(第1の実施の形態)
図1は、本発明の一実施の形態による車載情報システムの構成を示す図である。図1に示す車載情報システムは、車両に搭載されて使用されるものであり、車載装置1と携帯端末2がUSB(Universal Serial Bus)ケーブル3および映像ケーブル4を介して互いに接続されることによって実現される。車載装置1は、車両内に固定されており、たとえば車両のインストルメントパネル内などに設置されている。携帯端末2は、ユーザが持ち運び可能な携帯型の情報端末であり、たとえば携帯電話やスマートフォンなどである。
車載装置1には、表示部11が設けられている。表示部11は、各種の画像を表示可能なタッチパネル式の表示モニタであり、たとえば抵抗膜方式のタッチパネルスイッチと液晶ディスプレイとを組み合わせて構成される。ユーザは、表示部11において任意の位置を指等でタッチ操作してその位置に表示されたアイコンや操作ボタン等を指定することで、所望の機能を携帯端末2に実行させることができる。なお、表示部11に加えて、さらに所定の操作に対応する操作スイッチを車載装置1に設けてもよい。
携帯端末2には、表示部21が設けられている。表示部21は、各種の画像を表示可能なタッチパネル式の表示モニタであり、たとえば静電容量方式のタッチパネルスイッチと液晶ディスプレイとを組み合わせて構成される。ユーザは、表示部21に表示される画像の内容に応じて、表示部21上で任意の位置を指等でタッチすることで、所望の機能を携帯端末2に実行させることができる。なお、前述の車載装置1と同様に、表示部21に加えて、さらに所定の操作に対応する操作スイッチを携帯端末2に設けてもよい。
車載装置1の表示部11には、車載装置1自身が生成した画面と、携帯端末2において表示されているのと同じ画面とのいずれかを表示可能である。携帯端末2において表示されているのと同じ画面を表示部11に表示する場合、携帯端末2は、表示部21の画面を映像信号に変換し、映像ケーブル4を介して車載装置1へ出力する。そのため、表示部21に画面を表示しながら、それと同時に携帯端末2から車載装置1へ映像信号を出力して同一の画面を表示部11に表示することができる。
図2は、車載装置1および携帯端末2の構成を示すブロック図である。図2に示すように車載装置1は、制御部10、表示部11、操作部12、音声出力部13、メモリ部14、インタフェース部15、映像信号入力部16およびD/A変換部17を有する。一方、携帯端末2は、制御部20、表示部21、操作部22、音声出力部23、メモリ部24、インタフェース部25、映像信号出力部26、無線通信部27およびGPS(Global Positioning System)受信部28を有する。
車載装置1において、制御部10は、マイクロプロセッサや各種周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、メモリ部14に記録されている制御プログラムに基づいて各種の処理を実行する。この制御部10が行う処理により、各種の画像表示処理や音声出力処理などが実行される。
表示部11は、図1を用いて前述したように、液晶ディスプレイ等によって構成される表示モニタである。操作部12は、表示部11に対するユーザのタッチ操作を検出するための部分であり、前述のタッチパネルスイッチに相当する。なお、図2では表示部11と操作部12を別々に示しているが、実際にはこれらが一体化されてタッチパネル式の表示モニタを構成している。また、前述のように操作スイッチを車載装置1に設けた場合は、その操作スイッチも操作部12に含まれる。操作部12に対して行われたユーザの入力操作内容は制御部10へ出力され、制御部10が行う処理に反映される。
音声出力部13は、アンプ、スピーカ等を有しており、制御部10の制御によって各種の音声を出力することができる。たとえば、携帯端末2または不図示の記録媒体から読み出された音楽データを再生した音楽や、車両を目的地まで誘導するための誘導音声などが音声出力部13から出力される。
メモリ部14は、不揮発性のデータ格納装置であり、たとえばHDD(ハードディスクドライブ)やフラッシュメモリ等によって実現される。メモリ部14には、たとえば制御部10において用いられる前述の制御プログラムなど、各種のデータが記憶されている。メモリ部14におけるデータの読み出しおよび書き込みは、制御部10の制御により必要に応じて行われる。
インタフェース部15は、制御部10の制御により、USBケーブル3を介して携帯端末2との間で情報の送受信を行う際に必要なインタフェース処理を行う。たとえば、制御部10から出力された情報を所定の信号形式に変換して携帯端末2へ送信したり、携帯端末2から所定の信号形式で出力された情報を受信して制御部10へ出力したりする。インタフェース部15によるインタフェース処理は、USBで規定された通信規格に従って行われる。
映像信号入力部16は、映像ケーブル4を介して携帯端末2から入力される映像信号を画面表示用の映像データに変換し、制御部10へ出力する。映像信号入力部16から制御部10へ映像データが出力されると、制御部10は表示部11を制御して、その映像データに基づく画面を表示部11に表示させる。これにより、前述のように携帯端末2に表示されているとの同じ画面を表示部11に表示することができる。
D/A変換部17は、制御部10の制御により、携帯端末2からUSBケーブル3を介して送信されインタフェース部15により受信されたデジタル形式の音声データをアナログ形式の音声信号に変換し、音声出力部13へ出力する。この音声信号に基づいて音声出力部13のアンプやスピーカを駆動することにより、前述のようにして音楽や誘導音声を出力することができる。
一方、携帯端末2において、制御部20は、車載装置1の制御部10と同様にマイクロプロセッサや各種周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、メモリ部24に記録されている制御プログラムに基づいて各種の処理を実行する。
表示部21は、前述のように液晶ディスプレイ等の表示モニタである。操作部22は、表示部21に対するユーザのタッチ操作を検出するための部分であり、前述のタッチパネルスイッチに相当する。なお、図2では表示部21と操作部22を別々に示しているが、実際にはこれらが一体化されてタッチパネル式の表示モニタを構成している。また、前述のように操作スイッチを携帯端末2に設けた場合は、その操作スイッチも操作部22に含まれる。操作部22に対して行われたユーザの入力操作内容は制御部20へ出力され、制御部20が行う処理に反映される。
音声出力部23は、アンプ、スピーカ等を有しており、制御部20の制御によって各種の音声を出力することができる。たとえば、携帯端末2を用いて通話を行ったときには、通話相手の音声が音声出力部23から出力される。
メモリ部24は、車載装置1のメモリ部14と同様の不揮発性のデータ格納装置であり、制御部20の処理において利用するための各種のデータが記憶されている。このメモリ部24には、ユーザが予め入手した様々なアプリケーションプログラム(以下、単にアプリケーションと称する)が記憶されている。ユーザは、メモリ部24に記憶された各種アプリケーションの中からいずれかを選択して制御部20に実行させることにより、様々な機能を携帯端末2において実現することができる。
インタフェース部25は、車載装置1のインタフェース部15と同様に、USBで規定された通信規格に基づいたインタフェース処理を行う。すなわち、車載装置1と携帯端末2との間の通信は、インタフェース部15とインタフェース部25とがUSBケーブル3を介して互いに接続された状態で行われる。
映像信号出力部26は、車載装置1で表示するために制御部20により生成された画面を映像信号に変換し、映像ケーブル4を介して車載装置1へ出力する。この映像信号が車載装置1において映像信号入力部16に入力されることで、表示部21と同じ画面を前述のようにして表示部11に表示することができる。
無線通信部27は、不図示の無線通信回線網を介して携帯端末2を他の携帯端末やサーバに接続するための無線通信を行う。携帯端末2は、無線通信部27が行う無線通信により、他の携帯端末との間で通話を行ったり、サーバから任意のアプリケーションをダウンロードしたりすることができる。なお、無線通信部27が行う無線通信では、たとえば携帯電話回線網や、無線LANを介したインターネット回線網などを無線通信回線網として利用することができる。
GPS受信部28は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して制御部20へ出力する。GPS信号には、携帯端末2の現在位置と現在時刻を求めるための情報として、そのGPS信号を送信したGPS衛星の位置と送信時刻に関する情報が含まれている。したがって、所定数以上のGPS衛星からGPS信号を受信することにより、これらの情報に基づいて現在位置と現在時刻を制御部20において算出することができる。
次に、本車載情報システムにおいて行われる処理について説明する。本車載情報システムは、車載装置1と携帯端末2とが接続された状態で、携帯端末2において各種のアプリケーションを実行することにより、そのアプリケーションに応じた様々な処理を行うことができる。たとえば、ナビゲーション用のアプリケーションを実行すると、車両を目的地まで誘導するためのナビゲーション処理が行われる。このナビゲーション処理では、携帯端末2により、現在位置付近など所定の地図範囲についての地図画面を作成し、その地図画面を表示部21に表示しつつ、車載装置1へ送信する。これにより、車載装置1の表示部11においても同じ地図画面を表示できるようにする。また、出発地から目的地までの推奨経路を携帯端末2において予め探索しておき、車両が推奨経路上の誘導地点に近づくと、その誘導地点における車両の進行方向に応じた誘導音声を出力するための情報を携帯端末2から車載装置1へ送信する。これにより、車載装置1の音声出力部13から誘導音声を出力できるようにする。以上説明したように、表示部11に地図画面を表示したり、音声出力部13から誘導音声を出力したりすることで、車載装置1は、ユーザが迷わずに車両を目的地まで運転できるようにするための報知をユーザに対して行う。
さらに携帯端末2は、車載装置1と接続されていない状態でもナビゲーション用のアプリケーションを実行することができる。このとき携帯端末2は、携帯端末2単独で使用するのに適した地図画面として、車載装置1と接続されている場合とは異なる形態の地図画面を作成して表示部21に表示する。
なお、携帯端末2がナビゲーション用のアプリケーションを実行するために必要な地図データ等の各種データは、携帯端末2のメモリ部24において予め記憶されたものを使用してもよい。あるいは、メモリ部24には必要最小限のデータのみを記憶しておき、携帯端末2がナビゲーション用のアプリケーションを実行したときには、無線通信部27を用いて所定のサーバに接続し、必要なデータをその都度取得するようにしてもよい。
携帯端末2では、上記のようなナビゲーション用のアプリケーションを含む複数のアプリケーションのうち、ユーザに選択されたアプリケーションを実行する。ユーザは、携帯端末2の表示部21に表示されるメニュー画面において、表示部21に対して操作部22を用いたタッチ操作により所望のアプリケーションを選択することで、携帯端末2に実行させるアプリケーションの選択を行うことができる。
さらに携帯端末2は、表示部21に表示しているメニュー画面の映像信号を車載装置1へ送信する。車載装置1は、携帯端末2から送信された映像信号に基づいて、表示部21と同じメニュー画面を表示部11に表示する。このメニュー画面において、ユーザが表示部11に対して操作部12を用いたタッチ操作により所望のアプリケーションを選択すると、車載装置1は、タッチ操作で指定された画面上の位置を表すタッチ操作情報を携帯端末2へ送信する。携帯端末2は、車載装置1から送信されたタッチ操作情報に基づいて、ユーザがどのアプリケーションを選択したかを認識し、そのアプリケーションを実行する。これによりユーザは、携帯端末2の表示部21に表示されるメニュー画面を用いた場合と同様に、携帯端末2に実行させるアプリケーションの選択を行うことができる。
図3は、車載装置1と携帯端末2においてそれぞれ表示されるメニュー画面の例を示す図である。車載装置1と携帯端末2が接続されると、たとえば図3(a)に示すようなメニュー画面が車載装置1の表示部11と携帯端末2の表示部21においてそれぞれ表示される。
図3(a)において、携帯端末2の表示部21と車載装置1の表示部11にそれぞれ表示されているメニュー画面では、「A」〜「H」の各アプリケーションに対応する8個のアイコンが配置されている。また、左右方向にそれぞれ対応する矢印マーク32、33も表示されている。これらの矢印マークには、メニュー画面を切り替えるための操作が割り当てられている。
ユーザが表示部11に対するタッチ操作により矢印マーク32または33を選択すると、そのタッチ位置を表すタッチ操作情報が車載装置1から携帯端末2へ送信される。このとき携帯端末2は、メニュー画面をそれまでとは異なるアイコンが配置された別のメニュー画面へと切り替える。携帯端末2が多数のアプリケーションを有しており、全てのアプリケーションに対するアイコンをメニュー画面上に一度に表示できない場合、携帯端末2では表示すべきアイコンの数に応じて複数のメニュー画面が設定される。そこで、上記のようにして各メニュー画面を切り替えることで、ユーザが任意のアイコンを選択できるようにする。なお、携帯端末2において3つ以上のメニュー画面が設定されているときには、矢印マーク32を選択した場合と矢印マーク33を選択した場合とでメニュー画面の切り替え順序を変化させてもよい。
一方、ユーザが携帯端末2を操作する場合は、矢印マーク32または33をタッチ操作で選択する以外に、フリック操作と呼ばれるタッチ操作を行うことでもメニュー画面を切り替えることができる。フリック操作とは、所定の方向、たとえば左右方向に対して弾くように行うタッチ操作のことである。ユーザは、表示部21にメニュー画面が表示されているときにフリック操作を行うことで、各メニュー画面を切り替えることができる。すなわち、車載装置1ではフリック操作の代わりに矢印マーク32、33をタッチ操作で選択することにより、メニュー画面の切り替えを実現している。
なお、携帯端末2が有するアプリケーションの数があまり多くなく、1つのメニュー画面において全てのアイコンを一度に表示できる場合は、上記のようなメニュー画面の切り替えを行う必要はない。その場合、メニュー画面において矢印マーク32、33は表示しなくてもよい。
