JP6009066B2 - 電動パワーステアリング制御装置および操舵制御方法 - Google Patents

電動パワーステアリング制御装置および操舵制御方法 Download PDF

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Description

本発明は電動パワーステアリング制御装置および操舵制御方法に関し、特に、電動モータによりハンドル(ステアリングホイール)の操舵力をアシストする電動パワーステアリング制御装置および操舵制御方法に関する。
従来の電動パワーステアリング制御装置において、特に高速回転および高トルクの領域においては、その他の領域と比較して、トルクリップル(torque ripple)、騒音、および、振動を発生しやすく、ドライバー(運転者)に違和感を与え、操舵フィーリングを悪化させるおそれがあった。そのため、従来装置においては、高トルク領域では、いわゆる、弱め界磁制御(Field Weakening Control)を行っていた(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、d軸電流指令値の変化率を制限することで、モータ出力の急激な変化を防ぎ、騒音や振動の発生を抑えている。また、特許文献1では、弱め界磁制御を行う場合にdq軸電流指令値を算出するための複数のマップと、弱め界磁制御を行わない場合にdq軸電流指令値を算出するための1つのマップとを用意し、それらのマップを切替えて用いていた。
特許第4797565号公報
上記の特許文献1の従来装置では、マップを用いて、d軸電流指令値を算出し、次に、ソフトウエア処理で、d軸電流指令値の変化率を制御する処理を行っている。そのため、変化率を制限した後のd軸電流指令値では、当該制限が起因して、応答性が悪化する可能性があった。また、特許文献1では、複数のマップを保有して、その中から1つのマップを選択して用いる。このような複数のマップを用いる方法では、CPUのソフトウエア規模が増大するとともに、ソフトウエアが複雑化するという問題点があった。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、d軸電流指令値を制限することなく、より小規模なソフトウエア構成で、ハンドル操作時に発生する振動および騒音等を抑制することができる電動パワーステアリング制御装置および制動制御方法を提供することを目的としている。
本発明は、車両の運転者のハンドル操舵力をアシストするためのモータと、前記ハンドル操舵力の操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記モータの回転数を検出するモータ回転数検出部と、前記モータに流れている電流値を検出するモータ電流検出部と、前記トルクセンサで検出した操舵トルクおよび前記モータ回転数検出部で検出した前記モータの回転数に応じて、前記モータに供給する目標電流をそれぞれdq座標系にて設定する目標d軸・q軸電流設定部と、前記目標d軸電流設定部で設定した目標d軸電流値と前記目標q軸電流設定部で設定した目標q軸電流値と前記モータ電流検出部で検出した電流検出値とに基づいて前記モータを駆動するための制御量を演算する制御量演算部と、前記制御量演算部からの制御量に従って、前記モータに電流を供給する駆動部とを備えた電動パワーステアリング制御装置であって、前記モータ回転数検出部と前記目標d軸電流設定部との間に設けられ、前記モータ回転数検出部で検出した前記モータの回転数にフィルタ処理を施して、フィルタ処理後の回転数を前記目標d軸電流設定部に出力するフィルタ部を備え、前記フィルタ部は、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、および、移動平均処理フィルタのいずれか1つから構成される、電動パワーステアリング制御装置である。
