JP6017385B2 - 発光体及びコア−シェル発光体前駆体 - Google Patents

発光体及びコア−シェル発光体前駆体 Download PDF

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Description

本発明は、テルビウムがドープ処理されているランタン及び/またはセリウムの混合リン酸塩を主成分とする新しいタイプの緑色発光体及びこの新規発光体の製造方法に関する。
テルビウムがドープ処理されているランタン及び/またはセリウムの混合リン酸塩(本明細書中ではその一般的な頭文字“LAP”で示す)は、概略的に部位の幾つかではランタンカチオンがテルビウムカチオンで置換されており、他のランタン部位は完全にまたは部分的にセリウムイオンで置換されていてもよいリン酸ランタンLaPOの構造を有している公知化合物である。これに関連して、ランタン、テルビウム及びセリウムの混合リン酸塩(以下、“セリウムLAP”と呼ぶ)及びランタン及びテルビウムの混合リン酸塩(以下、“セリウム非含有LAP”と呼ぶ)を特に挙げることができる。これらの混合リン酸塩のルミネセンス特性については十分知られている。より具体的には、これらの混合リン酸塩は可視範囲の波長以下の波長を有するある高エネルギー放射線(照明またはディスプレイシステムのためにはUVまたはVUV放射線)を照射したとき明るい緑色の光を発する。この特性を利用する発光体は工業規模で、特に三原色蛍光ランプ、液晶ディスプレイ用背面照明システムまたはプラズマシステムにおいて通常使用されている。
これに関連して、70年代の始め以来ランタン、セリウム及びテルビウムを各種濃度で含有しているLAPを主成分とする多くの発光体が開発されてきた。ルミネセンスポテンシャルを助長及び/または更に向上させる目的で、これらの製品に場合によりあるドーパント元素(Li、Na、K、Th、B等)を添加することができる。
LAPの製造を目的とする多くの方法が文献に記載されている。この主題に関して、酸化物の混合物または混合酸化物のリン酸化をジアンモニウムの存在下で実施する比較的時間がかかり複雑な“乾式”方法として公知の方法を記載しているJP 62007785、WO 8204438、JP 62089790、JP 59179578およびJP 62000579、または希土類金属の混合リン酸塩または希土類金属のリン酸塩の混合物の合成を液体媒体中で実施するより直接的な“湿式”方法を記載しているJP 57023674、JP 60090287およびJP 62218477またはUS 3507804を特に参照されたい。
約1100℃の高温、還元雰囲気下、通常溶融剤の存在下での熱処理を要する各種合成により、ルミネセンスに使用するための混合リン酸塩が生ずる。実際、混合リン酸塩が有効な緑色発光体であるには、テルビウム及び適当ならばセリウムが3+酸化状態にあることが必要である。
上記した乾式及び湿式方法は、調節されていない粒度、特に十分に小さくない粒度を有する発光体を生ずるという欠点を有している。このために、フラックスを用いる還元雰囲気下での高温加熱活性化処理の必要が更に強調される。この処理により、通常粒度が更に乱され、よって粒度が均質でない発光体粒子が生じ、加えて特にフラックスの使用に関連して多量または少量の不純物を含有する恐れがあり、最終的に不十分なルミネセンス性能しか呈さない。
上記欠点を解消するために、狭い粒度部分でLAPの粒度を改善し、特に高性能発光体を得ることができる方法がEP 581 621において提案されている。特に、小さい粒度を有する粒子を得ることができると、蛍光ランプ中に薄い均質層からなるコーティングを作成することができる。一方、小さい粒度が得られると、発光体のルミネセンス特性、特に輝度を最適化することができる。更に、EP 581 621の方法により、フラックス及び/または還元雰囲気の使用を必ずしも必要としない熱処理により有効な発光体に変換することができる前駆体が生ずる。
これらの改善を考慮すると、LAP粒子は非常に良好な発光体であることが分かる。しかしながら、様々な作用効果以外に、特にコストが高い、特にテルビウムの使用に伴ってコストが高いという問題が残っている。
特開昭62−007785号公報 国際公開第8204438号明細書 特開昭62−089790号公報 特開昭59−179578号公報 特開昭62−000579号公報 特開昭57−023674号公報 特開昭60−090287号公報 特開昭62−218477号公報 米国特許第3507804号明細書 欧州特許出願公開第581 621号明細書
本発明の目的は、EP581 621に記載されている発光体のタイプの現在公知の発光体の利点を有しているが、コストが安い発光体を提供することである。
この目的のために、第1の態様によれば、本発明は、特に場合によりテルビウムがドープ処理されているランタン及び/またはセリウムの混合リン酸塩(LAP)を主成分とし、1.5〜15ミクロン、典型的には3〜10ミクロンの平均直径を有する粒子を含む新規な発光体前駆体(P)を提供し、前記粒子は、
−通常リン酸塩または無機酸化物を主成分とする無機コア;及び
−場合によりテルビウムがドープ処理されているランタン及び/またはセリウムの混合リン酸塩(LAP)を主成分とし、300nm以上、特に0.3〜1ミクロン(例えば、0.5〜1.8ミクロン)の厚さで前記無機コアを均質に覆っているシェル;
からなる。
本発明はまた、900℃以上の温度で熱処理することにより上記前駆体を変換することにより得られるような新規な発光体(L)に関する。このベースの前駆体の組成と比較的に類似している一般的組成を有している発光体(L)は1.5〜15ミクロン、典型的には3〜10ミクロンの平均直径を有する粒子を含み、前記粒子は、
−通常リン酸塩または無機酸化物を主成分とする無機コア;及び
−場合によりテルビウムがドープ処理されているランタン及び/またはセリウムの混合リン酸塩(LAP)を主成分とし、300nm以上、特に0.3〜1ミクロンの厚さで前記無機コアを均質に覆っているシェル;
からなる。
発光体は前駆体(P)について最適化ルミネセンス特性を有している。
特に、本発明の発光体(L)は通常、例えばEP581 621に記載されている発光体の輝度に類似している非常に良好な輝度を有している。
発光体の輝度は、発光体より放出される光子の数/励起ビームを構成する光子の数の比に相当する光子の変換収率により定量化され得る。発光体の変換収率は、UVまたはVUV範囲の励起下で、通常280nm以下の波長での光子の放出を電磁波スペクトルの可視範囲で測定することにより評価される。次いで、得られた輝度の値(380〜780nmで統合される発光強度)を基準発光体の値と比較する。
本発明の発光体(L)は、通常EP581 621の実施例3からの発光体の変換率に類似の変換率を有している。
本発明の前駆体(P)及び発光体(L)において、粒子の容量の大部分を占めている無機コアの特有の存在を考慮すると、使用されているLAPの量が現在公知のバルク発光体粒子に比して少なく、コストがかなり低減される。
しかしながら、内部構造の違いは別として、本発明の発光体はEP581 621に記載されているタイプの現在公知のLAPを主成分とする発光体の特性に類似の特性を有している。
特に、非発光体コアの存在は本発明の発光体(L)のルミネセンス特性を全くまたは僅かしか損なわない。多くの場合、バルク粒子で得られるものに類似しているルミネセンス特性(特に、輝度)が得られる。これに関連して、本発明者らの研究から、300nm以上、好ましくは少なくとも400nmの厚さのLAPシェルを非発光体材料上に堆積すると、LAPのみから構成されている同一のサイズ及び形態を有するバルク材料に類似のルミネセンス特性が得られることを確認することができる。
更に、1.5〜15ミクロン(例えば、3〜10ミクロン)の平均粒子直径で、本発明の発光体(L)は現在使用されている発光体粒子のもののオーダーの平均粒子直径を有している。
換言すると、本発明のコア/シェル構造を有する発光体(L)は、EP581 621に記載されているタイプの現在公知の特に有利な発光体に概ね類似しているが、ルミネセンス特性にとって無用な最内LAPがより安価な無機材料で置換されているものと見なされ得る。
本発明者らは、今回、上記タイプの構造を有する、すなわち無機コアが300nm以上の厚さの均質なLAPシェルで被覆されている発光体(L)を経済的に、再現可能に且つ管理された方法で実際に得ることができることを知見した。上記コア/シェル構造を得る手段を提供したのは本発明が最初である。
この目的のために、本発明は、より具体的には、以下のステップ(A)及び(B)を連続して含む上記発光体(L)の製造方法を提供する:
(A)ランタン及び/またはセリウム及び場合によりテルビウムの可溶性塩の水溶液(s)を、徐々に及び連続的に、攪拌下、その後起こる混合リン酸塩の沈降反応の間反応媒体のpHをほぼ一定の値に、初期pH(pH)の両側において多くとも0.5pH単位しか変動させずに維持しながら、分散状態にある無機物質を主成分とする初期粒子(p)及びリン酸イオンを当初含む、pH1〜5、特に1〜2を有する水性媒体(m)に添加して、ランタン及び/またはセリウム及び場合によりテルビウムの混合リン酸塩のコアの表面上に堆積された無機物質を主成分とするコアを含む粒子を得ること;次いで
(B)得られた粒子を反応媒体から分離し、400〜900℃、好ましくは少なくとも600℃に等しい温度で熱処理すること。
本発明はまた、前駆体(P)を900℃以上、有利には少なくとも1000℃の温度で熱処理するステップ(C)を含む上記前駆体(P)からの発光体(L)の製造方法も提供する。
