JP5002079B1 - 水中で電動工具を使用するための電動工具収容装置及び防水電動工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】収容体20と、収容体20の内部に気体を供給する気体供給ホース90と、気体流入阻止状態と気体流入許容状態とを切り換える気体流入切換弁70と、気体流出阻止状態と気体流出許容状態とを切り換える気体流出切換弁80とを有する。収容体20は、電動工具100の先端作用部120が露出しつつ、外部から電動工具100のトリガ115が操作され得る状態で電動工具100を水密的に収容する。電動工具100に対して電力を供給する収容体電源コード60が収容体20に接続されている。気体供給ホース90は、作業者の呼吸のために作業者に対して気体を供給するボンベに接続される。
【選択図】図1A
Description
その場合、従来は、いわゆるエアドリル等、高圧の空気(エア)によって作動する工具が使用されていた。すなわち、作業者(潜水夫)が潜水し、その工具を水中で使用して作業していた。
このため、その気泡によって作業者の視界が妨げられ、正確な作業が困難となり、能率的に作業を行うことが不可能であった。
このため、結果的に、その作業に長時間を要することとなり、作業者(潜水夫)には寒さが大きな負担となるとともに、潜水病に罹患するおそれもあった。
しかしながら、電動工具を袋に水密的に収容したものを水中に位置づけると、水圧(正確には内外の圧力差)によって袋が収縮し、袋と電動工具との隙間がなくなるとともに、袋の可撓性がなくなり、袋の外部から電動工具(その操作部)を操作することができないこととなる。
また、電動工具をケース(基本的に可撓性を有しない)に収容して水中で使用しようとすると、上述のように水圧によって、ケースが損傷するおそれがある。
気体流出切換弁については、収容体に対して直接的に設けられる態様に限らず、間接的に設けられる態様でもよい。「間接的に設けられる」の一例として、収容体に対して気体排出ホース(その基端部)が接続され、その気体排出ホースの先端部又は途中部分に気体流出切換弁が設けられる、という態様がある。
すなわち、電動工具の先端作用部が収容体の外部に露出しつつ、その電動工具が収容体内に水密的に収容される。
このように電動工具が収容した電動工具収容装置が水中に位置づけられると、水圧によって収容体が圧縮され収縮しようとする。しかしながら、気体流入切換弁が気体流入阻止状態から気体流入許容状態に切り換えられることによって、気体供給ホースから収容体の内部に気体が供給され、収容体が自然状態(収縮も膨張もしない状態)又はそれに近い状態に維持され得る。
また、上述のようにして収容体に気体が供給された後に、電動工具を収容した電動工具収容装置がそれまでよりも水深の浅い位置に位置づけられると、水圧が小さくなることによって、逆に収容体が膨張しようとする。しかしながら、気体流出切換弁が気体流出阻止状態から気体流出許容状態に切り換えられることによって、収容体の内部から気体が流出し、収容体が自然状態又はそれに近い状態に維持され得る。
なお、気体流出切換弁における気体流出阻止状態と気体流出許容状態の切り換えは、作業者の操作による手動モードであってもよいし、収容体の内外の圧力差に応じて自動的に切り換わる自動モードでもよい。
こうして、この発明の電動工具収容装置では、水中において能率的に作業を行うことが可能となるのである。
この発明の電動工具収容装置では、電動工具に対して電力を供給する電源コードが収容体に対して接続されているため、その電動工具が外部電源に依存するものの場合(すなわち、充電式等、内部電源を有するものでない場合)であっても、外部から電気を供給して作動させることができる。特に、その電源コードの基端部が水中でなく、水面上又は地上に配設された発電機又はコンセントに接続される場合は、水中に発電機を運ぶ必要がなく、便利である。
もっとも、この発明での電動工具収容装置において、充電式等、内部電源を有する電動工具も使用できることは当然である。
この発明の電動工具収容装置では、作業者の呼吸のために当該作業者に対して気体を供給する気体供給装置に気体供給ホースが接続されるため、気体供給ホースを通して収容体に供給される気体を確保するために他の気体供給装置を用意する必要がなく、便利である。