本発明は、車両の運転者のハンドル操舵力をアシストするためのモータと、前記ハンドル操舵力の操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記モータの回転数を検出するモータ回転数検出部と、前記モータに流れている電流値を検出するモータ電流検出部と、前記トルクセンサで検出した操舵トルクおよび前記モータ回転数検出部で検出した前記モータの回転数に応じて、前記モータに供給する目標電流をそれぞれdq座標系にて設定する目標d軸・q軸電流設定部と、前記目標d軸電流設定部で設定した目標d軸電流値と前記目標q軸電流設定部で設定した目標q軸電流値と前記モータ電流検出部で検出した電流検出値とに基づいて前記モータを駆動するための制御量を演算する制御量演算部と、前記制御量演算部からの制御量に従って、前記モータに電流を供給する駆動部とを備えた電動パワーステアリング制御装置であって、前記モータ回転数検出部と前記目標d軸電流設定部との間に設けられ、前記モータ回転数検出部で検出した前記モータの回転数にフィルタ処理を施して、フィルタ処理後の回転数を前記目標d軸電流設定部に出力するフィルタ部を備え、前記フィルタ部は、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、および、移動平均処理フィルタのいずれか1つから構成される、電動パワーステアリング制御装置であるので、d軸電流指令値を制限することなく、より小規模なソフトウエア構成で、ハンドル操作時に発生する振動および騒音等を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング制御装置の構成を示したブロック図である。 本発明の実施の形態2に係る電動パワーステアリング制御装置の構成を示したブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る電動パワーステアリング制御装置の構成を示したブロック図である。 本発明の実施の形態4に係る電動パワーステアリング制御装置の構成を示したブロック図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング制御装置の構成を示したブロック図である。図1に示すように、実施の形態1に係る電動パワーステアリング制御装置には、トルクセンサ1、舵角センサ2、および、車速センサ3が設けられている。トルクセンサ1は、車両のハンドル(図示せず)付近に配置され、運転者のハンドル操舵力の操舵トルクを検出する。舵角センサ2は、ハンドル付近に配置され、ハンドルの操舵角度を検出する。車速センサ3は、車両に設けられ、車両の速度を検出する。
また、実施の形態1に係る電動パワーステアリング制御装置には、車両のドライバー(運転者)のハンドル操舵力をアシストするためのモータ4と、モータ4に供給すべき目標電流値を算出する制御ユニット(ECU)30と、モータ4に流れている電流値を検出するモータ電流センサ5と、モータ4の回転を検出するモータ回転センサ6とが、設けられている。モータ4は、車両のステアリングコラム、又は、ラック軸に搭載されている。なお、ここでは、モータ4として、3相のブラシレスモータを例として挙げている。
制御ユニット(ECU)30は、演算および処理の中枢となるCPU10と、CPU10の出力信号に基づきモータ4を駆動するための駆動部20とを内蔵している。
CPU10は、トルクセンサ1、舵角センサ2、および、車速センサ3から、各検出値が入力され、それらの検出値に基づいて、モータ4へ供給する電流量を算出する。そのため、CPU10は、モータ4に供給すべき目標電流値を算出する目標電流設定部11を内蔵している。目標電流設定部11は、目標q軸電流設定部11aと目標d軸電流設定部11bとに分割されている。目標電流設定部11は、ドライバー(運転者)のハンドルの操舵力に応じて、当該操舵力をアシストするためにモータ4に供給すべき目標電流値をdq座標系にて設定する。
