−FFの出力端子であるQ端子は、それまでの出力状態(後述するハイレベル)を維持する。SR−FFのQ端子は、制御モジュールCNT1のOUT端子に接続されており、FET1のゲート端子には、OUT端子からハイレベルの電圧Vgが出力され、FET1はオン状態を維持する(図2−1(a)の〜t11、t12〜t13)。
その後、ドレイン電流Idの上昇に伴い、IS端子への入力電圧Visが上昇して、FB端子への入力電圧Vfbよりもわずかに大きくなった時点で、コンパレータCMP1の出力はハイレベルとなる。その結果、R端子にハイレベルが入力されることにより、SR−FFはリセットされる。そして、SR−FFのQ端子の出力はローレベルとなり、制御モジュールCNT1のOUT端子からはローレベルの電圧Vgが出力されて、FET1はオフ状態となる(図2−1(a)のt11、t13)。
FET1がオフ状態になると、トランスT1の二次巻線Nsに誘起された電圧は、二次整流ダイオードD3と二次平滑コンデンサC4により、整流、平滑されて、直流の出力電圧Vout−hとして出力される。トランスT1の二次側の回生が終了し、二次巻線Nsに流れる電流Ifが減少し、流れなくなると、第一補助巻線Nhに誘起される電圧Vnhは下降し、負電圧となる(図2−1(a)のt12)。
電圧Vnhは、MON端子に入力される。制御モジュールCNT1内部のワンショットトリガ回路TGC(以下、「TGC回路」という)は、電圧Vnhが立下りエッジで、且つ0ボルトとなったことを検出すると、出力をそれまでのローレベルからハイレベルに反転させ、以降、ハイレベル出力を維持する。TGC回路の出力は、論理積回路AND(以下、「AND回路」という)の一方の入力端子に入力される。AND回路のもう一方の入力端子には、後述するコンパレータCMP2から出力されたハイレベルが入力されているので、AND回路の出力はハイレベルとなる。AND回路の出力はSR−FFのセット端子(以下、「S端子」という)に入力され、SR−FFはセットされる。そして、SR−FFのQ端子の出力はハイレベルとなり、制御モジュールCNT1のOUT端子からはハイレベルの電圧Vgが出力されて、FET1はオン状態となる(図2−1(a)のt12)。
そして、その後、IS端子の入力電圧Visが上昇し、FB端子の入力電圧Vfbよりもわずかに大きくなり、コンパレータCMP1の出力がハイレベルとなると、FET1がオフ状態となる(図2−1(a)のt13)。このとき、コンパレータCMP1の出力は、SR−FFのR端子に入力されると共に、TGC回路のCLR(クリア)端子にも入力され、その結果、TGC回路はリセットされ、TGC回路の出力はハイレベルからローレベルに戻る。
[通常モード(軽負荷時)における電源装置の動作]
次に、通常モードでトランスT1の二次側の負荷が軽い場合における電源装置の一連の動作について、図2−1(b)を用いて説明を行う。図2−1(b)は、図1(a)の電源装置において、省電力動作を行わない通常モードの軽負荷時における電流、電圧波形を示した図であり、図2−1(b)に示す電流、電圧波形の種類は、図2−1(a)と同様である。
FET1がオン状態になると、トランスT1の一次巻線Npを介して、FET1にドレイン電流Idが流れる。この後、ドレイン電流Idは、時間の経過と共に直線的に上昇していく(図2−1(b)のt20)。次に、FET1がオフ状態になると、ドレイン電流Idは瞬時に0となる。すると、FET1のドレイン−ソース間電圧Vdsは上昇し、概ね一定の電圧(Vh+Vcl)となる(t21〜t22)。そして、二次巻線Nsに流れる電流Ifが減少していく過程で、FB端子の入力電圧Vfbは低下していく(t21〜)。トランスT1の二次側の負荷が軽い場合には、FB端子の入力電圧Vfbは、スイッチングストップ電圧Vfb−stpを下回る(t2a)。すると、図1(b)に示す制御モジュールCNT1内のコンパレータCMP2の出力はローレベルとなる。コンパレータCMP2の出力は、AND回路に入力されており、コンパレータCMP2の出力がローレベルである間は、TGC回路の出力レベルに関係なく、AND回路の出力はローレベルとなり、SR−FFのQ端子は、それまでのローレベル出力を継続する。その結果、制御モジュールCNT1のOUT端子からはローレベルの信号が出力され、FET1はオフ状態を継続する(t2a〜t23)。
