JP6019842B2 - 波長変換部材の製造方法、波長変換部材及び発光デバイス - Google Patents

波長変換部材の製造方法、波長変換部材及び発光デバイス Download PDF

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Description

本発明は、波長変換部材の製造方法、波長変換部材及び発光デバイスに関する。
従来、励起光が入射したときに、励起光とは異なる波長の蛍光を出射する波長変換部材が知られている。特許文献1には、波長変換部材の一例として、ガラスマトリクス中に無機蛍光体粉末を分散させた波長変換部材が提案されている。
特開2003−258308号公報
近年、波長変換部材から出射される蛍光の強度をさらに高めたいという要望がある。蛍光の強度を高める方法としては、波長変換部材における蛍光体の濃度を高める方法が考えられる。しかしながら、蛍光体の濃度を高めた場合であっても、波長変換部材から出射される蛍光の強度を十分に高めることができない場合がある。
本発明の目的は、高強度な蛍光を出射できる波長変換部材を提供することを主な目的とする。
本発明に係る波長変換部材の製造方法では、ガラス粉末と無機蛍光体粉末とを含む生のセラミック素体を用意する。生のセラミック素体を焼成することにより、ガラスマトリクスとガラスマトリクス中に配された無機蛍光体粉末とを備える波長変換部材を得る焼成工程を行う。焼成工程において、生のセラミック素体を、ガラスの粘度が、10dPa・s以下となる温度まで加熱する。
本発明に係る波長変換部材の製造方法において、生のセラミック素体におけるガラス粉末と無機蛍光体粉末との比((ガラス粉末):(無機蛍光体粉末))を、体積%で90:10〜40:60の範囲内とすることが好ましい。
本発明に係る波長変換部材の製造方法において、無機蛍光体粉末の屈折率が、ガラスマトリクスの屈折率よりも高いことが好ましい。
本発明に係る波長変換部材は、ガラスマトリクスと、無機蛍光体粉末とを備える。無機蛍光体粉末は、ガラスマトリクス中に配されている。ガラスマトリクスの表層における無機蛍光体粉末の濃度が、ガラスマトリクスの中央部における無機蛍光体粉末の濃度よりも低い。
本発明に係る波長変換部材では、ガラスマトリクスの表層において、ガラスマトリクスの中央側から表面側に向かって、無機蛍光体粉末の濃度が漸減していてもよい。
本発明に係る波長変換部材では、無機蛍光体粉末の屈折率が、ガラスマトリクスの屈折率よりも高いことが好ましい。
本発明に係る波長変換部材では、ガラスマトリクスにおける無機蛍光体粉末の含有量は、10体積%〜60体積%の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る発光デバイスは、上記波長変換部材と、光源とを備える。光源は、波長変換部材に無機蛍光体粉末の励起波長の光を照射する。
本発明によれば、高強度な蛍光を出射できる波長変換部材を提供することができる。
本発明の一実施形態における波長変換部材の略図的断面図である。 本発明の一実施形態における発光デバイスの模式図である。 本発明の一実施形態における生のセラミック素体の略図的断面図である。 実施例1において作製した波長変換部材の表面の写真である。 比較例1において作製した波長変換部材の表面の写真である。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
また、実施形態等において参照する各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照することとする。また、実施形態等において参照する図面は、模式的に記載されたものである。図面に描画された物体の寸法の比率などは、現実の物体の寸法の比率などとは異なる場合がある。図面相互間においても、物体の寸法比率等が異なる場合がある。具体的な物体の寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
(波長変換部材1)
図1は、本実施形態における波長変換部材1の略図的断面図である。波長変換部材1の形状寸法は、波長変換部材1が用いられるデバイスの形状寸法などに応じて適宜設定することができる。波長変換部材1は、例えば、平面形状が矩形状や円形状である板状であってもよい。
図1に示されるように、波長変換部材1は、ガラスマトリクス11と無機蛍光体粉末12とを備える。
