JP6020065B2 - 燃料タンク - Google Patents
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Description
特に、燃料がガソリンに比べ軽油ではその粘性が比較的高いことより燃料パイプの配管域に上下方向の傾斜が小さく、横方向に長い配管領域がある場合、燃料供給に手間取る場合があり、極力横方向に長い配管領域を低減するようにしている。
ところで、給油口の入口より内方の内壁面には空気抜きパイプの戻し空気や戻し燃料を放出する戻し開口が形成される。この戻し開口に給油ガンのノズルよりの噴出燃料がかかると、エア抜きが成されないため、戻し開口を避けた方向に燃料を噴出するようノズルの向きを規制する必要がある。更に、ノズルの先端近傍下部には満タン時に上昇する燃料面の位置を検知するセンサ穴が設けられており、このセンサ穴に戻し開口からの戻し燃料がかかると、誤った満タン検知を行うため、戻し開口より給油口入口側にセンサ穴が保持されるよう、給油ガンのノズル位置をずらせて保持する必要もある。
一方、特許文献2では、空気抜きパイプの戻り開口がパイプ状のノズルブラケットによりノズルの噴出燃料より隔離されることより、戻り開口が噴出燃料で閉鎖される憂いは無い。しかし、パイプ状のノズルブラケットに給油ガンのノズルを挿入する構成であり、給油ガンのノズルの直径が大小異なる場合には、複数のノズルに適用できない。例えば、ガソリン用の給油ガンの直径と対比し軽油用の給油ガンのノズル直径は大きいので、給油口の内面にパイプ状のノズルブラケットを装備した構成の給油口側構成部を軽油用して作成すると、そのままガソリン用に兼用することはできず、汎用性が低い。
図1に示す燃料タンク1は不図示の車両後部のフレーム下部に配備される。この燃料タンク1は車体の車幅方向(図1で紙面表裏方向)での中央部に搭載され、燃料を貯蔵するタンク本体2と、燃料パイプ3と、給油口5(図3参照)と、レベリングパイプ6と、図2に示すエア抜きパイプ7とを備える。
燃料パイプ3はタンク本体2より車幅方向での車外側(図1で手前側)であって、後ろ上方向に湾曲して伸びる。給油口5は燃料パイプ3の上端部を成し、不図示の車両の後側の縦側壁wLに形成される凹状収容部4に収容され支持される。レベリングパイプ6はタンク本体2の上部エア溜り(例えば図1中の破線Luより上のタンク室)を給油口5の入口501の内部に連通させる。一方、図2に示すように、エア抜きパイプ7は燃料パイプ3の中間部に位置する中間湾曲部304を給油口5の入口内部に連通させるとを備える。
燃料パイプ3はタンク本体2の下部側壁に開口する下端側の流入口300と、流入口300より延びる低域部301と、下湾曲部302と、縦管部303と、中間湾曲部304と、横向き管部305と、上湾曲部306と、上湾曲部306の上端の給油口5を有する。
下湾曲部302はその先端を上方に湾曲形成される。縦管部303は下湾曲部302より上方に延びるよう形成される。中間湾曲部304は縦管部303より湾曲して横方向に延びる。横向き管部305は中間湾曲部304より車外側に向けて横方向に延びる。上湾曲部306は横向き管部305より斜め上方に湾曲形成される。
一方、エア抜きパイプ(空気抜きパイプ)7は、中間湾曲部304側に連通する湾曲側開口701と、給油口5の内壁面に開口する給油口側開口702とを連通させ、中間部703は燃料パイプ3に沿うように配備されている。
なお、給油口側開口702からは空気と共に、蒸発燃料が放出される。このため、給油口側開口702の位置は放出空気を給油口5の入口501の位置P1側(図5(a)参照)への放出と、蒸発燃料を上湾曲部306側に戻すことが可能な位置として設定される必要があり、後述の上端主管310(図3参照)に形成される。
ネック部313は車両の縦側壁wLに形成されている凹状収容部4の内壁401に設けられた取付穴402に不図示のリング状シール材を介して嵌挿支持され、環状フランジ部314が内壁401側に当接する。ネック部313の内壁面には燃料キャップC1(図1,3参照)が給油時に離脱可能に嵌合され、不図示の係止手段でロック可能に装着される。
ベースガイド8は給油ガンのノズルの給油口入口でのノズル末端位置を規制する機能を有する。ベースガイド8の中央穴801を囲む内周フランジ802には、長板状のフィラーネック9の一端が一体結合(溶着)される。ベースガイド8の中央穴801には、給油時において、給油ガンG1のノズル(以下ガンノズルと記す)11が遊嵌状に嵌挿され、これにより、ガンノズル11の末端部の給油口5の入口位置P1でのノズル位置(穴中心線L0に対する)を規制する。
これらによりフィラーネック9には下向き湾曲断面部U(図5(c)参照)が形成されている。フィラーネック9はその長板状の峰部901と給油口5の内面との間に所定幅の空気抜け隙間t1を確保するよう形成されている。
更に、ここで一対のフランジ部902の間隔d1がノズル挿入方向で奥側(図5(b)で左側)に向かうほど小さく形成される。このため、図4、図7(a)に示すように、ガンノズル11の外径部分が峰部901の下面と一対のフランジ部902と、更に、上端主管310のテーパ部311の下壁面とにより位置規制を受け、挿入量を規制される。
一方、図6(b)に示すように、比較的細い、ガソリン用のガンノズル11(図6(b)では符号11bと記した)であれば、最深部s2に達する。この場合、図5(a)、(b)に示すように、ガンノズル11bは上端主管310(テーパ部311を通過)に係止される。この状態でガンノズル11aから噴出する軽油はフィラーネック9の先端部903と上端主管310の低壁にガイドされて上湾曲部306に流下し、給油口側開口702に飛散することなく流下できる。