前述したように、二次整流ダイオードD3を流れる電流Ifが0となり、第一補助巻線Nhに誘起される電圧Vnhが下降し、0ボルトになると、TGC回路の出力はハイレベルとなる(t22)。その後、FB端子の入力電圧Vfbが緩やかに上昇し、スイッチングストップ電圧Vfb−stpを超えると、コンパレータCMP2はハイレベル信号を出力する(t23)。その結果、AND回路の出力がローレベルからハイレベルとなり、SR−FFのS端子にはハイレベルが入力されることにより、SR−FFはセットされる。そして、SR−FFのQ端子の出力はハイレベルとなり、制御モジュールCNT1のOUT端子からはハイレベルの電圧Vgが出力されて、FET1はオン状態となる(t23)。
以上のように、スイッチング電源の負荷が軽い場合には、FET1のオフ時間を強制的に延長する制御(いわゆる「間欠発振制御」)が行われている。これにより、負荷が軽い場合のFET1のスイッチング周期は、通常負荷時のスイッチング周期と比べて長くなる。その結果、軽負荷時のFET1のスイッチング周波数fstbは、通常負荷時のスイッチング周波数fnmlよりも低下し、FET1のスイッチングによる電力ロスを低減させ、機器の消費電力を低減することができる。
[動作モードの切り替え制御]
ところで、昨今、環境問題に端を発し、電子機器の待機電力の更なる低減が強く求められている。上述した電源装置についても、通常モードの他に、パワーセーブモードを設け、パワーセーブモードにおいては、トランスT1の出力電圧を低下させて、待機電力を低減させている。そのため、図1(a)のトランスT1の二次側には、抵抗Ra、Rb、Rc、及びNチャネル型のFET2から構成される出力電圧可変回路が設けられている。そして、出力電圧可変回路には、制御素子であるCPU1から、/PSAVE信号(パワーセーブ信号)が出力される。CPU1は、/PSAVE信号を用いて、図1(a)に示す電源装置の通常モード(/PSAVE信号はハイレベル)/パワーセーブモード(/PSAVE信号はローレベル)の動作モードの切り替え制御を行う。
本電源装置を備えた電子機器が通常モードで動作を行っている場合には、CPU1は、FET2にハイレベルの/PSAVE信号を出力する。これにより、FET2はオン状態となり、トランスT1の二次側の出力電圧Vout−hを、抵抗Raと、並列に接続された抵抗Rb、Rcとで分圧した電圧が、シャントレギュレータIC1のリファレンス(ref)端子に入力される。シャントレギュレータのリファレンス端子の入力電圧をVrefとすると、通常モードの出力電圧Vout−hは、概ね次式で表される。
Figure 0006029388
尚、式(3)において、Raは抵抗Raの抵抗値である。また、(Rb//Rc)は、並列に接続された抵抗RbとRcの合成抵抗値(Rb、Rcはそれぞれ抵抗Rb、Rcの抵抗値である)であり、次式で表される。
Figure 0006029388
逆に、本電源装置を備えた電子機器がパワーセーブモードで動作している場合には、CPU1は、FET2にローレベルの/PSAVE信号を出力する。これにより、FET2はオフ状態となり、トランスT1の二次側の出力電圧Vout−lを、抵抗Raと抵抗Rbとで分圧された電圧が、シャントレギュレータIC1のリファレンス(ref)端子に入力される。従って、抵抗Ra、Rbの抵抗値をそれぞれRa、Rbとし、シャントレギュレータのリファレンス端子の入力電圧をVrefとすると、パワーセーブモードの出力電圧Vout−lは、概ね次式で表される。
Figure 0006029388
抵抗Rbに抵抗Rcを並列接続したときの合成抵抗値は、抵抗Rbの抵抗値よりも小さくなる。その結果、通常モードの場合の出力電圧Vout−hの算出式(3)と、パワーセーブモードの場合の出力電圧Vout−lの算出式(5)から、パワーセーブモードの場合の出力電圧Vout−lは、通常モードの場合の出力電圧Vout−hと比べて、低下する。
