JP2017176163A - イソブタノール及び/またはイソアミルアルコール含有飲料 - Google Patents

イソブタノール及び/またはイソアミルアルコール含有飲料 Download PDF

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Abstract

【課題】イソブタノール及び/またはイソアミルアルコールを含有しながら、それらの刺激的な臭いがマスキングされ、また油っぽさがなくすっきりと飲むことができる飲料を提供する。【解決手段】(A)イソブタノール及び/またはイソアミルアルコール、ならびに(B)リモネン及び/またはヌートカトンを含有する飲料において、イソブタノールの含有量とイソアミルアルコールの含有量との合計を60〜1000ppmとし、リモネンの含有量を0.25〜1.60ppmとし、イソブタノール含有量とイソアミルアルコール含有量の合計の、リモネン含有量に対する比率を、30〜1000とする。及び/またはイソブタノール含有量とイソアミルアルコール含有量の合計の、ヌートカトン含有量に対する比率を、100〜2500とする。【選択図】なし

Description

本発明は、イソブタノール及び/またはイソアミルアルコールを含有する容器詰め飲料に関する。
アルコール発酵では、エタノールに加えて、イソブタノール、イソアミルアルコールな
どが副産物として生成することが知られている。これらのエタノールよりも沸点の高い揮
発性成分は、一般にフーゼル油と呼ばれている。フーゼル油は、各種酒類やノンアルコー
ル飲料に特徴的な複雑で奥深い香りをもたらす成分の1つである一方で、油っぽいような刺激のある臭いを呈するものでもあり、その組成や量によっては酒類全体の香味バランスに好ましくない影響を与えることがある。
酒類のフーゼル油を低減させる方法として、特許文献1には、分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼ(BCAT)イソ酵素の1つ又は両方の活性を欠き又は当該活性を低減させた酵母菌細胞を、低濃度のフーゼル油を含むアルコール性飲料の発酵による製造に使用する方法が記載されており、これにより、アルコール性飲料の製造時の発酵工程において、フーゼル油の生成を抑えることが記載されている。
特表2002−509726号公報
イソブタノールやイソアミルアルコールといったフーゼル油は油っぽいような刺激のある臭いを呈するものの、特許文献1に記載の方法のように、フーゼル油を除去すると、それぞれの飲料に特徴的な奥深い香りや複雑な風味といった飲料の個性が失われることがある。
本発明者らは、イソブタノールやイソアミルアルコールといったフーゼル油を含有する飲料の油っぽいような刺激のある臭いをマスキングする方法として、柑橘果実に由来する香気成分を含有させることを考えた。しかし、柑橘果実の香気成分を単に配合しただけでは、フーゼル油の油臭に、柑橘果実の香気成分自体の油っぽさや若干の苦味が組み合わさって、かえって飲料が油っぽく飲みにくいものとなることがわかった。本発明者らはさらに上記課題について鋭意検討を重ねした結果、特定量のイソブタノール及び/またはイソアミルアルコールを含有する飲料に対し、特定の量及び特定の割合でリモネン及び/またはヌートカトンを含有させた場合に、イソブタノール及び/またはイソアミルアルコールの奥深い香りや複雑な風味を残しつつ刺激的な臭いがマスキングされ、また、油っぽさのないすっきりと飲める飲料を製造できることを見出した。すなわち、本発明は、これらに限定されないが、以下の態様を含む。
(1)(A)イソブタノール及び/またはイソアミルアルコール、ならびに
(B)リモネン及び/またはヌートカトン
を含む容器詰め飲料であって、
イソブタノールの含有量とイソアミルアルコールの含有量の合計が、60〜1000p
pmであり、
以下のi)、ii)のいずれか、または両方を満たす容器詰め飲料:
i)リモネンを含有する場合はリモネンの含有量が0.25〜1.60ppmであり、か
つイソブタノール含有量とイソアミルアルコール含有量の合計の、リモネン含有量に対す
る比率が30〜1000、
