JP5989453B2 - 電動回転工具 - Google Patents
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Description
本発明の第1の発明に係る電動回転工具は、第1の方向に延びる筒状のハウジングと、前記ハウジングの内部に収容されるモータと、前記モータの回転駆動を受けて回転するように構成され、且つ先端工具を保持可能に前記ハウジングの一端側から外部へ突き出される工具保持部と、前記ハウジングにて支持され、且つ前記工具保持部にて保持される先端工具の突き出し長さを設定するシューと、を有する電動回転工具であって、前記ハウジングの他端には、バッテリを装着するバッテリ装着部が設けられており、前記バッテリ装着部に対してのバッテリの装着は、前記第1の方向と交わる方向に延びる第2の方向に沿ってスライドさせることによる、ことを特徴とする。なお、上記した第1の方向は、モータの回転軸に沿った方向として設定できる。
この第1の発明に係る電動回転工具によれば、バッテリ装着部に対してのバッテリの装着は、第1の方向と交わる方向に延びる第2の方向に沿ってスライドさせることによるので、電動回転工具として延びる方向(第1の方向)とは交差する方向(第2の方向)でスライドさせることによりバッテリを装着させることができる。これによって、電動回転工具の延びる方向を水平方向に倣わせて配置している場合では、この水平方向と交差する方向でバッテリをスライドさせることにより、このバッテリを装着することができることとなる。したがって、この電動回転工具によれば、バッテリの装着を容易に行えるようにして、電動回転工具としての取回しを良好にすることができる。
また、第3の発明に係る電動回転工具は、前記第1または前記第2の発明に係る電動回転工具において、前記ハウジングは、前記ハウジングに対しての前記工具保持部の相対回転を規制するロック部と、前記ハウジングに対しての前記シューの相対位置を固定させるシュー固定部と、を有し、前記ロック部と前記シュー固定部とは、前記第1の方向に沿って延びる前記ハウジングの中心軸線に対して互いに対称方向となる配置位置で配設されている、ことを特徴とする。この第3の発明に係る電動回転工具によれば、ロック部とシュー固定部とは、第1の方向に沿って延びるハウジングの中心軸線に対して互いに対称方向となる配置位置で配設されているので、第1の方向への無駄な嵩張りを抑えることができる。これによって、電動回転工具としての長さ構造のスリム化を図ることができ、使用者にとっての取回しを向上させる。
また、第4の発明に係る電動回転工具は、前記第3の発明に係る電動回転工具において、前記ロック部と前記シュー固定部との配置方向は、前記第1の方向および前記第2の方向の双方に交わる方向に延びる第3の方向に設定されている、ことを特徴とする。この第4の発明に係る電動回転工具によれば、ロック部とシュー固定部との配置方向は、第1の方向および第2の方向の双方に交わる方向に延びる第3の方向に設定されているので、このロック部とシュー固定部とを、3次元方向で効率良く配置することができて、電動回転工具としての無駄な嵩張りを省いて、使用者にとっての取回しを向上させる。
この第5の発明に係る電動回転工具によれば、シューは、ハウジングに対する相対位置を変位可能にされており、シュー固定手段は、ワンタッチ(1操作)でハウジングに対して固定可能に構成されているので、シューの位置を決めてから固定するにあたって、ワンタッチ(1操作)で行えることとなる。これによって、シューの位置固定を簡単に行えて、使用者にとっての取回しを向上させる。
この第6の発明に係る電動回転工具によれば、ロック部とシュー固定部とは、第1の方向に沿って延びるハウジングの中心軸線に対して互いに対称方向となる配置位置で配設されているので、第1の方向への無駄な嵩張りを抑えることができる。これによって、長さ構造のスリム化を図ることができ、使用者にとっての取回しを向上させる。ここで、モータの回転駆動に関する操作入力部は、ロック部とシュー固定部との配置方向と交わる方向で、ハウジングに配設されているので、この操作入力部を、ロック部とシュー固定部との配設スペースを邪魔することなく、効率良く設定することができる。したがって、取回しを鑑みて効率良く構成することができる。
第2の発明に係る電動回転工具によれば、太さ構造のスリム化を図ることができ、使用者にとっての取回しを向上させる。
第3の発明に係る電動回転工具によれば、長さ構造のスリム化を図ることができ、使用者にとっての取回しを向上させる。
第4の発明に係る電動回転工具によれば、無駄な嵩張りを省いて、使用者にとっての取回しを向上させる。
第5の発明に係る電動回転工具によれば、シューの位置固定を簡単に行えて、使用者にとっての取回しを向上させる。
第6の発明に係る電動回転工具によれば、取回しを鑑みて効率良く構成することができる。
