JP2014037039A - 電動工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビットを取り付けるための取付機構が出力スピンドルに配設される電動工具において、スパナ等の専用工具を用いることなく、さらに螺子回し操作以外の操作を減らしてビットの付替え作業の簡単化を図る。
【解決手段】付勢ばね75の付勢力によって、ナット部材51を螺子回しする係合部材61の、ナット部材51の外周に対しての係合を外すことができる。ここで、係合保持機構80は、ナット部材51に対しての係合部材61の係合を、付勢ばね75の付勢に抗しながら保持することができる。これによって、使用者は、係合保持機構80により係合が保持された係合部材61を含む操作機構60を螺子回し操作することにより、スパナ等の専用工具を用いることなく、さらに螺子回し操作以外の操作を減らして簡単にビットBの付替え作業を行うことができる。
【選択図】図6

Description

この発明は、先端工具を取り付ける取付機構が出力軸に対して配設されている電動工具に関する。
従来、防じんボートトリマやカットアウトツールとも称され、石膏ボードの切り抜き作業等の加工作業に使用される電動工具が知られている(例えば特許文献1参照)。この種の電動工具は、回転駆動力を発生させる駆動モータと、この駆動モータの回転駆動力により回転駆動する出力スピンドル(出力軸)とを備える。出力スピンドルの先端には、加工用のビット(先端工具)を取り付ける取付機構が配設されている。この取付機構には、上記した切り抜き加工等の加工に応じて選択されたビットが取り付けられる。この取付機構は、各種のビットに付け替えることができるように構成される。なお、従来のビットの付替えは、スパナ等の専用工具を用いることにより、取付機構の弛め及び締め付けを行うものとしていた。
「取扱説明書 防じんボードトリマ モデル3706」(発行日:2006年02月 発行元:株式会社マキタ)
ところで、取付機構の弛め及び締め付けを行うために、スパナ等の専用工具を常備しておくこととなると、使用者に管理負担がかかってしまう。このため、このような管理作業が煩雑であるとの指摘があり、このような管理作業の負担軽減を図りたい。
さらに、このような取付機構の弛め及び締め付けは、螺子回しのように螺子回し操作をして行う。このため、このような螺子回し操作以外の操作を減らすようにして、このようなビットの付替え作業の簡単化を図りたい。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、本発明が解決しようとする課題は、ビットを取り付けるための取付機構が出力スピンドルに配設される電動工具において、スパナ等の専用工具を用いることなく、さらに螺子回し操作以外の操作を減らしてビットの付替え作業の簡単化を図ることにある。
上記した課題を解決するにあたって、本発明に係る電動工具は次の手段をとる。
本発明の第1の発明に係る電動工具は、回転駆動力を発生させるモータと、前記モータの回転駆動力により回転される出力軸と、前記出力軸の前部に設けられ且つ先端工具を保持可能な工具保持部と、前記工具保持部を操作可能な操作部と、を有する電動工具であって、前記操作部は、前記工具保持部と係合する係合部材と、前記工具保持部に対しての前記係合部材の係合を外すように該係合部材を付勢する弾性体と、前記工具保持部に対しての前記係合部材の係合を保持する係合保持部材と、を備えることを特徴とする。なお、前記係合部材は、前記工具保持部に係合可能にされ且つ係合した際に前記工具保持部の操作可能とされる。また、前記弾性体は、前記工具保持部に対しての前記係合部材の係合を外すように該係合部材を付勢する。また、前記係合保持部材は、前記工具保持部に対しての前記係合部材の係合を前記弾性体の付勢に抗しながら保持する。
この第1の発明に係る電動工具によれば、操作部は、係合部材と弾性体とを有して構成されるので、この弾性体の付勢力により工具保持部に対しての係合部材の係合を外すことができる。これによって、電動工具を用いて作業する場合には、工具保持部に対しての係合部材の係合を外すことができる。また、操作部は、係合保持部材を有して構成されるので、工具保持部に対しての係合部材の係合を弾性体の付勢に抗しながら保持することができる。これによって、使用者は、係合保持部材により係合が保持された係合部材を含む操作部を螺子回し操作することにより、スパナ等の専用工具を用いることなく、さらに螺子回し操作以外の操作を減らして簡単にビットの付替え作業を行うことができる。
また、第2の発明に係る電動工具は、前記第1の発明に係る電動工具において、前記係合部材は、前記出力軸の延びる方向に移動可能となっており、前記係合保持部材は、前記出力軸の回転径方向へと突出する第1の位置と、該回転径方向に突出しない第2の位置とに配置可能であることを特徴とする。なお、前記係合部材の工具保持部に対する係合は、該係合部材の移動した位置に応じて係合状態となったり係合解除状態となったりするものであってもよい。この第2の発明に係る電動工具によれば、工具保持部と係合する係合部材は、出力軸の延びる方向に移動可能となっている。これによって、例えば工具保持部に対して係合させたり係合解除させたりするための移動の方向を、係合部材を出力軸の延びる方向に設定することができる。このように、係合部材の移動を出力軸の延びる方向に設定した場合には、この係合部材を移動させるための構造をシンプルに設けることができて、構造のコンパクト化を図ることができる。
また、第3の発明に係る電動工具は、前記第1の発明に係る電動工具において、前記係合部材は、前記出力軸の延びる方向と交わる方向に移動可能となっており、前記係合保持部材は、前記出力軸の回転径方向へと突出する第1の位置と、該回転径方向に突出しない第2の位置とに配置可能であることを特徴とする。なお、前記係合部材の工具保持部に対する係合は、該係合部材の移動した位置に応じて係合状態となったり係合解除状態となったりするものであってもよい。この第3の発明に係る電動工具によれば、工具保持部と係合する係合部材は、出力軸の延びる方向と交わる方向に移動可能となっている。これによって、例えば工具保持部に対して係合させたり係合解除させたりするための移動の方向を、係合部材を出力軸の延びる方向と交わる方向に設定することができる。このように、係合部材の移動を出力軸の延びる方向に設定した場合には、使用者にとって操作がし易いようにすることができる。
また、第4の発明に係る電動工具は、前記第1から前記第3のいずれかの発明に係る電動工具において、前記係合保持部材は、前記出力軸の軸線を中心に回動可能であることを特徴とする。この第4の発明に係る電動工具によれば、係合保持部材は出力軸の軸線を中心に回動可能であるので、この係合保持部材の位置を全ての方位にて配置させておくことができる。これによって、係合保持部材の位置を使用者の趣向に応じて変更することができて、使用者にとって使用がし易い電動工具とすることができる。
また、第5の発明に係る電動工具は、前記第1から前記第4のいずれかの発明に係る電動工具において、前記係合保持部材は、前記係合部材に設けられていることを特徴とする。この第5の発明に係る電動工具によれば、係合保持部材は、係合部材に設けられているので、係合保持部材の構造を作用させたい部材に直接に設けることができて、構造のコンパクト化を図ることができる。
また、第6の発明に係る電動工具は、回転駆動力を発生させるモータと、前記モータの回転駆動力により回転される出力軸と、前記出力軸の前部に設けられ且つ先端工具を保持可能な工具保持部と、前記工具保持部を操作可能な操作部と、を有する電動工具であって、前記工具保持部と係合する係合部材と、前記工具保持部と前記係合部材とが係合した状態を報知する報知手段と、を備えることを特徴とする。
この第6の発明に係る電動工具によれば、係合部材と報知手段とを有して構成されるので、使用者は、ビットの付替え作業を行うにあたり、係合部材が工具保持部に係合しているか否かを判別することができる。これによって、使用者は、報知手段により工具保持部と係合部材とが係合していると判別できた場合に、係合部材を含む操作部を螺子回し操作を行えば良いと判別することができる。このようにして、すぐに螺子回し操作を行うことができる状態かどうかを容易に知ることができる。