すなわち、作業者が潜水する際には、その作業者の呼吸のために気体供給装置は必要であるところ、その気体供給装置を収容体に気体を供給するためにも使用するものであり、他の気体供給装置を別個用意する必要が回避されるのである。
図6に示すように、この電動工具収容装置10は、電動工具100(図1A及び図1B参照)を収容した状態で、作業者(潜水夫)がボンベ200を伴って潜水し、水中で電動工具100を使用するためのものである。
なお、図1Bにおいては、電動工具収容装置10及び電動工具100とも、上下反転した状態が記載されている。
また、電動工具収容装置10に電動工具100が収容された状態で、両者を有する防水電動工具が形成される。
電動工具100は、本来的には地上において使用されるものであり、工具本体部110,先端作用部120(ビット),電源コード(工具電源コードということとする)130を有している。
工具本体部110の先端には先端筒状部112が設けられており、先端作用部120は、先端筒状部112に対して回転可能に挿通されているチャック113(把持材)に対して着脱可能に取り付けられている。こうして、先端作用部120として、各種のドリル刃(ドリルビット)等、種々のものが取り替えられて使用され得る。
工具本体部110のうちの手前側部分にはグリップ部114が設けられ、グリップ部114にはトリガ115(操作部)が設けられている。また、工具本体部110にはモータ(図示省略)が収容されている。
そして、作業者がグリップ部114を把持し、トリガ115を操作する(引く)ことによって、工具電源コード130から供給される電気(直流)に基づいてモータが回転し、先端作用部120が回転する。こうして、穴開け等の作業が行われる。
なお、電動工具100は、いわゆるハンマドリル(打撃機能も併せ持つドリル)であってもよい。
図1A及び図1Bに示すように、収容本体部30は、ほぼ直方体状の容器状をしており、下方が開口している。すなわち、上面部31(図2A及び図2Bも参照),右側面部32a,左側面部32b,前面部33,後面部34が連なっており、基本的には(すなわち後述の露出用孔部形成部50以外)下方以外において塞がっている。
なお、上面部31とは、電動工具100(先端作用部120が水平に延びる基本姿勢)の上部に対応する面であり、右側面部32a,左側面部32bとは、同じく電動工具100の右側部,左側部に対応する面であり、前面部33とは、同じく電動工具100の前部(先端作用部120)の側の面である。
そして、図2A及び図2Bに示すように、開口底部形成部40は、束ねられ、ロープ45(例えばゴム製)で縛られることによって、収容体20の底部を形成し、収容本体部30の下方を水密状に閉塞することとなる。
すなわち、図2A及び図2Bに示すように、収容本体部30(収容体20)の内部に電動工具100(工具本体部110)が収容された状態で、電動工具100の先端筒状部112が露出用孔部55に嵌合され、先端作用部120が収容体20の外部に露出する。その際、露出用孔部形成部50は、電動工具100の先端筒状部112を密着状態で覆う。
詳述すると、露出用孔部形成部50(前述したように円筒状をしている)のうちの先端部の側の略半部(先端部側略半部)は、基端部の側に折り返され、基端部の側の略半部(基端部側略半部)と重なった状態とされる。そして、2重になっている露出用孔部形成部50(基端部側略半部,先端部側略半部)が電動工具100の先端筒状部112に対して密着する。なお、この折り返しの作業は、電動工具100(工具本体部110)が収容本体部30(収容体20)の内部に収容される前でも後でもよい。
さらに、その2重になっている露出用孔部形成部50が、円環状の締め付け具(円環状のゴム材を含む)(図示省略)によって締め付けられる。
こうして、露出用孔部形成部50と先端筒状部112との間において、高い水密性が確保される。
また、先端筒状部112とチャック113との間は、グリース等が充填されることによって、水密性が確保される。
図1A及び図1Bに示すように、収容体電源コード60は、収容本体部30の内部に進入している。収容体電源コード60は基本的にはプラスコード62a(プラス電圧側のコード)及びマイナスコード62b(マイナス電圧側のコード)が束ねられているが、その先端部及びその近傍においては、プラスコード62aとマイナスコード62bが分離されている。プラスコード62a,マイナスコード62bの各先端部にはプラス接続端子63a,マイナス接続端子63bが設けられている。