以下、本発明に係る電動回転工具を実施するための形態として3つの実施の形態について説明する。なお、以下に説明する電動回転工具は、石膏ボードの切り抜き作業等の加工作業に使用される、いわゆるカットアウトツールと称される電動回転工具である。
先ず、本発明に係る電動回転工具を実施するための第1の実施の形態の電動回転工具10について、図1〜図7を参照しながら説明する。図1は、電動回転工具10の外観側面図である。図2は、図1の電動回転工具10の内部を上下半割り形断面にて示す内部断面図である。図3は、図1の電動回転工具10の内部を左右半割り形断面にて示す内部断面図である。図4は、電動回転工具10の前側の部分を拡大して示す拡大斜視図である。なお、以下に説明する電動回転工具10は、説明をする上で分かり易くするために、図示記載の通りで電動回転工具10の上下前後左右を規定している。また、図1では、電動回転工具10のうち充電式バッテリ15が取り外された工具本体11のみが図示されている。また、この電動回転工具10は、手で握って使用する、いわゆる手持ち式の回転電動回転工具となっている。
充電式バッテリ15は、この電動回転工具10の電源として工具本体11に装着される。充電式バッテリ15は、使用により放電した後には、不図示の専用充電器により充電される。工具本体11の他端側となる最後部には、バッテリ装着部13が設けられている。充電式バッテリ15は、このバッテリ装着部13に対して、上から下にスライドさせるようにして装着される。すなわち、バッテリ装着部13に対しての充電式バッテリ15の装着は、前後方向(第1の方向)と交わる方向に延びる上下方向(第2の方向)に沿ってスライドさせることによるものとなっている。
シュー17は、加工材と対面するシュー本体171と、ツマミ螺子18により工具本体11に取り付けられる取付部172とを備える。なお、このシュー17のシュー本体171が、本発明に係る調節ベースとして機能する。シュー本体171と取付部172とは、互いに交差する方向に延在される。取付部172には、前後方向に延びる長孔173が設けられている。この取付部172は、前側ハウジング31に固定されるガイド部材174によりスライドがガイドされる。具体的には、前側ハウジング31には、螺子固定されるガイド部材174が設けられており、このガイド部材174には、取付部172の前後方向のスライドをガイドするガイドリブ175が設けられている。このようにシュー17は、前後方向に沿って移動させることにより前側ハウジング31に対する相対位置を変位可能にされている。
このシュー17は、工具本体11に対して前後方向でスライドさせ、適宜に決められた位置にてツマミ螺子18により固定される。具体的には、ツマミ螺子18を締付け方向で螺子回しすると、上記したシュー17の取付部172をガイド部材174に押し付けるように作用する。そうすると、シュー17の取付部172は、ガイド部材174と一体化されるようにツマミ螺子18により押し付けられて固定される。このようにして、シュー17は、工具本体11に対して固定されることとなる。このように、ツマミ螺子18は、本発明に係るシュー固定部に相当し、モータハウジング21を含む工具本体11に対する相対位置が決められたシュー17を固定する機能を有する。
また、後に説明するビット取付機構41にて取り付けられるビットBは、この配置調整されたシュー17から前側に突き出すこととなる。このビットBの突き出す長さは、シュー17の配置位置により決められる。なお、このビットBは、本発明に係る加工用の先端工具に相当する。また、充電式バッテリ15の装着方向(上下方向)と、シュー17の配置調整方向(前後方向)とは互いに直交交差する関係となっている。
ブラシモータ25は、広く利用されるブラシモータと同様に構成され、本発明に係るモータに相当する。ブラシモータ25は、回転駆動するモータ軸26を具備する。このモータ軸26は、後側のベアリング27と前側のベアリング28とにより、回転駆動が支持されている。このモータ軸26は、基端側からブラシモータ25の回転駆動力を受け、先端側にビットBを保持する出力スピンドル35が設けられている。なお、後側のベアリング27は、モータハウジング21により支持されており、前側のベアリング28は、前側ハウジング31により支持されている。