また、第7の発明に係る電動工具は、回転駆動力を発生させるモータと、前記モータの回転駆動力により回転される出力軸と、前記出力軸の前部に設けられ且つ先端工具を保持可能な工具保持部と、前記工具保持部を操作可能な操作部と、を有する電動工具であって、前記工具保持部と係合する係合部材と、前記工具保持部に対しての前記係合部材の係合を外すように該係合部材を付勢する弾性体と、前記工具保持部に対しての前記係合部材の係合を保持する係合保持部材と、を備えることを特徴とする。
この第7の発明に係る電動工具によれば、係合部材と弾性体とを有して構成されるので、この弾性体の付勢力により工具保持部に対しての係合部材の係合を外すことができる。これによって、電動工具を用いて作業する場合には、工具保持部に対しての係合部材の係合を外すことができる。また、係合保持部材を有して構成されるので、工具保持部に対しての係合部材の係合を弾性体の付勢に抗しながら保持することができる。これによって、使用者は、係合保持部材により係合が保持された係合部材を含む操作部を螺子回し操作することにより、スパナ等の専用工具を用いることなく、さらに螺子回し操作以外の操作を減らして簡単にビットの付替え作業を行うことができる。
第1の発明に係る電動工具によれば、スパナ等の専用工具を用いることなく、さらに螺子回し操作以外の操作を減らして簡単にビットの付替え作業を行うことができる。
第2の発明に係る電動工具によれば、この係合部材を移動させるための構造をシンプルに設けることができて、構造のコンパクト化を図ることができる。
第3の発明に係る電動工具によれば、係合部材の移動を出力軸の延びる方向に設定した場合には、使用者にとって操作がし易いようにすることができる。
第4の発明に係る電動工具によれば、係合保持部材の位置を使用者の趣向に応じて変更することができて、使用者にとって使用がし易い電動工具とすることができる。
第5の発明に係る電動工具によれば、係合保持部材の構造を作用させたい部材に直接に設けることができて、構造のコンパクト化を図ることができる。
第6の発明に係る電動工具によれば、すぐに螺子回し操作を行うことができる状態かどうかを容易に知ることができる。
第7の発明に係る電動工具によれば、スパナ等の専用工具を用いることなく、さらに螺子回し操作以外の操作を減らして簡単にビットの付替え作業を行うことができる。
電動工具の外観側面図である。 図1の電動工具の内部を上下半割り形断面にて示す内部断面図である。 図1の電動工具の内部を左右半割り形断面にて示す内部断面図である。 電動工具の前側の部分を拡大して示す拡大斜視図である。 図2における出力部に関して拡大して示す内部断面図である。 図5の操作機構を操作した場合の内部断面図である。 先端差込部材についての(a)斜視図および(b)断面図である。 ナット部材についての(a)斜視図および(b)断面図である。 図4に示す係合保持機構を拡大して示す斜視図である。 図5に示す係合保持機構を拡大して示す断面図である。 図6に示す係合保持機構を拡大して示す断面図である。 第2の実施の形態となる電動工具の外観側面図である。 図12の駆動部の内部を上下半割り形断面にて示す内部断面図である。 図13のXIV−XIV断面矢視を示す駆動部の内部断面図である。 係合保持機構の前面視図である。 図15のXVI−XVI断面矢視を示す係合保持機構の内部断面図である。 係合保持機構を操作した際の図13に対応する内部断面図である。 係合保持機構を操作した際の図14に対応する内部断面図である。 係合保持機構を操作した際の図15に対応する前面視図である。 係合保持機構を操作した際の図16に対応する内部断面図である。 第3の実施の形態となる上下半割り形断面にて示す内部断面図である。 係合操作した際の図21に対応する内部断面図である。 第3の実施の形態のガイド体本体を示す斜視図および側面図である。 第3の実施の形態の係合部材を示す斜視図および側面図である。 操作前および操作後の電動工具の一部外観を示す斜視図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明に係る電動工具を実施するための形態として3つの実施の形態について説明する。なお、以下に説明する電動工具は、石膏ボードの切り抜き作業等の加工作業に使用される、いわゆるカットアウトツールと称される電動工具である。
先ず、本発明に係る電動工具を実施するための第1の実施の形態の電動工具10について、図1〜図7を参照しながら説明する。図1は、電動工具10の外観側面図である。図2は、図1の電動工具10の内部を上下半割り形断面にて示す内部断面図である。図3は、図1の電動工具10の内部を左右半割り形断面にて示す内部断面図である。図4は、電動工具10の前側の部分を拡大して示す拡大斜視図である。なお、以下に説明する電動工具10は、説明をする上で分かり易くするために、図示記載の通りで電動工具10の上下前後左右を規定している。また、図1では、電動工具10のうち充電式バッテリ15が取り外された工具本体11のみが図示されている。また、この電動工具10は、手で握って使用する、いわゆる手持ち式の回転電動工具となっている。
すなわち、図1〜図4に示す電動工具10は、概略、工具本体11と、充電式バッテリ15と、シュー17とを備える。充電式バッテリ15は、この電動工具10の電源として工具本体11に装着される。充電式バッテリ15は、使用により放電した後には、不図示の専用充電器により充電される。充電式バッテリ15は、工具本体11の最後部に設けられる装着部13に対して、上から下にスライドさせるようにして装着される。シュー17は、出力スピンドル35の先端の先に配設される。このシュー17は、工具本体11に対しての相対位置を決めることによりシュー17に対してのビットBの加工突出量を設定する。つまり、このシュー17は、ビットBの加工可能範囲を調節する機能を有する。このため、シュー17は、工具本体11の最前部に配設される。シュー17は、加工材と対面する対面部171と、ツマミ螺子18により工具本体11に取り付けられる取付部172とを備える。なお、このシュー17の対面部171が、本発明に係る調節ベースとして機能する。取付部172には、前後方向に延びる長孔173が設けられている。この対面部171と取付部172とは、互いに交差する方向に延在される。このシュー17は、工具本体11に対して前後方向でスライドさせ、適宜に決められた位置にてツマミ螺子18により固定される。なお、後に説明するビット取付機構41にて取り付けられるビットBは、この配置調整されたシュー17から前側に突き出すこととなる。このビットBの突き出す長さは、シュー17の配置位置により決められる。なお、このビットBは、本発明に係る加工用の先端工具に相当する。また、充電式バッテリ15の装着方向(上下方向)と、シュー17の配置調整方向(前後方向)とは互いに直交交差する関係となっている。
次に、工具本体11について説明する。工具本体11は、主として駆動力を発生する駆動部20と、出力スピンドル35の回転を支持する出力部30とに、大まかに分けられる。駆動部20は、工具本体11の後部と中間部とに亘って構成され、主として電力を回転駆動力に変換する。駆動部20は、概略、外装をなすモータハウジング21の中に、各種の内装部材が装備されて構成される。モータハウジング21は、図2に示すように、左右方向に半割りに成形される。モータハウジング21の最後部には、上記した装着部13が設けられる。モータハウジング21には、後ろから前へ順に、コントローラ22、スイッチ23、ブラシモータ25、ファン29が、内装される。コントローラ22は、適宜の条件に応じて充電式バッテリ15からの電力供給等を制御する。スイッチ23は、外部に露出されるスライドスイッチ231の前後方向のスライド操作により操作入力される。具体的には、スライドスイッチ231は前後方向に長く形成されている。使用者がスライドスイッチ231を前方に移動させることにより、スライドスイッチ231の後端部の前面でスイッチ23の操作部の後端を操作することにより、スイッチをオンに入力することができる。ブラシモータ25は、広く利用されるブラシモータと同様に構成され、本発明に係るモータに相当する。ブラシモータ25は、回転駆動するモータ軸26を有する。このモータ軸26は、後側のベアリング27と前側のベアリング28とにより、回転駆動が支持されている。このモータ軸26は、基端側からブラシモータ25の回転駆動力を受け、先端側にビットBを保持する出力スピンドル35が設けられている。なお、後側のベアリング27は、モータハウジング21により支持されており、前側のベアリング28は、前側ハウジング31により支持されている。
