JP2002089077A - ばねが直列接合された粘弾性ブレース - Google Patents

ばねが直列接合された粘弾性ブレース

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JP2002089077A
JP2002089077A JP2000276425A JP2000276425A JP2002089077A JP 2002089077 A JP2002089077 A JP 2002089077A JP 2000276425 A JP2000276425 A JP 2000276425A JP 2000276425 A JP2000276425 A JP 2000276425A JP 2002089077 A JP2002089077 A JP 2002089077A
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steel
brace
spring
vibration energy
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Toru Takeuchi
徹 竹内
Hiroshi Nakamura
博志 中村
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設置環境下の温度変化によっても、一定の振
動減衰効果を期待でき粘弾性ブレース自身も作用軸力が
軽減される粘弾性ブレースを提供する。 【解決手段】 柱、梁で構成される建築構造物の粘弾性
ブレース2であって、当該ブレース材2は、粘弾性材料
3と第1、第2の鋼部材6、7が交互に積層された振動
エネルギー吸収体4と金属製コイルばね5とが直列に接
合されてなり、前記弾性ばねの剛性が、略20℃の下で
前記振動エネルギー吸収体の剛性の0.5倍から4倍の
範囲に設定されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物その他の構
造物において、地震力や風などの外力に対して減衰効果
を与える粘弾性ブレースに関するものである。
【0002】
【従来技術】従来の技術としては、ブレースの端部
に、鋼板と粘弾性体を積層状に固着させた制振装置、
鋼製外側筋かい材の内周面と鋼製内側筋かい材の外周面
との間に粘弾性材層を介在させた建造物の振動抑制装
置、鋼製外側筋かい材である管体内にセメント系硬化
材を設け、このセメント系硬化材の内周面と鋼製内側筋
かい材の外周面との間に粘弾性材層を介在させて固着さ
せた建造物の振動抑制装置(特許第2583801号)
がある。
【0003】さらに、建物の柱及び梁に用いられた粘
弾性ダンパーとして、一方の筋違いに固定された外筒と
他方の筋違いに固定された内筒とが嵌合しており、この
内筒と外筒の間にエラストマーを介在させ接着した構成
のものもある(特開平9−133169号)。
【0004】さらに、建物における上階の梁と下階床
から突設されたそれぞれのガセットプレートに内管と外
管のそれぞれの端部に設けたブラケットが接合され、前
記内管と外管が羽根状のプレートを介して粘弾性体を挟
み接着して制震装置が構成されたものがある(特開平1
−187271号)。
【0005】前述の〜の従来技術では、構造上の問
題から粘弾性材料の断面積が比較的小さく抑えられ、ブ
レースのエネルギー吸収能力を上げることが困難であっ
た。
【0006】前記〜の従来技術の欠点を改良し、粘
弾性材料の断面積を増大させることでエネルギー吸収能
力を上げたものとして、本発明者の先願に係る特開平1
1−280294に開示の粘弾性ブレースが知られてい
る。
【0007】この先願発明に係る粘弾性ブレースは、形
鋼部材を使用して、粘弾性材料を積層状に配設してブレ
ースを構成したもので、図13〜図18によって簡単に
説明する。
【0008】図13(イ)、(ロ)及び(ハ)には、前
記先願発明に係る粘弾性ブレース42を、例えば高層建
物の骨組41のブレースに適用した例が示されている。
【0009】前記粘弾性ブレース42は、図14
(イ)、(ロ)に示す第1従来例では、H形断面をした
第1心材43の側面に、前記第1心材43を包囲して対
向配置した第1粘弾性体シート49及び第1溝形鋼46
を交互に積層粘着し、前記第1溝形鋼46の端部をH形
断面をした第2心材44に第1溝形鋼固定材53を介在
させて固着し、前記第1心材43と前記第2心材44に
は、建築物の骨組み1に固定するための第1心材連結用
穴55と第2心材連結用穴56をあけ、対向配置した前
記第1溝形鋼46の側面上に蓋57を固着し、前記第1
心材43と前記第2心材44は伸縮用間隙70を介在さ
せて前記第1粘弾性体シート49及び、前記第1溝形鋼
46により連結したものである。
【0010】また、前記第1心材43及び、前記第2心
