JP2018079499A - 三重点割れを抑制できる連続鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】矯正部において鋳片が台形変形することにより、三重点割れが生じ、内部品質が悪化する。【解決手段】垂直曲げ型又は曲げ型の連続鋳造機を用いてスラブ連続鋳造を行う際に、鋳型の上端内寸短片長さDを240〜320[mm]とし、鋳型の上端内寸長片長さWを1500〜2200[mm]とし、溶鋼中の炭素濃度を0.07〜0.20[mass%]とし、鋳造速度Vを0.7〜1.3[m/min]とした。矯正部に入るまでの鋳片表面温度を850℃以下とし、矯正部のIN面の鋳片両端部からLまでの範囲の幅切り部の二次冷却水量Waを、2.5≦Wa[m3/m2・hr]≦5.0(ただし、0.10≦L/W≦0.25)とし、矯正部帯のIN面の幅切り部間の二次冷却水量Wbを、0≦Wb[m3/m2・hr]≦0.5とし、矯正部のOUT面の二次冷却水量Wcを、2.5≦Wc[m3/m2・hr]≦5.0とした。【選択図】図4
Description
本発明は、連続鋳造における鋳片の冷却方法に関する。
垂直曲げ型連続鋳造機を用いた鋳造では、鋳型内に注入された溶鋼は、鋳型内で冷却され表面部のみが凝固した状態となり(一次冷却)、その後、鋳型下部から引き抜かれる。そして、垂直部、曲げ部、円弧部及び矯正部を経て水平方向に引き出されることにより、鋳片が連続的に鋳造される。上記垂直部以降では、鋳片に冷却水が噴霧され(二次冷却)、鋳片内部まで凝固が促進される。そして、垂直部以降の二次冷却帯において冷却水量を調整する方法が従来から提案されている。
例えば、特許文献1では、曲げ部直後から凝固完了位置の鋳造区間において、鋳片の上面側の長辺の両端部に2次冷却水を噴霧しない幅切りを行うと共に、曲げ部直後から凝固完了位置に至る鋳造区間における鋳片の下面側の長辺の両端部を含む全幅に2次冷却水を噴霧することが記載されている。したがって、特許文献1では、矯正部IN側コーナー部の過剰冷却を防止し、短辺凝固シェル歪みの集中を防止することにより、水平割れが防止される。
また、特許文献2では、矯正点近傍での鋳片内側の表面温度を、鋳片外側の表面温度より低い温度とすることが記載されている。したがって、特許文献2では、矯正時の引っ張り歪みを低減することにより、表面割れが防止される。
本発明の発明者は、垂直曲げ型連続鋳造機を用いた鋳造では、矯正部において鋳片が台形変形することにより、三重点割れが生じ、内部品質が悪化することを見出した。三重点割れとは、図2に示すように、鋳片のIN側に生じる割れの一種である。発明者の研究では、三重点割れ発生のメカニズムは、連続鋳造機の矯正部において、IN側凝固殻が鋳造方向に引っ張られ、OUT側凝固殻が圧縮され、IN側OUT側の各凝固殻は体積を一定に保とうとする結果、IN側の幅がOUT側の幅より小さくなる台形変形が生じる。このとき、OUT側コーナー近傍では、凝固殻が幅方向に圧縮される反面、IN側コーナー部近傍では、凝固殻が幅方向に引っ張られ、三重点割れを生じると考えられる。
特許文献1では、矯正部において鋳片のIN側幅切り部が二次冷却されないことにより、水平割れは防止されるが、鋳片のIN側コーナー部の冷却が十分でなく、台形変形し、三重点割れが発生すると考えられる。特許文献2では、矯正部において鋳片内側の表面温度を鋳片外側の表面温度より低い温度とすることにより、表面割れは防止されるが、台形変形を抑制できず、三重点割れが発生すると考えられる。
そこで、本発明の目的は、連続鋳造スラブの三重点割れを抑制し、内部品質が良好な連鋳スラブを提供する。
本発明の連続鋳造方法は、
垂直曲げ型又は曲げ型の連続鋳造機を用いてスラブ連続鋳造を行う際に、鋳型の上端内寸短片長さDを240〜320[mm]とし、鋳型の上端内寸長片長さWを1500〜2200[mm]とし、溶鋼中の炭素濃度を0.07〜0.20[mass%]とし、鋳造速度Vを0.7〜1.3[m/min]とした連続鋳造方法において、