本発明の方法の非常に特殊な条件により、ステップ(B)の終了時に、粒子(p)の表面上に形成された混合リン酸塩が均質シェルの形態で優先的に(多くの場合、準排他的または排他的に)配置されるようになる。
混合リン酸塩は沈降すると、異なる形態を形成し得る。製造条件に応じて、粒子(p)の表面上に均質な被覆を形成する針状粒子(“ウニスピン形態”として公知の形態、図3参照)の形成または球状粒子(“カリフラワー形態”として公知の形態、図7参照)の形成を特に観察することができる。
ステップ(B)の熱処理の影響で、この形態は本質的に保持されている。ステップ(C)において、この形態は条件に応じてより滑らかになるように変化する。
実施例3で得た粉末の回折図である。 実施例3で得た粉末の回折図の拡大図である。 実施例3で得た粉末のSEM顕微鏡写真である。 実施例3で得た粉末の粒子の超薄切片法により作成した切片のTEM顕微鏡写真である。 実施例4で得た粉末のSEM顕微鏡写真である。 実施例4で得た粉末の粒子の超薄切片法により作成した切片のTEM顕微鏡写真である。 実施例5で得た粉末のSEM顕微鏡写真である。 実施例9で得た発光体の発光スペクトルである。 実施例17で得た発光体のSEM顕微鏡写真である。
本発明の方法、並びに前駆体(P)及び発光体(L)の各種の有利な実施形態及び特徴をより詳細に説明する。
ステップ(A)
本発明の方法のステップ(A)において、ランタン及び/またはセリウム及びテルビウムの混合リン酸塩の直接沈降は、ランタン及び/またはセリウム及び場合によりテルビウムの可溶性塩の溶液(s)をリン酸イオンを含有する媒体(m)と制御pH下で反応させることにより実施される。
更に、特徴的に、ステップ(A)で使用される特定の条件であれば沈降する混合リン酸塩が付着する表面へのステップ(A)における沈降は、最初媒体(m)中に分散状態で存在しておりおよび通常典型的には媒体を攪拌し続けることによりステップ(A)を通して分散状態に保持されている粒子(p)の存在下で実施される。
粒子(p)の的確な種類は比較的広い範囲で変更可能である。しかしながら、等方性の形態、好ましくはほぼ球形の形態を有する粒子が有利である。
粒子(p)の材料は特に酸化物またはリン酸塩であり得る。
酸化物の中で、特にジルコニウム、亜鉛、チタン、アルミニウム及び希土類金属の酸化物(特に、Y、Cd及びCeO)が挙げられ得る。
リン酸塩の中で、希土類元素のリン酸塩、例えばリン酸ランタン、リン酸ランタンセリウム、シェル材料よりもTbイオンによるドープ処理が少ない(La,Ce,Tb)リン酸塩、リン酸イットリウム並びに希土類またはアルミニウムポリリン酸塩が挙げられ得る。
更に、他の無機化合物、例えばバナジン酸塩(YVO)、ゲルマニウム酸塩、シリカ、ケイ酸塩、タングステン酸塩、モリブデン酸塩、アルミン酸塩(BaMgAl1017)、硫酸塩(BaSO)、ホウ酸塩(YBO、GdBO)、炭酸塩及びチタン酸塩(例えば、BaTiO)が適当である。
最後に、前記化合物から誘導される化合物、例えば混合酸化物、特に混合希土類酸化物(例えば、混合ジルコニウムセリウム酸化物)、混合リン酸塩、特に混合希土類リン酸塩、及びリンバナジン酸塩が適当であり得る。
特に、粒子(p)の材料は特定の光学特性、特にUV反射特性を有し得る。
1つの実施形態によれば、粒子(p)は希土類金属(例えば、ランタン、セリウム、イットリウムまたはガドリニウム)のリン酸塩または前記混合リン酸塩の1つを主成分とする。1つの具体的実施形態によれば、粒子(p)はリン酸ランタンを主成分とする。
本発明の別の実施形態によれば、粒子(p)は1つ以上の金属の酸化物を主成分とする。希土類金属(例えば、ランタン、セリウム、イットリウム、スカンジウムまたはガドリニウム)の酸化物または前記酸化物の混合物の1つ;金属(例えば、チタン、ジルコニウム、ケイ素及びアルミニウム)の酸化物;アルカリ金属のアルミン酸塩(例えば、MgAl、BaAlまたはBaMgAl1017のようなアルミン酸バリウム及び/またはマグネシウム)を主成分とする粒子が特に適している。
表現「主成分とする」は、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、更には90重量%の当該材料を含む組成物を指すと理解される。1つの具体的モードによれば、粒子(p)は主に少なくとも95重量%(例えば、少なくとも98重量%、更には少なくとも99重量%の含量を有する)前記材料から形成され得る。
用語「希土類金属」に関して、これは、本明細書の記載に関連してイットリウム、スカンジウム及びランタニドから選択される元素を指し、ランタニドは原子数が57(ランタン)〜71(ルテチウム)を有する金属元素である。
正確な種類に関係なく、粒子(p)が当初0.5〜14ミクロン、好ましくは2〜9ミクロンの平均直径を有していることが有利である。
言及されている平均直径は、粒子集団の直径の容量平均である。
ここに及び明細書の残りの部分に記載されている粒度の値はレーザー粒度アナライザー、特にCoulterまたはMalvernレーザー型アナライザーを用いて測定される。
更に、粒子(p)が当初低い分散指数、典型的には0.6未満、好ましくは0.5未満(例えば、0.4未満)の分散指数を有していることが好ましい。
粒子の集団に関する用語「分散指数」は、本明細書の記載に関連して以下に定義される比Iを意味すると理解される:
I=(φ84−φ16)/(2×φ50
ここで、
φ84は粒子の84%がφ84以下の直径を有している粒子の直径であり、
φ16は粒子の16%がφ16以下の直径を有している粒子の直径であり、
φ50は粒子の50%がφ50以下の直径を有している粒子の直径である。
ここでの粒子に対する分散指数の定義は前駆体(p)及び発光体(L)の記載の残りに対しても当てはまる。
直径は市販されているレーザー粒度アナライザーを用いて測定され得る。
通常、粒子(p)を平均値を中心にしてできる限り狭い単分散サイズ分布を有しているように選択することが有利である。
1つの実施形態によれば、使用される粒子(p)はドープ処理されていないリン酸ランタンを主成分とする粒子であり得る。これらの粒子(p)は公知の方法、例えば特許文献10に記載されている方法により製造され得る。
本発明の幾つかの有利な実施形態を以下に記載する。
第1実施形態によれば、使用される粒子(p)は密な粒子であり、実際には通常十分に結晶化されている材料または低い比表面積を有する材料を主成分とする粒子に相当する。
用語「比表面積」は、クリプトン吸着により測定されるBET比表面積を意味すると理解される。本明細書中に記載されている表面積値は、粉末を200℃で8時間脱ガスした後ASAP2010器具で測定したものであった。
用語「低い比表面積」は、多くとも1m/g、特に多くとも0.6m/gの比表面積を意味すると理解される。
別の実施形態によれば、使用される粒子(p)は温度安定性材料を主成分とする。これは、材料が高い融点を有しており、この同じ温度で発光体としての用途を妨害する副生成物に分解されず、結晶化されたままであり、よってこの同じ温度で非晶質材料に変換されないことを意味する。ここで意図される高温はステップ(C)の場合に記載されている温度、すなわち少なくとも900℃以上、好ましくは1000℃以上、より好ましくは少なくとも1200℃の温度である。
第3実施形態では、前の2つの実施形態の特徴を併せ持つ粒子、従って低い比表面積を有し且つ温度安定性である材料を主成分とする粒子を用いる。
上記した実施形態の少なくとも1つに従う粒子(p)を使用すると多くの作用効果が得られ得る。第1に、前駆体(P)のコア/シェル構造は特に該前駆体から形成される発光体においても十分に保存される。こうすると、最大のコスト効果を得ることが可能となる。
更に、製造の際に粒子(p)を上記した実施形態の少なくとも1つに従って使用した発光体前駆体(P)から得られる発光体(L)は、同一組成を有するがコア/シェル構造を持たないLAPから構成される発光体の光ルミネセンス収率と同一であるまたはある場合にはそれより高い光ルミネセンス収率を示すことが判明した。
密にした粒子(p)は、上記した材料、特に酸化物及びリン酸塩を主成分とし得る。特に、密にしたリン酸ランタン及び密なリン酸イットリウム;アルミナ、特に単結晶アルミナ及び単結晶α−アルミナ;アルミン酸塩、例えばアルミン酸バリウム及びアルミン酸マグネシウム;ホウ酸塩、特にホウ酸イットリウム;及び酸化ジルコニウムを挙げることができる。
材料は特に溶融塩の公知技術を用いて密にされ得る。この技術は密にしようとする材料を塩化物(例えば、塩化ナトリウムまたは塩化カリウム)、フッ化物(例えば、フッ化リチウム)、ホウ酸塩(ホウ酸リチウム)またはホウ酸から選択され得る塩の存在下、好ましくは還元雰囲気(例えば、アルゴン/水素混合物)中で高温(例えば、少なくとも900℃)に加熱することからなる。
本発明の方法のステップ(A)での反応物質の導入順序は重要である。
特に、可溶性希土類金属塩の溶液(s)を、最初リン酸イオン及び粒子(p)を含んでいる媒体(m)に導入しなければならない。
溶液(s)の場合、水溶液(s)中のランタン、セリウム及びテルビウムの塩の濃度は広範囲で変更可能である。典型的には、3つの希土類金属の全濃度は0.01〜3モル/lであり得る。
溶液(s)中の適当な可溶性のランタン、セリウム及びテルビウムの塩は特に水溶性塩、例えば硝酸塩、塩化物、酢酸塩、カルボン酸塩またはこれらの塩の混合物である。本発明に従う好ましい塩は硝酸塩である。
溶液(s)は、更に他の金属塩、例えば他の希土類金属、アルカリ金属、トリウム、ホウ素及び他の元素の塩を含んでいてもよく、こうするとこれらの元素がドープ処理されているLAPが得られる。
