JP2011232688A - レンズ鏡筒及びそれを有する光学機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 通常の撮影使用時や衝撃等で大きな外力が働いても、カムフォロアの係合部につぶれが生じたり、変形するのを軽減し、良好な作動が得られるレンズ鏡筒を得ること。
【解決手段】 第1の溝が形成された第1の筒部材と、前記第1の筒部材と相対的に回動可能に径嵌合し、第2の溝が形成された第2の筒部材と、前記第1の溝に係合する第1の係合部と前記第2の溝に係合する第2の係合部を有するカムフォロアと、前記カムフォロアが固定され、レンズを保持する第3の筒部材と、を有し、前記第1の筒部材と前記第2の筒部材との相対的な回転により、前記カムフォロアを介して前記第3の筒部材が光軸方向に移動するレンズ鏡筒において、
前記カムフォロアは、その軸方向において前記第1の係合部と前記第2の係合部との間に中間部を備え、前記中間部の外径は、前記第1の係合部あるいは前記第2の係合部の外径よりも小さいこと。
【選択図】 図2
【解決手段】 第1の溝が形成された第1の筒部材と、前記第1の筒部材と相対的に回動可能に径嵌合し、第2の溝が形成された第2の筒部材と、前記第1の溝に係合する第1の係合部と前記第2の溝に係合する第2の係合部を有するカムフォロアと、前記カムフォロアが固定され、レンズを保持する第3の筒部材と、を有し、前記第1の筒部材と前記第2の筒部材との相対的な回転により、前記カムフォロアを介して前記第3の筒部材が光軸方向に移動するレンズ鏡筒において、
前記カムフォロアは、その軸方向において前記第1の係合部と前記第2の係合部との間に中間部を備え、前記中間部の外径は、前記第1の係合部あるいは前記第2の係合部の外径よりも小さいこと。
【選択図】 図2
Description
本発明はレンズ鏡筒及びそれを有する光学機器に関し、例えばカムフォロアを介してレンズを保持する筒部材を移動するようにしたデジタルカメラ、ビデオカメラ、TVカメラ等に好適なものである。
ビデオカメラ、デジタルカメラ等の光学機器において、フォーカスやズーミングのためにレンズ群を保持するレンズ保持枠を光軸方向に精度良く移動させるようにしたレンズ鏡筒が知られている(筒部材)。光軸方向にレンズ鏡筒の一部を構成する筒部材を移動させる移動機構の一つに、各々に溝の形成された2つの筒部材と各々の溝に係合するカムフォロアを用いる移動機構が知られている。即ち双方の筒部材の相対回転をカムフォロアを介することで光軸方向への運動に変換して移動している。
具体的には、第1の溝が形成された第1の筒部材と第2の溝が形成された第2の筒部材と、第1の溝と第2の溝に係合するカムフォロア、そしてカムフォロアが取り付けられ、レンズを保持する第3の筒部材から構成される。上記の構成において第2の筒部材を第1の筒部材に対して光軸周りに回転させると、第1の溝と第2の溝が交差する位置、すなわちカムフォロアの位置が移動する。カムフォロアは第3の筒部材に取り付けられているので、結果的には第2の筒部材の回転により第3の筒部材が光軸方向へ移動する。
このようなレンズ鏡筒において、小型化や剛性を高めることを目的として第1と第2の筒部材の材料には金属が用いられている。この場合、金属より成るカムフォロアを用いると、金属同士の摺動になるため作動性(操作性)が悪化する。また溝とカムフォロアの間に、僅かのガタを設定する必要があるため、そのガタ分で光学性能が変化してくる。
上記の対策として、合成樹脂で形成されたコロをカムフォロアの外側に被せるように構成した合焦レンズ移動装置が知られている(特許文献1)。この方法を用いると、金属と樹脂の摺動による良好な作動を得たり、溝とカムフォロアの間を圧入の設定にしてガタを少なくしたりすることができる。
しかしながら、合成樹脂のコロは金属と比較すると変形しやすい。このため、衝撃等でレンズ鏡筒に大きな外力が働いた場合には、溝との係合部がつぶれてしまい光学性能が劣化したり、作動性が悪化してくる。この対策として、樹脂の係合部よりも外径の小さい金属のローラ部を設け、衝撃が働いた場合には、このローラ部を突き当てることで樹脂部の変形を防ぐ構造のレンズ鏡筒が知られている(特許文献2)。
