WO2014038376A1

WO2014038376A1 - 電気機器

Info

Publication number: WO2014038376A1
Application number: PCT/JP2013/072293
Authority: WO
Inventors: 健司安部; 梅村　新吾; 杉本　学; 貴勇畔柳; 綱寿中村
Original assignee: 株式会社マキタ
Priority date: 2012-09-07
Filing date: 2013-08-21
Publication date: 2014-03-13

Abstract

　充電式の電動ドライバ（１０）は、ドライバ本体（２０）とドライバ本体（２０）に取付けられるバッテリパック（３０）を有する。ドライバ本体（２０）は、水密に構成されるハウジング（２１）と、ハウジング（２１）に収納される駆動部と、ハウジング（２１）に収納されかつハウジング（２１）の外から操作されるスイッチ（２５）を有する。駆動部は、スイッチ（２５）の操作によって起動するモータ（５１）と、モータ（５１）によって回転させられる出力軸（５５）を有する。

Description

電気機器

　本発明は、電気機器本体とバッテリパックを備える電気機器に関する。電気機器本体は、ハウジングに収納された駆動部とスイッチを有する。ハウジングの外からスイッチが操作され、駆動部のモータが起動し、駆動部の出力軸が回転する。バッテリパックは、電気機器本体の電源であってハウジングに連結される。

　充電式の電気機器である電動グラインダが米国特許出願公開２００９／０２２１２２２号に開示されている。充電式の電気機器である電動工具が米国特許出願公開第２００６／０２０２５７１号に開示されている。バッテリ式の電動ポリッシャが米国特許第７６０４５２８号に開示されている。電動ブラシが特開２００３－１０２５５０号公報に開示されている。

　前記２２２号文献の電動グラインダは、半割り構造のハウジングを備える。ハウジングは、ハウジング本体部とグリップ部を含む側面略Ｔ字形である。ハウジング本体部にモータとギヤ機構等の駆動部が収納される。駆動部の出力軸がハウジング本体部の先端から突出し、出力軸に研削エレメントが取付けられる。

　ハウジング本体部とグリップ部の境界の前領域にモータ駆動用のトリガスイッチが設けられる。グリップ部の下端にバッテリパックが挿入される。グリップ部を握りトリガスイッチを引くことでモータが駆動し研削エレメントが回転する。これにより研削エレメントによって鋼材等を研削できる。

　ハウジングは、左右のハウジング片を含む半割り構造を有する。ハウジング本体部の側壁にはモータ冷却用の風窓が設けられる。このため水が掛かる雰囲気等で電動グラインダを使用すると、左右のハウジング片の合わせ目または風窓から水がハウジングに浸入するおそれがある。そのため電動グラインダが作動不良等するおそれがある。

　したがってハウジング内に水が浸入することを抑制する構造を備える電気機器が従来必要とされている。

　１つの特徴によると電気機器は、電気機器本体と電気機器本体に取付けられるバッテリパックを有する。電気機器本体は、水密に構成されるハウジングと、ハウジングに収納される駆動部と、ハウジングに収納されかつハウジングの外から操作されるスイッチを有する。駆動部は、スイッチの操作によって起動するモータと、モータによって回転させられる出力軸を有する。したがって電気機器本体が水の掛かり易い雰囲気下で使用されても、水がハウジングに浸入することが抑制される。そのためハウジングに浸入した水によって電気機器本体が作動不良を起こすことが抑制される。

　他の特徴によるとハウジングは、円周方向に合わせ面がない筒状のハウジング本体部と、ハウジング本体部の外周面から突出しかつ円周方向に合わせ面がない筒状のグリップ部を有し得る。ハウジングは、好ましくはハウジング本体部とグリップ部を一体に有し得る。ハウジングは、好ましくは一部材で構成され得る。したがってハウジングは、シールの必要な箇所が少ない構成になっている。この構成によってハウジングの剛性も向上する。

　他の特徴によるとハウジングは、一対のハウジング片と、一対のハウジング片の合わせ面全長に亘って挟まれるシール材を有する。ハウジングは、一対のハウジング片から構成される筒状のハウジング本体部と、同一対のハウジング片から構成されかつハウジング本体部の外周面から突出する筒状のグリップ部を有する。したがって半割り構造のハウジングでもシール性が確保され得る。

　他の特徴によるとグリップ部の先端にバッテリパックが挿入されるバッテリ挿入部が設けられ得る。他の特徴によるとハウジングは、一対のハウジング片と、一対のハウジング片を相互に連結しかつ相互のピッチが50mm以下に配置された複数の固定ネジを有し得る。これによりハウジングの防水性が安定良く確保され得る。