[パワーセーブモードにおける電源装置の動作]
次に、パワーセーブモードにおける電源装置の一連の動作について、図2−2(c)を用いて説明を行う。図2−2(c)は、図1(a)の電源装置において、パワーセーブモード時における電流、電圧波形を示した図であり、図2−2(c)に示す電流、電圧波形の種類は、図2−1(a)、(b)と同様である。
FET1がオン状態になると、トランスT1の一次巻線Npを介して、FET1にドレイン電流Idが流れる。この後、ドレイン電流Idは、時間の経過と共に直線的に上昇していく(図2−2(c)のt30)。次に、FET1がオフ状態になると、ドレイン電流Idは瞬時に0となる。すると、FET1のドレイン−ソース間電圧Vdsは上昇し、概ね一定の電圧(Vh+Vcl)となる(t31〜t32)。そして、二次巻線Nsに流れる電流Ifが減少していく過程で、FB端子の入力電圧Vfbは低下していく(t31〜)。トランスT1の二次側の負荷が軽い場合には、FB端子の入力電圧Vfbは、スイッチングストップ電圧Vfb−stpを下回る(t3a)。すると、前述したように、制御モジュールCNT1内のコンパレータCMP2の出力はローレベルとなる。その結果、制御モジュールCNT1のOUT端子からはローレベルの信号が出力され、FET1はオフ状態を継続する(t3a〜t33)。
トランスT1の回生が終了すると、二次整流ダイオードD3を流れる電流Ifが0となり、第一補助巻線Nhに誘起される電圧Vnhが0ボルトになると(t32)、制御モジュールCNT1のTGC回路の出力はハイレベルとなる。その後、FB端子の入力電圧Vfbが緩やかに上昇し、スイッチングストップ電圧Vfb−stpを超えると、コンパレータCMP2はハイレベル信号を出力する(t33)。その結果、SR−FFのS端子にはハイレベルが入力されることにより、SR−FFのQ端子の出力はハイレベルとなり、制御モジュールCNT1のOUT端子からはハイレベルの電圧Vgが出力されて、FET1はオン状態となる(t33)。
パワーセーブモードにおいて、トランスT1の二次側の出力電圧がVout−hからVout−lに低下すると、電圧Vclは、概略次式で表されるように、通常モード時と比べて低下する。
Figure 0006029388
更に、FET1のオフ時に、第一補助巻線Nhに誘起される正のパルス電圧Vnh−lも、概略次式で表されるように、通常モード時と比べて低下する。
Figure 0006029388
すると、図2−2(c)において、FET1がオフ状態となり、二次整流ダイオードD3を流れる電流Idが0となるまでの時間(t31〜t32)が、図2−1(b)に示した通常モード軽負荷時における同一状態の時間(t21〜t22)よりも長くなる。
上述したように、パワーセーブモード時のFET1のスイッチング周期は、通常モードの軽負荷時のスイッチング周期と比べて長くなる。その結果、パワーセーブモード時のFET1のスイッチング周波数fpsvは、通常モードの軽負荷時のスイッチング周波数fstbよりも低下し、FET1のスイッチングによる電力ロスを低減させ、機器の消費電力を更に低減することができる。
本実施例では、通常モードの軽負荷時において、スイッチング素子の間欠発振制御を行わないようにすることにより、トランスの振動音を抑える電源装置について、説明する。
[本実施例の電源装置の概要]
図3は、本実施例の電源装置の回路構成を示した図である。図3において、破線で囲まれた部分が、前述した従来例の図1(a)で説明した電源装置に追加された回路部分である。その他の回路は、図1と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略する。
