JP5975862B2 - ファインダ補正装置 - Google Patents
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したがって、プリズム保持枠の設定領域及び撮影モード切換ダイヤルの回転範囲を優先すれば、ファインダの設置範囲が制限されて、カメラの形態に応じたファインダの自由な設置が困難になり、一方、ファインダの設置場所を優先すれば、プリズム保持枠の腕長さが不足し又撮影モード切換ダイヤルの回転範囲の制約によるストローク不足等で、本来の視差(パララックス)補正を行うことができない等の問題を招く虞がある。
この構成によれば、撮影光学系を構成するレンズ鏡筒が、休止位置にあるとき補正レバー(及び光学要素)は非補正位置に位置付けられ、休止位置から所定回転位置まで移動する際に連動レバーを介して補正レバー(及び光学要素)は移動して補正位置に位置付けられる。したがって、レンズ鏡筒が所定回転位置にある状態で、撮影光学系に対するファインダ光学系の視差を補正することができる。
ここでは、視差補正機構として、光学要素を保持した補正レバー、レンズ鏡筒に連動して補正レバーを移動させる連動レバーの二つのレバーを採用するだけであるため、視差補正機構において、少ない部品点数で、構造の簡素化、小型化等を達成することができ、又、補正レバー及び連動レバーの寸法等を適宜選定することにより、ファインダ(ファインダ光学系)の設置の自由度を高めることができ、カメラの仕様及び形態に適合させつつ視差補正を行うことができる。
この構成によれば、ベース部材に固定された固定筒に対して、回転筒が回転しつつ光軸方向に繰り出して所定回転位置に至る際に、回転筒に設けられたカム部が連動レバーにカム作用を及ぼして連動レバーが回転し、この連動レバーの回転に連動して、補正レバー(光学要素)が回転して補正位置に位置付けられる。
このように、レンズ鏡筒に含まれる回転筒のカム作用を利用して、連動レバー及び補正レバーを駆動するため、レンズ鏡筒が近接撮影の位置に至ると同時に自動的に視差補正を行うことができる、すなわち、レンズ鏡筒の近接撮影位置への位置付けに同期させて確実に補正レバー(光学要素)を補正位置へ位置付けることができる。
この構成によれば、回転筒の回転により、そのカム部が連動レバーの第1係合部にカム作用を及ぼすと、連動レバーが、第1付勢バネの付勢力に抗しつつ光軸に平行な第1軸線回りに回転して、その第2係合部が補正レバーの第3係合部に係合した状態で補正レバーの回転を許容し、補正レバーは第2付勢バネの付勢力により光軸に平行な第2軸線回りに回転して補正位置に位置付けられる。
このように、連動レバー(の第1係合部)と回転筒とは第1付勢バネにより常時係合するように付勢され、かつ、連動レバー(の第2係合部)と補正レバー(の第3係合部)とは第2付勢バネにより常時係合するように付勢されているため、ガタツキを防止しつつ円滑な連動動作を得ることができ、又、連動レバー及び補正レバーが光軸に平行な軸線回りに回動するように形成されているため、光軸方向において視差補正機構の薄型化を達成することができる。
さらに、第1軸線及び第2軸線の配置場所及び連動レバー及び補正レバーの腕長さを適宜選定することにより、ファインダ(ファインダ光学系)の設置場所の自由度を高めつつ、視差補正を確実に行うことのできる視差補正機構を成立させることができる。
この構成によれば、連動レバーと補正レバーとが、インボリュート曲線をなす係合面によりお互いに係合して駆動力の伝達を行うため、第2係合部及び第3係合部の相互間の滑り等を防止して、駆動力の伝達効率を高めることができる。
この実施形態に係るファインダ補正装置は、撮影光学系とファインダ光学系を備えた二眼レフ式のカメラに係り、図1(a),(b)に示すように、カメラボディ1、カメラボディ1の内部に収容されたカメラユニットU(図2参照)に設けられてカメラボディ1の前面から光軸L方向の前方に繰り出すレンズ鏡筒20を含む撮影光学系S1、測距部2、ストロボ3、対物窓4を含むファインダ光学系S2等を備えている。
回転筒22は、図5及び図7に示すように、その外周後方領域において固定筒21のヘリコイド21aに螺合すると共に駆動歯車23aに螺合する歯付ヘリコイド22a、視差補正機構Mに含まれる連動レバー30の第1係合部32に係合するカム部22b、その内周面においてカム筒25の突出ピン25bを受け入れて光軸L方向にガイドする3つのガイド溝22c等を備えている。
そして、回転筒22は、駆動源23により回転力が及ぼされることで、光軸L回りに回転しつつ固定筒21に対して光軸L方向に移動するように形成されている。
すなわち、回転筒22は、休止位置(沈胴位置)から光軸L方向に繰り出して近接撮影時に対応する所定回転位置に至る際に、そのカム部22bが連動レバー30(の第1係合部32)にカム作用を及ぼして連動レバー30を補正位置に対応する位置に回転させ、一方、所定回転位置から休止位置に向けて逆回転する際に、そのカム部22bのよるカム作用が解除されて連動レバー30が非補正位置に対応する位置に回転するのを許容するようになっている。
