JP6019989B2 - 連続鋳造鋳片の2次冷却方法 - Google Patents

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本発明は、鋼の連続鋳造における鋳片の2次冷却方法に関し、より詳しくは鋳片の内部割れ(水平割れ)とコーナー部表面割れを共に抑制し得る連続鋳造鋳片の2次冷却方法に関する。
連続鋳造方法は、図1に示すように、上下開放の鋳型1の上方から注入した溶鋼3をその鋳型1の水冷された内壁に接触させることによって、溶鋼3の外側に凝固シェルを生成させて鋳型1の下方から引抜き、半凝固鋳片を得る。
鋳型1の下方から引抜かれる鋳片5は並設された多数のロール7と駆動ロールによって連続鋳造装置出側(機端)に案内されつつ、各ロール間に設置された2次冷却装置(図示なし)による冷却ミストによって2次冷却を行い鋳片中心部まで完全に凝固される。
垂直曲げ型の連続鋳造装置における鋳型1の出口から凝固完了に至る鋳片5の凝固過程の区間は、例えば図1に示す通り、垂直部11、曲げ部13、一定R部15、矯正部17、水平部19で構成される。鋳片5が冷却されてから凝固が終わるまでの冷却履歴は鋳片5の品質を左右する。そのため、通常、鋳型1下端から機端までの2次冷却帯は複数のゾーンに分けられ、その各々が鋳造速度等に応じてスプレー冷却水量を変えられるようになっている。
鋳片5の割れ欠陥は、表面割れと内部割れに分けられ、両者とも2次冷却水の影響を強く受ける。
表面割れにはコーナー部(すなわち長辺の両端部と短辺部の角部)が脆化温度領域の状態で曲げ部13または矯正部17を通過した際に発生するひび割れ(以下、コーナー割れ)がある。これに対する対策としては、2次冷却水量を調整し、鋳片表面温度がその鋼種の脆化温度領域から外れた温度で鋳片5が曲げ部13または矯正部17を通過するようにすることが有効である。
一方、内部割れは凝固シェルが薄く、その強度が弱いときに溶鋼静圧によってロール7間で鋳片5が膨らむ現象(いわゆるバルジング)が発生したときや外的応力が鋳片5に加わったときに、半凝固領域から高温の脆化温度領域の凝固シェルに発生する割れが主なものである。内部割れには鋳片5の短辺を底辺とする2等辺三角形を構成する鋳片5内での長辺面に略平行な方向の割れ(以下、水平割れ)がある。
コーナー割れを防止する方法として、例えば特許文献1には、鋳型1下端から少なくとも鋳片全厚2dの80%が凝固するまで、長辺面のうち長辺端から距離(0.8〜1.2)×dまでの部分を冷却しないこと(幅切り)が開示されている。
また、水平割れを防止する方法として、例えば特許文献2には、特にメニスカスから5mまでの範囲で短辺の冷却を強化することが開示されている。
特開昭63−154250号公報 特開平11−245009号公報
コーナー割れに対する対策としては、長辺端部の2次冷却水量を減少させ、鋳片表面温度を高めることによってコーナー部の延性低下を抑制しコーナー割れを防ぐ方法が特許文献1に開示されている。
しかし、この方法の場合、凝固シェルの強度は低下する傾向となるため、バルジングによる歪みが増大して内部割れを助長するおそれがある。
一方、特許文献2のように内部割れの対策として短辺付近の冷却を強化すると、コーナー割れの発生を助長するおそれがある。
このように両者の割れ欠陥を抑制するための製造条件は相反しており、特に高速で鋳造する場合に両立が困難となる傾向がある。このため、鋳造する鋼の成分を変更して、生産性を維持しつつ両者の割れ欠陥を抑制する方法も考えられるが、目的とする鋼材の材料特性が得られなかったり、合金成分を添加するために原単価の増大を招いたりする問題があった。
特に1.8m/分以上の高速で鋳造する場合、コーナー割れを抑制するために長辺両端付近の冷却を制限すると、凝固シェルの強度が低下してバルジング変形量が増大し、内部割れ、特に短辺近くの水平割れを誘発するという問題があった。
この水平割れは、内部割れを防止するために曲げ部13よりも下流側で長辺両端付近の2次冷却水量を多くしても効果的に抑制することができなかったので、鋳造速度を増大する際の問題となっていた。
本発明は上記のような問題を解決するためになされたものであり、連続鋳造装置の生産性を犠牲にすることなく、かつ鋳片5の成分系を変更することなく、鋳片5の冷却方法のみで表面割れ(コーナー割れ)と内部割れ(水平割れ)の発生を防止する2次冷却方法を提案するものである。
