JP6029063B2 - 並進機構を用いたアクチュエータの減衰方法およびアクチュエータ - Google Patents

並進機構を用いたアクチュエータの減衰方法およびアクチュエータ Download PDF

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Description

この発明の実施形態は、圧電素子および並進機構を備えたアクチュエータの減衰方法および減衰機構を有したアクチュエータに関する。
圧電素子として、例えば、高速な応答性に優れ大きな力が発生できるPZT(PbZrO3−PbTiO3)に代表される圧電材料を多層に積層した積層型の圧電素子は、高精度な位置決めに大変有効な駆動素子である。しかし、この圧電素子は、駆動できる変位量が概ね積層高さの1/1000と非常に小さい。また、圧電素子そのものに大きな剪断荷重が加わると、圧電材料と電極とが交互に結合されている接着面で破断し易いという問題がある。従って、圧電素子の固定及び支持方法や駆動する部品との取り合いなどを考慮する必要があり、圧電素子単体をアクチュエータとして使用しようとした場合、何らかの工夫が必要で非常に使い難い側面を持っている。
そこで、圧電素子の発生する小さな変位を幾何学的に拡大し、同時に固定部や駆動する部品への取り付けを容易にする変位拡大機構に、積層型の圧電素子を組み合わせたアクチュエータが提案されている。また、一方で、圧電素子の発生する大きな推力や小さな変位を拡大せずに直接、直線運動に変換して、本来、圧電素子が有する高い共振特性を応用し、同時に固定部や駆動する部品への取り付けを容易にすることを目的とする並進機構に、積層型の圧電素子を組み合わせたアクチュエータが提案されている。また、付随して圧電素子の高い共振特性を生かしながら、制御性能に影響する共振時の高い振幅を抑制するため、変位拡大機構の可動部に粘弾性体を介して拘束板を貼付し、可動部の共振ピークにおける大きな振幅値を減衰するアクチュエータが提案されている。
特許第3612670号公報
日本、日本トムソン・インータネットカタログ− 2012、http://www.ikont.co.jp/product/mecha/mch21.html 日本、NECトーキン・インータネットカタログ− 2012、頁11(金属ケース封入型アクチュエータ)http: //www.nec-tokin.com /product/pdf dl/sekisou actu.pdf フランス、CEDRAT・インータネットカタログ− 2012、http: //www.keystone-intl.co.jp/products/cedrat/spec/dpa_select.html
しかしながら、上記のような粘弾性体と拘束板で構成する減衰機構を、平行リンクとてこ機構で構成される変位拡大機構ではなく、積層型の圧電素子の推力を直線運動に変換する並進機構を有するアクチュエータに適用した場合、同じ積層型の圧電素子による伸長で粘弾性体を歪ませているにも拘わらず充分な減衰効果が見られない。すなわち、圧電素子の推力や変位を直接伝達する並進機構において、粘弾性体と拘束板の組み合わせでは、粘弾性体を効果的に歪ませることができず、振動減衰効果が低下するものと考えられる。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その課題は、圧電素子と並進機構とを用いたアクチュエータの特性を妨げることなく、本来アクチュエータが有する共振ピークを充分に減衰することが可能な減衰方法および減衰機構を有するアクチュエータを提供することにある。
実施形態によれば、積層型の圧電素子と、この圧電素子の変位に応じて変位する可動部を有し、前記圧電素子の変位量を直接、直線運動として伝達する並進機構と、を備えたアクチュエータの共振ピークを低減するアクチュエータの減衰方法は、少なくとも2面を有する拘束部材の1面を弾性体あるいは粘弾性体を介して前記可動部に固定し、前記拘束部材の他の面を弾性体あるいは粘弾性体を介して前記並進機構の支持部に固定し、前記弾性体あるいは粘弾性体が変形し歪むことにより前記可動部の振動エネルギーを熱エネルギーに変換して前記アクチュエータの共振ピークの振幅値を低減するアクチュエータの減衰方法である。
実施形態によれば、アクチュエータは、圧電素子と、前記圧電素子の変位に応じて変位する可動部を有し、前記圧電素子の変位量を直接、直線運動として伝達する並進機構と、少なくとも2面を有し、1面が弾性体あるいは粘弾性体を介して前記可動部に固定され、他の面が弾性体あるいは粘弾性体を介して前記並進機構の支持部に固定され、前記弾性体あるいは粘弾性体の変形によって歪むことにより前記可動部の振動エネルギーを熱エネルギーに変換して前記アクチュエータの共振ピークの振幅値を低減する拘束部材と、を備えている。
図1は、第1の実施形態に係るアクチュエータを示す斜視図。 図2は、比較例として、ダンパー無しのアクチュエータの周波数特性を示す図。 図3は、第1の実施形態に係るアクチュエータにおいて、アルミニウム製のダンパー(減衰機構)を用いた場合のアクチュエータの周波数特性を示す図。 図4は、第1の実施形態に係るアクチュエータにおいて、ステンレス製のダンパー(減衰機構)を用いた場合のアクチュエータの周波数特性を示す図。 図5は、第1の実施形態に係るアクチュエータにおいて、他のステンレス製のダンパー(減衰機構)を用いた場合のアクチュエータの周波数特性を示す図。 図6は、主な共振点の数値を比較して示す図。 図7は、第1の実施形態に係るアクチュエータ、および比較例に係る減衰機構のないアクチュエータについて、制御系の開ループ特性を比較して示す図。 図8は、第1の実施形態に係るアクチュエータ、および比較例に係る減衰機構のないアクチュエータの変位履歴を比較して示す図。 図9は、第1変形例に係るアクチュエータを示す斜視図。 図10は、第2の実施形態に係るアクチュエータを示す斜視図。 図11は、第3の実施形態に係るアクチュエータを示す斜視図。 図12は、第3の実施形態に係るアクチュエータの平面図。 図13は、第4の実施形態に係るアクチュエータを示す斜視図。 図14は、第2変形例に係るアクチュエータを示す斜視図。 図15は、第2変形例に係るアクチュエータの他の設置例を示す側面図。