追加された回路部分は、整流平滑回路部と、第一の電圧検出手段であるツェナーダイオードDz1(第一のツェナーダイオード)と、抵抗分圧回路部から構成される。整流平滑回路部は、図1(a)で説明した電源装置の第一補助巻線Nhに誘起されるパルス電圧Vnhの、正の電圧振幅値を整流・平滑するダイオードD1と、コンデンサC2から構成される。そして、ツェナーダイオードDz1は、整流平滑回路部により整流平滑された直流電圧Veが所定の電圧(第一の所定値)よりも高い場合には電流が流れ、低い場合にはハイインピーダンス状態となり電流は流れない。抵抗分圧回路部は、抵抗Rz及びR1から構成され、直流電圧Veが所定の電圧よりも高い場合には、コントロールモジュールCNT1のIS端子に、電流検出抵抗Risの両端に発生した電圧よりも高い電圧が入力されるように、IS端子への入力電圧を補正する。
[通常モード(軽負荷時)における電源装置の動作]
図4(a)を用いて、本実施例の電源装置の通常モードの軽負荷時の動作について説明する。図4(a)は、図3の電源装置において、省電力動作を行わない通常モードの軽負荷時における電流、電圧波形を示した図である。図4(a)に示す電流、電圧波形の種類は、図1(a)の電源装置における通常モードの軽負荷時の電流、電圧波形を示した図2−1(b)と同様である。
図3の電源装置において、第一補助巻線Nhに誘起される電圧Vnhは、ダイオードD1及びコンデンサC2によって整流平滑され、概ね一定の直流電圧Ve−hとなる。ダイオードD1の順方向電圧降下を0とすると、電圧Ve−hは、第一補助巻線Nhに誘起される電圧Vnh―hとほぼ同じ電圧であり、前述の式(2)より概ね次式で表わされ、電圧Ve−hは、ツェナーダイオードDz1に供給される。
Figure 0006029388
本実施例のツェナーダイオードDz1のツェナー電圧Vz1には、通常モード時に第一補助巻線に誘起される電圧Ve−h、及び後述するパワーセーブモード時に第一補助巻線に誘起される電圧Ve−lに対して、次式が成り立つツェナー電圧が選択される。
Ve−h > Vz1 >Ve−l (9)
従って、ツェナーダイオードDz1のアノード側に接続される抵抗Rzには、次式の電圧が印加される。
Figure 0006029388
このとき、抵抗Rzに印加される電圧(Ve−h−Vz1)を抵抗Rzと抵抗R1で分圧して生成される電圧Visが、電流検出抵抗Risの両端に生じる電圧Vis’よりも十分大きな電圧値となるよう、ツェナー電圧Vz1、抵抗Rz、R1の抵抗値を設定する。
すると、制御モジュールCNT1の電流検出端子であるIS端子に入力される電圧Visは、概ね、次式で表わされる。
Figure 0006029388
即ち、IS端子に入力される電圧Visは、電流検出抵抗Risの両端に生じる電圧Vis’に、抵抗Rzに印加される電圧(Ve−h−Vz1)を、抵抗Rzと抵抗R1で分圧した電圧分だけ、正方向にシフトした(上乗せした)電圧となる。そして、このときIS端子に入力される電圧Visが、スイッチングストップ電圧Vfb−stpよりも大きくなるよう、ツェナー電圧Vz1、抵抗Rz、R1の抵抗値を設定する。
前述した従来例の電源装置では、通常モードで負荷が軽い場合には、FB端子への入力電圧Vfbがスイッチングストップ電圧Vfb−stpよりも低い間は、FET1のオフ状態の時間を強制的に延長する「間欠発振制御」が行われていた。ところが、図4(a)に示すように、本実施例では、IS端子への入力電圧Vis及びFB端子への入力電圧Vfbは、常にスイッチングストップ電圧Vfb−stpよりも高くなり、「間欠発振制御」は行われない。その結果、FET1のスイッチング周波数が可聴域内となることはなく、トランスT1の振動音は抑制される。
[パワーセーブモードにおける電源装置の動作]
続いて、図4(b)を用いて、本実施例の電源装置のパワーセーブモード時の動作について説明する。図4(b)は、図3の電源装置において、省電力動作を行うパワーセーブモード時における電流、電圧波形を示した図である。図4(b)に示す電流、電圧波形の種類は、図3の電源装置における通常モードの軽負荷時の電流、電圧波形を示した図4(a)と同様である。図4(b)において、第一補助巻線Nhに誘起される電圧Vnhは、ダイオードD1及びコンデンサC2によって整流平滑され、概ね一定の直流電圧Ve−lとなる。ダイオードD1の順方向電圧降下を0とすると、電圧Ve−lは、第一補助巻線Nhに誘起される電圧Vnh―lとほぼ同じ電圧であり、前述の式(7)より概ね次式で表わされ、電圧Ve−lは、ツェナーダイオードDz1に供給される。