以上説明したような操作によりメニュー画面の切り替えが行われると、携帯端末2は、切り替え後のメニュー画面に応じた映像信号を車載装置1へ送信する。この映像信号に基づくメニュー画面を車載装置1において表示部11に表示することにより、車載装置1に表示されているメニュー画面も変化する。その結果、たとえば図3(b)に示すようなメニュー画面が車載装置1の表示部11と携帯端末2の表示部21においてそれぞれ表示される。このメニュー画面では、図3(a)とは別の「I」〜「P」の各アプリケーションに対応する8個のアイコンが配置されている。
以上説明したようなメニュー画面において、ユーザがタッチパネル操作によりいずれかのアイコンを選択すると、そのアイコンに対応するアプリケーションが携帯端末2において起動される。
図4は、ナビゲーション用のアプリケーションが実行されているときに携帯端末2において表示部21に表示される地図画面の例である。ナビゲーション用のアプリケーションが実行されると、携帯端末2は現在位置の周辺など所定の地図範囲について、前述の方法により地図画面を作成し、表示部21に表示する。
図4(a)は、車載装置1と携帯端末2が互いに接続されていない状態で表示部21に表示される地図画面の例を示している。この地図画面は、携帯端末2の表示部21でのみ表示され、車載装置1の表示部11では表示されない。以下では、このような地図画面を専用地図画面と称する。
一方、図4(b)は、車載装置1と携帯端末2が互いに接続されている状態で表示部21に表示される地図画面の例を示している。この地図画面は、携帯端末2において映像信号に変換され、車載装置1へ送信される。この映像信号に基づく画面表示を車載装置1において行うことにより、同じ地図画面が表示部11にも表示される。
図5は、車載装置1の表示部11に表示される地図画面の例である。この地図画面は、図4(b)に示すのと同じ地図画面である。以下では、このように車載装置1と携帯端末2で共通に表示される地図画面を共通地図画面と称する。
図4(a)に示す専用地図画面と、図4(b)および図5に示す共通地図画面とを比較すると、共通地図画面では専用地図画面よりも文字や地図記号が拡大されると共に、道路を表す線の色合いや太さが見やすい形態に変更されていることが分かる。また、線路を表す線は目立たない形態へと変更され、さらに「相模線」や「清新中」などを表す一部の文字や地図記号、一部の道路を表す線などは消去されている。
以上説明したように、車載装置1と携帯端末2が接続されていないときには専用地図画面を表示部21に表示することで、携帯端末2にとって見やすい地図画面とすることができる。すなわち、携帯端末2の操作はユーザが手に持って行うため、ユーザの目から表示部21までの距離は通常30cm程度と比較的近い。そのため、図4(a)のような専用地図画面を表示部21に表示することで、多くの地図情報をユーザに提供することができる。一方、車載装置1と携帯端末2が接続されているときには共通地図画面を表示部11に表示することで、車載装置1にとって見やすい地図画面とすることができる。すなわち、車載装置1は車両のインストルメントパネル内などに設置されているため、ユーザの目から表示部11までの距離は携帯端末2よりも遠い。そのため、図5のような共通地図画面を表示部11に表示することで、車両の運転に必要な地図情報を分かりやすくユーザに提供することができる。
車載装置1および携帯端末2における処理のフローチャートを図6および7に示す。図6は、車載装置1における処理のフローチャートを示しており、図7は、携帯端末2における処理のフローチャートを示している。
最初に図6のフローチャートについて説明する。図6のフローチャートに示す処理は、車載装置1において制御部10により実行されるものである。
ステップS10において、制御部10は、携帯端末2が接続されているか否かを判定する。図1に示したように、車載装置1と携帯端末2がUSBケーブル3および映像ケーブル4を介して接続されている場合は、次のステップS20へ進む。
ステップS20において、制御部10は、携帯端末2に対してランチャーアプリケーションの起動指令を出力する。ランチャーアプリケーションとは、図3のようなメニュー画面を生成して車載装置1へ出力し、車載装置1から送信されるタッチ操作情報によりユーザが行ったタッチパネル操作の内容を認識するために、携帯端末2において実行されるアプリケーションのことである。このランチャーアプリケーションの起動指令の出力は、インタフェース部15およびUSBケーブル3を介して行われる。なお、携帯端末2において既にランチャーアプリケーションが起動している場合は、改めてランチャーアプリケーションの起動指令を出力する必要はない。
ステップS30において、制御部10は、表示部11の解像度についての解像度要求が携帯端末2から行われたか否かを判定する。車載装置1と携帯端末2がUSBケーブル3および映像ケーブル4を介して互いに接続され、ステップS20で車載装置1から携帯端末2へランチャーアプリケーションの起動指令が出力されると、それに応じて、後で説明する図7のステップS220が携帯端末2において実行されることで携帯端末2から解像度要求が出力される。この解像度要求は、USBケーブル3を介して車載装置1へ送信され、車載装置1においてインタフェース部15により受信されて制御部10へ出力される。このようにして携帯端末2からの解像度要求を受信した場合は、次のステップS40へ進む。
ステップS40において、制御部10は、ステップS30で受信した携帯端末2からの解像度要求に応じて、表示部11の解像度に関する解像度情報を携帯端末2へ送信する。ここでは、たとえば表示部11の画面サイズおよび縦横の画素数の情報を解像度情報として送信する。この解像度情報の送信は、インタフェース部15およびUSBケーブル3を介して行われる。
ステップS50において、制御部10は、携帯端末2から出力される映像信号を受信する。ここでは、携帯端末2において後で説明する図7のステップS270が実行されることで出力開始される映像信号が映像ケーブル4を介して映像信号入力部16に入力される。映像信号入力部16は、入力された映像信号を画面表示用の映像データに変換してから制御部10へ出力する。これにより、制御部10において映像信号が受信される。以降では、携帯端末2から出力される映像信号の受信を継続する。
ステップS60において、制御部10は、ステップS50で受信した映像信号に基づく画面表示を開始する。ここでは、ステップS50で映像信号入力部16から出力された映像データに基づく画面を表示部11に表示させることで画面表示を開始する。これにより、たとえば図3に示したようなメニュー画面が表示部11において表示される。
ステップS70において、制御部10は、表示部11に対するユーザからのタッチパネル操作が行われたか否かを判定する。ユーザが表示部11の画面上でいずれかの位置を指定するタッチ操作を行った場合はステップS80へ進み、ステップS80において、そのタッチ操作で指定された画面上の位置を表すタッチ操作情報を携帯端末2へ出力する。このタッチ操作情報の出力は、インタフェース部15およびUSBケーブル3を介して行われる。ステップS80でタッチ操作情報を出力したらステップS90へ進む。一方、ステップS70においてタッチ操作が行われていないと判定した場合、ステップS80を実行せずにステップS90へ進む。
ステップS90において、制御部10は、携帯端末2から画面切り替え要求が行なわれたか否かを判定する。携帯端末2は、アプリケーションを起動して表示部11の画面をメニュー画面からアプリケーションの実行画面に切り替えたり、それまでに実行していたアプリケーションを終了してメニュー画面に戻ったりするとき、後で説明する図7のステップS310またはS350を実行することで、車載装置1に対して画面切り替え要求を出力する。たとえば後述のように、それまで実行していたアプリケーションに対するセッションの終了通知を出力することで、携帯端末2から車載装置1への画面切り替え要求が行われる。この画面切り替え要求は、USBケーブル3を介して車載装置1へ送信され、車載装置1においてインタフェース部15により受信されて制御部10へ出力される。このようにして画面切り替え要求を受信した場合は、次のステップS100へ進む。一方、携帯端末2から画面切り替え要求を受信していない場合はステップS70へ戻り、前述のような処理を繰り返す。
ステップS100において、制御部10は、携帯端末2からの映像信号に基づく画面表示を一旦中断し、表示部11に所定の画面切り替え表示を行わせる。ここでは、たとえば画面を切り替え中である旨のメッセージや、画面切り替え中であることを示す表示効果のアニメーションなどを、表示部11において所定の表示期間だけ表示する。このようにすることで、画面切り替え時に発生するチラツキ等を防止したり、画面が消えることでユーザが不安感を抱いたりしないようにすることができる。ステップS100の画面切り替え表示を終了したら、制御部10はステップS110へ進む。なお、画面切り替え表示を終了するタイミングは、予め設定された表示時間を経過することで判断してもよいし、携帯端末2からの制御に応じて決定してもよい。たとえば、携帯端末2においてアプリケーションが起動されると、そのアプリケーション上で行われる通信を車載装置1と携帯端末2の間で確立するために、携帯端末2から車載装置1へアプリケーションセッションの開始通知が出力されることがある。このアプリケーションセッションの開始通知を受けることにより、車載装置1において画面切り替え表示を終了するタイミングを判断することができる。
ステップS110において、制御部10は、ステップS100を行うときに中断した携帯端末2からの映像信号に基づく画面表示を再開し、切り替え後の画面表示が表示部11において行われるようにする。ステップS110を実行したら、制御部10はステップS70へ戻り、前述のような処理を繰り返す。
次に図7のフローチャートについて説明する。図7のフローチャートに示す処理は、携帯端末2において制御部20により実行されるものである。
ステップS200において、制御部20は、車載装置1からランチャーアプリケーション起動指令を受信したか否かを判定する。図1に示したように、車載装置1と携帯端末2がUSBケーブル3および映像ケーブル4を介して接続され、車載装置1において図6のステップS20が実行されることにより車載装置1から出力されたランチャーアプリケーション起動指令を受信した場合は、次のステップS210へ進む。
ステップS210において、制御部20は、ランチャーアプリケーションを起動する。このとき制御部20は、車載装置1との通信を確立するために、車載装置1へランチャーアプリケーションセッションの開始通知を出力する。ランチャーアプリケーションセッションでは、ランチャーアプリケーションにおいて車載装置1と携帯端末2との間で行われる一連の通信手順が定められている。このランチャーアプリケーションセッションの開始通知は、USBケーブル3を介して車載装置1へ送信され、車載装置1においてインタフェース部15により受信されて制御部10へ出力される。なお、既にランチャーアプリケーションを起動済みの場合は、ステップS210の処理を省略してステップS220へ進むようにする。
ステップS220において、制御部20は、表示部11の解像度についての解像度要求を車載装置1に対して出力する。この解像度要求の出力は、インタフェース部25およびUSBケーブル3を介して行われる。
ステップS230において、制御部20は、ステップS220で出力した解像度要求に応じて車載装置1から送信される解像度情報を受信する。ここでは、車載装置1において図6のステップS40が実行されることで送信される前述のような解像度情報をUSBケーブル3およびインタフェース部25を介して受信する。
ステップS240において、制御部20は、ステップS230で受信した解像度情報に基づいて、車載装置1が接続されているときに使用する画面構成要素を決定する。ここでは、前述したような地図画面などの各種画面において用いる文字、線、アイコン等の各画面構成要素について、文字の大きさやフォント、線の太さや色合い、アイコンの大きさなどを決定する。なお、文字、線、アイコン以外の画面構成要素についても、その画面構成要素に応じた内容で使用するものを決定することができる。
図8は、ステップS240で画面構成要素を決定する際に参照されるテーブルの例を示している。この例では、7インチ、6インチ、5インチおよび4.3インチの各画面サイズと、800×480および400×240の各画素数とに応じて、画面表示に用いる文字の大きさをポイント数で表している。携帯端末2では、このようなテーブルがメモリ部24などに予め記憶されており、ステップS230で車載装置1から解像度情報を受信すると、その解像度情報に含まれる表示部11の画面サイズと画素数の情報に基づいてテーブルの該当部分を参照することで、使用する文字の大きさを決定する。たとえばこのようにして、解像度情報に基づいて画面構成要素を決定することができる。なお、図8に示したテーブルは一例であり、この内容に限定されるものではない。
上記の例では文字の大きさを決定する場合について説明したが、これ以外の画面構成要素についても同様の方法で決定することができる。あるいは、テーブルを参照せずに他の方法を用いてもよい。たとえば、所定の計算式を用いて文字の大きさや線の太さを決定してもよい。
また、上記の例では解像度情報を表示部11の画面サイズと縦横の画素数で表した例を説明したが、これ以外の内容としてもよい。たとえば、画素の密度、画素サイズ、縦横のアスペクト比などを用いて解像度情報を表してもよい。あるいは、携帯端末2と接続される車載装置1の種類が予め決まっている場合は、携帯端末2において車載装置1の種類ごとに解像度を予め記憶しておき、接続された車載装置1がどの種類のものであるかを表す情報を解像度情報として車載装置1から送信するようにしてもよい。
ステップS250において、制御部20は、メニュー画面を生成して表示部21に表示する。これにより、図3のように複数のアイコンが配置されたメニュー画面が表示部21において表示される。
ステップS270において、制御部20は、車載装置1に対する映像信号の出力を開始する。このとき制御部20は、ステップS250で表示部21に表示したメニュー画面を映像信号出力部26へ出力する。映像信号出力部26は、制御部20から出力されたメニュー画面を映像信号に変換し、その映像信号を映像ケーブル4を介して車載装置1へ出力する。この映像信号が車載装置1において受信されることにより、図3のようなメニュー画面が車載装置1の表示部11において表示される。以降では、映像信号の出力を継続する。
