図1に示す撮像ユニット10は、鏡筒ハウジング20(図3)に支持されるレンズ群ブロック11(図2)と、CCDホルダ40(図10)に支持される像ぶれ補正ブロック12(図6)から構成されている。製造時には、レンズ群ブロック11と像ぶれ補正ブロック12を個別に組み立てて動作チェックなどを行う。そして、鏡筒ハウジング20の後部にCCDホルダ40を取り付けて互いのブロックを組み合わせることにより撮像ユニット10が完成される。修理時には逆に、レンズ群ブロック11と像ぶれ補正ブロック12に分離させることも可能である。撮像ユニット10はデジタルスチルカメラに搭載されるものであり、レンズ群ブロック11と像ぶれ補正ブロック12を組み合わせて完成された撮像ユニット10は、図示しないカメラボディ(撮像装置のボディ本体)に取り付けられる。なお、本実施形態はデジタルスチルカメラ用の撮像ブロックとして適用したものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、デジタルビデオカメラなど別種の撮像装置にも適用可能である。
撮像ユニット10の光学系は、物体側から順に第1レンズ群LG1、シャッタS及び絞りA、第2レンズ群LG2、第3レンズ群LG3、ローパスフィルタ13及びCCD(撮像素子)14を備えている。この光学系は焦点距離可変のズーム光学系であり、第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2を光学系の光軸OXに沿って所定の軌跡で進退させることによってズーミングを行う。また、光軸OXに沿って第3レンズ群LG3を移動させることでフォーカシングを行う。
レンズ群ブロック11は、以上の撮像光学系のうち、ローパスフィルタ13とCCD14を除いた第1レンズ群LG1から第3レンズ群LG3までの光学要素を支持する沈胴式のズームレンズ鏡筒であり、撮影時には図2のように鏡筒ハウジング20から被写体側へ繰り出され、撮影を行わないときは図1のように鏡筒ハウジング20内に収納される。図2では上半断面がワイド端、下半断面がテレ端の撮影状態を示している。
第3レンズ群LG3を保持する3群レンズ枠21は、鏡筒ハウジング20に固定されたガイド軸22を介して光軸OXと平行な方向に移動可能に直進案内されており、AFモータ23(図1)の駆動力によって同方向に進退移動させることができる。
鏡筒ハウジング20の内側には図4に示すヘリコイド環24が支持されている。ヘリコイド環24の外周面にはズームギヤ25と噛み合うギヤが形成されており、ズームギヤ25はズームモータ26(図1)によって回転駆動されてヘリコイド環24に回転力を伝達する。図1の収納(沈胴)状態と図2の撮影状態の間は、鏡筒ハウジング20とヘリコイド環24はヘリコイド結合されており、ズームモータ26を駆動させると、鏡筒ハウジング20の内周面のヘリコイド20a(図3)の案内によってヘリコイド環24が回転しながら光軸方向に移動する。一方、ワイド端とテレ端の間の撮影状態にあるときには、ヘリコイド結合が解除され、代わりに鏡筒ハウジング20の内周面に形成した周方向溝20b(図3)に対してヘリコイド環24の外面に設けた突起が係合し、ズームモータ26の駆動に応じてヘリコイド環24が光軸方向に移動せずに定位置で回転される。ヘリコイド環24の前部には、該ヘリコイド環24と共に回転及び光軸方向移動を行う第1繰出筒27が結合されている。
第1繰出筒27とヘリコイド環24の内側には、直進案内環28が支持されている。直進案内環28は、鏡筒ハウジング20の内周面に形成した直線溝20c(図3)を介して光軸方向に直進案内されており、第1繰出筒27とヘリコイド環24に対しては、相対回転は可能で光軸方向に共に移動するように係合している。
図4に示すように、直進案内環28には、内周面と外周面を貫通する貫通ガイド溝28aが形成されている。貫通ガイド溝28aは、光軸OXに対して斜行するリード溝部分と、光軸OXを囲む周方向溝部分とを有していて、カム環29の外周面に設けた外径突起29aが摺動可能に嵌まっている。外径突起29aはさらに、第1繰出筒27の内周面に形成した光軸OXと平行な回転伝達溝27aに係合しており、カム環29は第1繰出筒27と共に回転される。カム環29は、貫通ガイド溝28aのリード溝部分に外径突起29aが係合するときには、このリード溝部分の案内を受けて回転しながら第1繰出筒27及び直進案内環28に対して光軸方向に進退され、貫通ガイド溝28aの周方向溝部分に外径突起29aが係合するときには、第1繰出筒27及び直進案内環28に対して光軸方向に相対移動せずに定位置で回転する。ヘリコイド環24と同様に、収納(沈胴)状態と撮影状態の間ではカム環29が回転しながら光軸方向に進退移動され、ワイド端とテレ端の間の撮影状態ではカム環29が定位置回転される。