以下図面を参照しながら、実施形態に係るアクチュエータおよびアクチュエータの減衰方法について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るアクチュエータを示している。アクチュエータ10は、積層型の圧電素子12と、圧電素子12の推力や変位を直線運動として伝達する並進機構14とを備えている。圧電素子12は、その積層方向(A方向)に沿って伸縮し、発生推力を伝達する。並進機構14は、角柱形状の支持部16、この支持部16と隙間を置いてほぼ平行に対向した角柱形状の可動子18、および支持部16と可動子18との間を延び互いに平行に対向する一対の角柱形状の弾性バネ支持部20a、20bを有し、全体としてほぼ矩形枠状に形成されている。圧電素子12は、支持部16と可動子18との間に設置され、その長手方向下端が支持部16に固定され、上端が可動子18に固定されている。そして、圧電素子12は、その伸縮方向Aが支持部16と直交する方向となるように、また、一対の弾性バネ支持部20a、20bと平行となるように配置されている。
並進機構14の支持部16、弾性バネ支持部20a、20b、および可動子18は、例えば、ジュラルミン(高力アルミニウム)、ステンレス鋼、チタニューム合金等の金属あるいはセラミックス等の剛性の高い材料により一体的に成形されている。そして、可動子18、および弾性バネ支持部20a、20bのバネ部は、並進機構14の可動部として機能している。支持部16の軸方向の両端部16aは、弾性バネ支持部20a、20bを越えて両側に延出している。各端部16aには、この支持部16を所望の部位へねじ止め固定するための透孔あるいはねじ孔11が形成されている。
各弾性バネ支持部20a、20bの上端部、つまり、可動子18側の端部に、バネ部21a、21bが構成されている。各バネ部21a、21bにおいて、圧電素子12と平行に延びる1つの側面に、複数、例えば、2本のバネスリット26aが形成されている。これらのバネスリット26aは、互いに隙間を置いて平行に形成され、圧電素子12の伸縮方向Aと直交する方向に延びている。各バネ部21a、21bにおいて、圧電素子12と平行に延び上記側面と対向する他の側面には、複数、例えば、2本のバネスリット26bが形成されている。これらのバネスリット26bは、互いに隙間を置いて平行に形成され、伸縮方向Aと直交する方向に延びている。また、バネスリット26bは、伸縮方向Aと平行な方向において、反対側の側面に形成されたバネスリット26aと交互に並んで設けられている。
一対のバネ部21a、21bは、それぞれ座屈方向、ここでは、伸縮方向Aと平行な直動方向のみに弾性変形動作が拘束され、直動方向に伸長する平行バネを構成している。可動子18は、これら一対のバネ部21a、21bを介して、弾性バネ支持部20a、20bおよび支持部16に支持され、バネ部21a、21bの直動に応じて、並進方向Aに拘束されて移動可能となっている。
圧電素子12が推力を発生し伸縮方向Aに変位すると、この変位は可動子18を直接駆動し、直線運動として伝達される。可動子18は、圧電素子12の両側に配置された一対の弾性バネ支持部20a、20bにより直線運動以外が拘束された状態でガイドされている。そのため、圧電素子12の変位は純粋な直線運動として可動子18に伝搬し、可動子18は支持部16に対して並進方向Aに移動する。弾性バネ支持部20a、20bは、圧電素子12の発生推力によるバネ部21a、21bの弾性変形により、可動子18に高い共振周波数の実現と正確な直線運動を可能とする。また、弾性バネ支持部20a、20bは、可動子18や支持部16を介して圧電素子12に加わる外部応力を緩和し、外部応力が直接、せん断力などとして圧電素子12に加わることを抑制する。
図1に示すように、可動部を含む並進機構14には、減衰機構として、弾性体あるいは粘弾性体を介して拘束部材30が固定されている。本実施形態において、拘束部材30は、弾性体あるいは粘弾性体よりも剛性の高いアルミニウム、ステンレス鋼等の金属あるいはセラミック等により角柱ブロックやL字型アングル板等に形成され、少なくも拘束部材の2面に弾性体あるいは粘弾性体32が塗布され、粘弾性体層を形成している。例えば、拘束部材30は、上下動作による座屈に耐える剛性を有する板厚1〜5mm程度のL字型アングル板で形成され、単に並進機構14を拘束するだけではなく、構造材としての充分な強度を有している。粘弾性体32の層厚は0.04〜0.2mm程度に形成されている。
拘束部材30の2面は、粘弾性体32側が並進機構14の表面に面接触した状態で、並進機構14に固定されている。ここでは、拘束部材30は、その一面31aが、弾性バネ支持部20aの外側面および可動子18の側面に支持部(固定部)と可動部とが架橋するように固定され、もう一面31bが支持部16の端部16aの上面に固定されている。並進機構14に対する拘束部材30の固定には、接着剤あるいは粘弾性体32自体の粘性を用いることができる。また、拘束部材を並進機構に機械的に結合してもよい。すなわち、弾性体や粘弾性体を挟んで拘束部材30と並進機構14とをネジ等で機械的に固定することもできる。その場合には、拘束部材を、弾性バネ支持部20aの外側面、可動子18、および支持部16の各々に固定する必要がある。