ファン29は、モータ軸26に取り付けられている。このファン29は、遠心式ファンである。このファン29の回転により、モータハウジング21の内部には、後から前に向けて風が流れる。なお、ファン29による風は、主として、コントローラ22、スイッチ23、ブラシモータ25を、順に冷却させるモータ冷却風として機能する。このため、モータハウジング21の内部に導入される風は、モータハウジング21の後部に設けられる吸気口211から吸引され、コントローラ22、スイッチ23、ブラシモータ25を、順に冷却し、その後にファン29を通じて前側ハウジング31の内部に入り込む。このように前側ハウジング31の内部に入り込んだ風は、後に説明する電動工具10の前面に設けられる吹出し口36から吹き出されて外部に排気される。なお、送風路は、このファン29により吸気口211から工具本体11内部に吸気され、吹出し口36から工具本体11外部に排気される流路を形成する。なお、このモータ冷却風は本発明に係る排気風に相当し、この送風路は本発明に係る第1の送風路に相当する。なお、この吹出し口36も、前側ハウジング31の前面に設けられる本発明に係る排気口に含まれる。
次に、上記した駆動部20の前側に配置される出力部30について説明する。なお、図5は、図2における出力部30に関して拡大して示す内部断面図である。図6は、図5の操作機構60を操作した場合の内部断面図である。
図5および図6に示すように、出力部30は、工具本体11の前側部として構成される。この出力部30は、電動工具10のうち、主としてビットBを把持して回転駆動させる部分である。この出力部30は、概略、前側ハウジング31と、出力スピンドル35、ビット取付機構41とを備える。出力部30の外装をなす前側ハウジング31は、図4に示すように、4本の螺子部材19を介してモータハウジング21の前端に螺子止めされて、該モータハウジング21にて固定されている。この前側ハウジング31は、半割りに成形されるモータハウジング21と異なり、一体で形成される金属の成形品である。この前側ハウジング31は、後部および前部に開口された形状が設けられている。このため、図5等に示すように、前側ハウジング31の内部には、後側からモータ軸26を入り込ませることができ、前側から出力スピンドル35を突き出させることができる。なお、この前側ハウジング31は、本発明に係る支持ハウジングに相当する。この前側ハウジング31は、樹脂によって形成することもできる。
図4等に示すように、前側ハウジング31の前面部分には、モータ冷却風を外部に吹き出させる吹出し口36が設けられる。この吹出し口36は、前側ハウジング31の前面に周方向に沿って等間隔で4つ設けられている。この吹出し口36は、吹き出すモータ冷却風がシュー17の対面部171に向くように、電動工具10の前面に設けられている。つまり、吹出し口36から吹き出すモータ冷却風は、ビットBにより加工される加工材に向けられて当てられる。
図5等に示すように、前側ハウジング31の右側面には、上記したシュー17の取付部172がツマミ螺子を介して取り付けられている。また、図3に示すように、この前側ハウジング31の左側面には、シャフトロック機構37が設けられている。シャフトロック機構37は、ビットBを後に説明するビット取付機構41に取り付けるにあたって、出力スピンドル35の回転方向への動きを止めるように出力スピンドル35を固定する。このため、このシャフトロック機構37は、出力スピンドル35の4つ穴のうちの1つに挿入可能なピンを径方向に移動可能な操作体38と、常態時では押圧を解除する付勢ばね39とを備える。なお、操作体38は、シャフトを押圧する操作体本体381と、外装をなす押圧カバー382とを備える。
ところで、図5等に示すように、前側ハウジング31の内部には、モータハウジング21から前側に突き出されるモータ軸26の先端261が入り込んでいる。このモータ軸26の先端261は、出力スピンドル35の後端に設けられる後端嵌合孔351に圧入されている。このため、出力スピンドル35は、圧入されるモータ軸26と一体回転する。なお、この出力スピンドル35は、本発明に係る出力軸に相当する。この出力スピンドル35の先端に設けられる先端嵌合孔352には、後に説明する先端差込部材45が圧入されている。ここで、先端差込部材45が圧入される出力スピンドル35の外周面には、雄螺子形状に切られる雄螺子部353が設けられている。この雄螺子部353は、後に説明するナット部材51の雌螺子部513と螺合する。このようにモータ軸26と先端差込部材45とが一体にされる出力スピンドル35は、ベアリング28により回転駆動が支持されている。このベアリング28は、前側ハウジング31にて固定保持されている。
次に、上記した出力スピンドル35に対して設けられるビット取付機構41について説明する。なお、ビット取付機構41は、本発明に係る工具保持部(取付機構)に相当する。また、このビット取付機構41は、本発明に係る固定部材に相当する。このビット取付機構41は、回転駆動する出力スピンドル35にビットBを取り付ける。このビット取付機構41は、概略、先端差込部材45と、ナット部材51とを備える。なお、先端差込部材45は、本発明に係る差込部材に相当する。また、このナット部材51は、本発明に係る締結部材に相当する。
図7(a)は、先端差込部材45についての斜視図である。図7(b)は、(a)に図示される先端差込部材45についての(b)−(b)断面図である。図8(a)は、ナット部材51についての斜視図である。図8(b)は、(a)に図示されるナット部材51についての(b)−(b)断面図である。
図7の(a)および(b)にも示すように、出力スピンドル35の先端嵌合孔352に圧入される先端差込部材45は、出力スピンドル35の回転軸線40(図1等参照)上でビットBが配置されるように、ビットBを差込み可能とする嵌挿孔として設定される。具体的には、この先端差込部材45は、前端に開口部46が設けられて内部に通じる孔形状を有する。この孔形状をなす先端差込部材45の内周径は、この先端差込部材45に差し込まれたビットBを把持するように縮小可能に形成される。具体的には、この先端差込部材45は、回転軸線40方向に延びるスリット451が等間隔で4つ設けられている。この等間隔で設けられた4つのスリット451により、先端差込部材45は、内外方向に揺動可能な4つに分離された爪形状を有して形成される。また、この先端差込部材45の外周面の前端近傍には、テーパ形状をなすテーパ部452が設けられている。
図5等に示すように、ナット部材51は、上記した先端差込部材45の外周に配置される。このナット部材51の前端には、ビットBを挿し込む開口部52が設けられている。図8の(a)および(b)にも示すナット部材51の内周面には、雌螺子形状に切られる雌螺子部513が設けられている。この雌螺子部513は、出力スピンドル35の外周面に設けられた雄螺子部353と螺合する。また、ナット部材51の内周面の前端近傍には、上記したテーパ部452と傾斜形状が一致する縮径部512が設けられている。この縮径部512は、雄螺子部353に対する雌螺子部513の螺合位置に応じて、上記した先端差込部材45のテーパ部452に対して当接状態となったり非当接状態となったりする。この縮径部512がテーパ部452に対して当接状態となっている場合に、出力スピンドル35に対してナット部材51を締結方向に更に螺子回しすると、この縮径部512は、先端差込部材45のテーパ部452を内側に押圧することとなる。そうすると、この先端差込部材45の先端の内径は縮小方向に作用することとなる。つまり、この先端差込部材45に開口部46に差し込まれたビットBを把持するように、この先端差込部材45の内周面はビットBの外周面を押圧することとなる。なお、この際、ナット部材51は、先端差込部材45に対して螺子締結される位置(ビット把持位置)に位置する。
また、ナット部材51が、先端差込部材45に対して螺子外しされる位置(ビット外し位置)に位置している場合には、上記した先端差込部材45の内周径は通常どおりの内周径となる。このビット外し位置に位置するナット部材51は、ビット把持位置と比較して前側に配置されるものとなっている。この際、ナット部材51の縮径部512は、テーパ部452を内側に押圧せずに位置する。このため、先端差込部材45の内周面もビットBの外周面を押圧せず、先端差込部材45の内周側に差し込まれるビットBは先端差込部材45によって把持されることがなくなる。つまり、このビットBは、先端差込部材45から抜き差しできる状態となる。このようにして、縮径部512は、雄螺子部353に対する雌螺子部513の螺合位置に応じて、先端差込部材45の内径を縮小させるように先端差込部材45の外周面を内側に押圧したり押圧しなかったりすることができる。なお、ナット部材51の回転軸線は、上記した出力スピンドル35の回転軸線40と同一の回転軸線となっている。