同様に、工具電源コード130の先端部及び近傍においても、同様に、プラスコード132aとマイナスコード132bとが分離されており、その各先端部にはプラス接続端子133a,マイナス接続端子133bが設けられている。
そして、工具電源コード130(プラス接続端子133a,マイナス接続端子133b)が収容体電源コード60(プラス接続端子63a,マイナス接続端子63b)に接続されることによって、発電機300から、収容体電源コード60,工具電源コード130を介して、電動工具100に電力が供給される。
すなわち、窪み部35は収容本体部30の内側に窪んだ状態(これが基本的姿勢であり、図3において実線で示す)と、収容本体部30の外側に突出した状態(図3において二点鎖線で示す)との間を変位可能である。
図6に示すように、作業者は、窪み部35(窪んだ状態)に手を入れることによって、収容体20の外部から、収容体20内に収容された電動工具100のトリガ115(図1A及び図1B)を容易に操作することが可能である。
一方、図1B,図2B,図3に示すように、収容本体部30の左側面部32bには、気体流出切換弁80が設けられている。気体流出切換弁80は、気体流出阻止状態(流入も阻止する)と気体流出許容状態とを切り換える切換弁であり、気体流出許容状態においては気体の流出を許容するが水(水中において水。気体中においては気体)の流入を阻止する逆止弁である。すなわち、気体流出切換弁80は、気体流出阻止状態・気体流出許容状態のいずれの状態においても、水の流入を阻止する。
気体流出切換弁80には、気体流出阻止状態と気体流出許容状態との切り換えについて、手動モードと自動モードとがある。
図6に示すように、この電動工具収容装置10は、ボンベ200(気体供給装置)とと
もに使用される。ボンベ200には、作業者の呼吸のために、圧縮された空気(高圧)が
充填されている。なお、空気に限らず、酸素等、人間が呼吸のために使用する気体であれ
ば他のものでもよい。
ボンベ200には、レギュレータといわれる減圧装置(正確には、そのうちの第1減圧部)202が設けられており、その減圧装置202には複数の接続口(符号省略)が設けられている(図6においては2つの接続口が図示されている)。そのうちの一の接続口に接続された呼吸用ホース210は、作業者の口元まで延びている。気体供給ホース90(その基端部)は、他の接続口に接続されている。
こうして、ボンベ200から高圧の空気(減圧装置202を介しているが、依然かなり高圧である)が、気体供給ホース90を通って、収容体20内に供給されるのである。
外側円環状部72は位置固定的なものである一方、押圧操作部74は、外側円環状部72に対して、面一位置(図4(a))と、窪み位置(図4(b))との間を変位(出没)可能である。
図4(a)に示すように、面一位置とは、押圧操作部74のおもて面(符号省略)が、外側円環状部72のおもて面(符号省略)と面一状となる位置である。図4(b)に示すように、窪み位置とは、押圧操作部74のおもて面(符号省略)が、外側円環状部72のおもて面(符号省略)よりも所定の距離だけ窪んだ状態となる位置である。
押圧操作部74は、通常は、バネ(図示省略)によって付勢され、面一位置(図4(a))に位置する。作業者が押圧操作部74を押圧することによって、押圧操作部74は窪み位置(図4(b))に変位する。
すなわち、通常は気体供給ホース90によって供給される空気の気圧(空気圧)が収容体20の内部の気圧(空気圧)よりも高いため、その空気が収容体20の内部に流入する。
すなわち、上述の気体流入切換弁70は、気体流入許容状態においては、開放弁(開放状態)であるが、通常は気体供給ホース90内の空気圧が収容体20内の空気圧よりも高いため、逆流の問題はない。しかしながら、万が一、気体供給ホース90内の空気圧が収容体20内の空気圧よりも低い場合を考慮して、気体の流入を許容するが気体の流出を阻止する(逆流を阻止する)逆止弁とされてもよいのである。
