JP2019201566A - 容器詰アルコール飲料 - Google Patents

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【課題】本発明の課題は、アルコールに起因する刺激感が抑制され、総合的に美味しいアルコール飲料を提供することである。【解決手段】本発明によって、2,6−ノナジエノールの含有量(A)が0.01〜100μg/L、アルコールの含有量(B)が42v/v%以下である容器詰アルコール飲料が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、容器詰アルコール飲料およびその製造方法に関する。特に本発明は、2,6−ノナジエノールを含有し、好ましい香味を備えるとともに容器詰飲料としての安定性も有するアルコール飲料に関する。
冷やした焼酎にキュウリを入れて飲用することが知られている。さわやかな香味がアルコール飲料に付与されるといわれているが、あくまで、焼酎などを飲用する際に行われることであり、容器詰アルコール飲料にキュウリを入れることは一般に行われていない。
キュウリに含まれる香気成分として、いわゆるキュウリアルコール(2,6−ノナジエナール)が知られており、例えば、特許文献1〜3には、キュウリアルコールを含有するアルコール飲料が開示されている。特許文献1(特開2003−93084号公報)には、高濃度の2,6−ノナジエナールを配合してフレッシュな香りを有するアルコール飲料を得ること、特許文献2(特開2005−21055号公報)には、2,6−ノナジエナールを含有し、グリーンな香りを有する蒸留酒を製造するためにリポキシゲナーゼを用いることが記載されている。また、特許文献3(特開2016−119841号公報)には、2,6−ノナジエナールによってアルコール飲料におけるアルコールの刺激感を抑制することが開示されている。
特開2003−093084号公報 特開2005−021055号公報 特開2016−119841号公報
一般に、容器詰めされたアルコール飲料は、流通と市場を経て消費者へ届けられる。例えば、アルコール度数の低いアルコール飲料(RTD製品:Ready to Drink)は、製造されてから消費者が購入するまでの間、流通や市場で滞留することがある。また、アルコール度数の高いリキュール類は、カクテル素材として少量ずつ消費されることもあるため、購入・開栓から使い切るまでの間、常温で長期間保管されることになり、購入前の流通や市場での期間も加えると、製造後からの期間は非常に長いものとなることもある。
このように、製造から飲用までの期間が長い容器詰アルコール飲料については、経時的な品質低下の問題が起こる場合がある。すなわち、沈殿が生じて商品の外観を損なったり、成分の経時的な変化によってオフフレーバーを発生したり味わいが薄くなったりして、商品価値が著しく低下することがある。
本発明者らは、いわゆるキュウリアルコールとして知られる2,6−ノナジエナールを含有するアルコール飲料について検討したところ、アルコールにキュウリ様の香気を付与したり、アルコールの刺激感を抑制したりすることができたものの、経時的な品質劣化が著しく、容器詰飲料として好ましくないことを見出した。
このような事情に鑑み、本発明の目的は、アルコール飲料にフレッシュな香味を付与し、アルコールの刺激感を抑制しながらも、容器詰飲料として品質の安定性にも優れたアルコール飲料を提供することである。
本発明者らは、アルコール飲料にフレッシュでさわやかな香りを付与できる成分について検討したところ、アルコール飲料が2,6−ノナジエノールを含有することによって、アルコール飲料にフレッシュな香味を付与し、アルコールの刺激感を抑制しながらも、品質の安定性にも優れたアルコール飲料が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
これに限定されるものではないが、本発明は以下の発明を包含する。
(1) 2,6−ノナジエノールを含有する容器詰アルコール飲料であって、2,6−ノナジエノールの含有量(A)が0.01〜100μg/Lであり、アルコールの含有量(B)が42v/v%以下である、上記飲料。
(2) A/Bが0.0010〜2.0である、(1)に記載の飲料。
(3) 2,6−ノナジエノールの含有量が0.5〜50μg/Lである、(1)または(2)に記載の飲料。
(4) アルコールの含有量が35v/v%以下である、(1)〜(3)のいずれかに記載の飲料。