材44の断面形状は、図14(ハ)、(ニ)に示すよう
に角形鋼管、円形鋼管としてもよく、円形鋼管の場合に
は前記第1溝形鋼46に代わり第1半円形鋼板67を用
いている。
【0011】前記伸縮用間隙70は、前記第1心材43
と前記第2心材44の間に介在させることで、前記粘弾
性ブレース42に入力された振動エネルギーに対して前
記第1心材43、前記第2心材44及び前記第1溝形鋼
46には変形を生じさせず、前記第1粘弾性体シート4
9にのみせん断変形を生じさせることができる。
【0012】第2従来例に係る粘弾性ブレース42は、
図15(イ)、(ロ)に示すようにH形断面をした第1
心材43の側面に、前記第1心材43を包囲して対向配
置した第1粘弾性体シート49、第1溝形鋼46、第2
粘弾性体シート50、第2溝形鋼47、第3粘弾性体シ
ート51及び第3溝形鋼48を交互に積層粘着し、前記
第1溝形鋼46の端部を第1溝形鋼固定材53を介在さ
せ、さらに、前記第3溝形鋼48の端部を第3溝形鋼固
定材54を介在させてH形断面をした前記第2心材44
に固着し、前記第2溝形鋼47の端部を第2溝形鋼固定
材52を介在させてH形断面をした前記第1心材43に
固着し、前記第1心材43と前記第2心材44は前記第
1粘弾性体シート49、前記第1溝形鋼46、前記第2
粘弾性体シート50、前記第2溝形鋼47、前記第3粘
弾性体シート51及び前記第3溝形鋼48により連結
し、対向配置した前記第3溝形鋼48の側面に蓋57を
固着している。
【0013】図14の粘弾性ブレース42では、第1粘
弾性体シート49と第1溝形鋼46の組が1層構造であ
るのに対して、図15の粘弾性ブレース2は、前記第1
粘弾性体シート49と前記第1溝形鋼46、前記第2粘
弾性体シート50と前記第2溝形鋼47及び前記第3粘
弾性体シート51と前記第3溝形鋼48の組の3層構造
としている。こうした構造は勿論3層だけでなく、粘弾
性体シートと溝形鋼を組み合わせてさらに層を増やして
設けるようにしてもよいとしている。
【0014】また、前記第1心材43及び前記第2心材
44の断面形状は、図15(ハ)、(ニ)に示すように
角形鋼管、円形鋼管としてもよく、円形鋼管の場合には
前記第1溝形鋼46、前記第2溝形鋼47及び前記第3
溝形鋼48に代わり第1半円形鋼板67、第2半円形鋼
板68及び第3半円形鋼板69を用いる。
【0015】第3従来例に係る粘弾性ブレース2は、図
16(イ)、(ロ)、図17(イ)に示すように、H形
断面をした第1心材43のウェブ側面に、前記第1心材
43のウェブを挟んで対向配置した第1内部粘弾性体シ
ート611、第1内部溝形鋼59、第2内部粘弾性体シ
ート62、第2内部溝形鋼60を交互に積層粘着し、前
記第1内部溝形鋼59の端部をH形断面をした第2心材
44に第1内部溝形鋼固定材63を介在させて固着し、
かつ、前記第2内部溝形鋼60の端部をH形断面をした
前記第1心材43に第2内部溝形鋼固定材64を介在さ
せて固着し、前記第1心材43と前記第2心材44は第
1粘弾性体シート49、第1溝形鋼46、第2粘弾性体
シート50、第2溝形鋼47、第3粘弾性体シート51
及び第3溝形鋼48さらに前記第1内部粘弾性体シート
61、前記第1内部溝形鋼59、前記第2内部粘弾性体
シート62及び前記第2内部溝形鋼60により連結して
いる。なお、第1内部溝形鋼59および、第2内部溝形
鋼60は、円弧状鋼板のことがある。
【0016】図16、図17(イ)に示す第3従来例に
係る粘弾性ブレース42は、第2従来例に係る粘弾性ブ
レース42の前記第1心材43のウェブ両側面に粘弾性
体シートと溝形鋼の積層構造を付加したものである。
【0017】なお、図17(イ)の変形例として図17
(ロ)に示すように、対向配置した一組または複数組の
溝形鋼または半円形鋼板と粘弾性体シートの組のうち、
少なくとも一組は片側のみ配置される粘弾性ブレース4
2の構造とすることがある。
【0018】こうした積層構造は勿論、粘弾性体シート
と溝形鋼を組み合わせてさらに層を増やして設けるよう
にしてもよい。前記第1心材43のウェブ側面に積層粘
着させた粘弾性体シートが4層分付加されており、この
付加した4層の粘弾性体シートのせん断断面積に応じて
振動エネルギー吸収能力が増加する。
【0019】図17の変形として図18に示した粘弾性
ブレース42は、H形鋼、I形鋼、H形組み立て材、ま
たはI形組み立て材からなる第1心材43及び第2心材
44は伸縮用間隙を介して直列に配列され、前記第1心
材43のウェブ側面には、対向配置した一組の溝形鋼5
9,60と粘弾性体シート61,62をそれぞれ単層で
積層粘着し、前記溝形鋼59の端部を前記第2心材44
に固着し、前記第1心材43と前記第2心材44は前記
溝形鋼と前記粘弾性シートを介して粘弾性的に連結した
粘弾性ブレース42の構成としている。また、この粘弾