　他の特徴によると電気機器は、ハウジングと駆動部とスイッチとバッテリパックを有し得る。ハウジングは、筒状でかつ第１～第３の開口部を備え得る。駆動部は、第１または第２の開口部を利用してハウジングに収納される。スイッチは、第１～第３のいずれか１つの開口部を利用してハウジングに収納されかつハウジングの外から操作される。バッテリパックは、第３の開口部からハウジングに取付けられる。駆動部は、スイッチの操作によって起動するモータと、モータによって回転させられる出力軸を有する。

　このためハウジングが円周方向に合わせ面のない筒状であり周方向に分割できない場合であっても駆動部等を第１または第２の開口部からハウジングに収納できる。ハウジングに第１～第３の開口部を設け、少なくとも１つの開口部をモータとバッテリパック間に配置し得る。これにより１つの開口部を利用してモータとバッテリパック間の配線を目視確認できる。かくして電気配線を確実に接続できる。

　他の特徴によるとハウジングは、ハウジング本体部とグリップ部を有していても良い。ハウジング本体部は、筒状で軸方向の各端に第１と第２の開口部を有する。ハウジング本体部には駆動部が収納される。グリップ部は、ハウジング本体の外周面から突出する。グリップ部は、筒状で先端部に第３の開口部を有する。

　他の特徴によるとスイッチは、第３の開口部からグリップ部に収納されても良い。

　他の特徴によるとハウジングは、第１～第３のいずれか１つの開口部を利用してモータとバッテリパック間を配線し得る構造になっていても良い。このため開口部から目視しながら確実に配線を接続できる。配線接続を容易に補修することもできる。

　他の特徴によると電気機器は、開口部をシールするシール材を有し、ハウジングが水密に構成されていても良い。これにより電気機器の防水性が確保され得る。

　他の特徴によると電気機器は、左半割りハウジングと右半割りハウジングを含む半割り構造のハウジングを有し得る。左半割りハウジングと右半割りハウジングの１つは、他の１つを補う筒形部を一体に有し得る。筒形部の半周部分は、他方の半割りハウジングの不足部分を補う。したがって筒形部は、半割り構造でなく、半割り構造に比べてハウジングにおける防水性を高め得る。

　左右半割り構造は、分離する方向に外力を受けると左右部材間に隙間を生じ、防水性を低下させ得る。これに対してハウジングは、筒形部を有する。筒形部は、隙間が生じないため、ハウジングの防水性を維持し得る。ハウジングは、半割り構造を部分的に有するため、ハウジング内に部品を容易に取付け得る。これにより電気機器が容易に製造され得る。

　他の特徴によるとハウジングは、本体ハウジングと、本体ハウジングに交差する方向に延びるハンドルハウジングを有し得る。したがってハウジングは、全体としてＴ形若しくはＬ形である。本体ハウジングとハンドルハウジングは、好ましくはそれぞれ筒形部を有する。これにより工具本体部とハンドル部は、それぞれ防水性に優れかつ容易に製造され得る。

　他の特徴によると電気機器は、ハウジングに回転可能に設けられる操作部材を有し得る。ハウジングは、操作部材が取付けられる部位に筒形部を有し得る。したがって操作部材の操作によって付加された外力が筒径部において受け止められ得る。これにより半割り構造が原因で生じる隙間が抑制されてハウジングの防水性が高められ得る。

　他の特徴によると電気機器は、回転出力を遮断するクラッチ機構を有し得る。クラッチ機構の出力遮断する設定トルクを調整するトルク調整リングが操作部材として設けられ、トルク調整リングが筒形部を介してハウジングに回転可能に取付けられる。したがって筒形部は、トルク調整リングを回転して設定トルクを調整する際に付加される外力を受ける。これにより半割り構造が原因で生じる隙間が抑制されてハウジングの防水性が高められ得る。

　他の特徴によるとハウジングは、防水性が要求される部位に筒形部を有し得る。防水性が要求される部位は、例えば電気部品が組み込まれる部位、トルク調整リング等の操作部材が組み付けられて操作力が付加される部位等である。

　他の特徴によるとハウジングは、充電式のバッテリパックが脱着可能に挿入される部位に筒形部を有する。したがって筒形部は、充電するためにバッテリパックを脱着する際に加わる外力を受ける。これにより半割り構造が原因で生じる隙間が抑制されてハウジングの防水性が高められ得る。

電動ドライバの斜視図である。電動ドライバの縦断面図である。図２のIII-III線断面矢視図である。図２のIV-IV線断面矢視図である。電動ドライバのハウジング本体部の平断面図である。図５のVI-VI線断面矢視図である。図５のVII-VII線断面矢視図である。電動ドライバのハウジング本体部とグリップ部の縦断面図である。組付け手順を表す電動ドライバの縦断面図である。組付け手順を表す電動ドライバの縦断面図である。ハウジング内の部品配置を表すための他の構成にかかる電動ドライバの斜視図である。図１１の電動ドライバの縦断面図である。右半割りハウジングを取外した回転工具（電気機器）の斜視図である。図１３の回転工具の右側面図である。図１３のハウジングの斜視図である。図１５の左半割りハウジングの斜視図である。

