JP6009911B2 - 減酸素装置及び冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、酸素濃度を低くするための減酸素装置、及びこの装置を備える冷蔵庫に関する。
食品等の保存性を高めるために、保存空間(減酸素空間)の酸素濃度を下げることを、電解質膜を用いた電気化学的反応によって行う減酸素装置が提案されている。
この装置は、プロトン伝導性を有する高分子電解質膜をアノードとカソードで挟んだ減酸素セルを備える。このセルはカソードを食品等の保存空間に面して配設される。減酸素装置は、アノードへの水(液体)の供給を可能とした状態で、このアノードとカソード間に電圧を印加して運転される。それにより、アノードにおいて水が電気分解されるとともに、カソードにおいて水の生成反応が行われるので、水の生成反応に伴って保存空間の酸素濃度が低減される。
減酸素セルのカソードで起こる酸素の減少は、酸素の還元反応の結果、水が生成されることで行なわれる(以下、本明細書では「減酸素反応」と称す)。この反応は、カソードが有するカソード触媒層において進行する。
減酸素装置では、水がカソードに停滞する現象(カソードフラッディング現象)が発生することがある。この現象は、減酸素反応によりカソードで生成される水(液体)の他に、カソードに余分に水が供給される場合、顕在化し易い。
即ち、プロトン伝導性を有する電解質膜を備えた減酸素セルの運転中、水(液体)が供給されるアノードでの水の電気分解作用で生成されたプロトン(H)とともに、数分子程度の水分子が、アノードからカソードに移動する。これにより、カソードにおいて過剰となった水は、カソードから円滑に排出されずにカソードに停滞する。
カソードフラッディング現象が発生するに伴い、滞留した水がカソード触媒層の細孔を閉塞するようになるので、カソード触媒層への酸素の供給が妨げられる。このような事態になると、減酸素反応に要する電圧が増えて過大となることがあり、それによって、減酸素装置の性能が低下する。
アノードに供給される水(液体)には金属イオン等の不純物イオンが含まれていることがある。こうした水の供給下で減酸素装置が運転された場合、不純物イオンは高分子電解質膜に蓄積される。この蓄積が進行すると、電解質膜でのプロトン(H)の伝導性が低下する。その結果、減酸素セルの電気的抵抗が増加するので、減酸素反応に要する電圧が増えて過大となることがあり、それによって、減酸素装置の性能が低下する。
減酸素装置の運転中、その高分子電解質膜は、アノードからカソードに移動する水分子によって膨潤された状態になる。これとともに、減酸素装置の運転中、減酸素セルはその反応に伴う発熱によって温度が上昇された状態にある。このため、減酸素装置の運転が停止されるに伴い、減酸素セルの余熱によって電解質膜は乾燥される。一方、保存空間が開かれるたびに、この空間の酸素濃度は大気中の酸素濃度と同じとなる。これに伴い、開かれた保存空間が閉じられるたびに、減酸素装置は、保存空間が目標とする低い酸素濃度となるように運転される。
これにより、減酸素装置の電解質膜は膨潤と乾燥を繰り返し、こうした膨潤と乾燥に伴って電解質膜の寸法が変化する。これを原因として、減酸素セルの電解質膜とアノードとの接合面で剥離を起こし、減酸素装置の耐久性が低下する虞がある。
特開平9−19621号公報 特許第3299422号公報
実施形態は、カソードフラッディング現象及び不純物イオンを原因とする性能低下を抑制することが可能で、かつ、アノードと電解質膜との剥離を原因とする耐久性の低下を抑制することも可能な減酸素装置及び冷蔵庫を提供することにある。
前記課題を解決するために、実施形態の減酸素装置は、減酸素セルと、電極接合体と、カソード集電層を具備する。減酸素セルは、供給される水蒸気を酸化する触媒が含有されたアノード、酸素を還元する触媒が含有されたカソード触媒層を有するカソード、及びこれらカソードとアノードで挟まれた電解質膜を備える。電解質膜はプロトン伝導性を有する。電極接合体を電解質膜との間にアノードを挟んで配設する。電極接合体は、アノード集電層及び水が供給される気化層を備える。気化層をアノード集電層の両面のうちの少なくとも一面に配置する。気化層は、供給された水を水蒸気にしてアノードに供給する。カソード集電層を、電解質膜との間にカソードを挟んで配設したことを特徴としている。
一実施の形態に係る冷蔵庫の一部を示す概略断面図である。 図1の冷蔵庫に用いられる減酸素装置の構成を概略的に示す断面図である。
以下、一実施の形態に係る減酸素装置21及びこの減酸素装置21を備えた保管庫例えば冷蔵庫1について、図1及び図2を参照して詳細に説明する。
まず、図1を参照して冷蔵庫1を説明する。冷蔵庫1は断熱箱からなる冷蔵庫本体2を備えている。冷蔵庫本体2はその図示しない上部に冷蔵室を有し、冷蔵庫本体2の上下方向中間部に減酸素室3を有している。
減酸素室3は、その内部に収容される野菜等の保存対象物品を、低温かつ低酸素環境で長期保存するために設けられている。減酸素室3は、冷蔵庫本体2の壁の一部をなして外面が断熱材で覆われた減酸素箱4によって区画されていて、冷蔵室等には連通されていない。減酸素箱4は冷蔵庫本体2の前面に開口されている。この開口は開閉部材5によって開閉される。
減酸素箱4の外面に図示しない冷媒配管が設けられている。この冷媒配管を流通する冷媒によって減酸素箱4が食品の冷蔵に適した温度に冷やされる。それにより、減酸素箱4の内部空間からなる減酸素室3に収容された食品等を冷蔵することが可能である。
開閉部材5は、内部に断熱材が充填された構成であって、例えば上面が開放された収容容器6の前壁を兼ねている。収容容器6は減酸素室3に対して前後方向に移動可能である。収容容器6が前側に引出された状態で、その開放された上面を通して野菜等を出し入れすることができる。
収容容器6を円滑に移動させるために、レール7と、固定ローラ8と、可動ローラ9が用いられている。レール7は、減酸素室3内にこの減酸素室3の幅方向の左右二箇所に配置されていて、前後方向に延びている。収容容器6に下側から接する固定ローラ8は各レール7の前端部に固定されている。可動ローラ9は収容容器6の後端部下面に固定されていて、レール7にガイドされる。
したがって、収容容器6は、その下側から固定ローラ8と可動ローラ9で支持された状態で、これらローラの回転を伴って前後方向に円滑に移動できる。
開閉部材5の周部に環状のシールパッキン10が取付けられている。開閉部材5が減酸素箱4の前面開口を閉じた状態で、シールパッキン10は冷蔵庫本体2の前面に密接されて、減酸素室3を密閉状態に保持する。なお、開閉部材5は、冷蔵庫本体2の前面にヒンジにより回動可能に取付けられた断熱扉とすることも可能である。このため、収容容器6は枢着してもよい。
例えば上下三段に区分けされた冷凍室13が、冷蔵庫本体2の最下部に減酸素室3から独立して形成されている。冷凍室13の前面開口は断熱性の開閉扉14で開閉される。冷蔵庫本体2の背面側でかつ下端部に機械室15が形成されている。この機械室15に圧縮機16が設置されている。冷蔵庫本体2内に、圧縮機16によって冷媒が供給される冷却器17とファン18が配設されているとともに、これらを前側から覆うカバー19が配設されている。冷却器17とファン18によって生成される冷気は冷凍室13に循環される。
冷却器17から流出された冷媒は、減酸素箱4の外面に取付けられた図示しない前記冷媒配管を経由して、圧縮機16に吸込まれる。冷蔵庫本体2に、その一側面例えば背面に開放する凹部20が形成されている。凹部20は減酸素室3の後側に設けられている。凹部20と減酸素室3とは、これらを仕切る壁に開けた通孔2aを経由して連通されている。
次に、図2を参照して減酸素装置21を説明する。減酸素装置21は、減酸素スタック22と、電源24と、減酸素容器25と、電圧検出手段例えば電圧計27と、コントローラ29等を具備している。
減酸素スタック22は、このスタックのエレメントである減酸素セル23、電極接合体36、及びカソード集電層39を備えている。この減酸素スタック22は一個に限らず複数個設けることも可能である。
減酸素セル23は、減酸素スタック22のエレメントであるアノード30と、カソード31と、電解質膜35を備えている。
電解質膜35には高分子電解質膜を好適に用いることができる。この電解質膜35の一側面にアノード30の一側面が接合されている。電解質膜35の他側面に後述するカソード触媒層32を接触させてカソード31が接合されている。したがって、電解質膜35はアノード30とカソード31とで挟まれている。
アノード30の他側面、つまり、電解質膜35に接していない側面に、電極接合体36が接合されている。したがって、電極接合体36は電解質膜35との間にアノード30を挟んで配設されている。
電極接合体36は、減酸素スタック22のエレメントであるアノード集電層37及び気化層38を備えている。電極接合体36のアノード集電層37は、減酸素スタック22の一方の電極をなしている。このアノード集電層37はアノード30の側面に接合されている。電極接合体36の気化層38は、アノード集電層37を境にアノード30とは反対側でアノード集電層37に接合されている。したがって、気化層38はアノード30との間にアノード集電層37を挟んで配設されている。
