JP6014345B2 - 錠受金具 - Google Patents
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Description
錠前は、ドアを閉じた状態において、ドア側に取り付けられた錠からデッドボルトを突出させて、デッドボルトの先端部をドア枠側に取り付けられた錠受金具の開口部に挿入することによって、デッドボルトを介してドアをドア枠に固定することができる構造となっている。
しかし、ドアとドア枠の隙間が広くなりすぎると、デッドボルトと錠受金具の掛合量を十分にとるには、デッドボルトを長くしたりしなければならない。すると、通常の剛性のデッドボルトを使用した場合、撓み易くなる等の防犯上問題が生じる可能性があり、防犯性を維持するには、非常に剛性の強い素材で形成されたデッドボルトや錠受金具等を使用することが必要となる。
また、奥行き方向の押圧だけでなく鉛直方向の移動にも対応可能な錠受金具は特許文献3にも開示されている。
第2発明の錠受金具は、第1発明において、前記支持壁と前記可動部との間には、可動スペースが設けられており、該可動スペースには、前記支持壁に対して接近離間する方向における前記可動部の移動を制限する移動固定部材が設けられていることを特徴とする。
第3発明の錠受金具は、第2発明において、前記移動固定部材は、断面視略コ字状に形成された部材であって、前記支持壁の内面側に配設される本体部側壁と、該本体部側壁と互いに略平行であって、前記支持壁の内面に対向する前記可動部の対向面側に配設される可動部側壁と、前記本体部側壁の一端と前記可動部側壁の一端とを連結する連結壁と、から形成されており、該連結壁は、前記本体部側壁および前記可動部側壁に対して傾斜するように形成されていることを特徴とする。
第4発明の錠受金具は、第3発明において、前記位置決め部材が、前記可動部の対向面から前記錠受面の面方向に沿って前記本体部の支持壁に向かって延びた板状の部材であって、前記支持壁には、前記本体部の内部と外部を連通する保持孔が形成されており、前記保持手段は、前記保持孔に前記位置決め部材の先端部を挿入することによって、該位置決め部材の先端部を保持しており、前記移動固定部材の本体部側壁には、その先端に板状の舌状部が設けられており、該舌状部は、その先端部が、前記保持孔に挿入された状態における前記位置決め部材の先端部の前記錠受面に対向する面と、前記保持孔の内端面との間に挿入されていることを特徴とする。
第2発明によれば、移動固定部材が可動スペース内に設けられているので、可動部の錠受面の面方向(ドア枠に取り付けた場合では鉛直方向)の移動を制限することができる。つまり、移動固定部材によって、本体部内における可動部の錠受面の面方向における可動部の位置を調整することができる。しかも、移動固定部材に対して可動部の錠受面の面方向に向かって所定以上の力が加わって移動固定部材が変形すれば、可動部を錠受面の面方向に向かって移動させることができる。すると、施錠した状態において、地震によって錠受面の面方向に向かってドアやドア枠が移動する場合であっても、錠受面の面方向に沿って可動部を移動させることができるので、デッドボルトが可動部に干渉することによって解錠ができないといった状況を回避できる。
第3発明によれば、移動固定部材の連結壁が本体側壁および可動部側壁に対して傾斜するように形成されているので、可動部が所定以上の力で錠受面の面方向(ドア枠に取り付けた場合では鉛直方向)に向かって力が加えられた場合、本体側壁と可動部側壁とが互いに接近するように変形させやすくなる。しかも、本体側壁を本体部の支持壁の内面側に、可動部側壁を可動部の対向面側に配設しているので、本体側壁は支持壁に対し、可動部側壁は可動部に対して反力を発揮させながら変形させることができる。すると、かかる移動固定部材によって可動部に加えられた錠受面の面方向の力を吸収しながら可動部に対して反力を働かせることができるので、可動部にデッドボルトの先端部を挿入した状態であってもデッドボルトつまりドアまたはドア枠の錠受面の面方向の移動に対応することができる。そうすると、(鎌形の)デッドボルトの先端部が可動部に干渉するのを確実に防止することができる。さらに、連結壁の本体側壁および可動部側壁に対する傾斜角度を調整すれば、錠受面の面方向に向かって加えられた力に対して抵抗する反力を調整できる。
