本発明の一実施形態の入賞装置は図1に示すパチンコ機1に適用されるものである。このパチンコ機1について、図1,図2を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ機1の各部の左右方向は、そのパチンコ機に対面する遊技者にとっての左右方向である。
図1に示すように、パチンコ機1は、遊技場の島設備に設置され上下方向に長い矩形状の枠体から成る機枠2と、この機枠2に開き戸状に開閉自在に取り付けられた枠体から成る本体枠3と、この本体枠3の内側に装着された遊技盤30(後述)と、開き戸状に開閉自在なガラス窓4aを中央に有し、本体枠3の前面に開き戸状に開閉自在に取り付けられたガラス扉4と、本体枠3の下側に開き戸状に開閉自在に設けられ、遊技球を収容する受皿6を有する前面ボード5と、本体枠3の下側に設けられ前面ボード5に覆われた遊技球の発射装置(図示してない)と、前面ボード5に回動操作が可能に設けられたハンドル7と、ガラス扉4の左上部、右上部のそれぞれに設けられたスピーカ8と、前面ボード5の左部に設けられた大型スピーカ9とを備える。前面ボード5の受皿6に収容された遊技球は、発射装置に1個ずつ供給されるようになっている。発射装置は、ハンドル7の回動操作に応じた発射強度で遊技球を遊技領域31(後述)発射するよう制御されるようになっている。
図2に示すように、遊技盤30は、その前面に遊技球が流下する遊技領域31を備える。この遊技領域31は、発射装置から発射された遊技球を遊技領域31に向かって滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33とによって、遊技盤30の前面に略円形状に区画形成されている。この遊技領域31を遊技者はガラス窓4aを通じて観察することができる。
遊技領域31内には、特別図柄表示装置41と、普通図柄表示装置42と、演出表示装置50、第1始動入賞口61と、第2始動入賞口62と、スルーチャッカ63と、電動チューリップ64と、一般入賞口65と、アタッカー装置66と、アウト口67とが設けられている。これらの他にも、遊技領域31内には風車、遊技釘等が設けられているが、それらの図示は省略した。
第1,第2始動入賞口61,62は、特別図柄に係る当否の抽選の契機を生じさせるためのものである。特別図柄表示装置41は演出表示装置50を見る遊技者の視界に入りにくいよう演出表示装置50から右下方に離れて位置し、特別図柄に係る当否の抽選の結果に基づき制御されて特別図柄を所定時間変動させた後に停止させる。
スルーチャッカ63は、遊技球が通過可能なゲート構造を成す。このスルーチャッカ63は、普通図柄に係る当否の抽選の契機を生じさせるためのものである。普通図柄表示装置42は特別図柄表示装置41に隣接して位置し、普通図柄に係る当否の抽選の結果に基づき制御されて普通図柄を所定時間変動させた後に停止させる。
電動チューリップ64は、第2始動入賞口62の入口に設けられ、遊技盤30の面に直交する軸を中心に回動する1対の羽根部材とを備えるものである。この電動チューリップ64は、普通図柄に係る抽選で普図当りに当選した場合に、1対の羽根部材が開くよう、すなわち第2始動入賞口62の入口が拡大されるよう制御される。
演出表示装置50は遊技盤30の略中央部に設けられた液晶表示装置から成り、特別図柄の変動時間に対応する所定の態様の演出表示など、遊技を演出する表示を行うよう制御される。
アタッカー装置66は、電動チューリップ64の下方に設けられている。このアタッカー装置66は、大入賞口(図示してない)と、この大入賞口を開閉する開閉体(図示してない)を備える。開閉体が開いた状態は大入賞口への遊技球の入賞が可能な状態であり、開閉体が閉じた状態は大入賞口への遊技球の入賞が不可能な状態である。パチンコ機1において、アタッカー装置66は、特別図柄に係る当否の抽選で特図当りに当選した場合に、所定ラウンド数(所定回数)だけ開閉するよう制御され、これによって遊技者に大当り遊技が提供される。
パチンコ機1は、第1,第2始動入賞口61,62、大入賞口、一般入賞口65への遊技球の入賞に基づき、それぞれの入賞口に予め対応付けられた個数の賞球を受皿6に払い出すようになっている。
アウト口67は遊技領域31の最下部に位置し、第1,第2始動入賞口61,62、一般入賞口65、アタッカー装置66の大入賞口の何れにも入賞しなかった遊技球を、遊技盤30の裏面側に排出するための開口である。
本発明の入賞装置の一実施形態は図3に示す入賞装置100であり、前述のアタッカー装置66に適用されるものある。入賞装置100の構成の詳細を図3〜図9を用いて次に説明する。
図3に示すように、入賞装置100は、左右方向に長い矩形に形成された入賞口102(前述の大入賞口)を前面に有する筺体101と、筺体101に着脱可能に実装され入賞口102を開閉する開閉体120と、筺体101に着脱可能に実装され開閉体120を駆動する駆動装置130と、筺体101に設けられて筺体101内から筺体101外に遊技球を導く排出口(後述)と、筺体101の内部に設けられて入賞口102から排出口に遊技球を導く通路(後述)と、筺体101に実装され、入賞口102から筺体101内に流入した遊技球を検知する入賞検知センサ(後述)とを備える。図3は、開閉体120が開いた状態を示している。
図3(b)に示すように、筺体101は、入賞口102およびアウト口67の周囲を装飾する意匠板140が取り付けられる取付部103,104を備える。取付部103は筺体101の右側部に突出して設けられていて、取付用ネジ105が挿通される取付用貫通孔103a(図6(b),図7(b)参照)を備える。取付部104は筺体101の左側部に突出して設けられていて、取付用ネジ106が挿通される取付用貫通孔104a(図6(b),図7(b)参照)を備える。入賞装置100において、取付部103,104は、筺体101の下部を構成する下側部材300(詳細は後述)に設けられているが、筺体101の上部を構成する上側部材200(詳細は後述)に設けられていてもよい。なお、意匠板140は入賞装置100の構成部品に含まれない。