なお、電極接合体36は、その気化層38を、本実施形態とは逆にアノード集電層37のアノード側の側面に接合して形成されていても良い。又、電極接合体36は、その気化層38を、アノード集電層37の両側面に夫々接合して形成されていてもよい。
これらの電極接合体36を用いる場合、アノード集電層37のアノード側の側面に接合された気化層とアノード30との間に、水蒸気透過性を有する電気絶縁層を介在させて、電極接合体36を電解質膜35との間にアノード30を挟んで配設すれば良い。これにより、アノード30に気化層38を接合させて電極接合体36が配設された構成と比較して、減酸素セル23と電極接合体36とが腐食する虞を回避できる。したがって、減酸素装置21の耐久性を確保することが可能である。こうした絶縁措置を要しない本実施形態の減酸素装置21は、その部品点数が少ないにも拘らず、前記腐食の問題がなく耐久性に優れる点で好ましい。
前記カソード31の外側面、つまり、後述する多孔質層33に接していない後述のガス拡散層34の側面に、減酸素スタック22のエレメントであるカソード集電層39が接合されている。カソード集電層39は減酸素スタック22の他方の電極をなしている。このカソード集電層39とアノード集電層37は電源24に電気的に接続されている。
減酸素容器25は前記構成の減酸素スタック22を内蔵している。この減酸素容器25は、電気絶縁材製の第1容器部材41と第2容器部材45とを連結して形成されている。これら第1容器部材41と第2容器部材45によって、減酸素セル23の電解質膜35が挟持されている。これとともに、これら第1容器部材41と第2容器部材45は、減酸素スタック22をその厚み方向に沿って締め付けている。それにより、各接合面での密接性が確保されている。
第1容器部材41とアノード30を覆った電極接合体36との間にアノード室42が形成されている。第2容器部材45とカソード31を覆ったカソード集電層39との間にカソード室46が形成されている。
第1容器部材41は、アノード室42と連通する水取入れ口43及び酸素出口44を有している。水取入れ口43は第1容器部材41の下端部に設けられている。この水取入れ口43に接続された図示しない給水タンク等の給水手段からアノード室42に電解用水例えば水(液体)が導入される。アノード室42に供給される水(液体)は酸性水溶液等であってもよい。
酸素出口44は第1容器部材41の上部に設けられていて、アノード30での水の酸化反応(電気分解反応)により発生する酸素をアノード室42から外部に導出する。
第2容器部材45は、カソード室46と連通する空気取入れ口47及び排水口48を有している。空気取入れ口47は、第2容器部材45のカソード31と対向した側壁部に複数設けられていて、減酸素反応に利用される空気(酸素)をカソード室46に導入する。排水口48は第2容器部材45の下端部に設けられていて、減酸素反応で生成された水をカソード室46から外部に導出する。
次に、減酸素セル23を有した減酸素スタックなす各エレメントを更に詳細に説明する。
まず、アノード30について説明する。アノード30には、水蒸気を酸化する能力を有した触媒(アノード触媒)が含有されている。アノード触媒は基材に担持されていることが好ましい。
アノード触媒として、例えば導電性金属酸化物とマトリックス酸化物との複合酸化物を用いることができる。導電性金属酸化物として、例えば酸化ルテニウム(RuO)、酸化イリジウム(IrO)等を挙げることができる。マトリックス酸化物との複合酸化物として、例えば酸化チタン(TiO)、酸化錫(SnO)、酸化タンタル(TaO)等を挙げることができる。
アノード触媒は、その活性、耐久性、コスト等を勘案して選択すればよい。この触媒をなす複合酸化物として、前記の他、例えば、RuO-TaO、RuO-IrO、RuO-IrO-TiO、RuO-SnO、RuO-TaO、IrO-TaO等を挙げることができる。
アノード触媒を担持する基材は、メッシュ構造であり、導電性、電気化学的な安定性、アノード触媒との密着性等を考慮して選択される。例えば、電解工業の分野で利用実績があるチタン等のエキスパンドメタル、パンチングメタル、エッチングメタル等を、基材として用いることが可能である。このようなチタンからなる基材の表面を前記複合酸化物で被覆した電極は、寸法安定性(DSA;Dimensionally Stable Anode)電極と呼ばれている。
アノード30は、例えば、塗布法、浸漬法、スプレー法等の手法で製造できる。例えば、浸漬法によるアノード30の製造方法を以下に説明する。基材として、厚さ100μm、開口率30%のチタン製エキスパンドメタルを用意する。
まず、この基材を、80℃に保持した10%のシュウ酸水溶液に、1時間浸漬した後に洗浄する。これにより、基材の表面を粗面化し、活性化させる。次に、この基材に対して、更に浸漬工程、乾燥工程、及び焼成工程を、この記載順に複数回繰り返す。浸漬工程では、基材を、モル比でTa;I=0.3:0.7の酸化タンタルと塩化イリジウムを溶解したブタノール溶液に浸漬する。乾燥工程では、浸漬された基材を、60℃の空気中で10分間乾燥する。焼成工程では、乾燥された基材を45℃の空気中で10分間焼成する。このような各工程を経てアノード30が製造される。この場合、メッシュ構造の基材の表面に被覆された触媒担持量が、例えば酸化イリジウム(IrO)−酸化タンタル(TaO)の複合酸化物が0.01mg/cmとなるように製造される。なお、この調整において触媒担持量は、製造されるアノードの質量変化から求めることができる。
カソード31について説明する。カソード31は、カソード触媒層32と、導電性の多孔質層(MPL:Micro Porous Layer)33と、ガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)34とにより構成されることが好ましい。
カソード触媒層32は、シート状に形成されていて、多孔質層33の一面に接合されている。ガス拡散層34は通気性ないしは通液性を有する導電性の材料からシート状に形成されている。ガス拡散層34は、導電性の多孔質層33の他面に接合されて、この多孔質層33をカソード触媒層32との間に挟んでいる。
カソード触媒層32には、酸素を還元する能力を有した触媒(カソード触媒)が含有されている。カソード触媒層32は、カソード触媒とプロトン伝導性バインダーとで形成された多孔質層であることが好ましい。カソード触媒は、貴金属粒子と貴金属合金粒子の少なくとも一方が導電性担体に担持された形態が好ましい。
前記貴金属粒子としては、白金Pt、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、イリジウムIrよりなる群から選択される少なくとも一緒の貴金属からなるものが好ましい。しかし、これには制限されない。
カソード触媒として貴金属合金粒子を用いると、カソード触媒の耐溶解性と活性等を向上させることが可能である。こうした貴金属合金粒子として、以下の記載に特に制限されないが、二種以上の貴金属元素のみからなる合金、貴金属元素とその他の金属元素とを含む合金等が挙げられる。
貴金属合金粒子は、高い触媒活性効果を得ることができる。このため、白金Ptを基体とした貴金属合金粒子を用いるとよく、具体的には、一種以上の貴金属元素と白金Ptとの合金が好ましい。前記一種以上の貴金属元素は、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、イリジウムIr等の白金Pt以外の貴金属、例えばチタンTi,バナジウムV、クロムCr、マンガンMn、鉄Fe,コバルトCo、ニッケルNiからなる群から選らばれる。
前記貴金属合金粒子の合金組成は、合金化する金属元素の種類にもよるが、白金(Pt)を30原子%〜95原子%、合金化する金属元素を5原子%〜70原子%とすることが好ましい。なお、ここで、「合金」とは、複数の金属元素、或いは金属元素と非金属元素から形成された金属的性質を有しているものの総称である。合金には、完全に溶け込んでいる固溶体、成分の金属元素が結晶レベルでは夫々独立している共晶、原子のレベルにおいて一定割合で結合した金属間化合物等があるが、本実施形態においてはいずれの状態の合金であってもよい。
カソード触媒層32の導電性担体は、貴金属粒子及び/又は貴金属合金粒子(つまり、これら粒子のうちの少なくとも一方)を担持する。この導電性担体は、電子伝導性、ガス拡散性、カソード触媒との密着性等を考慮して選択される。例えば、カーボンブラック、活性炭、黒鉛などを用いることができるとともに、ナノカーボン材料を用いることも可能である。カーボンブラックとして、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、バルカン(登録商標;キャボット社)、ケッチェンブラック等を挙げることができる。ナノカーボン材料は、例えば、ファイバー状、チューブ状、コイル状、シート状のいずれであってもよい。
前記導電性担体の比表面積は、カソード触媒を高分散担持するのに十分であればよく、具体的には、50m/g〜1400m/gである。比表面積が50m/g未満であると、導電性担体へのカソード触媒の分散性が低下して、十分な触媒作用を得られない虞がある。この逆に、比表面積が1400m/gを超えると、カソード触媒の有効利用率が低下して、十分な触媒性能を得られない虞がある。したがって、導電性担体の比表面積は前記範囲であればよく、好ましい比表面積は80m/g〜1200m/gであり、更に好ましい比表面積は100m/g〜1000m/gである。