性ブレース2の溝形鋼と粘弾性体シートの単層の構成に
代えて、ウェブ側面に対向配置した溝形鋼と粘弾性シー
トは複数組からなり、それぞれ交互に積層粘着され、前
記溝形鋼の端部は交互に前記第2心材44または前記第
1心材43端部近傍に固着されている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】図14〜図18に示す
粘弾性ブレースは、既述〜における粘弾性ブレース
に比べ、エネルギー吸収能力が著しく向上するという利
点がある。
【0021】ところで、本発明者は、さらに研究した結
果、図14〜図18に示す粘弾性ブレースに限らず、従
来一般の粘弾性材料を用いた粘弾性ブレースには、次の
ような共通の課題があることを見出した。すなわち、粘
弾性ブレースは、季節による温度変化、温暖地と寒冷地
などの使用地域による温度変化、使用環境の違いによる
温度変化など、各種条件により温度変化が生じる環境下
で使用されるが、前記粘弾性ブレースでは、使用される
粘弾性材料の温度依存性により、図19に示すように温
度変化に伴い減衰性能に変化が生じることである。
【0022】更に説明すると、粘弾性ブレースでは、当
該粘弾性材料の温度依存性により、高温の場合には当該
粘弾性材料が軟化し、剛性が低くなってエネルギー吸収
性能が低下し、大きな軸力を負担できず減衰性能が低下
する。反対に、低温の場合には粘弾性材料が硬くなり、
剛性が高くなりエネルギー吸収性能も大きくなって、減
衰能力が向上する。しかし、この場合には粘弾性ブレー
スの軸剛性が高くなり、予測以上の過大な軸力が作用
し、変形が生じた場合にはブレースの破壊を招く恐れが
ある。また温度10℃の場合の点線で示すように、粘弾
性ブレースの軸変形の増加につれて粘弾性ブレースの軸
力もこれに比例して増加するようになる特性がある。
【0023】本発明者は、更に研究した結果、粘弾性ブ
レースにその軸剛性の変化を緩和(打消す)する金属ば
ねを直列に結合することで、前述の課題が解決できると
の知見を得た。
【0024】そこで、この種従来の関連技術につき更に
調査したところ、わずかに参考例として、特許第298
7331号(特開平10−37515)が見つかった。
ここに開示の粘弾性ダンパーを用いたブレース構造は、
粘弾性ダンパーの端部に先行降伏部材として摩擦接合部
材を連結させたものであり、摩擦接合部材に一定荷重以
上の軸力が作用すると初めて機能し、滑りを生じて過大
な応力を吸収するようにしている。
【0025】しかし、この従来技術では、先行降伏部材
として使われる摩擦接合部材の摩擦力は、ボルトの締付
け力に依存して敏感に変動し、また時間が経過するにつ
れ摩擦面の性状が変化し、温度の変化等に拘わらず、常
に安定した動作を期待することができない。つまり、本
発明で解決しようとする、温度の変化等に拘わらず、常
に安定して動作する粘弾性ブレースを実現できないこと
が分かった。
【0026】本発明は、前記従来の欠点に鑑みてなされ
たもので、振動減衰機能を有するが温度依存性という問
題がある粘弾性材料と、振動減衰機能を有しないが、振
動緩和機能を有し、かつ温度依存性の問題を殆ど有しな
いばね剛性が明確に規定された金属ばねを直列に組合わ
せるという簡潔な構造により、温度の変化等に拘わら
ず、常に安定して動作する粘弾性ブレースを提供するこ
とを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め、本発明に係る粘弾性ブレースは、下記のように構成
する。
【0028】第1の発明は、柱、梁で構成される建築構
造物のブレース材であって、当該ブレース材は、粘弾性
材料と鋼部材が交互に積層された振動エネルギー吸収体
と弾性ばねとが直列に接合されてなり、前記弾性ばねの
剛性が、略20℃の下で前記振動エネルギー吸収体の剛
性の0.5倍から4倍の範囲に設定されていることを特
徴とする。
【0029】第2の発明は、第1の発明において、前記
弾性ばねは、金属製のコイルばね又は皿ばね、あるいは
単純支持された梁製ばねである構成を特徴とする。
【0030】請求項3の発明は、第1〜第2の何れかの
発明において、前記振動エネルギー吸収体は、各種の形
鋼、角形鋼管又は円形鋼管からなる第1鋼部材及び第2
鋼部材が伸縮間隙を介して直列配置され、前記第1鋼部
材の側面に、当該第1鋼部材を包囲して対向配置した溝
形鋼又は半円形鋼板と粘弾性材料を交互に積層固着し、
前記溝形鋼又は半円形鋼板の端部は交互に前記第2鋼部
材と第1鋼部材に固着されている構成を特徴とする。
【0031】なお、本発明でいう形鋼とは、通常のH形
鋼、I形鋼、C(溝)形鋼等の形鋼の他、組み立てH形
鋼、組み立てI形鋼や組み立て溝形鋼をも含むものであ
る。
【0032】
【作用】本発明では、振動減衰機能を有するが、温度の
影響を受けやすい粘弾性材料を主要素とする振動エネル