意匠板140は背面に、後方向に突出して設けられた円筒部141,142を備える。円筒部141の内周面には取付用ネジ105が捩じ込まれる雌ネジ(図示してない)が設けられ、円筒部142の内周面には、取付用ネジ106が捩じ込まれる雌ネジ(図示してない)が設けられている。つまり、意匠板140は、筺体101にネジ止めにより取り付けられている。入賞装置100は遊技領域31に設けられた状態において、筺体101の前面と意匠板140の背面との間で前述の遊技盤30を挟んで位置する。
筺体101にはダブルタイプとシングルタイプとの2種類がある。ダブルタイプの筺体は、排出口および通路を2個ずつ備えるとともに、それら2個の通路のそれぞれに入賞検知センサが1個ずつ実装されるものである。シングルタイプの筺体は、排出口および通路を1個ずつ備えるとともに、その通路に1個の入賞検知センサが実装されるものである。
筺体101は、上側部材200と下側部材300とを着脱可能に結合して成る。上側部材200は筺体101の上部を構成し、下側部材300は筺体101の下部を構成する。これら上側部材200と下側部材300は透明な合成樹脂製の部材である。上側部材200は、ダブルタイプの筺体とシングルタイプの筺体とに共通の構成部品であり、下側部材300には、図4(a),(b)を比較して分かるように、ダブルタイプの筺体に専用のダブルタイプの下側部材400と、シングルタイプの筺体に専用のシングルタイプの下側部材600との2種類がある。
筺体101の上面を成す上側部材200の上板部201には、遊技球が通過可能な通路用円筒部202が下方向に突出して設けられている。この通路用円筒部202の上端部は、上板部201の上面において開口している。筺体101の下面を成すダブルタイプの下側部材400の下板部401およびシングルタイプの下側部材600の下板部401には、通路用円筒部202と同径の通路用円筒部402が上方向に突出して設けられている。この通路用円筒部402は下板部401の下面において開口している。上側部材200とダブルタイプの下側部材400またはシングルタイプの下側部材600とが結合した状態において、通路用円筒部202の下端部と通路用円筒部402の上端部とは突き合わされた状態となり、これによって、通路用円筒部202,402はダブルタイプの筺体またはシングルタイプの筺体を上下方向に貫通する円筒面状の通路107を成す。この通路107は、前述の第2始動入賞口62に入賞した遊技球を回収するための遊技球の通路の一部として用いられる。
ダブルタイプの下側部材400と上側部材200と着脱可能に結合する手段と、シングルタイプの下側部材600と上側部材200を着脱可能に結合する手段とに係る入賞装置100の構成を次に説明する。
図3に示すように、上側部材200の上板部201には、図5(c)に示すように4個の結合用円筒部211〜214が下方向に突出して設けられている。これら結合用円筒部211〜214のそれぞれは、上板部201の上面において開口していて、図3等に示すように結合用ネジ221〜224のそれぞれが挿通される。
図6(a)に示すように、ダブルタイプの下側部材400の下板部401には、4個の結合用円筒部411〜414が上方向に突出して設けられている。これらの結合用円筒部411〜414のそれぞれの上端部の内周面には、雌ネジ(図示してない)が設けられている。図7(a)に示すように、シングルタイプの下側部材600にも、ダブルタイプの下側部材400と同じく、4個の結合用円筒部411〜414が設けられている。上側部材200の結合用円筒部211〜214のそれぞれの下端部と、ダブルタイプの下側部400またはシングルタイプの下側部材600の材結合用円筒部411〜414のそれぞれの上端部とが突き合わされた状態で、上側部材200の上板部201の上方から結合用円筒部211〜214のそれぞれに結合用ネジ221〜224のそれぞれが挿入され、結合用円筒部411〜414のそれぞれの雌ネジに捩じ込まれる。これにより、ダブルタイプの下側部材400、または、シングルタイプの下側部材600は、ネジ止めにより上側部材200と着脱可能に結合される。
つまり、ダブルタイプの下側部材400と上側部材200を着脱可能に結合する手段と、シングルタイプの下側部材600と上側部材200を着脱可能に結合する手段は、結合用円筒部211〜214と、結合用円筒部411〜414の雌ネジの全てと、結合用ネジ221〜224とから構成された共通のものである。
入賞口102に係る入賞装置100の構成の詳細を次に説明する。
上側部材200は、図5(b),(c)に示すように、上板部201から下方向に突出して設けられ、入賞口102の上半分の右側面を成す右側壁部231と、上板部201から下方向に突出して設けられ、入賞口102の上半分の左側面を成す左側壁部232と、これら右側壁部231と左側壁部232との間の箇所に上板部201から下方向に突出して設けられ、入賞口102の上半分の奥行きを遊技球の直径(11mm)と略等しく規定する奥側壁部233とを備える。
ダブルタイプの下側部材400は、図6(a),(b)に示すように、下板部401から上方向に突出して設けられ、入賞口102の下半分の右側面を成す右側壁部421と、下板部401から上方向に突出して設けられ、入賞口102の下半分の左側面を成す左側壁部422と、これら右側壁部421と左側壁部422の間の箇所に下板部401から上方向に突出して設けられ、入賞口102の下半分の奥行きを遊技球の直径(11mm)と略等しく規定する奥側壁部423とを備える。