ガラスマトリクス11は、無機蛍光体粉末12の分散媒として好適なものである限りにおいて特に限定されない。ガラスマトリクス11は、例えば、硼珪酸塩系ガラスや、SnO−P系ガラスなどのリン酸塩系ガラスなどにより構成することができる。ガラスマトリクス11の屈折率は、1.45〜2.00であることが好ましく、1.47〜1.90であることが好ましい。ガラスマトリクス11の軟化点は、250℃〜1000℃であることが好ましく、300℃〜850℃であることがより好ましい。
無機蛍光体粉末12は、ガラスマトリクス11中に配されている。具体的には、無機蛍光体粉末12は、ガラスマトリクス11中に分散している。
無機蛍光体粉末12は、例えば、酸化物蛍光体、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、塩化物蛍光体、酸塩化物蛍光体、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体、カルコゲン化物蛍光体、アルミン酸塩蛍光体、ハロリン酸塩化物蛍光体、ガーネット系化合物蛍光体から選ばれた1種以上を含むものとすることができる。
波長300nm〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると青色の蛍光を発する無機蛍光体粉末12の具体例としては、例えば、Sr(POCl:Eu2+、(Sr,Ba)MgAl1017:Eu2+などが挙げられる。
波長300nm〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると緑色の蛍光(波長が500nm〜540nmの蛍光)を発する無機蛍光体粉末12の具体例としては、例えば、SrAl:Eu2+、SrGa:Eu2+などが挙げられる。
波長440nm〜480nmの青色の励起光を照射すると緑色の蛍光(波長が500nm〜540nmの蛍光)を発する無機蛍光体粉末12の具体例としては、例えば、SrAl:Eu2+、SrGa:Eu2+などが挙げられる。
波長300nm〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると黄色の蛍光(波長が540nm〜595nmの蛍光)を発する無機蛍光体粉末12の具体例としては、例えば、ZnS:Eu2+などが挙げられる。
波長440nm〜480nmの青色の励起光を照射すると黄色の蛍光(波長が540nm〜595nmの蛍光)を発する無機蛍光体粉末12の具体例としては、例えば、Y(Al,Gd)12:Ce2+、LuAl12:Ce2+、TbAl12:Ce2+、LaSi11:Ce、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu2+、(Si,Al)(O,N):Eu2+、(Sr,Ba)SiO:Eu2+などが挙げられる。
波長300nm〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると赤色の蛍光(波長が600nm〜700nmの蛍光)を発する無機蛍光体粉末12の具体例としては、例えば、GdGa12:Cr3+、CaGa:Mn2+などが挙げられる。
波長440nm〜480nmの青色の励起光を照射すると赤色の蛍光(波長が600nm〜700nmの蛍光)を発する無機蛍光体粉末12の具体例としては、例えば、MgTiO:Mn4+、KSiF:Mn4+、(Ca,Sr)Si:Eu2+、CaAlSiN:Eu2+、(Sr,Ba)SiO:Eu2+、(Sr,Ca,Ba)SiO:Eu2+などが挙げられる。
通常、無機蛍光体粉末12の屈折率は、ガラスマトリクス11を構成しているガラスの屈折率よりも高い。一般的に、無機蛍光体粉末12の屈折率は、ガラスマトリクス11を構成しているガラスの屈折率より0.05以上、さらには0.1以上高いことが多い。
なお、本明細書において、特に断りのない限り、屈折率とは、d線(波長が587.6nmの光)に対する屈折率をいうものとする。
無機蛍光体粉末12の平均粒子径が大きすぎると、発光色が不均一になる場合がある。従って、無機蛍光体粉末12の平均粒子径(D50)は、50μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましい。但し、無機蛍光体粉末12の平均粒子径が小さすぎると、発光強度が低下する場合がある。従って、無機蛍光体粉末12の平均粒子径は、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。
なお、本明細書において、平均粒子径は、平均粒子径(D50)を意味する。