導電性担体にカソード触媒を担持させたカソード触媒層32において、カソード触媒として貴金属粒子又は貴金属合金粒子を用いる場合、貴金属粒子又は貴金属合金粒子は、導電性担体をなす同じ導電性材料に担持させても、或いは導電性担体をなす異なる導電性材料に担持させても差し支えない。同様に、導電性担体にカソード触媒を担持させたカソード触媒層32において、カソード触媒として貴金属粒子及び貴金属合金粒子の両方を用いる場合、貴金属粒子及び貴金属合金粒子は、導電性担体をなす同じ導電性材料に担持させても、或いは導電性担体をなす異なる導電性材料に担持させても差し支えない。
導電性担体にカソード触媒として貴金属粒子又は貴金属合金粒子のうちの少なくとも一方を担持させて形成されるカソード触媒層32において、カソード触媒の担持量は、カソード触媒層32の総質量に対して、10wt%〜90wt%であることが好ましい。
カソード触媒の担持量が10wt%未満であると、単位質量あたりの触媒活性が低下して所望の触媒性能が低下する。これにより、所望の触媒性能を得るためにカソード触媒を多量に必要とするので、好ましくない。しかも、カソード触媒層32における反応特性の拡散性が低下する点でも好ましくない。
この逆に、カソード触媒の担持量が90wt%を超えると、導電性担体上でのカソード触媒の分散度が低下する。これにより、カソード触媒の担持量が増える割には触媒性能が十分に向上せず、カソード触媒層32のコスト高になるので好ましくない。
したがって、カソード触媒の担持量は前記範囲であればよく、好ましい担持量は20wt%〜80wt%であり、更に好ましい担持量は30wt%〜70wt%である。
カソード触媒の触媒粒子がナノ微粒子であると、最も高い活性が得られる。触媒粒子の平均粒径は10nm以下であることが望ましい。触媒粒子の平均粒径が10nmを超えると、触媒の活性効率が著しく低下する虞がある。更に好ましい触媒粒子の平均粒径の範囲は、0.5nm〜10nmである。触媒粒子の平均粒径を0.5nm未満にすると、触媒合成プロセスの制御が困難で、触媒製造コストが高くなる。なお、触媒粒子には、平均粒径が10nm以下の微粒子を単独で使用しても良いが、この微粒子からなる一次粒子の凝集体(二次粒子)を使用しても良い。
カソード触媒は、含浸法、沈殿法、コロイド法などの溶液法、又はスパッタリング法などの乾式法を利用して製造することが可能である。カソード触媒を製造する手法の具体例は以下の通りである。
まず、塩化白金酸を溶解した水溶液にアセチレンブラックを分散させ、そこに炭酸水素ナトリウムを滴下して、溶液のpHを7〜8にする。これにより、アセチレンブラックにPtの酸化物を担持した。次に、溶液から固体分をろ過により分離し、硫酸水溶液で洗浄した後、60℃(大気中)で乾燥した。この後、得られた固体を粉砕し、水素ガスで還元処理をしてアセチレンブラック上にPtを担持した。Ptの担持量は10wt%であった。
なお、カソード触媒の結晶構造は、X線回折分析(XRD:X-ray Diffraction)における回折ピークを帰属することで確認できる。例えば、X線回折分析(XRD)装置にRigaku製、RINT1200を使用できる。
試料は、合成された触媒や減酸素セルのカソードに使用されている触媒層の一部を削り出した粉末試料でも評価が可能である。なお、試料から触媒を取り出す際には、製品の表面の最大面積を有する面の実質的に中央部の断面部位を、試料として用いる。分析試料はメノウ乳鉢で粉砕し、45μmのフルイを通過した粉末を用いた。
測定は、ガラス製の試料板(試料部の大きさ;縦20mm×横20mm×深さ0.2mm)にガラス板を用いて分析試料が試料板表面と平滑になるように充填した。
測定条件は以下の通りである。その他の測定手法に関する詳細は理学電気(株)発行「X線回折の手引(改訂第三版)」を参考にして行っている。
管球:Cu
管電圧:40kV
管電流:40mA
発散スリット:1deg
散乱スリット:1deg
受光スリット:0.30mm
サンプリング角度:0.020deg
スキャンスピード:2 deg/min
カソード触媒の平均粒径は、X線回折分析(XRD)における触媒の最強回折ピークの半値幅から求められる結晶子径より算出できる。算出に用いたのはScherrerの式である。
なお、カソード触媒層32に含まれる貴金属触媒の組成分析は、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP:Inductively Coupled Plasma)により評価できる。
分析試料は、電極触媒や減酸素セルのカソードに使用されている触媒層の一部を削り出した粉末試料でも評価が可能である。分析試料の前処理(溶液化)方法には、いくつかの手法があり、それらを触媒に使用している元素に応じて適宜、組み合わせて使用できる。例えば、酸溶解法であれば、多くの元素と錯体を形成し溶解を助ける濃塩酸、強い酸化力を有する硝酸、高温加熱分解が可能な熱濃硫酸などを用いることができる。また、単一の酸での溶解が困難な場合、これらの酸を組み合わせた混酸を用いてもよい。酸分解が困難な場合、高温溶融により溶解力が強力なアルカリ融解法で前処理をすることができる。この溶解法において、分解剤には炭酸ナトリウム(NaCO)、過酸化ナトリウム(Na)、水酸化ナトリウムと硝酸ナトリウムの混合物(NaOH+NaNO)がなどを用いることができる。
カソード31におけるカソード触媒層32は、カソード触媒とプロトン伝導性バインダーとで形成された多孔質層である。プロトン伝導性バインダーは、カソード触媒を固定化するために用いられ、パーフルオロスルホン酸ポリマー(例えば、デュポン社製、商品名:ナフィオン)が選択される。
カソード触媒層32は、プロトン伝導性、導電性を高く維持しつつ、物質拡散が容易な多孔性を保持した触媒層構造であることが望ましい。このため、触媒担持物とプロトン伝導性バインダーの配合比は、触媒層全質量(C)に対してプロトン伝導性バインダー(P)の質量比(P/C)が0.05〜0.5の範囲であることが望ましい。質量比P/Cが0.5よりも大きいと、触媒担持カーボンの連続性が低下して導電度が低くなる虞がある。
カソード触媒層32は、ガス拡散層(GDL)34に接合された導電性の多孔質層(MPL)33の直上に形成されたものである。MPL付きGDLは、市販されているものを適宜、選択して用いることができる。
ガス拡散層34は、撥水剤により適度に撥水性が付与されたカーボンペーパーやカーボンクロス、カーボンフェルト等の通気性あるいは通液性を有する材料から形成されたシートであり、導電性を有する。導電性の多孔質層(MPL)33は撥水剤とカーボン粒子からなる多孔質層である。
ガス拡散層34及び導電性の多孔質層33に用いられる撥水剤はフッ素樹脂が選択される。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四ふっ化エチレン−六ふっ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四ふっ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)などを利用できる。
導電性の多孔質層33に用いられるカーボン粒子は前述の導電性担体と同様のものを利用することができる。
カソード触媒層32は例えば以下の手法で作製することができる。まず、カソード触媒とプロトン伝導性バインダーを水やアルコールなどの有機溶媒に混合、分散して触媒スラリーとする。次に、このスラリーをガス拡散層34に塗布し、乾燥する。これにより、カソード触媒層32を形成する。分散方法は、特に限定されるものではなく、ディソルバー、ボールミル、ホモジナイザーなどが挙げられる。
カソード31の具体的な製造方法として、たとえば、前述で得られたPt/C1gに対し、水5g、1−プロパノール8g、2−プロパノール8g、エチレングリコール2gを秤量・混合し、ジルコニアボールを用いたボールミルで1時間、混合した。得られた触媒スラリーをMPL付きGDLのMPL面に塗布し、大気中において60℃で乾燥したのち、1%過酸化水素水で1時間洗浄をして、カソード31を作製した。触媒スラリーの組成及びMPL付きGDLの重量変化から求めたPtの触媒量は1mg/cmであった。
高分子の電解質膜35について説明する、この電解質膜35は、プロトン伝導性の高さからパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーからなる薄膜が好ましい。電解質膜35として、例えば、ナフィオン(登録商標:デュポン社製)、フレミオン(登録商標:旭化成株式会社製)、アシプレックス(登録商標:旭硝子株式会社製)などのスルホン酸基を持つフッ素樹脂などを挙げることができる。しかし、これらに限定されるものではなく、電解質膜35は、スルホン酸基を有する有機高分子材料からなる薄膜であればよい。なお、高分子の電解質膜35の膜厚は、膜抵抗を考慮すれば、10μm〜150μmとすることが好ましい。より好ましい膜厚は30μm〜100μmである。
