JP6022305B2 - 電動工具 - Google Patents
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Description
しかしながら、上記したスパナを常備することとなると、このスパナを常備する管理負担が使用者にかかってしまう。このため、このようなスパナを常備するような管理負担を軽減したい、との要請がある。
すなわち、本発明の第1の発明に係る電動工具は、モータと、前記モータを収容するハウジングと、前記モータにより駆動される先端工具と、を有する電動工具であって、相違する少なくとも2つの機能を有する部材を、直接的または間接的に前記ハウジングに保持させてあることを特徴とする。この第1の発明に係る電動工具によれば、ハウジングに保持される部材が有する機能の一つとして、先端工具の付け替えをできるようにする工具としての機能を設定しておくことができる。加えて、このハウジングに保持される部材が有する機能の一つとして、例えば先端工具の突き出し量を調節するシュー(接触部材)としての機能を設定しておくことができる。ここで、この2つの機能を有する部材は、ハウジングに保持されているので、電動工具に常備されるものとなる。これによって、先端工具の付け替える工具としての機能を有する部材を、電動工具の一部として機能する部材とすることができる。もって、電動工具として装備される部品点数を増やすことなく、必要とされる工具を常備するような使用者の管理負担を軽減することができる。
また、第2の発明に係る電動工具は、モータと、前記モータを収容するハウジングと、前記モータにより駆動され且つ先端工具を保持可能な先端工具保持部と、前記ハウジングに直接的または間接的に保持され且つ被加工材と接触可能な接触部を有する接触部材と、を有する電動工具であって、前記接触部材は、前記先端工具保持部に対する前記先端工具の保持に関する操作が可能に構成されていることを特徴とする。この第2の発明に係る電動工具によれば、接触部材は、先端工具保持部に対して先端工具の保持に関する操作が可能とされている。これによって、この接触部材は、接触部にて被加工材と接触する機能と、先端工具の保持に関して先端工具保持部を操作する機能との、2つの機能を有することとなる。したがって、先端工具の付け替える際の先端工具保持部を操作する工具としての機能を有する部材を、接触部にて被加工材と接触する機能を有する電動工具の一部材として設定することができる。もって、先端工具の付け替える工具としての機能を有する部材を、電動工具の一部として機能する部材とすることができて、工具の管理負担を軽減することができる。
また、第4の発明に係る電動回転工具は、前記第3の発明に係る電動回転工具において、前記スパナ部が設けられる箇所は、前記接触部材のうち前記接触部が設けられる前端側とは反対側の後端側に設定されていることを特徴とする。この第4の発明に係る電動回転工具によれば、スパナ部が設けられる箇所は、接触部材のうち接触部が設けられる前端側とは反対側の後端側に設定されているので、接触部とスパナ部との形状を互いに干渉させることなく設けることができる。これによって、接触部としての形状を十分な形状に設計することができつつ、スパナ部としての形状も十分な形状に設計することができる。
また、第5の発明に係る電動回転工具は、前記第3または前記第4の発明に係る電動回転工具において、前記接触部は、該電動回転工具の前後方向と交わる方向に延びる面を有することを特徴とする。この第5の発明に係る電動回転工具によれば、接触部は、電動回転工具の前後方向と交わる方向に延びる面を有するので、そのまま前側に電動回転工具を進めることで、被加工材に対して接触部を面接触させることができる。これによって、被加工材に対して接触部を安定的に接触させることができる。また、このように接触部が設けられていると、スパナ部を利用する際の手握り部分として機能することができる。
また、第6の発明に係る電動回転工具は、前記第3の発明に係る電動回転工具において、前記接触部材は、前記モータの下方で被加工材の表面と接触される第1の接触部と、該第1の接触部が接触された状態で該被加工材の側面と接触される第2の接触部と、を有し、前記スパナ部は、前記第2の接触部に設けられていることを特徴とする。この第6の発明に係る電動回転工具によれば、スパナ部は第2の接触部に設けられているので、第1の接触部としての機能を十分に確保できつつ、上記した工具の管理負担を軽減することができることとなる。
