JP6009876B2 - 絞り機構付きカメラ - Google Patents

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Description

本発明は、撮影時に所定の絞り値に設定し得る絞り機構を備えたカメラに関し、特に、撮影時に光軸方向に繰り出した状態となるレンズ鏡筒の内部に配置されてレンズ鏡筒と一体的に光軸方向に移動すると共に複数の絞り開口を有する絞り部材、絞り部材を手動により操作する手動操作部材等を含む絞り機構を備えた絞り機構付きカメラに関する。
従来の絞り機構付きカメラとしては、カメラ本体(前カバー、後カバー等)、撮影の際にカメラ本体から光軸方向に繰り出すレンズ鏡筒、カメラ本体に設けられたフラッシュ,フラッシュ受光窓,及び被写界輝度を測光する測光部、レンズ鏡筒内に設けられて複数(4つ)の絞り開口を有すると共に所定軸回りに揺動する絞り部材、絞り部材をそれぞれの絞り位置において保持するクリックレバー、カメラ本体の上面に回動自在に設けられた絞り設定操作子(手動操作部材)、絞り部材と絞り設定操作子とを機械的に連結すると共に絞り設定操作に応じて絞り部材を所定の絞り位置に移動させる連結部材等を備え、絞り部材はレンズ鏡筒の沈胴動作により所定開口の絞り値に復帰すると共に、絞り設定操作子はレンズ鏡筒の沈胴動作により絞り部材を所定開口の絞り位置に設定する位置又は姿勢に復帰するように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、この絞り機構付きカメラにおいては、絞り部材が光軸に垂直な平面内で揺動する略扇状のものであるため、口径の異なる絞り開口をさらに追加する場合、絞り部材自体(の中心角)を大きくする必要があり又その揺動角度が大きくなり、レンズ鏡筒の大型化を招くことになる。
また、絞り設定操作子はカメラ本体の上面において光軸と捩れた位置にある軸を中心に回転するものであり、一方、絞り部材は光軸に垂直な平面内において揺動するものであるため、絞り設定操作子の操作を絞り部材に伝達して連動させるには、動作方向が異なる複数の連結部材(直線的に往復動する操作杆、所定軸回りに回動する複数の連結ギヤ等)が必要であり、構造の複雑化、大型化等を招いていた。
さらに、従来の絞り機構付きカメラにおいては、絞り設定操作子に大きな負荷が加わった場合、絞り部材と絞り設定操作子との間の連結部材が破損する虞があるため、その破損を防止する対策を講じる必要があり、又、組み付け作業の容易化等を図る必要があった。
特開2002−350954号公報
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、構造の簡素化、部品点数の削減、低コスト化等を図りつつ、絞り部材において口径の異なる絞り開口の個数を増加しつつも小型化を図れ、又、組み付け作業の容易化、機能上の信頼性の向上、手動による絞り操作時の負荷低減による操作性の向上等を図れる絞り機構付きカメラを提供することにある。
本発明の絞り機構付きカメラは、外輪郭を画定するカメラ本体と、撮影時にカメラ本体からレンズの光軸方向に繰り出した状態に位置するレンズ鏡筒と、撮影時に所定の絞り値に設定し得る絞り機構と、を備えた絞り機構付きカメラであって、上記絞り機構は、光軸に平行な回転軸を中心に周方向に配列された複数の絞り開口を有すると共に回転軸回りに回動自在でかつレンズ鏡筒と一体的に光軸方向に移動するべくレンズ鏡筒内に配置された円盤状の絞り部材と、カメラ本体に対して光軸回りに回動自在に配置された手動操作環と、手動操作環の回動動作を絞り部材の回動動作に変換して連動させる連動機構と、絞り部材を複数の絞り開口の各々の絞り位置に保持し得るクリック機構と、クリック機構による保持を解除した際に所定の絞り値を設定する初期位置に手動操作環を自動的に回転復帰させる復帰バネとを含む、ことを特徴としている。
この構成によれば、レンズ鏡筒が繰り出した状態において、手動操作環が初期位置から一方向に回転させられると、連動機構を介して、絞り部材が回転軸回りに回転して、適宜所定の絞り口径が光軸上に臨む位置(所定の絞り位置)に位置付けられ、又、クリック機構により絞り部材がそれぞれの絞り位置に保持される。一方、(例えば、レンズ鏡筒の沈胴動作に連動して)クリック機構による保持が解除されると、手動操作環は復帰バネの付勢力により初期位置に復帰し、連動機構を介して、絞り部材は所定の絞り開口に対応する絞り値(頻繁に使用される絞り値)に自動的に設定される。
このように、絞り機構として、光軸に平行な回転軸回りに回動する円盤状の絞り部材、光軸回りに回動する手動操作環を採用したことにより、絞り機構の光軸周りにおける集約化、構造の簡素化、部品点数の削減、レンズ鏡筒の小型化等を達成しつつ、従来に比べて絞り部材に設ける絞り開口の個数を増やすことができ、それ故に、より広範囲で所望の絞り値を設定することができる。
上記構成において、連動機構は、手動操作環に設けられた円弧状の駆動歯列と、絞り部材に設けられた被動歯車と、駆動歯列と被動歯車の間に介在する歯車列とを含み、歯車列は、被動歯車に噛合すると共にレンズ鏡筒と一体的に光軸方向に移動する移動歯車と、カメラ本体側に設けられると共にレンズ鏡筒の光軸方向における移動範囲に亘って駆動歯列及び移動歯車と噛合する円柱状の長尺歯車とを含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、手動操作環を回動させると、その駆動歯列に噛合した長尺歯車が回動し、長尺歯車に噛合した移動歯車を介して被動歯車が回動し、被動歯車と一体的に絞り部材が回転軸回りに回動する。ここで、長尺歯車は、レンズ鏡筒の光軸方向における移動範囲に亘って駆動歯列及び移動歯車と噛合しているため、レンズ鏡筒の沈胴状態から繰り出し状態に至る全域において、手動操作環の回動動作を絞り部材の回動動作に確実に変換して連動させることができる。
また、連動機構として、歯車機構を採用したことにより、部品の集約化、小型化等を達成することができる。