特許文献2で開示されているレンズ鏡筒は、衝撃等の大きな外力が働いた場合にカムフォロアがつぶれたり、変形するのを抑えることができる。しかしながら、カムフォロアが複数の溝、例えば直進溝とカム溝に係合している場合には、一方の溝との係合部に生じた変形によってもう一方の溝の係合部が変形することがある。
具体的には、
(1)衝撃時、金属のローラ部の突き当てにより樹脂部がつぶれたり、変形するのを抑えても、多少のつぶれ・変形が生じる。この場合、ローラ部を突き当てた溝でない側の溝との係合部に変形が生じると寸法関係が変化し、作動が悪化する。
(1)衝撃時、金属のローラ部の突き当てにより樹脂部がつぶれたり、変形するのを抑えても、多少のつぶれ・変形が生じる。この場合、ローラ部を突き当てた溝でない側の溝との係合部に変形が生じると寸法関係が変化し、作動が悪化する。
(2)通常の撮影使用時、一方の溝とカムフォロアの係合部を圧入した設定にすると、他方の溝に係合する係合部に変形が生じ、溝方向の寸法が変化する。この場合には、寸法管理が難しく良好な作動を得ることが難しい。
(3)衝撃時、通常の撮影使用時に関わらず、ローラ部(突き当て部)が複数の溝の間に配置されておらず、端にあるため一方に生じた変形が他方の係合部の変形に影響する。
本発明は、通常の撮影使用時や衝撃等で大きな外力が働いても、カムフォロアの係合部につぶれが生じたり、変形するのを軽減し、良好な作動が得られるレンズ鏡筒の提供を目的とする。
ここで、つぶれが生じたり、変形するのを軽減するとは、外力によって直接生じるカムフォロアのつぶれや変形といった一次的なものだけでなく、一方の係合部で生じた変形によって他方の係合部が変形する二次的な変形の軽減をも含んでいる。
本発明のレンズ鏡筒は、第1の溝が形成された第1の筒部材と、前記第1の筒部材と相対的に回動可能に径嵌合し、第2の溝が形成された第2の筒部材と、前記第1の溝に係合する第1の係合部と前記第2の溝に係合する第2の係合部を有するカムフォロアと、前記カムフォロアが固定され、レンズを保持する第3の筒部材と、を有し、前記第1の筒部材と前記第2の筒部材との相対的な回転により、前記カムフォロアを介して前記第3の筒部材が光軸方向に移動するレンズ鏡筒において、
前記カムフォロアは、その軸方向において前記第1の係合部と前記第2の係合部との間に中間部を備え、前記中間部の外径は、前記第1の係合部あるいは前記第2の係合部の外径よりも小さいことを特徴としている。
前記カムフォロアは、その軸方向において前記第1の係合部と前記第2の係合部との間に中間部を備え、前記中間部の外径は、前記第1の係合部あるいは前記第2の係合部の外径よりも小さいことを特徴としている。
本発明によれば、通常の撮影使用時や衝撃等で大きな外力が働いても、カムフォロアの係合部につぶれが生じたり、変形するのを軽減し、良好な作動が得られるレンズ鏡筒が得られる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。本発明のレンズ鏡筒は、第1直進溝(第1の溝)22aが形成され、固定筒21に固定された案内筒(第1の筒部材)22を有する。更に、案内筒22と相対的に回動するように径嵌合し、第1カム溝(第2の溝)23aが形成され、ズーム操作環29の操作により回動する第1カム筒(第2の筒部材)23と、を有する。更に第1直進溝(第1の溝)22aに係合する第1の係合部45aと第1カム溝(第2の溝)23aに係合する第2の係合部45bを有するカムフォロア45と、カムフォロア45が固定され、レンズを保持する第1直進筒(第3の筒部材)24と、を有する。そしてズーム操作環29の操作により回動する第1カム筒23によってカムフォロア45を介して第1直進筒24が光軸方向に移動する。
カムフォロア45は軸方向において第1の係合部45aと第2の係合部45bの間に中間部45cを備えている。中間部45cの外径は第1の係合部45aあるいは第2の係合部45bよりも外径が小さい。また中間部は金属等の剛性の高い材料より成っている。そして第1の係合部45aと第2の係合部45bは同一部材で一体の合成樹脂より形成されている。