駆動力発生部20は、概略、外装をなすモータハウジング21の中に、ブラシモータ25をはじめとする各種の構成部材が収容されて構成される。モータハウジング21は、左右方向で半割りの樹脂の成形品となっている。モータハウジング21は、図1に示すように5点の螺子止め部22により合体状態が保持される。モータハウジング21は、中間範囲が手握りされるグリップ部211として形成されている。このグリップ部211の後側はグリップエンド部212として形成されている。グリップエンド部212は、グリップ部211の外周の周長に比して長く設定された外周の周長を有して形成されている。つまり、このグリップ部211は、後端周辺が野球バットのグリップエンドのように外周長が拡げられて形成されている。なお、このグリップエンド部212の後端は、充電式バッテリ15が装着されるバッテリ装着部13として構成されている。なお、バッテリ装着部13に装着される充電式バッテリ15は、このカットアウトツール10の電源として工具本体11に装着されるバッテリである。この充電式バッテリ15は、使用により放電した後には、不図示の専用充電器により充電される。この充電式バッテリ15は、工具本体11の最後部に設けられるバッテリ装着部13に対して、上から下にスライドさせるようにして装着されるようになっている。この充電式バッテリ15には押下ボタン151が設けられている。この押下ボタン151を押し下げられている間は、バッテリ装着部13に対する充電式バッテリ15の装着のロック状態を解除することができ、バッテリ装着部13から充電式バッテリ15を取り外すことができる。
グリップ部211の前側は、前面連結部213として形成されている。この前面連結部213は、モータハウジング21に対して後に説明する出力軸支持部30を連結させるように形成されている。この前面連結部213も、グリップエンド部212と同様、グリップ部211の外周の周長に比して長く設定された外周の周長を有して形成されている。このため、使用者がグリップ部211を手握りした際の握り感触は、これらの外周の周長の違いによって高められている。なお、図1に示すように、グリップ部211の外部露出面には適宜の滑り止め被覆部216が設けられている。滑り止め被覆部216は、モータハウジング21と一体成形される熱可塑性エラストマー(TPE)によって形成される。
図3に示すように、前面連結部213の内周側には、送風ファン29が内装されている。この送風ファン29は、モータハウジング21の内部を後から前に向けて風を送るように作用する。すなわち、送風ファン29による風は、コントローラ(不図示)、スイッチ本体(不図示)、ブラシモータ25、送風ファン29と、モータハウジング21の内部に送られる。不図示のコントローラは、充電式バッテリ15からの電力供給を制御する等の機能を有する。不図示のスイッチ本体は、図2に示すモータハウジング21の外部に露出されるスライドスイッチ23の前後スライド操作によってオンオフが切り換わる機能を有する。具体的には、スライドスイッチ23を前側にスライド操作した場合には、不図示のスイッチ本体はオン入力がなされて、このオン入力の信号をコントローラに送信する。
出力軸35は、図3に示すように、後端に後端嵌合孔352が設けられており、前端に前端嵌合孔353が設けられている。後端嵌合孔352にはモータ軸26が圧入されて出力軸35と一体となっている。また、前端嵌合孔353には、後に説明する差込部材41が圧入される。また、差込部材41が圧入される出力軸35の外周面には、雄螺子状に切られる雄螺子部354が設けられている。この雄螺子部354は、後に説明するナット部材47の雌螺子部471が螺合される。このようにモータ軸26と差込部材41とが一体にされる出力軸35は、前側ベアリング262により支持されている。
次に、上記した出力軸35の先端に設けられるビット取付機構40について説明する。このビット取付機構40は、ブラシモータ25により駆動されビットBを保持可能とする、本発明に係る先端工具保持部に相当する。
すなわち、ビット取付機構40は、回転駆動する出力軸35にビットBを取り付ける。このビット取付機構40は、概略、差込部材41とナット部材47とを備える。このナット部材47は、本発明に係る締結部材に相当する。差込部材41は、出力軸35の前端嵌合孔353に圧入される。差込部材41は、出力軸35の回転軸線100上でビットBが配置されるようにビットBを把持可能に差し込まれている。この差込部材41には、前端にビットBを差込可能とする開口部42が設けられている。この差込部材41の内周径は、この差込部材41に差し込まれたビットBを把持するように縮小可能に形成される。具体的には、差込部材41には、回転軸線100方向で延びるスリット43が等間隔で4つ設けられている。差込部材41は、これらの4つのスリット43によって内周側と外周側とに揺動可能な4つの分離された爪形状をなす。なお、差込部材41の外周面の前端近傍には、テーパ形状をなすテーパ部44が設けられている。