　図１～１０を参照して充電式の電気機器について説明する。本実施形態に係る充電式の電気機器は、充電式の電動ドライバ１０である。図中の前後左右及び上下は、電動ドライバ１０の前後左右及び上下に対応する。

　図１，２に示すように電動ドライバ１０は、ネジ締め等に使用されるハンディタイプの電動工具である。電動ドライバ１０は、ドライバ本体２０とバッテリパック３０と防水カバー４０を有する。ドライバ本体２０（電気機器本体）は、略Ｔ字形のハウジング２１を有する。ハウジング２１は、円筒状のハウジング本体部２２とハウジング本体部２２の下端から下方に突出する筒状のグリップ部２４を有する。

　図２，５に示すようにハウジング２１のハウジング本体部２２に駆動部が収納される。駆動部は、電動ドライバ１０の駆動源であるモータ５１、モータ５１の出力を減速するギヤ機構５２、トルク調整のためのクラッチ機構５３を含む。モータ５１とギヤ機構５２とクラッチ機構５３は、ほぼ同軸に配列される。

　図２に示すようにクラッチ機構５３は、ハウジング本体部２２の先端開口部２２ｆから軸方向に突出するトルク調整リング５３ｒを有する。クラッチ機構５３は、トルク調整リング５３ｒの中心位置から軸方向に突出する出力軸５５を有する。出力軸５５の先端部にドライバビット等の先端工具を把持するチャック２７が設けられる。ハウジング本体部２２の後端開口部２２ｂは、キャップ状ハウジング２３によって塞がれる。

　図１，２に示すようにグリップ部２４は、電動ドライバ１０を使用する際にユーザによって把持される。グリップ部２４は、ハウジング本体部２２の近傍に位置しかつ細い上部と太い下部を有する。グリップ部２４は、上部から下部に向けて徐々に太くなる。グリップ部２４の上部前側に変速スイッチ２５（スイッチ）の表面操作部２５ｆが設けられる。表面操作部２５ｆは、トリガ形式であって、グリップ部２４とハウジング本体部２２の境界近傍に位置する。グリップ部２４内に変速スイッチ２５のスイッチ本体部２５ｍとバッテリパック３０が収納される。

　図３に示すように表面操作部２５ｆは、例えばゴム製でシート状であり、グリップ部２４の開口２４ｘを水密に塞ぐ。表面操作部２５ｆの突起部を押すと、表面操作部２５ｆの裏面がグリップ部２４の開口２４ｘからグリップ部２４の内側に突出する。スイッチ本体部２５ｍは、レバー状の可動部２５ｒを備え、可動部２５ｒが押されて動作する。スイッチ本体部２５ｍは、可動部２５ｒが表面操作部２５ｆによって押され得るようにグリップ部２４に位置決めされる。

　図２，１０に示すようにグリップ部２４は、バッテリパック３０が挿入されるバッテリパック挿入部２６を有する。バッテリパック挿入部２６の内壁面にバッテリパック３０の係合爪３５が係合される被係合部２６ｋが設けられる。

　図１０に示すようにバッテリパック３０は、ドライバ本体２０の電源であって、挿入部３２と装飾蓋部３４を有する。挿入部３２は、バッテリパック挿入部２６に挿入される。装飾蓋部３４は、バッテリパック挿入部２６の開口部を塞ぐ。装飾蓋部３４に係合爪３５が設けられる。挿入部３２がバッテリパック挿入部２６に挿入されると、係合爪３５が被係合部２６ｋに弾性的で係合する。弾性力に抗して係合爪３５と被係合部２６ｋを解除するように構成された連結解除操作部（図示省略）が装飾蓋部３４に設けられる。

　図２，１０に示すように防水カバー４０は、キャップ状である。バッテリパック挿入部２６にバッテリパック３０が挿入され、防水カバー４０がグリップ部２４を下方から覆う。

　ハウジング２１は、下記する防水構造を有する。図３－８に示すようにハウジング本体部２２とグリップ部２４は、円周方向に連続する筒状である。ハウジング２１は、一部材から成形され、ハウジング本体部２２とグリップ部２４は、周方向に対面する合わせ面がない。図９に示すようにハウジング本体部２２の先端部分に軸受部２２ｊが形成される。軸受部２２ｊは、トルク調整リング５３ｒの基端大径部５３ｚを軸心回りに回転可能に支持する。トルク調整リング５３ｒは、先端開口部（開口部）２２ｆから前方に突出する。図２，９に示すように基端大径部５３ｚと軸受部２２ｊ間にリング状の第１シール材６１が嵌め込まれる。第１シール材６１は、ハウジング本体部２２とトルク調整リング５３ｒ間をシールする。