Figure 0006029388
前述の式(9)から、ツェナーダイオードDz1のツェナー電圧Vz1は、電圧Ve−lよりも大きい(電圧)値に設定されているので、ツェナーダイオードDz1はハイインピーダンス状態となる。その結果、補正抵抗Rzには電流が流れないため、IS端子への入力電圧Visと、電流検出抵抗Risの両端に生じる電圧Vis’とは概ね等しい電圧値となる。即ち、パワーセーブモード時には、補正抵抗Rz、R1は、IS端子への入力電圧Visに影響を与えない。そのため、前述したように、パワーセーブモード時のFET1のスイッチング周波数fpsvは充分に低下することとなり、FET1のスイッチングによる電力ロスを低減して、機器の消費電力を低減することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、通常モードで負荷が軽い場合において、トランスの振動音を抑えつつ、待機電力を低減することができる。通常モードで負荷が軽い場合においては、スイッチング周波数を可聴周波数域外とすることにより、トランスの振動音が低減される。更に、パワーセーブモード時においては、スイッチング周波数を低下させることで、スイッチング素子のスイッチングによる電力ロスを低減して、機器の消費電力を低減することができる。
実施例1では、通常モードで負荷が軽い場合にも、制御モジュールCNT1のIS端子の入力電圧Vis及びFB端子の入力電圧Vfbが、スイッチングストップ電圧Vfb−stpよりも大きくなるように、電圧Vis’を補正する回路構成について説明した。ところが、実施例1で説明した回路構成では、通常モードであれば、負荷が軽い場合だけでなく、通常負荷時にも電圧補正が行われるため、スイッチング周波数が必要以上に増大し、スイッチング素子のスイッチングによる電力ロスが増大する場合がある。そこで、本実施例では、通常モードの通常負荷時におけるスイッチング周波数の増大を抑える回路構成について、以下に説明する。
[本実施例の電源装置の概要]
図5は、本実施例の電源装置の回路構成を示した図である。図5において、破線で囲まれた部分が、実施例1の図3で説明した電源装置に追加された回路部分である。その他の回路は、図3と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略する。追加された回路部分は、第二の電圧検出手段であるツェナーダイオードDz2、抵抗R2、ダイオードD4、トランジスタTr2からなり、負荷が軽い場合には実施例1で説明した抵抗分圧回路が動作し、通常負荷時には抵抗分圧回路は動作しない。即ち、電流検出抵抗Risの両端に生じる電圧がツェナーダイオードDz2のツェナー電圧(第二の所定値)よりも高ければ、トランジスタTr2がオン状態となり、ダイオードD4は非導通状態となり、抵抗分圧回路は機能しない(動作しない)。逆に、電流検出抵抗Risの両端に生じる電圧がツェナーダイオードDz2のツェナー電圧よりも低ければ、トランジスタTr2はオフ状態となり、ダイオードD4は導通状態となり、抵抗分圧回路は機能する(動作する)。
[通常モード(軽負荷時)における電源装置の動作]
本実施例での説明を簡易にするため、ダイオードD4の順方向電圧降下Vfd4、及びトランジスタTr2のベース−エミッタ間電圧Vbeは0とする。ツェナーダイオードDz2(第二のツェナーダイオード)のツェナー電圧Vz2は、トランジスタTr2をオン状態にする閾値電圧である。本実施例では、ツェナー電圧Vz2には、通常モードの軽負荷時に電流検出抵抗Risの両端に生じる電圧Vis’よりも大きく、且つ、通常モードの通常負荷時における電圧Vis’よりも小さい電圧値が選択される。そのため、通常モードの軽負荷時には、ツェナーダイオードDz2は非導通状態となり、トランジスタTr2はオフ状態となる。