直進案内環28は、その内周面に形成した光軸OXと平行な直線溝28b、28cによって、第2直進案内環30と第2繰出筒31を光軸方向に直進案内している。第2直進案内環30は、直進案内キー30aによって2群レンズ移動枠32を光軸方向に直進案内する。2群レンズ移動枠32は、2群レンズ枠34を介して第2レンズ群LG2を支持している。第2繰出筒31は、内周面に形成した直進案内溝31aによって、第3繰出筒33を光軸方向へ直進案内する。第3繰出筒33は、1群レンズ枠35を介して第1レンズ群LG1を支持している。第2直進案内環30と第2繰出筒31はそれぞれ、カム環29に対して相対回転可能かつ光軸方向に一体に移動するように支持されている。
カム環29の内周面に形成した2群案内カム溝29bに対し、2群レンズ移動枠32の外周面に設けた2群用カムフォロア32aが係合している。2群レンズ移動枠32は第2直進案内環30を介して光軸方向に直進案内されているため、カム環29が回転すると、2群案内カム溝29bの形状に従って、2群レンズ移動枠32すなわち第2レンズ群LG2が光軸方向へ所定の軌跡で移動する。
第3繰出筒33は内径方向に突出する1群用カムフォロア33aを有し、この1群用カムフォロア33aが、カム環29の外周面に形成した1群案内カム溝29cに摺動可能に嵌合している。第3繰出筒33は第2繰出筒31を介して光軸方向に直進案内されているため、カム環29が回転すると、1群用カムフォロア33aの形状に従って、第3繰出筒33すなわち第1レンズ群LG1が光軸方向へ所定の軌跡で移動する。
第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の間には、シャッタSと絞りAを有するシャッタユニット36が支持されている。シャッタユニット36は、2群レンズ移動枠32の内側に固定されている。
以上の構造からなるレンズ群ブロック11は次のように動作する。図1に示す鏡筒収納状態においてデジタルカメラの本体部に設けたメインスイッチ37(図14)がオンされると、ズームモータ26が鏡筒繰出方向に駆動される。ズームモータ26によりズームギヤ25が回転駆動され、ヘリコイド環24と第1繰出筒27がヘリコイドによって前方へ回転繰出される。直進案内環28は、第1繰出筒27及びヘリコイド環24と共に前方に直進移動する。このとき、第1繰出筒27から回転力が付与されるカム環29は、直進案内環28の前方への直進移動分と、該直進案内環28との間に設けたリード構造(貫通ガイド溝28aのリード溝部分と外径突起29a)による繰出分との合成移動を行う。ヘリコイド環24とカム環29が前方の所定位置まで繰り出されると、それぞれの回転繰出構造(ヘリコイド、リード)の機能が解除されて、光軸方向の定位置で回転のみ行うようになる。
カム環29が回転すると、その内側では、第2直進案内環30を介して直進案内された2群レンズ移動枠32が、2群用カムフォロア32aと2群案内カム溝29bの関係によって光軸方向に所定の軌跡で移動される。また、カム環29が回転すると、該カム環29の外側では、第2繰出筒31を介して直進案内された第3繰出筒33が、1群用カムフォロア33aと1群案内カム溝29cの関係によって光軸方向に所定の軌跡で移動される。
すなわち、鏡筒収納状態からの第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の繰出量はそれぞれ、前者が、鏡筒ハウジング20に対するカム環29の前方移動量と、該カム環29に対する第3繰出筒33のカム繰出量との合算値として決まり、後者が、鏡筒ハウジング20に対するカム環29の前方移動量と、該カム環29に対する2群レンズ移動枠32のカム繰出量との合算値として決まる。ズーミングは、この第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2が互いの空気間隔を変化させながら撮影光軸Z1上を移動することにより行われる。図1の収納状態から鏡筒繰出を行うと、まず図2の上半断面に示すワイド端の繰出状態になり、さらにズームモータ26を鏡筒繰出方向に駆動させると、同図の下半断面に示すテレ端の繰出状態となる。テレ端とワイド端の間のズーム領域では、ヘリコイド環24、第1繰出筒27及びカム環29は、前述の定位置回転のみを行い、光軸方向へは進退しない。メインスイッチ37をオフすると、ズームモータ26が鏡筒収納方向に駆動され、レンズ群ブロック11は上記の繰出動作とは逆の収納動作を行い、図1の収納状態になる。
また、ワイド端からテレ端までの撮影可能状態にあるとき、測距手段によって得られた被写体距離情報に応じてAFモータ23を駆動することにより、第3レンズ群LG3を支持する3群レンズ枠21が光軸OXに沿って移動してフォーカシングが実行される。
続いて像ぶれ補正ブロック12の構造を説明する。像ぶれ補正ブロック12は、撮像ユニット10の光学系を構成する光学要素のうち、ローパスフィルタ13とCCD14を支持するものであり、像ぶれ補正機構を備えている。この像ぶれ補正機構は、カメラボディに加わる手ぶれの大きさと方向に応じて、CCD14を光軸OXと垂直な平面に沿って移動させることで、被写体像の像ぶれを抑制するものである。以下の説明では、光軸OXと垂直な平面内における上下方向をY軸、左右方向をX軸と呼ぶ。