　図９に示すようにキャップ状ハウジング２３は、その開口周縁に円筒状突部２３ｅを有する。円筒状突部２３ｅの半径方向外側にリング状段差２３ｄが形成される。円筒状突部２３ｅの外周面に円周方向に延びる溝部分が形成される。溝部分にリング状の第２シール材６２が装着される。第２シール材６２は、ハウジング本体部２２とキャップ状ハウジング２３間に挟まれて両部材間をシールする。図１に示すようにキャップ状ハウジング２３は、円周方向の複数箇所でハウジング本体部２２にネジ等によって取付けられる。

　図２，１０に示すようにグリップ部２４の下部外周面に鍔部２４ｆが形成される。鍔部２４ｆは、リング状であり、鍔部２４ｆの下側にリング状の第３シール材６３が装着される。防水カバー４０がグリップ部２４に下方から被せられ、防水カバー４０の開口周縁が第３シール材６３を介して鍔部２４ｆの下面に対向する。防水カバー４０は、例えば複数のネジ、雄ネジと雌ネジの螺合によってグリップ部２４に固定される。第３シール材６３は、グリップ部２４と防水カバー４０間をシールする。

　図９に示すようにモータ５１とギヤ機構５２とクラッチ機構５３は、ハウジング本体部２２に組付けられる前に相互に軸方向に連結される。図５，６に示すようにモータ５１とギヤ機構５２の境界に円盤状の位置決め板５７が装着される。図５に示すようにギヤ機構５２とクラッチ機構５３の境界位置近傍に位置決め固定板５８が装着される。

　図６に示すように位置決め板５７は、ハウジング本体部２２に対してモータ５１とギヤ機構５２等が相対回転しないように位置決めする。位置決め板５７は、モータ５１と同軸上においてモータハウジングに固定される。位置決め板５７の周縁に径方向両側に一対の角溝５７ｍが形成される。角溝５７ｍにハウジング本体部２２のガイド突条２２ｔが嵌合する。ガイド突条２２ｔは、ハウジング本体部２２の内周面において軸方向に延びる。このため位置決め板５７は、ハウジング本体部２２に対して相対回転が禁止されつつ軸方向に移動され得る。

　図６に示すようにハウジング本体部２２の内周面に複数の押さえ突条２２ｐが形成される。押さえ突条２２ｐは、位置決め板５７の外周面を径方向外側から押さえる。押さえ突条２２ｐは、軸方向に延びている。したがって押さえ突条２２ｐは、位置決め板５７が軸方向に移動することを許容しつつ径方向に移動することを禁止する。

　図５に示すように位置決め固定板５８は、ギヤ機構５２とクラッチ機構５３がハウジング本体部２２に対して相対回転することを規制する。位置決め固定板５８は、モータ５１、ギヤ機構５２、クラッチ機構５３をハウジング本体部２２に対して軸方向に位置決めする。図７に示すように位置決め固定板５８は、位置決め部５８ｅと固定部５８ｚを有する。位置決め部５８ｅは、ハウジング本体部２２のガイド突条２２ｔが嵌合される角溝５８ｍを有する。固定部５８ｚは、ネジによってハウジング本体部２２の所定位置に取付けられる。位置決め固定板５８は、ギヤ機構５２とクラッチ機構５３と同軸上に位置する。位置決め固定板５８は、ギヤ機構５２の非回転部とクラッチ機構５３の非回転部に取付けられる。

　図９に示すようにモータ５１、位置決め板５７、ギヤ機構５２、位置決め固定板５８、クラッチ機構５３が軸方向に一体的に連結される。クラッチ機構５３の出力軸５５がハウジング本体部２２の後端開口部２２ｂから挿入される。図７に示すように角溝５８ｍをガイド突条２２ｔに嵌合しつつ、モータ５１等をハウジング本体部２２内にて前方に移動させる。これによりクラッチ機構５３、位置決め固定板５８、ギヤ機構５２、位置決め板５７、モータ５１が順にハウジング本体部２２に挿入される。

　図１０に示すように出力軸５５とトルク調整リング５３ｒがハウジング本体部２２の先端開口部２２ｆから突出する。図９に示すようにトルク調整リング５３ｒの基端大径部５３ｚが軸受部２２ｊに第１シール材６１を介して嵌まる。図７に示すように位置決め固定板５８の固定部５８ｚに設けられた左右のネジ孔とハウジング本体部２２の左右のネジ孔の位置が一致する。固定部５８ｚをネジＮによってハウジング本体部２２に固定する。これによりモータ５１等がハウジング本体部２２に組付けられる。次に図５に示すように出力軸５５にチャック２７が連結される。