また、本実施形態では、拘束部材および粘弾性体は、アクチュエータ10の一方の側面側だけではなく、他方の側面にも設けられている。すなわち、L字型アングル板に形成された拘束部材34は、その一面35aが、粘弾性体36を介して、弾性バネ支持部20bの外側面および可動子18の側面に支持部(固定部)と可動部とが架橋するように固定され、もう一面35bが、粘弾性体36を介して支持部16の端部16aの上面に固定されている。並進機構14に対する拘束部材34の固定には、接着剤あるいは粘弾性体36自体の粘性を用いることができる。また、拘束部材を並進機構に機械的に結合してもよい。すなわち、弾性体や粘弾性体を挟んで拘束部材34と並進機構14とをネジ等で機械的に固定することもできる。その場合には、拘束部材を、弾性バネ支持部20bの外側面、可動子18、および支持部16の各々に固定する必要がある。
上記構成のアクチュエータ10によれば、可動子18、弾性バネ支持部20aと支持部16間に拘束部材30を架橋して弾性バネ支持部の動作を意図的に拘束することにより、並進機構14の振動に応じて粘弾性体32が効率良く歪まされる。並進機構では拘束部材30に座屈応力が働くため、拘束部材30は、L字型あるいはブロック状に形成され十分な厚さ、質量、剛性を有し、更に、複数面が並進機構14に固定されている。従って、拘束部材30により粘弾性体32の拘束部材側表面の変形を拘束することができ、粘弾性体32の歪みを効率的に増大させることができる。粘弾性体32は、歪むことにより振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、振動を減衰する。これにより、並進機構14および積層型の圧電素子12で構成されるアクチュエータ10が内在する大きな共振ピークを効果的に減衰させながらも共振周波数の低下を抑制することができる。弾性体あるいは粘弾性体よりも剛性の高い金属あるいはセラミックスで形成された拘束部材を並進機構に貼り付け固定することにより、アクチュエータの機械剛性を上げ、共振周波数そのものを上げることもできる。
また、拘束部材30、34および粘弾性体32、36を並進機構14の左右の側面に支持部16と可動子18とに架橋させながら配置し、可動部の移動方向が圧電素子12の運動方向と同方向の直線運動となるようにアクチュエータ10を拘束することで、直線移動方向以外に並進機構14の運動を拘束し、不要なねじれ等の変形や可動子18の左右の振れを効果的に抑制することができる。その結果、主共振以外の振動モードも抑制または減衰することができる。
アクチュエータ10の弾性バネ支持部20a、20bの両方の側面に粘弾性体あるいは弾性体を介して拘束部材30、34を設けることにより、片面側だけに設けた場合に比較して、アクチュエータの共振ピークの振幅値を更に約1/2に減衰することができる。
減衰機構を持たないアクチュエータと、第1の実施形態に係るアクチュエータ10とを用意し、その周波数特性を比較した。また、第1の実施形態に係るアクチュエータ10では、拘束部材として、アルミニウム合金(A5052:1.14g)を使用したもの、ステンレス鋼(SUS303:1.92g)を使用したもの、および、ステンレス鋼(SUS303:3.92g)を使用したものを用意した。
図2は、減衰機構(拘束部材および粘弾性体)無しのアクチュエータの周波数特性(ゲイン特性、位相特性)を示し、図3、図4、図5は、アルミニウム合金(A5052:1.14g)の拘束部材を使用したアクチュエータ、ステンレス鋼(SUS303:1.92g)の拘束部材を使用したアクチュエータ、ステンレス鋼(SUS303:3.92g)の拘束部材を使用したアクチュエータの周波数特性(ゲイン特性のみ)をそれぞれ示している。(減衰特性はゲイン特性に顕著に表れるので、図3、図4、図5の位相特性は、特に示さない。)図6は、各アクチュエータについて、共振周波数13.9kH、9.9kHzにおける共振点の振幅の数値(10Hzにおけるゲインの値との差分)を比較して示している。
図2ないし図6から分かるように、減衰機構無しのアクチュエータは、基本的に1つのバネとダンパーと質量で表現できる二次遅れ要素を示す機構で、共振周波数13.9kHzに15.9dBの非常に大きな共振ピークが存在している。並進機構に粘弾性体を挟み込んだアルミニウム合金製の拘束部材30が固定された第1の実施形態に係るアクチュエータおいては、共振周波数13.9kHzで共振ピークは5.1dBに下がり、アクチュエータの有する共振ピークの振幅値は減衰機構無しのアクチュエータの約1/3と大幅に減衰している。他の共振周波数9.9kHz、8.4kHzにおいても、減衰機構無しのアクチュエータに比較して共振ピークの振幅値が大幅に減衰していることが分かる。同様に、ステンレス鋼(SUS303:1.92g)製の拘束部材30を用いた場合においては、共振周波数13.9kHzで共振ピークは2.6dBに下がり、アクチュエータの有する共振ピークの振幅値は、減衰機構無しのアクチュエータ比較して、約1/6と大幅に減衰していることが分かる。また、拘束部材を片側の弾性バネ支持部の側面のみに配置する場合には、拘束部材を両側面に固定する場合の1/2となり、減衰効果は、粘弾性体を挟み込んだ拘束部材の敷設面積に比例することが確認できている。