第4発明によれば、移動固定部材の舌状部を、保持孔に挿入された状態における位置決め部材に対して、舌状部の位置決め部材に対向する面と位置決め部材の錠受面に対向する面によって形成されるなす角度が鋭角になるように、保持孔に挿入することができる。つまり、移動固定部材の舌状部をくさび状に保持孔に挿入することができるのである。すると、保持孔に挿入した移動固定部材の舌状部によって、位置決め部材の出没方向における移動を制限できる。言い換えれば、可動部の出没方向における位置を確実に位置決めすることができる。しかも、移動固定部材の舌状部を保持孔に押し込むように挿入すれば、移動固定部材に対して反力を発生させることができる。つまり、可動部に対して可動部が本体部の支持壁から離れる方向に向かって反力を働かせるのである。すると、錠受面の面方向に対する可動部の移動をより制限することができる。言い換えれば、可動部の錠受面の面方向における位置を確実に決めることができる。
本発明の錠受金具は、マンション等の集合住宅の住戸や戸建住宅などの玄関用のドア枠などに取り付けて使用される錠受金具であって、平常時には、確実にドアをドア枠に対して固定(つまりドアをロック)することができ、地震時には、確実にドアを解錠できる構造としたことに特徴を有する。
また、本発明の錠受金具を取り付ける場所はドア枠に限られない。例えば、錠前を取付けて使用する親子ドアにおける一方のドアや、袖パネル付ドアにおける袖パネルなどに取り付けて使用することも可能である。
さらに、本願明細書のデッドボルトやラッチボルトは、錠前を構成するドア側に取り付けて使用される一般的な錠に設けられるデッドボルト等を使用することができ、その形状等はとくに限定されない。
図7に示すように、本実施形態の錠受金具1は、本体部2と、この本体部2の内部に収容される可動部10と、この可動部10を本体部2内において所定の位置に保持する位置決め機構、具体的には、可動部10を本体部2から突出させた状態で保持しておく位置決め機構を備えている。
図7に示すように、本体部2は、その一面に開口を有し、かつ内部に断面矩形状に形成された中空な空間2hを有する箱状の部材である。
なお、詳細は後述するが、この開口から錠受面11fが突出するように、可動部10の可動部本体部11は本体部2に取り付けられるのである。
図7に示すように、一対の支持壁2wには、それぞれ本体部2の内部と外部を貫通する保持孔2sが形成されている。具体的には、この保持孔2sは、本体部2内に後述する可動部本体部11を配置した状態において、後述する位置決め部材12の先端部が挿通される孔である。
また、図1に示すように、保持孔2sは、後述する位置決め部材12の先端部を保持した状態において、後述する可動部本体部11の底部と本体部2の内底面が離間し、かつ、本体部2の開口から可動部本体部11の錠受面11fが突出するような位置に形成されている。
図2において、符号3はカバー部材3を示している。このカバー部材3は、本体部2内に後述する可動部10を収容した状態において、本体部2の開口外縁部を覆うように取付けられるものである。図1に示すように、カバー部材3は、その厚みや形状がドア枠Fに本実施形態の錠受金具1を取り付けた状態において、カバー部材3の表面とドア枠F表面とが略面一になるように形成されている。
図2に示すように、カバー部材3には、本体部2の開口と対応した開口3hが設けられており、この開口3hを通して、可動部10の可動部本体部11が突出するのである。
図1に示すように、可動部10は、断面視略矩形状に形成された可動部本体部11と、この可動部本体部11の側壁から外方に向かって板状の位置決め部材12と、を備えている。