図8に示すように、上側部材200とダブルタイプの下側部材400とが結合してダブルタイプの筺体を成した状態において、右側壁部421の上端部、左側壁部422の上端部、および、奥側壁部423の上端部のそれぞれと、上側部材200の右側壁部231の下端部、左側壁部232の下端部、および、奥側壁部233の下端部のそれぞれとは突き合わされた状態となる。この状態において、上側部材200の上板部201、右側壁部231、左側壁部232および奥側壁部233と、ダブルタイプの下側部材400の下板部401、右側壁部421、左側壁部422および奥側壁部423とに囲まれた空間が入賞口102である。
シングルの下側部材600は、図7(a),(b)に示すように、ダブルタイプの下側部材400と同じく右側壁部421および左側壁部422を備えるとともに、ダブルタイプの下側部材400の場合とは異なる奥側壁部623(詳細は後述する)を備える。図9に示すように、上側部材200とシングルタイプの下側部材600とが結合してシングルタイプの筺体を成した状態において、右側壁部421の上端部、左側壁部422の上端部、および、奥側壁部623の上端部のそれぞれと、上側部材200の右側壁部231の下端部、左側壁部232の下端部、および、奥側壁部233の下端部のそれぞれとは突き合わされた状態となる。この状態において、上側部材200の上板部201、右側壁部231、左側壁部232および奥側壁部233と、シングルタイプの下側部材600の下板部401、右側壁部421、左側壁部422および奥側壁部623とに囲まれた空間が入賞口102である。
図6(a),(b),図8に示すように、ダブルタイプの筺体における入賞口102の底面430は、この底面430の中央から右方向に下り傾斜を成す右側斜面431と、この右側斜面431の右側に平坦に広がった右側平坦面432と、この右側平坦面432から右側壁部231に向かって隆起した右側隆起部433と、底面430の中央から左方向に下り傾斜を成す左側斜面434と、この左側斜面434の左側に平坦に広がった左側平坦面435と、この左側平坦面435から左側壁部422に向かって隆起した左側隆起部436とから構成される。右側隆起部433および左側隆起部436は、入賞口102内における遊技球の詰まりの防止のために形成されたものである。
図7(a),(b),図9に示すように、シングルタイプの筺体における入賞口102の底面630は、ダブルタイプの筺体における入賞口102の底面430と同じく、右側平坦面432および右側隆起部433を備えるが、左側斜面434、左側平坦435面および左隆起部436を備えず、これらの代わりに、左側壁部422から右側平坦面432に向かって下り傾斜を成す大斜面637を備える。
開閉体120に係る入賞装置100の構成の詳細を次に説明する。
図4(a),(b)に示すように、開閉体120は、入賞口102を塞ぐことが可能な矩形の板状の蓋部121と、この蓋部121の右側部に設けられた右側板部122と、蓋部121の左側部に設けられた左側板部123とを備える。この開閉体120は合成樹脂製の部材である。
開閉体120の右側板部122には、金属製の円柱状の開閉体用軸ピン124が右方向に突出して設けられている。開閉体120の左側板部123には、金属製の円柱状の開閉体用軸ピン(図示してない)が左方向に突出して設けられている。右側の開閉体用軸ピン124と左側の開閉体用軸ピンは同軸上に位置する。
図6(a)に示すように、ダブルタイプの下側部材400の右前部には、右側の開閉体用軸ピン124が挿入される軸ピン受部411が設けられている。この軸ピン受部411は左右方向に延び下方向に凹んだ溝から成る。軸ピン受部411の左端部は開口していて、軸ピン受部411の右端部は壁面441aにより閉じられている。ダブルタイプの下側部材400の左前部には、左側の開閉体用軸ピンが挿入される軸ピン受部442が設けられている。この軸ピン受部442も軸ピン受部441と同様に、左右方向に延び下方向に凹んだ溝から成る。軸ピン受部442の右端部は開口していて、軸ピン受部442の左端部は壁面442aにより閉じられている。
図7(a)に示すように、シングルタイプの下側部材600にもダブルタイプの下側部材400と同じく、軸ピン受部441,442が設けられている。
開閉体120は、ダブルタイプの下側部材400およびシングルタイプの下側部材600に対して、軸ピン受部441,442のそれぞれに右側の開閉体用軸ピン124および左側の開閉体用軸ピンのそれぞれが挿入されることにより、ダブルタイプの下側部材400およびシングルタイプの下側部材600に対して、右側の開閉体用軸ピン124および左側の開閉体用軸ピンを中心に前後方向に回動自在に支持された状態となる。この状態において、右側の開閉体用軸ピン124は軸ピン受部441の壁面441aによって開閉体120から右方向に抜けることを阻止され、左側の開閉体用軸ピンは左側の軸ピン受部442の壁面442aによって開閉体120から左方向に抜けることを阻止される。
図6(a)に示すように上側部材200の右前部には、右側の開閉体用軸ピン受部441を上方から覆って配置されて右側の開閉体用軸ピン124の上方向の移動を規制する軸ピン規制部241と、左側の開閉体用軸ピン受部442を上方から覆って配置されて左側の開閉体用軸ピンの上方向への移動を規制する軸ピン規制部242とが設けられている。
ダブルタイプの筺体に開閉体120を着脱可能に実装する手段と、シングルタイプの筺体に開閉体120を着脱可能に実装する手段は、軸ピン受部441,442と、軸ピン用規制部241,242とから構成された共通のものである。
駆動装置130に係る入賞装置100の構成の詳細を次に説明する。