ファン29は、モータ軸26に取り付けられている。このファン29は、遠心式ファンである。このファン29の回転により、モータハウジング21の内部には、後から前に向けて風が流れる。なお、ファン29による風は、主として、コントローラ22、スイッチ23、ブラシモータ25を、順に冷却させるモータ冷却風として機能する。このため、モータハウジング21の内部に導入される風は、モータハウジング21の後部に設けられる吸気口211から吸引され、コントローラ22、スイッチ23、ブラシモータ25を、順に冷却し、その後にファン29を通じて前側ハウジング31の内部に入り込む。このように前側ハウジング31の内部に入り込んだ風は、後に説明する電動回転工具10の前面に設けられる吹出し口36から吹き出されて外部に排気される。なお、送風路は、このファン29により吸気口211から工具本体11内部に吸気され、吹出し口36から工具本体11外部に排気される流路を形成する。なお、このモータ冷却風は本発明に係る排気風に相当し、この送風路は本発明に係る第1の送風路に相当する。なお、この吹出し口36も、前側ハウジング31の前面に設けられる本発明に係る排気口に含まれる。
図5および図6に示すように、出力部30は、工具本体11の前側部として構成される。この出力部30は、電動回転工具10のうち、主としてビットBを把持して回転駆動させる部分である。この出力部30は、概略、前側ハウジング31と、出力スピンドル35、ビット取付機構41とを備える。出力部30の外装をなす前側ハウジング31は、図4に示すように、4本の螺子部材19を介してモータハウジング21の前端に螺子止めされて、該モータハウジング21にて固定されている。この前側ハウジング31は、半割りに成形されるモータハウジング21と異なり、一体で形成される金属の成形品である。この前側ハウジング31は、後部および前部に開口された形状が設けられている。このため、図5等に示すように、前側ハウジング31の内部には、後側からモータ軸26を入り込ませることができ、前側から出力スピンドル35を突き出させることができる。なお、この前側ハウジング31は、本発明に係る支持ハウジングに相当する。
図4等に示すように、前側ハウジング31の前面部分には、モータ冷却風を外部に吹き出させる吹出し口36が設けられる。この吹出し口36は、前側ハウジング31の前面に周方向に沿って等間隔で4つ設けられている。この吹出し口36は、吹き出すモータ冷却風がシュー17のシュー本体171に向くように、電動回転工具10の前面に設けられている。つまり、吹出し口36から吹き出すモータ冷却風は、ビットBにより加工される加工材に向けられて当てられる。
ところで、図5等に示すように、前側ハウジング31の内部には、モータハウジング21から前側に突き出されるモータ軸26の先端261が入り込んでいる。このモータ軸26の先端261は、出力スピンドル35の後端に設けられる後端嵌合孔351に圧入されている。このため、出力スピンドル35は、圧入されるモータ軸26と一体回転する。なお、この出力スピンドル35は、本発明に係る出力軸に相当する。この出力スピンドル35の先端に設けられる先端嵌合孔352には、後に説明する先端差込部材45が圧入されている。ここで、先端差込部材45が圧入される出力スピンドル35の外周面には、雄螺子形状に切られる雄螺子部353が設けられている。この雄螺子部353は、後に説明するナット部材51の雌螺子部513と螺合する。このようにモータ軸26と先端差込部材45とが一体にされる出力スピンドル35は、ベアリング28により回転駆動が支持されている。このベアリング28は、前側ハウジング31にて固定保持されている。
すなわち、ビット取付機構41は、ブラシモータ25の回転駆動を受けて回転するように構成される。また、ビット取付機構41は、ビットBを保持可能に前側ハウジング31の前端側から外部へ突き出されるようにして配設されている。なお、電動回転工具10に関しての前端側が本発明に係る一端側に相当し、これとは反対側となる後端側が本発明に係る他端側に相当する。
図7(a)は、先端差込部材45についての斜視図である。図7(b)は、(a)に図示される先端差込部材45についての(b)−(b)断面図である。図8(a)は、ナット部材51についての斜視図である。図8(b)は、(a)に図示されるナット部材51についての(b)−(b)断面図である。
図7の(a)および(b)にも示すように、出力スピンドル35の先端嵌合孔352に圧入される先端差込部材45は、出力スピンドル35の回転軸線40(図1等参照)上でビットBが配置されるように、ビットBを差込み可能とする嵌挿孔として設定される。具体的には、この先端差込部材45は、前端に開口部46が設けられて内部に通じる孔形状を有する。この孔形状をなす先端差込部材45の内周径は、この先端差込部材45に差し込まれたビットBを把持するように縮小可能に形成される。具体的には、この先端差込部材45は、回転軸線40方向に延びるスリット451が等間隔で4つ設けられている。この等間隔で設けられた4つのスリット451により、先端差込部材45は、内外方向に揺動可能な4つに分離された爪形状を有して形成される。また、この先端差込部材45の外周面の前端近傍には、テーパ形状をなすテーパ部452が設けられている。