[実施例1]
図1は本発明のレンズ鏡筒をレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ(光学機器)に適用したときの実施例1の要部断面図である。図1では、レンズ光軸(撮影光軸)AXLの方向をZ方向とし、レンズ光軸AXLに対して直交する方向であって、撮像面に平行な2方向のうち横方向をX方向、縦方向をY方向としている。1はカメラボディ(以下、単にカメラという)、2はカメラ1に着脱可能に装着された交換レンズである。まず、カメラ1の構造について説明する。図1で示した状態において、メインミラー3は一部がハーフミラー面より成り、交換レンズ2からの光束の光路上に配置されている。そして交換レンズ2からの光束の一部を反射してペンタプリズム7と接眼レンズ8を有するファインダ光学系(7、8)に導き、かつ残りの光束を透過させる。
図1は本発明のレンズ鏡筒をレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ(光学機器)に適用したときの実施例1の要部断面図である。図1では、レンズ光軸(撮影光軸)AXLの方向をZ方向とし、レンズ光軸AXLに対して直交する方向であって、撮像面に平行な2方向のうち横方向をX方向、縦方向をY方向としている。1はカメラボディ(以下、単にカメラという)、2はカメラ1に着脱可能に装着された交換レンズである。まず、カメラ1の構造について説明する。図1で示した状態において、メインミラー3は一部がハーフミラー面より成り、交換レンズ2からの光束の光路上に配置されている。そして交換レンズ2からの光束の一部を反射してペンタプリズム7と接眼レンズ8を有するファインダ光学系(7、8)に導き、かつ残りの光束を透過させる。
メインミラー3の背後(像側)にはサブミラー4が配置されており、メインミラー3を透過した光束を反射して自動焦点検出ユニット(AFユニット)5に導く。なお、メインミラー3およびサブミラー4は不図示の駆動機構により上記光路から退避することができるようになっている。焦点検出ユニット5は、いわゆる位相差検出方式を利用して焦点検出(交換レンズ2を構成する撮像光学系の焦点状態の検出)を行う機能を持っている。焦点検出ユニット5は、例えば入射した光束を2つに分割するセパレータレンズと、分割した光束を再結像させる2つのコンデンサレンズと、結像した2つの被写体像をそれぞれ光電変換するCCDセンサ等を有している。ラインセンサの受光部は、被写体の縦方向(Y方向)と横方向(X方向)の像位置を検出するよう十字型に配置されている。
6はCCDセンサ又はCMOSセンサにより構成される撮像素子であり、この撮像素子6の受光面(撮像面)上には交換レンズ2からの光束(像)が結像する。撮像素子6は、結像した被写体像を光電変換し、撮像信号を出力する。また、不図示の電子制御式フォーカルプレーンシャッタにより撮像素子6の露光量を制御する。9はディスプレイパネルであり、撮像素子6の信号を入力とした不図示の信号処理部から出力される画像やその他様々な撮影情報を表示する機能を持っている。
交換レンズ2は被写体側から順に、変倍レンズとしての第1レンズユニット101、フォーカス及び変倍レンズとしての第2レンズユニット102、変倍レンズとしての第3レンズユニット103から構成される。さらに、変倍レンズ及び防振レンズとしての第4レンズユニット104、変倍レンズとしての第5レンズユニット105を有している。第3レンズユニット103と第5レンズユニット105は不図示の部材により連結され一体的に移動している。また、絞りユニット106は第3レンズユニット103の前側(物体側)に配置されており、交換レンズ2内を通過してカメラ1側に至る光束の光量を調節する。第1〜第5レンズユニット101〜105および絞りユニット106は撮影光学系の一部分を構成している。