つまり、差込部材41は、開口部42に差し込まれるビットBの外周面を押圧して、このビットBを把持することとなる。逆に、ナット部材47が差込部材41に螺子外しされていると、上記した差込部材41の内周径は通常どおりの内周径となる。この際、ナット部材47の縮径部472は、テーパ部44を内周側に押圧しないこととなり、差込部材41の内周面もビットBの外周面を押圧しない。これによって、差込部材41の内周側に差し込まれるビットBは差込部材41によって把持されることがなくなり、差込部材41からビットBを抜き差しすることができる。このナット部材47は、広く利用されているナットと同様、略六角柱をなして形成されている。すなわち、ナット部材47の外周は、正面視六角形をなす形状にて形成され、広く利用されているスパナにより回すことができるようになっている。
なお、係合部材51の外周環521の後端525と、出力側ハウジング31の前面312とは、付勢ばね59の付勢力により互いが当接されるようになっている。これにより、内装される付勢ばね59の配設範囲に、外部から粉塵が浸入してしまうのを抑制することができる。また、この係合部材51の内周環522の内周側には、径方向内側に延びる突起部526が設けられている。この突起部526は、ストッパ部材56の前端面と対面させている。このため、突起部526は、ストッパ部材56の前端面との間に生ずる隙間を閉塞させるように作用して、この隙間から粉塵が入り込むのを抑制している。
図4に示すように、シュー取付部60は、概略、ガイドプレート61と、締結螺子部材66とを備える。ガイドプレート61は、出力側ハウジング31の右側面に設けられ、後に説明するシュー70の前後スライドをガイドする機能を有する。ガイドプレート61は、概略、プレート本体62と、螺子止め部材64とを備える。
プレート本体62には、後に説明するシュー70のシュープレート81の内周面811が摺接される外周面621を有して形成される。このため、プレート本体62の外周面621は、シュープレート81の内周面811の周面形状に対応した形状を有して形成されている。また、図1および図2に示すように、このプレート本体62にはスライドガイド部622,622が設けられている。このスライドガイド部622,622は、プレート本体62の幅方向の両側の端縁(工具本体11の上下方向の端縁)に設けられており、シュープレート81の前後方向のスライドを案内するように作用する。具体的には、スライドガイド部622,622は、出力軸35の回転径方向の外側に突き出されたリブ形状を有して形成される。このように形成されるスライドガイド部622,622は、シュープレート81の幅方向(上下方向)の両側端縁812,812に摺接するようになっている。つまり、スライドガイド部622,622は、シュープレート81の両側端縁812,812を摺接させて、シュープレートの幅方向(上下方向)のズレを規制して、シュー70の前後方向のスライドをガイドする。なお、シュー70の配置調整方向(前後方向)は、充電式バッテリ15の装着方向(上下方向)と直交交差する方向関係となっている。
ところで、プレート本体62の前部には、締結雌螺子部65が設けられている。この締結雌螺子部65には、次に説明する締結螺子部材66の雄螺子部67が螺合される。この締結雌螺子部65には、径方向の外側(右側)に適宜に突き出されたフランジ部651が設けられている。このフランジ部651は、後に説明するシュープレート81のスライドガイド溝83に入り込むように設定されている。なお、フランジ部651がスライドガイド溝83に入り込むと、シュー70の前後方向のスライドをガイドするように作用する。
締結螺子部材66は、概略、雄螺子部67と、ツマミ部68と、ワッシャ部69とを備える。この雄螺子部67は、上記したプレート本体62に設けられる締結雌螺子部65に螺合される。雄螺子部67は、ツマミ部68と一体化されている。このため、雄螺子部67は、ツマミ部68の螺子回しと一緒に螺子回しされる。ツマミ部68は、螺子回し可能なツマミノブ形状を有して形成される。ワッシャ部69は、汎用されるワッシャのように形成される。このワッシャ部69には、雄螺子部67が挿し通されている。つまり、ツマミ部68を螺子回しすることにより、締結雌螺子部65に螺合される雄螺子部67は、左右方向に移動することとなる。
図5は、シュー70の斜視外観を示している。また、図6は、シュー70の側面視外観を示している。図7は、図6の(VII)−(VII)断面矢視を示している。図8は、シュー70の正面視外観を示している。図5〜図8に示すように、シュー70は、シュー本体71とシュープレート81とを備える。これらシュー本体71とシュープレート81とは、交差端が一体結合されるように互いに交差する方向に延びている。具体的には、シュー本体71とシュープレート81とは、互いの交差端が一体となるように互いに直交する方向で延在配置されている。このように配置されたシュー本体71とシュープレート81とは、一体に成形されてシュー70をなしている。なお、このシュー本体71は、被加工材と接触可能に構成される部分である。つまり、このシュー本体71は、本発明に係る接触部に相当する。
