JP2009195123A - グレープフルーツ果汁含有アルコール飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルコール特有のエステル様香味が増強され、かつグレープフルーツ果実の香味を楽しむことのできるアルコール飲料を提供すること。
【解決手段】9v/v%以上のアルコールと、60mg/100ml以上のリンゴ酸と、グレープフルーツ果汁とを含有するアルコール飲料。
【選択図】なし

Description

本発明は、グレープフルーツ風味の高アルコール飲料に関する。詳細には、グレープフルーツ果汁、9v/v%以上のアルコール及び特定量のリンゴ酸を含有する、高アルコールに起因するアルコール特有の刺激(刺激臭を含む)が低減され、かつ、酒類の好ましい芳香である、フルーティで爽やかな香味(エステル様香味)が増強された、風味の良いグレープフルーツ風味の高アルコール飲料に関する。
アルコール飲料は、嗜好性の飲料として、また薬用酒として広く飲用されている。また、アルコールは殺菌や抗菌効果があるため、保存性を高める目的で飲食品に添加されることもある。しかしながら、アルコール飲料又はアルコール含有飲料(以下、併せて「アルコール飲料」という)は、アルコール特有の強い刺激(本明細書中、「アルコール刺激」と表記することもある)を有するものが多く、この刺激のためにアルコール飲料を好まない人も存在する。
これまで、このようなアルコール刺激を低減又は消去するために、種々の試みが行われている。例えば、ウイスキーは、10〜100年程度の長期にわたる熟成を行うことにより、まろやかで飲みやすくなることが知られている。そして、このようなウイスキーの熟成によって得られた知見に基づいて、熟成に用いられる樽材の溶媒抽出物であるポリフェノール、特にリオニレシノール、シナップアルデヒド、コニフェリルアルデヒドをアルコール飲料に添加して、アルコール飲料の摂取で過度に生成される口腔内の過酸化水素等の過酸化物を消去し、それによりアルコール由来の刺激を抑制することが提案されている(特許文献1)。
また、アルコール特有の刺激を低減する方法として、アルコール飲料にシュクラロースを添加することにより、アルコール飲料のアルコールに起因する苦味やバーニング感を抑える方法(特許文献2)、内分岐環状構造部分と外分岐環状構造部分とを有する重合度が50以上であるグルカンをアルコール含有飲食品に含有させることによって、アルコール臭やその刺激を緩和してマイルドにする方法(特許文献3)、アミノ酸であるベタインを添加することにより、アルコール含有飲食品の刺激臭を改善する方法(特許文献4)、及びパラディチョムパプリカの果実を添加することにより、アルコール飲料の有する不快臭を消失し、後味と呈味を改善する方法(特許文献5)等が提案されている。
さらに、果汁を含有するアルコール飲料においては、当該飲料に含まれる全糖質に占める果糖の割合が65w/w%以上、好ましくは75w/w%以上になるように果糖を含有させることにより、果糖の甘味の発現とアルコールの不快な味の発現とが重なって、アルコールの刺激感をマスキングし、口当たりがよく、マイルドな味わいとすることができることが報告されている(特許文献6)。
さらにまた、果実酒製造の際に使用される蒸留酒は、アルコール刺激臭によって果実の香味を損なうという欠点があったが、これを解決するために、ワインにアルコールを添加、混合して得られるアルコール濃度20%以上の果実酒製造用ワインが提案されている(特許文献7)。
特開2006−271273号公報 特開平8−224075号公報 特開2003−289824号公報 特開2003−204779号公報 特開平10−313849号公報 特開2005−192473号公報 特開2003−210154号公報
本発明者らは、高アルコール飲料(9v/v%以上の濃度のアルコールを含有する飲料)におけるアルコール特有の刺激を低減させる方法を鋭意検討した結果、果汁率換算で80%以上となる高濃度の果汁を配合することで、アルコール特有の刺激を低減できることをすでに見出しており、この高濃度の果汁を含有する高アルコール飲料は、アルコールの刺激(刺激臭を含む)を感じない非常に飲みやすいものであった。しかし、酒類の好ましい香気、具体的にはフルーティで爽やかなエステル様香味において、必ずしも満足しうるものではなかった。
本発明は、アルコールの刺激を低減させた高アルコール飲料において、酒類の好ましいエステル様香味が増強された、アルコール飲料を提供することを目的とする。