(5) 2,6−ノナジエノールの含有量(A)を0.01〜100μg/L、アルコールの含有量(B)を42v/v%以下に調整することを含む、容器詰アルコール飲料におけるアルコールの刺激感を抑制する方法。
本発明によれば、フレッシュな香味を有するとともに、アルコールの刺激感が抑制された、容器詰アルコール飲料が提供される。本発明に係るアルコール飲料は、経時的な品質の安定性にも優れ、容器詰アルコール飲料として特に好適である。
図1は、実験2に使用したキュウリを示す画像である。 図2上段は、切断後のキュウリの画像、図2下段は、キュウリ浸漬酒の画像である(左側がサンプルa、右側がサンプルb)。
本発明に係るアルコール飲料は、2,6−ノナジエノール(本明細書において、単にノナジエノールとも記載する)を含有する。2,6−ノナジエノールはキュウリに含まれる香気成分の一つである。2,6−ノナジエノールは、キュウリの生臭い香りの一因ともいわれるが、アルコール飲料に特定量の2,6−ノナジエノールを含有させることによって、フレッシュな香味をアルコール飲料に付与し、アルコールの刺激感を抑制できるだけでなく、経時的な品質の安定性にも優れる容器詰アルコール飲料が得られる。
アルコール飲料には、アルコールに起因する刺激感(以下、アルコール刺激感という)があり、このアルコール刺激感のために飲みにくいと感じる消費者もいるところ、本発明によれば、アルコール飲料におけるアルコール刺激感を効果的にマスキングすることができる。上述したように、キュウリに含まれる香気成分である2,6−ノナジエナール(本明細書において、単にノナジエナールとも記載する)をアルコール飲料に配合することによって、アルコール飲料にフレッシュな香りを付与したり、アルコールの刺激感を抑制したりすることが知られていたが(特許文献1〜3)、経時的な品質の劣化が著しく、容器詰アルコール飲料として十分な安定性を備えていなかった。本発明者らの検討によれば、ノナジエナールでなく、特定量のノナジエノールを含有することによって品質の安定性に優れた容器詰アルコール飲料が得られることが見出された。
本発明に係るアルコール飲料は、好ましい態様において、ノナジエノールの含有量が0.01〜100μg/Lであり、より好ましくは0.5〜50μg/L、さらに好ましくは0.5〜20、0.5〜15、1〜15、1〜10、5〜15μg/Lである。このようにアルコール飲料にノナジエノールを含有することによって、容器詰アルコール飲料に、好ましい香味を付与するとともに、アルコールによる刺激感を抑制し、品質の安定性に優れたアルコール飲料を得ることができる。飲料に含まれるノナジエノールは、ガスクロマトグラフィーを用いて定量することができる。
本発明に係るアルコール飲料は、アルコールを含有する。アルコール飲料とは、アルコールを含有する飲料のことであるが、ここでいうアルコールとは、特に断らない限り、エチルアルコール(エタノール)を意味する。本発明に係るアルコール飲料は、アルコールを含有していれば特に種類は問わないが、アルコール原料としては、蒸留酒を用いても醸造酒を用いてもよい。具体的には、例えば、スピリッツ類(ラム、ウオッカ、ジン等)、リキュール類、ウイスキー、ブランデー又は焼酎などが挙げられ、さらにはビールなどの醸造酒類を用いてもよい。これらのアルコール原料については、それぞれ単独又は併用して用いることができる。
本発明に係るアルコール飲料のアルコールの含有量は、42v/v%以下である。アルコールの含有量が42v/v%を超えると、特定量のノナジエノールを配合してもアルコールの刺激感が強くなってしまうためである。好ましい態様において、本発明に係るアルコール飲料のアルコールの含有量は35v/v%以下であり、22v/v%以下がより好ましく、14v/v%以下としてもよい。アルコールの含有量の下限は特に制限されないが、1v/v%以上が好ましく、3v/v%以上がより好ましく、5v/v%以上がさらに好ましく、7v/v%以上がよりさらに好ましい。特に好ましい態様において、本発明の飲料のアルコールの含有量は、7〜14v/v%である。
また、本発明においてアルコールの刺激感を効果的に抑制する観点から、アルコールの含有量1v/v%あたりの2,6−ノナジエノールの含有量が0.0010〜2.0であることが好ましい。すなわち、2,6−ノナジエノールの含有量(A)をアルコールの含有量(B)で除したA/Bが、好ましくは0.0010〜2.0、より好ましくは0.010〜1.7、さらに好ましくは0.030〜1.5、0.050〜1.5であり、0.050〜1.2、0.080〜0.60、0.080〜0.50、0.100〜1.2としてもよい。