また、このプレート体82の後部には、スパナ部85が設けられている。つまり、このスパナ部85が設けられる箇所は、シュー70のうちシュー本体71が設けられる前端側とは反対側の後端側に設定されている。このスパナ部85は、略スパナ形状を有して形成される。このスパナ部85は、ナット部材47の外周と係合するスパナの係合形状を模した形状を有して形成されている。このため、このスパナ部85は、ナット部材47の外周に対応した正面視六角形に係合可能なスパナ形状を有して形成されている。なお、このようにスパナ部85を有するプレート体82は、焼きが入れられることによりスパナ部85として機能するための強度が確保されている。このようなシュー70は、ビット取付機構40に対するビットBの保持に関する操作が可能に構成されている。このスパナ部85は、上記したスライドガイド溝83の開口端832と通じている。このため、シュー70がスライド変位可能状態となっている場合には、スライドガイド溝83内に挿し込まれた雄螺子部67を、スライドガイド溝83の後端の開口端832からスパナ部85に移動させ、さらにスパナ部85から外部に抜け出させることができる。つまり、このシュー70をシュー取付部60から取り外すことができる。
これに対して、上記したスライド変位可能状態で、工具本体11に対してシュー70を後側に動かしていくと、スライドガイド溝83内に挿し込まれた雄螺子部67は、スライドガイド溝83の前端の閉塞端831に当接する。そうすると、このシュー取付部60に対するシュープレート81の動きは規制されることとなる。なお、ツマミ部68を締結方向に螺子回しして螺子締結状態となっている場合では、ワッシャ部69を介してツマミ部68はシュープレート81を押圧し、工具本体11に対してシュー70の相対位置は変えることができない。
図9〜図12に示すシュー90は、上記した実施の形態のシュー70と置き換えて利用することができるものである。すなわち、シュー90は、上記した実施の形態のシュー取付部60からシュー70を取り外して、このシュー取付部60に付け替えることができるようになっている。このシュー90も、工具本体11に対する相対位置を決めて一体固定されることにより、この工具本体11から前側に突き出されるビットBの加工突出量を設定する。このシュー90も、本発明に係る接触部材に相当する。シュー90は、シュー本体91とシュープレート93とを備える。これらシュー本体91とシュープレート93とは、交差端が一体結合されるように互いに交差する方向に延びている。具体的には、シュー本体91とシュープレート93とは、互いの交差端が一体となるように互いに直交する方向で延在配置されている。このように配置されたシュー本体91とシュープレート93とは、一体に成形されてシュー90をなしている。なお、このシュー本体91は、被加工材と接触可能に構成される部分である。つまり、このシュー本体91は、本発明に係る接触部に相当する。
シュープレート93は、上記したシュー取付部60に取り付けられる箇所である。このシュー取付部60にシュープレート93が取り付けられると、工具本体11にシュー90が取り付けられることとなる。このシュープレート93は、上記したシュー本体91の右端部分から後側に延びるプレート体94を有する。このプレート体94は、シュー取付部60のプレート本体62の外周面621と摺接可能な形状を有して形成される。このプレート体94は、シュー90を前後方向にスライドできるようにスライドガイド溝941が設けられている。このスライドガイド溝941は、前後方向に延びる略長孔形状を有して形成される。このスライドガイド溝941は、上記した締結螺子部材66の雄螺子部67が挿し通される連通形状を有する。具体的には、スライドガイド溝941は、前端が閉塞された閉塞端942として形成され、後端が開口された開口端943として形成される。なお、このスライドガイド溝941の開口端943には、次に説明する第3係合部98が設けられている。
