JP6012030B2 - 飲料用起泡剤及びこれを含有する発泡飲料、並びに発泡飲料の製造方法 - Google Patents
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Description
上記課題を達成するために、例えば、サポニンとオリゴ糖を組み合わせる技術(特許文献1)、サポニン・グリセリン脂肪酸エステルなどのの起泡剤と、寒天・ゼラチン・カラギーナンなどの泡保持剤とを組み合わせた技術(特許文献2)などが開示されている。
本発明は、上記した課題に基づいてなされたものであり、その目的は、美味しいビールのように、きめ細かく、かつ安定性のある泡を有する飲料用起泡剤及びこれを含有する発泡飲料、並びに発泡飲料の製造方法を提供することである。
こうして、本願発明に係る飲料用起泡剤は、発泡飲料に対して、ポリグリセリン脂肪酸エステルを臨界ミセル濃度の0.025倍〜5倍、好ましくは0.1〜3倍の濃度で含有させることを特徴とする。
本発明において、前記飲料用起泡剤を含有させた発泡飲料は、下記(式1)を泡比率とし、
泡比率=泡容量/全容量×100 (式1)
25℃において1時間経過後の気泡が、200mLネスラー管に各サンプルを一定の速度で注ぎ入れ、5分後に全容量に占める泡容量を測定し、泡比率を(式1)に従って計算したときの泡比率が10%〜50%(好ましくは、25%〜50%)となることが好ましい。
本発明において、ポリグリセリン脂肪酸エステルが、ポリグリセリンと脂肪酸のモノエステルであることが好ましい。
本願発明に係る発泡飲料は、上記飲料用起泡剤を含有することを特徴とする。
また、本願発明に係る発泡飲料の製造方法は、炭酸を含有する発泡飲料について、上記飲料用気泡剤を臨界ミセル濃度の0.025倍〜5倍、好ましくは0.1〜3倍の濃度で含有させることを特徴とする。
本発明において、発泡飲料とは、炭酸を含有する飲料を意味しており、例えばビール・酎ハイなどのアルコール飲料、サイダー・コーラ・ジンジャーエールなどの非アルコール飲料の他に、ビール・酎ハイよりもアルコール度数が低いアルコール飲料などが含まれる。また、発泡飲料は、透明または懸濁のいずれでも良い。
ポリグリセリン脂肪酸モノエステルとは、ポリグリセリンと脂肪酸とのモノエステルを意味する。
ポリグリセリンモノステアレートとは、ポリグリセリンとステアリン酸とのモノエステルを意味する。ポリグリセリンモノステアレートとしては、例えば、市販製品であるペンタグリセリンモノステアレート(サンソフトA−181E;太陽化学)、デカグリセリンモノステアレート(サンソフトQ−18S;太陽化学)などが挙げられる。
臨界ミセル濃度(critical micelle concentration : c.m.c.)とは、界面活性剤がミセルを形成するために必要な最低限の濃度を意味する。一般に、c.m.cは各界面活性剤について固有の値である。
次に、本発明を実施例により詳しく説明する。
1.炭酸飲料
炭酸飲料として、炭酸水(サントリーソーダ:サントリー製)を用いた。
2.気泡の微細性および安定性に関する試験
上記炭酸飲料を開封し、表1および表2に示すように、実施例1〜実施例6および比較例1〜比較例7に記載の飲料用起泡剤を表の添加量に従って添加した後、再度栓をした。25℃または37℃にて、1時間経過後、各サンプルについて、気泡微細性、気泡安定性および風味に関する評価を行った。
なお、乳化剤として用いた物質のc.m.c(臨界ミセル濃度)は、ポリグリセリンモノミリステート(サンソフトA−141E;太陽化学)では0.004質量%、ポリグリセリンモノステアレート(サンソフトA−181E;太陽化学、またはサンソフトQ−18S;太陽化学)では0.008質量%、ポリソルベート80では0.009質量%、ショ糖モノステアレートでは0.004質量%であった。
気泡微細性
5…非常に微細な泡が大量に発生
4…微細な泡が発生
3…やや微細な泡が発生
2…無添加炭酸飲料と比べると微細であるが、少量の泡が発生
1…無添加炭酸飲料の泡と同等の泡が発生
5…界面活性剤の風味は感じられない
4…界面活性剤の風味はほとんど感じられないが、風味の変化がある
3…界面活性剤の風味が感じられるが、不快感は無い
2…界面活性剤の風味が感じられ、好ましくない
1…界面活性剤の風味があり、飲用に耐えられない
また、気泡安定性については、200mLネスラー管に各サンプルを一定の速度で注ぎ入れ、5分後に全容量に占める泡容量を測定し、泡比率を(式1)に従って計算した。
泡比率=泡容量/全容量×100 (式1)
一方、実施例1〜実施例6に示すように、ポリグリセリン脂肪酸エステルを適当な濃度範囲で用いると、気泡微細性または/および気泡安定性が良好となり、合わせて風味についても良好な飲料として使用できることが判った。
また、実施例1〜実施例6では、長時間にわたって、飲用時の温度(25℃または37℃)にて放置した場合でも、良好な気泡安定性と風味を保持できることが判った。
1.炭酸飲料
炭酸飲料として、ビールを用いた。
2.気泡の微細性および安定性に関する試験
上記炭酸飲料を開封し、表5および表6に示すように、実施例7〜実施例9および比較例8〜比較例10に記載の飲料用起泡剤を表の添加量に従って添加した後、再度栓をした。25℃または37℃にて、1時間経過後、各サンプルについて、気泡微細性、気泡安定性および風味に関する評価を行った。
一方、実施例7〜実施例9に示すように、ポリグリセリン脂肪酸エステルを適当な濃度範囲で用いると、気泡微細性または/および気泡安定性が良好となり、合わせて風味についても良好なビールとして使用できることが判った。
また、実施例7〜実施例9では、長時間にわたって、飲用時の温度(25℃または37℃)にて放置した場合でも、良好な気泡安定性と風味を保持できることが判った。
このように本実施形態によれば、美味しいビールのように、きめ細かく、かつ安定性のある泡を有する飲料用起泡剤及びこれを含有する発泡飲料、並びに発泡飲料の製造方法を提供できた。加えて、飲用時の温度(25℃または37℃)で長時間にわたって放置した場合でも、良好な気泡安定性と風味を保持できた。
Claims (3)
- 炭酸飲料に対して、ポリグリセリン脂肪酸エステルを臨界ミセル濃度の0.25倍〜5倍の濃度で含有させることを特徴とする炭酸飲料用起泡剤であって、
前記炭酸飲料用起泡剤を含有させた発泡飲料は、下記(式1)を泡比率とし、
泡比率=泡容量/全容量×100 (式1)
25℃において1時間経過後に、200mLネスラー管に各サンプルを一定の速度で注ぎ入れ、5分後に全容量に占める泡容量を測定し、泡比率を(式1)に従って計算したときの泡比率が10%〜50%であり、
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが、ポリグリセリンと脂肪酸のモノエステルであり、
前記脂肪酸が、ミリスチン酸であることを特徴とする炭酸飲料用起泡剤。 - 請求項1に記載の炭酸飲料用起泡剤を含有することを特徴とする炭酸発泡飲料。
- 前記炭酸飲料が、ビール、酎ハイ、サイダー、コーラ、ジンジャーエールからなる群から選択される一つであることを特徴とする請求項1に記載の炭酸飲料用起泡剤。
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