図10に示すように、CCDホルダ40にはY軸方向(上下方向)に向けて一対のYガイドロッド41、42が設けられており、このYガイドロッド41、42によってYステージ44がY軸方向に摺動可能に支持されている。Yステージ44上には、Yガイドロッド41と直交するX軸方向へ向けて一対のXガイドロッド45、46が設けられており、このXガイドロッド45、46によってXステージ47がX軸方向に摺動可能に支持されている。Xステージ47上にはCCD14とローパスフィルタ13が固定されている。したがって、CCDホルダ40に対してCCD14は、Yステージ44とXステージ47を介して、光軸OXと垂直な平面における直交2軸方向に移動可能に支持されている。X軸方向へのXステージ47の可動範囲はYステージ44の内周面によって規制され、Y軸方向へのYステージ44の可動範囲はCCDホルダ40の内周面によって規制される。
Xステージ47とCCDホルダ40にそれぞれ設けたばね掛け部の間に、Xステージ付勢ばね50が張設されている。Xステージ付勢ばね50は引張ばねであり、撮像ユニット10の正面(前方)から見て左方へXステージ47を付勢している。また、Yステージ44とCCDホルダ40にそれぞれ設けたばね掛け突起の間に、Yステージ付勢ばね51が張設されている。Yステージ付勢ばね51は引張ばねであり、Yステージ44を上方へ付勢している。
Yステージ44の一側部には、Y移動部材52が支持されている。Y移動部材52とYステージ44は、それぞれに設けたガイドピンとガイド孔との嵌合関係によりY軸方向へ相対移動可能な関係にある。Yステージ44とY移動部材52の間には互いをY軸方向における正逆方向へ移動付勢する引張結合ばね53が張設されていて、Yステージ44とY移動部材52には、この引張結合ばね53の付勢力により互いに当接する位置規制フランジ44a、52aが設けられている。常態では、引張結合ばね53の付勢力によって位置規制フランジ44a、52aが当接する状態でYステージ44とY移動部材52が一体化されている。
CCDホルダ40には、Xステージ47を案内支持するXガイドロッド45、46とは別に、X軸方向へ向くXガイドロッド54が設けられており、このXガイドロッド54によって第1X移動部材(移動伝達部材)55がX軸方向へ移動自在に支持されている。第1X移動部材55に対してX軸方向へ相対移動可能に第2X移動部材(移動伝達部材)56が支持されている。第1X移動部材55と第2X移動部材56の間には互いをX軸方向における正逆方向へ移動付勢する引張結合ばね57が張設されていて、第1X移動部材55と第2X移動部材56には、この引張結合ばね57の付勢力により互いに当接する位置規制フランジ55a、56aが設けられている。常態では、引張結合ばね57の付勢力によって位置規制フランジ55a、56aが当接する状態で第1X移動部材55と第2X移動部材56が一体化されている。
第1X移動部材55の下部には連動突起55bが設けられている。連動突起55bは、Xステージ47に設けた伝達ローラ60に当接しており、この当接部分によって第1X移動部材55からXステージ47へX軸方向の移動力が伝達される。伝達ローラ60は光軸OXと略平行な軸により回転可能に支持されており、Yステージ44と共にXステージ47がY軸方向へ移動したときには、伝達ローラ60が連動突起55bの当接面上を転動する。連動突起55b側のローラ当接面はY軸方向を向く平面であるため、伝達ローラ60を転動させることによって、第1X移動部材55にY軸方向への力を与えずにXステージ47をY軸方向へ移動させることができる。
X軸方向への駆動源であるX軸駆動モータ61と、Y軸方向への駆動源であるY軸駆動モータ62が、CCDホルダ40上のモータブラケットに固定されている。X軸駆動モータ61とY軸駆動モータ62はいずれもステッピングモータであり、そのドライブシャフトに送りねじが形成されている。X軸駆動モータ61の送りねじにはX駆動ナット63が螺合し、Y軸駆動モータ62の送りねじにはY駆動ナット64が螺合している。X駆動ナット63は、第2X移動部材56に対してX軸方向に移動可能に嵌っており、圧縮コイルばねからなるナット付勢ばね65によって、第2X移動部材56に設けた立壁部56bに当接する方向へ付勢されている。Y駆動ナット64は、Y移動部材52に対してY軸方向に移動可能に嵌っており、圧縮コイルばねからなるナット付勢ばね66によって、Y移動部材52に設けた立壁部52bに当接する方向へ付勢されている。