本発明において、ノナジエノールの含有量やアルコールの含有量、ノナジエノールの含有量/アルコールの含有量の重量比は、原料の配合を調整することによって変化させることができ、また、ノナジエノールを飲料に添加して調整することもできる。本発明においてノナジエノールは、天然から得られたものを使用しても、化学的に合成したものを使用してもよく、また、完全に単離した標準品を使用してもよく、濃縮された抽出物を使用してもよい。
本発明に係るアルコール飲料は、炭酸ガスを含有する炭酸飲料としてもよい。炭酸ガスの圧力は、炭酸ガスに由来する爽快感が感じられる程度の圧力であることが好ましく、液温が20℃において0.5〜4.5kgf/cmが好ましく、1.0〜4.0kgf/cmがより好ましく、1.5〜3.5kgf/cmがさらに好ましい。
本発明のアルコール飲料には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の飲料と同様に、各種添加剤などを配合してもよい。各種添加剤としては、例えば、酸味料、香料、ビタミン類、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、増粘剤、品質安定剤などを挙げることができる。
本発明の飲料は、ぶどう糖をはじめとする糖類を含有してもよい。本発明の飲料は、天然甘味料や人工甘味料を1つまたは複数使用することができる。好ましい態様において、本発明の飲料は、果糖ぶどう糖液糖を含む。
本発明のアルコール飲料は、容器詰めの形態で提供されるが、容器の形態は特に制限されず、例えば、ガラス瓶、缶、樽、またはペットボトルなどの樹脂製容器が挙げられる。本発明に係るアルコール飲料は、密封容器に充填して、殺菌等の工程を経ることもできる。
例えば、飲料を容器に充填した後に熱水シャワー殺菌等の加熱殺菌を行う方法や、飲料を殺菌してから容器に充填する方法により、殺菌された容器詰め飲料を製造することができる。
本発明の容器詰飲料は、好ましい態様においてアルコールを含めたブリックス値(Brix)が25以下であり、より好ましくは1〜20であり、さらに好ましくは2〜15である。糖度計や屈折計などを用いて得られるブリックス値によって可溶性固形分濃度を評価することができ、ブリックス値は、20℃で測定された屈折率を、ICUMSA(国際砂糖分析法統一委員会)の換算表に基づいてショ糖溶液の質量/質量パーセントに換算した値である。単位は「°Bx」、「%」または「度」で表示される。
本発明の飲料は、可能性固形分濃度の低い低溶質飲料であってもよく、「糖類ゼロ」、「糖質ゼロ」、「カロリーオフ」等と表示される、いわゆるカロリーオフタイプ飲料であってもよい。なお、「糖類ゼロ」、「糖質ゼロ」、「カロリーオフ」等の表示は、健康増進法の規定による栄養表示基準に定義されている。例えば、「糖類ゼロ」との表示は、飲料に含まれる糖類(単糖類又は二糖類であって、糖アルコールでないもの)の量が、飲料100gあたり0.5g未満のものに対して付与されるものである。また、「糖質ゼロ」との表示は、飲料に含まれる糖質の含有量が0.5g/100mL未満である場合に表示される。糖質は、3大栄養素の炭水化物の一つであり、炭水化物から食物繊維を除いたものの総称である。
本発明の飲料は、長期保存や微生物汚染の観点から、好ましい態様においてそのpHを酸性側に調整すると好ましい。具体的には、飲料のpHを1.5〜5.0とすることが好ましく、pH1.8〜4.5がより好ましく、pH2.1〜4.0がさらに好ましく、pH2.4〜3.5が最も好ましい。
一つの態様において、本発明は飲料の製造方法と理解することもできる。本発明の飲料はノナジエノールを含有するが、本発明に係る飲料の製造方法は、ノナジエノールの含有量とアルコールの含有量を所定の範囲に調整する工程を含むものである。具体的には、ノナジエノールの含有量を0.01〜100μg/Lとしつつ、アルコールの含有量が42v/v%以下となるようにアルコール飲料を調製する。容器詰飲料を製造する場合は、調製した飲料を容器に充填する工程を少なくとも備える。本発明に係る飲料液は、従来公知の方法を用いて混合することができる。当業者であれば、配合方法、必要に応じ殺菌方法、容器充填方法の条件を、適宜設計することができる。
また、一つの態様において本発明は、ノナジエノールの含有量とアルコールの含有量を調整することによる、容器詰アルコール飲料におけるアルコール刺激の抑制方法と理解することもできる。