第2レンズユニット(フォーカスレンズ及び変倍レンズ)102は、ギアユニット(不図示)からの駆動力を受けて光軸AXL上を移動し、焦点調節を行う。第1乃至第5レンズユニット(変倍レンズ)101〜105は、撮影者による操作力が不図示の伝達機構により伝達されることによってレンズ光軸AXL上を移動し、変倍(ズーミング)を行う。
次に、交換レンズ2を構成するレンズ鏡筒の構造について説明する。21は固定筒であり、案内筒22を取り付ける取り付け部(不図示)とフォーカス環30を回転可能に保持するための突起部21a、マウント部材43の取り付け部21bを備える。また、不図示の回路基板を取り付けるための取り付け部(不図示)を有し、固定筒21と案内筒22は締結等の方法で固定される。なお、固定筒21にはジャイロ等の角速度センサが実装された部材を取り付ける取り付け部(不図示)を備える。
22は案内筒(第1の筒部材)であり、固定筒21にビス締め等により固定される固定部を構成している。案内筒22には、カム溝又は直進溝より成る第1直進溝22a(第1の溝)及び第2、第3直進溝(不図示)が形成されており、それぞれカムフォロアを介して第1直進筒24、第3レンズユニット103、第4レンズユニット104を直進案内する。また、案内筒22には第1カム筒23と係合するカムフォロア(不図示)の取り付け部を有する。
23は第1カム筒(第2の筒部材)で案内筒22の外周に回動可能に径嵌合しており、ズーム操作環29の直進溝に係合するズームキー(不図示)を固定する取り付け部を備えている。ズーム操作環29の操作により第1カム筒23は回動移動する。また、第1カム筒23には第1〜第4カム溝23a、23b、23c、23dが形成されている。第1直進筒24に固定されたカムフォロア45の係合部45bが第1カム筒23の第1カム溝23a(第2の溝)とカムフォロア45の係合部45aが案内筒22の第1直進溝22aに係合している。また、第3レンズユニット103に固定された不図示のカムフォロアは第2カム溝23bと案内筒22の第2直進溝と係合する。
同様に、第4レンズユニット104に固定された不図示のカムフォロアは第3カム溝23cと案内筒22の第3直進溝と係合する。また、第4カム溝23dは案内筒22に固定された前記不図示のカムフォロワと係合し、ズーム操作環29の回転に伴って第1カム筒23を移動・回転させる。また、第1カム筒23にはフォーカスカム筒28に形成されたカム溝28a、第2カム筒25の直進溝と係合するカムフォロア(不図示)の取り付け部が備えられている。
24は第2レンズユニット102を保持する第1直進筒(第3の筒部材)であり、第1カム筒23の第1カム溝23a、案内筒22の第1直進溝22aと係合するカムフォロア45の取り付け部24aと直進溝(不図示)、カム溝24bを備える。カムフォロア45は第1直進筒24にネジ46で固定されている。第1直進筒24の直進溝は第2直進筒26に固定された不図示のカムフォロアと係合し、第1レンズユニット101を保持する第2直進筒26を直進案内する。また、第1直進筒24のカム溝24bは第1カム筒23に取り付けられた前記カムフォロア(不図示)の軌跡から所定のクリアランスを持たせるよう形成されている。また、第1直進筒24には中間筒27を固定する取り付け部を有する。
25は第2カム筒であり、直進溝とカム溝25aを備える。第2カム筒25の直進溝には、第1カム筒23に固定された前記カムフォロア(不図示)が係合するため、第1カム筒23と第2カム筒25は同じだけ回転する。さらに、第2直進筒26に固定されたカムフォロア(不図示)が第2カム筒25のカム溝25a及び第1直進筒24の直進溝と係合することにより、第2カム筒25を移動・回転させる。
第2直進筒26は、第2カム筒25のカム溝25a及び第1直進筒24の直進溝と係合する前記カムフォロア(不図示)の取り付け部及び前枠31の取り付け部を有する。さらに、第2直進筒26は、第1群鏡筒36に取り付けられたカムフォロア(不図示)と係合し、第1群鏡筒36の取り付けの調整を行うためのカム溝部26aを備える。中間筒27は、第1直進筒24を固定する取り付け部を有する。さらに、中間筒27の前側内径には環状薄板34の取り付け部を有し、中間筒27と第2直進筒26の間からのゴミの侵入を抑えている。