ii)ヌートカトンを含有する場合はヌートカトンの含有量が0.05〜1.60ppm
であり、かつイソブタノール含有量とイソアミルアルコール含有量の合計の、ヌートカト
ン含有量に対する比率が100〜2500。
(2)アルコール含有量が、0〜40v/v%である、(1)に記載の容器詰め飲料。
(3)アルコール含有量が、3〜9v/v%である、(1)に記載の容器詰め飲料。
(4)果汁率が0.1w/w%〜40w/w%である、(1)〜(3)のいずれか1項に
記載の容器詰め飲料。
(5)炭酸ガスを含有する、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の容器詰め飲料。
(6)炭酸ガスの圧力が、1.5kgf/cm以上である、(5)に記載の容器詰め飲
料。
(7)スクロース、グルコース、及びフルクトースの各含有量の合計値が1.7g/10
0ml以下である、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の容器詰め飲料。
本発明により、イソブタノール及び/またはイソアミルアルコールを含有しながら、それらの刺激的な臭いがマスキングされ、また油っぽさがなくすっきりと飲むことができる飲料を提供することができる。
本発明は、フーゼル油として知られるイソブタノール及び/またはイソアミルアルコールをそれらの合計量で60〜1000ppm含有する飲料に対し、リモネン及び/またはヌートカトンを特定の量及び割合で含有させることにより、イソブタノール及び/またはイソアミルアルコールの刺激的な臭いをマスキングし、油っぽさがなくすっきりと飲むことができる飲料を提供するものである。
(イソブタノール、イソアミルアルコール)
イソブタノール(isobutyl alcohol)及びイソアミルアルコール(3
−methyl−1−butanol)は、アルコール発酵において副産物として生じる
フーゼル油の一種である。いずれも各種酒類に特徴的な香気を与える成分の1つではある
ものの、それ自体は刺激臭を有するものである。本発明の飲料は、イソブタノール及びイソアミルアルコールのうちの1種または両方を含む。本発明の飲料は、イソブタノール及びイソアミルアルコールを、それぞれの含有量の合計として、60〜1000ppm含む。好ましくは80〜500ppmであり、更に好ましくは100〜200ppmである。イソブタノールとイソアミルアルコールの含有量の合計が60ppm未満であると、それらの刺激臭がそもそもほとんど感じられず、後述するリモネン及び/またはヌートカトン添加による刺激臭のマスキング効果がみられない。一方、1000ppmを超えると、刺激臭が強くなりすぎ、リモネン及び/またはヌートカトンの添加を行っても刺激臭の抑制が困難となる。なお、本明細書で単位ppmは、重量比に基づき、単位mg/Lと同義である。
飲料中のイソブタノール及びイソアミルアルコールの量は、以下の方法で測定することができる。
<イソブタノール及びイソアミルアルコールの分析条件>
使用機器:アジレント・テクノロジー社 GC:6890N
使用カラム:SUPELCO 5% CARBOWAX 20Mon80/120
Carbopack BAW 8FT x 1/4IN x2mmIDGLASS
Packed Column
キャリアガス:窒素ガス
Flow:18.8mL/min
注入口温度:200℃
カラム温度:70℃(0分間保持)〜154℃(10分間保持)、昇温速度4℃/min注入量:1.0μL
検出器:FID。
(リモネン)
リモネン(limonene、d-limonene、C1016)は、柑橘果実の果皮などに含まれる単環式モノテルペンの一種であり、いわゆる柑橘様の香りを呈する成分である。本発明の飲料は、上述したイソブタノール及び/またはイソアミルアルコールに加えて、リモネンを含む。本発明の飲料中のリモネンの含有量は、0.25〜1.60ppmであり、好ましくは、0.35〜1.50ppmであり、さらに好ましくは0.45〜1.40ppmである。リモネンの含有量が0.25ppm未満であると、イソブタノール及び/またはイソアミルアルコールの刺激臭マスキング効果が十分に得られず、また、1.60ppmを超えると、リモネン自体の油っぽさがイソブタノール、イソアミルアルコールといったフーゼル油の油っぽさと相乗的に組み合わされて飲料のすっきりとした後口を害するようになる。