ギー吸収体と、振動減衰機能を有しないが、振動緩和機
能を有し、かつ温度依存性の問題を殆ど有しないばね剛
性が明確に規定された金属ばねとを直列に接合し、両部
材の共同作用で振動減衰を行わせる。
【0033】すなわち、粘弾性ブレースに振動が作用し
たとき、金属ばねの弾性限界内で、当該金属ばねが振動
緩衝作用を行い、金属ばねの弾性限界内および、弾性限
界を超えたときに、振動が緩和されながら粘弾性部材に
伝達される。
【0034】このように、地震等の振動が、金属ばねで
緩衝されながら振動エネルギー吸収体の粘弾性材料に伝
達されるように構成したことで、粘弾性ブレースの設置
された環境温度が変化し、粘弾性材料の減衰機能が変化
したときも、結果として、粘弾性材料の温度依存性を緩
和でき、粘弾性材料が高温により軟化したときも、低温
により硬化したときのいずれも、金属ばねで振動が緩和
されながら粘弾性材料に伝達されるので、温度変化によ
る粘弾性材料の軟化、硬化による振動減衰機能の変化の
影響が現れる度合を少なくできる。とくに、低温度下で
粘弾性材料が硬化し、軸力が増大して、振動作用により
粘弾性材料が破断されるおそれがあるような場合に、そ
の有効性が発揮される。
【0035】このように、本発明によると、粘弾性ブレ
ースの設置された環境温度が変化しても、一定の振動減
衰効果を期待できるようになり、もって、当該粘弾性ブ
レースを建物に適用した構造体の振動特性を安定させる
ことができ、一方で、粘弾性ブレース自身も作用軸力が
軽減されることで、コスト的に経済的な粘弾性ブレース
を実現できる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態〜第
7実施形態を、図1〜図12を参照して説明する。
【0037】各実施形態に共通する点は、何れの粘弾性
ブレースも、粘弾性材料を主要素としているために温度
の影響を受けやすい振動エネルギー吸収体と、温度の影
響を受けにくいばね剛性が明確に規定された金属ばねと
を直列に接合して構成している点である。また、各実施
形態で相違する点は、振動エネルギー吸収体および金属
ばねの構成をそれぞれ異にしている点である。
【0038】(第1実施形態)図1は本発明の第1実施
形態を示す。図1に示すように、粘弾性ブレース2は、
粘弾性材料3を主要素とする振動エネルギー吸収体4
と、当該振動エネルギー吸収体4に直列に接合された高
温での影響を受けにくい金属製コイルばね5とから構成
されている。振動エネルギー吸収体4は前述の粘弾性材
料3を第1鋼部材6の両側に配置し、この粘弾性材料3
を2枚の第2鋼部材7で挟んで構成される。前記第2鋼
部材7と金属製コイルばね5の一端が連結され、金属製
コイルばね5の他端は固定部材8を介して、一方の柱梁
にボルト等によりピン結合され、また、第1鋼部材6
は、他方の柱梁にボルト等によりピン結合される。
【0039】前記金属製コイルばね5の剛性は、詳細は
後述するが、気温20℃の下で振動エネルギー吸収体4
の約0.5倍〜4.0に設定する。第1実施形態の粘弾
性ブレース2の第1鋼部材6と固定部材8には、それぞ
れボルト孔12が開設されていて、このボルト孔12を
介して、第1鋼部材6と固定部材8は、図8に示すよう
に建物13の柱10と上下階の梁1の接合部に配設され
たガセットプレート14にボルト結合される。
【0040】第1実施形態において、建物13に地震力
が作用し、それに伴って粘弾性ブレース2を伸長または
収縮させる力が作用したとき、当該粘弾性ブレース2の
粘弾性材料3と金属製コイルばね5のそれぞれが伸長ま
たは収縮することで、その共同作用により、振動エネル
ギーを吸収し減衰作用を奏する。
【0041】粘弾性ブレース2が伸長・収縮することで
振動エネルギーを吸収し、減衰作用を奏すとき、金属製
コイルばね5が、常時緩衝機能している。金属製コイル
ばね5の剛性を振動エネルギー吸収体4の剛性よりも大
きく設定してもよく、あるいは小さく設定してもよく、
あるいはまた同様な剛性に設定するようにしてもよい。
何れに設定するかは、使用する場所、条件により適宜選
択して構わない。
【0042】本発明において最も重要なことは、前述の
とおり、常時緩衝機能し、かつ温度変化の影響を受けに
くい金属製コイルばね5と、温度変化の影響を受けやす
い振動エネルギー吸収体4を直列接合することで、両部
材が共同して減衰機能を奏すように構成していることで
ある。そして、このように構成した粘弾性ブレース2
が、建物13の規模に応じて、全体としてこの建物13
の制振に必要な大きさの振動エネルギーを吸収できる容
量に設定されていればよい。
【0043】図2は、本発明の第2実施形態を示す。こ
の第2実施形態が第1実施形態と相違する点は、振動エ
ネルギー吸収体4と金属製コイルばね5との結合構造で
ある。第1実施形態では2枚平行に配置の第2鋼部材7