電極接合体36の気化層38について説明する。気化層38は、多孔材料で形成されていて、アノード室42から供給された水(液体)を水蒸気にして、この水蒸気をアノード30に供給するために設けられている。したがって、気化層38は気液分離層である。この気化層38は、熱伝導性に優れた材料、言い換えれば、熱応答性が高い材料、例えばカーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等の炭素製多孔質体で形成されている。
気化層38に撥水機能を付与する撥水剤が含有されている。この気化層38の撥水機能で、アノード室42に供給された水(液体)がアノード30に直接接することを妨げている。撥水剤には、フッ素樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四ふっ化エチレンー六ふっ化エチレン共重合樹脂(FEP)、四ふっ化エチレンパーフルオロアルキルービニルエーテル共重合樹脂(PFA)等を、好適に用いることができる。
炭素製多孔質体への撥水剤(フッ素樹脂)の処理は必ずしも均一になされる保証がない。このため、フッ素樹脂の含有量が5wt(質量)%未満になると、気化層38での撥水機能が不十分となり、アノード室42内の水(液体)が気化層38を通ってアノード30に達する虞がある。又、フッ素樹脂の含有量が50wt(質量)%を超えると、撥水剤(フッ素樹脂)が炭素性多孔質体の細孔に充填されて、細孔容積を低下させる。これにより、気化層38からアノード30への水蒸気の供給量が低下して、減酸素運転に必要な電流密度を十分に得ることが難しくなるので、減酸素の速度が遅くなる虞がある。
したがって、炭素製多孔質体の撥水剤(フッ素樹脂)の含有量は、5wt%〜50wt%であると良く、更に、8wt%〜40wtであることが好ましく、10wt%〜35wt%であることがより好ましい。
気化層38は、減酸素セル23の運転に必要な水(水蒸気)を過不足なくアノード30に供給するために、気化層38が有する細孔径、気孔率、層厚みは、以下のように設定されている。
気化層38の細孔径を横軸とするとともに、気化層38の細孔容積を縦軸とした細孔分布において、細孔のメディアン径が15μm未満であると、気化層38からアノード30への水蒸気の供給量が適正量を下回り、減酸素運転に必要な電流密度を十分に得ることが難しくなって、減酸素の速度が遅くなる虞がある。また、炭素製多孔質体への撥水剤の処理は必ずしも均一に行われないため、処理が不十分の場合、細孔のメディアン径が60μmを超えることが考えられる。このようになると、アノード室42内の水(液体)が水蒸気とならずに気化層38を通ってアノード30に達する虞がある。
したがって、細孔径は、そのメディアン径が、15μm〜60μmであると良く、更に、20μm〜55μmであることが好ましく、25μm〜50μmであることがより好ましくい。
気化層38は、その気孔率が40%未満であると、気化層38からアノード30への水蒸気の供給量が適正量を下回り、減酸素運転に必要な電流密度を十分に得ることが難しくなって、減酸素の速度が遅くなる虞がある。又、気孔率が90%を超えると、気化層38の強度が不足するので、それへの撥水処理等の工程管理に不具合がでる虞がある。
したがって、気孔率は、40%〜90%であるとよく、更に、45%〜85%であることが好ましく、50%〜80%であることがより好ましい。
気化層38は、炭素性多孔質体の厚さが100μm未満では、気化層38の強度が不足して撥水処理等の工程管理に不具合ができる虞がある。又、多孔質体の厚さが500μmを超えると、気化層38からアノード30への水蒸気の供給量が適正量を下回って、減酸素運転に必要な電流密度を十分に得ることが難しくなるので、減酸素の速度が遅くなる虞がある。したがって、気化層38の厚さは、100μm〜500μmであると良く、更に110μm〜450μmであることが好ましく、130μm〜400μmであることがより好ましい。なお、気化層38の厚さは、気化層38の面積を16の領域に分割し、各領域の中心位置の厚さを測定して、測定された値の平均値としたものを使用する。
なお、実施形態での気化層38の細孔径、気孔率は、水銀ポロシオメーターを使用して評価できる。水銀ポロシオメーターとは、水銀注入法によって多孔材料における細孔の大きさを評価するための装置である。この評価装置には、島津製作所製の「オートポア9520形」を使用できる。
水銀ポロシオメーターで測定される気化層の試料は、数時間、室温で減圧乾燥した後、約1.2×2.5cmの短冊片に切断し、0.07g〜0.13gを標準セルに採る。この試料を用いて、初期圧約5kPa(約0.7psia、細孔直径約250μm相当)の各条件で、細孔径と気孔率を測定する。このときの、水銀パラメータは、水銀接触角130degrees、水銀表面張力485dynes/cmに設定する。測定の過程での圧力と圧入された水銀量を静電容量検出器で検知し細孔容積を測定する。そして、細孔を円筒形にモデル化することで、最高径、かさ密度、見かけ密度、気孔率、及び細孔分布を求めることができる。なお、圧力と、その圧力で水銀が侵入可能な細孔径の関係は、Washburnの式で表される。
実施形態で用いられる気化層38の具体的な製造方法の一例を説明する。まず、所定濃度に調整したPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)分散水溶液に、カーボンペーパーを1分間浸漬させて、これを室温で一晩乾燥させる。次に、こうして乾燥されたカーボンペーパーをアルゴン雰囲気中において、380℃で10分間焼成する。これにより、撥水処理がされたカーボンペーパー製の気化層38が作成される。なお、この気化層38の製法は特に限定されない。
製造された気化層38の撥水剤(フッ素樹脂)の含有量は、燃焼による重量の減少を測定することで評価できる。或いは、示差熱-熱重量同時測定(TG-DTA)によって、カーボンやフッ素樹脂の燃焼による重量減少を測定することで、気化層38のフッ素樹脂含有量を評価することもできる。
気化層38に、通気性あるいは通液性を有す多孔質炭素粒子層(MPL)が積層された構造を選択することで、アノード30に対する通気性や通液性の均一化を図ることができる。アノード30への通気性や通液性が均一になることで、アノード触媒上での水の酸化反応が円滑に進行し、電解電圧が増加するのを抑制できる。したがって、多孔質炭素粒子層はアノード30側に配置されていることが望ましい。
一方、多孔質炭素粒子層がアノード30の裏面側に配置されたとしても、液体の水が多孔質炭素粒子層を介して気化層38に均一に物質拡散することが可能になる。これにより、アノード30への通気性や通液性がより一層促進される。したがって、気化層38の両面に多孔質炭素粒子層を配置することが可能であるが、多孔質炭素粒子層の配置は、要求されるコストや減酸素セル23の性能、寿命を勘案して適宜選択すればよい。
多孔質炭素粒子層は撥水剤とカーボン粒子からなる多孔質層である。撥水材にはフッ素樹脂が選択され、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四ふっ化エチレン−六ふっ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四ふっ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)等を利用できる。カーボン粒子は前述の導電性担体と同様のものを利用することができる。
多孔質炭素粒子層は通気性や通液性の均一化に必要な撥水機能が付与されるために、適度にフッ素樹脂が含有されている。フッ素樹脂の含有率が5wt%よりも少ないと、撥水機能が不十分となり、液体の水が多孔質炭素粒子層内部で停滞し細孔を閉塞する虞がある。フッ素樹脂の含有率が50wt%よりも多くなると、フッ素樹脂が多孔質炭素粒子層の細孔に充填され細孔容積を低下させる。これにより、アノード30への水蒸気の供給量が少なくなり、減酸素運転に必要な電流密度が十分に得られないため、減酸素速度が遅くなる虞がある。したがって、フッ素樹脂含有量は、5wt%乃至50wt%であることが望ましく、好ましくは8wt%乃至40wt%であり、より好ましくは10wt%乃至35wt%である。
多孔質炭素粒子層は、通気性や通液性の均一化のため適度な厚さがある。多孔質炭素粒子層の厚さが10μmよりも少ないと、基材である気化層38の凹凸の影響で均一な多孔質炭素粒子層を得ることが困難で、通気性や通液性の均一化が難しくなる。一方、多孔質炭素粒子層の厚さ100μmよりも大きいと、アノード30への水蒸気の供給量が少なくなって減酸素運転に必要な電流密度が十分に得られないため、減酸素速度が遅くなる虞がある。したがって、多孔質炭素粒子層の厚さ10μm乃至100μmであることが望ましく、好ましくは15μm乃至80μmであり、より好ましくは20乃μm至50μmである。
多孔質炭素粒子層の厚さは、気化層38の断面を走査型電子顕微鏡にて観察し、少なくとも5箇所を観測した平均値とした。なお、測定条件は以下とした。
装置: 日本電子(株)製JXA−8100
SEM観察条件:加速電圧:15kV 、倍率:400倍