上記構成において、クリック機構は、レンズ鏡筒と一体的に光軸方向に移動するべくレンズ鏡筒内に設けられて光軸に垂直な面内で揺動するクリックレバーと、クリックレバーの係合部が係合し得るべく絞り部材の外周に凹状に形成された複数の被係合部と、係合部が被係合部に係合する向きにクリックレバーを回転付勢する付勢バネとを含み、クリックレバーは、レンズ鏡筒の沈胴動作に連動してカメラ本体側からカム作用を受け、付勢バネの付勢力に抗しつつ係合部が被係合部から離脱するように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、レンズ鏡筒が沈胴した状態においては、クリックレバー(の係合部)が絞り部材(の被係合部)から離脱して絞り部材の保持が解除されているため、手動操作環は復帰バネの付勢力により初期位置に復帰すると共に、絞り部材は(所定の絞り値を設定する)所定の絞り開口が光軸上に位置付けられ、一方、レンズ鏡筒が沈胴状態から繰り出した状態になると、カメラ本体側のカム作用が解除されてクリックレバーは付勢バネの付勢力によりその係合部が絞り部材の(初期位置における)絞り開口に対応する被係合部に係合し、手動操作環の回転角度に応じて、係合部が適宜異なる被係合部に係合することで、適宜所定の絞り値(所定の絞り開口)となるように絞り部材が保持される。
このように、クリック機構を介して絞り部材を所定の絞り位置に自動的に保持することができる。
上記構成において、手動操作環は、絞り部材の複数の絞り開口に対応する絞り設定範囲内に回転が規制され、一方の回転端にて初期位置に位置付けられるように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、手動操作環は、絞り設定範囲内に回転が規制されているため、無理な回転力が手動操作環に加えられても、手動操作環は規制された範囲を超えて回転することができず、それ故に、連動機構を介して絞り部材に対し絞り設定範囲を超えるような駆動力が伝達されるのを防止でき、絞り機構の破損を防止でき、所期の絞り機能を保証することができる。また、手動操作環を、復帰バネの付勢力により一方の回転端に向けて回転復帰させ、初期位置に自動的に位置決めすることができる。
上記構成において、絞り部材は、絞り設定範囲を超えた回転角度の領域でかつ初期位置に対応する被係合部に隣接する位置において、組み付け時にクリックレバーの係合部を係合させて位置決めする位置決め部を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、クリックレバーの係合部が絞り部材の位置決め部に係合する状態で、絞り部材、連動機構(歯車列等)、クリック機構(クリックレバー、付勢バネ)等をレンズ鏡筒に組み込むことにより、初期位置に対応する絞り開口が光軸上に位置するように、容易に位置合わせでき、それ故に、組み付け作業を容易に行うことができる。
上記構成において、復帰バネは、その一端部が手動操作環に掛止され、その他端部がカメラ本体に掛止された引張り型のコイルバネである、構成を採用することができる。
この構成によれば、復帰バネを手動操作環に設けた領域(例えば円弧状の凹部空間)に配置することができ、全体として部品の集約化、小型化等を達成することができる。
上記構成において、復帰バネは、その一端部が手動操作環に掛止され、その他端部がレンズ鏡筒に掛止された引張り型のコイルバネである、構成を採用することができる。
この構成によれば、光軸方向における相対的な距離が変化する手動操作環とレンズ鏡筒との間で復帰バネが伸縮自在に設けられているため、レンズ鏡筒が繰り出し状態に位置するときの復帰バネの付勢力(バネ力量)を、レンズ鏡筒が沈胴した状態に位置するときの復帰バネの付勢力(バネ力量)よりも小さくすることができる。したがって、レンズ鏡筒の繰り出し状態においてはクリックレバーを付勢する付勢バネの付勢力を小さく設定しつつもクリックによる保持力を確保することができ、それ故に、手動による絞り操作時の負荷を低減して操作性を向上させることができ、一方、クリック保持を必要としないレンズ鏡筒の沈胴状態においては復帰バネに適正な付勢力を発生させて手動操作環を初期位置に確実に復帰させて保持することができる。
上記構成をなす絞り機構付きカメラによれば、構造の簡素化、部品点数の削減、低コスト化等を達成しつつ、絞り部材において口径の異なる絞り開口の個数を増加しつつも小型化を達成でき、又、組み付け作業の容易化、機能上の信頼性の向上、手動による絞り操作時の負荷低減による操作性の向上等を達成することができる。
本発明に係る絞り機構付きカメラの一実施形態を示すものであり、(a)はレンズ鏡筒が沈胴した状態を示す外観斜視図であり、(b)はレンズ鏡筒が繰り出した状態を示す外観斜視図である。 図1に示す絞り機構付きカメラの分解斜視図である。 図1に示す絞り機構付きカメラに含まれるカメラ本体(前側カバー)、手動操作環、及び復帰バネを示す分解斜視図である。 図1に示す絞り機構付きカメラに含まれるカメラ本体(前側カバー)、手動操作環、及び復帰バネを示す正面図及びその部分拡大図である。 図1に示す絞り機構付きカメラに含まれる手動操作環、復帰バネ、絞り部材、連動機構の一部、及びクリック機構を正面側から見た斜視図である。 図1に示す絞り機構付きカメラに含まれる手動操作環、絞り部材、連動機構の一部、及びクリック機構を背面側から見た斜視図である。 図1に示す絞り機構付きカメラに含まれるレンズ鏡筒を示すものであり、(a)はその外観斜視図であり、(b)はその外筒部を省いた外観斜視図であり、(c)はその外筒部及び前側カバーを省いた外観斜視図である。 図1に示す絞り機構付きカメラに含まれるレンズ鏡筒の(外筒部を省略した)分解斜視図である。 図7(c)に示すレンズ鏡筒において、組み付け時に、絞り部材の位置決め部にクリックレバーの係合部が係合した状態を示す正面図である。 図7(c)に示すレンズ鏡筒において、組み付け後に、クリックレバーが付勢バネの付勢力により回転して、絞り部材の被係合部にクリックレバーの係合部が係合した状態を示す正面図である。 