円環状ベース部82は位置固定的なものである一方、回動押圧操作部84は、円環状ベース部82に対して、回動可能(図1B,図2B)であるとともに、通常位置(図5A(a))と、窪み位置(図5A(b))との間を変位(出没)可能に設けられている。
回動押圧操作部84は、通常は、バネ(図示省略)によって付勢され、通常位置(図5A(a),図5B(a)(b))に位置する。作業者が回動押圧操作部84を押圧することによって、回動押圧操作部84は窪み位置(図5A(b))に変位する。
図5A(a)に示すように、回動押圧操作部84が通常位置に位置する状態において、気体流出切換弁80は気体流出阻止状態にある。すなわち、収容体20の内部の空気は、回動押圧操作部84(その多数の孔部85)を通って収容体20の外部に流出することが阻止される。その逆の方向の水の流れも阻止される。
一方、図5A(b)に示すように、回動押圧操作部84が押圧されて窪み位置に位置する状態において、気体流出切換弁80は気体流出許容状態となる。
すなわち、収容体20の内部の空気は、回動押圧操作部84(その多数の孔部85)を通って収容体20の外部に流出する。一方、収容体20の外部の水は、収容体20の内部に流入しない(すなわち、逆流しない)。
図5B(a)に示すように、収容体20の内外の圧力差(収容体20内の空気圧と収容体20の外部の水圧との差)が所定の基準値以下の場合には、気体流出切換弁80は気体流出阻止状態(前述)にある。
一方、図5B(b)に示すように、収容体20内外の圧力差が基準値よりも大きい場合には、気体流出切換弁80は気体流出許容状態(前述)にある。
また、気体流出切換弁80が自動モードにある際においても、前述したように回動押圧操作部84が押圧されて窪み位置に位置することによって、気体流出切換弁80は気体流出許容状態となる。
なお、気体流出切換弁80については、自動モードとされることが一般的であるが、便宜的に、まずは、手動モードとされた状態を説明し、次に、自動モードとされた状態を説明する。
図1A及び図1B→図2A及び図2Bに示すように、地上において、収容体20に対して電動工具100が収容される。すなわち、開口底部形成部40の開口部42を通して、電動工具100が電動工具収容装置10の収容本体部30の内部に収容される。それとともに、電動工具100の先端作用部120は、露出用孔部55(露出用孔部形成部50)を通して、電動工具収容装置10の収容本体部30の外部に露出するようにされる。
この際、図1Bに示すように、電動工具収容装置10が上下反転され、電動工具100も上下反転された状態で収容されることによって、より容易にその収容作業が行われる。
また、この際、窪み部35が一時的に収容本体部30の外側に突出した状態(図3において二点鎖線で示す)にされると、より容易に収容作業が行われる。
また、上述の収容作業に併せて、工具電源コード130(プラス接続端子133a,マイナス接続端子133b)と収容体電源コード60(プラス接続端子63a,マイナス接続端子63b)とが接続される(図1A及び図1B参照)。
その後に、図2A及び図2Bに示すように、開口底部形成部40がロープ45によって水密状に閉塞される。
こうして、電動工具100(先端作用部120以外)は、収容体20の内部に水密的に収容される。
この状態を収容体20の自然状態ということとする(なお、以下において、自然状態に近い状態のことも便宜的に自然状態ということとする)。
自然状態においては、作業者は、容易に、収容体20の窪み部35に入れた手で収容体20の外部から電動工具100のトリガ115を操作して、電動工具100(先端作用部120)を作動状態とすることができる。
発電機300は、電気的に地面とは設置(アース)されない状態とされる。すなわち、発電機300は、図示のように水上のボート400上に敷設された絶縁シート410上に配設されたり、地面に敷設された絶縁シート上に配設されたりする。
収容体電源コード60(その基端部)は、発電機300に接続される。
以上のようにして、電動工具収容装置10を使用するための準備が完了する。
作業者が水面から徐々に水中を下降していくことによって、収容体20に加わる水圧が高くなっていく。このため、図7→図8に示すように、収容体20は周囲に存在する水によって押圧され、収容体20の内部の空気は圧縮されていく。