更に、図3に示すように、フィラーネック9の先端部903は、エア抜きパイプ7の給油口側開口702の一部(図3では開口の半分)と略空気抜け隙間t1だけ離れた状態で対向するように設けられる。このような構成を採るため、エア抜きパイプ7の給油口側開口702より吐き出された空気は給油口側開口702より手前側(給油口5の入口位置P1)に流動し給油口5の入口側に放出される。給油口側開口702より吐き出された蒸発燃料のうち、手前側(給油口5の入口位置P1)の蒸発燃料は峰部901の先端部903に当たり、奥側(上湾曲部306側)の蒸発燃料は、ガンノズル11の噴射燃料に混入して奥側(上湾曲部306側)に流下する。
この場合、図3、図6(a)に示すように、給油口5の入口501が開放された上で、ガンノズル11aが挿入される。この際、ガンノズル11aは、峰部901の下面と一対のフランジ部902と、テーパ部311の下壁面とにより位置規制を受け、挿入量を規制される。
更に、ここで一対のフランジ部902の間隔d1がノズル挿入方向で奥側(図5(b)で左側で上湾曲部306側にあたる)に向かうほど小さく形成される。このため、図5(a)、図7(a)に示すように、ガンノズル11の外径部分が峰部901の下面と一対のフランジ部902と、更に、上端主管310のテーパ部311の下壁面とによりノズル先端部の最深部s1への挿入量を位置規制される。この際、ガンノズル11はその手元側部位をベースガイド8の中央穴801に当接し、給油口5の入口位置P1でのノズル位置(穴中心線L0に対する)を規制され、これら2点でガンノズル11aの向きは安定する。このため、フィラーネック9の先端部903によりその位置より上方への燃料飛散を防止でき、図6に示す満タン検知センサshによる満タン検知も安定する。
この場合、図3、図6(b)に示すように、給油口5の入口501にガンノズル11bが挿入される。この際、図6(b)に示すように、ガンノズル11bは、峰部901の下面と一対のフランジ部902と、上湾曲部306の下壁面とにより位置規制を受け、挿入量を規制される。更に、ガンノズル11bの手元側はベースガイド8の中央穴801に当接し、これら2点でガンノズル11bの向きは安定し、給油がなされる。しかも、ガンノズル11bが噴射する燃料はフィラーネック9の先端部903によりその位置より上方への燃料飛散を防止される。給油口側開口702からの空気と蒸発燃料の放出は確実に保持され、中間湾曲部304近傍に空気溜e1ができたとしても、速やかにエア抜きパイプ7のエア抜き機能が働き空気溜e1は速やかに排除され、タンク本体2への燃料供給は的確になされる。
この場合、予め、フィラーネック9の一端が溶着されたベースガイド8に溶組治具30が嵌着される。その上で溶組治具30に支持されたベースガイド8側が拡径管部312内に嵌挿され、フィラーネック9の先端部に対し直交する方向から、押さえ治具31が挿入される。なお、拡径管部312には作業穴n2が形成され、ここに位置調整用の押さえ治具31が挿入される。次いで、フィラーネック9の先端部に対し、拡径管部312内での位置調整がなされ、その上で、ベースガイド8の外周フランジ803が拡径管部312の内壁に溶着される。この後、押さえ治具31、溶組治具30が引き出され、作業穴n2はエア抜きパイプ7の給油口側開口702として利用され、エア抜きパイプ7の端部が溶着される。
この場合、複数のエア抜きパイプ7A,7Bを各中間湾曲部304A,304Bに連結し、エア抜きパイプ7A,7Bの上端側のみを合流部gで合流させ、単一の給油口側開口702を給油口5の拡径管部312に形成してもよい。この場合も図1の燃料タンクと同様の作用効果が得られる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
3 燃料パイプ
4 給油口5
7 空気抜きパイプ
702 給油口側の開口
8 ベースガイド
9 フィラーネック
903 フィラーネックの先端
11 ガンノズル
d1 ガイド幅
e1 空気溜
t1 空気抜け隙間
P1 給油口入口
G1 給油ガン
U 湾曲断面部
Claims (3)
- 給油口で給油ガンから供給される燃料を受け下方に流下させる燃料パイプと、
前記燃料パイプの下端から流入する燃料をタンク室に貯蔵するタンク本体と、
前記給油口に挿入された給油ガンのノズルの給油口入口でのノズル末端位置を規制するベースガイドと、
前記ベースガイドに一端が一体結合され、前記給油ガンノズルの先端の挿入位置を規制するガイド部を有するフィラーネックと、
前記燃料パイプ下部から前記燃料パイプの内面と前記フィラーネックの間に設けた空気抜け隙間に連通する空気抜きパイプと、
を備え、
前記フィラーネックのガイド部は、長板状の峰部と、前記峰部の左右端より前記給油ガンノズルの側部まで下方に延びた一対のフランジ部と、で下向きにU字形状の湾曲断面部が形成され、
前記一対のフランジ部は、前記給油ガンノズルの先端を前記挿入方向において、前記挿入位置を規制するように挟持することを特徴とする燃料タンク。 - 請求項1記載の燃料タンクにおいて、
前記空気抜きパイプの前記給油口側の開口の一部に対向するようフィラーネックの先端を位置させることを特徴とする燃料タンク。 - 請求項1又は2記載の燃料タンクにおいて、
前記フィラーネックの前記峰部と前記フランジ部と、前記給油口の内面下壁部とにより前記給油口入口での前記給油ガンノズルの先端挿入位置を規制し保持することを特徴とする燃料タンク。
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