上記で得られた減衰効果により、アクチュエータの制御性能を飛躍的に改善することができる。図7は、光ファイバ変位計を位置フィードバックとしてアクチュエータの駆動源に高速バイポーラ電源を用いて、PI制御系を構成した時に測定された系の開ループ特性を示している。減衰機構無しのアクチュエータを用いて制御系を構成した場合、高い共振ピークが要因となって、制御系の安定の目安となる0dBラインへ、このピークが容易に到達してしまう。そのため、得られたサーボ帯域(制御帯域)は570Hzと非常に低い帯域となり、制御性能を向上させることが困難となる。
これに対して、本実施形態に係るアクチュエータの両側面に減衰機構、すなわち、粘弾性体および拘束部材を付加したアクチュエータの場合、大幅に減衰することで0dBラインに達するまでに大幅なマージンをとることができるので、共振ピークによって制約され、低い帯域に制限されていたサーボ帯域を大幅に伸長することが可能となる。その結果、本実施形態に係るアクチュエータでは、制御系のサーボ帯域は2000Hzとなり、減衰機構を持たないアクチュエータの3.5倍まで伸長することができた。
上記のような制御性能の向上が図られた場合でも、積層型の圧電素子と並進機構とを組み合わせたアクチュエータにおいて、実質的に変位量の減少は避けなければならない。しかし、上述した実施形態によれば、図8に示すように、拘束部材を並進機構の一対の弾性バネ支持部20a、20bの両側面に付加した場合でも、アクチュエータの最大変位量の減少は、減衰機構を持たないアクチュエータの最大変位量の1%未満であり、測定誤差範囲内であった。また、本実施形態によれば、アクチュエータの主共振周波数の前後に現れる並進以外の共振モードを効果的に抑制することが可能となるので、制御性能を抑圧し正確な並進を妨げる主共振モード以外の共振周波数を意図的にデザインすることで、減衰機構を持たないアクチュエータでは実現できない高い制御帯域(サーボ帯域)と積層型の圧電素子の伸長を効果的に伝達する機能の両立が可能となる。
前述したように、並進機構14を均一に変形させ減衰性を向上させるには、並進機構14の両側面に弾性体あるいは粘弾性体および拘束部材を配置することが望ましいが、一側面のみに設けた場合でも減衰機構の敷設面積に比例して大きな減衰効果を得ることができる。
以上のことから、第1の実施形態によれば、圧電素子と並進機構とを備えたアクチュエータの特性を何ら妨げることなく、アクチュエータが本質的に有する共振ピークを充分に低減することが可能な減衰方法およびアクチュエータを提供することができる。
なお、第1の実施形態において、拘束部材30、34は、図9に示す第1変形例のように、矩形ブロック形状としてもよい。この場合、各拘束部材30、34は、その2面が弾性体あるいは粘弾性体を介して、並進機構14の側面および支持部上面に固定される。固定は、粘弾性体の接着力、あるいは、拘束部材と並進機構間の機械的結合など、種々の方法を選択することができる。このような拘束部材を用いた場合でも、前述した第1の実施形態と同様の減衰効果を得ることができる。
次に、他の実施形態に係るアクチュエータについて説明する。なお、以下に説明する他の実施形態において、前述した第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略し、第1の実施形態と異なる部分を中心に詳しく説明する。
(第2の実施形態)
図10は、第2の実施形態に係るアクチュエータを示している。本実施形態によれば、弾性体あるいは粘弾性体および拘束部材は、並進機構14の前面側あるいは後面側のいずれか、あるいは、両面に、固定される。すなわち、拘束部材30は、弾性体あるいは粘弾性体よりも剛性の高いアルミニウム、ステンレス鋼等の金属あるいはセラミック等により角柱ブロックやL字型アングル板に形成され、少なくも拘束部材の2面に弾性体あるいは粘弾性体32が塗布され、粘弾性体層を形成している。例えば、拘束部材30は、上下動作による座屈に耐えうる剛性を有する板厚1〜5mm程度のL字型アングル板で形成され、単に並進機構14を拘束するだけではなく、大きな剛性を有している。粘弾性体32の層厚は0.04〜0.2mm程度に形成されている。
拘束部材30の2面は、粘弾性体32側が並進機構14の表面に面接触した状態で、並進機構14に固定されている。ここでは、拘束部材30は、その一面31aが、可動部18の前面、一対の弾性バネ支持部20a、20bの前面に固定され、もう一面31bが支持部16の上面に固定されている。並進機構14に対する拘束部材30の固定には、接着剤あるいは粘弾性体32自体の粘性を用いることができる。あるいは、拘束部材と並進機構との間を機械的に結合し、弾性体あるいは粘弾性体を効果的に歪ませる構造とすれば、固定方法は特に限定されるものではない。
アクチュエータ10の他の構成は前述した第1の実施形態と同一であり、その詳細な説明は省略する。
第2の実施形態によれば、可動子18の前面、2つの弾性バネ支持部20a、20bの前面、および支持部16の上面に跨って粘弾性体32および拘束部材30を固定することにより、可動子および弾性バネ支持部の振動を抑制し、アクチュエータ10の有する最大変位量、主共振周波数、並進運動などアクチュエータ本来の特性を損なわずに、共振ピークの振幅値の減衰効果が得られる。なお、並進機構14を均一に変形させ減衰性を向上させるには、並進機構14の前面および後面の両方に弾性体あるいは粘弾性体および拘束部材を配置することが望ましいが、一方の表面側のみに設けた場合でも大きな減衰効果を得ることができる。その他、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
図11および図12は、第3の実施形態に係るアクチュエータを示す斜視図および平面図である。第1の実施形態に係るアクチュエータは、いわゆる縦型に構成され、第3の実施形態に係るアクチュエータは、いわゆる横型に構成されている。ただし、可動方向が重力方向又は重力に直交方向など、設置方向や形態は問わない。