実施形態に用いられる多孔質炭素粒子層が積層された気化層38の具体的な製造方法の例としては公知の手法を用いることができる。
例えば、まず、カーボン粒子とPTFE分散水溶液を、水やアルコールなどの有機溶媒に所定の濃度と組成に調整して混合するとともに分散させて、スラリーとする。次に、このスラリーを予め作製した気化層に塗布するとともに乾燥し、これをアルゴン雰囲気中、380度で10分間、焼成することで、多孔質炭素粒子層が積層された気化層38を製造する。この製法での分散方法は、特に限定されるものではなく、ディソルバー、ボールミル、ホモジナイザーなどを用いることができる。同製法での塗布方法も、特に限定されるものではなく、キャスト法、スプレー法などで行なうことが可能である。要求されるコストや素子の性能、寿命を勘案して市販の多孔質炭素粒子層が積層された気化層38を適宜選択することもできる。
以上説明した減酸素スタック22は、例えば、次の方法で製造することができる。
まず、減酸素セル23のアノード30、カソード31、および電解質膜35とを、加熱および加圧ができる装置を用いて接合(熱圧着)する。一般的には、ホットプレス機により接合が行なわれる。その際のプレス温度は、電極と電解質膜35の結着性が得られるプロトン伝導性高分子のガラス転移温度以上であればよく、一般には100℃〜400℃である。プレス圧は使用する電極の硬さに依存するが、通常、5kg/cm〜200kg/cmである。次に、得られた減酸素セル23を、電極を担うカソード集電層39と、電極接合体36の気化層38及び電極をなすアノード集電層37と組合せる。これにより、減酸素スタック22を得ることができる。
減酸素装置21は、その減酸素セル23が減酸素室3内の酸素と反応できるように冷蔵庫本体2に配設されている。具体例として減酸素装置21は、図1に示すように第2容器部材45に形成された空気取入れ口47を冷蔵庫本体2の通孔2aに臨ませて、冷蔵庫本体2の凹部20に収容されている。これにより、カソード室46と減酸素室3とが通孔2aを経由して連通されていて、減酸素セル23のカソード31は減酸素室3内の酸素と反応することが可能である。
図2に示すように電源24の正極に減酸素セル23のアノード集電層37が電気的に接続されているとともに、電源24の負極に減酸素セル23のカソード集電層39が電気的に接続されている。電源24は、電圧又は電流を減酸素セル23のアノード30とカソード31との間に印加する。なお、図2中符号29は検知器を示している。この検知器29は減酸素セル23に印加される電圧又は電流を検知するもので、例えば電圧計である。
冷蔵庫1の開閉部材5が開かれるたびに、減酸素室3の酸素濃度は大気中の酸素濃度と同じとなる。このため、開閉部材5が閉じられるたびに、減酸素装置21は、減酸素室3が目標とする低い酸素濃度となるように運転される。次に、減酸素装置21の運転により減酸素室3内の酸素が減らされる反応(減酸素反応)を説明する。
水取入れ口43からアノード室42に水(液体)を供給した状態において、コントローラ29による制御で、電源24から直流電圧を減酸素セル23のアノード30とカソード31との間に印加して、減酸素セル23を運転する。なお、アノード30とアノード室42との間は電極接合体36が有した気化層38が撥水処理されているので、アノード室42内の水(液体)が減酸素セル23のアノード30に直接接触することはない。
減酸素セル23の運転に伴い、アノード30の表面で水(HO)が電気分解(酸化)されるとともに、カソード31の表面で水(液体)が生成される。
即ち、アノード30での水の電気分解反応により、酸素(O)と、プロトン(H+)と、電子(e-)が生成される。
この反応は、2HO→O+4H+4eの式(1)で表される。こうした水の酸化により生成された酸素(O)は、酸素出口44を通ってアノード室42外に排出される。
この一方で、生成されたプロトン(H+)が、アノード30から電解質膜35を通ってカソード31に移動する。これと共に、生成された電子(e-)は電源24等を含んだ外部回路を通ってカソード31に移動する。
減酸素室3内の空気(酸素と窒素)はカソード室46に空気取入れ口47を経て供給されている。このため、カソード31で、減酸素室3内の酸素(O)とカソード31に供給されたプロトン(H+)及び電子(e-)とが反応して水(液体)が生成される。
この反応は、O+4H+4e→2HOの式(2)で表される。このようにカソード31での酸素の還元反応で、空気中の酸素が水になることで、減酸素室3内の酸素濃度が減少する。これにより、庫外より低い温度に保持される減酸素室3内に収容された保存対象物、例えば野菜を、長時間にわたり鮮度を保って保存することが可能である。
以上説明した減酸素反応は発熱反応であるため、減酸素セル23及びこのセルに熱伝導可能に接合されているセル周辺部材の温度は、減酸素反応に伴って上昇する。減酸素反応のために減酸素セル23に流される電流の密度に応じて、減酸素セル23の発熱量は異なるが、減酸素セル23はその運転により約30℃上昇することが確かめられた。これに伴い、減酸素セル23に対して高い熱応答性を有している気化層38の温度は、減酸素セル23の温度に近似して上昇する。
このため、前記減酸素反応では、アノード室42からアノード集電層37を通過して気化層38に供給された水(液体)が、この気化層38で加熱され、水蒸気となってアノード30に供給される。
アノード30に供給される水蒸気の圧力は、飽和水蒸気圧によって規定される。これにより、水分子が、アノード30から電解質膜35を透過してカソード31にプロトン(H+)とともに移動することが抑制される。
このように前記式(2)での反応により水(液体)を生成するカソード31に、余分な水がアノード30からカソード31に移動されることが抑制される。そのため、カソード31で水(液体)が過剰に停滞することを抑制可能である。これとともに、アノード室42内の水(液体)が、余分な水としてアノード30からカソード31に移動されることが抑制されるので、アノード30での反応に必要な水が、アノード30に対して供給不足となる虞もない。
カソード31での水(液体)の停滞が抑制されるに伴い、カソードフラッディング現象が起こり難くなる。このため、水(液体)がカソード触媒層32の細孔を閉塞して、カソード触媒層32への減酸素室3内の酸素の供給を妨げられることが抑制される。したがって、減酸素反応に要する電圧が過大とならないようにできるので、減酸素装置21の性能の低下を抑制できる。
前記減酸素運転において、アノード室42に供給される水(液体)が金属イオン等の不純物イオンを含んでいることがある。この場合、既述のようにアノード室42の水は、アノード30に達する前に気化層38で加熱され水蒸気となってアノード30に供給される。このように気化層38が水を蒸留することで、気化層38はイオントラップ性能を発揮する。
これにより、金属イオン等の不純物イオンが電解質膜35に蓄積されることが防止されるので、この電解質膜35でのプロトン(H)の伝導性が低下することが抑制される。その結果、減酸素セル23の電気的抵抗が増加し、減酸素反応に要する電圧が過大に増えることが抑制されるので、減酸素装置の性能の低下を抑制できる。
更に、減酸素装置21の運転においては、既述のように気化層38によりアノード30に水蒸気を供給することに伴い、アノード30からカソード31への余分な水分子の移動を抑制できる。これにより、減酸素運転中に電解質膜35が水分子で膨潤された状態となることが抑制される。一方、減酸素装置21の停止運転に伴い、電解質膜35は減酸素セル23の余熱によって加熱される。それにも拘らず、電解質膜35の膨潤と乾燥を原因として、電解質膜35の寸法が変化することが抑制される。したがって、減酸素セル23の電解質膜35とアノード30との接合面で剥離を起こすことが抑制されて、減酸素装置21の耐久性の低下を抑制することが可能である。
前記減酸素装置21において、アノード30に供給される水蒸気量は、気化層38によって影響を受ける。このため、減酸素スタック22の外側、具体的には減酸素容器25に電気ヒータを取付けて、このヒータの発熱で減酸素セル23を有した減酸素スタック22の温度を制御しても良い。これにより、アノード30に供給される水蒸気量を安定的に制御することが可能となる。
以下、減酸素装置21の実施例を説明する。
(実施例1)
実施例1では気化層38を以下の製法で得る。まず、厚さ180μmのカーボンペーパーを、PTFE分散水溶液に1分間浸漬させた後、室温で一晩乾燥させる、次に、こうして乾燥されたカーボンペーパーを、アルゴン雰囲気中において、380℃で10分間焼成する。これにより、フッ素樹脂であるPTFEの含有量が5wt%のカーボンペーパーからなる気化層38を得た。この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は35μm、気孔率は70%であった。