図1に示す絞り機構付きカメラ内に配置されるカメラユニットの一部を示すものであり、レンズ鏡筒(外筒部、前側カバー等を省略)が沈胴状態にある斜視図である。 図1に示す絞り機構付きカメラ内に配置されるカメラユニットの一部を示すものであり、レンズ鏡筒(外筒部、前側カバー等を省略)が繰り出し途中状態にある斜視図である。 図1に示す絞り機構付きカメラ内に配置されるカメラユニットを示す(レンズ鏡筒が沈胴した状態の)外観斜視図である。 図1に示す絞り機構付きカメラ内に配置されるカメラユニットを示す(レンズ鏡筒が繰り出した状態の)外観斜視図である。 図1に示す絞り機構付きカメラに含まれるレンズ鏡筒の繰り出し機構を示す分解斜視図である。 本発明に係る絞り機構付きカメラの他の実施形態を示すものであり、そのレンズ鏡筒を示す外観斜視図である。 図16に示す実施形態におけるカメラユニット(一部を省略)を示すものであり、(a)はレンズ鏡筒が沈胴した状態を示す斜視図であり、(b)はレンズ鏡筒が繰り出した状態を示す斜視図である。 図16に示す実施形態における手動操作環、復帰バネ、絞り部材、連動機構の一部、及びクリック機構を示すものであり、(a)はそれらを正面側から見た斜視図であり、(b)はそれらを背面側から見た斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
この実施形態に係る絞り機構付きカメラは、インスタント写真用のフィルムユニットが装填されるインスタントカメラであり、図1ないし図4に示すように、外輪郭を画定するカメラ本体10、カメラ本体10の外部に取り付けられて絞り機構の一部をなす手動操作環20、手動操作環20とカメラ本体10との間に掛止されて手動操作環20を初期位置(デフォルト位置)に復帰させる絞り機構の一部をなす復帰バネ30、撮影時にカメラ本体10から光軸L方向に繰り出した状態に位置するレンズ鏡筒LU(絞り機構の一部をなす絞り部材50,連動機構の一部(歯車列60のうちの移動歯車61,62,63),クリック機構の一部をなすクリックレバー70及び付勢バネ71等を含む)、カメラ本体10内に固定されると共にレンズ鏡筒LU及び繰り出し機構90(押しボタン91,ボタンガイド92,戻しバネ93,繰り出しレバー94,トグルバネ95,カバー96を含む)を保持するカメラユニットCU(ユニットベース80を含む)、カメラユニットCUに組み付けられるファインダユニットFU、光学ユニットOU及びフラッシュFを実装してカメラ本体10内に配置される回路基板CB等を備えている。
カメラ本体10は、図1ないし図4に示すように、手動操作環20を回動自在に支持する前側カバー11、前側カバー11に着脱自在に結合される後側カバー12、後側カバー12に着脱自在に結合されるバッテリカバー13により構成されており、ファインダ窓10a、レリーズボタンRB用の開口10b、フラッシュ窓10c、受光窓10d,10e、フィルムユニットの排出口10f、繰り出し機構90に含まれる押しボタン91を往復動自在にガイドするガイド部10g等を備えている。
前側カバー11は、図3に示すように、手動操作環20をバヨネット構造(凹凸嵌合及び回転連結構造)により嵌め込んで光軸L回りに回動自在に支持する支持部11a、絞り部材50の5つの絞り開口52a,52b,52c,52d,52eがそれぞれ光軸L上に臨む位置にあるときに対応する絞り位置指標11b,11c,11d,11e,11f、手動操作環20を絞り設定範囲内に回転規制する規制壁11g、復帰バネ30の他端部32を掛止する掛止突起11h等を備えている。
手動操作環20は、図3ないし図6に示すように、円環状に形成されており、復帰バネ30を伸縮自在に円弧状に収容する凹部21、復帰バネ30の一端部31を掛止する掛止突起22、復帰バネ30の他端部32を前側カバー11の掛止突起11hに掛止した状態で掛止突起11hの相対的な移動を許容する円弧状の貫通孔23、絞り位置指標24、規制壁11gに当接し得る当接部25、ユニットベース80の規制壁82g(図13ないし図15を参照)に当接し得る当接部26、径方向の内側を向くように円弧状に形成された駆動歯列27等を備えている。
そして、手動操作環20は、操作者が指等で直接掴んで光軸L回りに回転させることにより、駆動歯列27と噛合する(連動機構の一部をなす)歯車列60を介して、絞り部材50を適宜所定の絞り位置に位置付けるようになっている。また、手動操作環20は、当接部25と規制壁11gとの関係及び当接部26と規制壁82gとの関係により、絞り部材50の複数(5つ)の絞り開口52a,52b,52c,52d,52eに対応する絞り設定範囲内に回転が規制され、一方の回転端(図4に示すように当接部25が規制壁11gに当接する位置)にて、所定の絞り値(頻繁に使用される絞り値)を設定する初期位置(デフォルト位置)に位置付けられるようになっている。
このように、手動操作環20は絞り設定範囲内に回転が規制されているため、無理な回転力が手動操作環20に加えられても、手動操作環20は規制された範囲を超えて回転することができず、それ故に、連動機構を介して絞り部材50に対し絞り設定範囲を超えるような駆動力が伝達されるのを防止でき、絞り機構の破損を防止でき、所期の絞り機能を保証することができる。
復帰バネ30は、図3及び図4に示すように、その一端部31が手動操作環20の掛止突起22に掛止され、その他端部32がカメラ本体10(前側カバー11の掛止突起11h)に掛止された引張り型のコイルバネである。
そして、復帰バネ30は、クリック機構(クリックレバー70、付勢バネ71等)による絞り部材50のクリック保持を解除した際に、所定の絞り値(頻繁に使用される絞り値)を設定する初期位置、ここでは、絞り位置指標11bに絞り位置指標24が一致する位置に、手動操作環20を自動的に回転復帰させる付勢力を及ぼすものである。
このように、復帰バネ30は、手動操作環20に設けた凹部21の領域に配置されるため、全体として部品の集約化、小型化等を達成することができ、手動操作環20を復帰バネ30の付勢力により一方の回転端に向けて回転復帰させ、初期位置に自動的に位置決めすることができる。