図5等に示すように、ナット部材51は、上記した先端差込部材45の外周に配置される。このナット部材51の前端には、ビットBを挿し込む開口部52が設けられている。図8の(a)および(b)にも示すナット部材51の内周面には、雌螺子形状に切られる雌螺子部513が設けられている。この雌螺子部513は、出力スピンドル35の外周面に設けられた雄螺子部353と螺合する。また、ナット部材51の内周面の前端近傍には、上記したテーパ部452と傾斜形状が一致する縮径部512が設けられている。この縮径部512は、雄螺子部353に対する雌螺子部513の螺合位置に応じて、上記した先端差込部材45のテーパ部452に対して当接状態となったり非当接状態となったりする。この縮径部512がテーパ部452に対して当接状態となっている場合に、出力スピンドル35に対してナット部材51を締結方向に更に螺子回しすると、この縮径部512は、先端差込部材45のテーパ部452を内側に押圧することとなる。そうすると、この先端差込部材45の先端の内径は縮小方向に作用することとなる。つまり、この先端差込部材45に開口部46に差し込まれたビットBを把持するように、この先端差込部材45の内周面はビットBの外周面を押圧することとなる。なお、この際、ナット部材51は、先端差込部材45に対して螺子締結される位置(ビット把持位置)に位置する。
また、ナット部材51が、先端差込部材45に対して螺子外しされる位置(ビット外し位置)に位置している場合には、上記した先端差込部材45の内周径は通常どおりの内周径となる。このビット外し位置に位置するナット部材51は、ビット把持位置と比較して前側に配置されるものとなっている。この際、ナット部材51の縮径部512は、テーパ部452を内側に押圧せずに位置する。このため、先端差込部材45の内周面もビットBの外周面を押圧せず、先端差込部材45の内周側に差し込まれるビットBは先端差込部材45によって把持されることがなくなる。つまり、このビットBは、先端差込部材45から抜き差しできる状態となる。このようにして、縮径部512は、雄螺子部353に対する雌螺子部513の螺合位置に応じて、先端差込部材45の内径を縮小させるように先端差込部材45の外周面を内側に押圧したり押圧しなかったりすることができる。なお、ナット部材51の回転軸線は、上記した出力スピンドル35の回転軸線40と同一の回転軸線となっている。
次に、上記したビット取付機構41を操作可能とする、操作機構60について説明する。この操作機構60は、本発明に係る操作部に相当する。図5および図6に示すように、操作機構60は、前側ハウジング31に対して設けられている。この操作機構60は、概略、係合部材61と、ストッパ部材71と、付勢ばね75とを備える。係合部材61は、図4に示すように、略円環状に形成され、出力スピンドル35の延びる方向に移動可能になっている。係合部材61は、概略、ガイド部62と、結合部63と、係合部64とを備える。ガイド部62は、この係合部材61のスライドをガイドするように機能する。ガイド部62は、前側ハウジング31の前端から突き出されるガイド周縁32を外側および内側で挟み込むようにする二重構造にて形成される。このガイド周縁32は、略円環形状にて形成されている。これに応じてガイド部62も、略円環形状をなす外周環621と内周環622との二重構造をなしている。この外周環621と内周環622とは、前側の折返し部623により折り返されるように互いが結合されている。このガイド部62の内周環622の後端縁の近傍に結合部63が設けられている。この結合部63は、次に説明するストッパ部材71の結合部73が結合される。具体的には、この係合部材61に設けられる結合部63は、ストッパ部材71に設けられる雄形の結合部73と嵌合する雌形をなしている。また、内周環622の内周面は、係合部64として形成される。この係合部64は、上記したナット部材51の外周と係合可能に形成される。この係合部64が係合するナット部材51の外周との係合は、ナット部材51の回転軸線40(図5等参照)に沿う螺子回しを可能とする。
また、図5に示すように、係合部材61の外周環621の後端624と、前側ハウジング31の前面311とは、付勢ばね75の付勢力により互いに接触されるようになっている。これにより、内装される付勢ばね75の配設範囲に、外部から粉塵が浸入してしまうのを抑制することができる。また、この係合部材61の内周環622の内周側には、径方向内側に延びる突起部625が設けられている。また、ストッパ部材71の結合部73の外周面と、内周環622の結合部63の内周面とを、互いに対面させている。ここで、突起部625は、これら対面する結合部63,73の内周面と外周面との前端側にて、これらの隙間を閉塞させるように配置されている。これにより、これら対面する結合部63,73の内周面と外周面と間には、粉塵が入り込み難いようになっている。
ストッパ部材71も、略円環状に形成される。このストッパ部材71は、概略、結合部73と、外フランジ部74とを備える。外フランジ部74は、前側ハウジング31の内周面に摺接可能な外フランジ形状にて形成されている。この外フランジ部74は、この前側ハウジング31の内周面に対しての摺接により、係合部材61を含むストッパ部材71の前後方向へのスライドを案内する案内部となっている。また、この外フランジ部74は、付勢ばね75を保持する構造も有して形成される。結合部73は、上記した係合部材61に設けられる結合部63に嵌合する雄形をなす。つまり、ストッパ部材71は、このストッパ部材71の結合部73を係合部材61の結合部63に嵌合させることにより係合部材61と結合する。このように、ストッパ部材71は、係合部材61と一体化されて係合部材61の一部として機能するようになっている。つまり、ストッパ部材71は、本発明に係る係合部材側を構成している。外フランジ部74は、結合部73の後側に配置され、外フランジ形状にて形成される。外フランジ部74には、付勢ばね75の他端となる付勢ばね75の後端が当接する。付勢ばね75は、コイルスプリングであり、本発明に係る弾性体に相当する。この付勢ばね75は、ビット取付機構41に対しての係合部材61の係合を外すように係合部材61を付勢する。この付勢ばね75は、上記した出力スピンドル35を保持する前側ハウジング31に保持されている。具体的には、付勢ばね75は、前側ハウジング31ガイド周縁32と、係合部材61の内周環622との間に配置されている。付勢ばね75は、一端となる前端が前側ハウジング31側となる内フランジ部33に当接している。この内フランジ部33は、ガイド周縁32から内周環622に向けて突き出されるようにして形成されている。なお、この内フランジ部33は、本発明に係る突出部に相当する。また、付勢ばね75は、他端となる後端が係合部材61側となる外フランジ部74に当接する。このようにして、付勢ばね75は、係合部材61側をなす係合部材61およびストッパ部材71の両者を、工具本体11後側に向けて付勢する。なお、この付勢ばね75の両端は、これらの両端が当接する内フランジ部33および外フランジ部74に対して、摺動可能に当接するようになっている。なお、この操作機構60の一部を構成する付勢ばね75の付勢方向は、シャフトロック機構の一部を構成する付勢ばねの付勢方向と直交する方向に設定されている。
ところで、係合部材61側をなす係合部材61およびストッパ部材71の両者の、付勢ばね75の付勢による工具本体11後側への移動は、係合部材61の折返し部623がガイド周縁32の前端に当接することにより止められている。つまり、図5に示す係合部材61の止められる位置が、係合部材61の退避位置(P1)となっている。この退避位置(P1)の係合部材61は、ナット部材51の螺子回しが不可となるようにナット部材51の外周面に対して非係合となっている。これに対して、図6に示すように、この係合部材61を前側に移動させていくと、ナット部材51の外周に対して、この係合部材61の係合部64が係合することとなる。なお、このナット部材51の外周面は、六角形の角柱形状をなしている。
