JP5199687B2 - 制振装置、制振構造、及び制振パネル - Google Patents
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Description
「耐震構造」にあっては、建築物構造体の剛性を増す必要があるため、材料費等のコストが嵩む一方で、建築物内部における振動は緩和されず内部に配置された物品が損傷するおそれがあり、これに対する対策が別途必要となる。
「免震構造」にあっては、地盤から建築物へ伝わる振動を遮断するための大がかりな免震装置を設ける必要があるため、設備費用や工事費用が嵩むという問題がある。
このため、木造建築では、比較的低コストで実現でき建築物内部の損傷も防止できる「耐震構造」を採用することが望ましい。
建築物の制振構造の一例が特許文献1に開示されている。この制振構造は、矩形枠体の内側四隅に4つのブレースの基端部を固定し、それら4つのブレースの先端部を互いに接近させると共に、対角線方向で向き合った両ブレースを平行にオフセットして配置し、上側又は左右の一方側の2つのブレースの先端部を共通の第1浮動部材に固定する一方、残り2つのブレースの先端部を共通の第2浮動部材に固定し、それら第1浮動部材と第2浮動部材との間を粘弾性体で連結して粘弾性ダンパを構成した建物壁部の制振構造において、上側2つの前記両ブレースの延長線の交点と、下側2つの前記両ブレースの延長線の交点との間の中間点を間に挟んだ2個所に前記粘弾性体を分けて配置したものである。
この制振構造においては、粘弾性ダンパには粘性弾性部材を使用しているが、粘弾性ダンパとして耐久性や耐火性に優れたものを使用しなければならずその材質が限定され、コストが嵩むという問題がある。
また、ブレースを用いて粘弾性ダンパを枠体に組み付ける構造であるため、組付け手数が増大して簡易な組付けが困難となるばかりでなく、全体重量が増大するために木造家屋への適用に適さないという問題がある。
しかし、この耐震具にあっては、リンクアームの変形に際して摩擦パッドによりエネルギを吸収、減衰できる振動方向が一方向に過ぎず、反対方向からの振動を吸収、減衰することはできない。反対方向からの振動を吸収するためには他の耐震具を同一の枠体の隅部に逆向きに設ける必要があり、使用する耐震具数の増大による取付け手数、コストの増大をもたらすことが明かである。また、厚み方向スペースが狭く極限された枠体の隅部において、2つのリンクアーム間、及び各リンクアームと各枠材との間に配置した摩擦パッドのみに依存してエネルギを吸収する構成であるため、摩擦パッドによる摩擦力を適正値に設定することが極めて困難である。
本発明は上記に鑑みて成されたものであり、組付け手数、部品点数の増大をもたらすことなく、低価格で、耐火性、耐久性に優れ、しかも二方向から加わる振動、衝撃による応力を吸収緩和することができる制振装置、制振構造、制振パネルを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、建築物を構成する複数の枠材の交差部に取り付けられる振動吸収要素としての板バネ制振ユニットを備えた制振装置であって、前記板バネ制振ユニットは、一方の前記枠材と他方の前記枠材に夫々両端部を固定された少なくとも一枚の湾曲したベースバネ板と、該ベースバネ板の少なくとも一端部に対して一端部を固定配置されると共に該一端部を除いた内側面の少なくとも一部を該ベースバネ板の一面と摺擦可能に積層された少なくとも一枚の第1の摺擦バネ板と、を備え、前記第1の摺擦バネ板は、前記ベースバネ板よりも短尺であり、前記第1の摺擦バネ板は、その内側面の少なくとも一部が前記ベースバネ板の一面と接触するようにその曲率が予め設定された湾曲板であることを特徴とする。
本発明においては、地震等により建築物に加わる運動エネルギは板バネ制振ユニットに伝達され、板バネ制振ユニットにおいて熱エネルギに変換され放出される。板バネ制振ユニットを構成する各バネ板は振動吸収要素として作用して枠材の振動を吸収する。そして、本発明では、振動吸収要素として機械要素として一般的に使用されているバネ板を使用するから、低価格とすることができると共に、耐久性、耐熱性に優れた制振装置を実現することができる。
ベースバネ板に対する摺擦バネ板の取付け部位、取付け枚数等は、種々選定可能である。例えば、ベースバネ板の一端部の一面側、或いは両面側に1枚或いは2枚以上の摺擦バネ板を配置してもよいし、ベースバネ板の両端部の一面側、或いは両面側に1枚或いは2枚以上の摺擦バネ板を配置してもよい。