レンズ鏡筒LUは、図7及び図8に示すように、レンズG1及びレンズ押え41を前側に組み込む前側カバー42、レンズG2及びレンズ押え43を後側に組み込む鏡筒ベース44、鏡筒ベース44の周りに配置される外筒部45、鏡筒ベース44の内部に配置されるスペーサ部材46、スペーサ部材46に対して回動自在に支持されて絞り機構の一部をなす円盤状の絞り部材50、鏡筒ベース44及びスペーサ部材46に設けられて連動機構の一部をなす移動歯車61,62,63、鏡筒ベース44及び前側カバー42に設けられたクリック機構の一部をなすクリックレバー70及び付勢バネ71、シャッタ部材SM1,シャッタ歯車SM2,及びシャッタバネSM3を含み鏡筒ベース44に設けられたシャッタ機構SM、外筒部45の前側に設けられたバリヤ機構BM等を備えている。
鏡筒ベース44は、図7及び図8に示すように、光を通す開口44a、カメラユニットCUのユニットベース80に形成されたガイド溝82aに挿入されて光軸L方向にガイドされる複数の突出部44b、付勢バネ71の他端部71bを掛止する掛止部44c等を備えている。
スペーサ部材46は、図8に示すように、光を通す開口46a、絞り部材50を光軸Lに垂直な面内で回動自在に支持するべく光軸Lに平行な回転軸46b、移動歯車63を回動自在に支持する支軸46c等を備えている。
絞り部材50は、図5、図6、図9ないし図12に示すように、円盤状に形成されて、スペーサ部材46の回転軸46b回りに回動自在に支持されかつレンズ鏡筒LUと一体的に光軸L方向に移動するべくレンズ鏡筒LU内に配置されており、光軸Lに平行な回転軸46bを通す中心孔51aを画定する被動歯車51(図6参照)、回転軸46bを中心に周方向に配列された複数(5つ)の絞り開口52a,52b,52c,52d,52e、5つの絞り開口52a,52b,52c,52d,52eにそれぞれ対応して外周に凹状に形成されクリックレバー70の係合部70aが離脱可能に係合し得る5つの被係合部53a,53b,53c,53d,53e、絞り設定範囲を超えた回転角度の領域でかつ初期位置に対応する被係合部53aに隣接する位置において組み付け時にクリックレバー70の係合部70aを係合させて位置決めする位置決め部54等を備えている。
歯車列60は、図7ないし図12に示すように、レンズ鏡筒LUと一体的に光軸L方向に移動するべくレンズ鏡筒LUに保持された移動歯車61,62,63と、カメラ本体10に固定された(カメラユニットCUの)ユニットベース80に保持されて光軸L方向に長尺な円柱状をなす長尺歯車64により構成されている。
移動歯車61は、図7(a)に示すように、レンズ鏡筒LUの外筒部45から一部が露出するように配置されて、図5及び図6に示すように、長尺歯車64と移動歯車62に噛合するように形成されている。
移動歯車62は、図7(c)に示すように、光軸L方向に長尺に形成され、レンズ鏡筒LUの鏡筒ベース44の外周領域に配置されて、図5及び図6に示すように、移動歯車61と移動歯車63に噛合するように形成されている。
移動歯車63は、図5、図6、図8ないし図10に示すように、レンズ鏡筒LUのスペーサ部材46の前面に設けられた支軸46cに支持されると共に絞り部材50の背後に配置されて、図6に示すように、移動歯車62と被動歯車51に噛合するように形成されている。
長尺歯車64は、図11ないし図14に示すように、カメラユニットCUのユニットベース80(カメラ本体10側)に対して一部が露出するように配置されて、レンズ鏡筒LUの光軸L方向における移動範囲に亘って手動操作環20の駆動歯列27と移動歯車61に噛合するように形成されている。
すなわち、手動操作環20に設けられた円弧状の駆動歯列27、絞り部材50に設けられた被動歯車51、駆動歯列27と被動歯車51の間に介在する歯車列60(移動歯車61,62,63,長尺歯車64)により、手動操作環20の回動動作を絞り部材50の回動動作に変換して連動させる連動機構が構成されている。
そして、手動操作環20を回動させると、駆動歯列27に噛合した長尺歯車64が回動し、長尺歯車64に噛合した移動歯車61及び移動歯車62,63を介して被動歯車51が回動し、被動歯車51と一体的に絞り部材50が回転軸46b回りに回動するようになっている。ここで、長尺歯車64は、レンズ鏡筒LUの光軸L方向における移動範囲に亘って駆動歯列27及び移動歯車61と常時噛合しているため、レンズ鏡筒LUの沈胴状態から繰り出し状態に至る全域において、手動操作環20の回動動作を絞り部材50の回動動作に確実に変換して連動させることができる。また、連動機構として、歯車機構を採用したことにより、部品の集約化、小型化等を達成することができる。
クリックレバー70は、図5、図6、図7(c)、図8ないし図12に示すように、光軸L方向に伸長すると共に光軸Lに垂直な方向に屈曲する略L字状に形成され、レンズ鏡筒LU(前側カバー42、鏡筒ベース44)に対して光軸Lに平行な軸線回りに揺動自在に支持され、絞り部材50(の被係合部53a,53b,53c,53d,53e、組み付け時においてのみ位置決め部54)に離脱可能に係合し得るローラ状の係合部70a、付勢バネ71の一端部71aを掛止する掛止部70b、カメラ本体10に固定されたカメラユニットCU(ユニットベース80)のカム部82bに係合し得るフォロワ部70cを備えている。
付勢バネ71は、図5、図6、図7(c)に示すように、捩りバネであり、その一端部71aがクリックレバー70の掛止部70bに掛止され、その他端部71bが鏡筒ベース44の掛止部44cに掛止され、クリックレバー70の係合部70aが絞り部材50の被係合部53a,53b,53c,53d,53eに係合する向きに、クリックレバー70を回転付勢するように形成されている。
そして、クリックレバー70は、レンズ鏡筒LUと一体的に光軸L方向に移動するべくレンズ鏡筒LU内に設けられて光軸Lに垂直な面内で揺動すると共に、レンズ鏡筒LUが図12に示す繰り出し側の位置から図11に示す沈胴位置に沈胴することにより、カメラ本体10に固定されたユニットベース80のカム部82bにより(すなわちカメラ本体10から)カム作用を受けて、付勢バネ71の付勢力に抗しつつ、係合部70aが、係合している被係合部53a,53b,53c,53d,53eのいずれか一つから離脱するように形成されている。