　図９に示すようにスイッチ本体部２５ｍは、側面略角形をしたスイッチ支持部材２５ｙに取付けられる。スイッチ支持部材２５ｙの下端部は、図４に示すように略菱形状であり、左右両側に円弧突起２５ｅを有する。円弧突起２５ｅは、グリップ部２４内側の左右のガイド溝２６ｍに嵌合される。ガイド溝２６ｍは、グリップ部２４のバッテリパック挿入部２６の上側に位置する内壁面において縦方向に延びる。

　図９に示すようにスイッチ本体部２５ｍがスイッチ支持部材２５ｙに取付けられる。スイッチ支持部材２５ｙがバッテリパック挿入部２６を利用してグリップ部２４の内側上部に挿入される。図４に示すように円弧突起２５ｅがガイド溝２６ｍに嵌合される。これによりスイッチ支持部材２５ｙがグリップ部２４に対して軸中心に回転することが抑制される。図２，３に示すようにスイッチ支持部材２５ｙは、ネジ等でグリップ部２４に固定される。これによりレバーの可動部２５ｒが表面操作部２５ｆによって押される位置に保持される。

　次にハウジング本体部２２の後端開口部（開口部）２２ｂを利用してモータ５１、スイッチ本体部２５ｍ、バッテリパック３０間が配線される。次にハウジング本体部２２の後端開口部２２ｂをキャップ状ハウジング２３によって塞ぐ。

　上述するように電動ドライバ１０は、ハウジング２１が水密になるように構成される。そのため水の掛かり易い雰囲気下でドライバ本体２０を使用しても、水がハウジング２１に浸入することが抑制される。かくしてハウジング２１に浸入した水によってドライバ本体２０が作動不良になることが抑制され得る。

　ハウジング本体部２２とグリップ部２４のそれぞれは円周方向に切れ目がなく、かつハウジング本体部２２とグリップ部２４が一体に形成される。したがってハウジング２１は、シールの必要な箇所が少ない構成になっている。しかもハウジング２１の剛性が該構造によって向上され得る。

　図９に示すように駆動部は、後端開口部２２ｂからハウジング本体部２２に挿入される。後端開口部２２ｂは、ハウジングの中途領域に位置する。スイッチ本体部２５ｍとバッテリパック３０は、バッテリパック挿入部２６からグリップ部２４に挿入される。したがってハウジング本体部２２とグリップ部２４は、円周方向に合わせ面がない筒形状であるが、駆動部等は開口部からハウジング本体部２２またはグリップ部２４に挿入され得る。

　図９に示すように後端開口部２２ｂからモータ５１とスイッチ本体部２５ｍとバッテリパック３０間の配線が確認できる。そのため配線が確実に接続され得る。電動ドライバ１０の修理時に後端開口部２２ｂを利用して配線接続を容易に補修することもできる。

　ハウジング本体部２２の先端開口部２２ｆと後端開口部２２ｂは、それぞれ第１シール材６１と第２シール材６２によってシールされる。グリップ部２４の下端開口部２４ｈは、第３シール材６３によってシールされる。これにより電動ドライバ１０の防水性が確保され得る。

　本発明の形態を上記構造を参照して説明したが、本発明の目的を逸脱せずに多くの交代、改良、変更が可能であることは当業者であれば明らかである。したがって本発明の形態は、添付された請求項の精神と目的を逸脱しない全ての交代、改良、変更を含み得る。例えば本発明の形態は、前記特別な構造に限定されず、下記のように変更が可能である。

　上述するようにハウジング２１は、円周方向に切れ目がない筒状のハウジング本体部２２とグリップ部２４を有していても良い。これに代えてハウジング２１は、図１１，１２に示すように左右のハウジング片２１ｆと、左右のハウジング片２１ｆの合わせ面間に設けられるシール材７０を有していても良い。シール材７０は、ゴム、シリコン、エラストマ等により成形され、ハウジング片２１ｆの合わせ面のほぼ全長に亘って設けられる。これによりハウジング２１が水密に構成され得る。該構成において左右のハウジング片２１ｆは、５０mm以下のピッチで設置された固定ネジ７３によって相互に連結されることが好ましい。これにより防水性が安定して確保され得る。

　図９に示すように駆動部は、後端開口部２２ｂからハウジング本体部２２に挿入されても良い。これに代えて駆動部が先端開口部２２ｆからハウジング本体部２２に挿入されても良い。

　図２に示すようにクラッチ機構５３の出力軸５５は、ハウジング本体部２２の先端開口部２２ｆから突出しても良い。これに代えて出力軸５５が先端開口部２２ｆから突出しないようにドライバ本体２０が構成されても良い。