ステップS280において、制御部20は、ステップS250で表示部21に表示したメニュー画面、または車載装置1の表示部11において映像信号に基づいて表示されたメニュー画面において、ユーザのタッチ操作によりいずれかのアイコンが指定されたか否かを判定する。このとき、車載装置1のメニュー画面におけるタッチ操作の内容は、図6のステップS80で車載装置1から送信されるタッチ操作情報に基づいて判断する。いずれのアイコンも指定されていなければステップS290へ進み、いずれかのアイコンが指定された場合はステップS310へ進む。
ステップS290において、制御部20は、メニュー画面の切り替え指令が行われたか否かを判定する。ここでは前述のように、車載装置1または携帯端末2においてメニュー画面上で図3の矢印マーク32または33がユーザのタッチ操作により選択されるか、または携帯端末2においてフリック操作が行われたときに、メニュー画面の切り替え指令が行われたと判定してステップS300へ進む。一方、これらの操作がない場合はメニュー画面の切り替え指令が行われていないと判定し、ステップS280へ戻る。
ステップS300において、制御部20は、メニュー画面の切り替えを行う。このとき、前述のようにして表示部21に表示されているメニュー画面を切り替え、その後に映像信号を出力することで車載装置1のメニュー画面も切り替える。ステップS300を実行したらステップS280へ戻る。
ステップS310において、制御部20は、車載装置1に対して画面切り替え要求を出力する。ここでは、たとえばステップS210で起動したランチャーアプリケーションを一旦停止し、ランチャーアプリケーションセッションの終了通知を車載装置1へ出力する。これを受けた車載装置1は、図6のステップS90において画面切り替え要求ありと判定する。すなわち、携帯端末2から車載装置1へランチャーアプリケーションセッションの終了通知を出力することで、画面切り替え要求を出力することができる。この画面切り替え要求の出力は、インタフェース部25およびUSBケーブル3を介して行われる。
ステップS320において、制御部20は、ステップS280で指定されたと判定されたアイコンに対応するアプリケーションを起動する。
ステップS330において、制御部20は、ステップS320で起動したアプリケーションに応じた処理を行う。このとき、実行中のアプリケーションによって生成された画面を表示部21に表示すると共に、その画面の映像信号を車載装置1へ送信する。車載装置1では、受信した映像信号に基づいて表示部11の画面表示が行われる。これにより、たとえばナビゲーション用のアプリケーションが実行されているときには、図4(b)および図5に示したような共通地図画面が表示部21と表示部11にそれぞれ表示される。
ステップS340において、制御部20は、ステップS320で起動したアプリケーションを停止するか否かを判定する。車載装置1または携帯端末2においてアプリケーションを停止するための所定の終了操作が行われた場合、制御部20は実行中のアプリケーションを停止すると判定してステップS350へ進む。一方、終了操作がない場合、制御部20はアプリケーションを停止しないと判定してステップS330へ戻り、実行中のアプリケーションに応じた処理を続行する。
ステップS350において、制御部20は、ステップS310と同様に、車載装置1に対して画面切り替え要求を出力する。ここでは、たとえばステップS320で起動したアプリケーションに対するセッションの終了通知を車載装置1へ出力する。これを受けた車載装置1は、図6のステップS90において画面切り替え要求ありと判定する。
ステップS360において、制御部20は、ステップS320で起動したアプリケーションを停止する。ステップS360を実行したらステップS250へ戻り、メニュー画面の表示を再開して前述のような処理を繰り返す。
続いて、ナビゲーション用のアプリケーションによる地図表示について説明する。図9は、地図表示の際に携帯端末2において実行される処理のフローチャートである。このフローチャートは、携帯端末2においてナビゲーション用のアプリケーションが起動されると制御部20によって実行されるものである。
ステップS400において、制御部20は、車載装置1が接続されているか否かを判定する。携帯端末2に車載装置1が接続されていない場合はステップS410へ進む。一方、図1に示したように、USBケーブル3および映像ケーブル4を介して携帯端末2と車載装置1が互いに接続されている場合はステップS460へ進む。
ステップS410において、制御部20は、地図の表示範囲を決定する。ここでは、たとえば現在位置から所定の範囲やユーザが指定した範囲などを地図の表示範囲として決定する。
ステップS420において、制御部20は、ステップS410で決定した地図の表示範囲について、携帯端末2において表示するための専用地図画面を生成する。
ステップS430において、制御部20は、ステップS420で生成した専用地図画面を表示部21に表示する。これにより、たとえば図4(a)のような地図画面が携帯端末2において表示される。
ステップS440において、制御部20は、地図範囲を変更するか否かを判定する。現在位置が移動した場合や、地図範囲を変更するための所定の操作が携帯端末2において行われた場合は、地図範囲を変更すると判定し、ステップS410へ戻る。この場合、前述のようなステップS410以降の処理を実行することにより、変更後の地図範囲について新たに専用地図画面を作成し、表示部21に表示する。一方、地図範囲を変更しない場合はステップS450へ進む。
ステップS450において、制御部20は、地図表示を終了するか否かを判定する。携帯端末2において、たとえばナビゲーション用アプリケーションの終了操作など、地図表示を終了するための所定の操作が行われた場合、制御部20は地図表示を終了すると判定して図9のフローチャートを終了する。一方、こうした操作がない場合、制御部20は地図表示を終了しないと判定してステップS440へ戻り、表示部21に専用地図画面を表示し続ける。
ステップS460において、制御部20は、ステップS410と同様に地図の表示範囲を決定する。
ステップS470において、制御部20は、ステップS460で決定した地図の表示範囲について、車載装置1と携帯端末2でそれぞれ表示するための共通地図画面を生成する。ここでは、図7のステップS240で決定した画面構成要素に応じて、共通地図画面における文字の大きさ、文字のフォント、道路の太さ、地図記号の大きさ、色合いなどを決定する。これにより、ステップS420で生成する専用地図画面に対して各画面構成要素を前述のように見やすく変化させ、共通地図画面を生成する。このとき、車両の案内にとって重要性の低い一部の地図記号や道路については、前述のように地図画面から消去してもよい。なお、これらの各画面構成要素の変化は必ずしも全て行う必要はなく、いずれか任意のものを選択して変化させてもよい。
ステップS480において、制御部20は、ステップS470で生成した共通地図画面を表示部21に表示する。これにより、たとえば図4(b)のような地図画面が携帯端末2において表示される。
ステップS490において、制御部20は、ステップS480で表示した共通地図画面の映像信号を車載装置1へ出力する。このとき制御部20は、共通地図画面を映像信号出力部26へ出力する。映像信号出力部26は、制御部20から出力された共通地図画面を映像信号に変換し、その映像信号を映像ケーブル4を介して車載装置1へ出力する。この映像信号が車載装置1において受信されることにより、図5のような地図画面が車載装置1の表示部11において表示される。
ステップS500において、制御部20は、地図範囲を変更するか否かを判定する。現在位置が移動した場合や、地図範囲を変更するための所定の操作が車載装置1または携帯端末2において行われた場合は、地図範囲を変更すると判定し、ステップS460へ戻る。この場合、前述のようなステップS460以降の処理を実行することにより、変更後の地図範囲について新たに共通地図画面を作成し、表示部11と表示部21にそれぞれ表示する。一方、地図範囲を変更しない場合はステップS510へ進む。
ステップS510において、制御部20は、地図表示を終了するか否かを判定する。車載装置1または携帯端末2において、たとえばナビゲーション用アプリケーションの終了操作など、地図表示を終了するための所定の操作が行われた場合、制御部20は地図表示を終了すると判定して図9のフローチャートを終了する。一方、こうした操作がない場合、制御部20は地図表示を終了しないと判定してステップS500へ戻り、表示部11と表示部21に共通地図画面をそれぞれ表示し続ける。
以上説明した本発明の第1の実施の形態によれば、次のような作用効果を奏する。
(1)携帯端末2は、制御部20の処理により、車載装置1が接続されているか否かを判定し(ステップS400)、車載装置1が接続されていないと判定された場合は、表示部21でのみ表示するための専用地図画面を生成する(ステップS420)。一方、車載装置1が接続されていると判定された場合は、表示部21と車載装置1が有する表示部11とで共通に表示するための共通地図画面を生成し(ステップS470)、これを車載装置1へ出力する(ステップS490)。このようにしたので、携帯端末2から車載装置1を制御し、車載装置1にとって適した画面表示を行うことができる。
(2)制御部20は、ステップS470において、専用地図画面に対して文字の大きさ、文字のフォント、道路の太さ、地図記号の大きさ、および色合いのいずれか少なくとも一つを変化させることにより、共通地図画面を生成する。このようにしたので、車両の運転に必要な地図情報を分かりやすく提供でき、車載装置1にとって適した地図画面とすることができる。
(3)制御部20は、車載装置1から送信される表示部11の解像度に関する解像度情報を受信し(ステップS230)、これに基づいて、ステップS470において共通地図画面を生成する。すなわち、ステップS230で受信した解像度情報に基づいて、共通地図画面において用いる文字、線、アイコン等の各画面構成要素について、文字の大きさやフォント、線の太さや色合い、アイコンの大きさなどを決定する(ステップS240)。こうして決定した各画面構成要素に応じて、ステップS470で共通地図画面を生成する際の文字の大きさ、文字のフォント、道路の太さ、地図記号の大きさ、色合いなどを決定する。このようにしたので、表示部11の解像度に応じて共通地図画面を生成することができる。さらに、表示部11の解像度が互いに異なる様々な種類の車載装置1が存在しており、そのいずれかが携帯端末2と接続される場合であっても、各車載装置1にとって最適な地図画面を生成して表示部11に表示させることができる。
(4)制御部20は、矢印マーク32、33を含むメニュー画面を生成して表示部21に表示し(ステップS250)、さらに車載装置1へ出力する(ステップS270)。そして、表示部21に対してフリック操作または矢印マーク32、33のいずれかを選択するタッチ操作が行われたとき、あるいは表示部11に対するタッチ操作で矢印マーク32、33のいずれかが選択されたことを示すタッチ操作情報が車載装置1から送信されたときに(ステップS290)、メニュー画面を変化させる(ステップS300)。このようにしたので、携帯端末2が多数のアプリケーションを有しており、全てのアプリケーションに対するアイコンをメニュー画面上に一度に表示できない場合であっても、メニュー画面を切り替えてユーザに任意のアイコンを選択させることができる。
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。前述の第1の実施の形態では、表示部11の解像度情報を車載装置1から携帯端末2へ送信し、携帯端末2では、この解像度情報に基づいて、地図画面等において用いる文字、線、アイコン等の画面構成要素を決定する例を説明した。これに対して、本実施形態では、さらに車載装置1の機種についての機種情報を車載装置1から携帯端末2へ送信し、携帯端末2では、この機種情報に基づいて、ナビゲーション用のアプリケーションによる共通地図画面の表示形態を決定する例を説明する。
なお、本実施形態に係る車載情報システムの構成や、車載装置1および携帯端末2の構成は、前述の第1の実施の形態で説明した図1、2とそれぞれ同様である。そのため、以下ではこれらについての説明を省略する。
本実施形態において、前述の第1の実施の形態で説明した図6のフローチャートに代えて車載装置1により実行される処理のフローチャートを図10に示す。なお、このフローチャートにおいて、図6のフローチャートと同じ内容の処理を実行する処理ステップには、図6と同一のステップ番号を付している。以下では、こうした図6と同一ステップ番号が付された処理ステップについては、特に必要のない限りその説明を省略する。
図10のステップS31において、車載装置1の制御部10は、解像度要求および機種要求が携帯端末2から行われたか否かを判定する。車載装置1と携帯端末2がUSBケーブル3および映像ケーブル4を介して互いに接続され、ステップS20で車載装置1から携帯端末2へランチャーアプリケーションの起動指令が出力されると、それに応じて、後で説明する図11のステップS221が携帯端末2において実行されることで携帯端末2から解像度要求および機種要求が出力される。この解像度要求および機種要求は、USBケーブル3を介して車載装置1へ送信され、車載装置1においてインタフェース部15により受信されて制御部10へ出力される。このようにして携帯端末2からの解像度要求および機種要求を受信した場合は、次のステップS41へ進む。
ステップS41において、制御部10は、ステップS31で受信した携帯端末2からの解像度要求および機種要求に応じて、前述の第1の実施の形態で説明した解像度情報と共に、車載装置1の機種に関する機種情報を携帯端末2へ送信する。ここでは、車載装置1の機種を特定するための情報として、たとえば車載装置1の製造メーカや型番等の情報を機種情報として送信する。このときさらに、表示部11を構成する液晶パネルの製造メーカや型番等の情報を機種情報に含めてもよい。この解像度情報および機種情報の送信は、インタフェース部15およびUSBケーブル3を介して行われる。ステップS41で解像度情報および機種情報を送信した後は、図6と同様の処理を実行する。
本実施形態において、前述の第1の実施の形態で説明した図7、9のフローチャートに代えて携帯端末2により実行される処理のフローチャートを図11、12に示す。なお、これらのフローチャートにおいて、図7、9のフローチャートと同じ内容の処理を実行する処理ステップには、図7、9と同一のステップ番号をそれぞれ付している。以下では、こうした図7、9と同一ステップ番号が付された処理ステップについては、特に必要のない限りその説明を省略する。