発明者らが高速鋳造時の内部割れの発生原因について種々検討を重ねた結果、鋳片5の長辺両面間での冷却の非対称性が一つの要因ではないかという考えに至った。以下、この点について、まず内部割れ発生のメカニズムについて説明し、次に冷却の非対称性の発生要因について説明する。
<内部割れ発生のメカニズム>
内部割れの発生原因となる長辺ロール7間での鋳片5のバルジングは、図2に示すように、例えば溶鋼静圧(図中斜線を入れた矢印参照)により凝固シェル21の長辺21aがロール7間で膨らむように変形する現象であるが、このバルジングが発生すると凝固シェル21の短辺21bには曲げモーメント(図中細線矢印参照)が働く。このため、凝固シェル21の凝固界面側には引張り応力(図中白抜き矢印参照)が働き、歪みが限界値を超えると水平割れが発生すると考えられる。
このとき、コーナー部21cの表面温度が高いと、歪みはコーナー部21cにも分散されて水平割れの発生は抑制される。
これに対して、図3に示すように、例えば上面側のコーナー部21cの温度が過剰に低下すると、上面側のコーナー部21cの強度が高くなり、歪みが短辺21b側の凝固シェル21に集中するようになり、水平割れ23の発生を助長するおそれがある。
したがって、鋳片5の長辺両面間での冷却に非対称性があると、過剰冷却される側のコーナー部21cの強度が高くなり、過剰冷却される側のコーナー部21cに近い短辺21b側にて水平割れ23が発生する可能性が高まる。
<冷却の非対称性の発生要因>
次に冷却の非対称性の発生要因について説明する。
連続鋳造鋳片5を例えば1.8m/分以上の高速で鋳造する場合、凝固シェル21の成長を促進して内部割れを防止するために2次冷却水量を増大するが、鋳片表面に噴霧された2次冷却水の一部は鋳片表面に溜まったり、鋳片表面とロール7で形成される溝状の部分に溜まって鋳片5あるいはロール7の端部から流れ出たりするようになる。水は下に向かって移動するので、このような溜り水あるいは流水は、鋳片5の上面側の方が、鋳片5の下面側に比べてより多く生じるようになる。
このような溜り水あるいは流水は、鋳片表面あるいはロール7の冷却にも影響を及ぼすので、噴霧する2次冷却水量が同じならば、鋳片5の上面側の方が、鋳片5の下面側に比べてより冷却される傾向となる。特にコーナー部21cはこのような直接的に噴霧されるスプレー冷却水に拠らない冷却の寄与が高いと考えられるため、鋳片5の上面側のコーナー部21cは温度が過剰に低下し易い傾向にある。
高速鋳造時に水平割れが多発した鋳片5の鋳造方向に垂直な断面のマクロ組織を観察すると、図4に示すように、鋳片断面形状が上狭、下広の台形型となっていて、上面側に水平割れが多発している。このことからも、前記のように鋳片5の上面側のコーナー部21cが過剰に冷却されて、これが短辺21bの曲げ変形と共に上面側の水平割れ発生を助長していると推察される。
そこで発明者らは、この鋳片5の上面側のコーナー部21cの過剰冷却を解消する方法について種々検討を行った。
まず、1.8m/分以上の高速鋳造条件において、一定R部15及び矯正部17における鋳片5の下面側の水量密度を上面側の水量密度の1.3〜1.5倍とする冷却を行った。なお、水量密度の比はこの範囲内で、鋳造速度およびメニスカスからの距離に応じて、例えば鋳造速度と共に増大するように調節することが望ましい。これによって長辺面全体では、凝固組織の成長を上下面でほぼ等しく調節することができるようになった。
しかしながら、上記の方法では水平割れの発生を防止することはできなかった。
そこで前記の水平割れ発生原因の仮説に基づいて上面側のコーナー部の過剰冷却を解消するために、曲げ部13を通過直後から凝固完了位置(水平部19)までの鋳造区間において、鋳片5の上面側の長辺21aの両端部に2次冷却水を噴霧しない幅切りを行うと共に、鋳片5の下面側では長辺21aの両端部を含む全幅に2次冷却水を噴霧するようにした。
このとき、水平割れは発生せず、鋳片5の鋳造方向に垂直な断面のマクロ組織を観察すると、図5に示すように、台形ではなく矩形状になっていた。