矯正部に入るまでの鋳片表面温度を850℃以下とし、
矯正部のIN面の鋳片両端部からLまでの幅切り部の二次冷却水量Waを、2.5≦Wa[m3/m2・hr]≦5.0(ただし、0.10≦L/W≦0.25)とし、
矯正部のIN面の幅切り部間の二次冷却水量Wbを、0≦Wb[m3/m2・hr]≦0.5とし、
矯正部のOUT面の二次冷却水量Wcを、2.5≦Wc[m3/m2・hr]≦5.0とすることを特徴とする。
垂直曲げ型又は曲げ型の連続鋳造機を用いてスラブ連続鋳造を行う際に、鋳型の上端内寸短片長さDを240〜320[mm]とし、鋳型の上端内寸長片長さWを1500〜2200[mm]とし、溶鋼中の炭素濃度を0.07〜0.20[mass%]とし、鋳造速度Vを0.7〜1.3[m/min]とした連続鋳造方法において、
矯正部に入るまでの鋳片表面温度を850℃以下とし、
矯正部のIN面の鋳片両端部からLまでの幅切り部の二次冷却水量Waを、2.5≦Wa[m3/m2・hr]≦5.0(ただし、0.10≦L/W≦0.25)とし、
矯正部のIN面の幅切り部間の二次冷却水量Wbを、0≦Wb[m3/m2・hr]≦0.5とし、
矯正部のOUT面の二次冷却水量Wcを、2.5≦Wc[m3/m2・hr]≦5.0とすることを特徴とする。
本発明によると、連続鋳造機の矯正部において鋳片が台形変形するのを抑制することにより、連続鋳造スラブの三重点割れを抑制し、内部品質が良好な連鋳スラブを提供できる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
〔連続鋳造機〕
連続鋳造機100は、図1に示すように、垂直曲げ型連続鋳造機であって、タンディッシュ1と、タンディッシュ1の底部に取り付けられた浸漬ノズル2と、浸漬ノズル2の下部が配置された鋳型3と、鋳型3の直下から鋳造経路Qに沿って設けられた複数のロールとを備えている。鋳型3には、平面視において略矩形状の開口が形成されており、スラブ鋳片が鋳造可能となっている。
連続鋳造機100は、図1に示すように、垂直曲げ型連続鋳造機であって、タンディッシュ1と、タンディッシュ1の底部に取り付けられた浸漬ノズル2と、浸漬ノズル2の下部が配置された鋳型3と、鋳型3の直下から鋳造経路Qに沿って設けられた複数のロールとを備えている。鋳型3には、平面視において略矩形状の開口が形成されており、スラブ鋳片が鋳造可能となっている。
鋳造経路Qには、鋳型3直下から下流側に向かって、垂直部11、曲げ部12、円弧部13、矯正部(矯正帯)14及び水平部15が順に設けられている。ここで、本実施形態では、鋳造経路Qに沿って鋳型3に近い側を上流側と呼び、鋳型3に遠い側を下流側と呼ぶ。なお、図1では、連続鋳造機100の構成を模式的に示し、垂直部11〜矯正部14等の各経路部に数個のロールだけを図示しているが、実際は複数のロールが配置されている。本発明において、IN面とは、連続鋳造機の経路に対して経路の短い側の鋳片面であり、OUT面とは、連続鋳造機の経路に対して経路の長い側の鋳片面である。
図1に示すように、垂直部11は、鋳型3直下から垂直下方向に延在し、複数のフットロール21が配置されている。曲げ部12は、曲率半径Rが徐々に小さくなるように曲がった部分であり、鋳片7を円弧状に曲げる複数のサポートロール22が配置されている。また、円弧部13は、曲率半径Rが一定の円弧状に形成され、複数のサポートロール23が配置されている。そして、矯正部14は、曲率半径Rが徐々に大きくなるように曲がった部分であり、鋳片を矯正する複数のサポートロール24が配置されている。また、矯正部14の下流側には、水平方向に延在した水平部15が設けられている。水平部15には、鋳片を下流側へ移送する複数の移送ロール25と、鋳片を引き抜くピンチロール26が配置されている。なお、ピンチロール26は、垂直部11、曲げ部12、円弧部13及び矯正部14に配置されていてもよい。また、鋳造方向に隣り合うロール間にはスプレーノズル5が配置されており、これらのスプレーノズル5によって2次冷却帯が構成されている。