波長変換部材1における無機蛍光体粉末12の含有量は、所望する蛍光体の強度等に応じて適宜設定することができる。高強度の蛍光を得る観点からは、波長変換部材1における無機蛍光体粉末12の含有量は、10体積%以上であることが好ましく、20体積%以上であることがより好ましく、30体積%以上であることがさらに好ましい。但し、無機蛍光体粉末12の含有量が高すぎると、波長変換部材1の強度が低くなりすぎる場合がある。従って、波長変換部材1における無機蛍光体粉末12の含有量は、60体積%以下であることが好ましく、50体積%以下であることがより好ましい。
波長変換部材1の形状寸法は、波長変換部材1が用いられるデバイスの形状寸法などに応じて適宜設定することができる。波長変換部材1は、例えば、平面形状が矩形状や円形状である板状であってもよい。波長変換部材1における励起光や蛍光の吸収を抑制する観点から、波長変換部材1の厚みは、1mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましく、0.3mm以下であることがさらに好ましい。但し、波長変換部材1の厚みが小さすぎると、無機蛍光体粉末12の量が少なくなりすぎる場合がある。また、波長変換部材1の強度が低下する場合がある。従って、波長変換部材1の厚みは、0.03mm以上であることが好ましい。
波長変換部材1は、少なくとも一つの光入出面を有する。本実施形態においては、ガラスマトリクス11の第1の主面11aが光入出面を構成している。
上述のように、波長変換部材は、屈折率が高い無機蛍光体粉末を含む。通常、波長変換部材の表面には、無機蛍光体粉末が露出している。すなわち、波長変換部材の表面には、ガラスマトリクスにより構成された領域と、無機蛍光体粉末により構成された領域とが含まれる。上述の通り、無機蛍光体粉末は、ガラスマトリクスよりも高い屈折率を有する。このため、波長変換部材の表面の無機蛍光体粉末により構成された領域における光反射率は、波長変換部材の表面のガラスマトリクスにより構成された領域における光反射率よりも高い。よって、励起光の波長変換部材内への入射効率が低くなったり、蛍光の波長変換部材からの出射効率が低くなったりする。これに伴い、得られる蛍光の強度が低くなる場合がある。例えば、得られる蛍光の濃度を高くしようとして無機蛍光体粉末の含有量を増やした場合は、波長変換部材の光入出面における無機蛍光体粉末の占める割合が高くなる。従って、波長変換部材の光入出面に光反射率の高い部分が増加し、期待したほど蛍光の強度を向上できない場合がある。
ここで、波長変換部材1では、ガラスマトリクス11の表層における無機蛍光体粉末12の濃度が、ガラスマトリクス11の中央部における無機蛍光体粉末12の濃度よりも低い。具体的には、ガラスマトリクス11の光入出面である第1の主面11a側の表層における無機蛍光体粉末12の濃度が、ガラスマトリクス11の厚み方向の中央部における無機蛍光体粉末12の濃度よりも低い。このため、例えば、ガラスマトリクスの全体に無機蛍光体粉末が均一に分散している場合と比較して、光入出面を構成している第1の主面11aにおいて無機蛍光体粉末12が占める面積割合が小さい。よって、ガラスマトリクス11の表層における屈折率を低くできる。従って、ガラスマトリクス11の第1の主面11aにおける光反射率を低減することができる。
以上のように、波長変換部材1では、無機蛍光体粉末12の含有量を高めた場合であっても、第1の主面11aにおける光反射率を低減できる。このため、励起光の入射率や蛍光の出射率を高めることができる。従って、蛍光の高い出射強度を実現することができる。
無機蛍光体粉末12の屈折率が、ガラスマトリクス11の屈折率に対して高いほど、無機蛍光体粉末12の含有量を高めた場合の第1の主面11aの光反射率が増大しやすいため、本発明の効果が享受しやすい。具体的には、本実施形態の蛍光の出射強度を高め得る本実施形態の技術は、無機蛍光体粉末12の屈折率が、ガラスマトリクス11の屈折率よりも0.05以上高いときにより有用であり、0.1以上高いときにさらに有用である。
また、無機蛍光体粉末12の含有量が高いほど、無機蛍光体粉末12の含有量を高めた場合の第1の主面11aの光反射率が増大しやすい。このため、本実施形態の蛍光の出射強度を高め得る本実施形態の技術は、ガラスマトリクス11における無機蛍光体粉末12の含有量が10体積%以上である場合により有用であり、30体積%以上である場合にさらに有用であり、40体積%以上である場合に特に有用である。
ガラスマトリクス11の第1の主面11a側の表層は、無機蛍光体粉末12を実質的に含んでいなくてもよい。この場合は、第1の主面11aにおける光反射率をより低くすることができる。但し、ガラスマトリクス11の表層において、ガラスマトリクス11の中央側から表面側に向かって無機蛍光体粉末12の濃度が漸減していてもよい。