本発明の制振装置は、制振機能のみならず、枠材の交差部を補強することによる耐震性の向上を図ることもできる。
請求項3の発明は、前記第2の摺擦バネ板の外側面に対して内側面の少なくとも一部を摺擦可能に積層した第3の摺擦バネ板を備え、該第3の摺擦バネ板の一端部を前記第2の摺擦バネ板の一端部に対して固定配置し、前記第3の摺擦バネ板は、その内側面の少なくとも一部が前記第2の摺擦バネ板の外側面と接触するようにその曲率が予め設定された湾曲板であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2、又は3において、個々の前記摺擦バネ板の長さは、直近外側に位置する他の摺擦バネ板の長さよりも長尺であり、前記各摺擦バネ板の他端部が階段状となるように積層されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1乃至4の何れか一項において、前記ベースバネ板の片面に対して少なくとも一枚の前記摺擦バネ板を摺擦可能な積層状態で固定配置したことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1乃至4の何れか一項において、前記ベースバネ板の一面の両端部、或いは該ベースバネ板の両面の両端部に対して、少なくとも一枚の前記摺擦バネ板を摺擦可能な積層状態で固定配置したことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1乃至4の何れか一項において、前記ベースバネ板の一面の一端部と、該ベースバネ板の他面の他端部に対して夫々少なくとも一枚の前記摺擦バネ板を摺擦可能な積層状態で固定配置したことを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項5、7、8、又は9において、前記ベースバネ板の両面に夫々少なくとも一枚の前記摺擦バネ板を摺擦可能な積層状態で固定配置した場合に、前記各摺擦バネ板の長さを前記ベースバネ板よりも短尺にしたことを特徴とする。
請求項11の発明に係る制振装置は、請求項1乃至10の何れか一項において、前記ベースバネ板の厚み、或いは/及び、幅を、前記摺擦バネ板と異ならせたことを特徴とする。
請求項12の発明に係る制振構造は、建築物を構成する横枠と縦枠との交差部に、請求項1乃至11の何れか一項に記載の制振装置を配置したことを特徴とする。
本発明の制振装置は、複数の枠材が交差する部位に適用することができる。建築物を構成する枠材の交差部に配置することにより、建造物の要所を制振性のものとすることができる。このため、建物の状況に応じた制振工事を適正に行うことができる。
請求項13の発明に係る制振パネルは、略矩形の枠体と、該枠体の少なくとも1つの隅部に配置される請求項1乃至11の何れか一項に記載の制振装置と、を備えたことを特徴とする。
建築物を構成する矩形の枠体に制振装置を配置することができ、枠体を制振性のものとすることができ、既存建物の枠体にこの構造を採用することにより、既存建築物の制振工事を適正に行うことができる。
図1は本発明の一実施形態に係る制振パネルを示すものであり、(a)は全体正面図、(b)は(a)中に示された一つの制振装置の拡大図であり、図2(a)及び(b)は夫々板バネ制振ユニットの変形状態を示す図である。
本発明に係る制振パネル1は、長方形状の枠体である木製枠(枠体)10の少なくとも一つの隅部(本例では四隅)に制振装置20を配置した構成を備えている。木製枠10は建築物の一部を構成しており、木材で構成された2本の横枠11、12と、2本の縦枠13、14とが図示していない金具、ボルト等で連結されて構成される。
制振装置20は、建築物を構成する横枠(枠材)11、12と縦枠(枠材)13、14との交差部(隅部)に取り付けられて入力される振動を吸収する手段である。以下では、略矩形の木製枠10を構成する隅部に制振パネル1を組み付ける場合について説明するが、本発明の適用範囲は矩形枠体の隅部に限定されるものではなく、複数の枠材が交差する部位全てに適用可能である。
制振装置20は、地盤から木製枠10に入力される運動エネルギを熱エネルギに変換することにより振動を吸収する振動吸収要素としての板バネ制振ユニット21を備えている。