例えば、可動部本体部11は、錠受面11fの長手方向の辺に連結された一対の側壁(以下、長辺壁という)と、この一対の長辺壁間に設けられた一対の側壁(以下、短辺壁11wという)と、から形成されている。
一方、可動部本体部11は、長辺壁間の距離(つまり、可動部本体部11の幅)が本体部2の長側壁間の距離(つまり、本体部2の中空な空間2hの内幅)とほぼ同じとなるように形成されている。つまり、本体部2内に可動部本体部11を取り付けた状態において、可動部本体部11の長辺壁の外壁と本体部2の長側壁の内面と間には、ほとんど隙間が生じないように取り付けられているのである。
したがって、可動部本体部11を本体部2内に取り付けた状態において、可動部本体部11は、本体部2内において、その長手方向ではその長手方向に沿って可動スペース分移動可能であり、その長手方向に略直交する方向では移動が制限されるように取り付けられている。
可動部本体部11は、一対の位置決め部材12を介して、本体部2内に取り付けられている。
図1に示すように、一対の位置決め部材12は、その基端が可動部本体部11の短辺壁11wの下端部(つまり底部側)にそれぞれ連結され、かつこの基端から先端に向かって錠受面11fと略平行になるように延びた板状の部材である。
また、一対の位置決め部材12は、いずれも、可動部本体部11の錠受面11fからの距離L1(図3参照)が、保持孔2sから本体部2の開口面からの距離L2(図6参照)よりも長くなるように可動部本体部11に設けられている。
図1に示すように、可動スペースには、移動固定部材20が設けられている。
図1および図7に示すように、移動固定部材20は、断面略コ字状の板状の部材であって、本体部側壁21bと、可動部側壁21cと、連結壁21aと、から形成されている(図3参照)。
本体部側壁21b壁は、本体部2の短辺壁11wの内壁側に配設される壁である。
可動部側壁21cは、本体部側壁21b壁と略平行であって、本体部2の長手方向に略直交する側壁の内壁に対向する可動部本体部11の対向面側に配設される壁である。
連結壁21aは、本体側壁21bの一端と可動部側壁21cの一端とを連結する壁である。
具体的には、図1に示すように、舌状部22は、本体側壁21bに対して略直交するよう本体側壁21b先端に連結するように形成されている。
しかも、かかる状態において、可動部本体部11の底部は、本体部2内底面から離間した状態で保持させておくことができる。つまり、可動部本体部11の短辺壁11wに位置決め部材12を設ける位置と、本体部2の支持壁2wに保持孔2sを形成する位置を調整すれば、本体部2の開口から突出する可動部本体部11の錠受面11fの突出量を調整することができるのである。
本実施形態の錠受金具1は、錠受金具1をドア枠F等に取り付ける現場で組み立てもよいが、事前に組み立ておけば、ドア枠F等への取り付けが容易になる。
以下、錠受金具1の組立方法を、図7に基づいて説明する。
移動固定部材20は、本体部2内壁側に配設するときに、本体部側壁21b壁の先端に設けられた板状の舌状部22を保持孔2sに挿入するように配設する。つまり、舌状部22の先端部を、保持孔2sに挿入された状態における位置決め部材12の先端部の錠受面11fに対向する面と、保持孔2sの内端面との間に挿入するのである。
しかも、移動固定部材20の舌状部22を保持孔2sに押し込むように挿入すれば、移動固定部材20に対して反力を発生させることができる。つまり、可動部本体部11に対して可動部本体部11が本体部2の支持壁2wから離れる方向に向かって反力を働かせるのである。すると、錠受面11fの面方向に対する可動部本体部11の移動をより制限することができる。言い換えれば、可動部本体部11の錠受面11fの面方向における位置を確実に決めることができる。
以上のごとき、本実施形態の錠受金具1を、マンション等の集合住宅などの住戸の玄関ドア枠に取り付ける手順を図7に基づいて説明する。
この取付開口部Fhは、その形状および大きさが本実施形態の錠受金具1の本体部2を収容することができるように形成されている。そして、取付開口部Fhを囲む一対のドア枠F端面から鉛直方向と略平行になるように内方に向かってフランジ状の固定部材Faが設けられている。この固定部材Faには、表裏を貫通する貫通孔が形成されている。