媒体(m)中に最初に存在し、溶液(s)と反応させようとするリン酸イオンは純粋な化合物または溶解状態の化合物の形態で、例えばリン酸、アルカリ金属リン酸塩、希土類金属に結合しているアニオンと可溶性化合物を形成する他の金属元素のリン酸塩の形態で媒体(m)中に導入され得る。
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、リン酸イオンは最初リン酸アンモニウムの形態で混合物(m)中に存在している。この実施形態によれば、アンモニウムカチオンはステップ(B)における熱処理中に分解し、これにより高純度の混合リン酸塩を得ることができる。リン酸アンモニウムの中で、リン酸ジアンモニウムまたはリン酸モノアンモニウムが本発明を実施するために特に好ましい化合物である。
リン酸イオンを溶液(s)中に存在するランタン、セリウム及びテルビウムの全量に比して化学量論的に過剰の量で、すなわち1以上、好ましくは1.1〜3、典型的には2未満(例えば、1.1〜1.5)の当初のリン酸/(La+Ce+Tb)モル比で媒体(m)中に導入することが有利である。
本発明の方法によれば、溶液(s)を媒体(m)中に徐々に、連続して導入する。
更に、特に粒子(p)を混合LaCeTbリン酸塩により均質に被覆することができる本発明の方法の別の重要な要件によれば、リン酸イオンを含有している溶液の初期pH(pH)は1〜5、特に1〜2であるり。更に、その後、pHを概ね(pH−0.5)〜(pH+0.5)に保ちながら、溶液(s)の添加の間ずっとこのpH値をほぼ保つことが好ましい。
上記pHを達成し、所要pHを確実にコントールするために、溶液(s)を導入する前及び/またはその導入と一緒に塩基性もしくは酸性化合物、またはバッファー溶液を媒体(m)中に添加してもよい。
本発明に従う適当な塩塩基化合物として、例えば金属水酸化物(NaOH、KOH、CaOH等)または水酸化アンモニウム、或いはこの反応媒体中に更に含まれている種の1つと組み合わせることにより反利媒体への添加中沈殿を形成せず、沈降媒体のpHを小説し得る種を構成成分とする他の塩基性化合物を挙げることができる。
更に、ステップ(A)における沈降は水性媒体中で、通常唯一の溶媒として水を用いて実施することに注目すべきである。しかしながら、考えられ得る別の実施形態によれば、ステップ(A)からの媒体は場合により水性−アルコール性媒体(例えば、水/エタノール媒体)であり得る。
更に、ステップ(A)の処理温度は通常10〜100℃である。
ステップ(A)は、すべての溶液(s)の添加終了時であってステップ(B)の前に成熟ステップをも含み得る。この場合、得られた媒体を反応温度で、有利には溶液(s)の添加終了から少なくとも20分間攪拌することにより成熟させることが有利である。
ステップ(B)
ステップ(B)において、ステップ(A)の終了時に得られるような表面修飾されている粒子をまず反応媒体から分離する。これらの粒子はステップ(A)の終了時にそれ自体公知の手段により、特に簡単な濾過により、または他のタイプの固液分離により容易に回収され得る。実際、支持されているLAP混合リン酸塩は本発明の方法の条件下で沈降し、沈殿はゲル状でなく容易に濾過され得る。
次いで、潜在している不純物、特に吸着している硝酸及び/またはアルミニウム基を除去する目的で回収した粒子を例えば水を用いて洗浄することが有利であり得る。
この分離ステップ及び所要により洗浄ステップの終了時に、ステップ(B)は400〜900℃の温度での特定の熱処理ステップを含む。この熱処理は通常空気中でのか焼を含み、好ましくは少なくとも600℃、有利には700〜900℃の温度で実施される。
発光体前駆体(P)
ステップ(B)の終了時に、粒状の前駆体(P)が得られる。この粒子は特殊な形態を有し、すなわち場合によりテルビウムがドープ処理されている混合ランタン及び/またはセリウムリン酸塩の結晶からなる均質なコーティングにより被覆されている無機コアを含む。
通常、本発明に従って得られるような前駆体(P)の構成粒子において、コアは通常該コアを形成するために使用される粒子(p)の平均直径にほぼ近い平均直径を有しており、前駆体(P)の構成粒子の各コアは概ね個々の状態の初期粒子(p)の1つ(または、場合によりせいぜい数個の粒子の凝集体)から構成されてる。よって、前駆体(P)の構成粒子の無機コアは、通常0.5〜15ミクロン(例えば、0.5〜14ミクロン)、典型的には約1〜10ミクロン(特に、2〜9ミクロン)の平均直径を有している。
コアの組成はそれ自体通常粒子(p)の組成と同一であるかまたは非常に近似している。よって、本発明の前駆体(P)の粒子の無機コアがリン酸塩または無機酸化物、特に希土類金属リン酸塩(例えば、ドープ処理されていないリン酸ランタン)または酸化アルミニウムを主成分とすることが有利である。1つの具体的実施形態によれば、前駆体(P)の粒子の無機コアは主にリン酸ランタンLaPOから構成されている。
密な粒子(p)及び/または温度安定性材料からなる材料が使用されている場合に相当する上記した実施形態によれば、前駆体(P)の粒子の無機コアは密なコアであるか及び/または同じ温度安定性材料から構成されている。特に、コアは多くとも1m/g、特に多くとも0.6m/gの比表面積を有している。
前駆体(P)は、無機コアの表面上に、場合によりテルビウムがドープ処理されている混合ランタン及び/またはセリウムリン酸塩を主成分とし、通常0.3〜1ミクロン(例えば、0.5〜0.8ミクロン)の平均厚さを有している層を含む。
前駆体(P)のコア及びシェルの寸法は特に粒子切片を透過型電子顕微鏡で観察することにより調べられれ得る。
LAPは本発明の前駆体(P)粒子上に均質層の形態で堆積している。用語「均質層」は、コアを完全に被覆し、好ましくは300nm未満の厚さを有する連続層を意味すると理解される。混合LAPリン酸塩分布の均質性は特に走査型電子顕微鏡写真で目視される。X線回折(XRD)測定値はコア及びシェルの2つの異なる組成の存在を示している。
ステップ(B)の終了時に得られるような前駆体(P)粒子のシェル中に存在している混合リン酸塩(LAP)は、通常一般式(I):
La(1−x−y)CeTbPO (I)
(式中、xは場合により0、または0から0.95であり、yは0.05〜0.3であり、合計(x+y)は1以下である)
に相当する。
概して、合計(x+y)が厳密に1以下を維持していること、すなわち式(I)を有する化合物がランタンを若干含有していることが好ましい。しかしながら、この合計が1に等しくてもよく、その場合化合物(I)はランタン非含有のセリウムとテルビウムの混合リン酸塩である。
1つの特に有利な実施形態によれば、前駆体(P)粒子の外層上に存在する混合リン酸塩は、式(Ia):
La(1−x−y)CeTbPO (Ia)
(式中、xは0.1から0.5であり、yは0.1〜0.3であり、合計(x+y)は0.4〜0.6である)
に相当するセリウムLAPである。
考えられ得る別の実施形態によれば、前駆体(P)粒子の外層上に存在する混合リン酸塩は、式(Ib):
La(1−y)TbPO (Ib)
(式中、yは0.05〜0.3である)
に相当するセリウム非含有LAPである。
更に別の考えられ得る実施形態によれば、前駆体(P)粒子の外層上に存在する混合リン酸塩は、式(Ic):
La(1−y)CePO (Ic)
(式中、yは0.01〜0.3である)
に相当するテルビウム非含有LAPである。
層が上記した混合リン酸塩以外に他の化合物、例えば希土類金属のポリリン酸塩を通常少量で、例えば5%を超えない少量で含んでいてもよいことに注目すべきである。
1つの具体的実施形態によれば、混合リン酸塩は、特にルミネセンス特性を促進させるまたはセリウム元素及びテルビウム元素の酸化度を安定化させる役割を通常有している他の元素を含んでいてもよい。特に、アルカリ金属(特に、Li、Na、K)、トリウム及びホウ素を挙げることができる。
通常前駆体(P)粒子において存在する混合LAPのほぼすべてがコアを取り巻く層中に配置されていることが強調されるべきである。
更に、前駆体(P)粒子が1.5〜15ミクロン(例えば、3〜8ミクロン、特に3〜6ミクロンまたは4〜8ミクロン)の全平均直径を有していることが有利である。
更に、前駆体(P)粒子が低い分散指数、通常0.6未満、好ましくは多くとも0.5未満の分散指数を有していることが有利である。
ステップ(C)
本発明の方法のステップ(C)では、前駆体(P)粒子は900℃以上、有利にはほぼ少なくとも1000℃の温度で熱処理することにより有効な緑色発光体に変換される。
前駆体(P)粒子それ自体が固有のルミネセンス特性を有し得るが、これらの特性はステップ(C)の熱処理により大きく改善される。
熱処理の結果、特にCe種及びTb種のすべてがその(+III)酸化状態に変換される。ケースに応じて、溶融剤(“フラックス”としても公知)の存在または非存在下、場合により還元雰囲気中で発光体の熱処理に関するそれ自体公知の手段を用いて実施され得る。
本発明の前駆体(P)粒子はか焼中クランピングしないという特に顕著な特性を有している。換言すれば、本発明の前駆体(P)粒子は通常凝集して最終的には例えば0.1mm〜数mmの大きさを有する粗い凝集体の形態となる傾向を持たない。従って、粉末を最終発光体を得るために意図されている慣用の処理にかける前に粉末の前粉砕を実施する必要がない。これも本発明の1つの作用効果である。
第1変形例によれば、ステップ(C)は、前駆体(P)粒子をフラックスの存在下で熱処理にかけることにより実施される。
フラックスとしては、フッ化リチウム、テトラホウ酸リチウム、塩化リチウム、炭酸リチウム、リン酸リチウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、酸化ホウ素、ホウ酸及びリン酸アンモニウム並びにこれらの混合物が挙げられ得る。