の各端部に2つの金属製コイルばね5がそれぞれ結合さ
れている。これに対し、第2実施形態では、2枚平行に
配置の第2鋼部材7の間にスペーサ15を介して連結鋼
部材16が配置され、この連結鋼部材16に1つの金属
製コイルばね5が連結され、この金属製コイルばね5に
第1実施形態と若干形状が異なる固定部材8が結合され
ている点である。他の構造は第1実施形態と同じであ
る。
【0044】図3は、本発明の第3実施形態を示す。こ
の第3実施形態では、連結鋼部材17で端部が結合され
た3枚の第1鋼部材6が所定の間隙を介して平行に配置
されており、第1鋼部材6の各間隙に、連結鋼部材18
で端部が結合され、所定の間隙を介して平行に配置され
た2枚の第2鋼部材7が挿入され、櫛歯状に互いに噛合
った各第1鋼部材6と第2鋼部材7間の複数の間隙に、
それぞれ粘弾性材料3を介在させた点である。他の構成
は第1、第2実施形態と同じである。
【0045】第3実施形態によると、一つの粘弾性ブレ
ース2において、4層の粘弾性材料3が配置されている
分、粘弾性材料3が2層の粘弾性ブレース2に比べて振
動エネルギー吸収機能が向上している。
【0046】図4(a)〜(c)は、本発明の第4実施
形態を示す。この第4実施形態では、第1鋼部材6aが
H形鋼で構成されており、第2鋼部材7aは、前記H形
鋼を間隙を介して取囲むように2つの溝形鋼19を向い
合わせて配置し、かつ両溝形鋼19の間を蓋板20で連
結して構成され、そして、H形鋼の両フランジと両溝形
鋼のウェブの間に粘弾性材料3が介在されている。
【0047】また、第2鋼部材7aの他端部には、スペ
ーサ15を介してH形鋼からなる連結鋼部材16aが配
設されて振動エネルギー吸収体4が構成されており、こ
の連結鋼部材16aとH形鋼からなる固定部材8aの間
が金属製コイルばね5で連結されて粘弾性ブレース2が
構成されている。
【0048】第4実施形態では、第2鋼部材7aが両溝
形鋼19と蓋板20で閉断面に構成されており、その内
部において、第1鋼部材6aと第2鋼部材7aの間に粘
弾性材料3介在されているので、粘弾性材料3を破断す
るまで変形させるような大きな振動が作用したときも、
粘弾性材料3は閉断面の内部で拘束され、前述の大きな
振動によっても破断するまで変形することがない。
【0049】図5(a)〜(c)は、本発明の第5実施
形態を示す。この第5実施形態では、2つの溝形鋼19
を向い合わせて配置した第2鋼部材7aの端部に、フラ
ットな鋼板からなる連結鋼部材16が配置されていて、
この連結鋼部材16とH形鋼からなる固定部材8aの間
が金属製コイルばね5で連結されて粘弾性ブレース2が
構成されている点が第4実施形態と相違し、他の構成は
第4実施形態と同じである。
【0050】図6(a)〜(c)は、本発明の第6実施
形態を示す。この第6実施形態では、振動エネルギー吸
収体4の構成と、金属製コイルばね5の構成が第1〜第
5実施形態と相違している。
【0051】第6実施形態の粘弾性ブレース2は、図6
(a)〜(e)に示すように、閉断面に構成された複数
層の鋼部材と各層間に介在される複数の粘弾性材料から
構成される。同図において、最内側には角形鋼管からな
る第2内側鋼部材7cが設けられ、最外側には、第2内
側鋼部材7cの外方を取囲むようにして、かつ端部を対
向させた一対の溝形鋼21を配置し、両溝形鋼21の間
を蓋板22で結合することで閉断面に構成された第2外
側鋼部材7dが設けられている。第2内側鋼部材7cの
端部と第2外側鋼部材7dの中間部の間は、第2内側鋼
部材7cとこれに当接された一対の連結鋼部材16cを
複数のボルト23で結合し、かつ各連結鋼部材16cと
第2外側鋼部材7dの間を溶接することで結合されてい
る。
【0052】また、第2の内外側の鋼部材7c、7dの
間には、両鋼部材7c、7dとの間に間隙を有して、か
つ端部を対向させて溝形鋼21cを配置し、その端部を
連結鋼部材16bで結合してなる第1鋼部材6bが設け
られている。そして、第1鋼部材6bの溝形鋼21cと
第2の内外側の鋼部材7c、7dとの間に形成される複
数層の間隙に粘弾性材料3が介在されている。連結鋼部
材16bにはボルト孔24を有する固着板25が設けら
れている。この振動エネルギー吸収体4の作用効果は、
図4に示した第4実施形態の振動エネルギー吸収体4と
同じである。
【0053】第6実施形態においては、金属ばねが第1
〜第5実施形態のものと異なり、第1皿ばね26aと第
2皿ばね26bで構成されている。更に説明すると、第
2最外側鋼部材7cの両溝形鋼21の端部の内側には係
止仕切り板27が固着されていて、この係止仕切り板2
7に開設された複数のガイド孔28に長尺の軸棒(螺
杆)29が挿通されている。軸棒29の一端は固定部材
8のフラット部30に開設されたボルト孔31に挿通さ
れ、その先端のネジ部に係止ナット32が締結されてい