図4(a),(b)に示すように、駆動装置130は引張型のソレノイドであり、コイル131と、このコイル131を包囲して位置し、コイル131の軸方向に長く、コイル131の径方向に貫通した矩形の筒状のフレーム132と、このフレーム132の長手方向の一端部において開口し、コイル131に挿入された円筒部(図示してない)と、この円筒部に挿入されたプランジャ133と、フレーム132の一端部から突出して位置するプランジャ133の箇所に設けられ、プランジャ133の運動を開閉体120に伝達する伝動部140と、伝動部140とフレーム132との間に位置し、プランジャ133を前方向に付勢するコイルスプリング(図示してない)とを備える。
フレーム132は金属製の部材である。ダブルタイプの下側部材400の左後部およびシングルタイプの下側部材600の左後部には、切欠き450が設けられている。フレーム132は、その切欠き450の位置に、伝動部140側が前側と成り、フレーム132の貫通方向が上下方向に一致する姿勢(図4に示す姿勢)で配置される。フレーム132はダブルタイプの下側部材400またはシングルタイプの下側部材600に、取付部材150を介して固定される。なお、上側部材200の左後部にもフレーム132が配置される切欠き250が設けられている。
取付部材150は、金属板がL字状に曲げ加工されて形成された部材から成る。フレーム132の右側板部132aには、前後方向に並んだ2個の雌ネジ(図示してない)が設けられている。取付部材150のL字形の一辺を成す板部151は、フレーム132の右側板部132aの2個の雌ネジのそれぞれの位置に配置される取付用貫通孔(図示してない)を有する。これらの取付用貫通孔のそれぞれには取付用ネジ153,154が挿通され、これらの取付用ネジ153,154のそれぞれは右側板部132aの2個の雌ネジのそれぞれに捩じ込まれる。つまり、取付部材150の板部151は、フレーム132の右側板部132aにネジ止めされる。
取付部材150のL字形の他辺を成す板部152には、2個の取付用貫通孔155,156が設けられている。ダブルタイプの下側部材400の下板部401の上面、および、シングルタイプの下側部材600の下板部401には、前述の4個の結合用円筒部411〜414の他に、取付用円筒部451が上方向に突出して設けられている。結合用円筒部413および取付用円筒部451のそれぞれの下端部は下板部401の下面で開口し、これらの下端部のそれぞれの内周面には雌ネジが設けられている。これらの雌ネジのそれぞれの位置に取付用貫通孔155,156のそれぞれが配置されるよう、取付部材150の板部152は下板部401に下方から重ね合わされる。取付用貫通孔155,156のそれぞれには取付用ネジ(図示してない)が挿通され、結合用円筒部413および取付用円筒部451のそれぞれの雌ネジに捩じ込まれる。つまり、取付部材150の板部152は下板部401にネジ止めされる。
駆動装置130の伝動部140は、プランジャ133の径方向に貫通した金属製の軸ピン142を介してプランジャ133の前端部に結合した合成樹脂製の回動部材141と、軸ピン142と平行な方向に回動部材141を貫通して設けられた金属製の軸ピン143とを備える。回動部材141は軸ピン142を中心にプランジャ133に対して回動自在となっている。
図6(a)に示すように、ダブルタイプの下側部材400の左前部には、左右方向に対向して位置する軸ピン受部461,462が設けられている。これらの軸ピン受部461,462は溝から成り、それぞれに軸ピン143の両端部のそれぞれが挿入される。軸ピン143が軸ピン受部461,462に挿入された状態において、軸ピン143は、この軸ピン143の軸方向が左右方向に一致した状態で、プランジャ133の下方に位置する。軸ピン受部461の右端部は壁面461aにより閉じられていて、この壁面461aは軸ピン143が回動部材141から右方向に抜けることを阻止する。軸ピン受部462の左端部は壁面462aで閉じられていて、この壁面462aは軸ピン143が回動部材141から左方向に抜けることを阻止する。
図7(a)に示すように、シングルタイプの下側部材600の左前部にも、ダブルタイプの下側部材400と同じく、軸ピン受部461,462が設けられている。
図5(c)に示すように、上側部材200の左前部には、プランジャ133および伝動部140を覆うカバー部250が設けられている。このカバー部260の下端部には、軸ピン受部461を上方から覆って配置され軸ピン143の右端部の上方向の移動を規制する軸ピン規制部261と、軸ピン受部462を上方から覆って配置され軸ピン143の左端部の上方向の移動を規制する軸ピン規制部262とが設けられている。
図4(a),(b)に示すように、回動部材141は、軸ピン143よりも前方の箇所から右方向に突出して設けられ開閉体120を押し上げる円柱状の押上げ部151と、この押上げ部151よりも前方の箇所にフック状に形成され開閉体120を押し下げる押下げ部152とを備える。開閉体120の左側板部123は、湾曲面状の凹部から成り回動部材141の押上げ部151と係合する押上げ操作部125と、左方向に突出して設けられ回動部材141の押下げ部152と係合する円柱状の押下げ操作部126とを備える。
駆動装置130のコイル131が励磁されてプランジャ133が後方向に引き込まれると、回動部材141は軸ピン143を中心に上方向に回動する。これに伴い、回動部材141の押上げ部151は開閉体120の押上げ操作部125を押上げ、これによって開閉体120は前方向に回動する。この結果、開閉体120の蓋部121は入賞口102を開放する。
駆動装置130のコイル131の励磁が解かれてプランジャ133がコイルスプリング(図示してない)により前方向に押し動かされると、回動部材141は軸ピン143を中心に下方向に回動する。これに伴い、回動部材141の押下げ部152は開閉体120の押下げ操作部126を押し下げ、これによって開閉体120は後方向に回動する。この結果、開閉体120の蓋部121は入賞口102を閉鎖する。