実施例1での減酸素スタック22を以下の製法で得た。既述の製法により作られ、かつ、大きさを20cmとしたアノード30を用意する。既述の製法により作られ、かつ、大きさを12cmとしたカソード31を用意する。これとともに、厚さ50μmで大きさが30cmの電解質膜(登録商標;ナフィオン、デュポン社製)35を用意する。そして、アノード30、カソード31、および電解質膜35とは、ホットプレス機により加熱および加圧して接合(熱圧着)することで減酸素セル23を得た。ホットプレスは、温度が160℃、圧力が20kg/cm、加圧時間が3分間の条件で行なった。そして、これら減酸素セル23のエレメントと、他のエレメント、つまり、前記気化層38と、アノード集電層37とカソード集電層39を用意し、組合せることで減酸素スタック22を得る。
実施例1での評価は以下の通りである。
減酸素スタック22を第1容器部材41と第2容器部材45とで挟んで、これらを連結して減酸素容器25を作成した。これによって、減酸素装置21が作成される。この装置のアノード集電層37とカソード集電層39を電源24に接続した。減酸素装置21の評価において、アノード30が収められた第1容器部材41のアノード室42には水(液体)を充満させ、カソード31が収められた第2容器部材45のカソード室46には空気を自発呼吸で供給した。
こうした状態で、電源24により減酸素セル23に電圧を印加し、反応電流が定電流となるように制御した。この定電流制御は、例えば電圧検知手段である電圧計27(図2参照)で、減酸素セル23に印加される電圧を検知し、その検知情報に基づいてコントローラ29が電源24の出力電圧を制御することで行なった。この定電流制御により、例えば0.2A/cmの一定電流を減酸素セル23に印加して減酸素反応を行なわせ、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様にして、厚さが180μmで、PTFEの含有量が10wt%のカーボンペーパーからなる気化層38を製造して得た。この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は35μm、気孔率は65%であった。この気化層38を有する減酸素装置を、実施例1と同様の操作を行なって作成し、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表1〜表4に示す。
(実施例3)
実施例1と同様にして、厚さが180μmで、PTFEの含有量が30wt%のカーボンペーパーからなる気化層38を製造して得た。この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は35μm、気孔率は60%であった。この気化層38を有する減酸素装置を、実施例1と同様の操作を行なって作成し、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1と同様にして、厚さが180μmで、PTFEの含有量が50wt%のカーボンペーパーからなる気化層38を製造して得た。この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は35μm、気孔率は55%であった。この気化層38を有する減酸素装置を、実施例1と同様の操作を行なって作成し、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1と同様にして、厚さが180μmで、PTFEの含有量が1wt%のカーボンペーパーからなる気化層38を製造して得た。この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は35μm、気孔率は75%であった。この気化層38を有する減酸素装置を、実施例1と同様の操作を行なって作成し、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1と同様にして、厚さが180μmで、PTFEの含有量が60wt%のカーボンペーパーからなる気化層38を製造して得た。この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は35μm、気孔率は45%であった。この気化層38を有する減酸素装置を、実施例1と同様の操作を行なって作成し、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
気化層がない減酸素装置を作成した。そのため、比較例1の減酸素装置では、アノードにアノード集電層が直接接合されている。この比較例1の減酸素装置を用いて、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0006009911
表1で示すようにフッ素樹脂含有量が5wt%以上50wt%未満である気化層を備えた実施例1〜実施例4の減酸素装置は、フッ素樹脂含有量が1wt%の気化層を備えた実施例5の減酸素装置、フッ素樹脂含有量が60wt%の気化層を備えた実施例6の減酸素装置、及び気化層を備えない比較例1の減酸素装置と比べて、1000時間後の電解電圧を低く維持できることが確かめられた。即ち、気化層38のフッ素含有量が5wt%〜50wt%の範囲であれば、気化層38からアノード30への供給される水蒸気量は適当である。
これによって、長時間の電解を行なってもカソード31に透過する水量が少なく制限されるため、電解で生成された水がカソード31から円滑に排出され、1000時間後でも電解電圧を低い状態を維持することができる。このことから、減酸素セル23の運転に必要な水蒸気量をアノード30に過不足なく供給可能な気化層38のフッ素含有量は、5wt%〜50wt%であると良いことが分り、この範囲を外れた減酸素装置及び気化層がない減酸素装置は長時間運転には適さないことが明らかとなった。
(実施例7)
実施例1と同様にして、厚さが180μmで、PTFEの含有量が10wt%のカーボンペーパーからなる気化層38を製造して得た。この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は60μm、気孔率は65%であった。この気化層38を有する減酸素装置を、実施例1と同様の操作を行なって作成し、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例1と同様にして、厚さが180μmで、PTFEの含有量が10wt%のカーボンペーパーからなる気化層38を製造して得た。この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は45μm、気孔率は65%であった。この気化層38を有する減酸素装置を、実施例1と同様の操作を行なって作成し、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表2に示す。
(実施例9)
実施例1と同様にして、厚さが180μmで、PTFEの含有量が10wt%のカーボンペーパーからなる気化層38を製造して得た。この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は15μm、気孔率は65%であった。この気化層38を有する減酸素装置を、実施例1と同様の操作を行なって作成し、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表2に示す。
(実施例10)
実施例1と同様にして、厚さが180μmで、PTFEの含有量が10wt%のカーボンペーパーからなる気化層38を製造して得た。この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は100μm、気孔率は65%であった。この気化層38を有する減酸素装置を、実施例1と同様の操作を行なって作成し、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表2に示す。
(実施例11)
実施例1と同様にして、厚さが180μmで、PTFEの含有量が10wt%のカーボンペーパーからなる気化層38を製造して得た。この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は10μm、気孔率は65%であった。この気化層38を有する減酸素装置を、実施例1と同様の操作を行なって作成し、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0006009911
表2で示すように細孔のメディアン径が15μm以上60μmである気化層を備えた実施例2の減酸素装置、及び実施例7〜実施例9の気化層を備えた減酸素装置は、メディアン径が100μmである気化層を備えた実施例10の減酸素装置、及びメディアン径が10μmである気化層を備えた実施例10の減酸素装置と比べて、1000時間後の電解電圧を低く維持できることが確かめられた。即ち、気化層38のメディアン径が15μm〜60μmの範囲であれば、気化層38からアノード30への供給される水蒸気量が適当である。
これによって、長時間の電解を行なってもカソード31に透過する水量が少なく制限されるため、電解で生成された水がカソード31から円滑に排出され、1000時間後でも電解電圧を低い状態を維持することができる。このことから、減酸素セル23の運転に必要な水蒸気量をアノード30に過不足なく供給可能な気化層38の細孔の径は、メディアン径が、15μm〜60μmであると良いことが分り、この範囲を外れた減酸素装置及び気化層がない減酸素装置は長時間運転には適さないことが明らかとなった。