次に、連続鋳造機100を用いた鋳造方法を説明する。
タンディッシュ1内に収容された溶鋼6を、浸漬ノズル2を介して鋳型3内に注入する(鋳造開始)。ここで、鋳型3底部には、予めダミーバーが設置されている。鋳型3内の溶鋼6は、冷却され、表面部(鋳型3と接する部分及びダミーバー上端部と接する部分)が凝固することにより、凝固シェルが形成された鋳片となる。その後、ダミーバーを下流側へ引き抜くと、鋳片は、ダミーバーに付随して鋳型3から引き出され、鋳型3直下に配置されたフットロール21に支持されながら垂直部11を通過し、曲げ部12でサポートロール22に支持されながら円弧状に曲げられる。そして、円弧部13でサポートロール23に保持されながら下流側へ移送された後、矯正部14でサポートロール24によって水平方向に向くように矯正される。その後、水平部15において、移送ロール25によって下流側に移送され、内部まで凝固したスラブ鋳片が鋳造される。
本発明の連続鋳造方法は、主として厚板用鋼の鋳造方法である。厚板用鋼の炭素濃度は、0.07〜0.20%であって、割れが発生しやすい鋼種である。鋳造速度、鋳型サイズについては、一般的なスラブ連鋳における鋳造条件である。
矯正部14は、連続鋳造機100内において、ある曲率を持つスラブを矯正するロールが配置されている範囲を示す。矯正部14においては、曲率Rが大きくなるようにロールが配置されているが、曲率Rが円弧部Rより大きくなるロールを矯正部開始ポイントとする。
<矯正部に入るまでの鋳片表面温度>
矯正部14に入るまでの鋳片表面温度が850℃を超える場合、内部割れが発生する。内部割れは、バルジング起因の内部割れであって、鋳片内部の溶鋼静圧により、二次冷却帯ロールで支えられていない凝固シェルが変形することにより、鋳片の内部に割れが生じる。内部割れ防止のためには、凝固シェル厚を確保するために、鋳片の表面温度を下げることが有効である。したがって、本発明では、矯正部14に入るまでの鋳片表面温度が850℃以下とし、内部割れを防止している。
矯正部14に入るまでの鋳片表面温度が850℃を超える場合、内部割れが発生する。内部割れは、バルジング起因の内部割れであって、鋳片内部の溶鋼静圧により、二次冷却帯ロールで支えられていない凝固シェルが変形することにより、鋳片の内部に割れが生じる。内部割れ防止のためには、凝固シェル厚を確保するために、鋳片の表面温度を下げることが有効である。したがって、本発明では、矯正部14に入るまでの鋳片表面温度が850℃以下とし、内部割れを防止している。
<矯正部のIN面の幅切り部の二次冷却水量>
図3に示すように、矯正部のIN面(鋳片広面)において、鋳片両端部からLまでの範囲を、幅切り部とする。幅切り部の二次冷却水量Waが、2.5[m3/m2・hr]未満の場合、コーナー部の冷却が十分でなく、台形変形し、三重点割れが発生する。また、幅切り部の二次冷却水量Waが、5.0[m3/m2・hr]を超える場合、コーナー部が過冷され、コーナー強度が過剰となり、コーナーより内側に歪みが集中し、水平割れが発生する。したがって、本発明では、幅切り部の二次冷却水量Waを、2.5≦Wa[m3/m2・hr]≦5.0とした。
図3に示すように、矯正部のIN面(鋳片広面)において、鋳片両端部からLまでの範囲を、幅切り部とする。幅切り部の二次冷却水量Waが、2.5[m3/m2・hr]未満の場合、コーナー部の冷却が十分でなく、台形変形し、三重点割れが発生する。また、幅切り部の二次冷却水量Waが、5.0[m3/m2・hr]を超える場合、コーナー部が過冷され、コーナー強度が過剰となり、コーナーより内側に歪みが集中し、水平割れが発生する。したがって、本発明では、幅切り部の二次冷却水量Waを、2.5≦Wa[m3/m2・hr]≦5.0とした。