フラックスを処理しようとする粒子(P)と混合した後、混合物を好ましくは1000〜1300℃の温度に加熱する。
熱処理は、還元雰囲気(例えば、H、N/H、またはAr/H)下でも、非還元雰囲気(N、Arまたは空気)下でも実施され得る。
ステップ(C)の第2変形例によれば、粒子(P)をフラックスの非存在下で熱処理にかける。
この変形例は還元雰囲気または非還元雰囲気下のいずれかで実施され得、特に高価な還元雰囲気を使用しなくとも酸化雰囲気(例えば、空気)中で実施される。勿論、余り経済的でないが、この第2変形例の範囲内でも還元または非還元雰囲気を使用することも十分可能である。
ステップ(C)の1つの具体的実施形態は、前駆体(P)をアルゴン及び水素雰囲気下1000〜1300℃の温度で処理することからなる。
このタイプの処理はそれ自体公知であり、発光体を作成するための方法、特に発光体を所望の用途(例えば、粒子の形態、表面状態、輝度)に適応させるための方法において使用することが好都合である。
処理後、できるだけ純粋であり、全くまたは殆ど凝集していない状態の発光体を得るために粒子を洗浄することが有利である。殆ど凝集していない状態の場合、適度な条件下で解凝集処理にかけることにより発光体を解凝集することができる。
上記した熱処理により、コア/シェル構造及び前駆体(P)粒子の粒度分布に非常に近い粒度分布を保持している発光体(L)を得ることができる。
更に、ステップ(C)の熱処理は、他の発光体層からのCe種及びTb種のコアに向かう拡散に感受性である現象を誘発させることなく実施され得る。
考えられ得る1つの具体的実施形態によれば、ステップ(B)及び(C)の熱処理を1つの同一ステップで実施することも可能である。この場合、発光体(L)は前駆体(P)で中断することなく直接得られる。
発光体(L)
前駆体(P)の熱処理によりステップ(C)の終了時に得られるタイプの発光体(L)は、具体的には混合LAPリン酸塩を主成分とする外側シェルを含む。この混合リン酸塩は有利には上記式(I)、(Ia)または(Ib)の1つに相当する。この場合の発光体(L)は対応するリン酸塩を主成分とする前駆体を熱処理することにより得られる。
本発明に従う3つのタイプの発光体は、シェルの混合リン酸塩の組成に応じて区別され得る:
−シェルの混合リン酸塩がセリウムLAP(例えば、上記式(Ia)を有するリン酸塩)である“セリウム発光体”と称される発光体、
−シェルの混合リン酸塩がセリウムを含有していないLAP(例えば、上記式(Ib)を有するリン酸塩)である“セリウム非含有発光体”と称される発光体、及び
−シェルの混合リン酸塩がテルビウムを含有していないLAP(例えば、上記式(Ic)を有するリン酸塩)である“テルビウム非含有発光体”と称される発光体。
本発明の発光体(L)の外層上に存在する混合リン酸塩は場合により、ルミネセンス特性を強化するドーパント元素、特にルミネセンス特性のプロモーターまたはセリウム元素及びテルビウム元素の酸化度の安定化剤を含み得る。例として、アルカリ金属(Li、Na、K等)、トリウム及びホウ素を特に挙げることができる。
本発明の発光体(L)のコアは、通常ステップ(A)において媒体(m)中に最初に導入される粒子(P)とほぼ同一の組成を有している。幾つかの場合には、シェルからの特定種(例えば、Ce及びTb)がコアに向かって部分的に移動することが場合により認められ得るが、こうした部分的拡散現象は多くの場合本発明の方法の条件下で避けることができる。
密な粒子(P)及び/または温度安定性材料からなる粒子が使用される場合に相当する上記した実施形態によれば、発光体(L)の粒子の無機コアは密なコア及び/または同じ温度安定性材料からなるコア、特に多くとも1m/g、特に多くとも0.6m/gの比表面積を有するコアである。これらの実施形態の場合、上記した特定種の部分移動は通常観察されない。
上記したように、ステップ(C)は、主に前駆体(P)中に最初に存在する+IV酸化状態のすべての金属種Ce及びTbを+III酸化状態の種の状態に還元することによりルミネセンス特性、特に輝度を向上させる効果を有している。よって、発光体(P)は通常、+IV酸化状態の種Ce及びTbが殆ど存在していないという組成により前駆体(P)と区別される。例えばPrallineら,Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena,21(1989),p.17−30及びp.31−46に記載されているXPSとして公知の技術により生成物の表面を分析することにより+4酸化状態のセリウム及び/またはテルビウムの存在または不在を調べることができる。
しかしながら、発光体(L)は通常前駆体(P)の組成に比較的類似している組成を保持しており、類似の平均直径(1.5〜15ミクロン、例えば3〜8ミクロン、特に3〜6ミクロンまたは4〜8ミクロン)及び類似の構造(約0.5〜約15ミクロン、典型的には1〜10ミクロンのオーダーの平均直径を有するコアが0.3〜1ミクロン(例えば、0.5〜0.8ミクロン)のオーダーの平均厚さを有するLAPを主成分とする層で被覆されている)を有している。発光体の粒子の「平均直径」は、本明細書の意味で、発光体の水性分散液についてレーザー粒度アナライザー、特にCoulterまたはMalvernレーザー型アナライザーを用いて測定した平均直径を意味すると理解される。発光体のコア/シェル構造も粒子切片の透過型電子顕微鏡写真とX線回折図により立証され得る。
更に、発光体(L)は通常、0.6以下(例えば、0.5以下)の分散指数で非常に均一の粒度を有している。より一般的に、本発明の発光体(L)が単分散で平均値を中心にして狭い粒度を有していることが有利であり得る。
上に強調したように、本発明の発光体(L)は更に、EP581 621に記載されている発光体と類似のルミネセンス及び輝度特性を有している。従って、本発明の発光体は従来技術の発光体に代わる経済的に有利なものである。
更に、本発明の発光体(L)は通常、例えばEP581 621に記載されている発光体のルミネセンスに類似の非常に良好なルミネセンスを有している。
有利には、本発明の発光体は、55重量%のLa酸化物、30重量%のCe酸化物及び15重量%のTb酸化物の組成を有するTbがドープ処理されているLa及び/またはCeの混合リン酸塩と比較して、実質的に同一またはそれ以上の光ルミネセンス収率を有し、前記混合リン酸塩のTb含量よりも少なくとも5重量%、特に少なくとも10重量%少ないTb含量を有している。
好ましくは、Tb含量は前記混合リン酸塩よりも少なくとも30重量%、特に少なくとも40重量%、好ましくは50重量%少ない。
表現「実質的に同一の光ルミネセンス収率」は、測定の不確実さを考慮して測定値が信頼区間の範囲内にあることを意味すると理解される。光ルミネセンス収率は特に254nmの励起下で450〜700μmの発光スペクトルを統合することにより測定され得る。
更に、本発明の発光体(L)のルミネセンス特性は通常経時的に安定である。この安定性は、「ベーキング」検査として発光体の分野で公知の検査を用いることにより評価され得る。この検査は、不活性支持体(ガラス)上に慣用の結合剤を用いて堆積させた発光体の薄層を空気中600℃で10分間か焼し、こうして処理した発光体の新しい変換収率を測定することからなる。本発明の発光体の場合、変換収率の低下は相対値に比して1〜2%を超えない。
本発明の発光体(L)を各種デバイスにおいて緑色ルミネセンスを与えるために使用することも本発明の1つの特殊な主題をなす。
本発明の発光体(L)は、製品の各種吸収場に対応する電磁励起のために緑色に強いルミネセンス特性を有している。
よって、本発明のセリウム及びテルビウムを主成分とする発光体は、UV範囲(200〜280nm)、例えば約254nmに励起源を有する照明またはディスプレイシステムにおいて使用され得る。特に、水銀蒸気三原色ランプ、チューブまたはフラット形態の液晶システムを背面照明するためのランプ(LCD背面照明)に注目されたい。特に、本発明の発光体は例えば約3〜5μm、特に4〜5μmの適当な粒度及びUV励起下で高い輝度を有し、加熱後処理後のルミネセンスの損失がない。本発明の発光体のルミネセンスは、特に比較的高い温度(100〜300℃)でUV安定性である。
本発明のテルビウムを主成分とする発光体もVUV(すなわち、“プラズマ”)励起システム、例えば水銀を含まないプラズマスクリーン及び三原色ランプ、特にキセノン励起ランプ(チューブまたはフラット)用緑色発光体としての良好な候補者でもある。本発明の発光体は、希土類金属リン酸塩及びテルビウムイオンのマトリックスの吸収が強いためにVUV励起(例えば、約147〜172nm)下で強い緑色発光を有する。発光体はVUV励起下で安定である。加えて、発光体は適当な粒度、例えば約2.5〜4μmを有している。
本発明の発光体は、発光ダイオードによる励起のためにデバイス中に緑色発光体としても使用され得る。この発光体は特に近UVにおいて励起され得るシステムにおいて使用され得る。
本発明の発光体はUV励起マーキングシステムにおいても使用され得る。
本発明の発光体は、スクリーニング印刷、エレクトロホレシスまたは沈降のような公知技術によりランプ及びスクリーンシステムに適用され得る。
本発明の発光体を有機マトリックス(例えば、プラスチックマトリックス、UV下で透明なポリマーのマトリックス等)、無機マトリックス(例えば、シリカマトリックス)または混合有機−無機マトリックス中に分散させてもよい。
本発明の発光体(P)は、高エネルギー材料の吸収バンドに相当する電磁励起下でルミネセンス特性を有している。よって、セリウムは254nm付近にバンドを有し、テルビウムは172nm付近を吸収し、リン酸塩マトリックスは147nm付近にバンドを有する。