(ヌートカトン)
ヌートカトン(Nootkatone、d−Nootkatone, C15H22O)は、セスキテルペンケトンの
一種である。ノートカトンはグレープフルーツ(特にホワイト種)の特徴的な香りを持つ化合物の1つであり、ブンタン類に特に多く含まれる化合物である。本発明の飲料は、上
述したイソブタノール及び/またはイソアミルアルコールに加えて、ヌートカトンを含む。本発明の飲料中のヌートカトンの含有量は、0.05〜1.60ppmであり、好ましくは、0.08〜1.50ppmであり、さらに好ましくは0.09〜1.40ppmである。ヌートカトンの含有量が0.05ppm未満であると、イソブタノール及び/またはイソアミルアルコールの刺激臭マスキング効果が十分に得られず、また、1.60ppmを超えると、ヌートカトン自体の油っぽさがイソブタノール、イソアミルアルコールといったフーゼル油の油っぽさと相乗的に組み合わされて飲料のすっきりとした後口を害するようになる。
本発明の飲料におけるイソブタノールとイソアミルアルコールとの含有量の合計の、リモネン含有量に対する比率((イソブタノール+イソアミルアルコール)/リモネン)(重量比)は、30〜1000であり、好ましくは100〜800であり、さらに好ましくは150〜500である。及び/またはイソブタノールとイソアミルアルコールとの含有量の合計の、ヌートカトン含有量に対する比率((イソブタノール+イソアミルアルコール)/ヌートカトン)(重量比)は、100〜2500であり、好ましくは500〜2500である。上記比率が、上記の特定の範囲内にある場合に、イソブタノール及び/またはイソアミルアルコールによる刺激臭のマスキング効果が得られる。
飲料中のリモネン及び/またはヌートカトンの含有量は、例えば、飲料にリモネン及び/またはヌートカトンを含有する精油または天然香料、合成香料等を付与することにより調整してもよいし、飲料にリモネン及び/またはヌートカトンを含有する柑橘果実の果汁、柑橘果実を用いた蒸留酒、及び/または柑橘果実を用いた浸漬酒、また柑橘花弁や柑橘蕾の抽出物やハーブ抽出物や非柑橘香料を付与することにより調整してもよい。リモネン及び/またはヌートカトンは、柑橘果実の中でも、果皮に多く含まれる成分であるから、柑橘果実を用いる場合には、果皮または果皮オイルを含有するもの、例えば、コミニュテッド果汁などを用いることが好ましい。柑橘果実を用いる場合、果実の種類は特に限定されないが、例えば、カンキツ属(Citrus)、キンカン属(Fortunella)、カラタチ属(Poncirus)に含まれるグレープフルーツ、レモン、ライム、オレンジ、ユズ、スダチ、カボス、ハッサク、キンカン、シークワーサー、ブンタン、河内晩
柑、温州みかんなどのやや酸味のある柑橘果実は飲料のすっきり感を高めるので、好ましい。その他、飲料に果実や食品素材を用いる場合には、柑橘果実以外のリモネン及び/またはヌートカトンを含む果実や果実の花や蕾、ハーブ類を用いてもよいし、また、リモネン及び/またはヌートカトンを含む果実や果実の花や蕾、ハーブ類と、リモネン及び/またはヌートカトンを含まない果実や食品素材とを組み合せて用いてもよい。
飲料中に果汁を用いる場合には、果汁の含有量は、果汁中のリモネンの含有量にもよるが、飲料全体に対し、果汁率換算で0.1w/w%〜40w/w%以下程度が好ましく、0.5〜30.0w/w%程度が好ましく、1.0〜10.0w/w%が更に好ましい。果汁の含有量が40w/w%を越えると果汁由来の酸味や甘味が際立つことでイソブタノール及び/またはイソアミルアルコールとの香味バランスを損ない、奥深い香りや複雑な風味を損ない、かえってすっきりさに欠ける飲料となる場合がある。なお、「果汁率」とは、果汁を搾汁して得られるストレート果汁を100%としたときの相対濃度をいう。例えば、JAS規格(果実飲料の日本農林規格)に示される各種果実のストレート果汁の糖用屈折計示度の基準又は酸度の基準に基づいて、計算することにより求めることができる。