さらに、CPU10は、目標電流設定部11から出力される目標q軸電流および目標d軸電流と、モータ4の電流検出値との、偏差を求める減算部12を有している。減算部12は、d軸用の減算部12aと、q軸用の減算部12bとに分かれている。さらに、CPU10は、モータ4の電流検出値が目標電流値に追従するように、減算部12a,12bで算出したモータ電流検出値と目標電流値との偏差に基づいて最終電流値を求め、それを電圧値に変換して出力するフィードバック制御部13と、フィードバック制御部13からの出力信号を、2相から3相に変換する2/3相変換部14とを有している。2/3相変換部14からの出力は、駆動部20に入力される。
また、CPU10は、モータ電流センサ5の検出信号に基づいて、モータ4の電流検出値を算出するモータ電流算出部15と、モータ電流算出部15の出力信号を、3相から2相に変換して、減算部12a,12bに入力する3/2相変換部16とを有している。また、CPU10は、モータ回転センサ6の検出信号に基づいて、モータ回転数を算出するモータ回転数算出部17を有している。
さらに、CPU10は、モータ回転数算出部17からモータ回転数が入力されるフィルタ部18を有している。フィルタ部18の出力は、d軸電流設定部11bに入力される。なお、フィルタ部18には、図1に示すように、各種情報が入力され、フィルタ部18は、それらの情報のうちの少なくとも1つに基づいて、フィルタ処理を実施するか否かを決定する。フィルタ処理を実施するか否かを判定するための実施条件については後述する。フィルタ部18は、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、又は、移動平均処理フィルタから構成される。
以下、本実施の形態1に係る電動パワーステアリング制御装置の動作について説明する。
まず、トルクセンサ1が運転者の操舵トルクを検出し、舵角センサ2がハンドルの操舵角度を検出し、車速センサ3が車両の速度を検出する。当該操舵トルク、操舵角度、及び、車速は、CPU10に入力される。また、モータ回転センサ6およびモータ回転数算出部17が、モータ4の回転数を算出する。CPU10においては、目標電流設定部11の目標q軸電流設定部11aと目標d軸電流設定部11bとが、それぞれ、当該操舵トルク、操舵角度、車速、および、モータ回転数に基づいて、モータ4に供給すべき目標q軸電流および目標d軸電流を算出する。なお、操舵トルク、操舵角度、および、車速のすべてを必ずしも用いる必要はなく、操舵トルクと回転数とから目標q軸電流および目標d軸電流を算出するようにしてもよい。目標電流設定部11の目標q軸電流設定部11aと目標d軸電流設定部11bとで設定した目標q軸電流および目標d軸電流は、減算部12a,12bにそれぞれ入力される。減算部12a,12bには、モータ電流算出部15で算出されたモータ4の電流検出値が、3/2相変換部16を介して、入力される。減算部12a,12bは、目標q軸電流および目標d軸電流とモータ4の電流検出値との偏差を求めて、フィードバック制御部13に出力する。フィードバック制御部13では、当該偏差に基づいて最終電流値を求め、それを電圧値へ変換して出力する。この電圧値は2相であるため、2/3相変換部14が、2相から3相へ変換し、駆動部20に出力する。駆動部20は、複数のスイッチング素子(図示せず)を内蔵しており、当該スイッチング素子を用いてPWM制御を行うことで、モータ4に3相の駆動電力を供給する。ここで、減算部12、フィードバック制御部13、および、2/3相変換部14は、目標d軸・q軸電流とモータ4の電流検出値とに基づいてモータ4を駆動するための制御量を演算する制御量演算部を構成している。
モータ4に流れている電流を検出するために、モータ電流センサ5の検出信号に基づいて、モータ電流算出部15は、モータ4の電流検出値を算出する。当該電流検出値は3相(iu,iv,iw)であるため、3/2相変換部16で、3相から2相に変換され、それぞれ、d・q軸用の減算部12a,12bへ出力される。ここで、モータ電流センサ5、モータ電流算出部15、および、3/2相変換部16は、モータ4に流れているモータ電流を検出するモータ電流検出部を構成している。また、モータ4はブラシレスモータであるため、磁極位置を検出しないと、モータ4をスムーズに回転させられないため、モータ回転数算出部17が、モータ回転センサ6の検出信号から、モータ4の回転数を算出する。モータ4の回転数は、目標q軸電流設定部11aへ出力されるとともに、フィルタ部18を介して目標d軸電流設定部11bへ出力される。ここで、モータ回転センサ6、および、モータ回転数算出部17は、モータ4の回転数を検出するモータ回転数検出部を構成している。