図11のステップS221において、携帯端末2の制御部20は、表示部11の解像度についての解像度要求と共に、車載装置1の機種についての機種要求を車載装置1に対して出力する。この解像度要求および機種要求の出力は、インタフェース部25およびUSBケーブル3を介して行われる。
ステップS231において、制御部20は、ステップS221で出力した解像度要求および機種要求に応じて車載装置1から送信される解像度情報および機種情報を受信する。ここでは、車載装置1において図10のステップS41が実行されることで送信される前述のような解像度情報および機種情報をUSBケーブル3およびインタフェース部25を介して受信する。ステップS231で解像度情報および機種情報を送信した後は、図7と同様の処理を実行する。
図12のステップS461において、制御部20は、図11のステップS231で受信した機種情報に基づいて、車載装置1と携帯端末2でそれぞれ表示するための共通地図画面の表示形態を決定する。ここでは、共通地図画面の各構成要素(地名等の文字、地図記号、道路、ポリゴンなど)について、これらの大きさ、線の太さ、色合いなどの表示形態を次のようにして決定する。
ここで、携帯端末2には、ナビゲーション装置の各メーカがそれぞれ標準的に使用している地図画面の各構成要素の表示形態に関する情報がメモリ部24において予め記憶されているものとする。ステップS461において、制御部20は、ステップS231で受信した機種情報から車載装置1の製造メーカを判断し、メモリ部24に記憶されている情報を用いて、その製造メーカに応じた地図画面の各構成要素の表示形態を特定する。こうして特定した地図画面の各構成要素の表示形態を、共通地図画面の各構成要素の表示形態として決定する。このようにすることで、車載装置1が携帯端末2と接続されていない状態でも単体で地図画面を表示可能なものである場合に、その地図画面と共通地図画面とでそれぞれ使用される各構成要素の表示形態を合致させるようにする。そのため、ユーザにとって違和感のない共通地図画面とすることができる。
なお、ステップS461において、さらに機種情報に基づいて車載装置1の型番や、表示部11を構成する液晶パネルの製造メーカ、型番等を判断し、その判断結果を加味して共通地図画面の各構成要素の表示形態を決定してもよい。たとえば、同一の製造メーカであっても機種ごとに地図画面の各構成要素の表示形態が異なっていたり、同一の機種であっても使用している液晶パネルに複数種類のものが存在し、その種類ごとに表示される地図画面の色合いが異なっていたりする場合がある。このような場合においても、上記のようにすることで、車載装置1が単体で表示可能な地図画面と共通地図画面とでそれぞれ使用される各構成要素の表示形態を同じものとして、ユーザにとって違和感のない共通地図画面とすることができる。
ステップS471において、制御部20は、ステップS460で決定した地図の表示範囲について、車載装置1と携帯端末2でそれぞれ表示するための共通地図画面を生成する。ここでは、共通地図画面における各構成要素をステップS461で決定された表示形態に従ってそれぞれ描画することにより、共通地図画面を生成する。ステップS471で共通地図画面を生成した後は、図9と同様の処理を実行する。
以上説明した本発明の第2の実施の形態によれば、ユーザにとって違和感のない共通地図画面を車載装置1において表示することができる。
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。前述の第1および第2の実施の形態では、携帯端末2において、車載装置1と携帯端末2で共通に用いられる共通地図画面を生成し、これを車載装置1の表示部11と携帯端末2の表示部21でそれぞれ表示する例を説明した。これに対して、本実施形態では、携帯端末2において、車載装置1用の地図画面と携帯端末2用の地図画面をそれぞれ生成し、携帯端末2用の地図画面を表示部21に表示しつつ、車載装置1用の地図画面を携帯端末2から車載装置1へ送信することで、車載装置1の表示部11にこれを表示する例を説明する。
なお、本実施形態に係る車載情報システムの構成や、車載装置1および携帯端末2の構成は、前述の第1の実施の形態で説明した図1、2とそれぞれ同様である。そのため、以下ではこれらについての説明を省略する。
図13は、本実施形態に係る車載情報システムにおいて、携帯端末2によりナビゲーション用のアプリケーションが実行されているときに、携帯端末2の表示部21と車載装置1の表示部11にそれぞれ表示される地図画面の例である。
図13(a)は、携帯端末2の表示部21に表示される地図画面の例を示している。この地図画面は、前述の第1の実施の形態で説明した図4(a)の専用地図画面と同様に、携帯端末2をユーザが手に持って見たときに多くの地図情報をユーザに提供することができるように構成されたものである。以下では、このような地図画面を携帯端末用地図画面と称する。
一方、図13(b)は、車載装置1の表示部11に表示される地図画面の例を示している。この地図画面は、前述の第1の実施の形態で説明した図5の共通地図画面と同様に、図13(a)の携帯端末用地図画面と比べて、文字や地図記号を拡大したり、道路を表す線の色合いや太さを見やすい形態に変更したり、一部の文字や地図記号、一部の道路を表す線などを消去したりすることで、車両の運転に必要な地図情報を分かりやすくユーザに提供することができるように構成されたものである。以下では、このような地図画面を車載装置用地図画面と称する。
本実施形態において、前述の第1の実施の形態で説明した図9のフローチャートに代えて携帯端末2により実行される処理のフローチャートを図14に示す。なお、このフローチャートにおいて、図9のフローチャートと同じ内容の処理を実行する処理ステップには、図9と同一のステップ番号を付している。以下では、この図9と同一ステップ番号が付された処理ステップについては、特に必要のない限りその説明を省略する。
ステップS421において、制御部20は、ステップS410で決定した地図の表示範囲について携帯端末用地図画面を生成する。
ステップS431において、制御部20は、ステップS421で生成した携帯端末用地図画面を表示部21に表示する。これにより、たとえば図13(a)のような地図画面が携帯端末2において表示される。
ステップS432において、制御部20は、車載装置1が接続されているか否かを判定する。携帯端末2に車載装置1が接続されていない場合はステップS440へ進む。一方、第1の実施の形態で図1に示したように、USBケーブル3および映像ケーブル4を介して携帯端末2と車載装置1が互いに接続されている場合はステップS433へ進む。
ステップS433において、制御部20は、ステップS410で決定した地図の表示範囲について、ステップS421で生成した携帯端末用地図画面とは別に、車載装置用地図画面を生成する。たとえば、第1の実施の形態で説明した共通地図画面の生成時と同様に、車載装置1から受信した解像度情報に基づいて決定された画面構成要素に応じて、車載装置用地図画面における文字の大きさ、文字のフォント、道路の太さ、地図記号の大きさ、色合いなどを決定することができる。あるいは、第2の実施の形態で説明したように、車載装置1から受信した機種情報に基づいて、車載装置用地図画面の各構成要素の表示形態を決定することとしてもよい。
ステップS434において、制御部20は、ステップS433で生成した車載装置用地図画面の映像信号を車載装置1へ出力する。このとき制御部20は、生成した車載装置用地図画面を映像信号出力部26へ出力する。映像信号出力部26は、制御部20から出力された車載装置用地図画面を映像信号に変換し、その映像信号を映像ケーブル4を介して車載装置1へ出力する。この映像信号が車載装置1において受信されることにより、図13(b)のような地図画面が車載装置1の表示部11において表示される。ステップS434で車載装置用地図画面の映像信号を車載装置1へ出力した後は、図9と同様の処理を実行する。
以上説明した本発明の第3の実施の形態によれば、車載装置1と携帯端末2においてそれぞれに適した地図画面を表示することができる。
(第4の実施の形態)
次に本発明の第4の実施の形態について説明する。前述の第3の実施の形態では、携帯端末2において車載装置用地図画面を生成し、これを携帯端末2から車載装置1へ送信して表示部11に表示する例を説明した。これに対して、本実施形態では、車載装置用地図画面を描画するための描画データを携帯端末2から車載装置1へ送信し、車載装置1において、この描画データを用いて車載装置用地図画面を描画して表示部11に表示する例を説明する。
なお、本実施形態に係る車載情報システムの構成や、車載装置1および携帯端末2の構成は、前述の第1の実施の形態で説明した図1、2とそれぞれ同様である。そのため、以下ではこれらについての説明を省略する。
本実施形態において、前述の第3の実施の形態で説明した図14のフローチャートに代えて携帯端末2により実行される処理のフローチャートを図15に示す。なお、このフローチャートにおいて、図9または図14のフローチャートと同じ内容の処理を実行する処理ステップには、図9または図14と同一のステップ番号を付している。以下では、この図9または図14と同一ステップ番号が付された処理ステップについては、特に必要のない限りその説明を省略する。
ステップS435において、制御部20は、ステップS410で決定した地図の表示範囲について、車載装置用地図画面を描画するための描画データを、インタフェース部25およびUSBケーブル3を介して車載装置1へ送信する。たとえば、車載装置用地図画面における道路やポリゴン等の各構成要素について、描画位置を指定するための座標情報や、色を指定するためのパラメータ情報などを描画データとして送信することができる。なお、このパラメータ情報によって指定される色は、ステップS421で生成した携帯端末用地図画面のものとは異なることが好ましい。あるいは、車載装置1が車載装置用地図画面を描画するための地図データを有していない場合は、車載装置用地図画面の範囲内について地図データを抽出し、これを描画データとして送信してもよい。ステップS435で描画データを車載装置1へ送信した後は、図9と同様の処理を実行する。
図16は、本実施形態で車載装置用地図画面を表示する際に、車載装置1において実行される処理のフローチャートである。
ステップS600において、制御部10は、図15のステップS435で携帯端末2から送信される車載装置用地図画面の描画データを受信する。ここでは、USBケーブル3を介して携帯端末2から送信された描画データをインタフェース部15により受信し、インタフェース部15から制御部10へ出力することで、車載装置用地図画面の描画データの受信を行う。
ステップS610において、制御部10は、ステップS600で受信した描画データに基づいて、車載装置用地図画面を描画する。ここでは、受信した描画データを用いて、たとえば第3の実施の形態において図14のステップS433で説明した車載装置用地図画面の生成処理と同様の処理を制御部10において行うことで、車載装置用地図画面を描画する。
ステップS620において、制御部10は、ステップS610で描画した車載装置用地図画面を表示部11に表示する。これにより、たとえば図13(b)のような地図画面が車載装置1の表示部11において表示される。
ステップS630において、制御部10は、表示部11に対するユーザからのタッチパネル操作が行われたか否かを判定する。ユーザが表示部11の画面上でいずれかの位置を指定するタッチ操作を行った場合はステップS640へ進み、ステップS640において、そのタッチ操作で指定された画面上の位置を表すタッチ操作情報を携帯端末2へ出力する。このタッチ操作情報の出力は、インタフェース部15およびUSBケーブル3を介して行われる。ステップS640でタッチ操作情報を出力したら、ステップS600へ戻って前述のような処理を繰り返す。一方、ステップS630においてタッチ操作が行われていないと判定した場合、ステップS640を実行せずにステップS600へ戻る。
以上説明した本発明の第4の実施の形態によれば、第3の実施の形態と同様に、車載装置1と携帯端末2においてそれぞれに適した地図画面を表示することができる。
(第5の実施の形態)
次に本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施形態では、前述の第3の実施の形態と同様に、携帯端末2において、車載装置1用の地図画面と携帯端末2用の地図画面をそれぞれ生成し、携帯端末2用の地図画面を表示部21に表示しつつ、車載装置1用の地図画面を携帯端末2から車載装置1へ送信することで、車載装置1の表示部11にこれを表示する例を説明する。
図17は、本実施形態による車載情報システムの構成を示す図である。図17に示す車載情報システムは、図1に示した第1の実施の形態による車載情報システムと同様に、車両に搭載されて使用されるものであり、車載装置1と携帯端末2がUSB(Universal Serial Bus)ケーブル3および映像ケーブル4を介して互いに接続されることによって実現される。
本実施形態において、車載装置1の表示部11には、車載装置1自身が生成した画面と、携帯端末2が車載装置1で表示するために生成した画面とのいずれかを表示可能である。携帯端末2において生成された画面を表示部11に表示する場合、携帯端末2は、その画面を映像信号に変換し、映像ケーブル4を介して車載装置1へ出力する。なお、携帯端末2では、自身の表示部21で表示するための画面と車載装置1の表示部11で表示するための画面とを別々に生成可能である。そのため、前者の画面を表示部21に表示しながら、それと同時に携帯端末2から車載装置1へ映像信号を出力して後者の画面を表示部11に表示することができる。
本実施形態において、車載装置1および携帯端末2は、第1の実施の形態で説明した図2に示したのと同様の構成をそれぞれ有している。なお、携帯端末2の制御部20が実行する処理の中には、上記のような車載装置1で表示するための画面を生成する処理も含まれている。
車載装置1で表示するために制御部20により生成された画面は、映像信号出力部26により映像信号に変換され、映像ケーブル4を介して車載装置1へ出力される。この映像信号が車載装置1において映像信号入力部16に入力されることで、携帯端末2が車載装置1で表示するために生成した画面を前述のようにして表示部11に表示することができる。