すなわち、係合部70aを有するクリックレバー70、絞り部材50の外周に凹状に形成された複数(5つ)の被係合部53a,53b,53c,53d,53e、及び付勢バネ71により、絞り部材50を複数(5つ)の絞り開口52a,52b,52c,52d,52eの各々の絞り位置に保持し得るクリック機構が構成されている。
ここで、付勢バネ71の付勢力(バネ力量)は、絞り部材50をクリック保持した状態において、手動操作環20が復帰バネ30の付勢力により初期位置に復帰しないように、復帰バネ30の付勢力(バネ力量)よりも大きく設定されている。
カメラユニットCUは、図13及び図14に示すように、カメラ本体10の内部に固定されるユニットベース80、ユニットベース80に対して光軸L方向に繰り出し及び沈胴自在に設けられたレンズ鏡筒LU、レンズ鏡筒LUを光軸L方向(の前方)に繰り出すための繰り出し機構90等を備えている。
ユニットベース80は、図13及び図14に示すように、略矩形のベース部81、ベース部81の前側に結合される筒状のバレル部82等により構成されている。
バレル部82は、図11、図12、図15に示すように、レンズ鏡筒LUの突出部44bを光軸L方向にガイドする複数のガイド溝82a、クリックレバー70のフォロワ部70cに対してカム作用を及ぼすカム部82b、トグルバネ95の他端部95bを掛止する掛止突起82c、繰り出しレバー94を回動自在に支持する支軸82d、カバー96をネジにより締結する3つのボス部82e、ボタンガイド92の端部を嵌め込む嵌合穴82f、手動操作環20が初期位置から一方側に回転したときにその当接部26が当接して回転端を規制する規制壁82g、レンズ鏡筒LUの光軸L方向における沈胴位置を規定する沈胴側ストッパ(不図示)及びレンズ鏡筒LUの光軸L方向における繰り出し位置を規定する繰り出し側ストッパ(不図示)等を備えている。
カム部82bは、レンズ鏡筒LUが沈胴する際に、クリックレバー70のフォロワ部70cにカム作用を及ぼして、係合部70aが絞り部材50から離脱するように付勢バネ71の付勢力に抗してクリックレバー70を回転させ、一方、レンズ鏡筒LUが沈胴状態から繰り出す際に、クリックレバー70のフォロワ部70cに対するカム作用を解除して、クリックレバー70が付勢バネ71の付勢力により回転して係合部70aが絞り部材50に係合するのを許容するように形成されている。
上記構成によれば、レンズ鏡筒LUが沈胴した状態においては、図11に示すように、クリックレバー70(の係合部70a)が絞り部材50(の被係合部53a,53b,53c,53d,53e)から離脱して絞り部材50の保持が解除されているため、手動操作環20は復帰バネ30の付勢力により初期位置に復帰すると共に、絞り部材50は(所定の絞り値を設定する)所定の絞り開口52aが光軸L上に位置付けられる。
一方、レンズ鏡筒LUが沈胴状態から繰り出すと、図12に示すように、カメラ本体10(に固定されたユニットベース80)のカム作用が解除されてクリックレバー70は付勢バネ71の付勢力によりその係合部70aが絞り部材50の絞り開口52aに対応する被係合部53aに係合し、その後、手動操作環20の必要に応じた(測光情報に基づいた)回転操作により、係合部70aが適宜異なる被係合部53b,53c,53d,53eに係合しつつ対応する絞り開口52b,52c,52d,52eとなる絞り位置に適宜位置付けられて、所定の絞り値を設定するように絞り部材50が保持される。
このように、クリック機構(クリックレバー70,付勢バネ71等)を介して絞り部材50を所定の絞り位置に自動的に保持することができる。
また、絞り部材50は、絞り設定範囲を超えた回転角度の領域でかつ初期位置に対応する被係合部53aに隣接する位置において、組み付け時にクリックレバー70の係合部70aを係合させて位置決めする位置決め部54を有するため、図9に示すように、クリックレバー70の係合部70aが絞り部材50の位置決め部54に係合する状態で、絞り部材50、連動機構(歯車列60等)、クリック機構(クリックレバー70、付勢バネ71)等をレンズ鏡筒LUに組み込むことにより、図10に示すように、初期位置に対応する絞り開口52aが光軸L上に位置するように、容易に位置合わせでき、それ故に、組み付け作業を容易に行うことができる。
繰り出し機構90は、図13ないし図15に示すように、操作者が押す押しボタン91、押しボタン91を光軸L方向に往復動自在にガイドするボタンガイド92、ボタンガイド92の周りに配置されて押しボタン91を押される前の突出位置に戻す付勢力を及ぼす戻しバネ93、押しボタン91に連動して光軸Lに垂直な軸線(支軸82d)回りに揺動する繰り出しレバー94、レンズ鏡筒LUを沈胴位置と繰り出し位置とにそれぞれ保持する付勢力を及ぼすトグルバネ95、繰り出しレバー94を脱落しないように規制しつつ覆うカバー96等を備えている。
押しボタン91は、図15に示すように、繰り出しレバー94のU字状連結部94bに連結される連結部91aを備えており、前側カバー11のガイド部11g及びボタンガイド92により、光軸L方向に往復動自在にガイドされると共に抜け落ちないように組み付けられて、操作者が指等で押込んで繰り出し操作を行うことができるように形成されている。
ボタンガイド92は、図15に示すように、その後端部がバレル部82の嵌合穴82fに嵌合されて組み付けられ、その前端側から戻しバネ93が組み付けられ、さらに押しボタン91が組み付けられるように形成されている。
戻しバネ93は、図15に示すように、圧縮型のコイルバネであり、ボタンガイド92の周りに組み込まれて、押しボタン91を光軸L方向の前方側(繰り出し側)に向けて付勢するように形成されている。
繰り出しレバー94は、図15に示すように、バレル部82の支軸82dに嵌め込まれて支持される円孔94a、押しボタン91の連結部91aに連結されるU字状連結部94b、レンズ鏡筒LUの突出部44bに対して光軸L方向の後方側から離脱可能に係合する係合部94cを備えている。