そして、第1キー筒24は、固定筒21により光軸L回りの回転が規制されつつ回転筒22と一体的に光軸L方向に移動するように形成されている。
ここで、複数(6つ)のカム溝25cは、光軸L方向におけるカム作用が全て同一となるプロフィルをなすと共に、フォロワピン27aを、挿入側から奥に移行するに連れて、沈胴位置→遠景撮影位置→近景撮影位置→近接撮影(マクロ撮影)位置に位置付けるように形成されている。
そして、被写体の光線は、対物窓4→口径板5→対物レンズ6→口径板7→プリズム8→接眼レンズ9を通して、撮影者の眼に至るようになっている。
また、ファインダ光学系S2においては、図11に示すように、対物レンズ6の前方で対物窓4の後方において、補正レバー40に保持された視差補正用の光学要素40aが挿入及び離脱される空間Sが設けられている。
連動レバー30は、図8に示すように、光軸Lと平行な第1軸線L1を画定するベース部材10の支軸11を通す円筒部31、円筒部31を挟んで一端側に回転筒22のカム部22bと係合する第1係合部32及び他端側に第2係合部33、第1付勢バネ50の自由端部51を掛止させる掛止部34を備え、光軸Lと平行な第1軸線L1回りにおいて回動自在にベース部材10に支持されている。
そして、連動レバー30は、レンズ鏡筒20が休止位置にあるとき、図10(a)に示すように、補正レバー40(の光学要素40a)を非補正位置(ファインダ光学系S2の空間Sから退避した位置)に位置付け、かつ、レンズ鏡筒20が近接撮影時に対応する所定回転位置にあるとき、図10(b)に示すように、補正レバー40(の光学要素40a)を補正位置(ファインダ光学系S2の空間Sに臨む位置)に位置付ける(保持部43の一部をストッパS´に当接させて位置決めする)ように、すなわち、レンズ鏡筒20の回転筒22に補正レバー40を連動させるように形成されている。
そして、補正レバー40は、図10(b)に示すように、視差補正用の光学要素40aを保持すると共に光学要素40aをファインダ光学系S2の空間Sに臨ませて視差補正する補正位置と、図10(a)に示すように、ファインダ光学系S2の空間Sから退避した非補正位置との間を移動自在に形成されている。
これによれば、連動レバー30と補正レバー40とが、インボリュート曲線をなす係合面によりお互いに係合して駆動力の伝達を行うため、第2係合部33及び第3係合部42の相互間の滑り等を防止して、駆動力の伝達効率を高めることができる。
そして、第1付勢バネ50は、連動レバー30の第1係合部32を回転筒22(のカム部22b)に係合させる向きに回転付勢するように形成されている。
そして、第2付勢バネ60は、補正レバー40の第3係合部42を連動レバー30の第2係合部33に係合させると共に補正レバー40(の光学要素40a)を補正位置に向けて回転付勢するように形成されている。
このように、連動レバー30(の第1係合部32)と回転筒22とは第1付勢バネ50により常時係合するように付勢され、かつ、連動レバー30(の第2係合部33)と補正レバー40(の第3係合部42)とは第2付勢バネ60により常時係合するように付勢されているため、ガタツキを防止しつつ円滑な連動動作を得ることができ、又、連動レバー30及び補正レバー40が光軸Lに平行は支軸11,12回りに回動するように形成されているため、光軸L方向において視差補正機構Mの薄型化を達成することができる。
さらに、第1軸線L1(支軸11)及び第2軸線L2(支軸12)の配置場所及び連動レバー30及び補正レバー40の腕長さを適宜選定することにより、ファインダ(ファインダ光学系S2)の設置場所の自由度を高めつつ、視差補正を確実に行うことのできる視差補正機構Mを成立させることができる。
先ず、カメラの休止状態において、レンズ鏡筒20は、図1(a)及び図3に示すように沈胴位置に位置している。このとき、連動レバー30は回転筒22のカム部22bから離脱してカム作用を受けておらず、補正レバー40(光学要素40a)は、図3及び図10(a)に示すように、ファインダ光学系S2から退避した非補正位置に位置付けられている。
この近接撮影時に移行する際、すなわち、回転筒22が所定回転位置に至る際に、そのカム部22bが連動レバー30の第1係合部32にカム作用を及ぼし、連動レバー30は第1付勢バネ50の付勢力に抗しつつ光軸Lに平行な第1軸線L1回りに回転して、第2係合部33が補正レバー40の第3係合部42に係合した状態で補正レバー40の回転を許容し、補正レバー40(光学要素40a)は、図4及び図10(b)に示すように、第2付勢バネ60の付勢力により光軸Lに平行な第2軸線L2回りに回転して補正位置に位置付けられる。