このように係合部64がナット部材51の外周に対して係合した際には、係合部材61は係合位置(P2)に位置することとなる。ここで係合位置(P2)は、退避位置(P1)と比較して、前側ハウジング31に対して相対的に離間移動させた位置となっている。この係合位置(P2)に位置する係合部材61は、ナット部材51に係合しているので、この係合部材61を回転軸線40に沿った回転させることにより、ナット部材51も一体で回転させることができる。つまり、この係合部材61を回転させることにより、先端差込部材45に対するナット部材51の相対的な螺子回しをすることが可能となる。ここで、係合部材61の退避位置(P1)と係合位置(P2)との関係は、ナット部材51の回転軸線40に沿う方向で、前後にずらされることにより設定されている。具体的には、係合部材61の係合位置(P2)は、係合部材61の退避位置(P1)に比して、回転軸線40に沿って前側に移動させた位置になっている。
次に、係合保持機構80について説明する。係合保持機構80は、ナット部材51の外周に係合部材61の係合部64が係合した際の係合部材61を、この係合位置(P2)において保持する機能を有する。なお、この係合保持機構80による、係合位置(P2)においての係合部材61の保持は、係合保持機構80が解除操作されるまで維持される。また、この係合位置(P2)に位置する係合部材61は、係合部64がナット部材51の外周に係合しているので、この係合部材61を回転軸線40に沿って回転させることにより、ナット部材51も一体で回転させることができる。
すなわち、係合保持機構80は、本発明に係る係合保持部材に相当する。この係合保持機構80は、前側ハウジング31に対して設けられている。より具体的には、係合保持機構80は、係合部材61に対して設けられている。このため、この係合保持機構80も、係合部材61と一体に、出力スピンドル35の軸線を中心に回動させることができる。なお、図9は、図4に示す係合保持機構80を拡大して示す斜視図である。図10は、図5に示す係合保持機構80を拡大して示す断面図である。図11は、図6に示す係合保持機構80を拡大して示す断面図である。係合保持機構80は、係合部材61の外周環621に対して設けられている。この係合保持機構80は、概略、外周環621に対して設けられる軸支部81と、この軸支部81にて回転可能に軸支持される保持係合体83と、この保持係合体83を係合保持方向に回転付勢する付勢ばね87と、を備える。軸支部81は、図9に示すように、外周環621の外周面に対して、外側に突き出されるように形成されている。軸支部81には、軸支ピン82が設けられている。軸支ピン82は、保持係合体83を回転可能に軸支持する。
保持係合体83は、図10および図11に示すように、操作壁部84と当接壁部85とにより、断面視く字状に折曲された形状を有して形成される。操作壁部84は、外周環621の外周面と同様に、使用者が押込み操作することができるように外部に面して形成される。この操作壁部84の前側には、付勢ばね87が当接されている。この付勢ばね87は、コイルばねであり、操作壁部84を外側に向けて付勢する。この付勢ばね87は、外周環621に設けられる保持凹部88により保持されている。また、操作壁部84の後部には、この外周環621の内周側に入り込む当接壁部85が設けられている。この当接壁部85は、外周環621の内周側に入り込むことができるように、操作壁部84に対して交差する方向に延在されている。当接壁部85は、図10および図11に示すように、外周環621の内周側に入ってガイド周縁32の当接端34に対して当接できるように内周側に張り出して形成されている。なお、外周環621には、この当接壁部85を外周環621の内周側に入り込ませる連通孔89が設けられている。この連通孔89は、内外を連通させる開口形状を外周環621に設けることにより形成される。この連通孔89から、当接壁部85は、外周環621の内周側に入り込んで、ガイド周縁32の当接端34に対して前後方向で当てることができるようになっている。つまり、保持係合体83は、付勢ばね87の回転付勢力を受けることによって軸支ピン82を回転軸として回転し、ガイド周縁32の当接端34に当接壁部85を当接させるようになっている。
このようにして、係合部材61が退避位置(P1)に位置している場合には、保持係合体83の当接壁部85は、図10に示すように、ガイド周縁32の当接端34に当接せずに、ガイド周縁32の外周側に配置される。なお、この保持係合体83の当接壁部85の位置が、出力スピンドル35の回転径方向に突出しない第2の位置に相当する。この際、保持係合体83の操作壁部84は、図10に示すように、外周環621の外周面に対して平行方向で延在するように配置されている。これに対して、係合部材61が係合位置(P2)に位置している場合には、保持係合体83の当接壁部85は、図11に示すように、ガイド周縁32の当接端34に当接することとなる。なお、この保持係合体83の当接壁部85の位置が、出力スピンドル35の回転径方向へと突出する第1の位置に相当する。このように、当接壁部85が当接端34に当接している場合には、この係合部材61が、付勢ばね75の付勢力により係合位置(P2)から退避位置(P1)に戻ってしまうのを規制することができる。つまり、係合部材61を係合位置(P2)に配置させたままとすることができる。この際、保持係合体83の操作壁部84は、外周環621の外周面に対して、交差斜め方向で延在するように配置されている。
つまり、使用者は、外周環621の外周面に対する、保持係合体83の操作壁部84の延在方向を判別することにより、係合部材61が退避位置(P1)あるいは係合位置(P2)のいずれかの位置であるかを判別することができる。具体的には、使用者は、保持係合体83の操作壁部84の延在方向が、外周環621の外周面に対して平行方向である場合に、係合部材61が退避位置(P1)に位置していると判別することができる。また、使用者は、保持係合体83の操作壁部84の延在方向が、外周環621の外周面に対して交差斜め方向である場合に、係合部材61が係合位置(P2)に位置していると判別することができる。このように、使用者は、操作壁部84を含む保持係合体83の外周環621の外周面に対しての延在方向により、係合部材61がビット取付機構41と係合しているか否かを判別することができる。この操作壁部84を含む保持係合体83は、本発明に係る判別手段に相当する。より詳しく言えば、係合部材61の退避位置(P1)あるいは係合位置(P2)について、例えば適宜の目印を設ける等して、上記した保持係合体83の操作壁部84の延在方向の判別に関する識別力を上げることができる。このように係合部材61がビット取付機構41と係合しているか否かを判別する判別手段の識別力を上げると、使用者にとって係合部材61の位置をより判別し易くなる。さらに言えば、このような判別に関する分かり易さを向上させると、ビット取付機構41と係合部材61とが係合した状態を報知するように機能することとなって便利となる。具体的には、上記した外周環621の外周面に対しての、操作壁部84を含む保持係合体83の延在方向を、ランプ表示装置等の出力装置により出力報知させる場合には、使用者にとって上記した判別がより分かり易いものとなる。つまり、上記した操作壁部84を含む保持係合体83は、本発明に係る報知手段に相当する。例えば、この報知手段としては、前側ハウジング31には、図5および図6の符号312の破線で図示するように、識別外周面として設定することが挙げられる。つまり、前側ハウジング31の前部外周面には、外部から識別可能に赤色に着色された識別外周面312が設けられている。この識別外周面312は、係合部材61が退避位置(P1)に位置している場合には隠れるようになっており、係合部材61が係合位置(P2)に位置している場合には露出されるようになっている。このように識別外周面312が設けられている場合には、係合部材61の退避位置(P1)と係合位置(P2)との相対的な位置の違いに応じて、この違いを使用者が外部から認識できる報知手段として機能することとなる。
この第1の実施の形態の電動工具10によれば、操作機構60は、係合部材61と付勢ばね75とを有して構成されるので、この付勢ばね75の付勢力によりビット取付機構41に対しての係合部材61の係合を外すことができる。これによって、電動工具10を用いて作業する場合には、ビット取付機構41に対しての係合部材61の係合を外すことができる。また、操作機構60は、係合保持機構80を有して構成されるので、ビット取付機構41に対しての係合部材61の係合を付勢ばね75の付勢に抗しながら保持することができる。これによって、使用者は、係合保持機構80により係合が保持された係合部材61を含む操作機構60を螺子回し操作することにより、スパナ等の専用工具を用いることなく、さらに螺子回し操作以外の操作を減らして簡単にビットBの付替え作業を行うことができる。