また、本発明は、グレープフルーツ果汁と高濃度のアルコールとを含有するアルコール飲料において、酒類の好ましいエステル様香味が増強され、かつグレープフルーツ果実の香味を楽しむことのできる、アルコール飲料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、グレープフルーツ風味の高アルコール飲料において、該飲料中のリンゴ酸の含有量を特定の範囲とすることで、エステル様香味を増強することができることを見出した。さらに、驚くべきことに、グレープフルーツ果汁と特定量のリンゴ酸を含有する高アルコール飲料は、成熟したグレープフルーツ果実のような濃厚でまろやかな果実香を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
1.9v/v%以上のアルコールと、60mg/100ml以上のリンゴ酸と、グレープフルーツ果汁とを含有するアルコール飲料、
2.リンゴ酸が、果汁の抽出物又は濃縮物として添加されたものである、前記1に記載のアルコール飲料、
3.グレープフルーツ果汁の配合量が、果汁率換算で100%以上である、前記1又は2に記載のアルコール飲料、
4.グレープフルーツ果汁の配合量が、アルコールに対して果汁率換算で11.5倍以上である、前記1〜3のいずれか一つに記載のアルコール飲料、及び
5.前記1〜4のいずれか一つに記載のアルコール飲料を、希釈液で希釈して得られる希釈型アルコール飲料、
に関する。
本発明により、アルコール特有の刺激がなく、かつ、酒類の好ましいエステル様香味が増強された、高アルコール飲料が得られる。
また、本発明により、従来にない成熟したグレープフルーツ果実の香味を有する、グレープフルーツ風味のアルコール飲料が得られる。
本発明は、高濃度のアルコールを含有する飲料(本明細書中、「高アルコール飲料」とも表記する)のリンゴ酸含有量を特定の範囲とすることによって、エステル様香味を増強することを特徴とするものである。特に、グレープフルーツ風味の高アルコール飲料においてリンゴ酸含有量を特定の範囲とするよって、エステル様香味の増強だけでなく、グレープフルーツの成熟した果実のような香味を付与することができるという効果をも奏するものである。すなわち、本発明は、特定量のリンゴ酸を含有するグレープフルーツ風味の高アルコール飲料に関するものである。
本発明でいう「高濃度のアルコール」とは、アルコールの刺激が顕著に感じられる濃度のアルコールをいい、具体的には、9v/v%以上、好ましくは12v/v%以上、より好ましくは16v/v%以上のアルコールをいう。本発明のアルコール飲料は、高濃度のアルコール特有の刺激(刺激臭)が低減されたものであるが、本発明のアルコール飲料では、アルコールの濃度は、30v/v%未満、好ましくは24v/v%以下である。
本発明のアルコール飲料は、アルコールを含む任意のアルコール含有飲料、グレープフルーツ果汁、及びリンゴ酸を用いて製造することができる。
本発明において使用できるアルコール含有飲料は、飲用可能なアルコールを含むものであれば特に限定されず、例えば、醸造アルコール、スピリッツ類(例えばジン、ウォッカ、ラム、テキーラ、ニュースピリッツ等のスピリッツ、および原料用アルコールなど)、リキュール類、ウイスキー類(例えばウイスキー、ブランデーなど)又は焼酎(甲類、乙類)等、更には清酒、ワイン、ビール等の醸造酒、が挙げられる。これらのアルコール含有飲料は、1種又は2種以上を組合せて用いることができる。アルコール含有飲料の種類は、所望の香味に合わせて、適宜選択することができる。本発明のグレープフルーツ風味の高アルコール飲料では、グレープフルーツの香りや味わいを引き立てることができるという点から、スピリッツやブランデー等を用いることが好ましい。
本発明のアルコール飲料では、上記のアルコール含有飲料に、リンゴ酸を加えて所定の含有量とすることで、グレープフルーツ風味の高アルコール飲料の呈味を改善することができる。リンゴ酸の含有量は、60mg/100ml以上、好ましくは100mg/100ml以上、より好ましくは150mg/100ml以上である。リンゴ酸の含有量が、60mg/100ml未満であると、グレープフルーツの風味を改善するには不十分であり、また、エステル様香味の増強や成熟した果実のような香味を十分に付与することができない。リンゴ酸の含有量の上限は、所望する風味、嗜好等により適宜設定すればよいが、高アルコール飲料中の酸度が高くなり過ぎると、酸味とアルコール特有の刺激とが相加的又は相乗的に作用して高アルコール飲料の呈味を低下させる場合があるの。そのため、通常、高アルコール飲料中の酸度(100mlアルコール飲料中の、クエン酸に換算した重量g)が、好ましくは10g以下、より好ましくは8g以下となるような範囲でリンゴ酸を含有させることが好ましい。