また、ナット部材51が、先端差込部材45に対して螺子外しされる位置(ビット外し位置)に位置している場合には、上記した先端差込部材45の内周径は通常どおりの内周径となる。このビット外し位置に位置するナット部材51は、ビット把持位置と比較して前側に配置されるものとなっている。この際、ナット部材51の縮径部512は、テーパ部452を内側に押圧せずに位置する。このため、先端差込部材45の内周面もビットBの外周面を押圧せず、先端差込部材45の内周側に差し込まれるビットBは先端差込部材45によって把持されることがなくなる。つまり、このビットBは、先端差込部材45から抜き差しできる状態となる。このようにして、縮径部512は、雄螺子部353に対する雌螺子部513の螺合位置に応じて、先端差込部材45の内径を縮小させるように先端差込部材45の外周面を内側に押圧したり押圧しなかったりすることができる。なお、ナット部材51の回転軸線は、上記した出力スピンドル35の回転軸線40と同一の回転軸線となっている。
また、ナット部材51が、先端差込部材45に対して螺子外しされる位置(ビット外し位置)に位置している場合には、上記した先端差込部材45の内周径は通常どおりの内周径となる。このビット外し位置に位置するナット部材51は、ビット把持位置と比較して前側に配置されるものとなっている。この際、ナット部材51の縮径部512は、テーパ部452を内側に押圧せずに位置する。このため、先端差込部材45の内周面もビットBの外周面を押圧せず、先端差込部材45の内周側に差し込まれるビットBは先端差込部材45によって把持されることがなくなる。つまり、このビットBは、先端差込部材45から抜き差しできる状態となる。このようにして、縮径部512は、雄螺子部353に対する雌螺子部513の螺合位置に応じて、先端差込部材45の内径を縮小させるように先端差込部材45の外周面を内側に押圧したり押圧しなかったりすることができる。なお、ナット部材51の回転軸線は、上記した出力スピンドル35の回転軸線40と同一の回転軸線となっている。
また、図5に示すように、係合部材61の外周環621の後端624と、前側ハウジング31の前面311とは、付勢ばね75の付勢力により互いに接触されるようになっている。これにより、内装される付勢ばね75の配設範囲に、外部から粉塵が浸入してしまうのを抑制することができる。また、この係合部材61の内周環622の内周側には、径方向内側に延びる突起部625が設けられている。また、ストッパ部材71の結合部73の外周面と、内周環622の結合部63の内周面とを、互いに対面させている。ここで、突起部625は、これら対面する結合部63,73の内周面と外周面との前端側にて、これらの隙間を閉塞させるように配置されている。これにより、これら対面する結合部63,73の内周面と外周面と間には、粉塵が入り込み難いようになっている。
このように係合部64がナット部材51の外周に対して係合した際には、係合部材61は係合位置(P2)に位置することとなる。ここで係合位置(P2)は、退避位置(P1)と比較して、前側ハウジング31に対して相対的に離間移動させた位置となっている。この係合位置(P2)に位置する係合部材61は、ナット部材51に係合しているので、この係合部材61を回転軸線40に沿った回転させることにより、ナット部材51も一体で回転させることができる。つまり、この係合部材61を回転させることにより、先端差込部材45に対するナット部材51の相対的な螺子回しをすることが可能となる。ここで、係合部材61の退避位置(P1)と係合位置(P2)との関係は、ナット部材51の回転軸線40に沿う方向で、前後にずらされることにより設定されている。具体的には、係合部材61の係合位置(P2)は、係合部材61の退避位置(P1)に比して、回転軸線40に沿って前側に移動させた位置になっている。
すなわち、係合保持機構80は、本発明に係る係合保持部材に相当する。この係合保持機構80は、前側ハウジング31に対して設けられている。なお、図9は、図4に示す係合保持機構80を拡大して示す斜視図である。図10は、図5に示す係合保持機構80を拡大して示す断面図である。図11は、図6に示す係合保持機構80を拡大して示す断面図である。係合保持機構80は、係合部材61の外周環621に対して設けられている。この係合保持機構80は、概略、外周環621に対して設けられる軸支部81と、この軸支部81にて回転可能に軸支持される保持係合体83と、この保持係合体83を係合保持方向に回転付勢する付勢ばね87と、を備える。軸支部81は、図9に示すように、外周環621の外周面に対して、外側に突き出されるように形成されている。軸支部81には、軸支ピン82が設けられている。軸支ピン82は、保持係合体83を回転可能に軸支持する。