結果として、本発明の発光体はUV励起デバイス、特に三原色ランプ、具体的には水銀蒸気三原色ランプ、液晶システムを背面照明するためのランプ、プラズマスクリーン、キセノン励起ランプ、発光ダイオードによる励起のためのデバイス及びUV励起マーキングシステムにおいて使用され得る。
別の態様によれば、本発明は本発明の発光体(P)を緑色ルミネセンス源として含む上記したタイプの発光デバイスにも関する。
本発明を以下の実施例及び図面を用いてより詳細に説明する。
下記実施例において製造した粒子を粒度、形態及び組成の点で以下の方法により特性決定した。
粒度測定
粒子直径を、水に分散させ、超音波(130W)を1分30秒間当てた粒子のサンプルについてレーザー粒度アナライザー(Malvern 2000)を用いて測定した。
電子顕微鏡検査
粒子の切片(切片法)の透過型電子顕微鏡写真を高解像JEOL 2010 FEG TEM顕微鏡を用いて撮影した。EDS(エネルギー分散型分光法)による化学組成測定のための装置の空間解像度は<2nmであった。観察された形態と測定した化学組成の相関から、コア/シェル構造が立証され、顕微鏡写真でシェルの厚さを調べることができる。
EDSによる化学組成測定は、HAADF−STEMにより作成した顕微鏡写真に対してX線回折分析により実施した。測定値は、少なくとも2つのスペクトルで得た平均値に相当した。組成についての空間解像度はコア組成とシェル組成を区別するのに十分であった。含量は原子%で推定された。
X線回折
X線回折図は、Bragg−Brentano方法に従って銅を対陰極としてKα線を用いて作成した。分解能は、LaPO:Ce,Tb及びLaPOラインを分離するのに十分であるように選択した。好ましくは、Δ(2θ)<0.02°であった。
比較例:FR 2,964,299に従う参照発光体
予め水酸化アンモニウムを添加してpH1.6とし、60℃に加熱したリン酸HPO溶液(500ml)に、1.5モル/lの全濃度を有し、0.855モル/lの硝酸ランタン、0.435モル/lの硝酸セリウム及び0.21モル/lの硝酸テルビウムから構成した希土類金属硝酸塩の溶液(500ml)を1時間かけて添加した。リン酸塩/希土類金属のモル比は1.15であった。沈降中のpHを水酸化アンモニウムを添加することにより1.6に調節した。
沈降ステップの終了時に、混合物を再び60℃で1時間保持した。次いで、生じた沈殿を濾過により簡単に回収し、水で洗浄した後、60℃の空気中で乾燥し、空気中900℃の熱処理に2時間かけた。このステップの終了時に、組成(La0.57Ce0.29Tb0.14)POの前駆体が得られた。
粒度D50は0.4μmであり、分散指数は0.4であった。
実施例1:LaPOコア前駆体の合成
予め水酸化アンモニウムを添加してpH1.6とし、60℃に加熱したリン酸HPO溶液(1.725モル/l,500ml)に硝酸ランタン溶液(1.5モル/l,500ml)を1時間かけて添加した。沈降中のpHを水酸化アンモニウムを添加することにより1.6に調節した。
沈降ステップの終了時に、反応媒体を再び60℃で1時間保持した。次いで、沈殿を濾過により簡単に回収し、水で洗浄した後、60℃の空気中で乾燥した。次いで、得られた粉末を空気中900℃の熱処理にかけた。
こうして得た生成物をX線回折により特性決定したところ、モナザイト構造のオルトリン酸ランタンLaPOであった。粒度D50は5.2μmであり、分散指数は0.6であった。BETにより測定した生成物の比表面積はSBET=6m/gであった。
実施例2:LaPOコア前駆体の合成
予め水酸化アンモニウムを添加してpH1.9とし、60℃に加熱したリン酸HPO溶液(1.725モル/l,500ml)に硝酸ランタン溶液(1.5モル/l,500ml)を1時間かけて添加した。沈降中のpHを水酸化アンモニウムを添加することにより1.9に調節した。
沈降ステップの終了時に、反応媒体を再び60℃で1時間保持した。次いで、沈殿を濾過により簡単に回収し、水で洗浄した後、60℃の空気中で乾燥した。次いで、得られた粉末を空気中900℃の熱処理にかけた。
こうして得た生成物をX線回折により特性決定したところ、モナザイト構造のオルトリン酸ランタンLaPOであった。粒度D50は4.3μmであり、分散指数は0.4であった。
次いで、粉末を空気中1100℃で2時間か焼した。こうすると、粒度D50が4.9μm、分散指数が0.4のモナザイト相の希土類リン酸塩が得られた。BET比表面積は3m/gであった。
実施例3:LaPO−LaCeTbPOコア/シェル前駆体の合成
1L容量のビーカーにおいて、希土類硝酸塩の溶液(溶液A)を次のように調製した。すなわち、La(NOの2.8M(d=1.678g/l)溶液(29.37g)、Ce(NOの2.88M(d=1.715g/l)溶液(20.84g)、Tb(NOの2M(d=1.548g/l)溶液(12.38g)及び脱イオン水(462ml)を混合して、組成(La0.49Ce0.35Tb0.16)(NOを有する全部で0.1モルの希土類硝酸塩を得た。
2L容量の反応器に、脱イオン水(340ml)にNormapur 85% HPO(0.115モル,13.27g)及び28% 水酸化アンモニウムNHOHを順次添加してpH=1.5とした溶液Bを導入した。この溶液を60℃に加熱した。
次いで、こうして調製したストックに実施例1からのリン酸ランタン(23.4g)を添加した。28% NHOHによりpHを1.5に調節した。この混合物に予め調製した溶液Aを攪拌しつつ、温度(60℃)でpHを1.5に調節しながら蠕動ポンプを用いて10ml/分で添加した。得られた混合物を60℃で1時間成熟させた。
成熟ステップの終了時、溶液は乳白色の外観を有していた。30℃まで放冷し、生成物から水を排水した。次いで、焼結ガラスを用いて濾過し、2容量の水で洗浄した後、乾燥し、空気中900℃で2時間か焼した。
こうして、異なる組成、すなわちLaPO及び(La,Ce,T)POの2つのモナザイト結晶相を有するモナザイト相の希土類リン酸塩が得られた。
平均粒度D50は9.0μmであり、分散指数は0.5であった。SEMにより観察された粒子の形態からコア/シェルタイプの構造の存在が立証された。
超薄切片法により作成し(厚さ〜100nm)、有孔膜上に載せた樹脂被覆生成物のTEM顕微鏡写真(図4)を撮影した。粒子を断面で観察する。この顕微鏡写真で、コアが密で球形であり、見かけ直径が0.7μmである粒子切片を見ることができる。TEM(切片法)でのコアの見かけ直径は、切片が粒子の赤道断面でないときには平均直径よりも小さいことがあり得る。粒子は約2.7μmの全直径、すなわち1μmの平均シェル厚さを有していた。一方、シェルの厚さの測定値は切片を取った粒子の部分によりわずかだけ影響された。最後に、粒子のウニ形態が明らかに観察された。
粒子中の元素P、La、Ce及びTbの測定値(原子%)を表1に示す。粒子は、EDSにより測定してLa0.67Ce0.23Tb0.10の希土類金属の全モル組成を有し、すなわち希土類酸化物の合計に対して11重量%の酸化テルビウム(Tb)を含有していた。
Figure 0006017385
コア中の元素P、La、Ce及びTbについての測定値を表2に示す。コアは、EDSにより測定してLa0.95Ce0.04Tb0.01の希土類金属の全モル組成を有し、すなわち希土類酸化物の合計に対して1重量%の酸化テルビウム(Tb)を含有していた。
Figure 0006017385
シェル中の元素P、La、Ce及びTbについての測定値を表3に示す。シェルは、EDSにより測定してLa0.46Ce0.37Tb0.17の希土類金属の全モル組成を有し、すなわち希土類酸化物の合計に対して19重量%の酸化テルビウム(Tb)を含有していた。
Figure 0006017385
EDS−TEMは、非常に少量のTbがドープ処理されているコア及び高量のTbがドープ処理されているシェルを有するコア/シェル構造を明らかに示している。
実施例4:LaPO−LaCeTbPOコア/シェル前駆体の合成
1L容量のビーカーにおいて、希土類硝酸塩の溶液(溶液A)を次のように調製した。すなわち、La(NOの2.8M(d=1.678g/l)溶液(29.37g)、Ce(NOの2.88M(d=1.715g/l)溶液(20.84g)、Tb(NOの2M(d=1.548g/l)溶液(12.38g)及び脱イオン水(462ml)を混合して、組成(La0.49Ce0.35Tb0.16)(NOを有する全部で0.1モルの希土類硝酸塩を得た。
2L容量の反応器に、脱イオン水(340ml)にNormapur 85% HPO(0.115モル,13.27g)及び28% 水酸化アンモニウムNHOHを順次添加してpH=1.5とした溶液Bを導入した。この溶液を60℃に加熱した。次いで、こうして調製したストックに実施例2からのリン酸ランタン(23.4g)を添加した。28% NHOHによりpHを1.5に調節した。この混合物に予め調製した溶液Aを攪拌しつつ、温度(60℃)でpHを1.5に調節しながら蠕動ポンプを用いて10ml/分で添加した。得られた混合物を60℃で1時間成熟させた。成熟ステップの終了時、溶液は乳白色の外観を有していた。30℃まで放冷し、生成物から水を排水した。次いで、焼結ガラスを用いて濾過し、2容量の水で洗浄した後、乾燥し、空気中900℃で2時間か焼した。
こうして、異なる組成、すなわちLaPO及び(La,Ce,T)POの2つのモナザイト結晶相を有するモナザイト相の希土類リン酸塩が得られた。平均粒度D50は6.0μmであり、分散指数は0.5であった。
SEM観察により、生成物は典型的な密なウニスピン形態を有していた。すべてのコア粒子がLAPの層で被覆されていた。超薄切片法により作成し(厚さ〜100nm)、有孔膜上に載せた樹脂被覆生成物のTEM顕微鏡写真(図6)を撮影した。粒子を断面で観察する。この顕微鏡写真で、コアが球形であり、見かけ直径が1.9μmである粒子切片を見ることができる。TEM(切片法)でのコアの見かけ直径は、切片が粒子の赤道断面でないときには平均直径よりも小さいことがあり得る。