以上の像ぶれ補正ブロック12の構造を図13に模式的に示す。図13では、撮像ユニット10の背面側(像面側)から像ぶれ補正ブロック12を見ている。この模式図から分かる通り、X軸方向の駆動機構においては、第1X移動部材55と第2X移動部材56は、互いの位置規制フランジ55a、56aが当接する状態で、引張結合ばね57の付勢力で弾性的に結合されている。第1X移動部材55には、連動突起55bに当接する伝達ローラ60を介して、Xステージ付勢ばね50の付勢力が作用している。Xステージ付勢ばね50の付勢力は、図13中の右方、すなわち第1X移動部材55の位置規制フランジ55aを第2X移動部材56の位置規制フランジ56aから離間させる方向に作用しているが、引張結合ばね57の付勢力はXステージ付勢ばね50の付勢力よりも強く設定されている。そのため、第1X移動部材55と第2X移動部材56は、互いの位置規制フランジ55a、56aが当接する弾性結合状態を維持しながら、全体としてXステージ付勢ばね50によって図13の右方へ付勢される。そして、立壁部56bがX駆動ナット63に当て付くことで図13の右方への第2X移動部材56の移動が規制されるため、このX駆動ナット63の位置がX軸方向における第2X移動部材56と第1X移動部材55の基準位置となる。
X軸駆動モータ61のドライブシャフトを回転駆動すると、X駆動ナット63がX軸方向に直進移動され、第2X移動部材56と第1X移動部材55のX軸方向位置が変化する。例えば、X駆動ナット63が図13の左方に移動されると、該X駆動ナット63が第2X移動部材56の立壁部56bを押圧し、Xステージ付勢ばね50に抗して第2X移動部材56と第1X移動部材55が同図の左方に一体的に移動される。第1X移動部材55が図13の左方に移動されると、連動突起55bが伝達ローラ60を押圧してXステージ47も同図の左方に移動される。逆にX駆動ナット63を右方に移動させると、Xステージ付勢ばね50の付勢力によって、第2X移動部材56と第1X移動部材55がX駆動ナット63に追従して右方に一体的に移動される。このとき、Xステージ付勢ばね50の付勢力によって、Xステージ47が第1X移動部材55に追従して同図の右方に移動される。連動突起55bと伝達ローラ60は、Xステージ付勢ばね50の付勢力によって常に当接した状態に維持される。
また、Y軸方向の駆動機構においては、Yステージ44とY移動部材52は、互いの位置規制フランジ44a、52aが当接する状態で、引張結合ばね53によって弾性的に結合されている。Yステージ44は、Yステージ付勢ばね51によって図13中の上方、すなわちYステージ44の位置規制フランジ44aをY移動部材52の位置規制フランジ52aから離間させる方向に付勢されているが、引張結合ばね53の付勢力はYステージ付勢ばね51の付勢力よりも強く設定されている。そのため、Yステージ44とY移動部材52は、互いの位置規制フランジ44a、52aが当接する弾性結合状態を維持しながら、全体としてYステージ付勢ばね51によって上方へ付勢されている。そして、立壁部52bがY駆動ナット64に当て付くことで上方へのY移動部材52の移動が規制されるため、このY駆動ナット64の位置がY軸方向におけるY移動部材52とYステージ44の基準位置となる。
Y軸駆動モータ62のドライブシャフトを回転駆動すると、Y駆動ナット64がY軸方向に直進移動され、Y移動部材52とYステージ44のY軸方向位置が変化する。例えば、Y駆動ナット64が図13の下方に移動されると、該Y駆動ナット64に立壁部52bが押圧されて、Yステージ付勢ばね51に抗してY移動部材52とYステージ44が同図の下方に一体的に移動される。逆にY駆動ナット64を上方に移動させると、Yステージ付勢ばね51の付勢力によって、Y移動部材52とYステージ44がY駆動ナット64に追従して上方に一体的に移動される。
Yステージ44がY軸方向に移動すると、Yステージ44上に支持されたXステージ47も共にY軸方向に移動する。一方、Xステージ47に設けた伝達ローラ60が当接する第1X移動部材55はY軸方向へは移動しないので、Yステージ44と共にXステージ47が上下移動したとき、伝達ローラ60と連動突起55bの当接箇所が変化する。前述したように、このとき伝達ローラ60が連動突起55bの当接面上を転動し、第1X移動部材55にY軸方向への移動力を与えずにXステージ47をY軸方向へ移動させることができる。
以上の構造から、X軸駆動モータ61を正逆に駆動することにより、Xステージ47をX軸方向へ正逆に移動させることができ、Y軸駆動モータ62を正逆に駆動することにより、Yステージ44と該Yステージ44に支持されたXステージ47とをY軸方向へ正逆に移動させることができる。
図14は、撮像ユニット10が搭載されるデジタルカメラの回路構成の一部を概念的に示したものである。像ぶれ補正ブロック12には、X軸方向におけるXステージ47の原点(中立)位置を検出することが可能なフォトインタラプタ70と、Y軸方向におけるYステージ44の原点(中立)位置を検出することが可能なフォトインタラプタ71が設けられている。また、カメラ内には、X軸とY軸周りにおける移動角速度を検出するXジャイロセンサ(角速度センサ)72とYジャイロセンサ(角速度センサ)73を備え、カメラに加わった振れの速さ(大きさ)と方向は、このジャイロセンサ72、73によって検知される。