<矯正部のIN面の幅切り部についての幅切り条件L/W>
幅切り部Lの鋳片幅Wに対する比である幅切り条件L/Wが、0.10未満である場合、コーナー部の冷却が十分でなく、台形変形が抑制できずに三重点割れが発生する。また、幅切り部Lの鋳片幅Wに対する比である幅切り条件L/Wが、0.25を超える場合、IN面の強冷却の範囲が広いため、IN側の緩冷却による鋳片の復熱膨張効果が無く、三重点割れが発生する。したがって、本発明では、幅切り条件L/Wを、0.10≦L/W≦0.25とした。
幅切り部Lの鋳片幅Wに対する比である幅切り条件L/Wが、0.10未満である場合、コーナー部の冷却が十分でなく、台形変形が抑制できずに三重点割れが発生する。また、幅切り部Lの鋳片幅Wに対する比である幅切り条件L/Wが、0.25を超える場合、IN面の強冷却の範囲が広いため、IN側の緩冷却による鋳片の復熱膨張効果が無く、三重点割れが発生する。したがって、本発明では、幅切り条件L/Wを、0.10≦L/W≦0.25とした。
<矯正部のIN面の面央部の二次冷却水量>
矯正部のIN面において、幅切り部間の面央部の二次冷却水量Wbが、0.5[m3/m2・hr] を超える場合、緩冷却が不十分で、台形変形を抑制できず、三重点割れが発生する。したがって、本発明では、幅切り部間の二次冷却水量Wbを、0≦Wb[m3/m2・hr]≦0.5とした。
矯正部のIN面において、幅切り部間の面央部の二次冷却水量Wbが、0.5[m3/m2・hr] を超える場合、緩冷却が不十分で、台形変形を抑制できず、三重点割れが発生する。したがって、本発明では、幅切り部間の二次冷却水量Wbを、0≦Wb[m3/m2・hr]≦0.5とした。
<矯正部のOUT面の二次冷却水量>
矯正部のOUT面の二次冷却水量Wcが、2.5[m3/m2・hr]未満の場合、強冷却が不十分で、台形変形を抑制できず、三重点割れが発生する。また、矯正部のOUT面の二次冷却水量Wcが、5.0[m3/m2・hr]を超える場合、過冷却によって鋳片が復熱し、連鋳機水平部にて鋳片の反りが発生する。したがって、本発明では、矯正部のOUT面の二次冷却水量Wcを、2.5≦Wc[m3/m2・hr]≦5.0とした。
矯正部のOUT面の二次冷却水量Wcが、2.5[m3/m2・hr]未満の場合、強冷却が不十分で、台形変形を抑制できず、三重点割れが発生する。また、矯正部のOUT面の二次冷却水量Wcが、5.0[m3/m2・hr]を超える場合、過冷却によって鋳片が復熱し、連鋳機水平部にて鋳片の反りが発生する。したがって、本発明では、矯正部のOUT面の二次冷却水量Wcを、2.5≦Wc[m3/m2・hr]≦5.0とした。
図4は、本発明の連続鋳造方法の矯正部14の二次冷却水量を示している。
本発明では、図4に示すように、矯正部のIN面の幅切り部の二次冷却水量Waを、2.5≦Wa[m3/m2・hr]≦5.0とし、矯正部のIN面の面央部の二次冷却水量を、0≦Wb[m3/m2・hr]≦0.5とし、矯正部のOUT面の二次冷却水量Wcを、2.5≦Wc[m3/m2・hr]≦5.0とする。
次に、本発明の実施例及び比較例を説明する。
連続鋳造機100内において、矯正部14の冷却条件を変えたときの内部割れ、三重点割れ、水平割れ及び鋳片反りの発生の有無等を調べた。
表1には、実験条件(溶鋼中の炭素濃度、鋳造速度V、鋳型幅(鋳型の上端内寸長片長さ)W、鋳型厚み(鋳型の上端内寸短片長さ)D、矯正部直前の鋳片表面温度、矯正部における二次冷却水量、幅切り条件)及び品質結果(内部割れの有無、三重点割れの有無、水平割れの有無及び鋳片反りの発生の有無)を示している。
本例では、垂直曲げ型連続鋳造機として、垂直部長さが2.9 [m]であり、円弧部の曲率半径Rが10.7[m]であり、メニスカスから矯正開始点までの距離が19.4[m]であり、メニスカスから矯正終了点までの距離が20.9[m]である連続鋳造機を用いた。