すると、ドアDの端面との間の隙間を大きくしても、錠受面11fからドアDの端面までの距離を短くできるので、通常のデッドボルトDBを使用しても、しっかりと施錠することができるのである。
そこで、以下では、かかる機能を錠受金具1に付与する、位置決め部材12および保持孔2sの構成(つまり、特許請求の範囲にいう位置決め機構)についてより詳細に説明する。
図3に示すように、位置決め部材12は、可動部本体部11の短辺壁11wに基端が連結されている。
なお、位置決め部材12の形成方法は、とくに限定されず、例えば、可動部本体部11を形成する際に併せて一体形成してもよい。具体的には、可動部本体部11を一枚の板部材から形成する場合、支持壁2wとなる部分の先端部が他の側壁の基端から先端までの距離よりも長くなるように形成する。そして、各側壁を挿入開口11a、11bを有する錠受面11fを中心に折り曲げれば、可動部本体部11を形成することができる。しかも、このとき支持壁2wに対して略直交するように折り曲げるだけで、位置決め部材12を形成することができる。
例えば、図3に示すように、可動部本体部11の錠受面11fから位置決め部材12の本体部2の内底面に対向する面までの距離L1が、本体部2の支持壁2wに形成された保持孔2sの下端から本体部2の開口面までの距離とカバー部材の厚さtを足した距離よりも長くなるように形成する。
つぎに、本実施形態の錠受金具1をドア枠Fに取り付けた状態において、本実施形態の錠受金具1に対して、可動部本体部11の錠受面11fの面方向(鉛直方向)に向かって押圧された場合と、錠受面11fの面方向に対して略直交する方向(奥行き方向)に向かって力加えられた場合について、錠受金具1の作動を説明する。
まず、錠受面11fの面方向に対して略直交する方向に向かって押圧(以下、奥行き方向の押圧という)された場合について説明する。
一方、位置決め部材12の基端は、可動部本体部11の短辺壁11wに連結されているので、可動部本体部11の奥行き方向における可動部本体部11に対する位置決め部材12の基端の相対的な移動が固定されている。
しかも、可動部本体部11は、その底部と本体部2の内底面との間に隙間が形成されるように、位置決め部材12の先端部は、保持孔2sによって保持されている。
すると、可動部本体部11に対して奥行き方向の力で押圧された場合(図4では右から左への矢印の方向)、その押圧する力によって位置決め部材12に発生する応力が弾性限界を超えれば、図4に示すように、位置決め部材12が塑性変形して、可動部本体部11を奥行き方向に後退させることができる。そうすると、ドア枠F等の変形や地震等によるドアDの移動などがあっても、可動部本体部11が解錠やドアDの開閉の邪魔とならない。
例えば、可動部本体部11と位置決め部材12を一体で形成した場合(一枚の板で形成した場合など)でも、位置決め部材12の幅を細くしたり、適宜切り込みを入れしたり、位置決め部材12の基端と可動部本体部11の短辺壁11wが連結する連結部に貫通する貫通孔を形成したり(図7参照)、するなどすれば、位置決め部材12の強度を調整することができる。とくに、位置決め部材12と短辺壁11wとの連結部に貫通孔を形成すれば、貫通孔の大きさおよび/または数によって位置決め部材12の強度の調整がしやすくなる。しかも、可動部本体部11と併せて一体成型する際に位置決め部材12を折り曲げやすくなるので、位置決め部材12の短辺壁11wに対する角度調整を行いやすくなる。もちろん、可動部本体部11とは別に形成した位置決め部材12を可動部本体部11に取り付けるような場合には、所望の強度を発揮させるように位置決め部材12の形状や使用する素材などを調整すればよい。