なお、本実施形態では、波長変換部材1の一方の主面のみが光入出面である例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。波長変換部材は、2つ以上の光入出面を有していてもよい。その場合、2つ以上の光入出面を構成している表層の少なくとも一つにおいて無機蛍光体粉末の含有量が低くされていればよく、すべての表層において無機蛍光体粉末の含有量が低くされていることがより好ましい。
(発光デバイス2)
図2に波長変換部材1を用いた発光デバイス2を示す。図2に示されるように、発光デバイス2は、光源30と、波長変換部材1とを有する。光源30は、波長変換部材1に無機蛍光体粉末12の励起波長の光L1を照射する。光L1が波長変換部材1に入射すると、無機蛍光体粉末12が光L1を吸収し、蛍光L2を出射する。波長変換部材1の光源30とは反対側には反射部材50が設けられているため、蛍光L2は、光源30側に向けて出射される。蛍光L2は、光源30と波長変換部材1との間に配されたビームスプリッタ40により反射され、発光デバイス2から取り出される。
上述のように、波長変換部材1は、高強度の蛍光を出射するため、高強度の光を出射できる発光デバイス2を実現することができる。
(波長変換部材1の製造方法)
波長変換部材1の製造方法は、特に限定されない。波長変換部材1は、例えば、以下の方法により製造することができる。
まず、ガラス粉末と無機蛍光体粉末12とを含む生のセラミック素体3(図3を参照)を用意する。なお、図3においては、描画の便宜上、無機蛍光体粉末12のみを図示しており、ガラス粉末は図示していない。
生のセラミック素体3において、ガラス粉末と無機蛍光体粉末12との比((ガラス粉末):(無機蛍光体粉末12))は、体積%で、90:10〜40:60の範囲内にあることが好ましい。
ガラス粉末の平均粒子径(D50)は100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。ガラス粉末の平均粒子径が大きすぎると、波長変換部材1中における無機蛍光体粉末12の分散状態に劣り、発光色にばらつきが生じやすくなる。なお、ガラス粉末の平均粒子径(D50)の下限については特に限定されないが、ガラス粉末の平均粒子径が小さくなりすぎると、製造コストが高騰しやすくなるため、0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。
生のセラミック素体3は、例えば、以下の要領で作製することができる。まず、ガラス粉末と無機蛍光体粉末12とを含むセラミックグリーンシートを作製する。次に、そのセラミックグリーンシートを複数枚積層し、必要に応じて切断及びプレスを適宜行うことにより、生のセラミック素体3を完成させることができる。なお、作製しようとする生のセラミック素体3の厚みに対して、セラミックグリーンシートの厚みが十分に厚い場合は、1枚のセラミックグリーンシートにより生のセラミック素体3を構成してもよい。
次に、生のセラミック素体3を焼成することにより、波長変換部材1を作製する。この焼成工程において、生のセラミック素体3を、ガラスの粘度が10dPa・s以下となる温度にまで加熱する。そうすることにより、ガラスの流動が促進され、無機蛍光体粉末12が移動(沈降)しやすくなる。その結果、ガラスマトリクス11の表層における無機蛍光体粉末12の濃度が、ガラスマトリクス11の中央部における無機蛍光体粉末12の濃度よりも低い波長変換部材1を得ることができる。ガラスマトリクス11の表層における無機蛍光体粉末12の濃度をより低くする観点からは、焼成工程において、生のセラミック素体3を、ガラスの粘度が、106.5dPa・s以下となる温度にまで加熱することがより好ましく、10dPa・s以下となる温度にまで加熱することがさらに好ましい。但し、焼成工程における生のセラミック素体3の加熱温度が高すぎると、得られる波長変換部材1の形状精度が低くなりすぎる場合がある。また、無機蛍光体粉末12が劣化して蛍光強度が低下する場合がある。このため、焼成工程における生のセラミック素体3の加熱最高温度は、ガラスの粘度が10dPa・s以上となる温度であることが好ましく、10dPa・s以上となる温度であることがより好ましい。
また、例えば、波長変換部材1は、以下の方法によって製造することもできる。まず、ガラス粉末と無機蛍光体粉末とを含む第1のセラミックグリーンシートと、第1のセラミックグリーンシートよりも無機蛍光体粉末の含有量が少ない第2のセラミックグリーンシートとを用意する。第2のセラミックグリーンシートは、無機蛍光体粉末を実質的に含んでいなくてもよい。