飲料中のリモネン及び/またはヌートカトンの含有量は、以下の方法で測定することができる。
〔リモネン及び/またはヌートカトンの測定〕
試料となる液体組成物を以下の条件にて、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−FID)に供する。分析条件は以下のとおり。
分析前処理;Extrelut NT-1カラムにサンプルを充填、エーテルで抽出を行う。
分析装置;GC 6890N (Agilent Technologies)
カラム;HP−ULTRA2 内径0.32mm、長さ50m、膜厚0.52μm
キャリアガス;Helium
流量;2.2mL/min
注入口;Splitless
注入口温度;250℃
オーブン温度;45℃(1.5min)→5℃/min⇒230℃(11.5min)
検出器;FID
検出器温度;260℃
注入量;1.0μl
標準物質:リモネン及び/またはヌートカトン。
(アルコール含有量)
本発明の飲料のアルコール含有量は好ましくは0〜40v/v%であり、より好ましくは0〜30v/v%であり、さらに好ましくは3〜25v/v%であり、もっとも好ましくは3〜9v/v%である。なお、本発明において、特に断りがない限り、「アルコール」とは、エタノールのことをいう。また、アルコール含有量とは、エタノールの含有量(v/v%)のことをいう。飲料のアルコール含有量は、公知の手法を用いて測定することができる。例えば、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改定)に記載の方法によって測定することができる。
本発明の飲料がアルコールを含有する場合、アルコールの種類は特に限定されず、例え
ば、スピリッツ類(例えばジン、ウォッカ、フレーバードウオッカ、ラム、テキーラ、ト
リプルセック等のスピリッツ、及び原料用アルコール等)、リキュールやカクテル類、焼
酎、ウイスキー、ブランデー、コニャック、カルバドス等、さらには清酒、ワイン、甘味果実酒、ビール、ビアカクテル、シードル等の醸造酒を挙げることができ、これらのうちの1種を単独でまたは2種以上を組み合せて用いることができる。
本発明の飲料は、炭酸ガスを含有していてもよい。一般に炭酸ガスを含有する飲料は、
口中での炭酸ガスのはじける触感により、飲料の個性的な香りが増強されやすく、イソブ
タノールやイソアミルアルコールの刺激的な臭いを過度に増強する傾向がある。したがって、炭酸ガスにより刺激臭が知覚されやすくなった飲料は、本発明により刺激臭を抑えて飲用するのに好適であるといえる。また、炭酸ガスは、飲料のすっきりとした後口を高める効果も奏する。
飲料に炭酸ガスを付与する方法は特に限定されず、例えば、二酸化炭素を加圧下で飲料に溶解させてもよいし、ツーヘンハーゲン社のカーボネーター等のミキサーを用いて配管中で二酸化炭素と飲料とを混合してもよいし、また、二酸化炭素が充満したタンク中に飲料を噴霧することにより二酸化炭素を飲料に吸収させてもよいし、飲料と炭酸水とを混合してもよい。
飲料に炭酸ガスを含有させる場合には、やや高めの圧力であると飲料の爽快感が向上するので好ましく、例えば、1.5kgf/cm以上の炭酸ガス圧で飲料に炭酸ガスを含有させることが好ましく、1.5〜3.5kgf/cmがさらに好ましく、1.5〜3.0kgf/cmが更に好ましく、1.8〜3.0kgf/cmが更に好ましい。なお、本明細書において、ガス圧は、特に記載が無い限り、試料温度が20℃の際のガス圧をいう。飲料中の炭酸ガス圧は、京都電子工業製ガスボリューム測定装置GVA−500Aを用いて測定することができる。試料温度を20℃にし、前記ガスボリューム測定装置において容器内空気中のガス抜き(スニフト)、振とう後、炭酸ガス圧を測定する。