次に、本車載情報システムにおいて行われる処理について説明する。本車載情報システムは、車載装置1と携帯端末2とが接続された状態で、携帯端末2において各種のアプリケーションを実行することにより、そのアプリケーションに応じた様々な処理を行うことができる。たとえば、ナビゲーション用のアプリケーションを実行すると、車両を目的地まで誘導するためのナビゲーション処理が行われる。このナビゲーション処理では、携帯端末2により、現在位置付近など所定の地図範囲についての地図画面を車載装置1用と携帯端末2用にそれぞれ作成し、携帯端末2用の地図画面を表示部21に表示しつつ、車載装置1用の地図画面を車載装置1へ送信する。これにより、車載装置1の表示部11において車載装置1用の地図画面を表示できるようにする。また、出発地から目的地までの推奨経路を携帯端末2において予め探索しておき、車両が推奨経路上の誘導地点に近づくと、その誘導地点における車両の進行方向に応じた誘導音声を出力するための情報を携帯端末2から車載装置1へ送信する。これにより、車載装置1の音声出力部13から誘導音声を出力できるようにする。以上説明したように、表示部11に地図画面を表示したり、音声出力部13から誘導音声を出力したりすることで、車載装置1は、ユーザが迷わずに車両を目的地まで運転できるようにするための報知をユーザに対して行う。
なお、携帯端末2がナビゲーション用のアプリケーションを実行するために必要な地図データ等の各種データは、携帯端末2のメモリ部24において予め記憶されたものを使用してもよい。あるいは、メモリ部24には必要最小限のデータのみを記憶しておき、携帯端末2がナビゲーション用のアプリケーションを実行したときには、無線通信部27を用いて所定のサーバに接続し、必要なデータをその都度取得するようにしてもよい。
携帯端末2では、上記のようなナビゲーション用のアプリケーションを含む複数のアプリケーションのうち、ユーザに選択されたアプリケーションを実行する。ユーザは、携帯端末2の表示部21に表示される携帯端末2用のメニュー画面において、表示部21に対して操作部22を用いたタッチ操作により所望のアプリケーションを選択することで、携帯端末2に実行させるアプリケーションの選択を行うことができる。
さらに携帯端末2は、携帯端末2用のメニュー画面とは別に車載装置1用のメニュー画面を作成し、そのメニュー画面の映像信号を車載装置1へ送信する。車載装置1は、携帯端末2から送信された映像信号に基づいて、表示部11に車載装置1用のメニュー画面を表示する。このメニュー画面において、ユーザが表示部11に対して操作部12を用いたタッチ操作により所望のアプリケーションを選択すると、車載装置1は、タッチ操作で指定された画面上の位置を表すタッチ操作情報を携帯端末2へ送信する。携帯端末2は、車載装置1から送信されたタッチ操作情報に基づいて、ユーザがどのアプリケーションを選択したかを認識し、そのアプリケーションを実行する。これによりユーザは、携帯端末2の表示部21に表示されるメニュー画面を用いた場合と同様に、携帯端末2に実行させるアプリケーションの選択を行うことができる。
図18は、車載装置1と携帯端末2においてそれぞれ表示されるメニュー画面の例を示す図である。車載装置1と携帯端末2が接続されると、たとえば図18(a)に示すようなメニュー画面が車載装置1の表示部11と携帯端末2の表示部21においてそれぞれ表示される。
図18(a)において、携帯端末2の表示部21に表示されているメニュー画面では、「A」〜「P」の各アプリケーションに対応する16個のアイコンが配置されている。一方、車載装置1の表示部11に表示されているメニュー画面では、上記16個のアイコンのうち「A」〜「H」の各アプリケーションに対応する8個のアイコンのみが配置されている。このように、車載装置1の表示部11には、携帯端末2用のメニュー画面のうち一部分の内容のみが車載装置1用のメニュー画面として表示されており、それ以外の部分は表示されていない。
表示部21に表示されている携帯端末2用のメニュー画面と、表示部11に表示されている車載装置1用のメニュー画面とを比較すると、車載装置1用のメニュー画面では、携帯端末2用のメニュー画面よりも各アイコンの大きさや隣接するアイコン同士の間隔が拡大されていることが分かる。こうしたアイコン配置とすることで、車載装置1用のメニュー画面に対するユーザの視認性や操作性を向上させ、車載装置1にとって適したメニュー画面とすることができる。すなわち、携帯端末2の操作はユーザが手に持って行うため、ユーザの目から表示部21までの距離は通常30cm程度と比較的近く、また車両が動いているときでもユーザは意図通りの画面上の位置をタッチ操作して容易に指定することができる。そのため、携帯端末2用のメニュー画面では、図18(a)に示すように各アイコンの大きさや隣接するアイコン同士の間隔が比較的小さくても、ユーザは各アイコンを十分に視認すると共に、十分な操作性を確保することができる。一方、車載装置1は車両のインストルメントパネル内などに設置されているため、ユーザの目から表示部11までの距離は携帯端末2よりも遠く、また車両が走行しているときには車両の振動等によりユーザは意図通りの画面上の位置をタッチ操作で指定することが困難となる。そのため、車載装置1用のメニュー画面では、図18(a)に示すように各アイコンの大きさや隣接するアイコン同士の間隔を拡大することで、ユーザにとって必要な視認性や操作性を確保できるようにする。
また、表示部21に表示されている携帯端末2用のメニュー画面において、表示部11に表示されているメニュー画面に対応する部分には、その範囲を示す枠30が表示されている。このようにすることで、携帯端末2用のメニュー画面では、車載装置1用のメニュー画面に対応する部分が識別可能な形態で表示される。なお、枠30の代わりに他の表示形態、たとえば色の変更や点滅表示などを行うことで、携帯端末2用のメニュー画面において車載装置1用のメニュー画面に対応する部分が識別できるようにしてもよい。
図18(a)において、表示部11に表示されている車載装置1用のメニュー画面には、下方向に対応する矢印マーク31と、左右方向にそれぞれ対応する矢印マーク32、33とが表示されている。これらの矢印マークは、メニュー画面を切り替えるためのマークであり、それぞれ異なる操作が割り当てられている。
矢印マーク31は、携帯端末2用のメニュー画面を切り替えずに車載装置1用のメニュー画面を切り替えるためのマークである。ユーザが表示部11に対するタッチ操作により矢印マーク31を選択すると、そのタッチ位置を表すタッチ操作情報が車載装置1から携帯端末2へ送信される。このとき携帯端末2は、枠30を下方向に移動させ、車載装置1用のメニュー画面を生成するのに用いる携帯端末2用のメニュー画面の範囲を変化させる。そして、移動後の枠30の範囲内に含まれる各アイコンの大きさや隣接するアイコン同士の間隔を前述のようにして拡大することにより、車載装置1用のメニュー画面を新たに作成し、車載装置1へ映像信号を送信する。この映像信号に基づく画面を車載装置1の表示部11に表示することにより、車載装置1用のメニュー画面が切り替えられる。その結果、たとえば図18(b)に示すようなメニュー画面が車載装置1の表示部11と携帯端末2の表示部21においてそれぞれ表示される。
図18(b)において、携帯端末2の表示部21に表示されているメニュー画面では、枠30が図18(a)の位置から下方向に移動している。車載装置1の表示部11に表示されているメニュー画面では、この移動後の枠30の範囲に対応して、「I」〜「P」の各アプリケーションに対応する8個のアイコンが配置されている。このようにすることで、図18(a)では表示部11に表示されていないアイコンを車載装置1用のメニュー画面において表示することができる。また、下方向の矢印マーク31が表示されず、代わりに上方向の矢印マーク34が表示されている。この矢印マーク34をタッチ操作で選択することにより、図18(a)のメニュー画面に戻ることができる。
矢印マーク32、33は、携帯端末2用のメニュー画面を切り替えるためのマークである。ユーザが表示部11に対するタッチ操作により矢印マーク32または33を選択すると、そのタッチ位置を表すタッチ操作情報が車載装置1から携帯端末2へ送信される。このとき携帯端末2は、表示部21に表示されている携帯端末2用のメニュー画面を、それまでとは異なるアイコンが配置された別のメニュー画面へと切り替える。携帯端末2が多数のアプリケーションを有しており、全てのアプリケーションに対するアイコンをメニュー画面上に一度に表示できない場合、携帯端末2では表示すべきアイコンの数に応じて複数のメニュー画面が設定される。そこで、上記のようにして各メニュー画面を切り替えることで、ユーザが任意のアイコンを選択できるようにする。なお、携帯端末2において3つ以上のメニュー画面が設定されているときには、矢印マーク32を選択した場合と矢印マーク33を選択した場合とでメニュー画面の切り替え順序を変化させてもよい。
一方、ユーザが携帯端末2を操作する場合は、フリック操作と呼ばれるタッチ操作を行うことで表示部21に表示されている携帯端末2用のメニュー画面を切り替えることができる。フリック操作とは、所定の方向、たとえば左右方向に対して弾くように行うタッチ操作のことである。ユーザは、表示部21に携帯端末2用のメニュー画面が表示されているときにフリック操作を行うことで、各メニュー画面を切り替えることができる。すなわち、車載装置1ではフリック操作の代わりに矢印マーク32、33をタッチ操作で選択することにより、メニュー画面の切り替えを実現している。
なお、携帯端末2が有するアプリケーションの数があまり多くなく、1つのメニュー画面において全てのアイコンを一度に表示できる場合は、上記のようなメニュー画面の切り替えを行う必要はない。その場合、車載装置1用のメニュー画面において矢印マーク32、33は表示しなくてもよい。
以上説明したような操作により携帯端末2用のメニュー画面の切り替えが行われると、携帯端末2は、切り替え後のメニュー画面に応じた車載装置1用のメニュー画面を新たに作成し、車載装置1へ映像信号を送信する。この映像信号に基づくメニュー画面を車載装置1において表示部11に表示することにより、携帯端末2用のメニュー画面に合わせて車載装置1用のメニュー画面も変化する。その結果、たとえば図18(c)に示すようなメニュー画面が車載装置1の表示部11と携帯端末2の表示部21においてそれぞれ表示される。
図18(c)において、携帯端末2の表示部21に表示されているメニュー画面では、「Q」〜「V」の各アプリケーションに対応する6個のアイコンが配置されている。車載装置1の表示部11に表示されているメニュー画面でも、同様に「Q」〜「V」の各アプリケーションに対応する6個のアイコンが配置されている。また、矢印マーク32、33は表示されているが、図18(a)のような下方向の矢印マーク31は表示されていない。このように、携帯端末2用のメニュー画面に表示されているアイコンの数が少なく、全てのアイコンを車載装置1用のメニュー画面でも表示できる場合は、車載装置1用のメニュー画面を切り替える必要がないため、矢印マーク31を表示しなくてよい。
以上説明したような車載装置1用のメニュー画面または携帯端末2用のメニュー画面において、ユーザがタッチパネル操作によりいずれかのアイコンを選択すると、そのアイコンに対応するアプリケーションが携帯端末2において起動される。
図19は、ナビゲーション用のアプリケーションが実行されているときに携帯端末2において表示部21に表示される携帯端末2用の地図画面の例である。ナビゲーション用のアプリケーションが実行されると、携帯端末2は現在位置の周辺など所定の地図範囲について、前述の方法により図19のような地図画面を作成し、携帯端末2用の地図画面として表示部21に表示する。さらに、作成した地図画面のうち枠40に示す範囲の部分を抽出し、その部分に基づいて車載装置1用の地図画面を作成し、映像信号に変換して車載装置1へ送信する。この映像信号に基づく画面を車載装置1において表示することにより、車載装置1用の地図画面が表示部11に表示される。
図20は、図19の地図画面に対応して車載装置1の表示部11に表示される車載装置1用の地図画面の例である。図20の地図画面は、図19の地図画面のうち枠40に対応する範囲を表している。
図19に示す携帯端末2用の地図画面と、図20に示す車載装置1用の地図画面とを比較すると、図20に示す車載装置1用の地図画面では、図19に示す携帯端末2用の地図画面よりも文字や地図記号が拡大されると共に、道路を表す線の色合いや太さが見やすい形態に変更されていることが分かる。また、図20に示す車載装置1用の地図画面では、線路を表す線は目立たない形態へと変更され、さらに「相模線」や「清新中」などを表す一部の文字や地図記号、一部の道路を表す線などは消去されている。
以上説明したような地図画面を車載装置1と携帯端末2においてそれぞれ表示することにより、車載装置1と携帯端末2のそれぞれにとって見やすい地図画面とすることができる。すなわち、前述のようにユーザの目から携帯端末2の表示部21までの距離は比較的近いため、図19のような地図画面を携帯端末2用の地図画面として表示部21に表示することで、多くの地図情報をユーザに提供することができる。一方、ユーザの目から車載装置1の表示部11までの距離は比較的遠いため、図20のような地図画面を車載装置1用の地図画面として表示部11に表示することで、車両の運転に必要な地図情報を分かりやすくユーザに提供することができる。
本実施形態の車載装置1および携帯端末2における処理のフローチャートを図21および22に示す。図21は、車載装置1における処理のフローチャートを示しており、図22は、携帯端末2における処理のフローチャートを示している。
最初に図21のフローチャートについて説明する。図21のフローチャートに示す処理は、車載装置1において制御部10により実行されるものである。
ステップS1010において、制御部10は、携帯端末2が接続されているか否かを判定する。図17に示したように、車載装置1と携帯端末2がUSBケーブル3および映像ケーブル4を介して接続されている場合は、次のステップS1020へ進む。
ステップS1020において、制御部10は、携帯端末2に対してランチャーアプリケーションの起動指令を出力する。ランチャーアプリケーションとは、図18のような車載装置1用のメニュー画面を生成して車載装置1へ出力し、車載装置1から送信されるタッチ操作情報によりユーザが行ったタッチパネル操作の内容を認識するために、携帯端末2において実行されるアプリケーションのことである。このランチャーアプリケーションの起動指令の出力は、インタフェース部15およびUSBケーブル3を介して行われる。なお、携帯端末2において既にランチャーアプリケーションが起動している場合は、改めてランチャーアプリケーションの起動指令を出力する必要はない。