図5(b),(c)に示すように、上側部材200の右側壁部231の右側方には、開閉体120の右側板部122の軌道上に位置し、開閉体120の前方向および後方向への開閉体120の回動の限界角度を規定するストッパ263が設けられている。
ダブルタイプの筺体に駆動装置130を着脱可能に実装する手段と、シングルタイプの筺体に駆動装置130を着脱可能に実装する手段は、取付部材150と、この取付部材150の板部151を駆動装置130のフレーム132の右側板部132aにネジ止めする2個の雌ネジ(図示してない)および2個の取付用ネジ153,154と、取付部材150の板部152を下板部401にネジ止めす2個の雌ネジ(図示してない)および2個の取付用ネジ(図示してない)と、軸ピン受部461,462と、軸ピン規制部261,262とから構成された共通のものである。
照明に係る入賞装置100の構成を次に説明する。
図4(a),図6(a)に示すように、上側部材200とダブルタイプの下側部材400との間には、LEDが設けられた矩形の回路基板800が、立ち上がった状態で組み込まれる。ダブルタイプの下側部材400の下板部401の上面には、コ字状の保持部541,542が対向して設けられている。回路基板800の左側部および右側部のそれぞれは、それらの保持部541,542のそれぞれに嵌め込まれることで、ダブルタイプの筺体に実装される。
図4(b),図7(a)に示すように、シングルタイプの下側部材600にも、ダブルタイプの下側部材400と同じく、保持部541,542が設けられている。
排出口、通路および入賞検知センサに係る入賞装置100の構成の詳細を次に説明する。
図4(a)に示すように、上側部材200とダブルタイプの下側部材400との間には、2個の入賞検知センサ、すなわち第1,第2入賞検知センサ701,702が組み込まれる。一方、図5に示すように、上側部材200とシングルタイプの下側部材600との間には、第1入賞検知センサ701が単独で組み込まれる。
第1入賞検知センサ701は、長辺と短辺を有する矩形の板状の磁気センサであり、長手方向において偏心した箇所に、遊技球が通過可能な検知孔701aを備える。第2入賞検知センサ702も第1入賞検知センサ701と同じ構成のものであり、検知孔702aを備える。これら第1,第2入賞検知センサ701,702のそれぞれは、長手方向が左右方向に一致し、かつ、検知孔701a,702aのそれぞれが左側に偏心して位置した姿勢で、ダブルタイプの筺体内またはシングルタイプの筺体内に立設される。
図5(c)に示すように、上側部材200は、ダブルタイプの筺体に実装される第1,第2入賞検知センサ701,702のうちの第1入賞検知センサ701の上部、または、シングルタイプの筺体に実装される第1入賞検知センサ701の上部が挿入される第1上側挿入部270と、ダブルタイプの筺体に実装される第1,第2入賞検知センサ701,702のうちの第2入賞検知センサ702の上部が挿入される第2上側挿入部280とを備える。
第1上側挿入部270は、図5(c),(d)を比較して分かるように、第1規制部271〜273と、後側壁部274と、第1位置決め壁部275,276とに囲まれて成る。第1規制部271は、左右方向における奥側壁部233の中央付近の箇所から後方向に突出して設けられたものである。第1規制部272は、右側壁部231の後端部から後方向に突出して設けられたものである。第1規制部273は、右側壁部231の後方において奥側壁部233の延長線上に設けられた小壁部277から後方向に突出して設けられたものである。後側壁部274は、奥側壁部233と小壁部277の後方において上板部201から下方向に突出し、奥側壁部233と平行に設けられたものである。第1位置決め部275は第1規制部271の左後方において上板部201から下方向に突出して設けられたものであり、第1位置決め部276は、第1規制部273の右後方において上板部201から下方向に突出して設けられたものであり、これら第1位置決め壁部275,276は、第1上側挿入部270に対する第1入賞検知センサ701の上部の左右方向の移動を規制するものである。
第2上側挿入部280は、同図5(c),(d)を比較して分かるように、第2規制部281〜283と、後側壁部274と、第2位置決め壁部285,286とによって囲まれて成る。第2規制部281は、左右方向における奥側壁部233の中央付近の箇所から後方向に突出して設けられたものである。第2規制部282は、第2規制部281と左側壁部232の間に位置する奥側壁部233の箇所から後方向に突出して設けられたものである。第2規制部283は、左側壁部232の後端部から後方向に突出して設けられたものである。第2位置決め部285は第2規制部281の右後方において上板部201から下方向に突出して設けられたものであり、第2位置決め部286は、第2規制部283の左後方において上板部201から下方向に突出して設けられたものであり、これら第2位置決め壁部285,286は、第2上側挿入部280に対する第2入賞検知センサ702の上部の左右方向の移動を規制するものである。
図5(b),(c)に示すように、第1上側挿入部270は、第1入賞検知センサ701の検知孔701aを覆うことを避ける第1上側凹部278,279を備え、第2上側挿入部280は、第2入賞検知センサ702の検知孔702aを覆うことを避ける第2上側凹部288,289を備える。
第1上側凹部278は、第1規制部271,272間に位置する奥側壁部233の箇所に設けられていて、奥側壁部233が第1入賞検知センサ701の検知孔701aを前方から覆うことを避けている。第1上側凹部279は、第1上側凹部278の後方に位置する後側壁部274の箇所に設けられていて、後側壁部274が第1入賞検知センサ701の検知孔701aを後方から覆うことを避けている。