(実施例12)
実施例1と同様にして、厚さが180μmで、PTFEの含有量が10wt%のカーボンペーパーからなる気化層38を製造して得た。この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は35μm、気孔率は90%であった。この気化層38を有する減酸素装置を、実施例1と同様の操作を行なって作成し、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表3に示す。
(実施例13)
実施例1と同様にして、厚さが180μmで、PTFEの含有量が10wt%のカーボンペーパーからなる気化層38を製造して得た。この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は35μm、気孔率は75%であった。この気化層38を有する減酸素装置を、実施例1と同様の操作を行なって作成し、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表3に示す。
(実施例14)
実施例1と同様にして、厚さが180μmで、PTFEの含有量が10wt%のカーボンペーパーからなる気化層38を製造して得た。この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は35μm、気孔率は40%であった。この気化層38を有する減酸素装置を、実施例1と同様の操作を行なって作成し、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表3に示す。
(実施例15)
実施例1と同様にして、厚さが180μmで、PTFEの含有量が10wt%のカーボンペーパーからなる気化層38を製造して得た。この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は35μm、気孔率は30%であった。この気化層38を有する減酸素装置を、実施例1と同様の操作を行なって作成し、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0006009911
表3で示すように気孔率が40%以上90%未満である気化層38を備えた実施例2の減酸素装置及び実施例12〜実施例14の減酸素装置は、気孔率が30%である気化層を備えた実施例15の減酸素装置と比べて、1000時間後の電解電圧を低く維持できることが確かめられた。即ち、気化層38の気孔率が40%〜90%の範囲であれば、気化層38からアノード30への供給される水蒸気量が適当である。
これによって、長時間の電解を行なってもカソード31に透過する水量が少なく制限されるため、電解で生成された水がカソード31から円滑に排出され、1000時間後でも電解電圧を低い状態を維持することができる。このことから、減酸素セル23の運転に必要な水蒸気量をアノード30に過不足なく供給可能な気化層38の気孔率は、40%〜90%であると良いことが分り、この範囲を外れた減酸素装置及び気化層がない減酸素装置は長時間運転には適さないことが明らかとなった。
(実施例16)
実施例1と同様にして、厚さが110μmで、PTFEの含有量が10wt%のカーボンペーパーからなる気化層38を製造して得た。この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は35μm、気孔率は65%であった。この気化層38を有する減酸素装置を、実施例1と同様の操作を行なって作成し、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表4に示す。
(実施例17)
実施例1と同様にして、厚さが270μmで、PTFEの含有量が10wt%のカーボンペーパーからなる気化層38を製造して得た。この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は35μm、気孔率は65%であった。この気化層38を有する減酸素装置を、実施例1と同様の操作を行なって作成し、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表4に示す。
(実施例18)
実施例1と同様にして、厚さが360μmで、PTFEの含有量が10wt%のカーボンペーパーからなる気化層38を製造して得た。この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は35μm、気孔率は65%であった。この気化層38を有する減酸素装置を、実施例1と同様の操作を行なって作成し、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表4に示す。
(実施例19)
実施例1と同様にして、厚さが600μmで、PTFEの含有量が10wt%のカーボンペーパーからなる気化層38を製造して得た。この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は35μm、気孔率は65%であった。この気化層38を有する減酸素装置を、実施例1と同様の操作を行なって作成し、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表4に示す。
Figure 0006009911
表4で示すように厚さが100μm以上500μm未満である気化層38を備えた実施例2の減酸素装置及び実施例16〜実施例18の減酸素装置は、厚さが600μmである気化層を備えた実施例19の減酸素装置と比べて、1000時間後の電解電圧を低く維持できることが確かめられた。即ち、気化層38の厚さが100μm〜500μmの範囲であれば、気化層38からアノード30への供給される水蒸気量が適当である。
これによって、長時間の電解を行なってもカソード31に透過する水量が少なく制限されるため、電解で生成された水がカソード31から円滑に排出され、1000時間後でも電解電圧を低い状態を維持することができる。このことから、減酸素セル23の運転に必要な水蒸気量をアノード30に過不足なく供給可能な気化層38の厚さは、100μm〜500μmであると良いことが分り、この範囲を外れた減酸素装置及び気化層がない減酸素装置は長時間運転には適さない。
(実施例20)
アノード30に供給する水がNa、Ca、Al、Fe、Ni、Cu、Zn等の金属の不純物イオンを500ppm含むように調整し、これを実施例2と同様の減酸素装置に供給して評価した。その結果を表5に示す。
(比較例2)
実施例20で調整した不純物イオンを含む水を、比較例1と同様の減酸素装置に供給して評価した。その結果を表5に示す。
Figure 0006009911
表5で示すように実施例2の減酸素装置は、実施例20に示すように不純物イオンを含む水(液体)を供給しても、減酸素装置の能力に変化はなかった。これに対して、比較例2に示すように、気化層がない比較例1の減酸素装置に不純物イオンを含む水を供給すると、即座に電解電圧が増大し、減酸素装置の性能が低下することが確かめられた。
即ち、比較例2の減酸素装置において、アノードに供給される水に金属イオン等の不純物イオンが含まれていると、それが高分子の電解質膜に蓄積して、水素イオンの伝導性が低下してしまう。これに対して、実施例2の減酸素装置と実施例20の減酸素装置は、それが備えた気化層38によってアノード30に供給する水を蒸留し、水蒸気をアノード30に供給する。このため、不純物イオンが減酸素セル23の電解質膜35に蓄積されることがなくなる。したがって、1000時間後の電解電圧を低い状態に維持することができる。
(実施例21)
(多孔質炭素粒子層を積層した気化層38の製造)
カーボン粉末とPTFE分散水溶液を、イソプロピルアルコール水溶液に混合するとともに撹拌して、カーボンスラリーを調整した。実施例1と同様にして、厚さが180μmで、PTFEの含有率が5wt%のカーボンペーパーからなる気化層を製造した。この気化層にスラリーをスプレー法にて塗布し、80℃で一晩乾燥した。これをアルゴン雰囲気中において380℃で10分間焼成し、5%PTFEを含む多孔質炭素粒子層が20μmの厚みで積層された気化層38を得た。
この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は35μm、気孔率は70%であった。この気化層38を有する減酸素装置を、実施例1と同様の操作を行なって作成した。ただし、気化層38は多孔質炭素粒子層が減酸素セル側に配向するように設置した。この減酸素装置を用いて、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表6及び表8に示す。
(実施例22)
実施例21と同様にして、20%PTFEを含む多孔質炭素粒子層が20μmの厚みで積層された気化層38を製造した。この気化層38を有する減酸素装置を用いて、実施例21と同様の操作で減酸素装置を評価した。その結果を表6に示す。
(実施例23)
実施例21と同様にして、50%PTFEを含む多孔質炭素粒子層が20μmの厚みで積層された気化層38を製造した。この気化層38を有する減酸素装置を用いて、実施例21と同様の操作で減酸素装置を評価した。その結果を表6に示す。