本発明のアルコール飲料に含有されるリンゴ酸の量は、試料に過塩素酸と水を加え、ろ過後に高速液体クロマトグラフ法にて分析した。
本発明で用いるリンゴ酸は、植物に広く分布し、リンゴやブドウ等の果実に多量に含まれている有機酸である。本発明におけるリンゴ酸の種類としては、リンゴ酸及び/又はリンゴ酸塩を利用することができる。リンゴ酸塩は、食品衛生法上許容されるものであれば特に制限されないが、具体的には、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸カリウム等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を併用して用いることができる。本発明で用いるリンゴ酸の形態も何ら制限されるものではなく、市販の精製品を用いてもよいし、上記の植物抽出物、具体的にはリンゴやブドウ等の果汁又はその濃縮物として、本発明のグレープフルーツ風味の高アルコール飲料へ添加することもできる。
本発明のアルコール飲料はグレープフルーツ果汁を含むものであり、グレープフルーツ風味を味わうことができる飲料である。そして、本発明のアルコール飲料では、グレープフルーツ果汁に加え、必要に応じてグレープフルーツ香料を用いることができる。グレープフルーツの風味を味わうことができるのであれば、果汁や香料の配合量は問わないが、果汁率換算で80%以上、好ましくは100%以上となるように果汁を配合することによって高アルコール飲料におけるアルコールの刺激を低減又は消去できる。
本発明のアルコール飲料は、グレープフルーツより得られるストレート果汁、または、それを濃縮または希釈した果汁、を用いて調製することができる。高い果汁率を有するアルコール飲料を調製するという点からは、グレープフルーツの濃縮果汁を用いることが好ましい。グレープフルーツ果汁としては、透明果汁、混濁果汁及びセミクリア果汁のいずれをも用いることができる。
一般的に、「果汁率」とは、果実を搾汁して得られるストレート果汁を100%としたときの相対濃度であり、JAS規格(果実飲料の日本農林規格)に示される糖用屈折指示度の基準(°Bx)に基づいて換算できる。例えば、JAS規格によればグレープフルーツ果汁の基準Bxは9°である。また、例えば、JAS規格によればリンゴの基準Bxは10°であり、したがって、例えばBx70°のリンゴ果汁は、7倍濃縮のリンゴ果汁である。通常果汁量は重量%(すなわち飲料100gあたりの果汁量(g)(w/w))で表されることが多いが、本発明のように飲料がアルコール飲料である場合、アルコールの濃度によって飲料の比重(g/ml)が変動するので、実際には同じ量の果汁を使用している場合であってもアルコール度数により果汁量(重量%)の値が異なる結果となる。例えば、濃縮りんご果汁(Bx70°=7倍濃縮)10gを用いた場合、アルコール9v/v%の100ml飲料(比重0.9967)では70.2重量%、アルコール24°の100ml飲料(比重0.9787)では71.5重量%となる。
そのため本発明では、アルコール飲料中の「果汁率」を計算するに当たり、飲料中のアルコール濃度に影響されないように、本発明のアルコール飲料100ml中の濃縮果汁配合量(g)を使い下記換算式を用いて算出することとする。また濃縮倍率を算出する際はJAS規格に準ずる。
果汁率(%)=<濃縮果汁配合量(g)×濃縮倍率>/100ml×100
なお、本発明でいう「果汁率」は、飲料中のアミノ態窒素を指標として表すこともできる。すなわち、ストレート果汁に含まれるアミノ態窒素量を100%としたときの相対濃度として表すこともできる。濃縮果汁を還元して100%果汁(ストレート果汁)とした場合、そのアミノ態窒素量(mg/100ml)(バンスライク法)は、グレープフルーツ:(混濁)29mg、(セミクリア)23mg、(透明)26mgであった。したがって、例えば、グレープフルーツ透明果汁とアルコールとを原料とする本発明のアルコール飲料について、アミノ態窒素を分析(バンスライク法)し、52mg/100mlであった場合には、果汁率は約200%である。なお、アミノ態窒素量は、通常、飲料100gあたりの量(mg/100g)で表されることが多いが、飲料中のアルコール濃度に影響されないように、100mlのアルコール飲料中のアミノ態窒素の量(mg/100ml)を用いることにする。
本発明のアルコール飲料の製造においては、飲料のグレープフルーツの風味を保つ範囲内で、グレープフルーツ以外の果汁を用いることができる。例えば上記したように、リンゴ酸としてリンゴ果汁を配合することもできる。複数種類の果汁を用いる場合も、その合計の果汁率が80%以上、好ましくは100%以上となるようにすることで、上記の作用を得ることができる。