28はフォーカスカム筒であり、第1カム筒23に固定された前記カムフォロア(不図示)と係合するカム溝28aを備える。さらに、フォーカス環30の回転を伝達するフォーカスキー(不図示)と係合する直進溝を有する。従って、フォーカスカム筒28は第1カム筒23の移動・回転及びフォーカス環30の回転に伴い、移動・回転する構造より成っている。また、フォーカスカム筒28には、第2群鏡筒37を固定する取り付け部を有する。ズーム操作環29は、ズーム操作環29の回転を第1カム筒23に伝達するためのズームキーと係合する直進溝(不図示)を有する。
フォーカス環30は、固定筒21の突起部21aと係合することでフォーカス環30の光軸方向の移動を規制している。そして回転可能に保持する案内溝部30aを有する。さらに、フォーカス環30は、ギアユニット(不図示)の出力ギアと噛み合いフォーカス環30を光軸周りに回転させるためのギア部(不図示)を有する。ギアユニットは不図示の駆動源と、複数のギア部(不図示)と、それらにより減速されて駆動される出力ギア(不図示)とからなる。駆動源と電気回路基板とは、フレキシブルプリント基板等で接続されていて、電気回路からの駆動信号により、駆動源を駆動させるようになっている。なお、ギアユニットには不図示の断続機構が設けられ、オートフォーカス、マニュアルフォーカスの切換えを前記機構にて行う。
また、フォーカス環30には、フォーカス環30の光軸に略垂直な方向の変形を抑える補強リング32の取り付け部を備える。補強リング32はフォーカス環30とカバー部材33のスナップフィット結合もしくは接着固定もしくは締結等の方法によりフォーカス環30に一体的に保持される。なお、補強リング32はフォーカス環30よりも剛性の高い材質で形成されている。さらに、フォーカス環30にはフォーカスカム筒28の直進溝と係合し、フォーカス環30の回転をフォーカスカム筒28に伝達する前記フォーカスキー(不図示)の取り付け部を有する。
前枠31は、第1群鏡筒36を締結する取り付け部(不図示)及び、フィルタ等のアクセサリを装着するためのネジ部31aと、フード等のアクセサリを装着するためのツバ部31bを有している。35は外装環であり、装飾のために内部部品を覆うカバー部材である。第1群鏡筒36は、第2直進筒26のカム溝26aに係合するカムフォロアの取り付け部を備え、第1群鏡筒36を第2直進筒26へ取り付ける際が調整を行えるようにしている。第2群鏡筒37は、フォーカスカム筒28に固定するための取り付け部を備える。
38は第3群鏡筒であり、第1カム筒23の第2カム溝23bと案内筒22の第2直進溝と係合する前記カムフォロア(不図示)の取り付け部を有する。また、絞り装置41の取り付け部(不図示)を有する。また、第3群鏡筒38には第5群鏡筒40と固定するための腕部(不図示)を備え、第3群鏡筒38と第5群鏡筒40は一体で移動する。39は第4群鏡筒であり、第1カム筒23の第3カム溝23cと案内筒22の第3直進溝と係合する前記カムフォロア(不図示)の取り付け部を有する。なお、第4群鏡筒39は振れ補正用レンズ駆動装置42を内部に有し、第4レンズユニット104を構成するレンズの一部を光軸に平行な平面内でシフトさせて手振れによる像ブレを補正する機構を備える。
第5群鏡筒40は、第3群鏡筒38の腕部を固定する取り付け部(不図示)を有する。絞り装置41は第3群鏡筒38の前側(物体側)に配置され、複数の絞り羽根41a、駆動部材41b及びカバー部材41cを有する。不図示のフレキシブルプリント基板は、その一端が絞り装置41に接続され、他方が電気回路基板に接続されている。電気回路からの駆動信号により、絞り羽根41aは駆動される。
振れ補正用レンズ駆動装置42は、第4レンズユニット104の一部のレンズを保持し、光軸に垂直な平面内でシフトすることで手振れの補正を行うシフト鏡筒42a(可動部)と、シフト鏡筒42aを駆動させる駆動部材42bを有する。さらに、不図示のフレキシブルプリント基板は、その一端が振れ補正用レンズ駆動装置42の駆動部材42bに接続され、他方が電気回路基板に接続されている。電気回路からの駆動信号により、シフト鏡筒42aは駆動される。マウント部材43は、開口部43aと、カメラ本体への取りためのツバ部43bと、固定筒21との締結のための座部43cを有する。