第2上側凹部288は、第2規制部282,283間に位置する奥側壁部233の箇所に設けられていて、奥側壁部233が第2入賞検知センサ702の検知孔702aを前方から覆うことを避けている。第2上側凹部289は、第2上側凹部288の後方に位置する後側壁部274の箇所に設けられていて、後側壁部274が第2入賞検知センサ702の検知孔702aを後方から覆うことを避けている。
排出口、通路および入賞検知センサに係るダブルタイプの下側部材400の構造の詳細を次に説明する。
図6(a)に示すように、ダブルタイプの下側部材400は、第1,第2排出口471,472を備える。第1排出口471は底面430の右側平坦面432の後方に位置し、第2排出口472は底面430の左側平坦面435の後方に位置する。これら第1,第2排出口471,472は、下板部401を上下方向に貫通して設けられている。第1排出口471の縁および第2排出口472の縁のそれぞれには、前面が開口したU字状の第1,第2U形壁部471a,472aのそれぞれが上方向に突出して設けられている。
ダブルタイプの下側部材400は、矢印で示すように、底面430の右側平坦面432から第1排出口471に遊技球を導く第1通路481と、底面430の左平坦面435から第2排出口472に遊技球を導く第2通路482とを備える。
図6(a)に示すように、ダブルタイプの下側部材400は、第1上側挿入部270の下方に配置され、第1入賞検知センサ701の下部が挿入されて、その第1入賞検知センサ701を第1上側挿入部270と共同で保持する第1下側挿入部510と、第2上側挿入部280の下方に配置され、第2入賞検知センサ702の下部が挿入されて、その第2入賞検知センサ702を第2上側挿入部280と共同で保持する第2下側挿入部520とを備える。第1下側挿入部510は第1排出口471に前方で隣接し、第2下側挿入部520は第2排出口472に前方で隣接する。
第1下側挿入部510は、同図6(a),(c)を比較して分かるように、第1支持部511〜513と、小壁部514と、第1位置決め部516,517とに囲まれて成る。第1支持部511は、第1U形壁部471aの左前端部を延長して設けられたものである。第1支持部512は、第1U形壁部471aの右前端部を延長して設けられたものである。第1U形壁部471aの右側方には、第1後側壁部515が下板部401から上方向に突出し、奥側壁部423と平行に設けられている。第1支持部513は、第1後側壁部515の右端部から前方向に突出して設けられたものである。小壁部514は、右側壁部421の後方および奥側壁部423の延長線上に位置し、下板部401から上方向に突出して設けられたものである。第1位置決め部516は第1支持部511の左前方において下板部401から上方向に突出して設けられたものであり、第1位置決め部517は、第1支持部513の右前方において下板部401から上方向に突出して設けられたものであり、これら第1位置決め壁部516,517は、第1下側挿入部510に対する第1入賞検知センサ701の下部の左右方向の移動を規制するものである。
第2下側挿入部520は、同図6(a),(c)を比較して分かるように、奥側壁部423と、第2支持部521〜523と、第2位置決め部526,527とに囲まれて成る。第2U形壁部472aの右側方には、第2後側壁部525が下板部401から上方向に突出し、奥側壁部2423と平行に設けられている。第2支持部521は、第2後側壁部525の右端部から前方向に突出して設けられたものである。第2支持部522は、第2U形壁部472aの右前端部を延長して設けられたものである。第2支持部523は、第2U形壁部472aの左前端部を延長して設けられたものである。第2位置決め部526は第2支持部521の右後方において下板部401から上方向に突出して設けられたものであり、第2位置決め部527は、第2支持部513の左後方において下板部401から上方向に突出して設けられたものであり、これら第2位置決め壁部526,527は、第2下側挿入部520に対する第2入賞検知センサ702の下部の左右方向の移動を規制するものである。
第1支持部511〜513と第1規制部271〜273は共同して、第1入賞検知センサ701を保持するものである。より詳細には、第1支持部511〜513のそれぞれの前端面は、第1排出口471側に傾斜した斜面、すなわち、後方向に上り傾斜の斜面を成す。これらの前端面の下板部401に対する傾斜角度は互いに等しく設定されている。第1規制部271〜273のそれぞれの後端面は、上側部材200とダブルタイプの下側部材400とが結合してダブルタイプの筺体を成した状態において、第1支持部511〜513のそれぞれの前端面と平行な斜面を成す。第1支持部511〜513は何れも前端面の位置で第1入賞検知センサ701の第1排出口471側の面(背面)に当接して、第1入賞検知センサ701を支持する。第1規制部271〜273は何れも後端面の位置で第1入賞検知センサ701の第1排出口471側とは反対側の面(前面)に当接し、第1入賞検知センサ701の姿勢を、第1支持部511〜513のそれぞれの前端面に当接した姿勢、すなわち、第1排出口471側(後方)に傾倒した姿勢に規定する。第1入賞検知センサ701が第1規制部271〜273により姿勢を規定された状態において、第1入賞検知センサ701の検知孔701aの姿勢は第1排出口471側に傾斜した姿勢を成す。