その結果、ダイオードD4は導通状態となり、IS端子には、抵抗Rz、R1の抵抗分圧回路により補正された電圧Visが入力される。一方、通常モードの通常負荷時には、ツェナーダイオードDz2は導通状態となり、トランジスタTr2はオン状態となり、ダイオードD4のアノード側の入力電圧は概ね0ボルトとなる。そして、電流検出抵抗Risの両端電圧Vis’が上昇した場合、ダイオードD4は逆バイアスとなって、抵抗Rz、R1から構成される抵抗分圧回路は動作せず、IS端子の入力電圧Visとしては、電流検出抵抗Risの両端電圧Vis’が入力される。従って、通常モードの通常負荷時には、FET1のスイッチング周波数が増大することを抑えることができる。
以上説明したように、本実施例によれば、通常モードで負荷が軽い場合において、トランスの振動音を抑えつつ、待機電力を低減することができる。通常モードの負荷が軽い場合においては、スイッチング周波数を可聴周波数帯域外とすることにより、トランスの振動音を低減することができる。更に、通常モードの通常負荷時には、スイッチング周波数が必要以上に増大しないため、スイッチング素子のスイッチングによって電力ロスが増大することがない。
実施例2では、ダイオードの順方向電圧降下やトランジスタのベース−エミッタ間電圧を0ボルトとして説明を行ったが、実際の回路では、これらの電圧が回路の電圧補正動作に影響を与えることもありうる。そこで、本実施例では、ダイオードの順方向電圧降下やトランジスタのベース−エミッタ間電圧を考慮した回路構成について説明する。
図6(a)は、トランジスタのベース−エミッタ間電圧を考慮した回路構成であり、実施例2の図5と比べて、トランジスタTr2のベース端子に接続されていたツェナーダイオードDz2が削除されている。その他の回路は、図5と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略する。実施例2では、トランジスタTr2のベース−エミッタ間電圧Vbeは0ボルトとして説明を行った。ところが、本実施例では、図6(a)に示すように、トランジスタTr2のベース−エミッタ間電圧Vbe(一般に0.6〜0.7V)を、トランジスタTr2をオン状態にする閾値電圧として用いている。これにより、ツェナーダイオードDz2を省略した構成でも、実施例2と同等の効果を得ることができる。更に、実施例2で必須であったツェナーダイオードDz2を削除することができるため、コストを削減することができる。
また、実施例2では、ダイオードD4の順方向電圧降下Vfd4、トランジスタTr2のベース−エミッタ間電圧Vbeは、0ボルトとして説明を行った。ところが、実際の回路では、これら順方向電圧降下Vfd4や、ベース−エミッタ間電圧Vbeが回路の補正動作に影響を与えることもありうる。そこで、図6(b)は、実施例2の図5の回路のトランジスタTr2を、コンパレータCMP3を用いた回路に変更した回路構成を示した回路図である。その他の回路は、図3と同様であるため、同じ符号を付し、説明を省略する。
図6(b)において、コンパレータCMP3の反転入力端子(−)には、電流検出抵抗Risの両端に生じた電圧Vis’が入力される。一方、非反転入力端子(+)には、ツェナーダイオードDz2(第三のツェナーダイオード)のカソード側が接続され、ツェナー電圧Vz2が印加されている。反転入力端子(−)への入力電圧である電圧Vis’が、非反転入力端子(+)に印加されているツェナー電圧Vz2よりも低ければ、即ち通常モードの軽負荷時には、コンパレータCMP3の出力はハイインピーダンス状態となる。その結果、ダイオードD4は導通状態となり、IS端子の入力電圧Visには、抵抗Rz、R1の抵抗分圧回路により補正された電圧が入力される。一方、反転入力端子(−)への入力電圧である電圧Vis’が、非反転入力端子(+)に印加されているツェナー電圧Vz2よりも高ければ、即ち通常モードの通常負荷時には、コンパレータCMP3にはツェナーダイオードDz1、抵抗Rzを流れる電流が流れ込む。その結果、ダイオードD4のアノード側の入力電圧は概ね0ボルトとなり、抵抗Rz、R1から構成される抵抗分圧回路は動作せず、IS端子の入力電圧Visには、電流検出抵抗Risの両端電圧Vis’が入力される。図6(b)に示すように、トランジスタTr2の代わりに、コンパレータCMP3を用いることにより、トランジスタTr2のベース−エミッタ間電圧Vbeが、抵抗分圧回路による補正動作に影響を与えることを防ぐことができる。