このようにして、係合部材61が退避位置(P1)に位置している場合には、保持係合体83の当接壁部85は、図10に示すように、ガイド周縁32の当接端34に当接せずに、ガイド周縁32の外周側に配置される。この際、保持係合体83の操作壁部84は、図10に示すように、外周環621の外周面に対して平行方向で延在するように配置されている。これに対して、係合部材61が係合位置(P2)に位置している場合には、保持係合体83の当接壁部85は、図11に示すように、ガイド周縁32の当接端34に当接することとなる。このように、当接壁部85が当接端34に当接している場合には、この係合部材61が、付勢ばね75の付勢力により係合位置(P2)から退避位置(P1)に戻ってしまうのを規制することができる。つまり、係合部材61を係合位置(P2)に配置させたままとすることができる。この際、保持係合体83の操作壁部84は、外周環621の外周面に対して、交差斜め方向で延在するように配置されている。
また、上記した電動回転工具10によれば、シュー17は、前後方向(第1の方向)に沿って移動させることにより工具本体11(モータハウジング21)に対する相対位置を変位可能にされている。これによって、シュー17の配設構造を前側ハウジング31が延びる方向に一致させることができる。これによって、電動回転工具10としての太さ構造のスリム化を図ることができ、使用者にとっての取回しを向上させる。
また、上記した電動回転工具10によれば、シャフトロック機構37とツマミ螺子18は、前後方向に沿って延びるモータハウジング21の中心軸線に対して互いに対称方向となる配置位置で配設されているので、前後方向への無駄な嵩張りを抑えることができる。これによって、電動回転工具10としての長さ構造のスリム化を図ることができ、使用者にとっての取回しを向上させる。
また、上記した電動回転工具10によれば、シャフトロック機構37とツマミ螺子18との配置方向は、前後方向および上下方向の双方に交わる方向に延びる左右方向に設定されているので、このシャフトロック機構37とツマミ螺子18とを、3次元方向で効率良く配置することができて、電動回転工具10としての無駄な嵩張りを省いて、使用者にとっての取回しを向上させる。
次に、上記した第1の実施の形態とは相違する第2の実施の形態の電動回転工具10Aについて、図12〜図17を参照しながら説明する。図12は、第2の実施の形態の電動回転工具10Aの外観側面図である。図13は、図12の電動回転工具10Aの前側の部分を拡大して示す拡大斜視図である。図14は、図12の電動回転工具10Aの内部を左右半割り形断面にて示す内部断面図である。図15は、固定解除時の図12に対応する外観側面図である。図16は、固定解除時の図13に対応する拡大斜視図である。図17は、固定解除時の図14に対応する内部断面図である。
なお、この第2の実施の形態の電動回転工具10Aにあっては、上記した第1の実施の形態の電動回転工具10と比較して、シュー17を固定する構造が相違する。つまり、上記した第1の実施の形態においてシュー17を固定する構造では、シュー17の取付部172を、ツマミ螺子18を締付け方向で螺子回しすることにより、ツマミ螺子18によりガイド部材174と一体化されるように押し付けて、工具本体11に対するシュー17の相対位置を固定していた。これに対して、この第2の実施の形態においてシュー17を固定する構造では、ワンタッチ固定機構90により工具本体11に対するシュー17の相対位置を固定する。このワンタッチ固定機構90は、本発明に係るシュー固定手段に相当する。また、ワンタッチ固定機構90は、前側ハウジング31に対してワンタッチ(1操作)で固定することができるように構成されている。
このため、この第2の実施の形態の電動回転工具10Aにあっては、上記した第1の実施の形態の電動回転工具10におけるツマミ螺子18の構成を、ワンタッチ固定機構90の構成に置換するものとなっている。このため、この第2の実施の形態の電動回転工具10Aのうち、第1の実施の形態における電動回転工具10と同一にされる構成については、上記した第1の実施の形態において説明した同一符号を図に付して説明を省略する。
固定ガイドプレート91は、上記した第1の実施の形態のガイド部材174と同様、前側ハウジング31に螺子固定されている。この固定ガイドプレート91も、図示するように、ガイド部材174と同様、シュー17の取付部172を囲う形状を有している。このため、この固定ガイドプレート91も、シュー17の取付部172の前後方向のスライドをガイドする機能を有する。固定螺子93は、固定ガイドプレート91の螺子孔92に対して螺子回し可能に螺合されている。固定螺子93には、操作レバー95が取り付けられている。この操作レバー95は、固定螺子93と一体化されている。このため、この操作レバー95を螺子回し操作することにより、固定螺子93も一体に螺子回しされる。この操作レバー95と固定ガイドプレート91との間には、付勢ばね97が介装されている。この付勢ばね97の付勢力は、上記した固定螺子93の押し付け作用を解除するように操作レバー97に対して作用するものである。このため、操作レバー95は、この付勢ばね97の付勢力により、締め付け方向と反対方向に螺子回しするように作用している。