る。軸棒29の他端は、第2最外側鋼部材7cの内側に
可動的に位置する可動係止板33に開設されたボルト孔
31に挿通され、その先端のネジ部に係止ナット32が
締結されている。
【0054】第1皿ばね26aは、係止仕切り板27と
可動係止板33の間に配置され、鋼製板片からなる複数
の皿ばね部材を1枚づつあるいは複数枚づつ反転して交
互に積層し、各皿ばね部材に開設されたボルト孔に軸棒
29を挿通して構成される。第2皿ばね26bは、係止
仕切り板27と固定部材8のフラット部30の間に配置
され、鋼製板片からなる複数の皿ばね部材を積層し、各
皿ばね部材に開設されたボルト孔に軸棒29を挿通して
構成される。また軸棒29間において、複数(図示の場
合は3つ)のストッパボルト11が平行に配置されて、
その各中間部が係止仕切り板27の透孔に挿通され、前
記各ストッパボルト11の先端側が前記フラット部30
または可動係止板33の透孔に挿通されて、前記各スト
ッパボルト11に螺合すると共に、前記フラット部30
または可動係止板33に係合するナット11aにより、
可動係止板33または前記フラット部30が、係止仕切
り板27から所要以上離れるのを防止している。
【0055】第6実施形態の粘弾性ブレース2に、地震
等により引張力が作用したとき、振動エネルギー吸収体
4の粘弾性材料3が一方に変形し、かつ係止仕切り板2
7と可動係止板33の間が狭まり、第1皿ばね26aが
圧縮変形することで制振作用が奏される。反対に、粘弾
性ブレース2に圧縮力が作用したとき、振動エネルギー
吸収体4の粘弾性材料3は他方に変形し、かつ係止仕切
り板27と固定部材8のフラット部30の間が狭まり、
第2皿ばね26bが圧縮変形することで制振作用が奏さ
れる。
【0056】前述のように、第6実施形態の粘弾性ブレ
ース2では、地震等により作用する引張力・圧縮力に対
し、振動エネルギー吸収体4と共同して、第1皿ばね2
6aと第2皿ばね26bが交互に圧縮変形することで制
振作用が奏される。
【0057】図7(a)〜(b)は、本発明の第7実施
形態を示す。この第7実施形態では、振動エネルギー吸
収体4の構成は第6実施形態のものと同じであるが、金
属ばねの構成が第6実施形態と相違していて、当該金属
ばねを梁部材で構成している。
【0058】第7実施形態の粘弾性ブレース2では、図
7に示すように、金属ばねは、所定長の第1、第2の2
本の梁製ばね36a、36bを、振動エネルギー吸収体
4の軸線と直角配置で、かつ可撓間隙35を空けて平行
に配設して構成される。さらに説明すると、2本の梁製
ばね36a、36bは、H形鋼を所定長に切断して構成
されており、その両端部のフランジを当該梁製ばね36
a、36bを連結する連結軸37が貫通しており、連結
軸37先端のネジ部にナット38を締結している。さら
に2つの梁製ばね36a、36bの間には、半円弧状面
または半球面が互いに接触するようにして半球状支点部
材39が配置されていて、連結軸37がこの半円柱状ま
たは半球状支点部材39間においてフランジを貫いて設
けられている。
【0059】第1の梁製ばね36aの一方のフランジの
中間部に連結プレート40が固定してあり、この連結プ
レート40が粘弾性ブレース2における第2最外側鋼部
材7cの両溝形鋼21の端部の内側に固着された連結鋼
部材16dに溶接で接合されている。また、第2の梁製
ばね36bの一方のフランジの中間部に固定部材8bが
固着されている。
【0060】第7実施形態の粘弾性ブレース2に、地震
等により引張力が作用したとき、振動エネルギー吸収体
4の粘弾性材料3が一方に変形し、かつ第1、第2の梁
製ばね36a、36bは、両端の半球状支点部材39が
支点となって、2点鎖線(イ)で示すように中間部が円
弧状に膨らむように湾曲して撓むことでばね作用を発揮
し、制振作用が奏される。
【0061】粘弾性ブレース2に圧縮力が作用したとき
は、振動エネルギー吸収体4の粘弾性材料3が他方に変
形し、かつ振動エネルギー吸収体4の粘弾性材料3一方
に変形し、かつ第1、第2の梁製ばね36a、36b
は、両端の半球状支点部材39が支点となって、2点鎖
線(ロ)で示すように中間部が互いに近接するよう円弧
状に湾曲して撓むことでばね作用を発揮し、制振作用が
奏される。
【0062】(実施形態の作用)本発明の実施形態によ
ると、例えば振動数f=0.5Hzの地震等の外力が作
用した場合、図9に示すように、振動エネルギー吸収体
4の軸剛性をKd、直列に接合された金属ばね5の軸剛
性をKcとすると、Kc/Kdが20℃で0.5から4
となる粘弾性ブレース2の最大軸力を図10に示す。ま
た、粘弾性ブレース2(振動エネルギー吸収体4+金属
ばね5)の剛性を図11に、さらに、粘弾性ブレース2
(振動エネルギー吸収体+金属ばね)の減衰係数を図1
2に示す。
【0063】図10から、粘弾性ブレースの軸力は、金