第1の摺擦バネ板30の外側面(ベースバネ板と摺擦しない面)に対してさらに第2の摺擦バネ板40を積層すると共に、その一端部40aを第1の摺擦バネ板30の一端部30aに対して固定している。
第2の摺擦バネ板40の一端部40aを第1の摺擦バネ板30の一端部30aに固定する方法としては、ボルト等により両者を直接固定してもよいし、他のブラケット等を用いてベースバネ板22に対して各摺擦バネ板間を締結固定してもよい。要するに、どのような固定方法であれ、ベースバネ板22の一端部に対して他の摺擦バネ板の一端部を固定する構造は、直接固定、間接固定に関係なく、全て本発明の技術的範囲に含まれるものである。この点は、以下に述べる他の実施形態における固定構造にも同様に当てはまる。
本例では、ベースバネ板22の一端部22a側の両面に夫々第1の摺擦バネ板30の一端部30aをボルトにより固定すると共に、各第1の摺擦バネ板30の他端側は自由端状とし、ベースバネ板22が面方向へ変形する時にベースバネ板に対して長手方向へ相対的に摺動できるように構成している。
ベースバネ板22の両面に対して第1の摺擦バネ板30を摺擦可能に積層した状態で一端部を固定(積層状態で固定配置)しているため、板バネ制振ユニット21の面方向両側から加わる応力により各第1のバネ板30がベースバネ板22の各面22A、22Bと摺動することによって地震等によって木製枠に加わるエネルギを吸収、緩和することができる。常時において、ベースバネ板22の両面と各第1の摺擦バネ板30の内側面との間は、全面的に密着した状態で接触していてもよいし、部分的に接触していてもよい。
各摺擦バネ板30、40の関係は、内側に位置する摺擦バネ板30の長さよりも、直近外側に位置する他の摺擦バネ板40の長さが順次短尺となるように寸法設定されており、各摺擦バネ板30、40の他端部30b、40bが階段状となるように構成されている。
即ち、第1の摺擦バネ板30の長手方向寸法をベースバネ板22の長手方向寸法よりも短尺にする一方で、第2の摺擦バネ板40の長手方向寸法を第1の摺擦バネ板30の長手方向寸法よりも更に短尺にすることにより、各摺擦バネ板30、40の他端部が階段状(或いはピラミッド状)となる。このようにベースバネ板22に対して摺擦バネ板を階段状、或いはピラミッド状に積層することにより、板バネ制振ユニット21の強度、耐久性を適切に維持しつつ、所定以上の応力が加わった場合の弾性変形を容易化することができる。また、複数のバネ板を多段状に積層することにより、入力される運動エネルギを熱エネルギに変換することにより振動を吸収する振動吸収要素としての板バネ制振ユニット21全体としての振動吸収能力を所望の値に調整することが容易となる。
また、この例では、木製枠10の4つの隅部に制振装置20を配置するようにしたが、これは一例に過ぎず、木製枠10に対する制振装置20の組付け箇所、組付け態様には種々の変形が可能である。
このように構成したので、対向する二方向からの応力P1、P2に対応して弾性変形しつつバネ板間で摺擦することによるエネルギの吸収、緩和と、その後の原形への弾性復帰ができるように構成されている。
この点を更に詳細に説明すると、板バネ制振ユニット21を構成するベースバネ板22及び各摺擦バネ板30、40は、制振パネル1を構成する横枠11、12及び縦枠13、14の変形に対応してエネルギを吸収する。図2(a)は一方からの応力P1が加わった場合の変形状態であり、(b)は他方からの応力P2が加わった場合の変形状態を示している。
地震等による揺れがない静止状態では、木製枠10は変形しておらず、図1(a)(b)に示したようにベースバネ板22、摺擦バネ板30、40は変形していない。
地震発生時に上側の横枠11は、下側の横枠12に対して横方向へ相対的に変位する。ここで横枠11が横枠12に対して相対的に矢印A方向に移動したとき、縦枠13と横枠11に夫々両端部を固着されたベースバネ板22はB方向に伸長変形する。ベースバネ板22の伸長変形により、ベースバネ板22の一端部22aの両側面に夫々配置された各摺擦バネ板30、40のうちベースバネ板22の外周面側に位置する摺擦バネ板30out、40out(外側摺擦バネ板群)は同方向Bへ変形するために、ベースバネ板22と第1の摺擦バネ板30outとの接触部間、並びに第1の摺擦バネ板30outと第2の摺擦バネ板40outとの接触部間に、夫々相対移動(摺動)と、それに起因した摩擦抵抗が発生し、振動によるエネルギを減衰する。一方、B方向へ伸長変形したベースバネ板22の内周面側に位置する摺擦バネ板30in、40in(内側摺擦バネ板群)は圧縮変形しないために、ベースバネ板22と第1の摺擦バネ板30inとの間、並びに第1及び第2の摺擦バネ板30in、40in間は離間し、大きな摩擦抵抗は発生しない。このため、ベースバネ板22が伸長方向Bへ変形するに際して、第1の摺擦バネ板30outと第2の摺擦バネ板40outの変形及び摩擦抵抗による抵抗が発生し、振動によるエネルギを減衰する。