アクチュエータ10は、積層型の圧電素子12と、圧電素子12の推力や変位を直線運動として伝達する並進機構14とを備えている。圧電素子12は、その積層方向(A方向)に沿って伸縮し、推力を発生する。並進機構14は、角柱形状の支持部16、支持部の長手方向両端部からほぼ水平に延出し互いに平行に対向する一対の角柱形状の弾性バネ支持部20a、20b、弾性バネ支持部20a、20bの延出側端部の間に位置し、支持部16と隙間を置いて対向する矩形ブロック状の可動子18と、を備えている。
弾性バネ支持部20aは、上面中間部に突設された支持凸部22aと、この支持凸部22aから延出し可動子18の後面(支持部16と対向する後面)に連結された板バネ24aと、弾性バネ支持部20aの先端面から延出し可動子18の先端部側面に連結された板ばね25aとを一体に有している。反対側に位置する弾性バネ支持部20bは、上面中間部に突設された支持凸部22bと、この支持凸部22bから延出し可動子18の後面に連結された板バネ24bと、弾性バネ支持部20bの先端面から延出し可動子18の先端部側面に連結された板バネ25bとを一体に有している。
2組の板バネ24a、24b、25a、25bは、それぞれ座屈方向、ここでは、圧電素子12の伸縮方向Aと平行な直動方向のみに弾性変形動作が拘束されている。可動子18は、これら2組の板バネ24a、24b、25a、25bを介して、弾性バネ支持部20a、20bに支持され、板バネ24a、24b、25a、25bの直動に応じて、並進方向Aに拘束されて移動可能となっている。
並進機構14の支持部16、弾性バネ支持部20a、20b、および可動子18は、例えば、アルミニウム合金、ステンレス鋼、チタニューム合金等の金属あるいはセラミックス等の剛性の高い材料により成形されている。そして、可動子18、および弾性バネ支持部20a、20bの板バネ24a、24b、25a、25bは、並進機構14の可動部として機能している。支持部16および弾性バネ支持部の下面側が所望の部位上に固定される。また、支持部16の長手方向両端部および各弾性バネ支持部20a、20bの先端部には、支持部および弾性バネ支持部を所望の部位へねじ止め固定するための透孔あるいはねじ孔11が形成されている。
圧電素子12は、支持部16と可動子18との間に設置され、その長手方向一端が支持部16に固定され、他端が可動子18の後面に固定されている。そして、圧電素子12は、その伸縮方向Aが支持部16と直交する方向となるように、また、一対の弾性バネ支持部20a、20bと平行となるように配置されている。
圧電素子12が推力を発生し伸縮方向Aに変位すると、この変位は直線運動として伝達され、可動子18を直接駆動する。可動子18は、圧電素子12の両側に配置された一対の弾性バネ支持部20a、20bに設けられた板バネ24a、24b、25a、25bによって直線運動以外が拘束された状態でガイドされている。そのため、圧電素子12の変位は純粋な直線運動として可動子18に伝搬され、可動子18は支持部16に対して並進方向Aに移動する。弾性バネ支持部20a、20bは、高い剛性により、圧電素子12の発生推力による板バネ24a、24b、25a、25bの規則的な弾性変形を許容し、可動子18の正確な直線運動と共に高い共振周波数の実現を可能とする。また、弾性バネ支持部20a、20bは、可動子18や支持部16を介して圧電素子12に加わる外部応力を緩和し、外部応力が直接、せん断力などとして圧電素子12に加わることを抑制する。
図11および図12に示すように、可動部を含む並進機構14には、減衰機構として、弾性体あるいは粘弾性体を介して拘束部材30が固定されている。本実施形態において、拘束部材は、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属あるいはセラミック等により第1の実施形態よりも厚い角柱形状あるいは矩形ブロック形状に形成され、少なくも拘束部材の2面に弾性体あるいは粘弾性体32が塗布または挟み込まれ、粘弾性体層を形成している。
本実施形態によれば、各板バネ24a、24b、25a、25bの近傍に拘束部材が設けられている。すなわち、拘束部材30aは、矩形ブロック状に形成され、その3面が粘弾性体32を介して支持凸部22aの側面、弾性バネ支持部20aの上面、可動子18の側面に固定されている。拘束部材30bは、角柱状に形成され、その2面が粘弾性体32を介して弾性バネ支持部20aの先端面、および可動子18の側面に固定されている。更に、拘束部材34aは、矩形ブロック状に形成され、その3面が粘弾性体36を介して支持凸部22bの側面、弾性バネ支持部20bの上面、可動子18の側面に固定されている。拘束部材34bは、角柱状に形成され、その2面が粘弾性体36を介して弾性バネ支持部20bの先端面、および可動子18の側面に固定されている。並進機構14に対する拘束部材の固定には、接着剤あるいは粘弾性体32、36自体の粘性を用いることができ、また、ネジ等の機械的結合を用いてもよい。
上記構成のアクチュエータ10によれば、可動子18と弾性バネ支持部20a、20bとの間に拘束部材30a、30b、34a、34bを架橋して弾性バネ支持部の動作を意図的に拘束することにより、並進機構14の振動に応じて粘弾性体32、36が効率良く歪まされる。拘束部材は、角柱形状あるいはブロック状に形成され十分な厚さ、質量、剛性を有し、更に、複数面が並進機構14に固定されている。従って、拘束部材により粘弾性体32、36の拘束部材側表面の変形を拘束することができ、粘弾性体32、36の歪みを効率的に増大させることができる。