　充電式の電気機器は、上述するように電動ドライバ１０でも良いし、草刈機や刈り込み機等の他の電動工具でも良い。チャック２７に装着される先端工具は、ドライバビットに代えてブラシ状回転体、スポンジ状回転体でも良い。これによりドライバ本体２０がポリッシャの駆動部として使用され得る。

　図１３～図１６を参照して電気機器１０１を説明する。図１３，１４に示すように電気機器１０１は、電気ドリル等として利用できる手持ち式の回転工具（電動工具）である。電気機器１０１は、工具本体部１０２と使用者が把持するハンドル部１０３を有する。工具本体部１０２には駆動源としての電動モータ１１１が内装される。工具本体部１０２内には、電動モータ１１１の前側に減速用の遊星歯車列１１２が配置され、遊星歯車列１１２の前側に噛み合い式のクラッチ機構１１９が配置される。遊星歯車列１１２で減速された回転出力はクラッチ機構１１９を経てスピンドル１１３に出力される。

　図１４に示すようにクラッチ機構１１９は、回転操作部材としてのトルク調整リング１１９ａを備える。トルク調整リング１１９ａは、工具本体部１０２の前部に設けられる。トルク調整リング１１９ａは、ハウジング１２０の本体筒形部１２３に回転可能に支持される。トルク調整リング１１９ａは、回転させられることでクラッチばね１１９ｂを伸縮させる。これにより相互に噛み合うカム板の押圧力が変化し、カム板が外れる設定トルクが調整され得る。スピンドル１１３に付加される外部トルクが設定トルクに達すると、クラッチ機構１１９が動力伝達を遮断する。

　図１３，１４に示すようにスピンドル１１３は、トルク調整リング１１９ａから前方へ突出する先端部を有する。先端部にチャック１１４が取付けられる。チャック１１４は、ドリルビット等の先端工具（図示省略）をスピンドル１１３に同軸上に取付ける。先端工具は、例えばパッドであって電気機器１０１がポリッシャとして利用され得る。

　図１３，１４に示すようにスイッチ本体１１５がハンドル部１０３の基部付近に内装される。トリガ形式のスイッチレバー１１６がハンドル部１０３の前面に取付けられる。ハンドル部１０３を把持した手の指先でスイッチレバー１１６が操作される。スイッチレバー１１６を引くとスイッチ本体１１５がオンになり、電動モータ１１１が起動し、スピンドル１１３がその軸回りに回転する。

　図１３，１４に示すようにハンドル部１０３の先端に充電式のバッテリパック１１７が装着される。バッテリパック１１７を電源として電動モータ１１１が起動する。バッテリパック１１７は、ハンドル部１０３から取外され、充電器で充電される。これによりバッテリパック１１７が繰り返し使用され得る。

　図１３，１４に示すようにハンドル部１０３の先端にハンドルキャップ１１８が取付けられる。ハンドルキャップ１１８は、ハンドルハウジング部１２２の先端を水密に塞ぎ、バッテリパック１１７の防水性を高める。ハンドルキャップ１１８の内面に係合部が形成され、係合部がハンドルハウジング部１２２の外面の突部に係合する。ハンドルキャップ１１８は、回転させられることで係合部と突部によってハンドル部１０３に取付けられる。反対方向に回転させられることでハンドルキャップ１１８は、ハンドル部１０３から外され得る。ハンドルハウジング部１２２の下面にシールゴム１２２ａが装着される。シールゴム１２２ａは、ハンドルキャップ１１８とハンドルハウジング部１２２に挟まれてハウジング１２０の防水性を確保する。

　図１５，１６に示すようにハウジング１２０は、工具本体部１０２の本体ハウジング部１２１と、ハンドル部１０３のハンドルハウジング部１２２を有する。ハウジング１２０は、左右半割りハウジング１２０Ｌ，１２０Ｒを含む半割り構造を備える。左右半割りハウジング１２０Ｌ，１２０Ｒは、樹脂から成形され、それぞれ本体ハウジング部１２１とハンドルハウジング部１２２を一体に有する。半割りハウジング１２０Ｌ，１２０Ｒは、複数のねじ１０４により結合される。左右半割りハウジング１２０Ｌ，１２０Ｒの突き合わせ面Ｊが相互に突き合わされ、ハウジング１２０が構成される。

　図１５，１６に示すようにハウジング１２０は、部分的に左右半割り構造を有する。ハウジング１２０は、部分的に左右半割り構造を有さず、左右一体構造を有する。本体ハウジング部１２１は、前端に本体筒形部１２３を有し、ハンドルハウジング部１２２は、下端にハンドル筒形部１２４を有する。本体筒形部１２３とハンドル筒形部１２４は、左半割りハウジング１２０Ｌの成形時に一体に成形される。