溶鋼の含有成分を下記とした。
C:0.07〜0.20[mass%]
Si:0.15〜0.35[mass%]
Mn:0.6〜1.5[mass%]
P:0.005〜0.020[mass%]
S:0.001〜0.010[mass%]
C:0.07〜0.20[mass%]
Si:0.15〜0.35[mass%]
Mn:0.6〜1.5[mass%]
P:0.005〜0.020[mass%]
S:0.001〜0.010[mass%]
鋳造温度は、タンディッシュ内の溶鋼目標温度を液相線温度+25℃に設定し、目標温度±10℃以内に制御できた鋳造について、評価を実施した。
鋳片表面温度は、図5に示すように、矯正部14の直前に放射温度計を設置し測定した。温度計は、鋳片幅方向:W/2位置とし、鋳造方向:矯正ロール直前に設置し、鋳片から温度計までの距離を500mmとした。
ここで、表1に示す評価方法を説明する。
<内部割れの評価>
定常部(引抜速度が一定で鋳造された部位)で一断面/cast、スラブを鋳造方向に垂直に切断し、その断面を過硫酸アンモニウム水溶液で腐食を行った。この断面で、稲妻状の割れの発生の有無を目視で評価した。ここで、稲妻状の割れとはバルジングに起因する割れであり、直線でなく、スラブ厚み方向に幅を持った割れである。割れが存在する場合を○、存在しない場合を×とした。
定常部(引抜速度が一定で鋳造された部位)で一断面/cast、スラブを鋳造方向に垂直に切断し、その断面を過硫酸アンモニウム水溶液で腐食を行った。この断面で、稲妻状の割れの発生の有無を目視で評価した。ここで、稲妻状の割れとはバルジングに起因する割れであり、直線でなく、スラブ厚み方向に幅を持った割れである。割れが存在する場合を○、存在しない場合を×とした。
<三重点割れの評価>
定常部(引抜速度が一定で鋳造された部位)で一断面/cast、スラブを鋳造方向に垂直に切断し、その断面を過硫酸アンモニウム水溶液で腐食を行った。この断面で、スラブ端部からそれぞれD/2近傍の範囲で、スラブ厚み方向に平行な割れの発生の有無を目視で評価した。割れが存在する場合を○、存在しない場合を×とした。
定常部(引抜速度が一定で鋳造された部位)で一断面/cast、スラブを鋳造方向に垂直に切断し、その断面を過硫酸アンモニウム水溶液で腐食を行った。この断面で、スラブ端部からそれぞれD/2近傍の範囲で、スラブ厚み方向に平行な割れの発生の有無を目視で評価した。割れが存在する場合を○、存在しない場合を×とした。
<水平割れの評価>
定常部(引抜速度が一定で鋳造された部位)で一断面/cast、スラブを鋳造方向に垂直に切断し、その断面を過硫酸アンモニウム水溶液で腐食を行った。この断面で、スラブ端部からそれぞれD/2の範囲で、スラブ幅方向に平行なワレの発生の有無を目視で評価した。割れが存在する場合を○、存在しない場合を×とした。
定常部(引抜速度が一定で鋳造された部位)で一断面/cast、スラブを鋳造方向に垂直に切断し、その断面を過硫酸アンモニウム水溶液で腐食を行った。この断面で、スラブ端部からそれぞれD/2の範囲で、スラブ幅方向に平行なワレの発生の有無を目視で評価した。割れが存在する場合を○、存在しない場合を×とした。
<鋳片の反り>
矯正部での冷却が強い場合、鋳片は、二次冷却帯の水平部または二次冷却帯以降で復熱し、膨張することによって鋳片が反る場合がある。今回はOUT面を強冷するので、復熱はOUT側でおこり、鋳片はIN側に反る。反りが発生した場合、搬送トラブル(鋳片の搬送不可等)やスタンドトラブル(ロールの軸受けの破損等)を招く。反りが大きい場合は、反った部分がガスノズルに接触することにより設備トラブルが生じる。上記設備トラブルが起こった場合を×、起こらなかった場合を○とした。図6では、鋳片ボトム部に反りが発生した状態を実線で図示し、反りが発生していない状態を一点鎖線で図示している。