このため、制振パネル1が振動すると、制振パネル1の運動エネルギは板バネ部材を構成する各バネ板22、30、40の変形及び摩擦により熱エネルギに変換されて大気中に放出され、制振パネル1の振動は減衰される。
また、本例では、制振装置20を木製枠10の内部に配置して制振パネル1を構成したが、予め建物に組み付けられた木製枠10に対して本発明の制振装置20を配置することができる。この場合は既存建築物の制振化工事に適用することができる。
更に、本発明の板バネ制振ユニット21は、地震等により発生する応力を減衰させる制振機能のみならず、木製枠に対する補強性を有した耐震部材としても機能する。即ち、木製枠の隅部、或いは縦枠と横枠との交差部に配置することによりその強度を高めて耐震性を向上することができる。この点は、以下の他の実施形態においても同様である。
また、本発明の板バネ制振ユニットを備えた制振装置は、軽量、小型であり、低廉であるため、建築物の新築工事のみならず、リフォームするに際しても、組付け工事を容易に実施できる。具体的には、専門業者でない個人であっても、ホームセンター等の小売店で購入してきた本制振装置を簡易に取り付けることができる。
ベースバネ板22の両端部に摺擦バネ板を積層配置することにより、本発明の板バネ制振ユニット21の耐震部材としての機能を高めることができる。
なお、ベースバネ板22に対する摺擦バネ板30、40、・・・の組付け構造、ベースバネ板22の変形時におけるバネ板間の摺擦による振動、衝撃エネルギの吸収機能については、図1において説明した事項がそのまま当てはまる。
まず、図4(a)の実施形態に係る板バネ制振ユニット21は、ベースバネ板22の長手方向一端部22aの何れか一方の面のみに摺擦バネ板を積層状態で固定配置した構成が特徴的である。即ち、図1の実施形態では摺擦バネ板をベースバネ板22の一端部22aの両面に対して夫々組み付けたが、この板バネ制振ユニットを組み付ける枠体の特性、或いは建築物中における枠体の位置等の各種条件によっては、ベースバネ板22の一端部22a(或いは他端部22b)の片面のみに摺擦バネ板を積層配置すれば足りることもある。このようにベースバネ板22の片面のみに摺擦バネ板を積層配置した場合には、一方向から加わる応力のみを減衰させる機能しか発揮できないが、木製枠10の横方向に隣接する他の隅部にも板バネ制振ユニット21を組み付けることにより、両板バネ制振ユニット21が夫々異なった方向からの応力を吸収緩和することができるため差し支えない。
なお、この例では、ベースバネ板22の湾曲した外周面22Aに摺擦バネ板を取り付けたが、内周面22Bに取り付けても良い。
なお、ベースバネ板22に対する摺擦バネ板30、40、・・・の組付け構造、ベースバネ板22の変形時におけるバネ板間の摺擦による振動、衝撃エネルギの吸収機能については、図1において説明した事項がそのまま当てはまる。
まず、図5(a)に係る板バネ制振ユニット21は、ベースバネ板22の一端部22aの一面(22B)と、他端部22bの他面(22A)に夫々一枚、又は二枚以上の摺擦バネ板を摺擦可能な積層状態で固定配置した構成が特徴的である。
即ち、この例では、ベースバネ板22の両端部の異なった面上に夫々摺擦バネ板30、40を順次積層した状態で端部間を固定しており、対向する二方向からの応力P1、P2に対応して弾性変形しつつバネ板間で摺擦することによるエネルギの吸収、緩和と、その後の原形への弾性復帰ができるように構成されている。
図5(b)に係る板バネ制振ユニット21は、図5(b)の変形例であり、ベースバネ板22を挟んで対向配置される少なくとも2枚の摺擦バネ板、この例では2枚の第1の摺擦バネ板30を各他端部30bがオーバーラップするように長尺に構成した点が特徴的である。このように構成しても、対向する正逆二方向からの応力P1、P2に対応して弾性変形しつつバネ板間で摺擦することによるエネルギの吸収、緩和と、その後の原形への弾性復帰ができるように構成されている。