こうして、収容体20は収縮していき、収容体20(その右側面部32a,左側面部32b等)は電動工具100に対して密着していく。しかしながら、その状態では、作業者はトリガ115を操作することができない。
すなわち、図4(a)に示すように、それまでは、気体流入切換弁70の押圧操作部74が面一位置に位置し、気体流入切換弁70は気体流入阻止状態にあったところ、図4(b)に示すように、作業者は、押圧操作部74を押圧して窪み位置に位置づけ、気体流入切換弁70を気体流入許容状態とさせる。
これによって、図4(b)及び図8に示すように、気体供給ホース90から、高圧の空気が、気体流入切換弁70を通って収容体20の内部に流入する。すなわち、前述したように収容体20には水圧が加わっており、収容体20の内部の空気は高圧であるが、その空気圧に抗して、さらに高圧の空気が収容体20の内部に流入する。
こうして、収容体20は、自然状態(図7)に戻る。
こうして、必要以上に空気が収容体20の内部に流入することが防止され、収容体20が自然状態よりも膨張することが防止され、収容体20は自然状態に維持される。
すなわち、図6及び図7に示すように、作業者は、収容体20の窪み部35に手を入れて、その手で収容体20の外部から電動工具100のトリガ115(図1A及び図1Bも参照)を操作して、電動工具100(先端作用部120)を作動状態とし、水中の岩やコンクリートに対して、穴開け等の作業を行う。
その際、収容体20が自然状態であるため、作業者は、その作業を容易に行うことができる。
作業者が徐々に水中を上昇していくことによって、収容体20に加わる水圧が低くなっていく。このため、図7→図9に示すように、周囲に存在する水によって収容体20が押圧される力が小さくなっていき、収容体20の内部の空気は膨張していく。
こうして、収容体20は膨張し、収容体20(その右側面部32a,左側面部32b等)と電動工具100との間の隙間が大きくなっていくとともに、窪み部35は外側に突出した状態となる。しかしながら、その状態では、収容体20が劣化しやすいとともに、作業者はトリガ115を操作することができない。また、収容体20の浮力が増加して、作業者は作業しづらい。
すなわち、図5A(a)に示すように、それまでは、気体流出切換弁80の回動押圧操作部84が通常位置に位置し、気体流出切換弁80は気体流出阻止状態にあったところ、図5B(b)に示すように、作業者は、回動押圧操作部84を押圧して窪み位置に位置づけ、気体流出切換弁80を気体流出許容状態とさせる。
これによって、図5A(b)及び図8に示すように、収容体20の内部の空気は、気体流出切換弁80(外側回転円環状部84の多数の孔部85)を通って、収容体20の外部に流出する。すなわち、収容体20の弾性復元力,収容体20に加わる水圧,空気の浮力等に基づいて、収容体20の内部の空気は、収容体20の外部(水中)に流出する。
こうして、収容体20は、自然状態(図7)に戻る。
こうして、必要以上に空気が収容体20から流出することが防止され、収容体20が自然状態よりも収縮することが防止され、収容体20は自然状態に維持される。
このため、前述したように、作業者は、容易に電動工具100(先端作用部120)を作動状態とし、水中の岩やコンクリートに対して穴開け等の作業を行うことができる。
すなわち、図5B(a)に示すように、収容体20の内外の圧力差が基準値以下の場合には、気体流出切換弁80は気体流出阻止状態にあり、収容体20の内部の空気は収容体20の外部(水中)に流出しない。
一方、図5B(b)に示すように、収容体20の内外の圧力差が基準値よりも大きくなると、気体流出切換弁80は気体流出許容状態に自動的に切り換わり、収容体20の内部の空気は、収容体20の外部(水中)に流出する。所定の量の空気が流出して収容体20の内外の圧力差が基準値に戻ると、気体流出切換弁80は再び気体流出阻止状態に自動的に切り換わり、収容体20の内部の空気が必要以上に収容体20の外部(水中)に流出することが阻止される。
このことが繰り返されることによって、収容体20の内外の圧力差は所定の基準値に維持され、収容体20は、自然状態よりも膨張することなく(収縮することもなく)、自然状態に維持される。
このため、この電動工具収容装置10では、収容体20の内部に電動工具100を収容した状態で潜水して、電動工具100を容易に作動状態とさせることができるのである。