これに対して、図15〜図17に示すように、上記した操作レバー95を、付勢ばね97の付勢力に順じた固定解除方向に螺子回し操作すると、付勢ばね97の付勢力を受けながら固定螺子93は螺子孔92に対して螺子回しされる。そうすると、この螺子孔92から、固定螺子93の押圧端94が退避されることとなり、この押圧端94は、シュー17の取付部172を固定ガイドプレート91から離間することとなる。これによって、このシュー17の取付部172の、固定ガイドプレート91に対しての固定が解除される。つまり、シュー17は、前後方向に沿って移動させることができ、前側ハウジング31に対する相対位置を変位させることができる。なお、このワンタッチ固定機構90の固定解除の操作も、操作レバー95のワンタッチ操作(1操作)により行うことができる。
この電動回転工具10Aによれば、シュー17は、工具本体11(前側ハウジング31)に対する相対位置を変位可能にされており、ワンタッチ固定機構90は、ワンタッチ(1操作)で工具本体11(前側ハウジング31)に対して固定可能に構成されているので、シュー17の位置を決めてから固定するにあたって、ワンタッチ(1操作)で行えることとなる。これによって、シュー17の位置固定を簡単に行えて、使用者にとっての取回しを向上させる。
次に、上記した第2の実施の形態の変形例となる第3の実施の形態の電動回転工具10Bについて、図18〜図23を参照しながら説明する。図18は、第3の実施の形態の電動回転工具10Bの外観側面図である。図19は、図18の電動回転工具10Bの前側の部分を拡大して示す拡大斜視図である。図20は、図18の電動回転工具10Bの内部を左右半割り形断面にて示す内部断面図である。図21は、固定解除時の図18に対応する外観側面図である。図22は、固定解除時の図19に対応する拡大斜視図である。図23は、固定解除時の図20に対応する内部断面図である。
なお、この第3の実施の形態の電動回転工具10Bにあっては、上記した第2の実施の形態の電動回転工具10Aと比較して、ワンタッチ固定機構90に関して相違する構成となっている。この第3の実施の形態の電動回転工具10Bでは、トグル機構を利用したワンタッチ固定機構90Aにより、工具本体11に対するシュー17の相対位置を固定する。このワンタッチ固定機構90Aも、本発明に係るシュー固定手段に相当する。また、このワンタッチ固定機構90Aも、前側ハウジング31に対してワンタッチ(1操作)で固定することができるように構成されている。
このため、この第3の実施の形態の電動回転工具10Bは、上記した第2の実施の形態の電動回転工具10Aにおけるワンタッチ固定機構90の構成を、トグル機構を利用したワンタッチ固定機構90Aの構成に置換するものとなっている。このため、この第3の実施の形態の電動回転工具10Bのうち、第2の実施の形態における電動回転工具10Aと同一にされる構成については、上記した第1および第2の実施の形態において説明した同一符号を図に付して説明を省略する。
固定ガイドプレート91Aは、上記した第2の実施の形態の固定ガイドプレート91と略同様に構成され、前側ハウジング31に螺子固定されている。この固定ガイドプレート91Aも、図示するように、シュー17の取付部172を囲う形状を有している。このため、この固定ガイドプレート91Aも、シュー17の取付部172の前後方向のスライドをガイドする機能を有する。この固定ガイドプレート91Aの外側には、後に説明するトグルローラ99Aが転動する転動プレート92Aが取り付けられている。締結クランプ93Aは、図示するように略棒状に形成される。この締結クランプ93Aは、一端となる下端がクランプ保持部材95Aに保持されており、他端となる上端がシュー17の取付部172の上面に当接するようになっている。このため、この締結クランプ93Aの上端には、拡径された係止フランジ94Aが設けられている。この係止フランジ94Aは、シュー17の取付部172に対して下から上に挿し込まれた締結クランプ93Aの上端に設けられるものである。このため、係止フランジ94Aは、締結クランプ93Aの下側に向かった引下げに応じて、シュー17の取付部172を下側に向けて押し下げるように作用するようになっている。なお、この締結クランプ93Aの下端は、ナット部材96Aによって螺子止めされ、このナット部材96Aは、クランプ保持部材95Aにて保持されている。つまり、締結クランプ93Aの下端は、クランプ保持部材95Aにて保持されている。このクランプ保持部材95Aの後側には、回動軸98Aが設けられている。この回動軸98Aは、トグル操作レバー97Aを回動可能に軸支持している。また、このトグル操作レバー97Aのうち、回動軸98Aに近接される上側部位には、トグルローラ99Aが設けられている。このトグルローラ99Aは、上記した転動プレート92Aの上を転がることができるようになっている。このトグルローラ99Aは、トグル操作レバー97Aの操作によって転動プレート92Aの上を転がって配置位置が切り換わる。なお、このトグルローラ99Aと回動軸98Aとの距離に基づいて、締結クランプ93Aは、下側に向けて押し下げられたり或いは押し下げられなかったりする。