つぎに、可動部本体部11の錠受面11fの面方向(以下、鉛直方向という)に向かって力が加えられた場合について説明する。なお、可動部本体部11に対して鉛直方向の力が加えられる場合として、地震発生時のドアDまたはドア枠Fが鉛直方向に移動した場合が想定される。この場合、デッドボルトDBと可動部本体部11との干渉が問題となる。具体的には、デッドボルトDBの先端部の上端部や下端部を、可動部本体部11との干渉が問題となる。
したがって、以下では、ドアDを施錠した状態(デッドボルトDBを可動部本体部11内に挿入した状態)における可動部本体部11の移動について説明する。なお、デッドボルトDBの先端部とは、デッドボルトDBの先端近傍のほか、可動部本体部11内に挿入されているデッドボルト部分全体や鎌状デッドボルトの鎌状部分も含む概念である。
具体的には、移動固定部材20の連結壁21aが本体側壁21bおよび可動部本体部側壁21cに対して傾斜するように形成されているので、可動部本体部11に対して鉛直方向の力が加えられた場合、本体側壁21bおよび可動部本体部側壁21cは互いに接近するように変形する。
すると、可動部本体部11にデッドボルトDBの先端部が挿入された状態において、デッドボルトDB、つまりドアまたはドア枠の錠受面11fの面方向の移動に対応させて、可動部本体部11を移動させることができる。
そうすると、デッドボルトDBの先端部が可動部本体部11に食い込んだりすることを防止することができる。とくに、デッドボルトDBの先端部に鎌状部材等を有する鎌状デッドボルトを使用する場合には、鎌状部材等が可動部本体部11に食い込んで外れなくなることを防ぐことができる。よって、鎌状デッドボルトを使用した場合において、地震によって鉛直方向の力が可動部本体部11に加えられても確実に解錠することができ、ドアDを開放することができる。
さらに、移動固定部材20の本体側壁21bや可動部本体部側壁21cに凹みや孔を設けずに、突起を本体部2の支持壁2wや可動部本体部11の短辺壁11wに設けておけば、この突起が移動固定部材20と干渉して、移動固定部材20からの反力が強くなるので、可動部本体部11の移動をしっかりと固定することができる。
以上のごとき構造であるので、本実施形態の錠受金具1をマンション等の集合住宅などの玄関用のドア枠Fに取り付けて使用すれば、平常時では、確実にドアをドア枠に対して固定(つまりドアをロック)することができる。
具体的には、可動部本体部11に設けられた位置決め部材12および支持壁2wに形成された保持孔2sによって、本体部2内において、可動部本体部11が所定の位置に保持することができる。すると、ドア枠Fの内壁面から可動部本体部11の錠受面11fを突出させた状態で保持し、かかる錠受面11fからデッドボルトDBを可動部本体部11内へ挿入させることができる。かかる状態において、錠受面11fとドアD側端面の錠の表面の距離は、一般的なドアの場合と同等の距離にできる。つまり、耐震用のドア枠Fであっても本実施形態の錠受金具1を使用すれば、一般的なデッドボルトを使用して通常と同等の防犯性能を備えることができる。
具体的には、可動部本体部11の錠受面11fに向かって所定以上の力が加わる地震などの災害では、可動部本体部11を奥行き方向に向かって後退させることができる。また、可動部本体部11に対して鉛直方向に向かって所定以上の力が加えられた場合、移動固定部材20を変形させることによって、可動部本体部11を鉛直方向に向かって移動させることができる。
すると、ドアDを施錠した状態において、地震によって奥行き方向および/または鉛直方向に向かう力が発生した場合であっても、可動部本体部11が奥行き方向および/または鉛直方向に移動できるので、デッドボルトDB(鎌状デッドボルトを含む)が可動部本体部の錠受面11fに干渉して解錠できなくなるような場合を回避することができる。つまり、ドア枠Fなどが変形するような地震であっても、建築物の屋内にいる人はデッドボルトDBを可動部本体部11からスムースに脱離させることができるので、地震によって解錠できなくて屋内に人が閉じ込められる状況を回避することができる。例えば、ドア枠Fが変形し、可動部本体部11の錠受面11fにドアDの側端面が接するような状態となっても、建築物の屋内にいる人はドアを開放することができる。