続いて制御回路74において、Xジャイロセンサ72とYジャイロセンサ73の検出したXとYの2軸方向の振れの角速度を時間積分して移動角度を求め、該移動角度から焦点面(CCD14の撮像面)上でのX軸方向及びY軸方向の像の移動量を演算すると共に、この像ぶれをキャンセルするための各軸方向に関するXステージ47(第1X移動部材55及び第2X移動部材56)とYステージ44(Y移動部材52)の駆動量及び駆動方向(X軸駆動モータ61、Y軸駆動モータ62の駆動パルス)を演算する。そして、この演算値に基づいて、X軸駆動モータ61とY軸駆動モータ62を駆動制御する。すなわち、制御回路74からX軸駆動モータ61とY軸駆動モータ62へ、像ぶれ補正用の駆動信号が与えられる。これにより、CCD14で撮像される被写体像のぶれが抑制される。撮影モード切替スイッチ75のオンによってこの像振れ補正モードに入ることができ、撮影モード切替スイッチ75をオフにした状態では、像振れ補正機能が停止されて通常撮影を行うことができる。撮影モード切替スイッチ75ではさらに、像ぶれ補正モードにおいて、常時各X軸駆動モータ61、Y軸駆動モータ62を駆動させて振れ補正を行う第1追従モードと、測光スイッチ76やレリーズスイッチ77の操作時にのみ各X軸駆動モータ61、Y軸駆動モータ62を駆動させて振れ補正を行う第2追従モードとを選択することができる。
画像処理用の回路を含む制御回路74はカメラボディ内の固定基板に設けられている。この固定基板とCCD14は、像ぶれ補正ブロック12をカメラボディ内に取り付けたときに、画像信号伝送用のフレキシブル基板80を介して接続される。このフレキシブル基板80の支持案内構造を説明する。
図11に示すように、Xステージ47内には、CCD取付板86によってCCD14が保持されている。詳細には、Xステージ47のCCD収納スペースの前面中央部には物体側に向く矩形の開口部が形成され、この開口部に臨むようにしてローパスフィルタ13が設けられている。ローパスフィルタ13の前面側の周縁部には遮光マスク82が設けられている。ローパスフィルタ13の背面側にはパッキン83を挟んでCCD14が当て付いている。CCD14は、フレキシブル基板80の一端部に形成されたCCD支持基板80a上に支持されている。Xステージ47の後部には、それぞれ3つ設けたナット84と調整ビス85(図10)を介してCCD取付板86が取り付けられ、このCCD取付板86によってCCD支持基板80aの背面側が保持される。CCD取付板86の前面側とXステージ47との間には3つの傾き調整ばね87(図10)が設けられていて、3つの調整ビス85の相互締め付け量を変化させることで、各傾き調整ばね87の変形量を変化させつつ、Xステージ47に対するCCD取付板86の取付角を変化させることができる。すなわち、CCD14の角度を調整可能となっている。また、Xステージ47には、CCD取付板86の背後に位置させて、フレキ押さえ板91が固定されている。像ぶれ補正ブロック12にはさらに、CCDホルダ40の背面側にブロック保護板92が固定される。フレキ押さえ板91とブロック保護板92はそれぞれ、CCD14の移動平面、すなわちX軸とY軸を含む平面と略平行な板状部材である。図11に示すように、CCD取付板86、フレキ押さえ板91、ブロック保護板92は、物体側から順に光軸方向に所定の間隔をおいて位置されている。
フレキシブル基板80は全体として細長の帯状をなしており、CCD取付板86の前面側に支持されるCCD支持基板80aに続いて、フレキ押さえ板91の前面に沿って上方に向けて上方延出部80bが延設されている。フレキシブル基板はさらに、上方延出部80bに続いて斜め前方に向けて延出された前方延出部前方延出部80c、該前方延出部80cの前端部を後方に折り返して形成された後方折返部80d、該後方折返部80dに続いて下方に折り曲げられブロック保護板92の背面側に沿う下方延出部80e、下方延出部80eの下端部を側方に曲げた側方延出部80f、側方延出部80fの先に設けられカメラボディ側の固定基板に接続されるコネクタ部80gを有している。上方延出部80bはフレキ押さえ板91に対して固定されておらず、面接触で当て付いているだけの関係になっている。一方、下方延出部80eは、フレキ押さえテープ95によってブロック保護板92の背面側に固定されている。上方延出部80bと下方延出部80eの間の前方延出部80cと後方折返部80dは、像ぶれ補正ブロック12上の部材に接することなく自在な変形が許された折返形状部80Tとなっている。
前述の通り、像ぶれ補正時にはXステージ47上に支持されたCCD14がX軸方向及びY軸方向に駆動される。この像ぶれ補正時のCCD14の移動力を受けたときに、フレキシブル基板80がCCD14に及ぼす移動抵抗を少なくして高精度な駆動を実現するべく、フレキシブル基板80及びその配設構造が構成されている。
