JP4364852B2 - スラブ鋳片の連続鋳造設備と連続鋳造方法 - Google Patents
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例えば図4に示すように鋳片の狭面部の厚さT(以下、この「鋳片の狭面部の厚さ」を単に「鋳片厚さ」ともいう。)に対しロール隙間Dが大きい場合、溶鋼の静圧で鋳片広面側が外側(ロール側)に膨れるように変形する。この変形はバルジングと呼ばれており、当該バルジングの程度によっては、凝固殻の内側(溶鋼側)に大きな引張応力が発生し、特に狭面側の凝固界面の近傍に内部割れ(水平割れともいう。)が発生してしまう。通常、鋳片とは扁平なものであるから、言い換えれば当該内部割れとは鋳片の横断面(延在方向に垂直な断面)において端部(狭面)付近に発生する割れともいえる。この内部割れは、円弧部におけるバルジングにより発生するため、当該円弧部において対策をしなければならないものである(図1も併せて参照)。
例えば内部割れを防止するには、冶金的側面からは不純物を低減すると同時に、設備的側面からはロール数を増やしてピッチを短くし溶鋼のバルジングを抑制したり、上述した矯正変形時に圧縮鋳造したりすることなどが挙げられる。
一方で表面割れを防止するには、鋳型での冷却速度の制御は勿論、一連のメカニズムの出発点となる「弱い部分」を作らないために、凝固速度を左右する潤滑・保温用パウダーを鋳型と鋳片との間になるべく均一に流し込むことなどが挙げられる。
即ち、モールド直下以降、上ロールと下ロールとの間隔を徐々に広げ、後に当該上ロールと下ロールとの間隔を挟めるような山型パターンにバルジング量を調節し、バルジング量調節中は鋳片のエッジ部にはロールを接触させないことにより、スラブエッジ部とスラブ巾中央部との間の温度差を少なくする、とされている。
0.0004(min-1)×D≦Vsq≦0.0009(min-1)×D・・・(1)
Vsq:スラブ鋳片の絞込速度(mm/min)
D :円弧部入口におけるロール隙間(mm)
第1に、当該スラブ鋳片のコーナ部と前記ロールとの間に間隙が確保されるので、当該コーナ部におけるスラブ鋳片と当該ロールとの間の熱交換が抑制される。従って矯正変形時においても当該コーナ部の温度が脆化温度以上に維持される。言い換えれば脆化温度以上で矯正変形させるので、当該矯正変形時に作用する矯正応力に起因してスラブ鋳片のコーナ部の広面側(ロール側)表面に表面割れ(横小割れともいう。)が発生するのを防止することができる。
第2に、スラブ鋳片のバルジングが過大とならないので、当該バルジングによる引張応力に起因してスラブ鋳片の凝固殻の狭面側の凝固界面近傍に内部割れ(水平割れともいう。)が発生するのを防止することができる。
0.0004(min-1)×D≦Vsq≦0.0009(min-1)×D・・・(1)
Vsq:スラブ鋳片の絞込速度(mm/min)
D :円弧部入口におけるロール隙間(mm)
第1に、当該スラブ鋳片のコーナ部と前記ロールとの間に間隙が確保されるので、当該コーナ部におけるスラブ鋳片と当該ロールとの間の熱交換が抑制される。従って矯正変形時においても当該コーナ部の温度が脆化温度以上に維持される。言い換えれば脆化温度以上で矯正変形させるので、当該矯正変形時に作用する矯正応力に起因してスラブ鋳片のコーナ部の広面側(ロール側)表面に表面割れ(横小割れともいう。)が発生するのを防止することができる。
第2に、スラブ鋳片のバルジングが過大とならないので、当該バルジングによる引張応力に起因してスラブ鋳片の凝固殻の狭面側の凝固界面近傍に内部割れ(水平割れともいう。)が発生するのを防止することができる。
即ち、油圧などの動力を用いることにより、図略の固定軸に転動自在に軸支されたロール2bに対する、図略の可動軸に転動自在に軸支されたロール2aの位置が調節できるようになっている。
なお上記の「比水量」とは、鋳片の冷却強度の指標として以下の如く定義されるものである。即ち「比水量」とは、鋳型1直下から鋳片の最終凝固位置までに使用した総冷却水量を同じ時間に鋳造したスラブ鋳片4の重量で除して求められるものである。ただし水と空気の双方による冷却、所謂ニ流体冷却の場合には、適宜換算して求められるものである。
0.0004(min-1)×D≦Vsq≦0.0009(min-1)×D・・・(1)
Vsq:スラブ鋳片4の絞込速度(mm/min)
D :円弧部入口ABにおけるロール隙間D(mm)
Sq :絞込総量(mm)
V :鋳造速度(m/min)
L :絞込円弧部長さ(m)
また絞込円弧部長さLとは、前記円弧部Bにおいて実際に絞込み(ロール隙間Dの減少)が行われた長さをいう。
より詳しく言えば本実施形態において上記ロール隙間Dは、円弧部入口ABから円弧部出口BCに向かって一定の割合で漸減するように構成されており、また鋳造速度Vも常に一定とされている。
次に、本発明の技術的効果を確認するために行われた連続鋳造試験を、表1及び図1、図3に基づいて説明する。
表1に示すように、試験番号1〜7において共通する条件は以下の通りである。図1において太線矢印で示す方向へスラブ鋳片4が搬送される速度、即ち鋳造速度Vは、1.2m/minとした。またロール帯3の円弧部Bの全長(円弧長さ)は14.3mであり、当該円弧部入口ABの入口におけるロール隙間Dは280mmとした。