以下、具体的な実験例を示しつつ、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実験例に限定されるものではない。また、本明細書において特に記載しない限り、含有量などは重量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
実験1:アルコール飲料の製造と評価
ニュートラルアルコール、純水、2,6−ノナジエノール(trans,cis-2,6-Nonadien-1-ol、東京化成工業)または2,6−ノナジエナール(trans,cis-2,6-Nonadienal、東京化成工業)を下表のように配合して、アルコールの含有量が9v/v%の容器詰アルコール飲料を製造した。サンプル7Bのみ、炭酸ガスを含む炭酸アルコール飲料とした。
得られたアルコール飲料について、飲み込んだ時ではなく、口に含んだ時の香味を官能評価した。具体的には、訓練されたパネラー5人が、事前に評価基準をすりあわせてから、下記の基準で飲料を評価し、評価点の平均値を算出した(平均値が2未満:−、2以上3未満:±、3以上4未満:+、4以上5未満:++、5以上:+++)。
(アルコールの刺激感)
ノナジエノール及びノナジエナールが無添加のアルコール飲料(サンプル1)をコントロール(1点)として、各飲料サンプルを口に含んだ際のアルコールによる刺激感を評価した。
・1点:アルコールの刺激を非常に感じる
・2点:アルコールの刺激を感じる
・3点:アルコールの刺激をやや感じる
・4点:アルコールの刺激をあまり感じない
・5点:アルコールの刺激をほとんど感じない
・6点:アルコールの刺激を感じない
(アルコール飲料としての美味しさ)
ノナジエノール及びノナジエナールが無添加のアルコール飲料(サンプル1)をコントロール(1点)として、各飲料サンプルを口に含んだ際の、アルコール飲料としての美味しさを評価した。
・1点:飲料としての美味しさを感じない
・2点:飲料としての美味しさをほとんど感じない
・3点:飲料としての美味しさをあまり感じない
・4点:飲料としての美味しさをやや感じる
・5点:飲料としての美味しさを感じる
・6点:飲料としての美味しさを非常に感じる
評価結果を表に示す。ノナジエノールを配合した本発明のアルコール飲料については、アルコール刺激が抑制され、しかも、飲料として美味しいことが確認された。一方、ノナジエナールを配合したアルコール飲料については、アルコールの刺激感を抑制する効果は得られたものの、ノナジエナールに起因するキュウリ様のにおいが飲料としての美味しさを損ねてしまうことがわかった。さらに、炭酸ガスを含有させたところ、炭酸ガスを含有させていない時よりもアルコールの刺激感の抑制を強く感じることができた(サンプル7B)。
実験2:アルコール飲料の製造と評価(キュウリ浸漬酒)
市販のキュウリ30gを韓国焼酎(アルコールの含有量:20v/v%、鏡月、サントリー)100mlに常温で1日間浸漬した後、固液分離してアルコール飲料を調製した。図1に示すように、キュウリの花側(先端)から1/3程度(約30g)を用いて、下記のようにキュウリ浸漬酒を製造した(図2左:サンプルa、図2右:サンプルb)。
(サンプルa) キュウリ30gを縦に2つに切って韓国焼酎に浸漬
(サンプルb) キュウリ30gを2mm幅に千切りしてから韓国焼酎に浸漬
得られたアルコール飲料(2種)について、ノナジエノール含有量とノナジエナール含有量を測定した。具体的には、ヘッドスペース−ガスクロマトグラフ−質量分析法(HS−GC−MS法)にて下記の測定条件で分析を行った。
・ガスクロマトグラフ:GC7890A(Agilent社製)
・質量分析器:MSD5975C(Agilent社製)
・カラム:DB−WAX(Agilent社製) 内径0.25mm、長さ60m、膜厚0.5μm
・移動相:He(流速:1.0mL/分 定流量)
・注入方法:スプリット注入(スプリット比:10:1)
・注入口温度:220℃
・オーブン温度:40℃(3分)→4℃/分→230℃(1分)
・トランスファーライン温度:220℃
・イオン源温度:230℃
・四重極温度:150℃
・定量に用いたイオン:2,6−ノナジエナール m/z=70 2,6−ノナジエノール m/z=69
表に示すように、キュウリ浸漬酒には、ノナジエナールが含まれていたものの(サンプルa:ノナジエナールの含有量は3μg/L、サンプルb:ノナジエナールの含有量は14μg/L)、ノナジエノールは検出されなかった(ノナジエノールの検出限界:0.01μg/L)。