粒子は約4.2μmの全直径、すなわち1.1μmの平均シェル厚さを有していた。一方、シェルの厚さの測定値は切片を取った粒子の部分によりわずかだけ影響された。最後に、粒子のウニ形態が明らかに観察された(図5参照)。
EDSによる化学組成測定は、HAADF−STEMにより撮影した顕微鏡写真に対するX線分析により実施した。含量は原子%で推定した。組成物の空間解像度は<10nmであった。EDSによるとコアはシェルから明らかに同定された。
コア中の元素P、La、Ce及びTbについての測定値を表4に示す。コアは、EDSにより測定してLa0.98Ce0.01Tb0.01の全モル組成を有し、すなわち希土類酸化物の合計に対して1重量%の酸化テルビウム(Tb)を含有していた。
Figure 0006017385
シェル中の元素P、La、Ce及びTbについての測定値を表5に示す。シェルは、EDSにより測定してLa0.48Ce0.34Tb0.18の希土類金属の全モル組成を有し、すなわち希土類酸化物の合計に対して20重量%の酸化テルビウム(Tb)を含有していた。
Figure 0006017385
EDS−TEMは、非常に少量のTbがドープ処理されているコア及び高量のTbがドープ処理されているシェルを有するコア/シェル構造を明らかに示している。
実施例5:LaPO−LaCeTbPOコア/シェル前駆体の合成
1L容量のビーカーにおいて、希土類硝酸塩の溶液(溶液A)を次のように調製した。すなわち、La(NOの2.8M(d=1.678g/l)溶液(146.85g)、Ce(NOの2.88M(d=1.715g/l)溶液(104.2g)及びTb(NOの2M(d=1.548g/l)溶液(61.9g)に脱イオン水(462ml)を添加して500mlとし、混合して、組成(La0.49Ce0.35Tb0.16)(NOを有する全部で0.5モルの希土類硝酸塩を得た。
2L容量の反応器に、脱イオン水(400ml)にNormapur 85% HPO(0.115モル,66.35g)及び28% 水酸化アンモニウムNHOHを順次添加してpH=1.5とした溶液Bを導入した。この溶液を60℃に加熱した。
次いで、こうして調製したストックに実施例1からのリン酸ランタンLaPO粉末(125g)を添加した。28% Prolabo Normapur NHOHによりpHを1.5に調節した。この混合物に予め調製した溶液Aを攪拌しつつ、温度(60℃)でpHを1.5に調節しながら蠕動ポンプを用いて10ml/分で添加した。得られた混合物を60℃で1時間成熟させた。成熟ステップの終了時、溶液は乳白色の外観を有していた。30℃まで放冷し、生成物から水を排水した。次いで、焼結ガラスを用いて濾過し、2容量の水で洗浄した後、乾燥し、空気中900℃で2時間か焼した。こうして、異なる組成、すなわちLaPO及び(La,Ce,T)POの2つのモナザイト結晶相を有するモナザイト相の希土類リン酸塩が得られた。
平均粒度D50は6.2μmであり、分散指数は0.5であった。SEM観察によると、生成物は典型的な球形の密なカリフラワー形態を有していた。すべてのコア粒子がLAPの層で被覆されていた。
実施例6:基準LAP発光体の製造
比較例で得た前駆体粉末をAr/H(1% 水素)雰囲気中1000℃で2時間か焼した。このステップの終了時にLAP発光体が得られた。平均粒径D50は4.5μmであり、分散指数は0.4であった。
生成物の組成は(La0.57Ce0.29Tb0.14)POであり、すなわち希土類酸化物の合計に対して15重量%の酸化テルビウム(Tb)であった。これは、最終発光体1kgあたり110gのTbの使用に相当した。
実施例7:LaPO−LaCeTbPOコア/シェル発光体の製造
実施例3で得た前駆体粉末をAr/H(1% 水素)雰囲気中1000℃で2時間か焼した。このステップの終了時にコア/シェル発光体が得られた。平均粒径D50は8.9μmであり、分散指数は0.5であった。
実施例8:LaPO−LaCeTbPOコア/シェル発光体の製造
実施例4で得た前駆体粉末をAr/H(1% 水素)雰囲気中1000℃で2時間か焼した。このステップの終了時にコア/シェル発光体が得られた。平均粒径D50は5.9μmであり、分散指数は0.5であった。
実施例9:LaPO−LaCeTbPOコア/シェル発光体の製造
実施例5で得た前駆体粉末をAr/H(1% 水素)雰囲気中1000℃で2時間か焼した。このステップの終了時にコア/シェル発光体が得られた。平均粒径D50は6.3μmであり、分散指数は0.5であった。
Figure 0006017385
本発明の実施例7、8及び9で得た発光体の光ルミネセンス収率(PL)を、光ルミネセン収率PL=100を有する基準として採用した実施例6で得た発光体の収率と比較した。Jobin−Yvon分光光度計を用いて、254nmの励起下450〜700nmの発光スペクトルを統合することにより測定した。
図8は発光体の発光スペクトルを示す。
実施例10:YBO−LaCeTbPOコア/シェル前駆体の合成
1L容量のビーカーにおいて、希土類硝酸塩の溶液(溶液A)を次のように調製した。すなわち、La(NOの2.8M(d=1.678g/l)溶液(29.37g)、Ce(NOの2.88M(d=1.715g/l)溶液(20.84g)、Tb(NOの2M(d=1.548g/l)溶液(12.38g)及び脱イオン水(462ml)を混合して、組成(La0.49Ce0.35Tb0.16)(NOを有する全部で0.1モルの希土類硝酸塩を得た。
2L容量の反応器に、脱イオン水(340ml)にNormapur 85% HPO(0.115モル,13.27g)及び28% 水酸化アンモニウムNHOHを順次添加してpH=1.5とした溶液Bを導入した。この溶液を70℃に加熱した。
次いで、こうして調製したストックに、レーザー粒度分析によりD50=3.2μmの平均粒度を有するホウ酸イットリウムYBO(23.4g)を添加した。28% NHOHによりpHを2.1に調節した。
この混合物に予め調製した溶液Aを攪拌しつつ、温度(70℃)でpHを2.1に調節しながら蠕動ポンプを用いて10ml/分で添加した。得られた混合物を70℃で1時間成熟させた。
この後、溶液は乳白色の外観を有していた。30℃まで放冷し、生成物から水を排水した。次いで、焼結ガラスを用いて濾過し、2容量の水で洗浄した後、乾燥し、空気中900℃で2時間か焼した。
こうして、組成(La,Ce,Tb)POを有するモナザイト相の希土類リン酸塩がYBOコアに堆積されているものが得られた。
Coulterレーザー粒度分析により測定した粒子の平均粒度は5.1μmであり、分散指数は0.4であった。
実施例11
本実施例は密なLaPOコアの製造に関する。
予め水酸化アンモニウムを添加してpH1.5とし、60℃に加熱したリン酸HPO溶液(1.725モル/l,500ml)に硝酸ランタン溶液(1.5モル/l,500ml)を1時間かけて添加した。沈降中のpHを水酸化アンモニウムを添加することにより1.5に調節した。
沈降ステップの終了時に、反応混合物を再び60℃で1時間保持した。次いで、沈殿を濾過により簡単に回収し、水で洗浄した後、60℃の空気中で乾燥した。次いで、得られた粉末を空気中900℃の熱処理にかけた。
この粉末(170g)をTurbulat型ミキサーを用いてLiF(1.7g)と30分間混合した。次いで、混合物を還元雰囲気(95% Ar/5% H)下1000℃で2時間か焼した。次いで、得られた生成物を水/硝酸混合物中で注意深く熱(80℃)洗浄した。
こうして、粒度D50が5.6μm、分散指数が0.6のモナザイト相の希土類リン酸塩(LaPO)粉末が得られた。生成物のBET比表面積SBETは0.6m/gであった。
実施例12
本実施例は密なLaPOコアの製造に関する。
予め水酸化アンモニウムを添加してpH1.9とし、60℃に加熱したリン酸HPO溶液(1.725モル/l,500ml)に硝酸ランタン溶液(1.5モル/l,500ml)を1時間かけて添加した。沈降中のpHを水酸化アンモニウムを添加することにより1.9に調節した。
沈降ステップの終了時に、反応混合物を再び60℃で1時間保持した。次いで、沈殿を濾過により簡単に回収し、水で洗浄した後、60℃の空気中で乾燥した。次いで、得られた粉末を空気中900℃の熱処理にかけた。
この粉末(170g)をTurbulat型ミキサーを用いてNaCl(34g)と30分間混合した。次いで、生じた混合物を空気中900℃で4時間か焼した。次いで、得られた生成物を攪拌しながら熱(80℃)水で4時間洗浄した後、濾過し、乾燥した。その後、粉末を回転ジャー中で8時間ボールミリングすることにより解凝集させた。
X線回折により特性決定したところ、こうして得た生成物はモナザイト構造のオルトリン酸ランタンLaPOであった。粒度D50は4.4μmであり、分散指数は0.6であった。
生成物のBET比表面積SBETは0.5m/gであった。
実施例13:実施例1のコア上でのLaPO/LaCeTbPOコア/シェル前駆体の合成
1L容量のビーカーにおいて、希土類硝酸塩の溶液(溶液A)を次のように調製した。すなわち、La(NOの2.8M(d=1.678g/l)溶液(117.48g)、Ce(NOの2.88M(d=1.715g/l)溶液(83.36g)、Tb(NOの2M(d=1.548g/l)溶液(49.52g)及び脱イオン水(349ml)を混合して、組成(La0.49Ce0.35Tb0.16)(NOを有する全部で0.4モルの希土類硝酸塩を得た。