また、上記した電動工具10によれば、係合部材61と係合保持機構80とを有して構成されるので、使用者は、ビットBの付替え作業を行うにあたり、係合部材61がビット取付機構41に係合しているか否かを判別することができる。これによって、使用者は、係合保持機構80によりビット取付機構41と係合部材61とが係合していると判別できた場合に、係合部材61を含む操作機構60を螺子回し操作を行えば良いと知ることができる。使用者は、係合保持機構80によりビット取付機構41と係合部材61とが係合していると判別できた場合に、係合部材61を含む操作機構60を螺子回し操作を行えば良いと判別することができる。このようにして、スパナ等の専用工具を用いることなく、簡単にビットBの付替え作業を行うことができる。
[第2の実施の形態]
次に、上記した第1の実施の形態とは相違する第2の実施の形態の電動工具10Aについて、図12〜図20を参照しながら説明する。図12は、第2の実施の形態となる電動工具10Aの外観側面図である。図13は、図12の駆動部20Aの内部を上下半割り形断面にて示す内部断面図である。図14は、図13のXIV−XIV断面矢視を示す駆動部20Aの内部断面図である。図15は、係合保持機構80Aの前面視図である。図16は、図15のXVI−XVI断面矢視を示す係合保持機構80Aの内部断面図である。図17は、係合保持機構80Aを操作した際の図13に対応する内部断面図である。図18は、係合保持機構80Aを操作した際の図14に対応する内部断面図である。図19は、係合保持機構80Aを操作した際の図15に対応する前面視図である。図20は、係合保持機構80Aを操作した際の図16に対応する内部断面図であり、図19のXX−XX断面矢視を示している。
なお、この第2の実施の形態の電動工具10Aにあっては、上記した第1の実施の形態の電動工具10と比較して、操作機構60Aおよび係合保持機構80Aに関して相違する構成となっている。このため、この第2の実施の形態の電動工具10Aの構成のうち、上記した第1の実施の形態における電動工具10と同一にされる構成については、同一符号を付して説明を省略する。
操作機構60Aについて説明する。この操作機構60Aは、前側ハウジング31に対して設けられている。操作機構60Aは、図13等に示すように、概略、スライドガイド体90と、係合部材61Aと、押出し操作部68Aと、付勢ばね75Aとを備える。
スライドガイド体90は、図13に示すように、螺子部材93によりガイド体本体91と前板部92とが一体化され、ハウジング構造をなすように構成される。このスライドガイド体90は、この螺子部材93により前側ハウジング31に対して一体となるように取り付けられている。このスライドガイド体90の内部には、係合部材61Aをスライドさせるためのスライド空間95が設けられている。なお、このスライド空間95を形成する内周には、係合部材61Aのスライドをガイドするためのガイド内周縁96が設けられている。係合部材61Aは、スライド空間95内でスライドされ、ビット取付機構41に対しての相対位置が変更されるようになっている。つまり、係合部材61A、出力スピンドル35の延びる方向と交わる方向に移動可能になっている。このため、係合部材61Aの外周には、上記したガイド内周縁96に対応するガイド外周縁62Aが設けられている。また、係合部材61Aには、差込空間63Aが設けられている。この差込空間63Aには、ナット部材51を含むビット取付機構41が差し込まれる。係合部材61Aは、スライドガイド体90に対して相対的にスライドすることによって、ビット取付機構41の対する相対位置が変えられる。図14に示すように、差込空間63Aに嵌挿されたビット取付機構41と押出し操作部68A(係合部材61A)との間には、付勢ばね75Aが配設されている。この付勢ばね75Aは、係合部材61Aのビット取付機構41の対する相対位置が上から下へスライドするように係合部材61Aを付勢している。
差込空間63Aを形成する内周には、ナット部材51の外周に対して非係合状態となる非係合部64Aと、ナット部材51の外周に対して係合状態となる係合部65Aとが設けられている。非係合部64Aは、図13および図14に示すように、差込空間63Aの上側に設定されている。具体的には、係合部材61Aは、付勢ばね75Aの付勢力により下側にスライドされ、ナット部材51の周囲には差込空間63Aの非係合部64Aが配置される。このナット部材51の周囲に非係合部64Aが配置される係合部材61Aの位置が、係合部材61Aの退避位置(P1)として設定される。つまり、ナット部材51の外周は、非係合部64Aにより、係合部材61Aと係合しないので、係合部材61Aを含む操作機構60Aは、ナット部材51と一体で回転させることはできない。
これに対して、係合部65Aは、図17および図18に示すように、差込空間63Aの下側に設定されている。具体的には、係合部材61Aは、付勢ばね75Aの付勢力に抗して上側にスライドされ、ナット部材51の周囲には差込空間63Aの係合部65Aが配置される。この際、ナット部材51の外周は、係合部65Aに嵌まり込むこととなって係合部材61Aと係合した状態となる。このナット部材51の周囲に係合部65Aが配置される係合部材61Aの位置が、係合部材61Aの係合位置(P2)として設定される。つまり、ナット部材51の外周は、係合部65Aにより、係合部材61Aと係合して係合部材61Aを含む操作機構60Aは、ナット部材51と一体で回転させることができる。
押出し操作部68Aは、ビット取付機構41に対して、付勢ばね75Aが配設される側とは反対側の係合部材61Aの外周に配設されている。この押出し操作部68Aを付勢ばね75Aの付勢力に抗して下から上に押すと、退避位置(P1)の係合部材61Aを係合位置(P2)に位置させることとなる。そうすると、非係合部64Aにより非係合状態であったナット部材51の外周は、係合部65Aによりナット部材51の外周と係合状態となる。ここで、係合部材61Aの外周のうち、押出し操作部68Aに対面する側には、保持当接部66Aが設けられている。この保持当接部66Aは、係合部65Aによりナット部材51の外周が係合部材61Aと係合状態となった際に、次に説明する係合保持機構80Aの当接壁部85A(保持係合体83A)が当接する箇所となっている。
係合保持機構80Aについて説明する。係合保持機構80Aは、本発明に係る係合保持部材に相当する。この係合保持機構80は、前側ハウジング31に対して設けられるスライドガイド体90に設けられている。この係合保持機構80Aは、図16および図20に示すように、概略、軸支ピン82Aと、保持係合体83Aと、プッシャ86Aと、付勢ばね87Aとを備える。軸支ピン82Aは、軸支部として機能するスライドガイド体90にて支持される。この軸支ピン82Aは、保持係合体83Aを回転可能に軸支持する。保持係合体83Aは、図示するように、操作壁部84Aと当接壁部85Aとにより、断面視く字状に折曲された形状を有して形成される。操作壁部84Aは、使用者が押込み操作することができるように外部に面して形成される。当接壁部85Aは、プッシャ86Aを介して付勢ばね87Aにて前側に付勢されている。この付勢ばね87Aは、保持凹部88Aにより保持され、係合状態となった係合部材61Aの保持当接部66Aに対して、当接壁部85Aが当接するように、保持係合体83Aを回転付勢している。
図16と図20を比較して分かるように、係合部材61Aをスライドさせて、係合部65Aにナット部材51の外周が係合状態となった場合に、この付勢ばね87Aの付勢力によって当接壁部85A(保持係合体83A)は保持当接部66Aに当接する。なお、この図14および図16に示すように、保持係合体83の当接壁部85の位置が、出力スピンドル35の回転径方向へと突出する第1の位置に相当する。ちなみに、この保持当接部66Aに対する当接壁部85A(保持係合体83A)の当接は、操作壁部84Aを使用者が押込み操作することにより、解除することができる。また、この図18および図20に示すように、この保持係合体83の当接壁部85の位置が、出力スピンドル35の回転径方向に突出しない第2の位置に相当する。