44は接点部材で、その片端が電気回路基板に接続されている接点部44aを有し、カメラ本体に取り付けた時にカメラ本体の接点部と接触して、カメラ本体との情報伝達を行うようになっている。また、不図示ではあるが、レンズ内の種々の駆動のための演算およびカメラとの情報伝達の処理を行う電気回路基板を有する。このような構成のレンズ鏡筒において、不図示のレリーズボタンの操作がなされると、オートフォーカス、露出決定動作の後、撮像素子の露光及び取得された画像の記録動作がなされる。以上が個々の部材の説明である。
次に、本発明のレンズ鏡筒に関わる主な部品の相互関係について説明する。図2は、図1のレンズ鏡筒の一部分の拡大図であり、上述した複数あるカムフォロアのうち、例として1つのカムフォロア45と、それに関連する主要部品の断面図を示している。他のカムフォロアについても同様の構成をとることができる。カムフォロア45は、案内筒(第1の筒部材)22に設けた第1直進溝(第1の溝)22aに係合する係合部(第1の係合部)45aと第1カム筒(第2の筒部材)23の第1カム溝(第2の溝)23aに係合する係合部(第2の係合部)45bを有している。また、カムフォロア45は2つの係合部45a、45bの間にそれよりも外径の小さな突き当て部45c(中間部)を有する。尚、中間部45cの外径は第1の係合部45aあるいは第2の係合部45bより小さければ良い。
さらに、カムフォロア45は第1直進筒24に固定される締結部45dを備え、第1直進筒24のカムフォロア取り付け部24aとネジ46による締結により固定される。
次に、カムフォロア45の機能について説明する。ズーム操作環29が操作されると、ズーム操作環29に係合するズームキー(不図示)が第1カム筒23に回転を伝達する。第1カム筒23の回転により第1直進筒24は、それに固定されたカムフォロア45を介して案内筒22の第1直進溝22aと第1のカム筒23の第1カム溝23aの相対関係に従いながら、移動する。即ち第1直進筒24と第1カム筒23は相対移動する。この結果、第1直進筒24は光軸方向へ繰り出す。これによりレンズ(第1、第2レンズユニット101、102)を保持する第1直進筒24の光軸方向の駆動を行っている。
次に、カムフォロア45の機能について説明する。ズーム操作環29が操作されると、ズーム操作環29に係合するズームキー(不図示)が第1カム筒23に回転を伝達する。第1カム筒23の回転により第1直進筒24は、それに固定されたカムフォロア45を介して案内筒22の第1直進溝22aと第1のカム筒23の第1カム溝23aの相対関係に従いながら、移動する。即ち第1直進筒24と第1カム筒23は相対移動する。この結果、第1直進筒24は光軸方向へ繰り出す。これによりレンズ(第1、第2レンズユニット101、102)を保持する第1直進筒24の光軸方向の駆動を行っている。
図3は本実施例に係るカムフォロア45の形状を示した説明図である。また、図4は本実施例に係るカムフォロア45と複数の溝(案内筒22の第1直進溝22aと第1カム筒23の第1カム溝23a)との関係を示した説明図である。
本実施例においてカムフォロア45は、係合部45aと係合部45bの軸方向の間にそれらより外径の小さな突き当て部(中間部)45c−1、45c−2(以下では突き当て部45c−1、45c−2を総称して突き当て部45cと記す)を設けている。これにより、係合部45aと係合部45bを連結する形状の剛性を低くしている。そして、一方の溝(第1直進溝22a又は第1カム溝23a)と係合する係合部(係合部45a又は係合部45b)に生じた変形によって他方の係合部が変形することを抑えている。
なお、突き当て部45cとカムフォロア45の締結部45dは一体の部材であり、金属等の剛性が高い材質からなる。係合部45a、45bは合成樹脂等の摺動性が良い材質からなり、前記一体の部材に対してからインサート成形を行うことで形成される。45eは成形時のゲートを配置するために設けられた形状である。