矯正部での冷却が強い場合、鋳片は、二次冷却帯の水平部または二次冷却帯以降で復熱し、膨張することによって鋳片が反る場合がある。今回はOUT面を強冷するので、復熱はOUT側でおこり、鋳片はIN側に反る。反りが発生した場合、搬送トラブル(鋳片の搬送不可等)やスタンドトラブル(ロールの軸受けの破損等)を招く。反りが大きい場合は、反った部分がガスノズルに接触することにより設備トラブルが生じる。上記設備トラブルが起こった場合を×、起こらなかった場合を○とした。図6では、鋳片ボトム部に反りが発生した状態を実線で図示し、反りが発生していない状態を一点鎖線で図示している。
<総合評価>
内部割れ、三重点割れ、水平割れ及び鋳片反りの発生の有無において、全てが「無」である場合は、総合評価を「○」とし、1つでも「有」が存在する場合は、総合評価を「×」とした。
内部割れ、三重点割れ、水平割れ及び鋳片反りの発生の有無において、全てが「無」である場合は、総合評価を「○」とし、1つでも「有」が存在する場合は、総合評価を「×」とした。
<NO.1−4について>
NO.3、4では、矯正部14に入るまでの鋳片表面温度が850℃を超えている。したがって、鋳片内部の溶鋼静圧により、二次冷却帯ロールで支えられていない凝固シェルが変形することにより、鋳片の内部割れが生じている。これに対し、NO.1、2では、矯正部14に入るまでの鋳片表面温度が850℃以下であり、内部割れ防止のための凝固シェル厚を確保され、鋳片の内部割れが生じていない。よって、本発明では、矯正部14に入るまでの鋳片表面温度が850℃以下とし、内部割れを防止している。
NO.3、4では、矯正部14に入るまでの鋳片表面温度が850℃を超えている。したがって、鋳片内部の溶鋼静圧により、二次冷却帯ロールで支えられていない凝固シェルが変形することにより、鋳片の内部割れが生じている。これに対し、NO.1、2では、矯正部14に入るまでの鋳片表面温度が850℃以下であり、内部割れ防止のための凝固シェル厚を確保され、鋳片の内部割れが生じていない。よって、本発明では、矯正部14に入るまでの鋳片表面温度が850℃以下とし、内部割れを防止している。
<NO.5−9について>
NO.8、9では、矯正部14のIN面において、幅切り部間の二次冷却水量Wbが、0.5[m3/m2・hr] を超えている。したがって、IN面の緩冷却が不十分で、台形変形を抑制できず、三重点割れが発生している。これに対し、NO.5−7では、矯正部14のIN面において、幅切り部間の二次冷却水量Wbが、0.5[m3/m2・hr] 以下であり、IN面の緩冷却が十分であり、台形変形を抑制でき、三重点割れが発生していない。よって、本発明では、幅切り部間の二次冷却水量Wbを、0≦Wb[m3/m2・hr]≦0.5とし、三重点割れを防止している。
NO.8、9では、矯正部14のIN面において、幅切り部間の二次冷却水量Wbが、0.5[m3/m2・hr] を超えている。したがって、IN面の緩冷却が不十分で、台形変形を抑制できず、三重点割れが発生している。これに対し、NO.5−7では、矯正部14のIN面において、幅切り部間の二次冷却水量Wbが、0.5[m3/m2・hr] 以下であり、IN面の緩冷却が十分であり、台形変形を抑制でき、三重点割れが発生していない。よって、本発明では、幅切り部間の二次冷却水量Wbを、0≦Wb[m3/m2・hr]≦0.5とし、三重点割れを防止している。
<NO.10−14について>