このように、当接壁部85Aが保持当接部66Aに当接している場合には、この係合部材61Aが、付勢ばね75Aの付勢力により係合位置(P2)から退避位置(P1)に戻ってしまうのを規制することができる。つまり、係合部材61Aを係合位置(P2)に配置させたままとすることができる。この際、保持係合体83Aの操作壁部84Aは、図16と図20を比較して分かるように、相対的に外側に突き出されるように配置される。つまり、使用者は、保持係合体83Aの操作壁部84Aの突出量を判別することにより、係合部材61Aが退避位置(P1)あるいは係合位置(P2)のいずれかの位置であるかを判別することができる。具体的には、使用者は、保持係合体83Aの操作壁部84Aの突出量が殆どない場合に係合部材61が退避位置(P1)に位置していると判別することができる。また、使用者は、保持係合体83Aの操作壁部84Aの突出量が多い場合に係合部材61が係合位置(P2)に位置していると判別することができる。つまり、この操作壁部84Aを含む保持係合体83Aは、本発明に係る判別手段に相当する。より詳しく言えば、係合部材61Aの退避位置(P1)あるいは係合位置(P2)について、例えば適宜の目印を設ける等して、上記した保持係合体83Aの操作壁部84Aの突出量の判別に関する識別力を上げた場合には、ビット取付機構41Aと係合部材61Aとが係合した状態を報知するように機能することとなって便利となる。つまり、上記した操作壁部84Aを含む保持係合体83Aは、本発明に係る報知手段に相当する。
なお、この第2の実施の形態の電動工具10Aにあっても、上記した第1の実施の形態の電動工具10と略同一の作用効果を奏することができる。
[第3の実施の形態]
次に、上記した第1および第2の実施の形態とは相違する第3の実施の形態の電動工具10Bについて、図21〜図25を参照しながら説明する。なお、この第3の実施の形態の電動工具10Bにあっては、上記した第1および第2の実施の形態の電動工具10,10Aと比較して、操作機構60Bおよび係合保持機構80Bに関して相違する構成となっている。このため、この第3の実施の形態の電動工具10Bの構成のうち、上記した第1および第2の実施の形態における電動工具10,10Aと同一にされる構成については、同一符号を付して説明を省略する。
図21は、電動工具10Bの内部を上下半割り形断面にて示す内部断面図である。図22は、係合操作した際の図21に対応する内部断面図である。
ところで、第3の実施の形態のナット部材51Bは、上記した第1および第2の実施の形態におけるナット部材51とは相違する構成を有する。すなわち、この第3の実施の形態のナット部材51Bは、外周壁をなす部分に嵌合孔58Bが設けられている。この嵌合孔58Bは、次に説明する係合部材61Bの嵌合凸部63Bが嵌合するの雌孔として設けられている。なお、図21および図22に示す嵌合孔58Bは、周方向の対称箇所に2つ設けられている。
操作機構60Bについて説明する。この操作機構60Bは、前側ハウジング31に対して設けられている。操作機構60Bは、図21等に示すように、概略、ガイド体90Bと、係合部材61Bと、外部操作部材65Bと、付勢ばね75Bとを備える。なお、この操作機構60Bには、上記した第1および第2の実施の形態にて説明した係合保持機構80,80Aと同様の機能を奏する係合保持部として機能する係合段差部87Bが設けられている。つまり、操作機構60Bは、本発明に係る係合保持部材としても機能する。
ガイド体90Bは、図21および図22に示すように、不図示の螺子部材によりガイド体本体91Bと前板部99Bとが一体化され、ハウジング構造をなすように構成される。このガイド体90Bは、不図示の螺子部材により前側ハウジング31に対して一体となるように取り付けられている。ガイド体90Bは、係合部材61Bを支持するように構成されつつ、係合部材61Bの係合操作をガイドする機能を有する。
図23(a)は、ガイド体本体91Bを示す斜視図である。図24(b)は、ガイド体本体91Bを示す側面図である。図23の(a)および(b)に示すように、ガイド体本体91Bは、略円盤形状にて形成される。このガイド体本体91Bには、ハウジングをなすように張り出されるフランジ部92Bが設けられている。このガイド体本体91Bには、不図示の螺子部材を螺合させる雌螺子孔93Bが設けられている。また、このガイド体本体91Bの中央部分には、ビット取付機構41を差し込んで前側に突き出させる差込孔94Bが設けられている。このガイド体本体91Bには、外部に面するスプリング保持凹部95Bが設けられている。このスプリング保持凹部95Bは、付勢ばね75Bを収容可能に適宜の凹状をなして形成される。このスプリング保持凹部95Bには、この付勢ばね75Bのほか、係合部材61Bのガイド主柱部62Bの一部が入り込むことができるように構成される。
ガイド体本体91Bには、係合部材61Bをガイド保持するガイド保持部83Bが設けられている。このガイド保持部83Bは、上記したスプリング保持凹部95Bの内周側に設けられている。このガイド保持部83Bは、次に説明する係合部材61Bの押込み操作をガイドする機能を有しつつ、ナット部材51に対しての係合部材61Bの係合状態を保持する機能を有する。
ガイド保持部83Bは、概略、ガイド周面部84Bと、段差部85Bとを備える。ガイド周面部84Bは、係合部材61Bのガイド主柱部62Bの外周面が摺接できるように形成される。具体的には、係合部材61Bのガイド主柱部62Bの外周面に対応する周面形状を有して形成されている。このガイド周面部84Bに対してのガイド主柱部62Bの摺接により、ガイド体本体91Bの内外への係合部材61Bの挿し抜きの作動はガイドされるようになっている。
このガイド周面部84Bの内周側に、段差部85Bが設けられている。この段差部85Bは、図24にて示す係合部材61Bのガイド凸部81Bがガイドされるように当接される部分として設定される。すなわち、この段差部85Bは、図23(b)の丸抜き拡大図でも示すように、係合部材61Bの挿し抜き方向に対して傾斜方向に延在されるガイド段差部86Bと、このガイド段差部86Bの内端に設けられる係合段差部87Bとを備える。ガイド段差部86Bは、係合部材61Bのガイド凸部81Bを当接して、係合部材61Bの挿し抜きをガイドする。これに対し、係合段差部87Bは、係合部材61Bのガイド凸部81Bを保持しておく機能を有する。この係合段差部87Bは、ガイド段差部86Bの最内端部分を、このガイド段差部86Bの傾斜方向とは逆の付勢ばね75Bの付勢方向に向かった傾斜方向にすることにより形成されている。このようにして、ガイド段差部86Bと係合段差部87Bとの間には、ガイド凸部81Bが乗り越えるべき凸形状(符号88B)が形成され、係合段差部87Bにてガイド凸部81Bを係合保持することができる。
図24(a)は、係合部材61Bを示す斜視図である。図24(b)は、係合部材61Bを示す側面図である。図24の(a)および(b)に示すように、係合部材61Bは、略円柱形状にて形成される。この係合部材61Bは、概略、ガイド主柱部62Bと、嵌合凸部63Bと、圧入凸部64Bとを備える。ガイド主柱部62Bは、上記したようにガイド保持部83Bのガイド周面部84Bと摺接する部分である。このため、ガイド主柱部62Bは、外周面が摺接可能な略円柱形状にて形成される。嵌合凸部63Bは、ガイド主柱部62Bの内周側に設けられる。ガイド主柱部62Bの外周面には、ガイド凸部81Bが設けられている。このガイド凸部81Bは、上記した段差部85Bの段差に対して当接する部分である。この嵌合凸部63Bは、係合部材61Bを挿し込み操作した場合に、ナット部材51Bに設けられる嵌合孔58Bに対して嵌合できるようになっている。なお、この係合部材61Bの嵌合凸部63Bが、ナット部材51Bの嵌合孔58Bに嵌合される前の状態が、係合部材61Bの非係合状態として設定される。つまり、この係合部材61Bの位置が、係合部材61Bの退避位置(P1)として設定される。逆に、この係合部材61Bの嵌合凸部63Bが、ナット部材51Bの嵌合孔58Bに嵌合している状態が、係合部材61Bの係合状態として設定される。つまり、この係合部材61Bの位置が、係合部材61Bの係合位置(P2)として設定される。なお、この係合部材61Bが係合位置(P2)に位置する際のガイド凸部81Bは、ガイド段差部86Bから係合段差部87Bに切り替わる凸形状(符号88B)を乗り越え、係合段差部87Bにて係合保持されるものとなっている。
また、この係合部材61Bは、外部操作部材65Bと一体化されている。すなわち、外部操作部材65Bの内周側に係合部材61Bの外端をなす圧入凸部64Bを圧入させ、これらを一体化させている。このように係合部材61Bと一体化された外部操作部材65Bと、ガイド体90Bとの間には、圧縮された付勢ばね75Bが介装されている。このように介装された付勢ばね75Bにより、係合部材61Bは外周側に付勢されることとなっている。なお、図25(a)は、操作前の電動工具10Bの一部外観を示す斜視図である。また、図25(b)は、操作後の電動工具10Bの一部外観を示す斜視図である。このように、圧縮された付勢ばね75Bの付勢力に抗して、外部操作部材65Bを押し込んだ場合には、係合部材61Bは退避位置(P1)から係合位置(P2)に切り替えることができる。なお、外部操作部材65Bを押し込みながら、この外部操作部材65Bの外周面に設けられた操作凸部67Bに指の腹を引っ掛けて回すことにより、上記した係合段差部87Bに対しての外部操作部材65Bの係合保持を解除操作することができる。