モータ電流センサ5は、駆動部20とモータ4との間に設けられたU,V,W相用の3つの抵抗から構成され、各抵抗の両端に発生する電位差に基づいて、モータ4のモータコイルに流れる電流を算出する。しかしながら、モータ電流センサ5は、このタイプに限ったものではなく、電流による誘導コイル式のセンサであってもよい。また、モータ回転センサ6は、レゾルバ方式であっても、ホールセンサ式であっても、あるいは、MR式であってもよい。また、車両の状況を検知するためのセンサとして、トルクセンサ1、舵角センサ2、および、車速センサ3の3種類のセンサとしたが、この3種類に限られるものではない。
次に、本発明の特徴であるフィルタ部18について説明を行う。フィルタ部18は、モータ回転数算出部17と目標d軸電流設定部11bとの間に設けられ、モータ回転数をフィルタ処理の対象としている。フィルタ手段18の出力は、目標d軸電流設定部11bへ伝達される。
フィルタ部18が、モータ回転数を対象としている理由を簡単に述べる。一般に、電動パワーステアリング制御装置は、ハンドル付近に搭載するため、出来るだけ小型のモータが望ましい。しかしながら、小型のモータで、高い出力を得るためには、d軸電流値を大きな値に設定する必要がある。従って、モータの回転数が低い領域では、目標d軸電流値は小さい値であったとしても、わずかな回転数の上昇でも、目標d軸電流値が大幅に大きくなる場合がある。このようなわずかな回転数の変化で目標d軸電流値が急変する場合は、振動や騒音が発生する可能性がある。従って、本実施の形態では、目標d軸電流設定部11bに入力するモータ回転数に対して、必要に応じて、フィルタ部18によるフィルタ処理を行ない、モータ回転数に対する目標d軸電流値の応答性を下げることにより、振動および騒音を抑制する。
フィルタ部18は、図1に示すように、トルクセンサ1からの操舵トルク、舵角センサ2からの操舵角度、車速センサ3からの車速、3/2相変換部16からのモータ電流検出値、および、目標電流設定部11からの目標電流指令値を含む、各種情報が入力される。フィルタ部18は、これらの情報のうちの少なくとも1つに基づいて、フィルタ処理を実施するか否かを決定する。また、フィルタ部18は、フィルタ処理を実施するか否かを判定する実施条件およびフィルタ特性の変更が可能である。
フィルタ部18は、フィルタ処理を実施すると判定した場合は、モータ回転数算出部17から算出されたモータ回転数に対して、フィルタ処理を施し、フィルタ処理後のモータ回転数を、目標d軸電流設定部11bに出力する。一方、フィルタ部18は、フィルタ処理を実施しないと判定した場合は、モータ回転数算出部17から算出されたモータ回転数を、そのまま、目標d軸電流設定部11bに出力するか、あるいは、通常運転時のフィルタ処理を行なって、目標d軸電流設定部11bに出力する。なお。通常運転時の時定数は、上記フィルタ処理を実施する際のフィルタの時定数に比べて小さい値とする。
そこで、フィルタ部18がフィルタ処理を実施する実施条件について説明する。フィルタ部18は、下記の4つの実施条件のいずれか1つが成立したときに、フィルタ処理を実施する。
1)高操舵トルクおよび高モータ回転数の場合
2)弱め界磁制御を実施している場合
3)モータ電流検出値の変化が大きい場合
4)d軸優先制御を実施している場合
以下、これらの4つの実施条件について説明する。
1)高操舵トルクおよび高モータ回転数の場合