第2支持部521〜523と第2規制部281〜283は共同して、第2入賞検知センサ702を保持するものである。より詳細には、第2支持部521〜523のそれぞれの前端面は、第2排出口472側に傾斜した斜面、すなわち、後方向に上り傾斜の斜面を成す。これらの前端面の下板部401に対する傾斜角度は互いに等しく設定されている。第2規制部281〜283のそれぞれの後端面は、上側部材200とダブルタイプの下側部材400とが結合してダブルタイプの筺体を成した状態において、第2支持部521〜523のそれぞれの前端面と平行な傾面を成す。第2支持部521〜523は何れも前端面の位置で第2入賞検知センサ702の第2排出口472側の面(背面)に当接して、第2入賞検知センサ702を支持する。第2規制部281〜283は何れも後端面の位置で第2入賞検知センサ702の第2排出口472側とは反対側の面(前面)に当接し、第2入賞検知センサ702の姿勢を、第2支持部521〜523のそれぞれの前端面に当接した姿勢、すなわち、第2排出口472側(後方)に傾倒した姿勢に規定する。第2入賞検知センサ702が第1規制部281〜283により姿勢を規定された状態において、第2入賞検知センサ702の検知孔702aの姿勢は第2排出口472側に傾斜した姿勢を成す。
第1支持部511〜513のそれぞれの前端面が前述のように斜面を成すため、第1下側挿入部510に第1入賞検知センサ701が挿入された状態において、第1入賞検知センサ701は下端部を支点に前後方向に揺動可能な遊びを有する。第2下側挿入部520についても第1下側挿入部510の場合と同様に、第2下側挿入部520に第2入賞検知センサ702が挿入された状態において、第2入賞検知センサ702は下端部側を支点に前後方向に揺動可能な遊びを有する。ダブルタイプの下側部材400と上側部材200とが結合される際、第1下側挿入部510に対して遊びを有した状態の第1入賞検知センサ701の前面は、第1規制部271〜273のそれぞれの後端面により押圧されるため、第1入賞検知センサ701は第1排出口471の方向に傾いて第1支持部511〜513のそれぞれの前端面に当接し、これと並行して、第2下側挿入部520に対して遊びを有した状態の第2入賞検知センサ702の前面は、第2規制部281〜283のそれぞれの後端面により押圧されるため、第2入賞検知センサ702は第2排出口472の方向に傾いて第2支持部521〜523のそれぞれの前端面に当接する。
また、図6(b),図8に示すように、第1下側挿入部510は第1通路481上において、第1入賞検知センサ701の検知孔701aに遊技球を導く第1開口部111を、第1上側凹部278との間で形成する第1下側凹部531を備える。この第1下側凹部531は、奥側壁部423の右端部と右側壁部421の左端部との間の位置に設けられている。第2下側挿入部520は、ダブルタイプの筺体において第2通路482上において、第2入賞検知センサ702の検知孔702aに遊技球を導く第2開口部112を第2上側凹部279との間で形成する第2下側凹部532を備える。この第2下側凹部532は、奥側壁部423の左端部と左側壁部422の左端部との間の位置に設けられている。
排出口、通路および入賞検知センサに係るシングルタイプの下側部材600の詳細を次に説明する。
図7(a)〜(c)に示すように、シングルタイプの下側部材600はダブルタイプの下側部材400と同じく、第1排出口471、第1通路481および第1下側挿入部510を備えるが、第2排出口472、第2通路482および第2下側挿入部520を備えず、これらの代わりに、左側壁部232の後端部まで広がった奥側壁部623を備える。この奥側壁部623は、ダブルタイプの下側部材400において第2通路482を通過することに相当する遊技球の流れの発生を阻止する阻止部623aを備える。この阻止部623aは奥側壁部623の一部であり、ダブルタイプの下側部材400における第2下側凹部532の代わりに設けられたものである。阻止部623aの上端部からは、図7(b),図9に示すように上側部材200の第2上側凹部288を塞ぐ閉鎖部623bが上方向に突出して設けられている。
このように構成される入賞装置100において、筺体101がダブルタイプの筺体である場合、入賞口102に入賞した遊技球は、第1通路481を転動して第1排出口471に到達するか、第2通路482を転動して第2排出口472に到達する。この際、第1通路481から第1排出口471を流れる遊技球は、第1入賞検知センサ701の検知孔701aを通過して第1入賞検知センサ701に検知され、第2通路482から第2排出口472を流れる遊技球は、第2入賞検知センサ702の検知孔702aを通過して第2入賞検知センサ702に検知される。
一方、入賞装置100の筺体がシングルタイプの筺体である場合、入賞口102に入賞した遊技球は、阻止部623aによって、ダブルタイプの下側部材400において第2通路482を通過することに相当する挙動を阻止され、すなわち、進路を第1通路481に限定され、第1排出口471に到達する。この際、その遊技球は第1入賞検知センサ701の検知孔701aを通過し、第1入賞検知センサ701に検知される。
本実施形態の入賞装置100は次の効果を奏する。
入賞装置100においては、上側部材200とダブルタイプの下側部材400との間に第1,第2入賞検知センサ701,702が組み込まれた状態で、それら上側部材200とダブルタイプの下側部材400が結合されるとともに、それら上側部材200とダブルタイプの下側部材400が結合されて成る筺体に対し開閉体120および駆動装置130が実装されることによって、排出口、通路および入賞検知センサを2個ずつ備える入賞装置が構成される。一方、この上側部材200とシングルタイプの下側部材600との間に第1入賞検知センサ701が単独で組み込まれた状態で、それら上側部材200とシングルタイプの下側部材600が結合されるとともに、それら上側部材200とシングルタイプの下側部材600が結合されて成る筺体に対し開閉体120および駆動装置130が実装されることによって、排出口、通路および入賞検知センサを1個ずつ備える入賞装置が構成される。また、ダブルタイプの筺体とシングルタイプの筺体とにおいて、開閉体120および駆動装置130を着脱可能に実装する手段は共通である。また、上側部材200とダブルタイプの下側部材400を着脱可能に結合する手段と、上側部材200とシングルタイプの下側部材600を着脱可能に結合する手段とは共通である。これらにより、本実施形態の入賞装置100は、排出口、通路および入賞検知センサを2個ずつ備える場合と、排出口、通路および入賞検知センサを1個ずつ備える場合とで、筺体を構成する2部材(下側部材、上側部材)のうち、排出口および通路が設けられる側の部材(下側部材)以外の構成部品を共通化できる。