以上説明したように、本実施例によれば、通常モードで負荷が軽い場合において、トランスの振動音を抑えつつ、待機電力を低減することができる。通常モードの負荷が軽い場合においては、スイッチング周波数を可聴周波数域外とすることにより、トランスの振動音が低減される。更に、回路部品(ツェナーダイオード)を削減することにより、コストを低減できるほか、トランジスタの代わりにコンパレータを用いることにより、回路動作の安定化が図ることができる。
実施例1〜3で説明した電源装置は、例えば画像形成装置の低圧電源、即ちコントローラ(制御部)やモータ等の駆動部へ電力を供給する電源として適用可能である。以下に、実施例1〜3の電源装置が適用される画像形成装置の構成を説明する。
[画像形成装置の構成]
画像形成装置の一例として、レーザビームプリンタを例にあげて説明する。図7に電子写真方式のプリンタの一例であるレーザビームプリンタの概略構成を示す。レーザビームプリンタ300は、静電潜像が形成される像担持体としての感光ドラム311、感光ドラム311を一様に帯電する帯電部317(帯電手段)、感光ドラム311に形成された静電潜像をトナーで現像する現像部312(現像手段)を備えている。そして、感光ドラム311に現像されたトナー像をカセット316から供給された記録材としてのシート(不図示)に転写部318(転写手段)によって転写して、シートに転写したトナー像を定着器314で定着してトレイ315に排出する。この感光ドラム311、帯電部317、現像部312、転写部318が画像形成部である。また、レーザビームプリンタ300は、実施例1〜3で説明した電源装置400を備えている。尚、実施例1〜3の電源装置を適用可能な画像形成装置は、図7に例示したものに限定されず、例えば複数の画像形成部を備える画像形成装置であってもよい。更に、感光ドラム311上のトナー像を中間転写ベルトに転写する一次転写部と、中間転写ベルト上のトナー像をシートに転写する二次転写部を備える画像形成装置であってもよい。
レーザビームプリンタ300は、画像形成部による画像形成動作や、シートの搬送動作を制御する不図示のコントローラを備えており、実施例1〜3に記載の電源装置400は、例えばコントローラに電力を供給する。また、実施例1〜3に記載の電源装置400は、感光ドラム311を回転するため又はシートを搬送する各種ローラ等を駆動するためのモータ等の駆動部に電力を供給する。本実施例の画像形成装置は、省電力を実現する待機状態(例えば、パワーセーブモード時)にある場合に、例えばコントローラのみに電力を供給する等、負荷を軽くして消費電力を低減させることができる。即ち、本実施例の画像形成装置では、パワーセーブモード時に、実施例1〜3で説明した電源装置400は間欠発振動作を行う。そして、画像形成装置が通常モードで稼働し、負荷が軽い場合には、実施例1〜3で説明した構成によって、電源装置400のスイッチング周波数を上げて、トランスT1から発生する振動音を可聴周波数帯域外にしている。これにより、トランスの振動音を人間に聞こえないように抑えると共に、電源装置400の消費電力を低減する。
以上説明したように、本実施例によれば、通常モードで負荷が軽い場合において、トランスの振動音を抑えつつ、待機電力を低減することができる。
CNT1 コントロールモジュール(制御モジュール)
Dz1 ツェナーダイオード
FET1 電界効果トランジスタ
Nh 第一補助巻線
Ris 電流検出抵抗
Rz、R1 分圧抵抗
T1 トランス

Claims (10)

  1. 一次巻線と二次巻線と補助巻線を有するトランスと、