NO.10では、矯正部14のIN面(鋳片広面)において、鋳片両端部からLまでの範囲の幅切り部の二次冷却水量Waが、2.5[m3/m2・hr]未満である。したがって、コーナー部の冷却が十分でなく、台形変形し、三重点割れが発生している。NO.14では、矯正帯のIN面において、幅切り部の二次冷却水量Waが、5.0[m3/m2・hr]を超えている。したがって、コーナー部が過冷され、コーナー強度が過剰となり、コーナーより内側に歪みが集中し、水平割れが発生している。これに対し、NO.11−13では、幅切り部の二次冷却水量Waを、2.5≦Wa[m3/m2・hr]≦5.0であり、三重点割れや水平割れが発生していない。よって、本発明では、幅切り部の二次冷却水量Waを、2.5≦Wa[m3/m2・hr]≦5.0とし、三重点割れおよび水平割れを防止している。
NO.10では、矯正部14のIN面(鋳片広面)において、鋳片両端部からLまでの範囲の幅切り部の二次冷却水量Waが、2.5[m3/m2・hr]未満である。したがって、コーナー部の冷却が十分でなく、台形変形し、三重点割れが発生している。NO.14では、矯正帯のIN面において、幅切り部の二次冷却水量Waが、5.0[m3/m2・hr]を超えている。したがって、コーナー部が過冷され、コーナー強度が過剰となり、コーナーより内側に歪みが集中し、水平割れが発生している。これに対し、NO.11−13では、幅切り部の二次冷却水量Waを、2.5≦Wa[m3/m2・hr]≦5.0であり、三重点割れや水平割れが発生していない。よって、本発明では、幅切り部の二次冷却水量Waを、2.5≦Wa[m3/m2・hr]≦5.0とし、三重点割れおよび水平割れを防止している。
<NO.15−19について>
NO.15では、矯正部14のOUT面の二次冷却水量Wcが、2.5[m3/m2・hr]未満である。したがって、OUT面の強冷却が不十分で、台形変形を抑制できず、三重点割れが発生している。NO.19では、矯正部のOUT面の二次冷却水量Wcが、5.0[m3/m2・hr]を超えている。したがって、OUT面の過冷却によって鋳片が復熱し、水平部にて鋳片の反りが発生している。これに対し、NO.16−18では、矯正部のOUT面の二次冷却水量Wcが、2.5≦Wc[m3/m2・hr]≦5.0であり、三重点割れおよび鋳片の反りが発生していない。よって、本発明では、矯正部14のOUT面の二次冷却水量Wcを、2.5≦Wc[m3/m2・hr]≦5.0とし、三重点割れおよび鋳片の反り防止している。
NO.15では、矯正部14のOUT面の二次冷却水量Wcが、2.5[m3/m2・hr]未満である。したがって、OUT面の強冷却が不十分で、台形変形を抑制できず、三重点割れが発生している。NO.19では、矯正部のOUT面の二次冷却水量Wcが、5.0[m3/m2・hr]を超えている。したがって、OUT面の過冷却によって鋳片が復熱し、水平部にて鋳片の反りが発生している。これに対し、NO.16−18では、矯正部のOUT面の二次冷却水量Wcが、2.5≦Wc[m3/m2・hr]≦5.0であり、三重点割れおよび鋳片の反りが発生していない。よって、本発明では、矯正部14のOUT面の二次冷却水量Wcを、2.5≦Wc[m3/m2・hr]≦5.0とし、三重点割れおよび鋳片の反り防止している。
<NO.20−24について>
NO.20では、幅切り部Lの鋳片幅Wに対する比である幅切り条件L/Wが、0.10未満である。したがって、コーナー部の冷却が十分でなく、台形変形が抑制できずに三重点割れが発生している。NO.24では、幅切り部Lの鋳片幅Wに対する比である幅切り条件L/Wが、0.25を超えている。したがって、IN面の強冷却の範囲が広いため、IN側の緩冷却による鋳片の復熱膨張効果が無く、三重点割れが発生している。これに対し、NO.21−23では、幅切り部Lの鋳片幅Wに対する比である幅切り条件L/Wが、0.10≦L/W≦0.25であり、三重点割れを防止していない。よって、本発明では、幅切り条件L/Wを、0.10≦L/W≦0.25とし、三重点割れを防止している。