操舵トルクが高く、モータ4のモータ回転数が高い場合、フィルタ部18は、フィルタ処理を実施する。そのため、フィルタ部18は、操舵トルクに対する第1の閾値、および、モータ回転数に対する第2の閾値を予め設定している。第1の閾値は、操舵トルクの高トルク領域を示す閾値である。当該閾値より操舵トルクが高い状態を「高操舵トルク」と呼ぶこととする。また、第2の閾値は、モータ回転数の高モータ回転数領域を示す閾値である。当該閾値よりモータ回転数が高い状態を「高モータ回転数」と呼ぶこととする。トルク部18は、トルクセンサ1の操舵トルクおよびモータ回転数算出部17のモータ回転数をモニタして、操舵トルクが第1の閾値以上で、かつ、モータ回転数が第2の閾値以上であるかを判定する。フィルタ部18は、操舵トルクが第1の閾値以上で、かつ、モータ回転数が第2の閾値以上であると判定した場合は、フィルタ処理を実施すると決定する。一方、操舵トルクおよびモータ回転数の少なくとも一方が閾値未満であると判定した場合には、フィルタ処理を実施しないと決定する。なお、モータ回転数算出部17のモータ回転数を使用せずに、舵角センサ2からモータ回転数を算出することも可能である。舵角センサ2により単位時間のハンドルの回転角を検出し、モータ4のギア比から、モータ4の回転数を算出できる。フィルタ部18は、フィルタ処理を実施すると決定した場合、モータ回転数算出部17から入力されたモータ回転数にフィルタ処理を施し、目標d軸電流設定部11bへ出力する。これにより、振動および騒音が発生する可能性がある高操舵トルクおよび高モータ回転数の場合においても、モータ回転数にフィルタ処理を施し、モータ回転数に対する目標d軸電流の応答性を下げることにより、振動および騒音の発生を前もって抑制することできる。
2)弱め界磁制御を実施している場合
本実施の形態1に係る電動パワーステアリング制御装置においては、操舵トルクが高く、モータ4のモータ回転数が高い場合、制御ユニット(ECU)30は、弱め界磁制御を実施する。そのため、制御ユニット(ECU)30は、操舵トルクに対する第3の閾値、および、モータ回転数に対する第4の閾値を予め設定している。第3の閾値は上記の第1の閾値と同じ値であってもよく、第4の閾値は上記の第2の閾値と同じ値であってもよい。制御ユニット(ECU)30は、トルクセンサ1の操舵トルクおよびモータ回転数算出部17のモータ回転数をモニタして、操舵トルクが第3の閾値以上で、かつ、モータ回転数が第4の閾値以上であるかを判定した場合、弱め界磁制御を開始するとともに、フィルタ部18に、フィルタ処理を実施することを指令する。フィルタ部18は、当該指令を受けて、モータ回転数算出部17から入力されたモータ回転数にフィルタ処理を施し、目標d軸電流設定部11bへ出力する。このように、弱め界磁制御を実施しているときには、フィルタ部18によるフィルタ処理を実施することで、モータ回転数に対する目標d軸電流の応答性を下げることにより、弱め界磁制御の開始後にいずれ発生すると予想される振動および騒音を前もって抑制することできる。
3)モータ電流検出値の変化が大きい場合
実際に振動または騒音等の現象が発生した場合、又は、発生する兆候がある場合に、フィルタ部18によるフィルタ処理を実施することで、振動および騒音等の発生を直接抑制する方法もある。そのため、フィルタ部18は、モータ電流検出値のうちのd軸電流の値を3/2相変換部16から入力し、d軸電流の時間毎のバラツキが大きい、又は、d軸電流の単位時間あたりの変化が大きいかを検出する。フィルタ部18は、d軸電流の単位時間毎のバラツキに対する第5の閾値、および/または、d軸電流の単位時間あたりの変化量に対する第6の閾値を予め設定している。第5および第6の閾値は、電流検出値の高変化量領域を示す閾値である。電流検出値の変化量がこれらの閾値より高い状態を「高変化量」と呼ぶこととする。フィルタ部18は、d軸電流の単位時間毎のバラツキが第5の閾値以上、又は、d軸電流の単位時間あたりの変化量が第6の閾値以上であると判定した場合に、フィルタ処理を実施すると決定する。フィルタ部18は、フィルタ処理を実施すると決定した場合、モータ回転数算出部17から入力されたモータ回転数にフィルタ処理を施し、目標d軸電流設定部11bへ出力する。これにより、振動が実際に発生している、又は、振動発生の兆候がある場合にも、フィルタ部18のフィルタ処理を実施し、当該振動を抑制できるとともに、さらには、モータ4を含む機械系の経年変化にも対応することができる効果がある。