ステップS1030において、制御部10は、表示部11の解像度についての解像度要求が携帯端末2から行われたか否かを判定する。車載装置1と携帯端末2がUSBケーブル3および映像ケーブル4を介して互いに接続され、ステップS1020で車載装置1から携帯端末2へランチャーアプリケーションの起動指令が出力されると、それに応じて、後で説明する図22のステップS1220が携帯端末2において実行されることで携帯端末2から解像度要求が出力される。この解像度要求は、USBケーブル3を介して車載装置1へ送信され、車載装置1においてインタフェース部15により受信されて制御部10へ出力される。このようにして携帯端末2からの解像度要求を受信した場合は、次のステップS1040へ進む。
ステップS1040において、制御部10は、ステップS1030で受信した携帯端末2からの解像度要求に応じて、表示部11の解像度に関する解像度情報を携帯端末2へ送信する。ここでは、たとえば表示部11の画面サイズおよび縦横の画素数の情報を解像度情報として送信する。この解像度情報の送信は、インタフェース部15およびUSBケーブル3を介して行われる。
ステップS1050において、制御部10は、携帯端末2から出力される映像信号を受信する。ここでは、携帯端末2において後で説明する図22のステップS1270が実行されることで出力開始される映像信号が映像ケーブル4を介して映像信号入力部16に入力される。映像信号入力部16は、入力された映像信号を画面表示用の映像データに変換してから制御部10へ出力する。これにより、制御部10において映像信号が受信される。以降では、携帯端末2から出力される映像信号の受信を継続する。
ステップS1060において、制御部10は、ステップS1050で受信した映像信号に基づく画面表示を開始する。ここでは、ステップS1050で映像信号入力部16から出力された映像データに基づく画面を表示部11に表示させることで画面表示を開始する。これにより、たとえば図18に示したような車載装置1用のメニュー画面が表示部11において表示される。
ステップS1070において、制御部10は、表示部11に対するユーザからのタッチパネル操作が行われたか否かを判定する。ユーザが表示部11の画面上でいずれかの位置を指定するタッチ操作を行った場合はステップS1080へ進み、ステップS1080において、そのタッチ操作で指定された画面上の位置を表すタッチ操作情報を携帯端末2へ出力する。このタッチ操作情報の出力は、インタフェース部15およびUSBケーブル3を介して行われる。ステップS1080でタッチ操作情報を出力したらステップS1090へ進む。一方、ステップS1070においてタッチ操作が行われていないと判定した場合、ステップS1080を実行せずにステップS1090へ進む。
ステップS1090において、制御部10は、携帯端末2から画面切り替え要求が行なわれたか否かを判定する。携帯端末2は、アプリケーションを起動して表示部11の画面を車載装置1用のメニュー画面からアプリケーションの実行画面に切り替えたり、それまでに実行していたアプリケーションを終了して車載装置1用のメニュー画面に戻ったりするとき、後で説明する図22のステップS1310またはS1350を実行することで、車載装置1に対して画面切り替え要求を出力する。たとえば後述のように、それまで実行していたアプリケーションに対するセッションの終了通知を出力することで、携帯端末2から車載装置1への画面切り替え要求が行われる。この画面切り替え要求は、USBケーブル3を介して車載装置1へ送信され、車載装置1においてインタフェース部15により受信されて制御部10へ出力される。このようにして画面切り替え要求を受信した場合は、次のステップS1100へ進む。一方、携帯端末2から画面切り替え要求を受信していない場合はステップS1070へ戻り、前述のような処理を繰り返す。
ステップS1100において、制御部10は、携帯端末2からの映像信号に基づく画面表示を一旦中断し、表示部11に所定の画面切り替え表示を行わせる。ここでは、たとえば画面を切り替え中である旨のメッセージや、画面切り替え中であることを示す表示効果のアニメーションなどを、表示部11において所定の表示期間だけ表示する。このようにすることで、画面切り替え時に発生するチラツキ等を防止したり、画面が消えることでユーザが不安感を抱いたりしないようにすることができる。ステップS1100の画面切り替え表示を終了したら、制御部10はステップS1110へ進む。なお、画面切り替え表示を終了するタイミングは、予め設定された表示時間を経過することで判断してもよいし、携帯端末2からの制御に応じて決定してもよい。たとえば、携帯端末2においてアプリケーションが起動されると、そのアプリケーション上で行われる通信を車載装置1と携帯端末2の間で確立するために、携帯端末2から車載装置1へアプリケーションセッションの開始通知が出力されることがある。このアプリケーションセッションの開始通知を受けることにより、車載装置1において画面切り替え表示を終了するタイミングを判断することができる。
ステップS1110において、制御部10は、ステップS1100を行うときに中断した携帯端末2からの映像信号に基づく画面表示を再開し、切り替え後の画面表示が表示部11において行われるようにする。ステップS1110を実行したら、制御部10はステップS1070へ戻り、前述のような処理を繰り返す。
次に図22のフローチャートについて説明する。図22のフローチャートに示す処理は、携帯端末2において制御部20により実行されるものである。
ステップS1200において、制御部20は、車載装置1からランチャーアプリケーション起動指令を受信したか否かを判定する。図17に示したように、車載装置1と携帯端末2がUSBケーブル3および映像ケーブル4を介して接続され、車載装置1において図21のステップS1020が実行されることにより車載装置1から出力されたランチャーアプリケーション起動指令を受信した場合は、次のステップS1210へ進む。
ステップS1210において、制御部20は、ランチャーアプリケーションを起動する。このとき制御部20は、車載装置1との通信を確立するために、車載装置1へランチャーアプリケーションセッションの開始通知を出力する。ランチャーアプリケーションセッションでは、ランチャーアプリケーションにおいて車載装置1と携帯端末2との間で行われる一連の通信手順が定められている。このランチャーアプリケーションセッションの開始通知は、USBケーブル3を介して車載装置1へ送信され、車載装置1においてインタフェース部15により受信されて制御部10へ出力される。なお、既にランチャーアプリケーションを起動済みの場合は、ステップS1210の処理を省略してステップS1220へ進むようにする。
ステップS1220において、制御部20は、表示部11の解像度についての解像度要求を車載装置1に対して出力する。この解像度要求の出力は、インタフェース部25およびUSBケーブル3を介して行われる。
ステップS1230において、制御部20は、ステップS1220で出力した解像度要求に応じて車載装置1から送信される解像度情報を受信する。ここでは、車載装置1において図21のステップS1040が実行されることで送信される前述のような解像度情報をUSBケーブル3およびインタフェース部25を介して受信する。
ステップS1240において、制御部20は、ステップS1230で受信した解像度情報に基づいて、車載装置1に対して使用する画面構成要素を決定する。ここでは、前述したような車載装置1用のメニュー画面や地図画面などの各種画面において用いる文字、線、アイコン等の各画面構成要素について、文字の大きさやフォント、線の太さや色合い、アイコンの大きさや隣接するアイコン同士の間隔などを決定する。なお、文字、線、アイコン以外の画面構成要素についても、その画面構成要素に応じた内容で使用するものを決定することができる。
携帯端末2では、たとえば第1の実施の形態で説明した図8のようなテーブルがメモリ部24などに予め記憶されている。制御部20は、ステップS1230で車載装置1から解像度情報を受信すると、その解像度情報に含まれる表示部11の画面サイズと画素数の情報に基づいて、ステップS1240においてテーブルの該当部分を参照することで、使用する文字の大きさを決定する。たとえばこのようにして、解像度情報に基づいて画面構成要素を決定することができる。
上記の例では文字の大きさを決定する場合について説明したが、これ以外の画面構成要素についても同様の方法で決定することができる。あるいは、テーブルを参照せずに他の方法を用いてもよい。たとえば、所定の計算式を用いて文字の大きさや線の太さを決定してもよい。
また、上記の例では解像度情報を表示部11の画面サイズと縦横の画素数で表した例を説明したが、これ以外の内容としてもよい。たとえば、画素の密度、画素サイズ、縦横のアスペクト比などを用いて解像度情報を表してもよい。あるいは、携帯端末2と接続される車載装置1の種類が予め決まっている場合は、携帯端末2において車載装置1の種類ごとに解像度を予め記憶しておき、接続された車載装置1がどの種類のものであるかを表す情報を解像度情報として車載装置1から送信するようにしてもよい。
ステップS1250において、制御部20は、携帯端末2用のメニュー画面を生成して表示部21に表示する。これにより、図18のように複数のアイコンが配置されたメニュー画面が表示部21において表示される。
ステップS1260において、制御部20は、ステップS1240で決定した画面構成要素を用いて車載装置1用のメニュー画面を生成する。ここでは、ステップS1250で生成した携帯端末2用のメニュー画面の少なくとも一部分を抽出し、その部分に含まれる各アイコンの大きさや配置をステップS1240で決定した画面構成要素に応じて決定する。これにより、各アイコンの大きさや隣接するアイコン同士の間隔を前述のように拡大する。なお、各アイコンの大きさと隣接するアイコン同士の間隔のいずれか一方のみを変化させてもよい。さらに、表示すべきアイコンの数に応じて、図18に示したメニュー画面を切り替えるための矢印マーク31〜34の中から必要なものを選択し、これを含めて車載装置1用のメニュー画面を生成する。
ステップS1270において、制御部20は、車載装置1に対する映像信号の出力を開始する。このとき制御部20は、ステップS1260で生成した車載装置1用のメニュー画面を映像信号出力部26へ出力する。映像信号出力部26は、制御部20から出力されたメニュー画面を映像信号に変換し、その映像信号を映像ケーブル4を介して車載装置1へ出力する。この映像信号が車載装置1において受信されることにより、図18のようなメニュー画面が車載装置1の表示部11において表示される。以降では、映像信号の出力を継続する。
ステップS1280において、制御部20は、ステップS1250で表示部21に表示した携帯端末2用のメニュー画面、または車載装置1の表示部11において映像信号に基づいて表示された車載装置1用のメニュー画面において、ユーザのタッチ操作によりいずれかのアイコンが指定されたか否かを判定する。このとき、車載装置1用のメニュー画面におけるタッチ操作の内容は、図21のステップS1080で車載装置1から送信されるタッチ操作情報に基づいて判断する。いずれのアイコンも指定されていなければステップS1290へ進み、いずれかのアイコンが指定された場合はステップS1310へ進む。
ステップS1290において、制御部20は、メニュー画面の切り替え指令が行われたか否かを判定する。ここでは前述のように、車載装置1用のメニュー画面において図18の矢印マーク31〜34のいずれかがユーザのタッチ操作により選択されるか、または携帯端末2用のメニュー画面においてフリック操作が行われたときに、メニュー画面の切り替え指令が行われたと判定してステップS1300へ進む。一方、これらの操作がない場合はメニュー画面の切り替え指令が行われていないと判定し、ステップS1280へ戻る。
ステップS1300において、制御部20は、メニュー画面の切り替えを行う。このとき、車載装置1用のメニュー画面において矢印マーク31または34が選択された場合は、枠30を移動させ、車載装置1用のメニュー画面を生成するのに用いる携帯端末2用のメニュー画面の範囲を前述のように変化させる。これにより、携帯端末2用のメニュー画面を切り替えずに車載装置1用のメニュー画面のみを切り替える。一方、車載装置1用のメニュー画面において矢印マーク32または33が選択された場合、または携帯端末2用のメニュー画面においてフリック操作が行われた場合は、前述のように携帯端末2用のメニュー画面を別のメニュー画面へと切り替える。これにより、携帯端末2用のメニュー画面を切り替えると共に、それに応じて車載装置1用のメニュー画面も切り替える。ステップS1300を実行したらステップS1280へ戻る。
ステップS1310において、制御部20は、車載装置1に対して画面切り替え要求を出力する。ここでは、たとえばステップS1210で起動したランチャーアプリケーションを一旦停止し、ランチャーアプリケーションセッションの終了通知を車載装置1へ出力する。これを受けた車載装置1は、図21のステップS1090において画面切り替え要求ありと判定する。すなわち、携帯端末2から車載装置1へランチャーアプリケーションセッションの終了通知を出力することで、画面切り替え要求を出力することができる。この画面切り替え要求の出力は、インタフェース部25およびUSBケーブル3を介して行われる。
ステップS1320において、制御部20は、ステップS1280で指定されたと判定されたアイコンに対応するアプリケーションを起動する。
ステップS1330において、制御部20は、ステップS1320で起動したアプリケーションに応じた処理を行う。このとき、実行中のアプリケーションによって生成された携帯端末2用の画面を表示部21に表示すると共に、必要に応じて車載装置1用の画面を生成し、その映像信号を車載装置1へ送信する。車載装置1では、受信した映像信号に基づいて表示部11の画面表示が行われる。これにより、たとえばナビゲーション用のアプリケーションが実行されているときには、図19に示したような携帯端末2用の地図画面が表示部21に表示されると共に、図20に示したような車載装置1用の地図画面が表示部11に表示される。
ステップS1340において、制御部20は、ステップS1320で起動したアプリケーションを停止するか否かを判定する。車載装置1または携帯端末2においてアプリケーションを停止するための所定の終了操作が行われた場合、制御部20は実行中のアプリケーションを停止すると判定してステップS1350へ進む。一方、終了操作がない場合、制御部20はアプリケーションを停止しないと判定してステップS1330へ戻り、実行中のアプリケーションに応じた処理を続行する。
