JPS6317693Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車、特にデイーゼルエンジン搭
載の乗用車等における燃料供給用のフイラーパイ
プに関するものである。

上記デイーゼルエンジンには、大型トラツクと
同様に燃料として軽油が用いられ、従つてガソリ
ンスタンドにおける給油に際しては、大型トラツ
クを対象とした給油装置によつて給油される。こ
のため給油速度が大きく、小型の自動車において
は第５図及び第６図に示す如く、タンク２３に至
るフイラーパイプ１は長く且つ屈曲しているた
め、上記給油速度の大きい給油装置で給油すると
きは、屈曲部において油がはね返り、給油ガンの
吐出口附近に泡が発生し、発生した泡は給油ガン
先端附近に設けられた自動停止装置を作動せし
め、これによつて給油が停止される等の誤作動を
生ずる欠点がある。

上記泡の発生防止を、給油ガンを改造すること
なく給油管内において行なうことは、場所的に制
限され、きわめて困難であつたが、本考案者は
種々実験の結果、給油ガンの先端吐出口対向する
部分に網状部材を設けることによつて泡の発生が
防止され、泡のない流れに整流されることが判明
し、本考案に到達したもので、フイラーパイプの
注油口に取付けられる給油ガンのストツパ部材を
利用し、該ストツパ部材に網状部材を設けた簡単
な構成により、前記欠点を解消するようにしたも
のである。

尚、燃料の盗難防止のためにフイラーパイプ内
に網状部材５を設けることが従来提案されている
（例えば実開昭52−42918）が盗難防止を目的とす
るため網状部材が給油ガンが挿入される注油口か
ら離れた位置に設けられており、上記問題の解決
にならない。

以下、本考案の構成、作用を実施例について図
面に基づいて説明する。

自動車のフイラーパイプ１の注油口２にはスト
ツパ部材３が取付けられ、該ストツパ部材３は、
注油口２に止着される口金４と、挿入される給油
ガン２０の先端を支承するための受部材５と、両
者を連結し且つ給油ガン２０の挿入時の案内を兼
ねしめるための所要長の連結部材６とを主体とし
て構成される。

口金４には蓋栓（図示せず）を係止するための
切欠された係合部７が形成され、連結部材６は供
給ガン２０を導びくように断面略半円弧状に形成
され、且つ取付状態においては第１図に示す如く
開口部を下方に向けて取付けられている。

受部材５は、挿入された給油ガン２０の先端の
揺動を防止するための保持金具８と、給油ガン２
０の挿入深さを決定するための受金具９と、挿入
される給油ガン２０の先端吐出口２２に対設され
る網状部材１０とを主体として構成される。上記
受金具９は、給油ガン２０の挿入時の衝撃に堪
え、且つ給油に支障のないように適宜形状に屈曲
されて連結部材６の先端に取付けられ、保持金具
８は連結部材６と共に給油ガン２０の先端を取囲
むように連結部材の開口側に取付けられ、該連結
部材とにより形成される下方開口部を給油導孔１
１とし、上縁は給油ガン２０の挿入の案内並びに
後記する泡の上昇を抑制するため、外方に屈曲せ
しめて案内部１２を形成する。この場合、案内部
１２は給油ガン２０の前部下方に開口される注油
自動停止装置の検知手段としてのバキユームポー
ト２１を覆うように保持金具上縁１３は、上記受
金具９のガン当接面１４から所定高さを有して設
けられている。

網状部材１０は、給油ガン２０からの注油に対
する整流手段であつて、受金具９並びに給油導孔
１１を覆うように設けられ、連結部材６及び保持
金具８の夫々の下方に溶接にて止着されている。
該網状部材１０は、給油ガン２０の先端吐出口２
２に対し可及的に近接せしめることが好ましく、
網状部材１０が給油ガン２０の先端吐出口２２か
ら数センチメートル以上離れると整流効果がなく
なる。このため受金具９のガン当接面１４は、給
油導孔１１と略同一面若しくはそれより若干突出
せしめ、網状部材１０を挿入される給油ガン２０
の先端吐出口２２に近接してこれを覆うように適
宜屈曲形成せしめる。

次に作用について説明すると、給油ガン２０は
連結部材６に案内されて挿入され、受金具９によ
り挿入深さが決定され、ガン２０の前部下方に開
口されるバキユームポート２１は保持金具８の案
内部１２によつて覆われた位置に定位し、ガン２
０の先端吐出口２２は網状部材１０に近接して対
設されている。この状態において給油ガン２０よ
り注油するときは、燃料油は網状部材１０により
整流され、従つて前述の如く泡の発生が少なく、
燃料油はフイラーパイプ１を介して燃料タンク内
に供給することができる。

尚、上記保持金具８の案内部１２は、給油ガン
２０の挿入時の案内と共に、フイラーパイプ１の
屈曲形状或は注油条件等によつて若干の泡を生ず
る場合を考慮して形成されたもので、バキユーム
ポート２１が泡により閉塞されるのを防止するよ
うに、案内部１２は、上昇する泡を抑止し、且つ
下方へ反転移行せしめるように屈曲形成されてい
る。

以上の如く本考案のフイラーパイプは給油ガン
の先端吐出口に対向する部分に網状部材を設けた
簡単な構成により、給油ガンによる給油に際し、
燃料油を整流して泡の発生を少なく、従つて泡に
よる給油ガンの自動停止装置の誤作動を生ずるお
それがなく、給油効率の向上を計ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施の態様を示すもので、第１
図は使用要領を示す全体縦断面図、第２図は一部
を切欠した要部の正面図、第３図は要部の縦断面
図、第４図は第３図において網状部材を取除き下
から見た説明図、第５図及び第６図は車体に対す
るタンクの配置要領を示す説明図で、第５図は車
体の側面図、第６図は車体の後面図である。 １…フイラーパイプ、２…注油口、３…ストツ
パ部材、９…受金具、１０…網状部材、２０…給
油ガン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料タンクに燃料を注入するためのフイラーパ
   イプにおいて、フイラーパイプ内の注油口近傍に
   給油ガンの位置決めを行なうストツパ部材が取付
   けられ、該ストツパ部材には挿入される給油ガン
   の先端吐出口に対向する部分に網状部材が設けら
   れ、該網状部材によつて給油ガンの先端からフイ
   ラーパイプ内に注入される燃料油を整流するよう
   にしたことを特徴とする自動車のフイラーパイ
   プ。