実験3:アルコール飲料の製造と評価(劣化試験)
経時的な品質の安定性を確認するため、容器詰アルコール飲料を調製し、劣化試験を実施した。実験1と同様にして、ノナジエノールまたはノナジエナールを含有する容器詰アルコール飲料を製造した(アルコールの含有量:9v/v%。ノナジエノールまたはノナジエナールの含有量:0.01μg/Lまたは10μg/L)。
次いで、無色透明のガラス容器に充填した容器詰アルコール飲料のサンプルを、下記の条件で劣化試験に供した。
(光劣化試験)20000ルクスの蛍光灯下に、飲料サンプルを6日間または12日間静置した
(熱劣化試験)50℃に保たれた恒温槽に、飲料サンプルを6日間または12日間静置した
劣化試験の後、実験1と同様にして、訓練されたパネラーにより飲料サンプルを官能評価した。
ノナジエノールを配合した本発明のアルコール飲料は、光劣化試験および熱劣化試験を実施した後でも、アルコールの刺激感を抑制する効果が維持されていた。また、飲料としての香味に関しても、劣化試験によってノナジエノールの特徴香(さわやかなフルーツのような香り)が若干弱くなるものの、異味異臭は発生せず、好ましいものであった。なお、熱劣化試験を12日間実施した飲料サンプル(サンプル3−10)について、ノナジエノール含有量を定量したところ、製造直後の飲料サンプル(サンプル3−6、ノナジエナールの含有量:10μg/L)と比較して、ノナジエノールが約4割減少していた。
一方、ノナジエナールを配合したアルコール飲料については、熱劣化試験による飲料サンプルの香味変化が激しく、紙粘土のような異臭が確認された。特に、ノナジエナールの含有量を10μg/Lと配合した飲料サンプルでは、石膏ボードのような異臭が強く感じられ、さらにアルコール抑制効果も感じられなくなった。なお、熱劣化試験を12日間実施した飲料サンプル(サンプル3−20)についてノナジエナールの含有量を定量したところ、ノナジエナールは検出されず、劣化試験の熱によってノナジエナールが分解してしまうことがわかった(製造直後のノナジエナールの含有量:10μg/L)。
実験4:アルコール飲料の製造と評価(アルコールの含有量)
本実験では、アルコールの含有量の異なる飲料を調製した。実験1と同様にして、ニュートラルアルコール、純水、ノナジエノールから容器詰アルコール飲料を製造した(アルコールの含有量:5〜45v/v%、アルコールの含有量1v/v%あたりのノナジエノールの含有量:1.11μg/L)。
得られた容器詰アルコール飲料について、その香味を実験1と同様にして官能試験した。結果を下表に示すが、本発明によれば、アルコールの刺激感を抑制することができ、また、総合的に美味しい飲料を得ることができた。
実験5:アルコール飲料の製造と評価(ノナジエノールの含有量)
本実験では、アルコールの含有量が30v/v%で、ノナジエノールの含有量が異なる飲料を調製した。実験1と同様にして、ニュートラルアルコール、純水、ノナジエノールから容器詰アルコール飲料を製造した(アルコールの含有量1v/v%あたりのノナジエノールの含有量:0〜1.6667μg/L)。
得られた容器詰アルコール飲料について、その香味を実験1と同様にして官能評価した。本実験においては、ノナジエノール及びノナジエナールが無添加のアルコール飲料(サンプル5−1)をコントロールとした。
結果を下表に示すが、本発明によれば、コントロールに比べ、アルコールの刺激感を抑制することができ、また、総合的に美味しい飲料を得ることができた。

Claims (5)

  1. 2,6−ノナジエノールを含有する容器詰アルコール飲料であって、2,6−ノナジエノールの含有量(A)が0.01〜100μg/Lであり、アルコールの含有量(B)が42v/v%以下である、上記飲料。
  2. A/Bが0.0010〜2.0である、請求項1に記載の飲料。
  3. 2,6−ノナジエノールの含有量が0.5〜50μg/Lである、請求項1または2に記載の飲料。
  4. アルコールの含有量が35v/v%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の飲料。
  5. 2,6−ノナジエノールの含有量(A)を0.01〜100μg/L、アルコールの含有量(B)を42v/v%以下に調整することを含む、容器詰アルコール飲料におけるアルコールの刺激感を抑制する方法。
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