2L容量の反応器に、脱イオン水(400ml)にNormapur 85% HPO(53.06g)及び28% 水酸化アンモニウムNHOHを順次添加してpH=1.5とした溶液Bを導入した。この溶液を60℃に加熱した。次いで、こうして調製したストックに実施例11からのリン酸ランタン(100g)を添加した。水酸化アンモニウムNHOH(6モル/l)によりpHを1.5に調節した。この混合物に予め調製した溶液Aを攪拌しつつ、温度(60℃)でpHを1.5に調節しながら蠕動ポンプを用いて10ml/分で添加した。得られた混合物を60℃で1時間成熟させた。成熟ステップの終了時、溶液は乳白色の外観を有していた。30℃まで放冷し、生成物から水を排水した。次いで、焼結ガラスを用いて濾過し、2容量の水で洗浄した後、乾燥し、空気中900℃で2時間か焼した。
こうして、異なる組成、すなわちLaPO及び(La,Ce,T)POの2つのモナザイト結晶相を有するモナザイト相の希土類リン酸塩が得られた。粒度D50は9.2μmであり、分散指数は0.5であった。
実施例14:実施例12のコア上でのLaPO/LaCeTbPOコア/シェル前駆体の合成
1L容量のビーカーにおいて、希土類硝酸塩の溶液(溶液A)を次のように調製した。すなわち、La(NOの2.8M(d=1.678g/l)溶液(146.85g)、Ce(NOの2.88M(d=1.715g/l)溶液(104.2g)、Tb(NOの2M(d=1.548g/l)溶液(61.9g)及び脱イオン水(312ml)を混合して、組成(La0.49Ce0.35Tb0.16)(NOを有する全部で0.5モルの希土類硝酸塩を得た。
2L容量の反応器に、脱イオン水(400ml)にNormapur 85% HPO(69.2g)及び28% 水酸化アンモニウムNHOHを順次添加してpH=1.4とした溶液Bを導入した。この溶液を60℃に加熱した。次いで、こうして調製したストックに実施例12からのリン酸ランタン(83g)を添加した。水酸化アンモニウムNHOH(6モル/l)によりpHを1.5に調節した。この混合物に予め調製した溶液Aを攪拌しつつ、温度(60℃)でpHを1.5に調節しながら蠕動ポンプを用いて10ml/分で添加した。得られた混合物を60℃で1時間成熟させた。成熟ステップの終了時、溶液は乳白色の外観を有していた。30℃まで放冷し、生成物から水を排水した。次いで、焼結ガラスを用いて濾過し、2容量の水で洗浄した後、乾燥し、空気中900℃で2時間か焼した。
こうして、異なる組成、すなわちLaPO及び(La,Ce,T)POの2つのモナザイト結晶相を有するモナザイト相の希土類リン酸塩が得られた。粒度D50は7.2μmであり、分散指数は0.3であった。
実施例15:実施例3の前駆体からのLaPO/LaCeTbPOコア/シェル発光体の合成
実施例3で得た前駆体粉末(200g)をTurbulat型ミキサーを用いて1重量%のLi(2g)と30分間注意深く混合した。次いで、この混合物をAr/H(5% 水素)雰囲気下1000℃で2時間か焼した。次いで、得られた生成物を熱水で洗浄した後、濾過し、乾燥した。このステップの後、LAP発光体が得られた。平均粒度D50は7.1μmであり、分散指数は0.5であった。
生成物の組成は(La0.75Ce0.18Tb0.08)POであり、すなわち希土類酸化物の合計に対して9重量%の酸化テルビウム(Tb)であった。
実施例16:実施例13の前駆体からのLaPO/LaCeTbPOコア/シェル発光体の合成
実施例13で得た前駆体粉末(150g)をTurbulat型ミキサーを用いて1重量%のLi(1.5g)と30分間注意深く混合した。次いで、この混合物をAr/H(5% 水素)雰囲気下1000℃で2時間か焼した。次いで、得られた生成物を熱水で洗浄した後、濾過し、乾燥した。このステップの後、LAP発光体が得られた。平均粒度D50は7.1μmであり、分散指数は0.5であった。
生成物の組成は(La0.75Ce0.18Tb0.08)POであり、すなわち希土類酸化物の合計に対して9重量%の酸化テルビウム(Tb)であった。
実施例17:実施例14の前駆体からのLaPO/LaCeTbPOコア/シェル発光体の合成
実施例14で得た前駆体粉末(150g)をTurbulat型ミキサーを用いて1重量%のLi(1.5g)と30分間注意深く混合した。次いで、この混合物をAr/H(5% 水素)雰囲気下1000℃で2時間か焼した。次いで、得られた生成物を熱水で洗浄した後、濾過し、乾燥した。このステップの後、LAP発光体が得られた。平均粒度D50は8.1μmであり、分散指数は0.4であった。
生成物を20分間ボールミリング粉砕することによる解凝集処理にかけた。こうすると、平均粒度D50は5.7μmであった。
生成物の組成は(La0.69Ce0.21Tb0.10)POであり、すなわち希土類酸化物の合計に対して10.8重量%の酸化テルビウム(Tb)であった。
本発明の実施例7、8及び9で得た発光体の光ルミネセンス収率(PL)を、光ルミネセンス収率PL=100の基準として採用した実施例6で得た発光体の収率と比較した。Jobin−Yvon分光光度計を用いて、254nmの励起下450〜700nmの発光スペクトルを統合することにより測定した。
図9は得られた発光体のSEM顕微鏡写真である。
実施例18:Al/LaCeTbPOコア/シェル発光体の合成
1L容量のビーカーにおいて、希土類硝酸塩の溶液(溶液A)を次のように調製した。すなわち、La(NOの2.8M(d=1.678g/l)溶液(146.85g)、Ce(NOの2.88M(d=1.715g/l)溶液(104.2g)、Tb(NOの2M(d=1.548g/l)溶液(61.9g)及び脱イオン水(312ml)を混合して、組成(La0.49Ce0.35Tb0.16)(NOを有する全部で0.5モルの希土類硝酸塩を得た。
2L容量の反応器に、脱イオン水(400ml)にNormapur 85% HPO(0.6モル,69.2g)及び28% 水酸化アンモニウムNHOHを順次添加してpH=1.4とした溶液Bを導入した。この溶液を60℃に加熱した。次いで、こうして調製したストックに、4.1μmの粒度D50、0.6m/gのBET比表面積を有するα−アルミナ(α−Al)(34g)を添加した。水酸化アンモニウムNHOH(6モル/l)によりpHを1.4に調節した。この混合物に予め調製した溶液Aを攪拌しつつ、温度(60℃)でpHを1.4に調節しながら蠕動ポンプを用いて10ml/分で添加した。得られた混合物を60℃で1時間成熟させた。成熟ステップの終了時、溶液は乳白色の外観を有していた。30℃まで放冷し、生成物から水を排水した。次いで、焼結ガラスを用いて濾過し、2容量の水で洗浄した後、乾燥し、空気中900℃で2時間か焼した。
こうして、異なる組成、すなわちAl及び(La,Ce,T)POの2つの結晶相を有する混合アルミナ/モナザイト相希土類リン酸塩化合物が得られた。粒度D50は7.8μmであり、分散指数は0.4であった。
実施例19:実施例18の前駆体からのAl/LaCeTbPOコア/シェル発光体の合成
実施例18で得た前駆体粉末(150g)をTurbulat型ミキサーを用いて1重量%のLi(1.5g)と30分間注意深く混合した。次いで、この混合物をAr/H(5% 水素)雰囲気下1000℃で2時間か焼した。次いで、得られた生成物を熱水で洗浄した後、濾過し、乾燥した。このステップの後、LAP発光体が得られた。平均粒度D50は8.1μmであり、分散指数は0.4であった。
生成物の組成は0.4Al/0.6(La0.49Ce0.35Tb0.16)POであった。
実施例20:YBO−LaCeTbPOコア/シェル前駆体の合成
1L容量のビーカーにおいて、希土類硝酸塩の溶液(溶液A)を次のように調製した。すなわち、La(NOの2.8M(d=1.678g/l)溶液(146.85g)、Ce(NOの2.88M(d=1.715g/l)溶液(104.2g)、Tb(NOの2M(d=1.548g/l)溶液(61.9g)及び脱イオン水(312ml)を混合して、組成(La0.49Ce0.35Tb0.16)(NOを有する全部で0.5モルの希土類硝酸塩を得た。
2L容量の反応器に、脱イオン水(400ml)にNormapur 85% HPO(0.6モル,69.2g)及び28% 水酸化アンモニウムNHOHを順次添加してpH=1.4とした溶液Bを導入した。この溶液を60℃に加熱した。次いで、こうして調製したストックに、過剰のホウ酸の存在下で空気中1000℃で前もってか焼し、3.1μmの粒度D50、0.7m/gのBET比表面積を有するホウ酸イットリウムYBO(48.7g)を添加した。水酸化アンモニウムNHOH(6モル/l)によりpHを1.6に調節した。この混合物に予め調製した溶液Aを攪拌しつつ、温度(60℃)でpHを1.6に調節しながら蠕動ポンプを用いて10ml/分で添加した。得られた混合物を60℃で1時間成熟させた。成熟ステップの終了時、溶液は乳白色の外観を有していた。30℃まで放冷し、生成物から水を排水した。次いで、焼結ガラスを用いて濾過し、2容量の水で洗浄した後、乾燥し、空気中900℃で2時間か焼した。
こうして、異なる組成、すなわちYBO及び(La,Ce,Tb)POの2つの結晶相を有する混合ホウ酸イットリウム/モナザイト相希土類リン酸塩化合物が得られた。粒度D50は5.2μmであり、分散指数は0.4であった。
実施例21:実施例20の前駆体からのYBO/LaCeTbPOコア/シェル発光体の形成
実施例20で得た前駆体粉末(100g)をTurbulat型ミキサーを用いて1重量%のLi(1g)と30分間注意深く混合した。次いで、この混合物をAr/H(5% 水素)雰囲気下1000℃で2時間か焼した。次いで、得られた生成物を熱水で洗浄した後、濾過し、乾燥した。このステップの後、LAP発光体が得られた。平均粒度D50は8.1μmであり、分散指数は0.4であった。