4)d軸優先制御を実施している場合
通常時はq軸電流を優先的に制御するが、d軸電流を優先的に制御するd軸優先制御を実施している場合に、車両の運転状況に応じて、フィルタ部18によるフィルタ処理を実施する。この場合は、フィルタ部18に、目標d軸電流設定部11bから目標d軸電流が伝達される。フィルタ部18は、目標d軸電流に対する第7の閾値(第7の閾値≠0)を予め設定している。フィルタ部18は、目標d軸電流設定部11bから伝達された目標d軸電流が第7の閾値以下の場合、フィルタ部18はフィルタ処理を実施すると決定する。この結果、フィルタ処理が施されたモータ回転数が、再度、目標d軸電流設定部11bへ戻されることになる。こうして、フィルタ部18のフィルタ処理を実施して、モータ回転数に対する目標d軸電流の応答性を下げることにより、例えば、d軸優先制御の開始時、制御内容の急変時、および、弱め界磁制御の開始時に、それらの制御の切替の直後ではなく、しばらく後に、目標d軸電流に対し、これらの制御を作用するようにできる。
以上のように、本実施の形態1においては、車両の運転者のハンドル操舵力をアシストするためのモータ4と、ハンドル操舵力の操舵トルクを検出するトルクセンサ1と、モータ4の回転数を検出するモータ回転数検出部(6,17)と、モータ4に流れている電流値を検出するモータ電流検出部(5,15,16)と、トルクセンサ1で検出した操舵トルクおよびモータ回転数検出部(6,17)で検出したモータ4の回転数に応じて、モータ4に供給する目標電流をそれぞれdq座標系にて設定する目標d軸・q軸電流設定部11a,11bと、目標d軸電流設定部11bで設定した目標d軸電流値と目標q軸電流設定部11aで設定した目標q軸電流値とモータ電流検出部(5,15,16)で検出した電流検出値とに基づいてモータ4を駆動するための制御量を演算する制御量演算部(12,13,14)と、制御量演算部からの制御量に従って、モータ4に電流を供給する駆動部20とを備えた電動パワーステアリング制御装置であって、モータ回転数検出部(6,17)と目標d軸電流設定部11bとの間に設けられ、モータ回転数検出部(6,17)で検出したモータ4の回転数にフィルタ処理を施して、フィルタ処理後の回転数を目標d軸電流設定部11bに出力するフィルタ部18を備えた電動パワーステアリング制御装置である。これにより、本実施の形態1においては、高トルク、および、高モータ回転数等、振動発生の可能性のあるd軸電流の状況に応じて、または、その兆候が発生し始めた場合、モータ回転数にフィルタ処理を施すことで、モータ回転数に対するd軸電流目標値の応答性を下げることにより、振動および騒音等を抑制することができる。従って、本実施の形態1では、目標d軸電流値を制限することなく、小規模なソフトウエア構成で、ハンドル操作時に発生する振動および騒音等を抑制することができる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2に係る電動パワーステアリング制御装置について説明する。本実施の形態2においては、実施の形態1のフィルタの特性、および、その設定方法について説明する。図2は、本発明の実施の形態2に係る電動パワーステアリング制御装置の構成を示す構成図である。図2と図1との相違点は、図2においては、フィルタ部18のフィルタ特性を設定するためのフィルタ特性設定部19が追加されるとともに、モータ4の端子間電圧を検出するモータ電圧センサ21が追加されている。他の構成および動作は、実施の形態1と同じであるため、ここでは、説明を省略する。
まず、フィルタ部18のフィルタ特性(フィルタの種類、カットオフ周波数、時定数、ゲイン)について説明する。
上述したように、フィルタ部18を構成するフィルタの種類は、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、又は、移動平均処理フィルタであり、すなわち、ハイパスフィルタではないフィルタであることが必要である。