さらに、係合部45aと突き当て部45cの形状は案内筒22の第1直進溝22aと係合する範囲において僅かに段差を設け(係合部45a側の外径が突き当て部45cに比べて大きい)、耐衝撃性を得る構造としている。この構造は、衝撃や落下で係合部45aが変形した場合に第1直進溝22aと突き当て部45cが突き当たるようにし、係合部45aの塑性変形や打痕等で摺動性、すなわち作動性が悪化することを軽減している。なお、通常の使用状態では第1直進溝22aと係合部45aが摺動するため良好な作動性が得られる。
なお、係合部45aと突き当て部45cの形状に段差を設けることについて説明したが、係合部45bと突き当て部45cの形状に段差が設けられていても良い。なお、本実施例では係合部45a、45bが樹脂(合成樹脂)で突き当て部45cが金属である場合について説明したが、突き当て部45cは樹脂であっても良い。この場合、衝撃時の係合部45a、45bに塑性変形が生じやすくなるが、一方の係合部に生じた変形によって他方の係合部が変形することを抑えることができる。
以上のように本実施例によれば、複数の溝に係合するカムフォロアとして、カムフォロアの各係合部の間に中間部(突き当て部)を備える構造をとることにより、各係合部を連結する部分(形状)の剛性を低くしている。これにより通常の撮影使用時や衝撃時、一方の溝との係合部に生じた変形によって他方の係合部が変形することを抑える事ができるので良好な作動が得られる。また、中間部の外径を係合部の外径よりも小さくすることにより衝撃等の外力が作用した場合には溝と中間部が突き当てるようにして、カムフォロアのつぶれ・変形を抑えている。これらの効果は中間部45cの外径が第1の係合部45aあるいは第2の係合部45bより小さければ得られる。
[実施例2]
図5は本発明のレンズ鏡筒の実施例2に係る一部分の説明図である。本実施例では、実施例1に比べてレンズ鏡筒におけるカムフォロア45の突き当て部45cの形状を変更した点が異なっている。具体的な本実施例の特徴は、カムフォロア45の突き当て部45cの形状を45c−1、45c−2、45c−3、45c−4のようにカムフォロア45のほぼ全周にわたって設けたことである。突き当て部45cが露出する範囲を実施例1よりも増やすことで、係合部45aと係合部45bを連結する形状の剛性をより低くしている。このような構成により、実施例1と同様にカムフォロア45の係合部45a、45bの一方に生じた変形によって他方の係合部が変形することを効果的に抑えている。さらには、突き当て部45cの外径を係合部45a、45bより僅かに小さな形状にすることで衝撃が働いた際の係合部45a、45bのつぶれ・変形を効果的に防ぐことができる。
図5は本発明のレンズ鏡筒の実施例2に係る一部分の説明図である。本実施例では、実施例1に比べてレンズ鏡筒におけるカムフォロア45の突き当て部45cの形状を変更した点が異なっている。具体的な本実施例の特徴は、カムフォロア45の突き当て部45cの形状を45c−1、45c−2、45c−3、45c−4のようにカムフォロア45のほぼ全周にわたって設けたことである。突き当て部45cが露出する範囲を実施例1よりも増やすことで、係合部45aと係合部45bを連結する形状の剛性をより低くしている。このような構成により、実施例1と同様にカムフォロア45の係合部45a、45bの一方に生じた変形によって他方の係合部が変形することを効果的に抑えている。さらには、突き当て部45cの外径を係合部45a、45bより僅かに小さな形状にすることで衝撃が働いた際の係合部45a、45bのつぶれ・変形を効果的に防ぐことができる。
以上説明したように、上記各実施例では、カムフォロア45の係合部45a(第1直進溝22aと係合)と係合部45b(第1カム溝23aと係合)の間に突き当て部(中間部)45cを設ける構造とした。そして、係合部45aと係合部45b間を中継する形状の剛性を低くしている。これにより、2つの係合部45a、45bの一方に生じた変形によって他方の係合部が変形することを抑えている。さらには、突き当て部45cの外径を係合部45a、45bより僅かに小さな形状にすることで衝撃が働いた際の係合部のつぶれ・変形を抑えている。これにより大きな外力が働いた場合でも良好な作動(操作性)を効果的に得ている。