これに対して、図21〜図23に示すように、上記したトグル操作レバー97Aを下側に引下げ操作することによって、トグルローラ99Aは、転動プレート92Aに対して前側に転動して相対的に前側に位置することとなる。そうすると、このトグルローラ99Aと回動軸98Aとの間の距離は相対的に短くなって、締結クランプ93Aの下側に向けた引下げが解除される。そうすると、締結クランプ93Aの上端に設けられる係止フランジ94Aの下側に向けた押下げ作用は解除されることとなる。これによって、このシュー17の取付部172の、固定ガイドプレート91に対しての固定が解除される。つまり、シュー17は、前後方向に沿って移動させることができ、前側ハウジング31に対する相対位置を変位させることができる。なお、このワンタッチ固定機構90の固定解除の操作も、操作レバー95のワンタッチ操作(1操作)により行うことができる。
この電動回転工具10Bによっても、シュー17は、工具本体11(前側ハウジング31)に対する相対位置を変位可能にされており、ワンタッチ固定機構90Aは、ワンタッチ(1操作)で工具本体11(前側ハウジング31)に対して固定可能に構成されているので、シュー17の位置を決めてから固定するにあたって、ワンタッチ(1操作)で行えることとなる。これによって、シュー17の位置固定を簡単に行えて、使用者にとっての取回しを向上させる。
すなわち、上記した実施の形態では、いわゆるカットアウトツール(防じんボートトリマ)と称される電動回転工具を例示して説明するものであった。しかしながら、本発明に係る電動回転工具としては、このような例に限定されることなく、ビットBが取り付けられる機構(取付機構)を有する電動回転工具であれば、適宜の用途に用いられる適宜の構成の電動回転工具において採用することができる。
また、上記した実施の形態にて説明した、シュー17、シュー固定部としてのツマミ螺子18、シュー固定手段としてワンタッチ固定機構90,90A等は、本発明を説明するにあたっての例示である。このため、本発明に係るシュー、本発明に係るシュー固定部、本発明に係るシュー固定手段としては、上記した実施の形態にて説明した形状および構造に限定されることなく、適宜変更が加えられて構成されるものであってもよい。
11 工具本体
13 バッテリ装着部
15 充電式バッテリ
17 シュー
171 シュー本体
172 取付部
173 長孔
174 ガイド部材
175 ガイドリブ
18 ツマミ螺子(シュー固定部)
19 螺子部材
20 駆動部
21 モータハウジング
211 吸気口
22 コントローラ
23 スイッチ
231 スライドスイッチ(操作入力部)
25 ブラシモータ(モータ)
26 モータ軸
261 モータ軸の先端
27,28 ベアリング
29 ファン
30 出力部
31 前側ハウジング(支持ハウジング)
311 前側ハウジングの前面
32 ガイド周縁
33 内フランジ部
34 当接端
35 出力スピンドル(出力軸)
351 後端嵌合孔
352 先端嵌合孔
353 雄螺子部
36 吹出し口
37 シャフトロック機構(ロック部)
38 操作体
381 操作体本体
382 押圧カバー
39 付勢ばね
40 回転軸線
41 ビット取付機構(固定部材、取付機構、工具保持部)
45 先端差込部材(差込部材)
451 スリット
452 テーパ部
46 開口部
51 ナット部材(締結部材)
512 縮径部
513 雌螺子部
52 開口部
60 操作機構(操作部材、操作部)
61 係合部材
62 ガイド部
621 外周環
622 内周環
623 折返し部
624 外周環の後端
625 突起部
63 結合部
64 係合部
71 ストッパ部材
73 結合部
74 外フランジ部
75 付勢ばね
80 係合保持機構(係合保持部材)
81 軸支部
82 軸支ピン
83 保持係合体
84 操作壁部
85 当接壁部
87 付勢ばね
88 保持凹部
89 連通孔
90,90A ワンタッチ固定機構(シュー固定手段)
91,91A 固定ガイドプレート
92 螺子孔
92A 転動プレート
93 固定螺子
93A 締結クランプ
94 押圧端
94A 係止フランジ
95 操作レバー
95A クランプ保持部材
96A ナット部材
97 付勢ばね
97A トグル操作レバー
98A 回動軸
99A トグルローラ
B ビット(先端工具)
Claims (5)
- 第1の方向に延びる筒状のハウジングと、
前記ハウジングの内部に収容されるモータと、