その他、本発明の飲料には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の飲料と同様に、各種添加剤等を配合してもよい。各種添加剤としては、例えば、糖類や高甘味度甘味料等の甘味料、酸味料、香料、ビタミン、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、エキス類、食物繊維、pH調整剤、増粘剤、品質安定剤等を挙げることができる。糖類に関し、本発明の飲料におけるスクロース、グルコース、及びフルクトースの各含有量の合計値は、1.7g/100ml以下であることが好ましい。このような範囲では、刺激臭のマスキングや油っぽさの点で優れているだけでなく、甘さが強すぎずすっきりとした後口で飲料を飲むことができる。当該合計値は、より好ましくは、0.1〜1.7g/100ml、より好ましくは0.2〜1.5g/100mlである。これらの糖類の含有量の合計値は、それらの内の一種類しか飲料中に存在しない場合にはその含有量を、二種類しか存在しない場合にはそれらの含有量の合計値を、三種類すべてが存在する場合にはそれらの含有量の合計値を意味する。当該糖類の各含有量は、フローインジェクション装置を用いたバイオセンサ法(BF−7、王子計測機器製)によって測定することができる。
本発明の飲料は、必要に応じて、殺菌等の工程を経た後、容器に詰められて容器詰め飲
料とされる。殺菌された容器詰め飲料は、例えば、飲料を容器に充填した後に熱水シャワ
ー殺菌等の加熱殺菌を行う方法や、飲料を殺菌してから容器に充填する方法により、製造
することができる。
本発明により、イソブタノール及び/またはイソアミルアルコールを含有する飲料におい
て、従来の技術ではなかった、それらの奥深い香りや複雑な風味といった個性を残しつつ
、すっきりと飲むことができる飲料を提供することができる。さらに、刺激的な油っぽい
臭いをマスキングも出来る飲料を提供できる。
以下に実施例に基づいて本発明の説明をするが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
水に原料用アルコールを加えアルコール含有量を0〜40v/v%に調整した溶液に対し、以下の表に記載の量のイソブタノール、イソアミルアルコール、リモネン及び/またはヌートカトンを添加し、各試料とした。それぞれの試料について、刺激臭のマスキング効果、油っぽさ、及び総合評価を、以下の基準にしたがって3名の訓練された専門パネルにより、評価した。
刺激臭のマスキング効果:各試料において、イソブタノール及び/またはイソアミルアルコールのみを含有しリモネン及び/またはヌートカトンを含有しない場合の刺激臭をコントロールとして、リモネン及び/またはヌートカトンを含有させた場合にどの程度刺激臭がマスキングされたかについて、5段階で評価した。マスキング効果が強く感じられるものを4、やや強く感じられるものを3、感じられるものを2、あまり感じられないものを1、全く感じられないものを0とした。
油っぽさ:各試料を飲用した際の油っぽさについて、5段階で評価した。油っぽさが全く感じられないものを4、あまり感じられないものを3、感じられるものを2、やや強く感じられるものを1、強く感じられるものを0とした。
総合評価:各試料において、刺激臭が感じられずすっきりと飲むことができるかどうかについて、5段階で評価した。極めて良好なものを4、良好なものを3、許容可能であるものを2、許容できないものを1、不良なものを0とした。
なお、表中、「Alc.」はアルコール含有量を表し、「イソブタ」はイソブタノール含有量を表し、「イソアミ」はイソアミルアルコール含有量を表し、「合計」はイソブタノール含有量とイソアミルアルコール含有量の合計を表す。
実施例からも分かるように((イソブタノール+イソアミルアルコール)/リモネン)(重量比)100〜800においてフーゼル油の奥深い香り、複雑な風味を残しつつ、不快な香りをマスキングでき、特にすっきりと美味しい条件となる。
実施例からも分かるようにイソブタノール+イソアミルアルコールが60ppmを超えた場合、リモネン含有量が多くなると、リモネンの油っぽさが目立ち、すっきり飲めなくなることが分かる。((イソブタノール+イソアミルアルコール)/リモネン)(重量比)100〜800においてフーゼル油の奥深い香り、複雑な風味を残しつつ、不快な香りをマスキングでき、特にすっきりと美味しい条件となる。