なお、ベースバネ板22に対する摺擦バネ板30、40、・・・の組付け構造、ベースバネ板22の変形時におけるバネ板間の摺擦による振動、衝撃エネルギの吸収機能については、図1において説明した事項がそのまま当てはまる。
Claims (13)
- 建築物を構成する複数の枠材の交差部に取り付けられる振動吸収要素としての板バネ制振ユニットを備えた制振装置であって、
前記板バネ制振ユニットは、一方の前記枠材と他方の前記枠材に夫々両端部を固定された少なくとも一枚の湾曲したベースバネ板と、該ベースバネ板の少なくとも一端部に対して一端部を固定配置されると共に該一端部を除いた内側面の少なくとも一部を該ベースバネ板の一面と摺擦可能に積層された少なくとも一枚の第1の摺擦バネ板と、を備え、
前記第1の摺擦バネ板は、前記ベースバネ板よりも短尺であり、
前記第1の摺擦バネ板は、その内側面の少なくとも一部が前記ベースバネ板の一面と接触するようにその曲率が予め設定された湾曲板であることを特徴とする制振装置。 - 前記第1の摺擦バネ板の外側面に対して内側面の少なくとも一部を摺擦可能に積層した第2の摺擦バネ板を備え、該第2の摺擦バネ板の一端部を前記第1の摺擦バネ板の一端部に対して固定配置し、
前記第2の摺擦バネ板は、その内側面の少なくとも一部が前記第1の摺擦バネ板の外側面と接触するようにその曲率が予め設定された湾曲板であることを特徴とする請求項1に記載の制振装置。 - 前記第2の摺擦バネ板の外側面に対して内側面の少なくとも一部を摺擦可能に積層した第3の摺擦バネ板を備え、該第3の摺擦バネ板の一端部を前記第2の摺擦バネ板の一端部に対して固定配置し、
前記第3の摺擦バネ板は、その内側面の少なくとも一部が前記第2の摺擦バネ板の外側面と接触するようにその曲率が予め設定された湾曲板であることを特徴とする請求項2に記載の制振装置。 - 個々の前記摺擦バネ板の長さは、直近外側に位置する他の摺擦バネ板の長さよりも長尺であり、前記各摺擦バネ板の他端部が階段状となるように積層されていることを特徴とする請求項2、又は3に記載の制振装置。
- 前記ベースバネ板の両面に対して夫々少なくとも一枚の前記摺擦バネ板を摺擦可能な積層状態で固定配置したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の制振装置。
- 前記ベースバネ板の片面に対して少なくとも一枚の前記摺擦バネ板を摺擦可能な積層状態で固定配置したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の制振装置。
- 前記ベースバネ板の一面の両端部、或いは該ベースバネ板の両面の両端部に対して、少なくとも一枚の前記摺擦バネ板を摺擦可能な積層状態で固定配置したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の制振装置。
- 前記ベースバネ板の一面の一端部と、該ベースバネ板の他面の他端部に対して夫々少なくとも一枚の前記摺擦バネ板を摺擦可能な積層状態で固定配置したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の制振装置。
- 前記ベースバネ板を介して対向する前記各摺擦バネ板の内の少なくとも第1の摺擦バネ板の他端部同志をオーバーラップさせたことを特徴とする請求項8に記載の制振装置。
- 前記ベースバネ板の両面に夫々少なくとも一枚の前記摺擦バネ板を摺擦可能な積層状態で固定配置した場合に、前記各摺擦バネ板の長さを前記ベースバネ板よりも短尺にしたことを特徴とする請求項5、7、8、又は9に記載の制振装置。
- 前記ベースバネ板の厚み、或いは/及び、幅を、前記摺擦バネ板と異ならせたことを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の制振装置。
- 建築物を構成する横枠と縦枠との交差部に、請求項1乃至11の何れか一項に記載の制振装置を配置したことを特徴とする制振構造。
- 略矩形の枠体と、該枠体の少なくとも1つの隅部に配置される請求項1乃至11の何れか一項に記載の制振装置と、を備えたことを特徴とする制振パネル。
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