トグルバネ95は、図11ないし図14に示すように、コイル型の捩りバネであり、その一端部95aがレンズ鏡筒LUの突出部44bに掛止され、その他端部95bがバレル部82の掛止突起82cに掛止され、図11及び図13に示すように、レンズ鏡筒LUが沈胴位置にあるときレンズ鏡筒LUを沈胴状態に保持するように付勢力を及ぼし、一方、図12及び図14に示すように、レンズ鏡筒LUが繰り出し位置にあるときレンズ鏡筒LUを繰り出し状態に保持するように付勢力を及ぼすように形成されている。
カバー96は、図13ないし図15に示すように、繰り出しレバー94が支軸82dに嵌め込まれて支持された状態で、繰り出しレバー94を外側から覆うように配置されて脱落を規制するべく、ネジ等によりバレル部82に締結されるように形成されている。
すなわち、上記繰り出し機構90においては、図1(a)、図11及び図13に示すようにレンズ鏡筒LUが沈胴位置にある(レンズ鏡筒LUはユニットベース80の一部に当接しトグルバネ95の付勢力により沈胴位置に停止して保持されている)状態から、操作者が押しボタン91を押し込むと、繰り出しレバー94が一方向に回転して、その係合部94cが突出部44bを光軸L方向の前方に向けて押すことでレンズ鏡筒Lが繰り出され、その後、トグルバネ95の(逆向きに切り替わった)付勢力により、図12及び図14に示すようにレンズ鏡筒LUは繰り出し側に保持されると共に、操作者が押しボタン91から指を離すと、戻しバネ93の付勢力により押しボタン91は元の突出状態に戻ると同時に、繰り出しレバー94は押しボタン91に連動して逆向きに回転して突出部44bから離脱する。これにより、レンズ鏡筒LUの繰り出し動作が完了する。
一方、レンズ鏡筒LUを沈胴位置に戻す場合は、操作者が指等でレンズ鏡筒LUを直接押し込むことにより、トグルバネ95の付勢力の向きが切り替わり、レンズ鏡筒LUは沈胴位置に位置付けられて保持されることになる。
上記構成においては、絞り部材50、手動操作環20、連動機構(駆動歯列27、被動歯車51、歯車列60)、クリック機構(クリックレバー70、付勢バネ71)、復帰バネ30により、撮影時に所定の絞り値に設定し得る絞り機構が構成されている。
このように、絞り機構として、光軸Lに平行な回転軸46b回りに回動する円盤状の絞り部材50、光軸L回りに回動する手動操作環20等を採用したことにより、絞り機構の光軸L周りにおける集約化、構造の簡素化、部品点数の削減、レンズ鏡筒LUの小型化等を達成しつつ、従来に比べて絞り部材50に設ける絞り開口52a,52b,52c,52d,52eの個数を増やすことができ、それ故に、より広範囲で所望の絞り値を設定することができる。
次に、上記絞り機構付きカメラの絞り機構等の動作について説明する。
先ず、絞り機構付きカメラにおいて、撮影しない休止状態において、図1(a)及び図13に示すように、レンズ鏡筒LUはカメラ本体10内に沈胴した状態にあり、レンズG1はバリヤ機構BMにより閉塞されている。
また、この沈胴状態において、クリックレバー70は、付勢バネ71の付勢力に抗してカメラ本体10(のバレル部82のカム部82b)からカム作用を受けて、図11に示すように絞り部材50から離脱した状態にあり、手動操作環20は復帰バネ30の付勢力により初期位置に復帰させられると共に当接部25が規制壁11gに当接して位置決めされ、絞り位置指標24がカメラ本体10の絞り位置指標11bに一致している。
このとき、絞り部材50は、連動機構(駆動歯列27、被動歯車51、歯車列60)を介して、図10及び図11に示すように、その絞り開口52aが光軸L上に臨む位置に位置付けられて保持されている。すなわち、初期位置においては、絞り位置指標24と絞り位置指標11bとが一致し、絞り部材50の絞り開口52aが光軸L上に臨む位置に位置付けられている。
続いて、撮影を行う際には、操作者が押しボタン91を押すと、繰り出し機構90の繰り出し動作により、図1(b)及び図14に示すように、レンズ鏡筒LUがカメラ本体10から繰り出すと共に、クリックレバー70は、カメラ本体10(のバレル部82のカム部82b)のカム作用から解放されて、付勢バネ71の付勢力により、図10及び図12に示すように絞り部材50の被係合部53aに係合して、絞り部材50をクリック力にて保持する。尚、レンズ鏡筒LUの繰り出し動作に連動して、バリヤ機構BMは開き動作を行ってレンズG1を露出させる。
続いて、カメラ本体10に設けられた光学ユニットOUにより被写界輝度が測定されて、必要な絞り値の情報が得られると、その情報に応じて、操作者が手動操作環20を初期位置から回転させることで、適宜必要な絞り値を設定することができる。
ここでは、手動操作環20を所定角度回転させて、絞り位置指標24を絞り位置指標11cに位置させると、絞り部材50は、連動機構を介して、その絞り開口52bが光軸L上に臨む位置に回転すると共にクリックレバー70の係合部70aが被係合部53bに係合してクリック保持される。
また、手動操作環20をさらに所定角度回転させて、絞り位置指標24を絞り位置指標11dに位置させると、絞り部材50は、連動機構を介して、その絞り開口52cが光軸L上に臨む位置に回転すると共にクリックレバー70の係合部70aが被係合部53cに係合してクリック保持される。
手動操作環20をさらに所定角度回転させて、絞り位置指標24を絞り位置指標11eに位置させると、絞り部材50は、連動機構を介して、その絞り開口52dが光軸L上に臨む位置に回転すると共にクリックレバー70の係合部70aが被係合部53dに係合してクリック保持される。
手動操作環20をさらに所定角度回転させて、絞り位置指標24を絞り位置指標11fに位置させると、絞り部材50は、連動機構を介して、その絞り開口52eが光軸L上に臨む位置に回転すると共にクリックレバー70の係合部70aが被係合部53eに係合してクリック保持される。