この状態で、ファインダ光学系S2においては、図11に示すように、近接撮影時のファインダ視野は、通常撮影時のファインダ視野に比べて光軸Lに近づく向きに視差補正される。
上記実施形態においては、視差補正機構として、連動レバー30、補正レバー40の他に、第1付勢バネ50及び第2付勢バネ60を含む構成を示したが、これに限定されるものではなく、付勢バネを廃止して、連動レバーと補正レバーとをリンク結合により連結する構成、あるいは、その他の構成を採用してもよい。
上記実施形態においては、連動レバー30の第2係合部33と補正レバー40の第3係合部42とが、インボリュート曲線をなす係合面として形成されている場合を示したが、これに限定されるものではなく、駆動力の伝達を行えるものであれば、その他の形態をなす係合部を採用してもよい。
1 カメラボディ
2 測距部
3 ストロボ
S1 撮影光学系
S2 ファインダ光学系
S 空間
S´ ストッパ
4 対物窓
5 口径板
6 対物レンズ
7 口径板
8 プリズム
9 接眼レンズ
U カメラユニット
10 ベース部材
11 支軸
L1 第1軸線
12 支軸
L2 第2軸線
13 固定部
14 掛止部
20 レンズ鏡筒
21 固定筒
21a ヘリコイド
21b ガイド溝
21c 開口部
21d 開口部
22 回転筒
22a 歯付ヘリコイド
22b カム部
22c ガイド溝
23 駆動源
23a 駆動歯車
24 第1キー筒
24a 係合片
24b ヘリコイド
24d 傾斜長孔
25 カム筒
25a ヘリコイド
25b 突出ピン
25c カム溝
26 第2キー筒
26a ガイド長孔
26b 係合片
27 直進筒
27a フォロワピン
G レンズ
BM バリヤ機構
M 視差補正機構
30 連動レバー
31 円筒部
32 第1係合部
32 第2係合部
34 掛止部
40 補正レバー
40a 視差補正用の光学要素
41 円筒部
42 第3係合部
43 保持部
44 掛止部
50 第1付勢バネ
51 自由端部
52 固定部
60 第2付勢バネ
61 コイル部
62 一端部
63 他端部
70 カバー部材
Claims (5)
- ベース部材と、レンズの光軸を中心として回転可能に前記ベース部材に設けられた回転筒を備えたレンズ鏡筒を含む撮影光学系と、前記撮影光学系から独立して前記ベース部材に設けられたファインダ光学系と、前記撮影光学系に対する前記ファインダ光学系の視差を補正する視差補正機構と、を備えたファインダ補正装置であって、
前記視差補正機構は、視差補正用の光学要素を保持すると共に前記光学要素を前記ファインダ光学系に臨ませて視差補正する補正位置と前記ファインダ光学系から退避した非補正位置との間を移動自在に前記ベース部材に設けられた補正レバーと、前記レンズ鏡筒が休止位置にあるとき前記補正レバーを前記非補正位置に位置付けかつ前記レンズ鏡筒が所定回転位置にあるときに前記補正レバーを前記補正位置に位置付けるように前記レンズ鏡筒に連動して前記補正レバーを回動させるべく前記ベース部材に回動自在に設けられた前記補正レバーと前記レンズ鏡筒の回転筒に当接する連動レバーを設けた、
ことを特徴とするファインダ補正装置。 - 前記レンズ鏡筒は、前記ベース部材に固定された固定筒と、前記固定筒に対して回動自在にかつ光軸方向に繰り出し自在に設けられた回転筒を含み、
前記回転筒は、前記休止位置から光軸方向に繰り出して近接撮影時に対応する前記所定回転位置に至る際に前記連動レバーを前記補正位置に対応する位置に回転させるカム作用を及ぼすカム部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のファインダ補正装置。 - 前記連動レバーは、前記光軸と平行な第1軸線回りに回動自在に支持され、前記第1軸線を挟んで一端側に前記回転筒のカム部と係合する第1係合部及び他端側に第2係合部を有し、
前記補正レバーは、前記光軸と平行な第2軸線回りに回動自在に支持され、前記第2軸線を挟んで一端側に前記連動レバーの第2係合部と離脱可能に係合する第3係合部及び他端側に前記光学要素を保持する保持部を有し、
前記視差補正機構は、前記連動レバーの第1係合部を前記回転筒に係合させる向きに回転付勢する第1付勢バネと、前記補正レバーの第3係合部を前記連動レバーの第2係合部に係合させると共に前記補正レバーを前記補正位置に向けて回転付勢する第2付勢バネを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のファインダ補正装置。 - 前記連動レバーの第2係合部と前記補正レバーの第3係合部とは、互いにインボリュート曲線をなす係合面を有する、
ことを特徴とする請求項3に記載のファインダ補正装置。 - 請求項1ないし請求項5いずれか記載のファインダ補正装置を備えたカメラ。
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