まず、フレキ押さえ板91が、フレキシブル基板80の上方延出部80bをブロック保護板92に接触しないようにさせる防護部材として機能する。例えば、CCD14の移動に追随してフレキシブル基板80が変位しようとするときに、上方延出部80bがブロック保護板92などの固定要素に接触すると、当該接触部分でフリクションが発生してスムーズな変位が妨げられるおそれがあるが、フレキ押さえ板91を設けることにより、上方延出部80bがブロック保護板92に触れることが防がれる。フレキ押さえ板91はCCD14を保持するXステージ47と一体にX軸及びY軸方向に駆動される可動部材であるから、像ぶれ補正時のCCD14の駆動に際して、フレキ押さえ板91は上方延出部80bに対して実質的に移動抵抗を与えない。フレキ押さえ板91はまた、CCD取付板86を用いた前述のCCD14の傾き調整を行ったときに、フレキシブル基板80のねじれを防ぐ機能も有する。すなわち、CCD14の傾き調整によってCCD支持基板80aにねじれ方向の力が加わっても、このCCD支持基板80aに続く上方延出部80bはフレキ押さえ板91の前面側に面接触して支持されるため、ねじれが抑制される。上方延出部80bの部分でねじれが抑制されるため、これより先の折返形状部80T(前方延出部80c、後方折返部80d)にもねじれが及ばない。よって、CCD60の傾き調整を行ってもフレキシブル基板80に不要な変形を生じさせることがない。
フレキ押さえ板91のみならずフレキシブル基板80自体も、CCD14の駆動時における移動抵抗を抑制する形状となっている。まず、CCD支持基板80aに続く上方延出部80bをその長手方向がY軸方向を向くように延設し、さらに上方延出部80bの延長上に前方延出部80cと後方折返部80dからなる折返形状部80Tを設けている。前述のように、折返形状部80Tは像ぶれ補正ブロック12内の特定部位に対して固定もしくは接続されていない自在変形部分であるから、CCD14のY軸方向移動を受けて上方延出部80bに同方向の移動力が作用したときに、折返形状部80Tの変位によって、CCD支持基板80a及び上方延出部80bをCCD14の動きにストレスなく追従させることができる。
また、フレキシブル基板80の幅方向であるX軸方向へのCCD14の動作に対する抵抗を小さくするために、フレキシブル基板80の折返形状部80Tには、内部を通る導電線と重ならないように、横幅方向の中央部にスリット80h(図7)が形成されている。スリット80hを形成することにより、折返形状部80Tは本来のフレキシブル基板80の約半分の横幅の2つの帯状分割部に分割される。一般的に、フレキシブル基板はその横幅方向には変形しにくいが、このように横幅方向へ複数に分割することにより、横幅方向への曲げやねじれに対する抵抗を低減させることができる。よって、CCD14がX軸方向に移動するとき、その移動力を受けて折返形状部80Tが柔軟に変形され、CCD14に対する移動抵抗を小さく抑えることができる。特に、前方延出部80cと後方折返部80dの境界部である折り返し部分にもスリット80hが形成されているため、折返形状部80Tはより一層X軸方向に変形させやすくなっている。
以上のように、フレキシブル基板80はCCD14の駆動に対する追従性に優れた形状を有しており、CCD14を高精度に安定して駆動させることができる。また、フレキシブル基板80による移動抵抗が小さいため、X軸駆動モータ61やY軸駆動モータ62の負荷が軽減され、消費電力を少なくすることができる。特に、折返形状部80Tが、フレキシブル基板80における移動抵抗低減に大きく寄与している。
像ぶれ補正ブロック12は、折返形状部80Tを保護するカバー部材94を備えている。図11に示すように、折返形状部80Tは、X軸方向の像ぶれ補正機構を構成する第1X移動部材55と第2X移動部材56の上方空間に位置している。図8に示すように、CCDホルダ40は、この上方空間の両側に、後方に臨む一対のカバー取付面部40aと、該カバー取付面部40aから突出する一対の位置決めボス40bを有している。カバー部材94は、カバー取付面部40aに後方から当接する左右一対の取付フランジ94aを有し、この取付フランジ94a上に、位置決めボス40bに係合する一対の係合孔94b(図8)が形成されている。カバー部材94は、取付フランジ94aをカバー取付面部40aに当て付け、位置決めボス40bを係合孔94bに係合させた状態でCCDホルダ40に対して固定される。カバー部材94はまた、左右の取付フランジ94aの間に箱状格納部94cを有し、箱状格納部94cの両側に補強リブ94dとセンサ押さえ部94eを有している。補強リブ94dは、CCDホルダ40の上部に係合して、カバー部材94の支持強度を高める。また、センサ押さえ部94eは、CCDホルダ40に対してカバー部材94を取り付けたときに、X軸方向の原点検知センサであるフォトインタラプタ70を上から押さえて保持する。