したがって、排出口、通路および入賞検知センサを2個ずつ備える入賞装置から、排出口、通路および入賞検知センサを1個ずつ備える入賞装置への設計変更、および、その逆の設計変更に要する時間を短縮でき、また、排出口、通路および入賞検知センサを2個ずつ備える入賞装置の筺体と、排出口、通路および入賞検知センサを1個ずつ備える入賞装置の筺体とで上側部材の成形型を共通化でき、また、入賞装置の構成部品のリサイクルの際に、排出口、通路および入賞検知センサを2個ずつ備える入賞装置と、排出口、通路および入賞検知センサを1個ずつ備える入賞装置との間で、筺体の下部を構成する下側部材以外の構成部品を区別なく使い回すことができる。したがって、本実施形態の入賞装置100は、入賞装置の製造コストの削減に貢献できる。
本実施形態の入賞装置100においては、第1入賞検知センサ701は第1通路481上に立設され、第2入賞検知センサ702の検知孔702aは第2通路482上に立設される。そして、上側部材200の第1上側挿入部270と、ダブルタイプの下側部材400の第1下側挿入部510、またはシングルタイプの下側部材600の第1下側挿入部510とが共同で第1入賞検知センサ701を保持し、上側部材200の第2上側挿入部280と、ダブルタイプの第2下側挿入部520とが共同で第2入賞検知センサ702を保持する。これにより、入賞装置100の製造の際、製造者は、上側部材200とダブルタイプの下側部材400を結合してダブルタイプの筺体を完成させることと並行して、その筺体への第1,第2入賞検知センサ701,702の実装を完了させることができ、また、上側部材200とシングルタイプの下側部材600を結合してシングルタイプの筺体を完成させることと並行して、その筺体への第1入賞検知センサ701の実装を完了させることができる。つまり、本実施形態の入賞装置100は、上側部材200または下側部材300に対する入賞検知センサの取付けと、それら上側部材200と下側部材300の結合とが別工程で行われる入賞装置よりも、製造の際の工数を減らすことができる。
本実施形態の入賞装置100において、第1入賞検知センサ701の検知孔701aの姿勢は第1支持部511〜513と第1規制部271〜273とによって第1排出口471側に傾斜した姿勢に保持され、第2入賞検知センサ702の検知孔702aの姿勢は第2支持部521〜523と第2規制部281〜283とによって第2排出口472側に傾斜した姿勢に保持される。これにより、本実施形態の入賞装置100は、第1入賞検知センサ701の検知孔701aから第1排出口471へ遊技球を円滑に導き、第1入賞検知センサ701により検知済みの遊技球を速やかにダブルタイプの筺体外またはシングルタイプの筺体外に排出することができ、また、第2入賞検知センサ702の検知孔702aから第2排出口472へ遊技球を円滑に導き、第2入賞検知センサ702により検知済みの遊技球を速やかにダブルタイプの筺体外に排出することができる。
本実施形態の入賞装置100において、第1入賞検知センサ701の検知孔701aの姿勢を第1排出口471側に傾斜した姿勢に保持する構造は第1支持部511〜513と第1規制部271〜273とから構成され、これらは第1下側挿入部510と第1上側挿入部270とに分散して設けられている。これと同様に、第2入賞検知センサ702の検知孔702aの姿勢を第2排出口472の方向に傾斜した姿勢に保持する構造は第2支持部521〜523と第2規制部281〜283とから構成され、これらは第2下側挿入部520と第2上側挿入部280とに分散して設けられている。これらの構造は、支持部と規制部とが下側挿入部または上側挿入部に集中して設けられるものよりも、成形型による成形が容易である。
パチンコ機1の遊技領域31には、アタッカー装置66が1個だけ設けられている。このアタッカー装置66が第1,第2入賞検知センサ701,702を備える場合には、入賞検知センサによる遊技球の検知に基づき大入賞口への遊技球の入賞をカウントするカウント用回路基板としては、それら第1入賞検知センサ701に電気的に接続されるコネクタと、第2入賞検知センサ702に電気的に接続されるコネクタとの合計2個のコネクタを備えるものが用いられる。パチンコ機の遊技領域としては、遊技領域31とは異なり、アタッカー装置66が2個設けられる遊技領域も存在する。これら2個のアタッカー装置66のそれぞれが第1入賞検知センサ701を単独で備える場合にも、カウント用回路基板としては、2個のうちの一方の第1入賞検知センサ701に電気的に接続されるコネクタと、他方の第1入賞検知センサ701に電気的に接続されるコネクタとの合計2個のコネクタを備えるものが用いられる。本実施形態の入賞装置100は、前述のように第1,第2入賞検知センサ701,702を備えるものから第1入賞検知センサ701を単独で備えるものへの変更、および、その逆の変更が行いやすいため、パチンコ機の開発中において、コネクタを2個備えるカウント用回路基板を流用しつつ、遊技領域をアタッカー装置が1個だけ設けられたものからアタッカー装置を2個備えるものへの変更、および、その逆の変更を行いやすくすることができる。
前述の実施形態の入賞装置100はアタッカー装置66に適用された例であるが、本発明の入賞装置の適用対象はアタッカー装置のみに限定されるものではなく、アタッカー装置66と同様の構成の電動チューリップであってもよい。