すなわち、本来的には、ボンベ200は作業者(潜水夫)の呼吸のために作業者が背負って潜水するものであり、それが収容体20に空気を供給するためにも使用されるため、収容体20に空気を供給するための装置(ボンベ)を作業者が別個背負って潜水する必要等がなく、便利である。
また、気体供給ホース(90)は、ボンベに限らず、他の態様の気体供給装置(空気供給装置)に接続されてもよい。例えば、長い気体供給ホース(90)が、地上に設置されたエアコンプレッサに接続されてもよい。
例えば、気体流入切換弁(70),気体流出切換弁(80)は、上記実施例とは逆に、各々、収容本体部30の左側面部32b,右側面部32aに設けられてもよい。また、気体流入切換弁(70)及び気体流出切換弁(80)は、ともに、右側面部32a及び左側面部32bのうちのいずれかに設けられてもよい。
20 収容体
35 窪み部
60 収容体電源コード(電源コード)
70 気体流入切換弁
80 気体流出切換弁
90 気体供給ホース
100 電動工具
115 トリガ(操作部)
120 先端作用部
200 ボンベ(気体供給装置)
Claims (5)
- 操作部が操作されることに基づいて先端作用部が作用する電動工具を水中で使用可能とするための電動工具収容装置であって、
前記電動工具を収容する収容体と、
前記電動工具の前記操作部に対応して前記収容体に形成された窪み部と、
前記収容体に対して接続され、当該収容体の内部に気体を供給する気体供給ホースと、
前記気体供給ホースから前記収容体の内部に気体が流入することを許容しない気体流入阻止状態と、それを許容する気体流入許容状態とを切り換える気体流入切換弁と、
前記収容体に対して設けられ、当該収容体内の気体が当該収容体の外部に流出することを許容しない気体流出阻止状態と、それを許容する気体流出許容状態とを切り換える気体流出切換弁とを有し、
前記収容体は、可撓性を有するとともに弾性的に伸縮可能な袋状をしており、当該収容体の外部に前記電動工具の前記先端作用部が露出しつつ、当該収容体の外部から前記電動工具の前記操作部が操作され得る状態で、当該収容体の内部に前記電動工具を水密的に収容するものであり、
前記窪み部は、当該窪み部に入れられた作業者の手によって当該収容体の外部から当該操作部が操作され得るものであるとともに、窪んだ状態と窪まない状態とを変位可能なものであり、
前記気体流出切換弁は、前記気体流出阻止状態と前記気体流出許容状態との切り換えについて、作業者の操作によって切り換えられる手動モードと、前記収容体の内外の圧力差に応じて自動的に切り換わる自動モードとを有するものである、
電動工具収容装置。 - 請求項1に記載の電動工具収容装置であって、
前記収容体には、前記電動工具の先端筒状部に対応して露出用孔部を有する円筒状の露出用孔部形成部が形成され、当該収容体の内部に前記電動工具が収容された状態で当該電動工具の前記先端筒状部が当該露出用孔部に嵌合され、当該露出用孔部形成部が当該電動工具の当該先端筒状部を密着状態で覆い、当該露出用孔部形成部が円環状の締め付け具によって締め付けられることによって、水密性が確保されるものである、
電動工具収容装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の電動工具収容装置であって、さらに、
前記収容体に対して接続され、前記電動工具に対して電力を供給する電源コードを有する、
電動工具収容装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電動工具収容装置であって、
前記気体供給ホースは、当該電動工具を操作する作業者の呼吸のために当該作業者に対して気体を供給する気体供給装置に接続されるものである、
電動工具収容装置。 - 水中で使用される防水電動工具であって、
操作部が操作されることに基づいて先端作用部が作用する電動工具と、
前記電動工具が収容される、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電動工具収容装置と
を有する、防水電動工具。
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