図11に示すように、CCDホルダ40にカバー部材94を取り付けた状態で、箱状格納部94c内にフレキシブル基板80の折返形状部80Tが格納される。図9は、この格納状態におけるフレキシブル基板80とカバー部材94のみを取り出して示したものであり、同図から分かるように、折返形状部80Tは像ぶれ補正ブロック12の外観には表れず、カバー部材94に覆われている。図11に詳細を示すように、箱状格納部94cは、フレキシブル基板80の前方延出部80cの下方に位置する下方隔壁部94c-1と、後方折返部80dの上方に位置する上方隔壁部94c-2と、上方隔壁部94c-2の前端部に形成した前方隔壁部94c-3とを有し、この前方隔壁部94c-3の下部には光軸方向後方側へ向けて段部94c-4が形成され、該段部94c-4に前方に向く観察開口94c-5が形成されている。また、箱状格納部94cの後面側は全面的に開口された後方開口94c-6となっていて、下方隔壁部94c-1の光軸方向後方側の端部は、後方開口94c-6に近付くにつれて徐々に下方へ向け傾斜する傾斜壁部94c-7となっている。後方開口94c-6は、箱状格納部94内への折返形状部80Tの出入りを可能にするための開口部である。
カバー部材94の箱状格納部94cは、CCD14の移動に応じてフレキシブル基板80が変位した場合でも折返形状部80Tに干渉(接触)しないように、その内側寸法が設定されている。図11に示すように、下方隔壁部94c-1は、第1X移動部材55と第2X移動部材56の上方を覆う位置に形成されており、これらの可動部材がフレキシブル基板80の前方延出部80cに接触しないように保護している。下方隔壁部94c-1の後方端部である傾斜壁部94c-7は、フレキシブル基板80の上方延出部80bと前方延出部80cの境界部を避けるように斜め下方に向けて曲げられており、当該境界部に触れてフリクションやストレスを与えないようになっている。上方隔壁部94c-2は、フレキシブル基板80の後方折返部80dが外観に露出されないように保護し、前方隔壁部94c-3は、前方延出部80cと後方折返部80dの間の折り返し部が外観に露出されないように保護している。
レンズ群ブロック11と組み合わせられる前の像ぶれ補正ブロック12単体の状態では、図6及び図11に示すように、カバー部材94の観察開口94c-5は開かれている。そして観察開口94c-5を通して折返形状部80Tの状態を視認することができる。例えば、折返形状部80Tが図11のような正しい折り返し形状になっておらず、後方折返部80dが上方隔壁部94c-2に接触したり、前方延出部80cが下方隔壁部94c-1に接触したり、あるいは前方延出部80cと後方折返部80dの間の折り返し部分が前方隔壁部94c-3に接触したりした場合には動作性が変化してしまうおそれがあるが、観察開口94c-5を形成したことによって、このような不具合の有無を容易にチェックできる。
図3に示すように、鏡筒ハウジング20には、上方に向けてフランジ部20dが突設されており、このフランジ部20dの中央部に嵌合蓋部20eが形成されている。図1や図12のようにレンズ群ブロック11と像ぶれ補正ブロック12を組み合わせたとき、フランジ部20dが、第1X移動部材55と第2X移動部材56などの像ぶれ補正用の駆動部材の前方をカバーし、また嵌合蓋部20eが、カバー部材94の段部94c-4に嵌合して観察開口94c-5を塞ぐ。観察開口94c-5が塞がれることにより、フレキシブル基板80の折返形状部80Tが完全にカバーされた状態になる。
以上のように、本実施形態の撮像ユニット10では、像ぶれ補正ブロック12に、レンズ群ブロック11と分けられた単独の状態でフレキシブル基板80の折返形状部80Tを保護するカバー部材94を設けたので、カメラボディに組み付ける前の組立工程や修理工程で折返形状部80Tに不用意に触れて動作性を変化させてしまうおそれがなく、像ぶれ補正機構の安定した動作性を確保することができる。
本発明の撮像装置においては、フレキシブル基板の折返形状部や、これを覆うカバー部材の形状は、様々な態様をとることが可能である。これらの異なる実施形態を図15ないし図18に示す。なお、図15ないし図18ではそれぞれ、像ぶれ補正ブロック12に対してレンズ群ブロック11を取り付けた状態を示しており、レンズ群ブロック11の構成要素として鏡筒ハウジング20のみを2点鎖線で示している。また図15ないし図18では、第1の実施形態と共通する部分については同じ符号で示している。
図15に示す像ぶれ補正ブロック12のカバー部材194は、箱状格納部194cの後部に、フレキシブル基板80の折返形状部80Tの後部側を覆う後方壁部194c-6を有している。カバー部材194における下方隔壁部194c-1、上方隔壁部194c-2、前方隔壁部194c-3、段部194c-4、観察開口194c-5、傾斜壁部194c-7については、第1の実施形態のカバー部材94の対応部位と同様の構成になっている。そして、レンズ群ブロック11と像ぶれ補正ブロック12を組み合わせたときに、鏡筒ハウジング20に設けたフランジ部20dの嵌合蓋部20eが、カバー部材194の段部194c-4に嵌合して観察開口194c-5を塞ぐ。この実施形態から分かるように、フレキシブル基板の折返形状部のいずれの部分までをカバー部材が覆うかについては、任意に定めることができる。