しかも、鋳片5の上面側のコーナー部以外は、従来の高速鋳造における冷却条件を緩和するようにはしないので、生産性には影響を及ぼすこともなくコーナー割れと水平割れの発生を同時に防止出来ることを知見した。
本発明は、以上のような知見に基づいてなされたものであり、具体的には以下の構成からなるものである。
(1)本発明に係る連続鋳造鋳片の2次冷却方法は、垂直部、曲げ部、一定R部、矯正部及び水平部という鋳造区間を有する連続鋳造装置であって前記垂直部及び前記曲げ部においては、鋳片の上下両面について長辺の両端部に2次冷却水を噴霧しない幅切りを行い、前記曲げ部直後から凝固完了位置に至る少なくとも一部の鋳造区間において、鋳片の上面側に前記幅切りを行うと共に、前記曲げ部直後から凝固完了位置に至るまでの全ての鋳造区間において、前記鋳片の下面側の長辺の両端部を含む全幅に2次冷却水を噴霧することを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記一部の区間は、曲げ部直後から鋳片厚みの80%が完全凝固するまでの鋳造区間であることを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、鋳片の上面側のみで実施する幅切りの幅切り量を、鋳片厚みの1/6〜1/2倍の範囲とすることを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、連続鋳造装置の垂直部及び曲げ部の鋳造区間において、鋳片の長辺側の両面に対して、鋳片厚みの1/10〜1/5倍の範囲の幅切り量で幅切りを行うことを特徴とするものである。
(5)また、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のものにおいて、連続鋳造装置の一定R部及び矯正部における鋳片の下面側に噴霧する2次冷却水の水量密度を前記鋳片の上面側に噴霧する2次冷却水の水量密度の1.3〜1.5倍とすることを特徴とするものである。
(6)また、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載のものにおいて、連続鋳造鋳片の鋳造速度を1.8m/分以上とすることを特徴とするものである。
本発明においては、連続鋳造装置における曲げ部直後から凝固完了位置に至る少なくとも一部の鋳造区間において、鋳片の上面側の長辺の両端部に2次冷却水を噴霧しない幅切りを行うと共に、曲げ部直後から凝固完了位置に至る鋳造区間における前記鋳片の下面側の長辺の両端部を含む全幅に2次冷却水を噴霧するようにしたので、連続鋳造鋳片の曲げ部通過後において鋳片の上面側のコーナー部の凝固シェルの冷却が過剰となることを防止でき、冷却過剰に起因するコーナー割れを防止できる。また、冷却過剰による凝固シェルコーナー部の強度増大が抑制でき、長辺ロール間でバルジングが生じた際に短辺の凝固シェルに歪みが集中することを効果的に防止できるので、水平割れの発生を防止できる。
すなわち、本発明によれば、生産性を落すことなく、かつ成分系の変更を伴わずにコーナー割れと水平割れの発生を同時に防止できる。
垂直曲げ形連続鋳造装置の一例を模式的に示す図である。 鋳片の鋳造方向に垂直な断面の模式図であり、水平割れの発生メカニズムを説明する説明図である。 鋳片の鋳造方向に垂直な断面の模式図であり、非対称冷却時の水平割れの発生メカニズムを説明する説明図である。 高速鋳造時に水平割れが多発した鋳片の鋳造方向に垂直な断面のマクロ組織を示す図である。 本発明を適用した場合の鋳片の鋳造方向に垂直な断面のマクロ組織を示す図である。 本発明の一実施の形態における連続鋳造鋳片の2次冷却方法の説明図である。 本発明の一実施の形態における連続鋳造鋳片の2次冷却方法の他の態様の説明図である。
本発明の一実施の形態に係る連続鋳造鋳片の2次冷却方法は、連続鋳造装置における曲げ部13直後から凝固完了位置に至る少なくとも一部の鋳造区間において、図6に示すように、鋳片5の上面側の長辺21aの両端部に2次冷却水25を噴霧しない幅切りを行うと共に、曲げ部13直後から凝固完了位置に至る鋳造区間における鋳片5の下面側の長辺21aの両端部を含む全幅に2次冷却水25を噴霧することを特徴とするものである。
<幅切り行う鋳造区間>