例えば、可動部本体部11を錠受面11fと平行な方向に移動させなくて良い場合であれば、本体部2の支持壁2wの内面に突起を設けてその突起の開口側の面に位置決め部材12の先端部が載せられるような構造としてもよい。ただし、この場合には、可動部本体部11が開口側に向かって移動することを止めるために、カバー部材3と位置決め部材12との間に、移動を制限する部材(例えば、移動固定部材20)を設けることが必要である。もちろん、突起の開口側の面に位置決め部材12の先端部を載せたあとで、溶接等の方法によって位置決め部材12を本体部2に固定してもよい。
さらになお、上記のごとき構造を採用すれば、移動固定部材20を設けなくても可動部本体部11の鉛直方向への移動をある程度制限することが可能となる。
2 本体部
2s 保持孔
2w 支持壁
10 可動部
11 可動本体部
11f 鍵受面
12 位置決め部材
1 位置決め部材
20 移動固定部材
D ドア
DB デッドボルト
F ドア枠
Claims (4)
- デッドボルトが挿入される挿入開口を有する錠受金具であって、
一面に開口を有し内部に中空な空間を有する本体部と、
該本体部内に収容された、前記挿入開口が形成された錠受面を有する可動部と、を備えており、
前記可動部は、
前記錠受面が前記本体部の開口から出没可能となるように設けられており、
該可動部の錠受面を前記本体部の開口から突出させた状態で保持する位置決め機構が設けられており、
該位置決め機構は、
前記本体部の一面と交差する該本体部の支持壁と前記可動部との間に設けられ、その基端が該可動部に連結された位置決め部材と、
該位置決め部材の先端部を保持する保持手段と、を備えており、
前記位置決め部材は、
前記可動部の出没方向における前記可動部に対する該位置決め部材の基端の相対的な移動が固定されるように、その基端が前記可動部に連結されており、
前記保持手段は、
前記可動部の出没方向における前記本体部に対する前記位置決め部材の先端部の相対的な移動を固定するように、前記位置決め部材の先端部を保持するものであり、
前記支持壁には、
前記本体部の内部と外部を連通する保持孔が形成されており、
前記保持手段は、
前記保持孔に前記位置決め部材の先端部を挿入することによって、該位置決め部材の先端部を保持している
ことを特徴とする錠受金具。 - 前記支持壁と前記可動部との間には、可動スペースが設けられており、
該可動スペースには、
前記支持壁に対して接近離間する方向における前記可動部の移動を制限する移動固定部材が設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の錠受金具。 - 前記移動固定部材は、
断面視略コ字状に形成された部材であって、
前記支持壁の内面側に配設される本体部側壁と、
該本体部側壁と互いに略平行であって、前記支持壁の内面に対向する前記可動部の対向面側に配設される可動部側壁と、
前記本体部側壁の一端と前記可動部側壁の一端とを連結する連結壁と、から形成されており、
該連結壁は、
前記本体部側壁および前記可動部側壁に対して傾斜するように形成されている
ことを特徴とする請求項2記載の錠受金具。 - 前記位置決め部材が、
前記可動部の対向面から前記錠受面の面方向に沿って前記本体部の支持壁に向かって延びた板状の部材であって、
前記支持壁には、前記本体部の内部と外部を連通する保持孔が形成されており、
前記保持手段は、
前記保持孔に前記位置決め部材の先端部を挿入することによって、該位置決め部材の先端部を保持しており、
前記移動固定部材の本体部側壁には、
その先端に板状の舌状部が設けられており、
該舌状部は、
その先端部が、前記保持孔に挿入された状態における前記位置決め部材の先端部の前記錠受面に対向する面と、前記保持孔の内端面との間に挿入されている
ことを特徴とする請求項3記載の錠受金具。
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