なお、この第3の実施の形態の電動工具10Bにあっても、上記した第1の実施の形態の電動工具10と略同一の作用効果を奏することができる。
なお、本発明に係る電動工具にあっては、上記した実施の形態の電動工具の構成に限定されるものではなく、適宜変更が加えられて構成されるものであってもよい。
すなわち、上記した実施の形態では、いわゆるカットアウトツール(防じんボートトリマ)と称される電動工具を例示して説明するものであった。しかしながら、本発明に係る電動工具としては、このような例に限定されることなく、ビットBが取り付けられる機構(ビット取付機構)を有する電動工具であれば、適宜の用途に用いられる適宜の構成の電動工具において採用することができる。
また、上記した実施の形態の係合保持機構80,80Aは、前側ハウジング31から支持されるようにして設けられるものであった。しかしながら、本発明に係る係合保持部材としては、上記した実施の形態に限定されることなく、次のように構成されるものであってもよい。すなわち、本発明に係る係合保持部材としての係合保持機構80の構成が、例えばシュー17に対して配設されるように構成されるものであってもよい。このようにシュー17に対して係合保持部材をなす機構を配設した場合には、出力スピンドル35の軸線方向に向かって突き出されるように作動させて、係合位置(P2)における係合部材61を保持する機能を有する。例えば、係合保持部材をなす機構としては、ナット部材51と係合している状態の係合部材61に対して、係合部材61の外周環621の後端624に対して当接するように突き出させ、この後端624の戻りを規制するように保持するように構成されるものでもあってよい。
また、前側ハウジング31に設けられる係合保持機構80,80Aとしては、もっと単純化した構成であってもよい。すなわち、本発明に係る係合保持部材としては、前側ハウジング31から内周側または外周側に突き出されるようにして、係合部材61の外周環621の後端624に対して当接させ、この後端624の戻りを規制するように保持するものでもあってよい。例えば、ナット部材51と係合した状態のストッパ部材71に対して係合する部位としての、係合保持部材をなす機構としては、内周側に突き出させるようにした部位や、外周側に突き出させるようにした部位の、いずれで構成されるものであってもよい。つまり、本発明に係る係合部材および係合保持部材の構成は、係合部材としてのの機能を奏する構成、および係合部材の係合を保持する係合保持部材としての機能を奏する構成を備える構造であれば、これらの構成部材の配置および構造については任意に選択することができるものである。
10,10A,10B 電動工具(回転電動工具)
11 工具本体
13 装着部
15 充電式バッテリ
17 シュー
171 対面部(調節ベース)
172 取付部
173 長孔
18 ツマミ螺子
19 螺子部材
20,20A 駆動部
21 モータハウジング
211 吸気口
22 コントローラ
23 スイッチ
231 スライドスイッチ
25 ブラシモータ(モータ)
26 モータ軸
261 モータ軸の先端
27,28 ベアリング
29 ファン
30 出力部
31 前側ハウジング(支持ハウジング)
311 前側ハウジングの前面
312 前側ハウジングの識別外周面
32 ガイド周縁
33 内フランジ部(突出部)
34 当接端
35 出力スピンドル(出力軸)
351 後端嵌合孔
352 先端嵌合孔
353 雄螺子部
36 吹出し口(排気口)
37 シャフトロック機構(ロック部)
38 操作体
381 操作体本体
382 押圧カバー
39 付勢ばね
40 回転軸線
41,41A ビット取付機構(工具保持部、固定部材)
45 先端差込部材(差込部材)
451 スリット
452 テーパ部
46 開口部
51,51B ナット部材(締結部材)
512 縮径部
513 雌螺子部
52 開口部
57 凸形状部
58B 嵌合孔
60,60A,60B 操作機構(操作部)
61,61A,61B 係合部材
62 ガイド部
62A ガイド外周縁
62B ガイド主柱部
621 外周環
622 内周環
623 折返し部
624 外周環の後端
625 突起部
63 結合部
64 係合部
64A 非係合部
64B 圧入凸部
65A 係合部
65B 外部操作部材
66A 保持当接部
67B 操作凸部
68A 押出し操作部
71 ストッパ部材
73 結合部
74 外フランジ部
75,75A,75B 付勢ばね
80,80A,80B 係合保持機構(係合保持部材)
81 軸支部
81B ガイド凸部
82,82A 軸支ピン
83,83A 保持係合体
83B ガイド保持部
84,84A 操作壁部
84B ガイド周面部
85,85A 当接壁部
85B 段差部
86A プッシャ
86B ガイド段差部
87 付勢ばね
87B 係合段差部
88,88A 保持凹部
89 連通孔
90 スライドガイド体
90B ガイド体
91,91B ガイド体本体
92B フランジ部
92 前板部
93 螺子部材
93B 雌螺子孔
94B 差込孔
95 スライド空間
95B スプリング保持凹部
96 ガイド内周縁
97B 前板部
B ビット(先端工具)

Claims (7)

  1. 回転駆動力を発生させるモータと、
    前記モータの回転駆動力により回転される出力軸と、
    前記出力軸の前部に設けられ且つ先端工具を保持可能な工具保持部と、
    前記工具保持部を操作可能な操作部と、を有する電動工具であって、
    前記操作部は、
    前記工具保持部と係合する係合部材と、
    前記工具保持部に対しての前記係合部材の係合を外すように該係合部材を付勢する弾性体と、
    前記工具保持部に対しての前記係合部材の係合を保持する係合保持部材と、を備えることを特徴とする電動工具。
  2. 請求項1に記載の電動工具において、
    前記係合部材は、前記出力軸の延びる方向に移動可能となっており、
    前記係合保持部材は、前記出力軸の回転径方向へと突出する第1の位置と、該回転径方向に突出しない第2の位置とに配置可能であることを特徴とする電動工具。
  3. 請求項1に記載の電動工具において、
    前記係合部材は、前記出力軸の延びる方向と交わる方向に移動可能となっており、
    前記係合保持部材は、前記出力軸の回転径方向へと突出する第1の位置と、該回転径方向に突出しない第2の位置とに配置可能であることを特徴とする電動工具。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の電動工具において、
    前記係合保持部材は、前記出力軸の軸線を中心に回動可能であることを特徴とする電動工具。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の電動工具において、
    前記係合保持部材は、前記係合部材に設けられていることを特徴とする電動工具。
  6. 回転駆動力を発生させるモータと、
    前記モータの回転駆動力により回転される出力軸と、
    前記出力軸の前部に設けられ且つ先端工具を保持可能な工具保持部と、
    前記工具保持部を操作可能な操作部と、を有する電動工具であって、
    前記工具保持部と係合する係合部材と、
    前記工具保持部と前記係合部材とが係合した状態を報知する報知手段と、を備えることを特徴とする電動工具。
  7. 回転駆動力を発生させるモータと、
    前記モータの回転駆動力により回転される出力軸と、
    前記出力軸の前部に設けられ且つ先端工具を保持可能な工具保持部と、
    前記工具保持部を操作可能な操作部と、を有する電動工具であって、
    前記工具保持部と係合する係合部材と、
    前記工具保持部に対しての前記係合部材の係合を外すように該係合部材を付勢する弾性体と、
    前記工具保持部に対しての前記係合部材の係合を保持する係合保持部材と、を備えることを特徴とする電動工具。
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