試験番号1〜7におけるその他の条件、即ち絞込総量Sq・絞込円弧部長さLは表1に示す如く設定した。なお絞込円弧部長さLとは、上述の如く、前記の円弧部Bのうち、スラブ鋳片の絞込みが実際に行われた部分の長さのことをいう。例えば、試験番号2の条件では、当該絞込円弧部長さLと円弧部Bの全長とが一致しているので、スラブ鋳片の絞込みは当該円弧部Bの全長に亘って行われたことを表している。一方で、試験番号5の条件では、当該絞込円弧部長さLが円弧部Bの全長よりも短くなっており、当該絞込みが、円弧部入口ABから円弧部Bの下流側へ向かって5.0mだけ搬送されるうちに、集中して行われたことを表す。同様に試験番号6においても、当該絞込みは、円弧部入口ABから円弧部Bの下流側へ向かって10.0mだけ搬送されるうちに集中して行われた。言い換えれば、試験番号5及び6において当該絞込みは、円弧部Bの全長よりもかなり短い距離において集中して行われたのである。
本図より、円弧部入口ABにおけるロール隙間Dと、絞込速度Vsqと、鋳片割れとの間には相関関係があることが判った。即ち、絞込速度Vsqをある値以上に設定すると表面割れが、別のある値以下に設定すると内部割れが発生した。より具体的には、下記の式(2)に示される条件を満足しない場合は表面割れが、式(3)に示される条件を満足しない場合は内部割れが発生した。なお本図において、前記の試験番号1〜4及び7に対応するプロットには当該番号を付した。
0.0004(min-1)×D≦Vsq ・・・ (3)
Vsq:スラブ鋳片4の絞込速度(mm/min)
D :円弧部入口ABにおけるロール隙間(mm)
一方で、絞込速度Vsqが上記の如く過小となると、スラブ鋳片4のバルジング量が過大となり(図4参照)、その結果、上述の如くスラブ鋳片4の狭面側の凝固界面近傍において内部割れの原因となってしまう(例えば試験番号4)。
第1に、当該スラブ鋳片4のコーナ部と前記ロール2との間に間隙が確保されるので、当該コーナ部におけるスラブ鋳片4と当該ロール2との間の熱交換が抑制される。従って矯正変形時においても当該コーナ部の温度が脆化温度以上に維持される。言い換えれば脆化温度以上で矯正変形させるので、当該矯正変形時に作用する矯正応力に起因してスラブ鋳片4のコーナ部の広面側(ロール側)表面に表面割れが発生するのを防止することができる。
第2に、スラブ鋳片4のバルジングが過大とならないので、当該バルジングによる引張応力に起因してスラブ鋳片4の凝固殻の狭面側の凝固界面近傍に内部割れが発生するのを防止することができる。
4 スラブ鋳片
100 連続鋳造設備
AB 円弧部入口
B 円弧部
C 矯正部
D ロール隙間
Vsq 絞込速度
Claims (2)
- 円弧状に並設される円弧部を含むロール帯により両面から支持案内されながらスラブ鋳片が鋳造される連続鋳造設備において、
上記円弧部入口におけるロール隙間が200(mm)以上390(mm)以下であり、
鋳型直下から鋳片の最終凝固位置までの冷却強度が水冷却の場合で比水量0.6(L/kg鋼)以上3.0(L/kg鋼)以下であり、
前記円弧部全体におけるスラブ鋳片の絞込速度が下記式(1)の条件を満たすように制御される、ことを特徴とするスラブ鋳片の連続鋳造設備。
0.0004(min-1)×D≦Vsq≦0.0009(min-1)×D・・・(1)
Vsq:スラブ鋳片の絞込速度(mm/min)
D :円弧部入口におけるロール隙間(mm) - 円弧状に並設される円弧部を含むロール帯により両面から支持案内しながらスラブ鋳片を鋳造する連続鋳造方法において、
上記円弧部入口におけるロール隙間を200(mm)以上390(mm)以下とし、
鋳型直下から鋳片の最終凝固位置までの冷却強度を水冷却の場合で比水量0.6(L/kg鋼)以上3.0(L/kg鋼)以下とし、
前記円弧部全体におけるスラブ鋳片の絞込速度を下記式(1)の条件を満たすように制御する、ことを特徴とするスラブ鋳片の連続鋳造方法。
0.0004(min-1)×D≦Vsq≦0.0009(min-1)×D・・・(1)
Vsq:スラブ鋳片の絞込速度(mm/min)
D :円弧部入口におけるロール隙間(mm)
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JP2005233164A JP4364852B2 (ja) | 2005-08-11 | 2005-08-11 | スラブ鋳片の連続鋳造設備と連続鋳造方法 |
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JP2007044743A JP2007044743A (ja) | 2007-02-22 |
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CN115945659B (zh) * | 2022-12-15 | 2023-11-24 | 新余钢铁股份有限公司 | 提高铸坯表面质量的方法 |
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