ステップS1350において、制御部20は、ステップS1310と同様に、車載装置1に対して画面切り替え要求を出力する。ここでは、たとえばステップS1320で起動したアプリケーションに対するセッションの終了通知を車載装置1へ出力する。これを受けた車載装置1は、図21のステップS1090において画面切り替え要求ありと判定する。
ステップS1360において、制御部20は、ステップS1320で起動したアプリケーションを停止する。ステップS1360を実行したらステップS1250へ戻り、メニュー画面の表示を再開して前述のような処理を繰り返す。
続いて、本実施形態におけるナビゲーション用のアプリケーションによる地図表示について説明する。図23は、地図表示の際に携帯端末2において実行される処理のフローチャートである。このフローチャートは、携帯端末2においてナビゲーション用のアプリケーションが起動されると制御部20によって実行されるものである。
ステップS1410において、制御部20は、携帯端末2用の地図の表示範囲を決定する。ここでは、たとえば現在位置から所定の範囲やユーザが指定した範囲を携帯端末2用の地図の表示範囲として決定する。
ステップS1420において、制御部20は、ステップS1410で決定した携帯端末2用の地図の表示範囲に基づいて、車載装置1用の地図の表示範囲を決定する。ここでは前述のように、携帯端末2用の地図の表示範囲のうち一部分を車載装置1用の地図の表示範囲として決定する。
ステップS1430において、制御部20は、ステップS1410で決定した携帯端末2用の地図の表示範囲について、携帯端末2用の地図画面を生成する。
ステップS1440において、制御部20は、ステップS1430で生成した携帯端末2用の地図画面を表示部21に表示する。このとき、ステップS1420で決定した車載装置1用の地図の表示範囲を識別可能な形態で地図画面上に表示する。これにより、たとえば図19のような地図画面が携帯端末2において表示される。
ステップS1450において、制御部20は、ステップS1420で決定した車載装置1用の地図の表示範囲と、ステップS1430で生成した携帯端末2用の地図画面とに基づいて、車載装置1用の地図画面を生成する。ここでは、ステップS1430で生成した携帯端末2用の地図画面のうち、ステップS1420で決定した車載装置1用の地図の表示範囲に対応する部分を抽出する。そして、図22のステップS1240で決定した画面構成要素に応じて、その部分に含まれる文字の大きさ、文字のフォント、道路の太さ、地図記号の大きさ、色合いなどを決定する。これにより、各画面構成要素を前述のように見やすく変化させ、車載装置1用の地図画面を生成する。このとき、車両の案内にとって重要性の低い一部の地図記号や道路については、前述のように地図画面から消去してもよい。なお、これらの各画面構成要素の変化は必ずしも全て行う必要はなく、いずれか任意のものを選択して変化させてもよい。
ステップS1460において、制御部20は、ステップS1450で生成した車載装置1用の地図画面の映像信号を車載装置1へ出力する。このとき制御部20は、車載装置1用の地図画面を映像信号出力部26へ出力する。映像信号出力部26は、制御部20から出力された車載装置1用の地図画面を映像信号に変換し、その映像信号を映像ケーブル4を介して車載装置1へ出力する。この映像信号が車載装置1において受信されることにより、図20のような地図画面が車載装置1の表示部11において表示される。
ステップS1470において、制御部20は、地図範囲を変更するか否かを判定する。現在位置が移動した場合や、地図範囲を変更するための所定の操作が車載装置1または携帯端末2において行われた場合は、地図範囲を変更すると判定し、ステップS1410へ戻る。この場合、前述のようなステップS1410以降の処理を実行することにより、変更後の地図範囲について新たに車載装置1用の地図画面と携帯端末2用の地図画面をそれぞれ作成し、表示部11と表示部21にそれぞれ表示する。一方、地図範囲を変更しない場合はステップS1480へ進む。
ステップS1480において、制御部20は、地図表示を終了するか否かを判定する。車載装置1または携帯端末2において、たとえばナビゲーション用アプリケーションの終了操作など、地図表示を終了するための所定の操作が行われた場合、制御部20は地図表示を終了すると判定して図23のフローチャートを終了する。一方、こうした操作がない場合、制御部20は地図表示を終了しないと判定してステップS1470へ戻り、車載装置1用の地図画面と携帯端末2用の地図画面をそれぞれ表示し続ける。
以上説明した本発明の第5の実施の形態によれば、次のような作用効果を奏する。
(1)携帯端末2は、制御部20の処理により、表示部21に表示するための携帯端末2用のメニュー画面や地図画面を生成し(ステップS1250、S1430)、これらの画面のうち少なくとも一部分に基づいて、表示部11において表示するための車載装置1用のメニュー画面や地図画面を生成する(ステップS1260、S1450)。そして、表示部21が携帯端末2用のメニュー画面や地図画面を表示しているときに、車載装置1用のメニュー画面や地図画面を車載装置1へ出力する(ステップS1270、S1460)。このようにしたので、携帯端末2から車載装置1を制御し、車載装置1にとって適した画面表示を行うことができる。
(2)制御部20は、ステップS1260において、携帯端末2用のメニュー画面の一部分に基づいて、車載装置1用のメニュー画面を生成する。具体的には、携帯端末2用のメニュー画面の一部分を抽出し、その部分に含まれる各アイコンの大きさおよび隣接するアイコン同士の間隔のいずれか少なくとも一方を変化させることにより、車載装置1用のメニュー画面を生成する。このようにしたので、ユーザにとって必要な視認性や操作性を確保し、車載装置1にとって適したメニュー画面とすることができる。
(3)制御部20は、ステップS1450において、携帯端末2用の地図画面の一部分に基づいて、車載装置1用の地図画面を生成する。具体的には、携帯端末2用の地図画面の一部分を抽出し、その部分に含まれる文字の大きさ、文字のフォント、道路の太さ、地図記号の大きさ、および色合いのいずれか少なくとも一つを変化させることにより、車載装置1用の地図画面を生成する。このようにしたので、車両の運転に必要な地図情報を分かりやすく提供でき、車載装置1にとって適した地図画面とすることができる。
(4)表示部21は、携帯端末2用のメニュー画面や地図画面において枠30、40を表示することにより、その画面で車載装置1用のメニュー画面や地図画面に対応する部分を識別可能な形態で表示することとした。これにより、たとえば携帯端末2と車載装置1を別々のユーザがそれぞれ見ながら会話をするような場合に、携帯端末2の画面を見ているユーザに対して、相手がその画面のうちでどの部分を見ているかを認識させることができる。そのため、ユーザ間の会話内容に齟齬が生じるのを防止できる。
(5)制御部20は、車載装置1から送信される表示部11の解像度に関する解像度情報を受信し(ステップS1230)、これに基づいて、ステップS1260、S1450において車載装置1用のメニュー画面や地図画面を生成する。すなわち、ステップS1230で受信した解像度情報に基づいて、車載装置1用のメニュー画面や地図画面において用いる文字、線、アイコン等の各画面構成要素について、文字の大きさやフォント、線の太さや色合い、アイコンの大きさや隣接するアイコン同士の間隔などを決定する(ステップS1240)。こうして決定した各画面構成要素に応じて、ステップS1260で車載装置1用のメニュー画面を生成する際の各アイコンの大きさや配置を決定したり、ステップS1450で車載装置1用の地図画面を生成する際の文字の大きさ、文字のフォント、道路の太さ、地図記号の大きさ、色合いなどを決定したりする。このようにしたので、表示部11の解像度に応じて最適な車載装置1用のメニュー画面や地図画面を生成することができる。さらに、表示部11の解像度が互いに異なる様々な種類の車載装置1が存在しており、そのいずれかが携帯端末2と接続される場合であっても、各車載装置1にとって最適なメニュー画面や地図画面を生成して表示部11に表示させることができる。
(6)制御部20は、ステップS1260において、矢印マーク31〜34の中から必要なものを選択し、これを含む車載装置1用のメニュー画面を生成する。そして、表示部11に対するタッチ操作で矢印マーク31〜34のいずれかが選択されたことを示すタッチ操作情報が車載装置1から送信されると(ステップS1290)、それに応じて車載装置1用のメニュー画面を変化させる(ステップS1300)。具体的には、表示部21に対してフリック操作が行われたとき、または表示部11に対するタッチ操作で矢印マーク32または33が選択されたことを示すタッチ操作情報が車載装置1から送信されたときには、携帯端末2用のメニュー画面を変化させ、その変化に応じて車載装置1用のメニュー画面を変化させる。また、表示部11に対するタッチ操作で矢印マーク31または34が選択されたことを示すタッチ操作情報が車載装置1から送信されると、車載装置1用のメニュー画面の生成に用いる携帯端末2用のメニュー画面の範囲を変化させることにより、車載装置1用のメニュー画面を変化させる。このようにしたので、携帯端末2が多数のアプリケーションを有しており、全てのアプリケーションに対するアイコンを車載装置1用のメニュー画面上に一度に表示できない場合であっても、車載装置1用のメニュー画面を切り替えてユーザに任意のアイコンを選択させることができる。
なお、以上説明した実施の形態では、車載装置1の表示部11では車載装置1用のメニュー画面や地図画面を表示し、携帯端末2の表示部21では携帯端末2用のメニュー画面や地図画面を表示する例を説明した。すなわち、車載装置1と携帯端末2において、その内容は異なるものの同じ種類の画面をそれぞれ表示するようにしていた。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、車載装置1と携帯端末2で互いに異なる種類の画面をそれぞれ表示してもよい。
図24は、車載装置1と携帯端末2で互いに異なる種類の画面をそれぞれ表示した場合の一例として、車載装置1において地図画面を表示し、携帯端末2において周辺施設リストを表示した例を示す図である。図24において、車載装置1の表示部11には図20と同様の地図画面が表示されている。一方、携帯端末2の表示部21には周辺施設リスト50が表示されている。
周辺施設リスト50には、表示部11に表示されている地図画面上で設定された所定の基準位置(たとえば中心位置)から近い順に、周辺に存在する施設の名称がリスト化して示されている。なお、施設名称以外の情報、たとえば施設の種類や基準位置からの距離などをさらに表示してもよい。ユーザが表示部21の画面上で周辺施設リスト50からいずれかの施設を選択するタッチ操作を行うと、その施設の位置を表示部11の地図画面上に示したり、ルート探索の目的地に設定したりすることができる。
なお、以上説明した第5の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、表示部11の解像度情報を車載装置1から携帯端末2へ送信し、携帯端末2では、この解像度情報に基づいて、車載装置1用の地図画面における文字、線、アイコン等の画面構成要素の表示形態を決定するようにした。しかし、このようにはせず、第2の実施の形態で説明したように、車載装置1の機種についての機種情報を車載装置1から携帯端末2へ送信し、携帯端末2では、この機種情報に基づいて、車載装置1用の地図画面における画面構成要素の表示形態を決定して、車載装置1用の地図画面を生成するようにしてもよい。
(第6の実施の形態)
次に本発明の第6の実施の形態について説明する。前述の第5の実施の形態では、携帯端末2において車載装置1用のメニュー画面を生成し、これを携帯端末2から車載装置1へ送信して表示部11に表示する例を説明した。これに対して、本実施形態では、車載装置1用のメニュー画面を生成するための情報を携帯端末2から車載装置1へ送信し、車載装置1では、この情報に基づいて車載装置1用のメニュー画面を生成して表示部11に表示する例を説明する。
なお、本実施形態に係る車載情報システムの構成は、図1に示した第1の実施の形態による車載情報システムの構成や、図17に示した第5の実施の形態による車載情報システムの構成と同様である。また、本実施形態に係る車載情報システムにおいて、車載装置1および携帯端末2の構成は、図2に示した第1の実施の形態による車載情報システムにおける車載装置1および携帯端末2の構成とそれぞれ同様である。そのため、以下ではこれらについての説明を省略する。
図25は、本実施形態において車載装置1と携帯端末2にそれぞれ表示されるメニュー画面の例を示す図である。車載装置1と携帯端末2が接続されると、たとえば図25(a)に示すようなメニュー画面が車載装置1の表示部11と携帯端末2の表示部21においてそれぞれ表示される。
図25(a)において、携帯端末2の表示部21に表示されている携帯端末2用のメニュー画面では、図18(a)に示した第5の実施の形態におけるメニュー画面と同様に、「A」〜「P」の各アプリケーションに対応する16個のアイコンが配置されている。車載装置1の表示部11に表示されている車載装置1用のメニュー画面についても、図18(a)に示した第5の実施の形態におけるメニュー画面と同様に、上記16個のアイコンのうち「A」〜「H」の各アプリケーションに対応する8個のアイコンのみが配置されている。
また、表示部21に表示されている携帯端末2用のメニュー画面において、表示部11に表示されている車載装置1用のメニュー画面に対応する部分には、その部分を識別可能とするための枠30が表示されている。
図25(a)において、表示部21に表示されている携帯端末2用のメニュー画面は、前述の第5の実施の形態と同様に、携帯端末2において生成されたものである。一方、表示部11に表示されている車載装置1用のメニュー画面は、前述の第5の実施の形態のように携帯端末2において生成されたものではなく、車載装置1において生成されたものである。
本実施形態では、車載装置1用のメニュー画面におけるアイコンの配置や大きさが予め設定されている。車載装置1と携帯端末2が接続されると、車載装置1は、メニュー画面上に表示可能なアイコン数に応じた分のアイコン情報を携帯端末2に要求する。このアイコン情報の要求に応じて、携帯端末2は、どのアイコンについてアイコン情報を送信するかを決定し、当該アイコンの図柄や当該アイコンがどのアプリケーションに対応しているかを表すアイコン情報を車載装置1に対して送信する。さらに、表示部21に表示されている携帯端末2用のメニュー画面において、アイコン情報を送信したアイコンの範囲に合わせて枠30を表示する。