    前記トランスの一次巻線への電流をスイッチングするためのスイッチング手段と、
    前記一次巻線に流れる電流を検出し、前記電流に応じた電圧を出力する電流検出手段と、
    前記電流検出手段が出力する電圧に応じて、前記スイッチング手段のスイッチング動作を制御する制御手段と、
    前記トランスの一次巻線と巻回方向が異なる前記補助巻線に誘起される電圧を検出する第一の電圧検出手段と、
    前記第一の電圧検出手段により検出された前記補助巻線に誘起される電圧が第一の所定値より高い場合には、前記電流検出手段により前記制御手段へ出力される電圧を補正する補正手段と、
    前記電流検出手段が出力する電圧を検出する第二の電圧検出手段と、を有し、
    前記補正手段は、前記第二の電圧検出手段により検出された前記電流検出手段が出力する電圧が第二の所定値を超えたときには、前記電流検出手段が前記制御手段へ出力する電圧を補正しないことを特徴とする電源装置。
  2. 前記補正手段は複数の抵抗を有し、前記補助巻線に誘起される電圧を前記複数の抵抗によって分圧した電圧で前記電流検出手段が出力した電圧を補正し、前記制御手段に出力することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記補正手段は、前記第一の電圧検出手段により検出された前記補助巻線に誘起される電圧が前記第一の所定値より低い場合には、前記電流検出手段が前記制御手段へ出力する電圧を補正しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の電源装置。
  4. 前記第一の電圧検出手段は、第一のツェナーダイオードであり、
    前記第一の所定値は、前記第一のツェナーダイオードのツェナー電圧であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電源装置。
  5. 前記補正手段は、前記第一の電圧検出手段により検出された前記補助巻線に誘起される電圧が前記第一の所定値より高い場合で、前記電流検出手段が出力する電圧が前記第二の所定値を超えないときには、前記電流検出手段が前記制御手段へ出力する電圧を補正することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電源装置。
  6. 前記第二の電圧検出手段は、トランジスタと前記トランジスタのベース端子にアノード側が接続された第二のツェナーダイオードと、を有し、
    前記第二の所定値は、前記第二のツェナーダイオードのツェナー電圧であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電源装置。
  7. 前記第二の電圧検出手段は、トランジスタを有し、
    前記第二の所定値は、前記トランジスタのベース−エミッタ間電圧であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電源装置。
  8. 前記第二の電圧検出手段は、コンパレータを有し、
    前記第二の所定値は、前記コンパレータの入力端子に接続された第三のツェナーダイオードのツェナー電圧であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電源装置。
  9. 前記電流検出手段は、前記一次巻線に流れる電流を電圧に変換する電流検出抵抗であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電源装置。
  10. 記録材に画像形成を行う画像形成手段を有する画像形成装置であって、
    前記画像形成装置に電力を供給する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電源装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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