まず、第1係合部97について説明する。図9および図11に示すように、第1係合部97は、シュープレート93の前端を切り欠くようにして設けられている。つまり、プレート体94の前端を切り欠くようにして設けられている。この第1係合部97は、プレート体94の前端の中央部分に設けられている。このため、次の第2係合部98の説明においてもするように、シュー本体91の外周縁95の右端から、シュープレート93を切り欠くようにして形成されている。この第1係合部97の切欠き形状としては、前側が開いた略コ字状により形成されている。このため、この第1係合部97は、互いに対面するように対向縁971,972が設けられている。これらの対向縁971,972は、互いに前後方向に沿って延びている。このため、これらの対向縁971,972は、互いに平行となるように設けられている。また、これらの対向縁971,972の後端部分は、連接縁973により連接されている。この連接縁973は、対向縁971,972に対して直交交差するように上下方向に沿って延びている。これに対して、これらの対向縁971,972の前端部分は、内周側が互いに切り離されて開口されているのに対し、外周側は上記したシュー本体91の外周縁95(テーパ面923が形成される部分)に支持されている。言い換えれば、シュー本体91の外周縁95は、この対向縁971,972の前端開口部分の開き方向に沿って延びている。このため、このシュー本体91の外周縁95は、対向縁971,972の前端開口部分が開き方向にしたがって延びており、この対向縁971,972の前端開口部分が開き方向に拡がってしまうのを規制するように、この対向縁971,972の前端開口部分を支持する。このように形成される対向縁971,972は、上記したスパナ部85と略同様に機能する。つまり、この対向縁971,972は、ナット部材47の外周に対応した正面視六角形に係合可能に設定されている。なお、このような対向縁971,972にあっても、焼きが入れられることにより強度が確保されるものであってよい。
このようなシュー90も、ビット取付機構40に対するビットBの保持に関する操作が可能に構成されている。すなわち、このシュー90に設けられる、第1係合部97,第2係合部98,第3係合部99は、上記したようにスパナ部85のように機能することができる。ここで、このシュー90のスライドガイド溝941は、後端に開口端943が設けられて、スライドガイド溝941内に挿し込まれた雄螺子部67を、スライドガイド溝941の後端の開口端943からスパナ部85に移動させ、さらにスパナ部85から外部に抜け出させることができる。つまり、このシュー90をシュー取付部60から取り外すことができる。すなわち、上記した実施の形態のシュー取付部60からシュー70を取り外して図9〜図12に示すシュー90に付け替える場合であっても、上記したシュー70を取り付けたカットアウトツール10と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、本発明に係る電動回転工具としては、次のように構成されるものであってもよい。すなわち、本発明に係る電動回転工具としては、いわゆるマルノコ(固定式マルノコ、携帯マルノコ)に対して応用するものであってもよい。すなわち、上記した実施の形態においてカットアウトツール10に装備されるシュー70を、このようなマルノコに装備される平行定規に対して応用するものであってもよい。そうすると、この平行定規が本発明に係る接触部材に相当することとなる。すなわち、この平行定規は、一般的なマルノコの平行定規と同様、駆動源となる電動モータの下方で被加工材の表面と接触される材表面接触部を有する。また、この平行定規は、この材表面接触部が被加工材の表面と接触されている状態で、この被加工材の側面と接触される材側面接触部を有する。なお、材表面接触部は、本発明に係る第1の接触部に相当する。また、材側面接触部は、本発明に係る第2の接触部に相当する。ここで、上記した実施の形態のシュー70に設けられたスパナ部85は、平行定規本来を機能を干渉することのない材側面接触部に設けられることが望ましい。このようにスパナ部を材側面接触部に設けた場合には、材表面接触部としての機能を十分に確保できつつ、上記したスパナの管理負担を軽減することができることとなる。
なお、このようなスパナとして機能するスパナ部85は、ビット取付機構40の操作において利用されることに限定されることなく、これ以外のナットに対して利用することができる工具となっている。
また、上記した実施の形態のシュー70としては、出力側ハウジング31に対して取り付けられることによりモータハウジング21に対して間接的に保持されるものであった。しかしながら、このようなシュー70としては、これに限定されることなく、モータハウジング21に対して直接的に保持されるようにしててもよい。言い換えれば、この出力側ハウジング31も、モータハウジング21の一部として構成されるものであってよい。