なお、上記各実施例においてはカムフォロア45をズーム機構の一部に用いたが、本発明のレンズ鏡筒はそれに限定されるものではない。例えば、フォーカス機構の一部にカムフォロア45を用いても良い。さらに、本実施例は、レンズ交換式デジタル一眼レフカメラに用いられるレンズ鏡筒について説明したが、本発明は、レンズ一体側のデジタルカメラ、さらにはビデオカメラ等のレンズ鏡筒にも同様に適用することができる。
1:カメラ 2:交換レンズ(レンズ鏡筒) 21:固定筒 22:案内筒(第1の筒部材) 23:第1カム筒(第2の筒部材) 24:第1直進筒(第3の筒部材) 29:ズーム操作環 45:カムフォロア 46:ネジ(第1直進筒24とカムフォロア45の締結用) 22a:第1直進溝(第1の溝) 23a:第1カム溝(第2の溝) 45a:第1係合部 45b:第2係合部 45c:突き当て部(中間部)
Claims (6)
- 第1の溝が形成された第1の筒部材と、前記第1の筒部材と相対的に回動可能に径嵌合し、第2の溝が形成された第2の筒部材と、前記第1の溝に係合する第1の係合部と前記第2の溝に係合する第2の係合部を有するカムフォロアと、前記カムフォロアが固定され、レンズを保持する第3の筒部材と、を有し、前記第1の筒部材と前記第2の筒部材との相対的な回転により、前記カムフォロアを介して前記第3の筒部材が光軸方向に移動するレンズ鏡筒において、
前記カムフォロアは、その軸方向において前記第1の係合部と前記第2の係合部との間に中間部を備え、前記中間部の外径は、前記第1の係合部あるいは前記第2の係合部の外径よりも小さいことを特徴とするレンズ鏡筒。 - 前記中間部の外径は、前記第1の係合部および前記第2の係合部の外径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒
- 前記第1の係合部と前記第2の係合部は同一部材で一体的に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレンズ鏡筒。
- 前記第1の係合部及び前記第2の係合部は合成樹脂から形成され、前記中間部は金属からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒。
- 前記第1の溝はカム溝もしくは直進溝であり、前記第2の溝はカム溝であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒を有することを特徴とする光学機器。
Priority Applications (1)
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JP2010105345A JP2011232688A (ja) | 2010-04-30 | 2010-04-30 | レンズ鏡筒及びそれを有する光学機器 |
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ID=45322024
Family Applications (1)
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JP2010105345A Pending JP2011232688A (ja) | 2010-04-30 | 2010-04-30 | レンズ鏡筒及びそれを有する光学機器 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
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-
2010
- 2010-04-30 JP JP2010105345A patent/JP2011232688A/ja active Pending
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