本発明のグレープフルーツ風味の高アルコール飲料では、グレープフルーツ果汁の配合量または複数種類の果汁の合計の配合量を、アルコールに対して果汁率換算で11.5倍以上とすることで、飲料のアルコール刺激をほぼ消去することができる。ここで、「アルコールに対して果汁率換算で11.5倍以上」とは、アルコール1v/v%あたりに換算される果汁率の割合が11.5倍以上であること、すなわち、本発明のアルコール飲料中の(A)アルコール濃度(v/v%)と(B)果汁率(%)を指標として、B/Aの値が11.5以上であることを意味する。
本発明のアルコール飲料は、高濃度のアルコールを含有することから、加熱殺菌の必要がなく、加熱によって起こる風味の変化等の品質劣化を防止することができ、果実本来の香味を味わうことができる。
本発明のアルコール飲料においては、リンゴ酸、アルコール及び果汁の他にも、上記の性質を損なわない限り、通常アルコール含有飲料に配合するような、糖類、酸類、香料、ビタミン、色素類、酸化防止剤、甘味料、酸味料、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、品質安定剤等を配合することができる。しかし、上記のとおり、本発明のアルコール飲料は、今までにない成熟した果実の香味を味わうことができ、甘味料・糖類等を加えずに天然果実由来の甘さ、すなわち果実本来の甘さ、美味しさを味わうことができるものである。したがって、果実本来の美味しさを味わう観点から、その他の成分としては、糖酸味を変えないもの、異味を与えないものを選択することが好ましく、具体的には、香料、色素類、酸化防止剤等から選ばれる一以上を選択するのが好ましい。
本発明のアルコール飲料のpHは特に制限されないが、果汁を高濃度で含有するという観点、すなわち果実系飲料としての嗜好性を保つ観点からは酸性であることが好ましく、具体的には、pH2.0〜5.0が好ましく、pH3.0〜4.5がより好ましい。
本発明のアルコール飲料は、そのまま飲用してもよいし、希釈して飲用する希釈型アルコール飲料用のアルコールベースとして利用してもよい。また、そのままの形態で、アイスクリームやヨーグルト等のフルーツソースとして、また、パンやキャンディー等に添加するための素材(フルーツベース)としても利用可能である。いずれの形態においても、アルコール特有のピリピリ感がほぼ消去され、酒類の好ましいエステル様香味を味わうことができる。
以下に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
参考例1
グレープフルーツ透明濃縮果汁(Bx63°)、59v/v%アルコール(スピリッツ)を用い、果汁率50、80、100%の果汁含有アルコール飲料(アルコール濃度:9v/v%)を製造した。得られた果汁含有アルコールについて、アルコールのピリピリ感(口中でピリピリと感じるアルコール特有の刺激)をパネラー4名で4点法(4点:ピリピリ感を感じない、3点:ピリピリ感をほとんど感じない、2点:ピリピリ感を若干感じる、1点:ピリピリ感を感じる)により評価し、その平均を求めた。
その結果、果汁率50%:1.25点、果汁率80%:3.0点、果汁率100%:3.0点であり、果汁率80%以上となるような高濃度の果汁を配合することにより、アルコールのピリピリ感をほぼ消去できることが確認された。
実施例1
表1に示す配合量の各成分及び水を用いて、Brix:21.0°、酸度:1.89g/100mlの4種類のグレープフルーツ果汁含有アルコール飲料、各100mlを製造した。(なお、用いたグレープフルーツ果汁には、1g当たり2.1mgのリンゴ酸が含まれている。)参考例1と同様にして、各飲料のアルコールのピリピリ感について、◎:ピリピリ感を感じない、○:ピリピリ感をほとんど感じない、△:ピリピリ感を若干感じる、×:ピリピリ感を感じる、の4段階で評価した。また、エステル様香味について、比較例を基準として、×:よりエステル様香味を感じない、△:比較例と同程度、○:比較例よりエステル様香味をやや感じる、◎:比較例よりエステル様香味を大きく感じる、の4段階で評価した。また、グレープフルーツ果汁含有アルコール飲料のアミノ態窒素量を、バンスライク法(バンスライクに亜硝酸ナトリウム、酢酸と試料溶液を加え、発生する窒素ガス量からアミノ体窒素量を算出する方法)により測定した。さらに、リンゴ酸の含有量を高速液体クロマトグラフ法にて分析した。試料に過塩素酸と水を加え、ろ過後に高速液体クロマトグラフィーにて測定を行った。