　図１６に示すようにハウジング１２０は、本体筒形部１２３とハンドル筒形部１２４を除いた範囲に左右半割り構造を備える。本体筒形部１２３とハンドル筒形部１２４は、半割り構造ではない。図１４に示すように本体筒形部１２３にトルク調整リング１１９ａ（回転操作部材）が回転可能に支持される。トルク調整リング１１９ａを回転する際に付加される外力は、本体筒形部１２３によって支持される。そのためハウジング１２０の半割り構造が外力によって変形若しくは歪むことが抑制される。かくしてハウジング１２０の防水性が維持され得る。

　図１４に示すように半割り構造でないハンドル筒形部１２４にハンドルキャップ１１８が水密に装着される。ハンドルキャップ１１８は、その回転によりハンドル筒形部１２４に取付けられ、ハンドル筒形部１２４の下面を塞ぐ。ハンドルキャップ１１８は、逆方向の回転によってハンドル筒形部１２４から取外され得る。

　図１５，１６に示すようにハウジング１２０は、左右半割り構造と本体筒形部１２３を有する。本体筒形部１２３は、半割り構造でなく円筒形状である。本体筒形部１２３は、本体ハウジング部１２１の前部に設けられ、トルク調整リング１１９ａを支持する。本体筒形部１２３は、左半割りハウジング１２０Ｌに一体に設けられる。

　図１４を参照するようにトルク調整リング１１９ａを回転した際、本体ハウジング部１２１の前部に径方向の外力が付加される。該外力は、半割り構造を構成する左右部材の突き合わせ面を分離する方向と一致する。これに対して本体筒形部１２３は、突き合わせ面を有しない。そのため本体筒形部１２３は、ハウジング１２０の防水性を維持し、電気機器１０１の耐久性を高め得る。

　図１４，１６に示すように本体ハウジング部１２１は、本体筒形部１２３を除く領域に左右半割り構造を備える。そのため電動モータ１１１等が本体ハウジング部１２１内に容易に組付けられ得る。かくして電気機器１０１が容易に製造され得る。

　図１４に示すようにハンドルハウジング部１２２は、先端に半割り構造でない円筒形状のハンドル筒形部１２４を有する。ハンドル筒形部１２４は、左半割りハウジング１２０Ｌに一体に設けられる。

　図１４を参照するようにハンドルキャップ１１８をハンドルハウジング部１２２に脱着するために回転する際、ハンドルハウジング部１２２の先端に径方向の外力が加わる。該外力は、半割り構造を構成する左右部材の突き合わせ面を分離する方向と一致する。これに対してハンドル筒形部１２４は、突き合わせ面を有しない。そのためハンドル筒形部１２４は、ハウジング１２０の防水性を維持し、電気機器１０１の耐久性を高め得る。

　図１４，１６に示すようにハンドルハウジング部１２２は、ハンドル筒形部１２４を除く領域に左右半割り構造を備える。そのためスイッチ本体１１５等がハンドルハウジング部１２２内に容易に組付けられ得る。かくして電気機器１０１が容易に製造され得る。

　図１４，１６に示すようにハウジング１２０は、一部分に筒形部を有し、他部分に半割り構造を有する。そのため電気機器１０１を製造し易く、かつ電気機器１０１の防水性が維持され得る。

　ハウジング１２０は、図１３～１６に示すように本体筒形部１２３とハンドル筒形部１２４を有する。これに代えてあるいは加えてハウジング１２０は、高い防水性を要求される他の部位に筒形部を有していても良い。例えば径方向（太さ方向）と異なる方向の外力が付加される部位に筒形部が設けられても良い。具体的にはスイッチ本体１１５が内装されるハンドルハウジング部１２２の基部付近等に筒形部が設けられても良い。

　本体筒形部１２３とハンドル筒形部１２４は、図１６に示すように左半割りハウジング１２０Ｌに設けられても良いし、右半割りハウジング１２０Ｒに設けられても良い。

　電気機器１０１は、図１３～１６に示すように電気ドリルでも良いし、他の電動工具でも良い。例えば電動工具は、ポリッシャ、ねじ締め工具等の回転工具、レシプロソー等の往復動切断工具等でも良い。電気機器１０１は、刈り払い機等の園芸工具、油空圧工具等の動力工具でも良い。