NO.20では、幅切り部Lの鋳片幅Wに対する比である幅切り条件L/Wが、0.10未満である。したがって、コーナー部の冷却が十分でなく、台形変形が抑制できずに三重点割れが発生している。NO.24では、幅切り部Lの鋳片幅Wに対する比である幅切り条件L/Wが、0.25を超えている。したがって、IN面の強冷却の範囲が広いため、IN側の緩冷却による鋳片の復熱膨張効果が無く、三重点割れが発生している。これに対し、NO.21−23では、幅切り部Lの鋳片幅Wに対する比である幅切り条件L/Wが、0.10≦L/W≦0.25であり、三重点割れを防止していない。よって、本発明では、幅切り条件L/Wを、0.10≦L/W≦0.25とし、三重点割れを防止している。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。そして、本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
本発明は、連続鋳造機の矯正部において鋳片が台形変形するのを抑制することにより、連続鋳造スラブの三重点割れを抑制し、内部品質が良好な連鋳スラブを提供できる。
3 鋳型
11 垂直部
12 曲げ部
13 円弧部
14 矯正部
15 水平部
100 連続鋳造機
11 垂直部
12 曲げ部
13 円弧部
14 矯正部
15 水平部
100 連続鋳造機
Claims (1)
- 垂直曲げ型又は曲げ型の連続鋳造機を用いてスラブ連続鋳造を行う際に、鋳型の上端内寸短片長さDを240〜320[mm]とし、鋳型の上端内寸長片長さWを1500〜2200[mm]とし、溶鋼中の炭素濃度を0.07〜0.20[mass%]とし、鋳造速度Vを0.7〜1.3[m/min]とした連続鋳造方法において、
矯正部に入るまでの鋳片表面温度を850℃以下とし、
矯正部のIN面の鋳片両端部からLまでの幅切り部の二次冷却水量Waを、2.5≦Wa[m3/m2・hr]≦5.0(ただし、0.10≦L/W≦0.25)とし、
矯正部のIN面の幅切り部間の二次冷却水量Wbを、0≦Wb[m3/m2・hr]≦0.5とし、
矯正部のOUT面の二次冷却水量Wcを、2.5≦Wc[m3/m2・hr]≦5.0とすることを特徴とする連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016224425A JP2018079499A (ja) | 2016-11-17 | 2016-11-17 | 三重点割れを抑制できる連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016224425A JP2018079499A (ja) | 2016-11-17 | 2016-11-17 | 三重点割れを抑制できる連続鋳造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018079499A true JP2018079499A (ja) | 2018-05-24 |
Family
ID=62197486
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016224425A Pending JP2018079499A (ja) | 2016-11-17 | 2016-11-17 | 三重点割れを抑制できる連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018079499A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115090848A (zh) * | 2022-06-15 | 2022-09-23 | 河钢乐亭钢铁有限公司 | 防止连铸过程铸坯弯曲变形的工艺方法 |
-
2016
- 2016-11-17 JP JP2016224425A patent/JP2018079499A/ja active Pending
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