鋳片5の上面側のみ幅切りは、曲げ部13直後から凝固完了位置に至る少なくとも一部の鋳造区間であり、曲げ部13直後から凝固完了位置に至る全ての区間であってもよいし、あるいは途中に一部幅切りを実施しない部分を含んでもよい。
もっとも、途中に一部幅切りを実施しない区間がある場合でも、幅切りを実施しないことで、コーナー部21cの温度が過剰に低下しないようにする必要がある。
なお、曲げ部13通過直後から鋳片厚みの80%が完全凝固するまでの鋳造区間においては、鋳片5の上面側のみの幅切りを実施することが望ましい。
鋳片厚みの80%まで完全凝固していれば、短辺側の凝固シェル21の強度も増しており、そこからコーナー部21cの冷却が強化されるようになっても、水平割れに及ぼす影響は小さいからである。
<幅切り量>
鋳片5の上面側のみで実施する幅切りの幅切り量L1(図6参照)は、鋳片厚みの1/6〜1/2倍の範囲とすることが望ましく、この範囲で、鋼成分、鋳造速度及びメニスカスからの距離などに応じて調節することがより望ましい。
幅切り量L1が鋳片厚みの1/6未満ではコーナー部21cの冷却の緩和が十分でないため完全には水平割れを防止することができず、1/2倍よりも大きいと鋳片幅両端部の冷却が不十分となって、内部品質に影響を及ぼしたり鋳造速度が制限されるようになったりするためである。
なお、コーナー割れが発生し易い鋼種(中炭素鋼:C濃度「0.07〜0.20質量%」、Nb(ニオブ)添加鋼:Nb濃度「0.010質量%以上」、V(バナジウム)添加鋼:V濃度「0.010質量%以上」、B(ボロン)添加鋼:B濃度「0.0010質量%以上」)では、図7に示すように、垂直部11及び曲げ部13では鋳片5の両方の長辺面に対して幅切りを行い(図7(a)参照)、曲げ部13通過後の一定R部15、矯正部17及び水平部19については上記のように鋳片5の上面側のみ幅切りを行う(図7(b)参照)ようにするのが望ましい。
このようにすれば、水平割れの防止と共に、コーナー割れをより確実に抑制することができる。
なお、垂直部11及び曲げ部13において鋳片5の両方の長辺面に行う幅切り量L2としては、鋳片厚みの1/10〜1/5倍の範囲で行うのが望ましい。
幅切り量L2が鋳片厚みの1/10未満では、鋳片5の上面側のコーナー割れを防止するのに冷却の緩和が不十分である場合があり、1/5倍より大きいと凝固シェル21の発達が不十分で再溶解や強度不足が問題となる場合があるからである。
なお、幅切り量L1、L2は上記の範囲で、鋼成分、鋳造速度及びメニスカスからの距離などに応じて調節することがより望ましい。
本実施の形態においては、曲げ部13直後から凝固完了位置に至る少なくとも一部の鋳造区間において、鋳片5の上面側の長辺21aの両端部に2次冷却水25を噴霧しない幅切りを行うようにしたので、曲げ部通過後において鋳片の上面側のコーナー部の凝固シェルの冷却が過剰となることを防止でき、冷却過剰に起因するコーナー割れを防止できる。
また、冷却過剰による凝固シェルコーナー部の強度増大が抑制でき、長辺ロール間でバルジングが生じた際に短辺の凝固シェルに歪みが集中することを効果的に防止できるので、水平割れの発生を防止できる。
しかも、曲げ部13直後から凝固完了位置に至る鋳造区間における鋳片5の下面側の長辺21aの両端部を含む全幅に2次冷却水25を噴霧するようにしており、鋳片5の上面側のコーナー部以外は、従来の高速鋳造における冷却条件を緩和するようにはしないので、生産性には影響を及ぼすこともない。
すなわち、本発明によれば、生産性を落すことなく、かつ成分系の変更を伴わずにコーナー割れと水平割れの発生を同時に防止できる。
本発明の効果を確認するための実験を行ったので、これについて以下に説明する。
図1に示す垂直曲げ型のスラブ連続鋳造機を用いて種々の条件で中炭素鋼を鋳造した。用いた連続鋳造機は、鋳型長さが0.95m、鋳型上端から上部矯正帯入口までの長さが2.2m、湾曲半径が8m、鋳型上端から下部矯正帯入口までの長さが15.3mの垂直曲げ型スラブ連続鋳造機である。
鋳片厚みを230mm、鋳片幅を1300mmの一定とし、C:0.1〜0.2質量%、Si:0.1〜0.3質量%、Mn:0.7〜0.8質量%、P:0.025質量%以下、S:0.010質量%以下、solAl:0.01〜0.03質量%の中炭素鋼の鋳片を鋳造した。
また、鋳造速度は、1.8m/分〜2.2m/分とした。