さらに、本発明に係る相違する少なくとも2つの機能としては、上記した例に限定されるこなく、適宜に相違する少なくとも2つの機能が兼ねて備わるものであればよいものである。しかしながら、本発明に係る相違する少なくとも2つの機能としては、利便性の観点から、電動工具や電動回転工具として常設される機能と、必要工具として利用される機能との、少なくとも2つが兼ねて備わることが望ましい。また、これらの機能を備えるにあたっては、一つの部材に一体的にされていればよく、成形や連結等の構成は問わない。
100 回転軸線
11 工具本体
13 バッテリ装着部
15 充電式バッテリ
151 押下ボタン
20 駆動力発生部
21 モータハウジング(ハウジング)
211 グリップ部
212 グリップエンド部
213 前面連結部
215 吸気口
216 被覆部
22 螺子止め部
23 スライドスイッチ
25 ブラシモータ(モータ)
26 モータ軸
261 後側ベアリング
262 前側ベアリング
27 回転子
271 コンミテータ
272 ブラシ
28 固定子
29 送風ファン
30 出力軸支持部
31 出力側ハウジング
311 ガイド周縁
312 前面
32 螺子部材
33 吹出し口
35 出力軸
351 固定孔
352 後端嵌合孔
353 前端嵌合孔
354 雄螺子部
36 シャフトロック機構
37 固定ピン体
39 押圧カバー
38 付勢ばね
40 ビット取付機構
41 差込部材
42 開口部
43 スリット
44 テーパ部
47 ナット部材
471 雌螺子部
472 縮径部
48 開口部
50 操作機構
51 係合部材
52 ガイド部
521 外周環
522 内周環
523 折返し部
524 結合部
525 後端
526 突起部
53 係合部
56 ストッパ部材
57 結合部
581 外フランジ部
582 内フランジ部
59 付勢ばね
60 シュー取付部
61 ガイドプレート
62 プレート本体
621 外周面
622 スライドガイド部
63 止め孔
64 螺子止め部材
641 雌螺子部
65 締結雌螺子部
651 フランジ部
66 締結螺子部材
67 雄螺子部
68 ツマミ部
69 ワッシャ部
70 シュー(接触部材)
71 シュー本体(接触部)
72 開口部
73 位置決め凹部
74 前端面
75 テーパ面
81 シュープレート
811 内周面
812 側端縁
82 プレート体
83 スライドガイド溝
831 閉塞端
832 開口端
84 凸形状部
85 スパナ部
90 シュー
91 シュー本体
92 開口部
921 位置決め凹部
922 前端面
923 テーパ面
93 シュープレート
94 プレート体
941 スライドガイド溝
942 閉塞端
943 開口端
95 外周縁
96 連接架橋部
97 第1係合部
971,972 対向縁
973 連接縁
98 第2係合部
981,982 対向縁
983 連接縁
99 第3係合部
991 係合傾斜面
992 突出平面部
B ビット
Claims (5)
- モータと、前記モータを収容するハウジングと、前記モータにより駆動され且つ先端工具を保持可能な先端工具保持部と、接触部を被加工材に当接させて前記先端工具の前記被加工材に対する相対位置を保持する位置決め部材として機能する接触部材と、を有する電動工具であって、
前記接触部材は、前記先端工具保持部に対する前記先端工具の取り付け、取り外し操作に用いる部位を併せ持つ構成とされ、
該接触部材を、相違する少なくとも2つの機能を有する部材として、直接的または間接的に前記ハウジングに保持させてあり、
前記ハウジングに保持させて前記位置決め部材として機能させ、前記ハウジングから取り外して前記先端工具の取り付け、取り外し操作に用いる部材として機能させる構成とした電動工具。 - 請求項1記載の電動工具において、前記先端工具はナットの締め付けにより前記先端工具保持部に保持され、前記接触部材は、前記ナットを締め付けるスパナ部を併せ持つ構成とした電動工具。
- 請求項2に記載の電動工具において、
前記スパナ部が設けられる箇所は、前記接触部材のうち前記接触部が設けられる前端側とは反対側の後端側に設定されていることを特徴とする電動工具。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載した電動工具において、
前記接触部は、該電動工具の前後方向と交わる方向に延びる面を有することを特徴とする電動工具。 - 請求項2〜4の何れか1項に記載した電動工具において、
前記接触部材は、前記モータの下方で被加工材の表面と接触される第1の接触部と、該第1の接触部が接触された状態で該被加工材の側面と接触される第2の接触部と、を有し、前記スパナ部は、前記第2の接触部に設けられていることを特徴とする電動工具。
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