(実施例24)
実施例21と同様にして、1%PTFEを含む多孔質炭素粒子層が20μmの厚みで積層された気化層38を製造した。この気化層38を有する減酸素装置を用いて、実施例21と同様の操作で減酸素装置を評価した。その結果を表6に示す。
(実施例25)
実施例21と同様にして、60%PTFEを含む多孔質炭素粒子層が20μmの厚みで積層された気化層38を製造した。この気化層38を有する減酸素装置を用いて、実施例21と同様の操作で減酸素装置を評価した。その結果を表6に示す。
Figure 0006009911
表6に示すように、多孔質炭素粒子層に含まれるフッ素樹脂含有量が5wt%至50wt%の気化層を配置した実施例21〜実施例23の減酸素装置は、多孔質炭素粒子層のフッ素樹脂含有量が1wt%の気化層を配置した実施例24の減酸素装置、又は、多孔質炭素粒子層のフッ素樹脂含有量が60wt%の気化層を配置した実施例25の減酸素装置、或いは、気化層に多孔質炭素粒子層を持たない実施例1(表1参照)の減酸素装置と比べて、反応開始から1時間後あるいは1000時間後の電解電圧が低いことが確かめられた。
即ち、実施例21〜実施例23の減酸素装置によれば、気化層38からアノード30に供給される水蒸気量が適当であるとともに、アノード30への通気性や通液性が均一である。これにより、アノード触媒上での水の酸化反応が円滑に進行して、電解電圧の増加が抑制される。
(実施例26)
(多孔質炭素粒子層を積層した気化層の製造)
カーボン粉末とPTFE分散水溶液を、イソプロピルアルコール水溶液に混合するとともに撹拌して、カーボンスラリーを調整した。このスラリーを、実施例17で製造した気化層にスプレー法にて塗布し、80℃で一晩乾燥した。これをアルゴン雰囲気中において380℃で10分間焼成し、25%PTFEを含む多孔質炭素粒子層が10μmの厚みで積層された気化層38を得た。
この気化層38を細孔分布測定により評価した結果、気化層38のメディアン径は35μm、気孔率は65%であった。この気化層38を有する減酸素装置を、実施例1と同様の操作を行なって作成した。ただし、気化層38は多孔質炭素粒子層が減殺磯セル側に配向するように設置した。この減酸素装置を用いて、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表7に示す。
(実施例27)
実施例26と同様にして、25%PTFEを含む多孔質炭素粒子層が100μmの厚みで積層された気化層38を製造した。この気化層38を有する減酸素装置を用いて、実施例26と同様の操作で減酸素装置を評価した。その結果を表7に示す。
(実施例28)
実施例26と同様にして、25%PTFEを含む多孔質炭素粒子層が80μmの厚みで積層された気化層38を製造した。この気化層38を有する減酸素装置を用いて、実施例26と同様の操作で減酸素装置を評価した。その結果を表7に示す。
(実施例29)
実施例26と同様にして、25%PTFEを含む多孔質炭素粒子層が5μmの厚みで積層された気化層38を製造した。この気化層38を有する減酸素装置を用いて、実施例26と同様の操作で減酸素装置を評価した。その結果を表7に示す。
(実施例30)
実施例26と同様にして、25%PTFEを含む多孔質炭素粒子層が200μmの厚みで積層された気化層38を製造した。この気化層38を有する減酸素装置を用いて、実施例26と同様の操作で減酸素装置を評価した。その結果を表7に示す。
Figure 0006009911
表7に示すように、多孔質炭素粒子層の厚さが10乃至100μmの気化層を配置した実施例26〜実施例28の減酸素装置は、多孔質炭素粒子層の厚さが5μmの気化層を配置した実施例29の減酸素装置、又は多孔質炭素粒子層の厚さが200μmの気化層を配置した実施例30の減酸素装置、或いは気化層に多孔質炭素粒子層を持たない実施例17(図4参照)の減酸素装置と比べて、反応開始から1時間後あるいは1000時間後の電解電圧が低いことが確かめられた。
即ち、実施例26〜実施例28の減酸素装置によれば、気化層38からアノード30に供給される水蒸気量が適当であるとともに、アノード30への通気性や通液性が均一である。これにより、アノード触媒上での水の酸化反応が円滑に進行して、電解電圧の増加が抑制される。
(実施例31)
実施例21と同様にして減酸素装置を作製し評価した。ただし、気化層38は多孔質炭素粒子層が減酸素セル側と反対の面に配向するように設置した。この気化層38を有する減酸素装置を用いて、実施例21と同様の操作で実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表8に示す。
(実施例32)
(多孔質炭素粒子層を積層した気化層の製造)
カーボン粉末とPTFE分散水溶液を、イソプロピルアルコール水溶液に混合するとともに撹拌して、カーボンスラリーを調整した。このカーボンスラリーを、実施例1で製造した気化層の両面にスプレー法にて塗布し、80℃で一晩乾燥した。これをアルゴン雰囲気中において380℃で10分間焼成し、25%PTFEを含む多孔質炭素粒子層を25μmの厚みで気化層の両面に形成した。この気化層38を有する減酸素装置を用いて、実施例1と同様の操作で減酸素反応を行なわせて、反応開始から1時間後と1000時間後の電解電圧を測定した。その結果を表8に示す。
Figure 0006009911
表8に示すように、気化層38に積層された多孔質炭素粒子層とアノード30の配置関係が変化した実施例21、又は実施例31、或いは気化層38の両面に多孔質炭素粒子層が形成された実施例32は、気化層38に多孔質炭素粒子層を持たない実施例1に比べて反応開始から1時間後あるいは1000時間後の電解電圧が低いことが確かめられた。
即ち、実施例21、又は実施例31、或いは実施例32の減酸素装置によれば、気化層38からアノード30に供給される水蒸気量が適当であるとともに、アノード30への通気性や通液性が均一である。これにより、アノード触媒上での水の酸化反応が円滑に進行して、電解電圧の増加が抑制される。
既述のように一実施の形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。この新規な実施形態は、その他様々な形態で実施することが可能であり、例えば種々の省略、置き換え、変更を行うことが可能である。これとともに、これら実施形態やその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲にも含まれる。
実施形態の減酸素装置は、野菜、食品等を高品位な状態を保って長期保存することが可能な業務用及び家庭用の冷蔵庫に適用できるとともに、酸素濃度に敏感な薬品、医療用材料、化学物質等の保存を行う冷蔵庫等に適用することができる。
1…冷蔵庫、2…冷蔵庫本体、3…減酸素室、4…減酸素箱、5…開閉部材、21…減酸素装置、22…減酸素スタック、23…減酸素セル、25…減酸素容器、30…アノード、31…カソード、32…カソード触媒層、35…電解質膜、36…電極接合体、37…アノード集電層、38…気化層、39…カソード集電層

Claims (7)

  1. 供給される水蒸気を酸化する触媒が含有されたアノード、酸素を還元する触媒が含有されたカソード触媒層を有するカソード、及びこれらカソードとアノードで挟まれた電解質膜を備え、かつ、前記電解質膜がプロトン伝導性を有する減酸素セルと、
    アノード集電層及びこのアノード集電層の両面のうちの少なくとも一面に配置された気化層を備えて、前記電解質膜との間に前記アノードを挟んで配設されるとともに、前記気化層に供給される水を前記気化層で水蒸気にして前記アノードに供給する電極接合体と、
    前記電解質膜との間に前記カソードを挟んで配設されたカソード集電層と、
    を具備することを特徴とする減酸素装置。
  2. 前記気化層は、炭素製の多孔質体であることを特徴とする請求項1に記載の減酸素装置。
  3. 前記気化層の気孔率が40%以上90%以下であることを特徴とする請求項2に記載の減酸素装置。
  4. 前記気化層の細孔径を横軸とするとともに前記気化層の細孔容積を横軸とした細孔分布において、前記気化層が有する細孔のメディアン径が15μm以上50μmであることを特徴とする請求項2又は3に記載の減酸素装置。
  5. 前記気化層の厚さが、100μm以上500μmであることを特徴とする請求項2から4のうちのいずれか一項に記載の減酸素装置。
  6. 前記気化層は撥水剤を含有しており、この撥水剤の含有量が5wt%以上50wt%であることを特徴とする請求項2から5のうちのいずれか一項に記載の減酸素装置。
  7. 減酸素室を形成する減酸素箱を有した冷蔵庫本体と、
    この冷蔵庫本体に前記減酸素箱を開閉可能に取付けられ、閉じられた状態で前記減酸素室を密閉状態に保持する開閉部材と、
    請求項1から6のうちのいずれか一項に記載の減酸素装置であって、この装置が備える減酸素セルのカソードが前記減酸素室内の酸素と反応するように前記冷蔵庫本体に配設された前記減酸素装置と、
    を具備することを特徴とする冷蔵庫。
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