以上の結果からも分かるようにイソブタノール含有量とイソアミルアルコール含有量の合計の、ヌートカトン含有量に対する比率が、500〜2500においてフーゼル油の奥深い香り、複雑な風味を残しつつ、不快な香りをマスキングでき、特にすっきりと美味しい条件となる。またリモネンとヌートカトンを併用してもマスキング効果は変わらず有効であることが分かる。
発明品43及び発明品49はアルコール含有量が0v/v%の飲料であり、つまりノンアルコール飲料であるが、同様の効果が得られた。
(実施例2)
水、原料用アルコール、炭酸水を混合し、アルコール含有量を5v/v%、炭酸ガス圧を以下の表4に記載の値に調整した溶液に対し、以下の表4に記載の量のイソブタノール、イソアミルアルコール、及びリモネンを添加し、各試料とした。それぞれの試料について、刺激臭のマスキング効果、油っぽさ、及び総合評価を、実施例1と同様にして評価した。
実施例からも分かるように炭酸ガスの圧力が、1.5kgf/cm以上で更にマスキング効果が高まることが見出された。しかしながら3.5kgf/cm以上では、ややマスキング効果が弱まることが確認された。
(実施例3)
水に原料用アルコールを加えアルコール含有量を5v/v%に調整した溶液に対し、以下の表に記載の量のイソブタノール、イソアミルアルコール、リモネンを添加し、各試料とした。また、果糖ブドウ糖液糖を加えた。以下の表に記載の「糖合計」は、スクロース、グルコース及びフルクトースの合計量を意味する。それぞれの試料について、刺激臭のマスキング効果、油っぽさ、甘さを3名の訓練された専門パネルにより評価し、総合評価も実施した。刺激臭のマスキング効果と、油っぽさの評価基準は、実施例1と同様であっ
た。甘さの評価基準と総合評価の評価基準を以下に示す。結果は表5に示す。
<甘さ>
4点:甘くなく、すっきりとした美味しさを強く感じられる。
3点:甘くなく、後味まですっきりと飲める。
2点:やや甘く感じるが、後味まですっきりと飲める。
1点:ややベタ甘さが感じられすっきりしない。
0点:かなりベタ甘く、後味が悪い。
<総合評価>
5点:極めて良好なもの
4点:より良好なもの
3点:良好なもの
2点:許容可
1点:許容できない
0点:不良
追加成分として糖が特定量存在する場合に、刺激臭のマスキング、油っぽさ、甘さの点で特に優れた効果が得られた。

Claims (7)

  1. (A)イソブタノール及び/またはイソアミルアルコール、ならびに
    (B)リモネン及び/またはヌートカトン
    を含む容器詰め飲料であって、
    イソブタノールの含有量とイソアミルアルコールの含有量の合計が、60〜1000ppmであり、
    以下のi)、ii)のいずれか、または両方を満たす容器詰め飲料:
    i)リモネンを含有する場合はリモネンの含有量が0.25〜1.60ppmであり、かつイソブタノール含有量とイソアミルアルコール含有量の合計の、リモネン含有量に対する比率が30〜1000、
    ii)ヌートカトンを含有する場合はヌートカトンの含有量が0.05〜1.60ppmであり、かつイソブタノール含有量とイソアミルアルコール含有量の合計の、ヌートカトン含有量に対する比率が100〜2500。
  2. アルコール含有量が、0〜40v/v%である、請求項1に記載の容器詰め飲料。
  3. アルコール含有量が、3〜9v/v%である、請求項1に記載の容器詰め飲料。
  4. 果汁率が0.1w/w%〜40w/w%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器詰め飲料
  5. 炭酸ガスを含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器詰め飲料。
  6. 炭酸ガスの圧力が、1.5kgf/cm以上である、請求項5に記載の容器詰め飲料。
  7. スクロース、グルコース、及びフルクトースの各含有量の合計値が1.7g/100ml以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の容器詰め飲料。
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