車載装置1では、携帯端末2から送信されたアイコン情報を受信すると、そのアイコン情報に基づいて各アイコンの図柄を決定し、車載装置1用のメニュー画面上にそれぞれ配置する。
図25(a)において、表示部11に表示されている車載装置1用のメニュー画面には、「次へ」と書かれたアイコン35が表示されている。このアイコン35は、車載装置1用のメニュー画面を切り替えるためのマークである。ユーザが表示部11に対するタッチ操作によりアイコン35を指定すると、車載装置1は、アイコン35が指定されたことを表すタッチ操作情報を携帯端末2へ送信すると共に、切替後のメニュー画面におけるアイコンについてアイコン情報を携帯端末2に再要求する。すると、携帯端末2は、次にアイコン情報を送信するアイコンを決定し、当該アイコンについてアイコン情報を車載装置1へ送信すると共に、枠30を移動させる。こうして携帯端末2から新たに送信されたアイコン情報に基づいて、車載装置1は切替後のメニュー画面を表示部11に表示する。その結果、たとえば図25(b)に示すようなメニュー画面が車載装置1の表示部11と携帯端末2の表示部21においてそれぞれ表示される。
図25(b)において、表示部21に表示されている携帯端末2用のメニュー画面では、枠30が図25(a)の位置から下方向に移動している。表示部11に表示されている車載装置1用のメニュー画面では、この移動後の枠30の範囲に対応して、「I」〜「P」の各アプリケーションに対応する8個のアイコンが配置されている。また、車載装置1用のメニュー画面には、「戻る」と書かれたアイコン36も表示されている。このアイコン36をユーザがタッチ操作により指定すると、切替前のメニュー画面における各アイコンについてのアイコン情報が携帯端末2から車載装置1へ再送信される。その結果、図25(a)のメニュー画面に戻ることができる。
図25(b)に示した車載装置1用のメニュー画面において、ユーザがアイコン35をさらにタッチ操作で指定すると、車載装置1は、上記と同様にタッチ操作情報を携帯端末2へ送信すると共に、切替後のメニュー画面におけるアイコンについてアイコン情報を携帯端末2に再要求する。すると、携帯端末2は、携帯端末2用のメニュー画面を切り替えると共に、その切替後のメニュー画面に応じた新たなアイコン情報を車載装置1へ送信する。こうして携帯端末2から新たに送信されたアイコン情報に基づいて、車載装置1は切替後のメニュー画面を表示部11に表示する。その結果、たとえば図25(c)に示すようなメニュー画面が車載装置1の表示部11と携帯端末2の表示部21においてそれぞれ表示される。
図25(c)において、表示部21に表示されている携帯端末2用のメニュー画面では、「Q」〜「V」の各アプリケーションに対応する6個のアイコンが配置されている。表示部11に表示されている車載装置1用のメニュー画面でも、同様に「Q」〜「V」の各アプリケーションに対応する6個のアイコンが配置されている。なお、車載装置1用のメニュー画面において、切替前のメニュー画面に戻るためのアイコン36は表示されているが、これ以上のメニュー画面の切替は不要であるためアイコン35は表示されていない。
以上説明したような車載装置1用のメニュー画面または携帯端末2用のメニュー画面において、ユーザがタッチパネル操作によりいずれかのアイコンを選択すると、そのアイコンに対応するアプリケーションが携帯端末2において起動される。
本実施形態の車載装置1および携帯端末2における処理のフローチャートを図26および27に示す。図26は、車載装置1における処理のフローチャートを示しており、図27は、携帯端末2における処理のフローチャートを示している。なお、これらのフローチャートにおいて、図21、22のフローチャートと同じ内容の処理を実行する処理ステップには、図21、22と同一のステップ番号をそれぞれ付している。以下では、こうした図21、22と同一ステップ番号が付された処理ステップについては、特に必要のない限りその説明を省略する。
最初に図26のフローチャートについて説明する。図26のフローチャートに示す処理は、車載装置1において制御部10により実行されるものである。
ステップS1031において、制御部10は、アイコン情報を要求するためのアイコン情報要求を携帯端末2へ出力する。これにより、車載装置1用のメニュー画面上に表示可能なアイコン数に応じた分のアイコン情報を車載装置1から携帯端末2へ要求する。なお、車載装置1用のメニュー画面上に表示可能なアイコン数は、車載装置1において予め設定されているアイコンの配置や大きさに応じて決定することができる。このアイコン情報要求の出力は、インタフェース部15およびUSBケーブル3を介して行われる。
ステップS1041において、制御部10は、ステップS1031で出力したアイコン情報要求に応じて携帯端末2から送信されるアイコン情報を受信する。ここでは、携帯端末2において後で説明する図27のステップS1222が実行されることで送信されるアイコン情報をUSBケーブル3およびインタフェース部25を介して受信する。
ステップS1051において、制御部10は、ステップS1041で受信したアイコン情報を用いて車載装置1用のメニュー画面を生成する。ここでは、受信したアイコン情報に基づいて各アイコンの図柄を決定し、その各アイコンを所定の大きさで予め設定された配置順に並べる。さらに、図25に示したアイコン35、36を必要に応じて所定の位置に配置する。このようにして、車載装置1用のメニュー画面を生成することができる。
ステップS1061において、制御部10は、ステップS1051で生成したメニュー画面を表示部11に表示する。これにより、たとえば図25に示したような車載装置1用のメニュー画面が表示部11において表示される。
ステップS1070において、制御部10は、表示部11に対するユーザからのタッチパネル操作が行われたか否かを判定する。ユーザが表示部11の画面上でいずれかの位置を指定するタッチ操作を行ったら、次のステップS1071へ進む。
ステップS1071において、制御部10は、ユーザからのタッチ操作により指定されたアイコンを、ステップS1061で表示した車載装置1用のメニュー画面上で特定する。ここでは、タッチ操作で指定された画面上の位置と、車載装置1用のメニュー画面における各アイコンの配置領域とを比較することにより、ユーザが指定したアイコンの配置領域を特定し、当該配置領域に配置したアイコンを特定する。さらに、こうして特定したアイコンがどのアプリケーションに対応するかを、ステップS1041で受信したアイコン情報に基づいて特定する。
ステップS1081において、制御部10は、ステップS1071で特定したアイコンがどのアプリケーションに対応しているかを表す情報を、タッチ操作情報として携帯端末2へ出力する。このタッチ操作情報の出力は、インタフェース部15およびUSBケーブル3を介して行われる。
ステップS1090において、制御部10は、第5の実施の形態で説明したような携帯端末2からの画面切り替え要求の有無を判定する。携帯端末2から画面切り替え要求を受信した場合は、次のステップS1100へ進み、図21で説明したような処理を実行した後にステップS1101へ進む。一方、携帯端末2から画面切り替え要求を受信していない場合、すなわちユーザからのタッチ操作により指定されたアイコンが図25に示したようなメニュー画面を切り替えるためのアイコン35または36であった場合は、ステップS1031へ戻り、前述のような処理を繰り返す。これにより、携帯端末2から再送信されるアイコン情報を受信し、切替後の車載装置1用のメニュー画面を生成して表示部11に表示する。
ステップS1101において、制御部10は、携帯端末2から出力される映像信号を受信する。ここでは、携帯端末2において後で説明する図27のステップS1321が実行されることで出力開始される映像信号が映像ケーブル4を介して映像信号入力部16に入力される。映像信号入力部16は、入力された映像信号を画面表示用の映像データに変換してから制御部10へ出力する。これにより、制御部10において映像信号が受信される。以降では、携帯端末2から出力される映像信号の受信を継続する。
ステップS1102において、制御部10は、ステップS1101で受信した映像信号に基づく画面表示を開始する。ここでは、ステップS1101で映像信号入力部16から出力された映像データに基づく画面を表示部11に表示させることで画面表示を開始する。これにより、携帯端末2で実行されているアプリケーションに応じた画面が表示部11において表示される。
ステップS1103において、制御部10は、ステップS1090と同様の判定を行う。携帯端末2から画面切り替え要求を受信した場合は次のステップS1104へ進み、ステップS1104においてステップS1100と同様の処理を実行する。その後はステップS1031へ戻り、前述のような処理を繰り返す。
次に図27のフローチャートについて説明する。図27のフローチャートに示す処理は、携帯端末2において制御部20により実行されるものである。
ステップS1221において、制御部20は、前述のようなアイコン情報要求が車載装置1から行われたか否かを判定する。図26のステップS1031において車載装置1から出力されたアイコン情報要求を受信した場合は、次のステップS1222へ進む。
ステップS1222において、制御部20は、ステップS1221で受信した車載装置1からのアイコン情報要求に応じて、要求されたアイコン数に応じたアイコン情報を車載装置1へ送信する。ここでは、携帯端末2用のメニュー画面で表示可能なアイコンの中から、要求されたアイコン数以内でアイコン情報の送信対象とする各アイコンを決定し、その各アイコンの図柄や対応するアプリケーションを表す情報をアイコン情報として送信する。このアイコン情報の送信は、インタフェース部25およびUSBケーブル3を介して行われる。
ステップS1281において、制御部20は、ステップS1250で表示部21に表示した携帯端末2用のメニュー画面、または車載装置1の表示部11において映像信号に基づいて表示された車載装置1用のメニュー画面において、ユーザのタッチ操作によりいずれかのアイコンが指定されたか否かを判定する。このとき、車載装置1用のメニュー画面においてどのアイコンが指定されたかは、図26のステップS1081で車載装置1から送信されるタッチ操作情報に基づいて判断する。なお、ここで判断対象とされるアイコンには、図25に示したようなメニュー画面を切り替えるためのアイコン35、36は含まれない。いずれのアイコンも指定されていなければステップS1291へ進み、いずれかのアイコンが指定された場合はステップS1310へ進む。
ステップS1291において、制御部20は、メニュー画面の切り替え指令が行われたか否かを判定する。ここでは前述のように、車載装置1用のメニュー画面において図25のアイコン35または36がユーザのタッチ操作により選択されるか、または携帯端末2用のメニュー画面においてフリック操作が行われたときに、メニュー画面の切り替え指令が行われたと判定してステップS1221へ戻る。この場合、前述のような処理を再び行うことにより、切替後のメニュー画面に対するアイコン情報を車載装置1へ再送信する。一方、これらの操作がない場合はメニュー画面の切り替え指令が行われていないと判定し、ステップS1281へ戻る。
ステップS1270において、制御部20は、車載装置1に対する映像信号の出力を開始する。これにより、続くステップS1330の処理において生成される実行中のアプリケーションに応じた画面が映像信号出力部26において映像信号に変換され、映像ケーブル4を介して車載装置1へ出力されるようにする。これ以降は、図22と同様の処理を実行する。ステップS1360の実行後は、ステップS1221へ戻る。
以上説明した本発明の第6の実施の形態によれば、第5の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、第6の実施の形態で説明した図25のアイコン35、36を、前述の第5の実施の形態における図18の矢印マーク31〜34の代わりに用いてもよい。また、第5の実施の形態で説明した矢印マーク31〜34を、第6の実施の形態においてアイコン35、36の代わりに用いてもよい。
以上説明した各実施の形態では、USBケーブル3および映像ケーブル4を介して車載装置1と携帯端末2を互いに接続し、USB通信により車載装置1と携帯端末2との間で通信を行うと共に携帯端末2から車載装置1へ映像信号を出力する例を説明したが、他の通信方式や信号伝送方式を用いても本発明は実現可能である。たとえば、映像信号をデジタルデータ化してUSB通信で送信してもよい。また、ブルートゥース(登録商標)、ワイヤレスUSB等の無線通信や、USB以外の有線通信などを用いることができる。車載装置1と携帯端末2との間で必要な情報を送受信可能なものである限り、どのような通信方式を採用してもよい。
なお、上記の各実施形態で説明したような処理を携帯端末2において実行するためのプログラムは、CD−ROMなどの記録媒体やインターネットなどの電気通信回線を通じて携帯端末2に提供することができる。図28は、携帯端末2にプログラムを提供する様子を示している。パーソナルコンピュータ100は、携帯端末2と接続されており、CD−ROM102に記録されているプログラムを読み込んだり、サーバ103から通信回線101を介して送信されるプログラムを受信したりすることで、携帯端末2用のプログラムを取得して携帯端末2へ出力する。すなわち、携帯端末2は、パーソナルコンピュータ100を介して、CD−ROM102やサーバ103からプログラムの提供を受けることができる。あるいは、サーバ103から携帯端末2へ通信回線101を介してプログラムを直接送信することで、携帯端末2用のプログラムを提供してもよい。通信回線101は、たとえばインターネット、無線LAN、携帯電話回線などである。サーバ103は、携帯端末2用のプログラムを搬送波上のデータ信号に変換して、通信回線101を介してパーソナルコンピュータ100や携帯端末2へ送信する。このように、携帯端末2用のプログラムは、記録媒体や搬送波などの種々の形態のコンピュータ読み込み可能なコンピュータプログラム製品として供給できる。
以上説明した各実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、上記各実施の形態と変形例とを任意に組み合わせて用いてもよい。
次の優先権基礎出願の開示内容は引用文としてここに組み込まれる。
日本国特許出願2011−091252号(2011年4月15日出願)、日本国特許出願2011−091253号(2011年4月15日出願)