属ばねの軸剛性が極めて大きい場合(Kc=Rigi
d、金属ばねが接合されず直接構造体に接合された場合
に相当する)には、温度が低くなるにしたがって急激に
増大することが分かる。この急増する軸力により粘弾性
ブレースが破壊される恐れがある。図9において、軸剛
性(Kc)が145KN/mm(Kc/Kd=3.7
3)、108KN/mm(Kc/Kd=2.72)、7
3KN/mm(Kc/Kd=1.76)、36KN/m
m(Kc/Kd=0.8)である。すなわち、Kc/K
dが0.5〜4となるような金属ばねを振動エネルギー
吸収体に直列に接合することにより、低温度、例えば、
10℃において急激な軸力の増大を抑制することができ
る。また、温度が高くなると直列に接合される金属ばね
の影響は低温度に比べ小さくなり、結果として粘弾性の
温度依存性を緩和させる作用、効果がある。
【0064】図11及び図12において、粘弾性ブレー
ス2(振動エネルギー吸収体4+金属ばね5)の軸剛性
や減衰係数についても軸力の場合と同様に、金属ばね5
を直列に接合することにより,低温度で過大になること
を防止することができる。また高温度での金属ばねの影
響は小さくなり、温度依存性が緩和される。
【0065】以上の粘弾性ブレース2の温度依存性が緩
和されることにより、前記粘弾性ブレースを建物に適用
した構造体の振動特性を安定させることができ、一定の
振動減衰効果を期待できるようになり、一方で、粘弾性
ブレース自身も作用軸力が軽減されることでコスト的に
経済的な粘弾性ブレースを実現できる。
【0066】なお、本発明において重要なことは、温度
変化の影響を受けやすい粘弾性材料を主要素とする振動
エネルギー吸収体4に、温度変化の影響を受けにくいば
ね剛性が明確に規定された金属ばね5を直列に組合わせ
る点であり、振動エネルギー吸収体4の構成は、図1〜
図8に示した例に限らず、図16〜図18に示す振動エ
ネルギー吸収体に、図1〜図8に示す金属ばね5を直列
に組合わせて粘弾性ブレース2を構成してもよいことは
いうまでもない。なお、前記各実施形態において、各金
属ばね5は、初期張力または初期圧縮を付与しない状態
で配置するのが好ましい。
【0067】
【発明の効果】本発明では、振動減衰機能を有するが、
温度の影響を受けやすい粘弾性材料を主要素とする振動
エネルギー吸収体と、振動減衰機能を有しないが、振動
緩和機能を有し、かつ温度依存性の問題を殆ど有しない
ばね剛性が明確に規定された金属ばね等の弾性ばねとを
直列に接合し、温度にかかわらず常時緩衝するように作
用する金属ばね等の弾性ばねが介在されて、両部材の共
同作用で振動減衰を行わせるから、環境温度の変化によ
り減衰機能が変化した条件下で粘弾性ブレースに振動が
作用したときも、その振動を温度依存性のない金属ばね
を介して緩和して粘弾性材料に作用させることができる
ので、結果として、粘弾性材料の温度依存性を緩和で
き、とくに、低温度下で粘弾性材料が硬化し、軸力が増
大していて、振動作用により粘弾性材料が破断されるお
それがあるような場合にも、円滑な振動減衰機能を発揮
できる。
【0068】このように、本発明によると、粘弾性ブレ
ースの設置された環境温度が変化しても、一定の振動減
衰効果を期待できるようになり、もって、当該粘弾性ブ
レースを建物に適用した構造体の振動特性を安定させる
ことができ、一方で、粘弾性ブレース自身も作用軸力が
軽減されることで、コスト的に経済的な粘弾性ブレース
を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態として、振動エネルギー
吸収体と金属ばねが直列接合された粘弾性ブレースを示
すものであって、(a)は側面図、(b)はその正面図
である。
【図2】本発明の第2実施形態の粘弾性ブレースを示す
ものであって、(a)は側面図、(b)はその正面図で
ある。
【図3】本発明の第3実施形態の粘弾性ブレースを示す
ものであって、(a)は側面図、(b)はその正面図で
ある。
【図4】本発明の第4実施形態の粘弾性ブレースを示す
ものであって、(a)は側面図、(b)はその側面図、
(c)は(a)のA−A線断面図である。
【図5】本発明の第5実施形態の粘弾性ブレースを示す
ものであって、(a)は縦断側面図、(b)はその側面
図である。
【図6】本発明の第6実施形態の粘弾性ブレースを示す
ものであって、(a)は縦断側面図、(b)はその縦断
正面図、(c)は平面図、(d)は(a)のB−B線断
面図、(e)は(a)のC−C線断面図である。
【図7】本発明の第7実施形態の粘弾性ブレースを示す
ものであって、(a)は側面図、(b)はその縦断正面
図である。
【図8】本発明に係る粘弾性ブレースの使用例の一形態
を示す図である。
【図9】本発明における振動エネルギー吸収体の軸剛性
(Kd)と金属ばねの軸剛性(Kc)との割合と温度と