鋳造後、鋳片の浸透探傷試験(カラーチェック)によりコーナー割れの有無を調査するとともに、鋳片から切り出した試料(全幅×全厚み)の塩酸酸洗によるマクロ組織試験により内部割れの有無を調査した。
試験No1〜12の試験条件及び調査結果を表1に示す。
なお、本例では、鋳片厚みが230mmであることから、「曲げ部直後〜凝固完了位置」における幅切り量の好ましい範囲として規定している鋳片厚みの1/6〜1/2倍は、38.3mm〜115mmとなる。
また、「垂直部及び曲げ部」における幅切り量の好ましい範囲として規定している鋳片厚みの1/10〜1/5倍は、23mm〜46mmとなる。
表1に示されるように、「曲げ部直後〜凝固完了位置」及び「垂直部及び曲げ部」の両方において幅切り量が0である試験No.1、5(比較例)はコーナー割れ発生率及び内部割れ発生率共に大きくなっている。
また、「曲げ部直後〜凝固完了位置」において鋳片の上下面で同じ量の幅切りを行った試験No.6、7(比較例)においては、コーナー割れの発生率は0.3%であるが、内部割れの発生率が1.0%、0.8%と高くなっている。
これに対して、「曲げ部直後〜凝固完了位置」において鋳片の上面側で幅切りを行い、下面側では行わないようにした試験No.2、3、4、8〜12(全て発明例)では、コーナー割れ及び内部割れの発生率が0.4%以下と低くなっている。
特に、「曲げ部直後〜凝固完了位置」における幅切り量が、当該範囲の好ましい幅切り量である約38.3mm〜115mmであり、また「垂直部及び曲げ部」における幅切り量が、当該範囲における好ましい範囲として規定している23mm〜46mmの範囲内にある、試験No.2、3、4、11、12においては、コーナー割れ及び内部割れの発生率が共に0.00%なっている。
以上のように、幅切り量を本発明の範囲内にすることで、コーナー割れ及び内部割れの発生率を効果的に低減できることが確認された。
1 鋳型
3 溶鋼
5 鋳片
7 ロール
9 機端
11 垂直部
13 曲げ部
15 一定R部
17 矯正部
19 水平部
21 凝固シェル
21a 長辺
21b 短辺
21c コーナー部
23 水平割れ
25 2次冷却水

Claims (6)

  1. 垂直部、曲げ部、一定R部、矯正部及び水平部という鋳造区間を有する連続鋳造装置であって前記垂直部及び前記曲げ部においては、鋳片の上下両面について長辺の両端部に2次冷却水を噴霧しない幅切りを行い、前記曲げ部直後から凝固完了位置に至る少なくとも一部の鋳造区間において、鋳片の上面側に前記幅切りを行うと共に、前記曲げ部直後から凝固完了位置に至るまでの全ての鋳造区間において、前記鋳片の下面側の長辺の両端部を含む全幅に2次冷却水を噴霧することを特徴とする連続鋳造鋳片の2次冷却方法。
  2. 前記一部の区間は、曲げ部直後から鋳片厚みの80%が完全凝固するまでの鋳造区間であることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造鋳片の2次冷却方法。
  3. 鋳片の上面側のみで実施する幅切りの幅切り量を、鋳片厚みの1/6〜1/2倍の範囲とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の連続鋳造鋳片の2次冷却方法。
  4. 連続鋳造装置の垂直部及び曲げ部の鋳造区間において、鋳片の長辺側の両面に対して、鋳片厚みの1/10〜1/5倍の範囲の幅切り量で幅切りを行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の連続鋳造鋳片の2次冷却方法。
  5. 連続鋳造装置の一定R部及び矯正部における鋳片の下面側に噴霧する2次冷却水の水量密度を前記鋳片の上面側に噴霧する2次冷却水の水量密度の1.3〜1.5倍とすることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の連続鋳造鋳片の2次冷却方法。
  6. 連続鋳造鋳片の鋳造速度を1.8m/分以上とすることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の連続鋳造鋳片の2次冷却方法。
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