粘弾性体32、36は、歪むことにより振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、振動を減衰する。本実施形態によれば、角柱形状あるいはブロック形状の複数の面を利用することで、並進機構14の可動部と拘束部材および粘弾性体との接触面積が増加し、より効果的にアクチュエータ10の共振ピークの振幅値を減衰することができる。これにより、並進機構14および積層型の圧電素子12で構成されるアクチュエータ10の高い主共振周波数を維持しながら、内在する大きな共振ピークの振幅値を効果的に減衰させることができる。また可動子の捩じれ運動や上下左右の首振り運動に起因する主共振以外の共振を抑制することもできる。
以上のことから、第3の実施形態においても、圧電素子と並進機構とを備えたアクチュエータの特性を何ら妨げることなく、アクチュエータが本質的に有する共振ピークの大きな振幅値を充分に低減することが可能な減衰方法およびアクチュエータを提供することができる。
なお、並進機構14を均一に変形させ減衰性を向上させるには、並進機構14の可動子の両側に弾性体あるいは粘弾性体および拘束部材を配置することが望ましいが、片側のみに設けた場合でも弾性体あるいは粘弾性体が架橋された面積に応じて大きな減衰効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
図13は、第4の実施形態に係るアクチュエータを示している。本実施形態によれば、
支持部16が垂直上方に突出する延出部16aを有している点を除いて、並進機構14の構成は、前述した第3の実施形態と同一であり、減衰機構の構成が第3の実施形態と相違している。弾性体あるいは粘弾性体および拘束部材30は、並進機構14の上面側に固定される。すなわち、拘束部材30は、弾性体あるいは粘弾性体よりも剛性の高いアルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属あるいはセラミック等によりL字型アングル板に形成され、更に、前方へ突出する細長い板状の突出部30cを一体に有している。少なくも拘束部材30の2面に弾性体あるいは粘弾性体32が塗布され、粘弾性体層を形成している。例えば、拘束部材30は、上下動作による座屈に耐えうる剛性を有する板厚1〜5mm程度のL字型アングル板で形成され、単に並進機構14を拘束するだけではなく、大きな剛性を有している。粘弾性体32の層厚は0.04〜0.2mm程度に形成されている。
本実施形態によれば、拘束部材30の4面は、粘弾性体32側が並進機構14の表面に面接触した状態で、並進機構14に固定されている。ここでは、拘束部材30のL字型アングル板は、その主面31aが、一対の弾性バネ支持部20a、20bおよび支持部16の上面に架橋して固定され、下面31bが支持部16の延出部16aの前面に固定され、更に、前面31c、31eが支持凸部22a、22bに固定されている。また、拘束部材30の突出部30cの下面31dが可動子18の上面に架橋して固定されている。並進機構14に対する拘束部材30の固定には、接着剤あるいは粘弾性体32自体の粘性を用いることができる。また、ネジ等の機械的結合を用いてもよい。
アクチュエータ10の他の構成は前述した第3の実施形態と同一であり、その詳細な説明は省略する。
第4の実施形態によれば、可動子18の上面、2つの弾性バネ支持部20a、20bおよび支持部16の上面、支持凸部22a、22bの後面、および支持部16の前面の延出部に跨って粘弾性体32および拘束部材30を固定することにより、可動子および弾性バネ支持部の振動を抑制し、アクチュエータ10の有する最大変位量、主共振周波数、並進運動などアクチュエータ本来の特性を損なわずに、共振ピークの減衰効果が得られる。その他、第4の実施形態においても、第3の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した第4の実施形態では、拘束部材を含む減衰機構を並進機構の上面に設ける構成としたが、これに限定されることなく、拘束部材を並進機構の下面(底面)に架橋して設けるようにしてもよい。図14は、第2変形例に係るアクチュエータを示している。
第2変形例によれば、拘束部材30は、並進機構14の底面27と設置面との間に弾性体あるいは粘弾性体32を塗布または挟み込んで固定され、可動子18と支持部16を架橋している。すなわち、拘束部材30は、弾性体あるいは粘弾性体よりも剛性の高いアルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属あるいはセラミック等によりL字型アングル板に形成され、アクチュエータ全体の固定部材を兼ねている。拘束部材30は、その主面31aが、弾性体あるいは粘弾性体32により、一対の弾性バネ支持部20a、20bおよび支持部16の下面、並びに可動子18の下面に架橋して固定されている。主面31aと直交する拘束部材30の下面31bは、弾性体あるいは粘弾性体32を挟んで、支持部16の下面(背面)に固定されている。このような構成とすることにより、拘束部材30そのものを固定することで設置面として利用することができるとともに、並進機構14の減衰効果を増加させることができる。
また、並進機構14の上面側に、前述した第4の実施形態と同様な減衰機構を追加することも可能であり、この場合、減衰効果を倍増することが可能となる。