前記モータの回転駆動を受けて回転するように構成され、且つ先端工具を保持可能に前記ハウジングの一端側から外部へ突き出される工具保持部と、
前記ハウジングにて支持され、且つ前記工具保持部にて保持される先端工具の突き出し長さを設定するシューと、を有する電動回転工具であって、
前記ハウジングの他端には、バッテリを装着するバッテリ装着部が設けられており、
前記バッテリ装着部に対してのバッテリの装着は、前記第1の方向と交わる方向に延びる第2の方向に沿ってスライドさせることによるものとなっており、
前記ハウジングは、前記ハウジングに対しての前記工具保持部の相対回転を規制するロック部と、前記ハウジングに対しての前記シューの相対位置を固定させるシュー固定部と、を有し、
前記ロック部と前記シュー固定部とは、前記第1の方向に沿って延びる前記ハウジングの中心軸線に対して互いに対称方向となる配置位置で配設されている、電動回転工具。 - 第1の方向に延びる筒状のハウジングと、
前記ハウジングの内部に収容されるモータと、
前記モータの回転駆動を受けて回転するように構成され、且つ先端工具を保持可能に前記ハウジングの一端側から外部へ突き出される工具保持部と、
前記ハウジングにて支持され、且つ前記工具保持部にて保持される先端工具の突き出し長さを設定するシューと、を有する電動回転工具であって、
前記ハウジングは、前記ハウジングに対しての前記工具保持部の相対回転を規制するロック部と、前記ハウジングに対しての前記シューの相対位置を固定させるシュー固定部と、を有し、
前記ロック部と前記シュー固定部とは、前記第1の方向に沿って延びる前記ハウジングの中心軸線に対して互いに対称方向となる配置位置で配設されており、
前記モータの回転駆動に関する操作入力部は、前記ロック部と前記シュー固定部との配置方向と交わる方向で、前記ハウジングに配設されている、電動回転工具。 - 第1の方向に延びる筒状のハウジングと、
前記ハウジングの内部に収容されるモータと、
前記モータの回転駆動を受けて回転するように構成され、且つ先端工具を保持可能に前記ハウジングの一端側から外部へ突き出される工具保持部と、
前記ハウジングにて支持され、且つ前記工具保持部にて保持される先端工具の突き出し長さを設定するシューと、を有する電動回転工具であって、
前記ハウジングの他端には、バッテリを装着するバッテリ装着部が設けられており、
前記バッテリ装着部に対してのバッテリの装着は、前記第1の方向と交わる方向に延びる第2の方向に沿ってスライドさせることによるものとなっており、
前記ハウジングは、前記ハウジングに対しての前記工具保持部の相対回転を規制するロック部と、前記ハウジングに対しての前記シューの相対位置を固定させるシュー固定部と、を有し、
前記ロック部と前記シュー固定部とは、前記第1の方向に沿って延びる前記ハウジングの中心軸線に対して互いに対称方向となる配置位置で配設されており、
前記ハウジングの周面には、前記モータの駆動を操作する操作入力部が設けられており、
前記操作入力部の配置側となる上側に対して左側もしくは右側のいずれかに、前記ハウジングに対しての前記工具保持部の相対回転を規制する前記ロック部が設けられている、電動回転工具。 - 第1の方向に延びる筒状のハウジングと、
前記ハウジングの内部に収容されるモータと、
前記モータの回転駆動を受けて回転するように構成され、且つ先端工具を保持可能に前記ハウジングの一端側から外部へ突き出される工具保持部と、
前記ハウジングにて支持され、且つ前記工具保持部にて保持される先端工具の突き出し長さを設定するシューと、を有する電動回転工具であって、
前記ハウジングの他端には、バッテリを装着するバッテリ装着部が設けられており、
前記バッテリ装着部に対してのバッテリの装着は、前記第1の方向と交わる方向に延びる第2の方向に沿ってスライドさせることによるものとなっており、
前記ハウジングは、前記ハウジングに対しての前記工具保持部の相対回転を規制するロック部と、前記ハウジングに対しての前記シューの相対位置を固定させるシュー固定部と、を有し、
前記ロック部と前記シュー固定部とは、前記第1の方向に沿って延びる前記ハウジングの中心軸線に対して互いに対称方向となる配置位置で配設されており、
前記ハウジングの周面には、前記モータの駆動を操作する操作入力部が設けられており、
前記操作入力部の配置側となる上側に対して左側もしくは右側のいずれかに、前記ハウジングに対しての前記シューの相対位置を固定させる前記シュー固定部が設けられている、電動回転工具。 - 請求項3または請求項4に記載の電動回転工具において、
前記ハウジングの内部には、前記モータへの電力供給の制御を行うコントローラが配置されており、
前記コントローラの外周側の前記ハウジングには、外気が吸引される吸気口が設けられている、電動回転工具。
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