一方、絞り部材50がいずれかの絞り位置にある状態において、操作者がレンズ鏡筒Lを押し込んで沈胴させると、図11及び図13に示すように、この沈胴動作に連動してクリックレバー70のフォロワ部70cがカメラ本体10(バレル部82のカム部82b)からカム作用を受けて、クリックレバー70の係合部70aが絞り部材50から離脱してクリック機構による保持が解除され、手動操作環20は、復帰バネ30の付勢力により、所定の絞り値を設定する初期位置、すなわち、絞り部材50の絞り開口52aが光軸L上の臨む位置でかつ絞り位置指標24が絞り位置指標11bに一致する位置に、自動的に回転復帰する。尚、レンズ鏡筒LUの沈動動作に連動して、バリヤ機構BMは閉じ動作を行ってレンズG1を覆う。
このように、絞り機構として、光軸Lに平行な回転軸46b回りに回動する円盤状の絞り部材50、光軸L回りに回動する手動操作環20を採用したことにより、絞り機構の光軸L周りにおける集約化、構造の簡素化、部品点数の削減、低コスト化、レンズ鏡筒LUの小型化等を達成しつつ、従来に比べて絞り部材に設ける絞り開口の個数を増やすことができ、それ故に、より広範囲で所望の絞り値を設定することができ、さらには、組み付け作業の容易化、機能上の信頼性の向上等を達成することができる。
図16ないし図18は、本発明に係る絞り機構付きカメラの他の実施形態を示すものであり、レンズ鏡筒LU´、バレル部82´、復帰バネ30´を変更して、復帰バネ30´の掛止方法を変更した以外は前述の実施形態と同一であり、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
この実施形態において、レンズ鏡筒LU´に含まれる鏡筒ベース44´は、図16及び図17に示すように、復帰バネ30´の他端部32を掛止する掛止部44dを備えている。また、バレル部82´は、図17に示すように、復帰バネ30´の途中領域を光軸Lに垂直な平面内から光軸L方向に摺接させつつ方向変換させる方向変換部82hを備えている。
すなわち、この実施形態においては、復帰バネ30´は、図18に示すように、光軸Lに垂直な平面上において凹部21に収容されると共にその一端部31が手動操作環20(の掛止突起22)に掛止され、その途中領域が方向変換部82hにより屈曲されて光軸L方向に伸長するように方向変換されると共にその他端部32がレンズ鏡筒LU´(の鏡筒ベース44´の掛止部44d)に掛止された引張り型のコイルバネである。
これによれば、レンズ鏡筒LU´が図17(a)に示すように沈胴状態にあるときは、復帰バネ30´が引っ張られて付勢力が高められ、一方、レンズ鏡筒LU´が図17(b)に示すように繰り出し状態にあるときは、復帰バネ30´が縮められて付勢力が弱められるようになっている。
このように、光軸L方向における相対的な距離が変化する手動操作環20とレンズ鏡筒LU´との間で復帰バネ30´が伸縮自在に設けられているため、レンズ鏡筒LU´が繰り出し状態に位置するときの復帰バネ30´の付勢力(バネ力量)を、レンズ鏡筒LU´が沈胴した状態に位置するときの復帰バネ30´の付勢力(バネ力量)よりも小さくすることができ、それ故に、レンズ鏡筒LU´の繰り出し状態においてはクリックレバー70を付勢する付勢バネ71の付勢力を小さく設定しつつもクリックによる保持力を確保することができ、一方、クリック保持を必要としないレンズ鏡筒LU´の沈胴状態においては復帰バネ30´に適正でより大きな付勢力を発生させて手動操作環20を初期位置に確実に復帰させて保持することができる。
これにより、レンズ鏡筒LU´が繰り出した状態において、手動による絞り操作の負荷を低減でき、手動操作環20の回転操作性を向上させることができる。
上記実施形態においては、絞り機構に含まれる連動機構として、歯車機構(駆動歯列27、被動歯車51、歯車列60)を採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、光軸L回りに回動する手動操作環と光軸Lに平行な回転軸回りに回転する絞り部材との間で駆動力を伝達し得る機構であれば、その他の連動機構を採用することができる。
上記実施形態においては、レンズ鏡筒LU,LU´を繰り出すための繰り出し機構90を備えた構成において本発明を採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、レンズ鏡筒を操作者が指等で掴んで繰り出させる構成において本発明を採用することもできる。
上記実施形態においては、絞り部材50において、5つの絞り開口52a,52b,52c,52d,52e及び5つの被係合部53a,53b,53c,53d,53eを採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、それ以上の個数の絞り開口及び被係合部を備えた絞り部材を採用してもよい。
上記実施形態においては、クリック機構として、クリックレバー70及び付勢バネ71を採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、絞り部材を複数の絞り開口の各々の絞り位置に保持し得るものであれば、その他の構成をなすクリック機構を採用してもよい。
以上述べたように、本発明に係る絞り機構付きカメラは、構造の簡素化、部品点数の削減、低コスト化等を達成しつつ、絞り部材において口径の異なる絞り開口の個数を増加しつつも小型化を達成でき、又、組み付け作業の容易化、機能上の信頼性の向上、手動による絞り操作時の負荷低減による操作性の向上等を達成することができるため、インスタントカメラに限らず、絞り機構を搭載するその他のカメラ、光学機器等においても有用である。
L 光軸
LU,LU´ レンズ鏡筒
CU カメラユニット
CB 回路基板
OU 光学ユニット
FU ファインダユニット
F フラッシュ
RB レリーズボタン
10 カメラ本体
10a ファインダ窓
10b 開口
10c フラッシュ窓
10d,10e 受光窓
10f 排出口
10g ガイド部
11 前側カバー
11a 支持部
11b,11c,11d,11e,11f 絞り位置指標
11g 規制壁
11h 掛止突起