Claims

　充電式の電気機器であって、
　電気機器本体と、前記電気機器本体に取付けられるバッテリパックを有し、
　前記電気機器本体は、水密に構成されるハウジングと、前記ハウジングに収納される駆動部と、前記ハウジングに収納されかつ前記ハウジングの外から操作されるスイッチを有し、
　前記駆動部は、前記スイッチの操作によって起動するモータと、前記モータによって回転させられる出力軸を有する充電式の電気機器。
　請求項１に記載の充電式の電気機器であって、
　前記ハウジングは、円周方向に合わせ面がない筒状のハウジング本体部と、前記ハウジング本体部の外周面から突出しかつ円周方向に合わせ面がない筒状のグリップ部を有し、
　前記ハウジングは、前記ハウジング本体部と前記グリップ部を一体に有する充電式の電気機器。
　請求項１に記載の充電式の電気機器であって、
　前記ハウジングは、筒状のハウジング本体部と、前記ハウジング本体部の外周面から突出する筒状のグリップ部を有し、前記ハウジング本体部と前記グリップ部が一部材で構成される充電式の電気機器。
　請求項１に記載の充電式の電気機器であって、
　前記ハウジングは、一対のハウジング片と、前記一対のハウジング片の合わせ面全長に亘って挟まれるシール材を有し、
　前記ハウジングは、前記一対のハウジング片から構成される筒状のハウジング本体部と、同一対のハウジング片から構成されかつ前記ハウジング本体部の外周面から突出する筒状のグリップ部を有する充電式の電気機器。
　請求項４に記載の充電式の電気機器であって、
　前記一対のハウジング片を相互に連結しかつ相互のピッチが５０ｍｍ以下に配置された複数の固定ネジを有する充電式の電気機器。
　請求項１～５のいずれか１つに記載の充電式の電気機器であって、
　前記ハウジングは、前記モータを冷却するための風窓が設けられないことで水密性を確保した構造を有する充電式の電気機器。
　請求項１～６のいずれか１つに記載の充電式の電気機器であって、
　前記グリップ部の先端に前記バッテリパックが挿入されるバッテリパック挿入部が設けられる充電式の電気機器。
　充電式の電気機器であって、
　筒状でかつ第１～第３の開口部を備えるハウジングと、
　前記第１または第２の開口部を利用して前記ハウジングに収納される駆動部と、
　前記第１～第３のいずれか１つの開口部を利用して前記ハウジングに収納されかつ前記ハウジングの外から操作されるスイッチと、
　前記第３の開口部から前記ハウジングに取付けられるバッテリパックを有し、
　前記駆動部は、前記スイッチの操作によって起動するモータと、前記モータによって回転させられる出力軸を有する充電式の電気機器。
　請求項８に記載の充電式の電気機器であって、
　前記ハウジングは、筒状で軸方向の両端に前記第１と第２の開口部を有し前記駆動部が収納されるハウジング本体部と、前記ハウジング本体の外周面から突出しかつ筒状で先端部に前記第３の開口部を有するグリップ部を有する充電式の電気機器。
　請求項９に記載の充電式の電気機器であって、
　前記スイッチは、前記第３の開口部から前記グリップ部に収納される充電式の電気機器。
　請求項８～１０のいずれか１つに記載の充電式の電気機器であって、
　前記ハウジングは、前記第１～第３のいずれか１つの開口部を利用して前記モータと前記バッテリパック間を配線し得る構造になっている充電式の電気機器。
　請求項８～１１のいずれか１つに記載の充電式の電気機器であって、
　前記第１～第３の開口部をそれぞれシールするシール材を有し、前記ハウジングが水密に構成される充電式の電気機器。
　請求項８～１２のいずれか１つに記載の充電式の電気機器であって、
　前記電気機器は、電動工具であって、
　前記出力軸は、前記第１の開口部から突出しかつ工具が取付けられる先端部を有し、
　前記第２の開口部は、前記モータと前記バッテリパックの接続部近傍に位置する充電式の電気機器。
　電気機器であって、
　左右半割りハウジングを含む半割り構造を有するハウジングを有し、
　前記左右半割りハウジングの１つは、他の１つを補う筒形部を一体に有する電気機器。
　請求項１４に記載の電気機器であって、
　前記ハウジングは、本体ハウジングと、前記ハンドルハウジングに交差する方向に延びるハンドルハウジングを有する電気機器。
　請求項１４または１５に記載の電気機器であって、
　前記ハウジングに回転可能に設けられる操作部材を有し、
　前記ハウジングは、前記操作部材が取付けられる部位に前記筒形部を有する電気機器。
　請求項１６に記載の電気機器であって、
　回転出力を遮断するクラッチ機構を有し、
　前記クラッチ機構の出力遮断する設定トルクを調整するトルク調整リングが前記操作部材として設けられ、前記トルク調整リングが前記筒形部を介して前記ハウジングに回転可能に取付けられる電気機器。
　請求項１４～１７のいずれか１つに記載の電気機器であって、
　前記ハウジングは、防水性が要求される部位に前記筒形部を有する電気機器。
　請求項１４～１８のいずれか１つに記載の電気機器であって、
　前記ハウジングは、充電式のバッテリパックが脱着可能に挿入される部位に前記筒形部を有する電気機器。