図16に示す像ぶれ補正ブロック12カバー部材294は、箱状格納部294cの下方隔壁部294c-1と前方隔壁部294c-3の間ではなく、前方隔壁部294c-3と上方隔壁部294c-2の間に段部294c-4が形成されており、この段部294c-4に、上側を向けて開口された観察開口294c-5が形成されている。この観察開口294c-5を通して、フレキシブル基板80の折返形状部80Tの状態を視認することができる。カバー部材294における後方開口294c-6と傾斜壁部294c-7については、第1の実施形態のカバー部材94の対応部位と同様の構成になっている。そして、レンズ群ブロック11と像ぶれ補正ブロック12を組み合わせたときに、鏡筒ハウジング20のフランジ部220dの上方に設けた嵌合蓋部220eが、カバー部材294の段部294c-4に嵌合して観察開口294c-5を塞ぐ。この実施形態から分かるように、フレキシブル基板の折返形状部を観察する観察孔(開口)をカバー部材のいずれの位置に設けるかについては、任意に定めることができる。
図17の実施形態では、像ぶれ補正ブロック12に支持されるフレキシブル基板80の折返形状部380Tの形状が第1の実施形態とは異なっている。フレキシブル基板380の折返形状部380Tは、上方延出部80bの上端部から前方に向けて湾曲しながら突出され、さらに下方延出部80eの上端部側へ向けて湾曲された、全体として円弧状の形状をなしている。この折返形状部380Tを覆うカバー部材394の箱状格納部394cは、折返形状部380Tの下方に位置する下方隔壁部394c-1及び傾斜壁部394c-7と、前方に位置する前方隔壁部394c-3と、上方に位置する上方隔壁部394c-2とを有し、箱状格納部394cの後部は後方開口394c-6として開かれている。下方隔壁部394c-1と前方隔壁部394c-3の間の段部394c-4には前側を向く観察開口394c-5が形成されており、この観察開口394c-5を通して折返形状部380Tの状態を確認することができる。レンズ群ブロック11を構成する鏡筒ハウジング20は、像ぶれ補正ブロック12に対して組み付けたときに、フランジ部320dの上端として形成された嵌合蓋部320eが、カバー部材394の段部394c-4に嵌合して観察開口394c-5を塞ぐ。なお、図17の実施形態では、折返形状部380Tに対応させて箱状格納部394cが前後方向に小型に形成されていることに伴い、この箱状格納部394cの下方スペースに配設される第2X移動部材356は、第1の実施形態の第2X移動部材56とは、その断面形状が異なっている。この実施形態から分かるように、フレキシブル基板の折返形状部の形状については任意に定めることができ、折返形状部に対応させてカバー部材の形状も任意に定めることができる。
図18の実施形態では、フレキシブル基板80の折返形状部480Tの形状がさらに異なっている。折返形状部480Tは、上方延出部80bの上端部から前方に向けて逆U字状に湾曲される湾曲部480T-1と、湾曲部480T-1に続いて斜め下方に向けて直線状に延出された第1直線状部480T-2と、第1直線状部480T-2の下端部から上方に向けて折り返された第2直線状部480T-3と、第2直線状部480T-3の上端部から略直角に曲げられ後方へ向けて延設された第3直線状部480T-4とを有している。第3直線状部480T-4の後端部は下方に向けて略直角に折り曲げられて下方延出部80eとなっている。この折返形状部480Tを覆うカバー部材494の箱状格納部494cは、第1直線状部480T-2と第2直線状部480T-3の下方に位置する下方隔壁部494c-1と、第3直線状部480T-4の上方に位置する上方隔壁部494c-2と、第2直線状部480T-3の前方に位置する前方隔壁部494c-3と、湾曲部480T-1の下方に位置する傾斜壁部494c-7及び下方隔壁部494c-8と、第2直線状部480T-3に沿って位置する中間隔壁部494c-9とを有する。箱状格納部494cの後部は後方開口494c-6として開かれている。上方隔壁部494c-2と前方隔壁部494c-3の間の段部494c-4には上側を向く観察開口494c-5が形成されており、この観察開口494c-5を通して折返形状部480Tの状態を確認することができる。像ぶれ補正ブロック12に対してレンズ群ブロック11を構成する鏡筒ハウジング20を組み付けたときに、鏡筒ハウジング20の一部を構成する嵌合蓋部420eが、カバー部材494の段部494c-4に嵌合して観察開口494c-5を塞ぐ。なお、図18の実施形態では、箱状格納部494cの形状に対応させて、第2X移動部材456の断面形状が、第1の実施形態の第2X移動部材56とは異なっている。この実施形態から分かるように、フレキシブル基板の折返形状部は、撮像素子の移動平面に対して単純に交差するように延出されたものに限らず、撮像素子の移動平面に沿う方向(図18ではY軸方向)への延設領域を含むものであってもよい。
以上、図示実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、レンズ群ブロックにおけるレンズ構成や、像ぶれ補正ブロックにおける撮像素子の駆動方式については、図示した各実施形態と異なる様々な態様のものを用いることができる。