の関係を示す説明図である。
【図10】本発明における粘弾性ブレースの最大軸力と
温度との関係を示す説明図である。
【図11】本発明における粘弾性ブレースの等価軸剛性
と温度との関係を示す説明図である。
【図12】本発明における粘弾性ブレースの等価減衰係
数と温度との関係を示す説明図である。
【図13】従来の粘弾性ブレースの適用例を示す図で、
(イ)は一つの例、(ロ)は別の例、(ハ)はもう一つ
別の例である。
【図14】従来の粘弾性ブレースの第1従来例を示す図
で、(イ)は縦断面図、(ロ)は同図(イ)のD−D断
面図(第1心材43及び第2心材44がH形鋼)の一
例、(ハ)は同じくD−D断面図(第1心材43及び第
2心材44が角形鋼管)の別の例、(ニ)は同じくD−
D断面図(第1心材43及び第2心材44が円形鋼管)
のもう一つ別の例である。
【図15】従来の粘弾性ブレースの第2従来例を示す図
で、(イ)は縦断面図、(ロ)は同図(イ)のE−E断
面図(第1心材43及び第2心材44がH形鋼)の一
例、(ハ)は同じくE−E断面図(第1心材43及び第
2心材44が角形鋼管)の別の例、(ニ)は同じくE−
E断面図(第1心材43及び第2心材44が円形鋼管)
のもう一つ別の例である。
【図16】従来の粘弾性ブレースの第3従来例を示す図
で、(イ)は縦断面図、(ロ)は同図(イ)のF−F断
面図(第1心材43及び第2心材44がH形鋼)の例で
ある。
【図17】図(イ)は、図16(イ)のG−G断面図、
図(ロ)は第3従来例の第1変形例の断面図である。
【図18】従来の第3従来例の第2変形例の断面図であ
る。
【図19】従来の粘弾性ブレースの温度依存性を示す説
明図である。
【符号の説明】
1梁 2 粘弾性ブレース 3 粘弾性材料 4 振動エネルギー吸収体 5 金属製コイルばね 6 第1鋼材 7 第2鋼材 8 固定部材 10 柱 11 ストッパボルト 11a ナット 12 ボルト孔 13 建物 14 ガッセットプレート 15 スペーサ 16 連結鋼部材 17 連結部材 18 連結部材 19 溝形鋼 20 蓋板 21 溝形鋼 22 蓋板 23 ボルト 24 ボルト孔 25 固着板 26a 第1皿ばね 26b 第2皿ばね 27 係止仕切り板 28 ガイド孔 29 軸棒 30 フラット部 31 ボルト孔 32 係止ナット 33 可動係止板 34 ボルト孔 35 間隙 36a 第1梁製ばね 36b 第2梁製ばね 37 連結軸 38 ナット 39 半球上支点部材 40 連結プレート 41 建築物の骨組 42 粘弾性ブレース 43 第1心材 44 第2心材 46 第1溝形鋼 47 第2溝形鋼 48 第3溝形鋼 49 第1粘弾性体シート 50 第2粘弾性体シート 51 第3粘弾性体シート 52 第2溝形鋼固定材 53 第1溝形鋼固定材 54 第3溝形鋼固定材 55 第1心材連結用穴 56 第2心材連結用穴 57 蓋 59 第1内部溝形鋼 60 第2内部溝形鋼 63 第1内部溝形鋼固定材 64 第2内部溝形鋼固定材 67 第1半円形鋼板 68 第2半円形鋼板 69 第3半円形鋼板 70 伸縮用間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E125 AA04 AA14 AA33 AB01 AB05 AB16 AC15 AC16 AG45 AG57 BE10 CA05 CA64 CA89 EA25 3J066 AA26 BB01 BB04 BC05 BD01 BD05 BD07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱、梁で構成される建築構造物のブレー
    ス材であって、当該ブレース材は、粘弾性材料と鋼部材
    が交互に積層された振動エネルギー吸収体と弾性ばねと
    が直列に接合されてなり、前記弾性ばねの剛性が、略2
    0℃の下で前記振動エネルギー吸収体の剛性の0.5倍
    から4倍の範囲に設定されていることを特徴とする粘弾
    性ブレース。
  2. 【請求項2】 前記弾性ばねは、金属製のコイルばね又
    は皿ばね、あるいは単純支持された梁製ばねである請求
    項1に記載の粘弾性ブレース
  3. 【請求項3】 前記振動エネルギー吸収体は、各種の形
    鋼、角形鋼管又は円形鋼管からなる第1鋼部材及び第2
    鋼部材が伸縮間隙を介して直列配置され、前記第1鋼部
    材の側面に、当該第1鋼部材を包囲して対向配置した溝
    形鋼又は半円形鋼板と粘弾性材料を交互に積層固着し、
    前記溝形鋼又は半円形鋼板の端部は交互に前記第2鋼部
    材と第1鋼部材に固着されている請求項1〜2の何れか
    1項に記載の粘弾性ブレース。
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