12 後側カバー
13 バッテリカバー
20 手動操作環
21 凹部
22 掛止突起
23 貫通孔
24 絞り位置指標
25,26 当接部
27 駆動歯列(連動機構)
30,30´ 復帰バネ
31 一端部
32 他端部
41 レンズ押え
G1 レンズ
42 前側カバー
43 レンズ押え
G2 レンズ
44 鏡筒ベース
44a 開口
44b 突出部
44c 掛止部
44d 掛止部
45 外筒部
46 スペーサ部材
46a 開口
46b 回転軸
46c 支軸
50 絞り部材(絞り機構)
51 被動歯車(連動機構)
51a 中心孔
52a,52b,52c,52d,52e 絞り開口
53a,53b,53c,53d,53e 被係合部(クリック機構)
54 位置決め部
60 歯車列(連動機構)
61,62,63 移動歯車(歯車列)
64 長尺歯車(歯車列)
70 クリックレバー(クリック機構)
70a 係合部
70b 掛止部
70c フォロワ部
71 付勢バネ(クリック機構)
71a 一端部
71b 他端部
80 ユニットベース
81 ベース部
82,82´ バレル部
82a ガイド溝
82b カム部
82c 掛止突起
82d 支軸
82e ボス部
82f 嵌合穴
82g 規制壁
82h 方向変換部
90 繰り出し機構
91 押しボタン
91a 連結部
92 ボタンガイド
93 戻しバネ
94 繰り出しレバー
94a 円孔
94b U字状連結部
94c 係合部
95 トグルバネ
95a 一端部
95b 他端部
96 カバー

Claims (3)

  1. 外輪郭を画定するカメラ本体と、撮影時に前記カメラ本体からレンズの光軸方向に繰り出した状態に位置するレンズ鏡筒と、撮影時に所定の絞り値に設定し得る絞り機構と、を備えた絞り機構付きカメラであって、
    前記絞り機構は、光軸に平行な回転軸を中心に周方向に配列された複数の絞り開口を有すると共に前記回転軸回りに回動自在でかつ前記レンズ鏡筒と一体的に光軸方向に移動するべく前記レンズ鏡筒内に配置された円盤状の絞り部材と、前記カメラ本体に対して光軸回りに回動自在に配置された手動操作環と、前記手動操作環の回動動作を前記絞り部材の回動動作に変換して連動させる連動機構と、前記絞り部材を前記複数の絞り開口の各々の絞り位置に保持し得るクリック機構と、前記クリック機構による保持を解除した際に所定の絞り値を設定する初期位置に前記手動操作環を自動的に回転復帰させる復帰バネと、を含み、
    前記連動機構は、前記手動操作環に設けられた円弧状の駆動歯列と、前記絞り部材に設けられた被動歯車と、前記駆動歯列と前記被動歯車の間に介在する歯車列と、を含み、
    前記歯車列は、前記被動歯車に噛合すると共に前記レンズ鏡筒と一体的に光軸方向に移動する移動歯車と、前記カメラ本体側に設けられると共に前記レンズ鏡筒の光軸方向における移動範囲に亘って前記駆動歯列及び前記移動歯車と噛合する円柱状の長尺歯車と、を含む、絞り機構付きカメラ。
  2. 外輪郭を画定するカメラ本体と、撮影時に前記カメラ本体からレンズの光軸方向に繰り出した状態に位置するレンズ鏡筒と、撮影時に所定の絞り値に設定し得る絞り機構と、を備えた絞り機構付きカメラであって、
    前記絞り機構は、光軸に平行な回転軸を中心に周方向に配列された複数の絞り開口を有すると共に前記回転軸回りに回動自在でかつ前記レンズ鏡筒と一体的に光軸方向に移動するべく前記レンズ鏡筒内に配置された円盤状の絞り部材と、前記カメラ本体に対して光軸回りに回動自在に配置された手動操作環と、前記手動操作環の回動動作を前記絞り部材の回動動作に変換して連動させる連動機構と、前記絞り部材を前記複数の絞り開口の各々の絞り位置に保持し得るクリック機構と、前記クリック機構による保持を解除した際に所定の絞り値を設定する初期位置に前記手動操作環を自動的に回転復帰させる復帰バネと、を含み、
    前記クリック機構は、前記レンズ鏡筒と一体的に光軸方向に移動するべく前記レンズ鏡筒内に設けられて光軸に垂直な面内で揺動するクリックレバーと、前記クリックレバーの係合部が係合し得るべく前記絞り部材の外周に凹状に形成された複数の被係合部と、前記係合部が前記被係合部に係合する向きに前記クリックレバーを回転付勢する付勢バネと、を含み、
    前記クリックレバーは、前記レンズ鏡筒の沈胴動作に連動して前記カメラ本体側からカム作用を受け、前記付勢バネの付勢力に抗しつつ前記係合部が前記被係合部から離脱するように形成されており、
    前記手動操作環は、前記絞り部材の複数の絞り開口に対応する絞り設定範囲内に回転が規制され、一方の回転端にて前記初期位置に位置付けられるように形成されており、
    前記絞り部材は、前記絞り設定範囲を超えた回転角度の領域でかつ前記初期位置に対応する被係合部に隣接する位置において、組み付け時に前記クリックレバーの係合部を係合させて位置決めする位置決め部を有する、絞り機構付きカメラ。
  3. 外輪郭を画定するカメラ本体と、撮影時に前記カメラ本体からレンズの光軸方向に繰り出した状態に位置するレンズ鏡筒と、撮影時に所定の絞り値に設定し得る絞り機構と、を備えた絞り機構付きカメラであって、
    前記絞り機構は、光軸に平行な回転軸を中心に周方向に配列された複数の絞り開口を有すると共に前記回転軸回りに回動自在でかつ前記レンズ鏡筒と一体的に光軸方向に移動するべく前記レンズ鏡筒内に配置された円盤状の絞り部材と、前記カメラ本体に対して光軸回りに回動自在に配置された手動操作環と、前記手動操作環の回動動作を前記絞り部材の回動動作に変換して連動させる連動機構と、前記絞り部材を前記複数の絞り開口の各々の絞り位置に保持し得るクリック機構と、前記クリック機構による保持を解除した際に所定の絞り値を設定する初期位置に前記手動操作環を自動的に回転復帰させる復帰バネと、を含み、
    前記復帰バネは、その一端部が前記手動操作環に掛止され、その他端部が前記レンズ鏡筒に掛止された引張り型のコイルバネである、絞り機構付きカメラ。
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