次に、表層が第2のセラミックグリーンシートにより構成されるように、第1のセラミックグリーンシートと第2のセラミックグリーンシートとを適宜積層し、生のセラミック素体3を作製する。また、第1のセラミックグリーンシートと第2のセラミックグリーンシートとの間に、無機蛍光体粉末の濃度が第1のセラミックグリーンシートにおける同濃度と、第2のセラミックグリーンシートにおける同濃度との間にあるセラミックグリーンシートをさらに介在させてもよい。
次に、生のセラミック素体3を焼成することにより波長変換部材1を完成させることができる。なお、この製造方法においては、生のセラミック素体3の焼成温度は特に限定されない。
この製造方法は、ガラスマトリクス11の表層に無機蛍光体粉末が実質的に含まれない波長変換部材の製造に特に好適である。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実施例1)
モル%でSiO:58%、Al:6%、B:17%、LiO:8%、NaO:8%、KO:3%となるように原料を調合し、溶融急冷法によってフィルム状にガラスを成形した。得られたガラスフィルムを、ボールミルを用いて湿式粉砕し、平均粒子径(D50)が2μmであるガラス粉末を得た。
得られたガラス粉末と、平均粒子径(D50)が15μmであるYAG(Yttrium Aluminum Garnet,YAl12)の蛍光体の粉末とを、ガラス粉末:YAGの蛍光体粉末とが60体積%:40体積%となるように、振動混合機を用いて混合した。得られた混合粉末50gに結合剤、可塑剤、溶剤などを適量添加し、24時間混練することによりスラリーを得た。このスラリーを、ドクターブレード法を用いてポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、乾燥させることにより、セラミックグリーンシートを作製した。ブレードのギャップは200μmとした。得られたセラミックグリーンシートの厚みは100μmとなった。
次に、得られたセラミックグリーンシートを、大気中において、500℃で1時間脱脂処理した。その後、脱脂処理したセラミックグリーンシートを680℃(最高温度)で20分間焼成することにより、波長変換部材を作製した。焼成後において、波長変換部材の厚みが80μmであった。
なお、本実施例において用いたガラスの680℃における粘度は、106.07dPa・sであった。
(比較例1)
セラミックグリーンシートを600℃(最高温度)で20分間焼成したこと以外は、実施例1と実質的に同様の構成を有する波長変換部材を実質的に同様の方法で作製した。
なお、本比較例において用いたガラスの600℃における粘度は、108.22dPa・sであった。
(実施例2)
モル%でSiO:18%、B:38%、BaO:3%、SrO:7%:ZnO:15%、LiO:13%、ZrO:1%、La:5%となるように原料を調合し、溶融急冷法によってフィルム状にガラスを成形した。得られたガラスフィルムを、ボールミルを用いて湿式粉砕し、平均粒子径(D50)が2μmであるガラス粉末を得た。
得られたガラス粉末と、平均粒子径(D50)が15μmであるYAGの蛍光体の粉末とを、ガラス粉末:YAGの蛍光体粉末とが60体積%:40体積%となるように、振動混合機を用いて混合した。得られた混合粉末50gに結合剤、可塑剤、溶剤などを適量添加し、24時間混練することによりスラリーを得た。このスラリーを、ドクターブレード法を用いてポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、乾燥させることにより、セラミックグリーンシートを作製した。ブレードのギャップは200μmとし、得られたセラミックグリーンシートの厚みは100μmとなった。
次に、得られたセラミックグリーンシートを、大気中において、500℃で1時間脱脂処理した。その後、脱脂処理したセラミックグリーンシートを630℃(最高温度)で20分間焼成することにより、波長変換部材を作製した。焼成後において、波長変換部材の厚みが80μmであった。
なお、本実施例において用いたガラスの630℃における粘度は、105.84dPa・sであった。
(比較例2)
セラミックグリーンシートを550℃(最高温度)で20分間焼成したこと以外は、実施例2と実質的に同様の構成を有する波長変換部材を実質的に同様の方法で作製した。
なお、本比較例において用いたガラスの550℃における粘度は、107.65dPa・sであった。
(蛍光強度測定)