結果を表1に示す。表中の果汁率は、式:(濃縮果汁配合量(g)×濃縮倍率)/100ml×100、によって算出した。比較例及び本発明品1の果汁率(B)は100%であり、アルコール(A)に対する比率(B/A)は11.1、本発明品2及び3の果汁率は210%であり、アルコールに対する比率は23.3であった。アルコールのピリピリ感は、比較例及び本発明品1でごく僅かに感じられたが、本発明品2及び3はピリピリ感では感じられなかった。エステル様香味は、比較例(総リンゴ酸量30.0mg/100ml)の場合はほとんど感じられなかったが、比較例にリンゴ酸を添加した試料(本発明品1;総リンゴ酸量62mg/100ml)では顕著に感じられた。また、グレープフルーツ果汁由来のリンゴ酸を含有する試料(本発明品2;総リンゴ酸量62mg/100ml)では、本発明品1と同程度のエステル様香味が感じられ、さらに、本発明品2にリンゴ酸を添加した試料(本発明品3;総リンゴ酸量160mg/100ml)では、より一層、華やかなエステル様香味が感じられた。
この結果から、グレープフルーツ風味の高アルコール飲料において、総リンゴ酸量が60mg/100ml以上であると、フルーティで爽やかなエステル様香味が、リンゴ酸濃度に応じて感じられること、果汁(B)のアルコール(A)に対する割合(B/A)が11.1を上回るとよりピリピリ感がなくなり、エステル様香味が付与されることが示唆された。
さらに、リンゴ酸の添加量に応じて、飲料の厚みが増し、果実らしさ・ジューシー感(水々しさ)が増加し、本発明品2及び3では、成熟したグレープフルーツ果実のような香味が感じられた。
Figure 2009195123
実施例2
表2に示す配合量で、グレープフルーツ濃縮果汁と、アルコールとを混合し、加水して全量を1000mlにした。これを密封容器(ガラス瓶)に充填して常温で1日保存(貯蔵)し、アルコール濃度9〜30v/v%、果汁率約230、310、430、520%の果汁含有アルコール飲料を製造した。表中の果汁率は、式:(濃縮果汁配合量(g)×濃縮倍率)/100ml×100、によって算出した。
このアルコール飲料におけるアミノ態窒素量及びリンゴ酸量を、実施例1と同様に求めた。また、このアルコール飲料を飲用して官能評価を行った。評価項目は、1)アルコールのピリピリ感、2)エステル様香味、とした。評価点は、実施例1における比較例(果汁率100%)を基準に、×:基準よりピリピリ感を感じる(又はエステル様香味を感じない)、△:基準と同程度、○:基準よりもピリピリ感を感じない(又はエステル様香味をやや感じる)、◎:基準よりも極めてピリピリ感を感じない(又はエステル様香味を大きく感じる)、で評価した。
結果を、表2に示す(官能評価の結果は、上段がピリピリ感、下段がエステル様香味を示す)。いずれのグレープフルーツ果汁含有アルコール飲料もリンゴ酸が60mg/100ml以上であり、9v/v%以上の高濃度のアルコールを含有する飲料において良好なエステル様香味を有していた。アルコールのピリピリ感は、アルコールに対して果汁率換算で11.5倍以上(B/A≧11.5)の果汁を含有する飲料でほぼ消去でき、特に、果汁率換算で300%以上であり、かつアルコールに対して19.0倍以上(B/A≧19.0)であると、ピリピリ感は感じられず、リンゴ酸によるエステル様香味が一層増強され、厚みのある成熟果実のような香味を有する高アルコール飲料となった。
Figure 2009195123
実施例3
実施例1で製造した本発明品2に水を混合して2倍に希釈し、希釈型飲料を得た。希釈後の飲料も、希釈前と同様の性質を示し、アルコールのピリピリ感のない、エステル様香味を有し、厚みのある成熟果実のような香味を有するグレープフルーツ飲料であった。

Claims (5)

  1. 9v/v%以上のアルコールと、60mg/100ml以上のリンゴ酸と、グレープフルーツ果汁とを含有するアルコール飲料。
  2. リンゴ酸が、果汁の抽出物又は濃縮物として添加されたものである、請求項1に記載のアルコール飲料。
  3. グレープフルーツ果汁の配合量が、果汁率換算で100%以上である、請求項1又は2に記載のアルコール飲料。
  4. グレープフルーツ果汁の配合量が、アルコールに対して果汁率換算で11.5倍以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルコール飲料。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のアルコール飲料を、希釈液で希釈して得られる希釈型アルコール飲料。
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