上記のように構成されたアクチュエータ10は、水平に設置する場合に限らず、図15に示すように、拘束部材30の背面部分を水平な設置部50に固定支持することにより、アクチュエータ10を重力方向に吊り下げた状態で使用することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、第1および第2の実施形態において、粘弾性体に代えて弾性体など内部歪みが熱エネルギーに変換される材料を用いた場合でも上記と同様の作用効果を得ることができる。上述した実施形態では、実証結果を踏まえて、アクチュエータの可動部と拘束部材との間に弾性体あるいは粘弾性体を介在した構造を中心に説明したが、重要なことは機構部に減衰能と共に拘束することで、アクチュエータの剛性を低下させずに不用意な動作モード(主共振以外の共振ピーク)を抑制しながら、最大変位量や共振周波数を変えずに主共振のピークの振幅値だけを大幅に低減することにある。従って、減衰効果を得る材料自体は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、拘束部材自身が減衰能を有するものをネジ等によってアクチュエータの可動部に直接固定することも可能である。
その他、拘束部材および粘弾性体あるいは弾性体の形状は、L字板状、U字板状、角柱状、矩形ブロック状に限らず、少なくとも2面を有する他の形状としてもよい。また、可動部と固定部(支持部)との間を架橋する場合は、拘束部材が座屈しない構造を用いて一面だけ有する形状としてもよい。粘弾性体あるいは弾性体は、拘束部材の全面に渡って設けられていなくてもよく、拘束部材よりも小さな面積に形成してもよい。更に、アクチュエータの並進機構の可動部は、圧電素子の変位に応じて直動する構成であれば、種々の構造を用いることができる。圧電素子は積層型に限らず、他の圧電素子、磁歪素子等の同様な特性(発生推力が大きくて素子単体の共振周波数が高く、比較的発生変位が微小な特性)を有する駆動素子を用いることもできる。
10…アクチュエータ、12… 圧電素子、14… 並進機構、16…支持部、
18… 可動子、20a、20b…弾性バネ支持部、21a、21b…バネ部、
24a、24b、25a、25b…板バネ、26a、26b…バネスリット、
30、30a、30b、34、34a、34b…拘束部材、32、36…粘弾性体、
31a…主面、31b…下面、31c、31e…前面

Claims (14)

  1. 圧電素子と、この圧電素子の変位に応じて変位する可動部を有し、前記圧電素子の変位量を直接直線運動として伝達する並進機構と、を備えたアクチュエータの共振ピークの振動値を低減するアクチュエータの減衰方法において、
    少なくとも2面を有する拘束部材の1面を弾性体あるいは粘弾性体を介して前記可動部に固定し、前記拘束部材の他の面を弾性体あるいは粘弾性体を介して前記並進機構の支持部に固定し、前記弾性体あるいは粘弾性体の変形による歪により前記可動部の振動エネルギーを熱エネルギーに変換して前記アクチュエータの共振ピークの振幅値を低減することを特徴とするアクチュエータの減衰方法。
  2. 前記並進機構は、前記圧電素子が固定された支持部と、前記支持部から前記圧電素子の変位方向と平行な方向に延出し互いに隙間を置いて対向する一対の弾性バネ支持部と、を備え、前記可動部は、前記支持部と隙間を置いて対向し前記圧電素子に固定された可動子と、前記可動子を前記圧電素子の変位方向と平行な方向に直動可能に支持する前記弾性バネ支持部のバネ部と、を備え、
    前記拘束部材の1面を弾性体あるいは粘弾性体を介して前記可動子に固定し、他の1面を弾性体あるいは粘弾性体を介して前記支持部に固定することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータの減衰方法。
  3. 前記並進機構は、前記圧電素子が固定された支持部と、前記支持部から前記圧電素子の変位方向と平行な方向に延出し互いに隙間を置いて対向する一対の弾性バネ支持部と、を備え、前記可動部は、前記支持部と隙間を置いて対向し前記圧電素子に固定された可動子と、前記可動子を前記圧電素子の変位方向と平行な方向に直動可能に支持する前記弾性バネ支持部のバネ部と、を備え、
    前記拘束部材の1面を弾性体あるいは粘弾性体を介して前記可動子および前記弾性バネ支持部の側面に架橋して固定し、他の1面を弾性体あるいは粘弾性体を介して前記支持部に固定することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータの減衰方法。
  4. 前記並進機構は、前記圧電素子が固定された支持部と、前記支持部から前記圧電素子の変位方向と平行な方向に延出し互いに隙間を置いて対向する一対の弾性バネ支持部と、を備え、前記可動部は、前記支持部と隙間を置いて対向し前記圧電素子に固定された可動子と、前記可動子を前記圧電素子の変位方向と平行な方向に直動可能に支持する前記弾性バネ支持部のバネ部と、を備え、
    前記拘束部材の1面を弾性体あるいは粘弾性体を介して前記可動子および前記一対の弾性バネ支持部の前面に架橋して固定し、他の1面を弾性体あるいは粘弾性体を介して前記支持部に固定することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータの減衰方法。
  5. 前記並進機構は、前記圧電素子が固定された支持部と、前記支持部から前記圧電素子の変位方向と平行な方向に延出し互いに隙間を置いて対向する一対の弾性バネ支持部と、を備え、前記可動部は、前記支持部に隙間を置いて対向し前記圧電素子に固定された可動子と、前記可動子を前記圧電素子の変位方向と平行な方向に直動可能に支持する前記弾性バネ支持部のバネ部と、を備え、前記拘束部材は角柱状に形成され、
    前記拘束部材の1面を弾性体あるいは粘弾性体を介して前記可動子に固定し、前記拘束部材の他の1面または2面を弾性体あるいは粘弾性体を介して前記弾性バネ支持部に固定することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータの減衰方法。