実施例1,2及び比較例1,2のそれぞれにおいて作製した各サンプルに、反射基板(マテリアルハウス社製のMIRO−SILVER)を、接着剤(信越化学工業社製の高反射樹脂)を用いて貼付し、測定サンプルを作製した。測定サンプルを15℃に設定したペルチェ素子上に固定し、出力が30Wであり、波長440nmの青色レーザー光を測定サンプルに照射した。その際に得られた蛍光を、光ファイバーを通して小型分光器(USB−4000、オーシャンオプティクス社製)で受光し、発光スペクトルを得た。発光スペクトルから、得られた蛍光の強度を求めた。結果を下記の表1に示す。
なお、表1に示す軟化点は、以下のようにして測定した。
軟化点:リガク社製TAS−200を用いて測定した。
全光線反射率:350nm〜800nmの波長範囲において、島津製作所社製UV2500PCを用いて測定した。
(無機蛍光体粉末の含有量)
実施例1,2及び比較例1,2のそれぞれにおいて作製した各サンプルの側面を研磨し、断面が露出したサンプルを作製した。そのサンプルを電子顯微鏡により観察し、表層における無機蛍光体粉末の含有量と、中央部における無機蛍光体粉末の含有量とを観察した。
その結果、実施例1,2では、表層における無機蛍光体粉末の含有量が、中央部における無機蛍光体粉末の含有量よりも少ないことが確認された。一方、比較例1,2では、表層における無機蛍光体粉末の含有量と、中央部における無機蛍光体粉末の含有量とが実質的に同じであることが確認された。この結果から、焼成工程において、生のセラミック素体を、ガラスの粘度が10dPa・s以下となる温度まで加熱することにより、表層における無機蛍光体粉末の含有量を、中央部における無機蛍光体粉末の含有量よりも少なくできることが分かる。また、図4に示す実施例1において作製した波長変換部材の表面の写真と、図5に示す比較例1において作製した波長変換部材の表面の写真との比較によっても、焼成工程において、生のセラミック素体を、ガラスの粘度が10dPa・s以下となる温度まで加熱することにより、表層における無機蛍光体粉末の含有量を、中央部における無機蛍光体粉末の含有量よりも少なくできることが分かる。表1に、実施例1,2及び比較例1,2のそれぞれにおいて作製した波長変換部材の表面の写真から算出した波長変換部材の表面に占める無機蛍光体粉末の面積比を示す。
表1に示す結果から、表層における無機蛍光体粉末の含有量が、中央部における無機蛍光体粉末の含有量よりも少ない実施例1,2では、表層における無機蛍光体粉末の含有量と、中央部における無機蛍光体粉末の含有量とが実質的に等しい比較例1,2よりも高強度の蛍光が得られた。
1…波長変換部材
2…発光デバイス
3…生のセラミック素体
11…ガラスマトリクス
11a…第1の主面(光入出面)
12…無機蛍光体粉末
30…光源
40…ビームスプリッタ
50…反射部材

Claims (4)

  1. ガラス粉末と無機蛍光体粉末とを体積%で90:10〜40:60の範囲内の比率((ガラス粉末):(無機蛍光体粉末))で含むセラミックグリーンシートを用意する工程と、
    前記セラミックグリーンシートを焼成することにより、ガラスマトリクスと前記ガラスマトリクス中に配された前記無機蛍光体粉末とを備え、前記無機蛍光体粉末の屈折率が前記ガラスマトリクスの屈折率より0.05以上高い波長変換部材を得る焼成工程と、
    を備え、
    前記焼成工程において、前記セラミックグリーンシートを、前記ガラスの粘度が、10 dPa・s以上、10dPa・s以下となる温度まで加熱する、波長変換部材の製造方法。
  2. 離れて設けられた光源からの励起光を光入射面から入射させ、前記励起光とは異なる波長の蛍光を出射する波長変換部材であって、
    ガラスマトリクスと、
    前記ガラスマトリクス中に配された、前記ガラスマトリクスの屈折率より0.05以上高い屈折率を有する無機蛍光体粉末と、
    を備え、
    前記ガラスマトリクスにおける前記無機蛍光体粉末の含有量は、10体積%〜60体積%の範囲内であり、
    前記ガラスマトリクスの前記光入射面側の表層における前記無機蛍光体粉末の濃度が、前記ガラスマトリクスの中央部における前記無機蛍光体粉末の濃度よりも低い、波長変換部材。
  3. 前記ガラスマトリクスの表層において、前記ガラスマトリクスの中央側から表面側に向かって、前記無機蛍光体粉末の濃度が漸減している、請求項に記載の波長変換部材。
  4. 請求項2または3に記載の波長変換部材と、
    前記波長変換部材から離れて設けられ、前記波長変換部材に前記無機蛍光体粉末の励起波長の光を照射する光源と、
    を備える、発光デバイス。
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