生成物の組成は0.4YBO−0.6(La0.49Ce0.35Tb0.16)POであった。
実施例22(比較例)
上に挙げた第1実施例(比較例)で得た前駆体粉末(170g)をTurbulat型ミキサーを用いて1重量%のLi(1.7g)と30分間注意深く混合した。次いで、この混合物をAr/H(5% 水素)下1000℃で2時間か焼した。次いで、得られた生成物を熱水で洗浄した後、濾過し、乾燥した。このステップの後、LAP発光体が得られた。平均粒度D50は5.1μmであり、分散指数は0.5であった。
生成物の組成は(La0.5Ce0.29Tb0.14)POであり、すなわち希土類酸化物の合計に対して15重量%の酸化テルビウム(Tb)であった。これは、最終発光体1kgあたり110gのTbの使用に相当した。
下表7は上記実施例の主題をなす発光体の光ルミネセンス収率(PL)を示す。この収率を光ルミネセンス収率PL=100を有する基準として採用した実施例22で得た発光体の収率と比較した。Jobin−Yvon分光光度計を用いて、254nmの励起下450〜700nmの発光スペクトルを統合することにより測定した。
Figure 0006017385

Claims (41)

  1. 1.5〜15ミクロンの平均直径を有する粒子を含み、前記粒子が非発光体無機物質を主成分とする無機コア、ここで当該無機コアは、ジルコニウム、亜鉛、チタン及び希土類金属の酸化物から選択される無機酸化物を主成分とするか、或いはシリカ、ケイ酸塩、アルミン酸塩、ホウ酸イットリウム若しくはホウ酸ガドリニウム又はチタン酸塩を主成分とし、;及びテルビウムがドープ処理されているランタン及びセリウムの混合リン酸塩を主成分とし、300nm以上の厚さで無機コアを均質に被覆しているシェル;からなる発光体前駆体(P)。
  2. テルビウムがドープ処理されているランタン及びセリウムの混合リン酸塩を主成分とするシェルが0.3〜1ミクロンの厚さで無機コアを被覆している請求項1に記載の発光体前駆体(P)。
  3. テルビウムがドープ処理されているランタン及びセリウムの混合リン酸塩を主成分とするシェルが0.5〜0.8ミクロンの厚さで無機コアを被覆している請求項2に記載の発光体前駆体(P)。
  4. シェルの混合リン酸塩が一般式(I):
    La(1−x−y)CeTbPO (I)
    (式中、xは0〜0.95であり、yは0.05から0.3であり、合計(x+y)は1以下である)
    に相当する請求項1から3のいずれか1項に記載の発光体前駆体(P)。
  5. シェルの混合リン酸塩が一般式(Ia):
    La(1−x−y)CeTbPO (Ia)
    (式中、xは0.1〜0.5であり、yは0.1から0.3であり、合計(x+y)は0.4〜0.6である)
    に相当する請求項4に記載の発光体前駆体(P)。
  6. 粒子は0.6以下の分散指数を有している請求項1から5のいずれか1項に記載の発光体前駆体(P)。
  7. 無機コアが多くとも1m/gの比表面積を有している請求項1から6のいずれか1項に記載の発光体前駆体(P)。
  8. 無機コアが多くとも0.6m/gの比表面積を有している請求項7に記載の発光体前駆体(P)。
  9. (A)ランタン、セリウム及びテルビウムの可溶性塩の水溶液(s)を、徐々に及び連続的に、攪拌下、その後起こる混合リン酸塩の沈降反応の間反応媒体のpHを多くとも0.5pH単位しか変動させずに維持しながら、分散状態にある非発光体無機物質を主成分とする初期粒子(p)及びリン酸イオンを当初含む、初期pH(pH)1〜5を有する水性媒体(m)に添加して、ランタン、セリウム及びテルビウムの混合リン酸塩がコアの表面上に堆積された非発光体無機物質を主成分とするコアを含む粒子を得ること;次いで
    (B)得られた粒子を反応媒体から分離し、400〜900℃の温度で熱処理すること
    を連続して含む請求項1から8のいずれか1項に記載の発光体前駆体(P)の製造方法。
  10. (B)工程が、得られた粒子を反応媒体から分離し、少なくとも600℃に等しい温度で熱処理する、請求項9に記載の発光体前駆体(P)の製造方法。
  11. 粒子(p)が球形である請求項9又は10に記載の方法。
  12. 粒子(p)が0.5から14ミクロンの平均直径を有している請求項9から11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 粒子(p)が2から9ミクロンの平均直径を有している請求項12に記載の方法。
  14. 粒子(p)が0.6未満の分散指数を有している請求項9から13のいずれか1項に記載の方法。
  15. ステップ(A)において、リン酸イオンが最初水性媒体(m)中にリン酸アンモニウムの形態で存在している請求項9から14のいずれか1項に記載の方法。
  16. ステップ(A)において、リン酸イオンが水性媒体(m)中に化学量論過剰、すなわち1以上の初期リン酸イオン/(La+Ce+Tb)モル比で導入される請求項9から15のいずれか1項に記載の方法。
  17. ステップ(A)において、リン酸イオンが水性媒体(m)中に化学量論過剰で、1.1から3の初期リン酸イオン/(La+Ce+Tb)モル比で導入される請求項16に記載の方法。
  18. ステップ(A)の水溶液(s)の添加の終了時で、ステップ(B)の前に成熟ステップを含む請求項9から17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 使用する粒子(p)が多くとも1m/gの比表面積を有している請求項9から18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 使用する粒子(p)が多くとも0.6m/gの比表面積を有している請求項19に記載の方法。
  21. 請求項1から8のいずれか1項に記載の前駆体(P)を900℃以上の温度で熱処理するステップ(C)を含む前記前駆体(P)からの発光体(L)の製造方法。
  22. 請求項1から8のいずれか1項に記載の前駆体(P)を少なくとも1000℃の温度で熱処理するステップ(C)を含む請求項21に記載の製造方法。
  23. 1.5から15ミクロンの平均直径を有し、非発光体無機物質を主成分とする無機コア、ここで当該無機コアは、ジルコニウム、亜鉛、チタン、アルミニウム及び希土類金属の酸化物から選択される無機酸化物を主成分とするか、或いはシリカ、ケイ酸塩、アルミン酸塩、ホウ酸イットリウム若しくはホウ酸ガドリニウム又はチタン酸塩を主成分とし、;及びテルビウムがドープ処理されているランタン及びセリウムの混合リン酸塩(LAP)を主成分とし、リン酸ランタンの構造を有し、300nm以上の厚さで無機コアを均質に被覆しているシェル;からなる粒子を含む発光体(L)。
  24. 前記粒子が3から10ミクロンの平均直径を有する、請求項23に記載の発光体(L)。
  25. 前記シェルが0.3から1ミクロンの厚さで前記無機コアを均質に被覆している請求項23又は24のいずれか1項に記載の発光体(L)。
  26. シェルの混合リン酸塩が請求項4の式(I)に相当する請求項23から25のいずれか1項に記載の発光体(L)。
  27. シェルの混合リン酸塩が請求項5の式(Ia)に相当する請求項23から25のいずれか1項に記載の発光体(L)。
  28. 無機コアが多くとも1m/gの比表面積を有している請求項23から27のいずれか1項に記載の発光体(L)。
  29. 無機コアが多くとも0.6m/gの比表面積を有している請求項28に記載の発光体(L)。
  30. 55重量%のLa酸化物、30重量%のCe酸化物及び15重量%のTb酸化物の組成を有するTbがドープ処理されているLa及びCeの混合リン酸塩に比して実質的に同一又はそれ以上の光ルミネセンス収率を有し、前記混合リン酸塩よりも少なくとも10重量%少ないTb含量を有していることを特徴とする請求項23から29のいずれか1項に記載の発光体(L)。
  31. Tb含量が前記混合リン酸塩のTb含量より少なくとも30重量%少ないことを特徴とする請求項30に記載の発光体(L)。
  32. Tb含量が前記混合リン酸塩のTb含量より少なくとも50重量%少ないことを特徴とする請求項31記載の発光体(L)。
  33. プラズマシステムに対して緑色ルミセネンス効果を与えるための請求項23から32のいずれか1項に記載の発光体(L)の使用。
  34. 前記プラズマシステムがディスプレイスクリーン又は照明システムである請求項33に記載の発光体(L)の使用。
  35. UV励起デバイス、液晶システムを背面照明するためのランプ、プラズマスクリーン、キセノン励起ランプ、発光ダイオードによる励起のためのデバイス又はUV励起マーキングシステムにおける請求項33又は34に記載の発光体の使用。
  36. 前記UV励起デバイスが、三原色ランプである請求項35に記載の発光体の使用。
  37. 前記三原色ランプが、水銀蒸気三原色ランプである請求項36に記載の発光体の使用。
  38. 請求項23から32のいずれか1項に記載の発光体(L)を緑色ルミネセンスの源として含む発光デバイス。
  39. UV励起デバイス、液晶システムを背面照明するためのランプ、プラズマスクリーン、キセノン励起ランプ、発光ダイオードによる励起のためのデバイス又はUV励起マーキングシステムである請求項38に記載の発光デバイス。
  40. 前記UV励起デバイスが、三原色ランプである請求項39に記載の発光デバイス。
  41. 前記三原色ランプが、水銀蒸気三原色ランプである請求項40に記載の発光デバイス。
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