  6. 前記並進機構は、前記圧電素子が固定された支持部と、前記支持部から前記圧電素子の変位方向と平行な方向に延出し互いに隙間を置いて対向する一対の弾性バネ支持部と、を備え、前記可動部は、前記支持部に隙間を置いて対向し前記圧電素子に固定された可動子と、前記可動子を前記圧電素子の変位方向と平行な方向に直動可能に支持する前記弾性バネ支持部のバネ部と、を備え、
    前記拘束部材の1面を弾性体あるいは粘弾性体を介して前記可動子および前記一対の弾性バネ支持部の上面に架橋して固定し、前記拘束部材の他の1面または2面を弾性体あるいは粘弾性体を介して前記支持部および弾性バネ支持部に固定することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータの減衰方法。
  7. 前記拘束部材を、前記弾性体あるいは粘弾性体よりも剛性の高い金属あるいはセラミックスで形成し、アクチュエータの機械剛性を上げ、並進動作以外の運動を抑制することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のアクチュエータの減衰方法。
  8. 圧電素子と、
    前記圧電素子の変位に応じて変位する可動部を有し、前記圧電素子の変位量を直接直線運動として伝達する並進機構と、
    少なくとも2面を有し、1面が弾性体あるいは粘弾性体を介して前記可動部に固定され、他の面が弾性体あるいは粘弾性体を介して前記並進機構の支持部に固定され、前記弾性体あるいは粘弾性体の変形による歪により前記可動部の振動エネルギーを熱エネルギーに変換して前記アクチュエータの共振ピークの振幅値を低減する拘束部材と、を備えることを特徴とするアクチュエータ。
  9. 前記並進機構は、前記圧電素子が固定された支持部と、前記支持部から前記圧電素子の変位方向と平行な方向に延出し互いに隙間を置いて対向する一対の弾性バネ支持部と、を備え、前記可動部は、前記支持部と隙間を置いて対向し前記圧電素子に固定された可動子と、前記可動子を前記圧電素子の変位方向と平行な方向に直動可能に支持する前記弾性バネ支持部のバネ部と、を備え、
    前記拘束部材の1面は、前記弾性体あるいは粘弾性体を介して前記可動子に固定され、前記拘束部材の他の1面は、前記弾性体あるいは粘弾性体を介して前記支持部に固定されていることを特徴とする請求項8に記載のアクチュエータ。
  10. 前記並進機構は、前記圧電素子が固定された支持部と、前記支持部から前記圧電素子の変位方向と平行な方向に延出し互いに隙間を置いて対向する一対の弾性バネ支持部と、を備え、前記可動部は、前記支持部と隙間を置いて対向し前記圧電素子に固定された可動子と、前記可動子を前記圧電素子の変位方向と平行な方向に直動可能に支持する前記弾性バネ支持部のバネ部と、を備え、
    前記拘束部材の1面は、前記弾性体あるいは粘弾性体を介して前記可動子および前記弾性バネ支持部の側面に架橋して固定され、前記拘束部材の他の1面は、前記弾性体あるいは粘弾性体を介して前記支持部に固定されていることを特徴とする請求項8に記載のアクチュエータ。
  11. 前記並進機構は、前記圧電素子が固定された支持部と、前記支持部から前記圧電素子の変位方向と平行な方向に延出し互いに隙間を置いて対向する一対の弾性バネ支持部と、を備え、前記可動部は、前記支持部と隙間を置いて対向し前記圧電素子に固定された可動子と、前記可動子を前記圧電素子の変位方向と平行な方向に直動可能に支持する前記弾性バネ支持部のバネ部と、を備え、
    前記拘束部材の1面は、前記弾性体あるいは粘弾性体を介して前記可動子および前記弾性バネ支持部の前面に架橋して固定され、前記拘束部材の他の1面は、前記弾性体あるいは粘弾性体を介して前記支持部に固定されていることを特徴とする請求項8に記載のアクチュエータ。
  12. 前記並進機構は、前記圧電素子が固定された支持部と、前記支持部から前記圧電素子の変位方向と平行な方向に延出し互いに隙間を置いて対向する一対の弾性バネ支持部と、を備え、前記可動部は、前記支持部と隙間を置いて対向し前記圧電素子に固定された可動子と、前記可動子を前記圧電素子の変位方向と平行な方向に直動可能に支持する前記弾性バネ支持部のバネ部と、を備え、前記拘束部材は角柱状に形成され、
    前記拘束部材の1面は、前記弾性体あるいは粘弾性体を介して前記可動子に固定され、前記拘束部材の他の1面または2面は、前記弾性体あるいは粘弾性体を介して前記弾性バネ支持部に固定されていることを特徴とする請求項8に記載のアクチュエータ。
  13. 前記並進機構は、前記圧電素子が固定された支持部と、前記支持部から前記圧電素子の変位方向と平行な方向に延出し互いに隙間を置いて対向する一対の弾性バネ支持部と、を備え、前記可動部は、前記支持部と隙間を置いて対向し前記圧電素子に固定された可動子と、前記可動子を前記圧電素子の変位方向と平行な方向に直動可能に支持する前記弾性バネ支持部のバネ部と、を備え、
    前記拘束部材の1面は、前記弾性体あるいは粘弾性体を介して前記可動子および前記一対の弾性バネ支持部の上面に架橋して固定され、前記拘束部材の他の1面または2面は前記弾性体あるいは粘弾性体を介して前記支持部および弾性バネ支持部に固定されている特徴とする請求項8に記載のアクチュエータ。
  14. 前記拘束部材は、前記弾性体あるいは粘弾性体よりも剛性の高い材料および形状で形成されていることを特徴とする請求項8ないし13のいずれか1項に記載のアクチュエータ。
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