フィルタ部18のカットオフ周波数は、ギア等を含めた機械系の共振周波数以下、又は、モータ4の電気的特性の共振周波数以下とすることがよいため、それらの共振周波数を予め車両に搭載される計測器等により把握して、フィルタ特性設定部19により、それらの共振周波数以下の値にカットオフ周波数を設定する。
フィルタ部18のフィルタの時定数およびゲインは、通常は初期値(デフォルト値)に設定されているが、フィルタ特性設定部19により、操舵トルク、車速、目標q軸電流、q軸モータ電流検出値、目標d軸電流、d軸モータ電流検出値、温度、d軸電流の増減方向、モータ回転数の増減方向、モータ4に発生する誘起電圧、および、PWMデューティ比の少なくとも1つに応じて、フィルタの時定数およびゲインを、自動的に設定するようにしてもよい。なお、モータ回転数として、モータ回転センサ6から算出したモータ回転数を用いてもよいが、その場合に限らず、舵角センサ2を使用して、舵角センサ2で検出した操舵角度からモータ回転数を算出するようにしてもよい。算出方法は、実施の形態1で述べた通りである。また、モータ誘起電圧は、モータ4にモータ電圧センサ21を設けておき、モータ電圧センサ21でモータコイルの端子間電圧を検出し、当該端子間電圧から誘起電圧を算出する。なお、図2では、図の簡略化のため、モータ電圧センサ21だけが記載されているが、実際には、CPU10内に、モータ電圧センサ21が検出したモータ4の端子間電圧から誘起電圧を算出する誘起電圧算出部(図示せず)が設けられている。ここで、モータ電圧センサ21と誘起電圧算出部とは、モータ4の端子間電圧から誘起電圧を検出する誘起電圧検出部を構成している。
また、上記のように、フィルタの時定数およびゲインの設定を変えることにより、目標d軸電流の応答性を、遅くする、あるいは、早くすることができる。従って、フィルタ特性設定部19によりフィルタの時定数およびゲインを個別に設定することで、ハンドルの戻りをより早くし、通常制御に戻った場合に追従性および応答性を確保できる効果がある。
以上のように、本実施の形態2においても、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、本実施の形態2においては、フィルタ特性設定部19を設けることで、フィルタ部18のフィルタ特性を可変としたので、フィルタ部18のフィルタ特性の時定数およびゲインを調整して、応答性を変更することが容易にできる。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3に係る電動パワーステアリング制御装置について説明する。実施の形態3では、上述した実施の形態1および実施の形態2におけるフィルタ部18のフィルタ処理実施の解除条件について説明する。フィルタ部18のフィルタ処理は、特に振動および騒音等を抑制するために、目標d軸電流の応答性を遅めにして対応しようとしているものである。従って、フィルタ処理実施時のフィルタの時定数は、通常時のフィルタ時定数よりも大きいので、通常の制御に戻った場合の応答性が悪化する可能性がある。そのため、フィルタ部18のフィルタ処理を実施する実施条件と同様に、フィルタ処理実施を解除する解除条件も重要である。
図3は、本実施の形態3に係る電動パワーステアリング制御装置の構成を示したブロック図である。図3と図1との相違点は、図3においては、フィルタ解除部22が設けられている点が異なる。フィルタ解除部22は、図3に示すように、フィルタ部18と別個に設けてもよいが、フィルタ部18に内蔵してもよい。なお、図3は、図1に示した実施の形態1に、本実施の形態3を適用させた例を示しているが、図2に示した実施の形態2に、本実施の形態3を適用させてもよい。他の構成および動作は、実施の形態1および2と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
上記の実施の形態2では、フィルタ特性の時定数及びゲインを可変としているため、フィルタの効果が出るようにするフィルタ時定数の漸増側とフィルタの効果が出ないようにするフィルタ時定数の漸減側の変化速度を操舵状況に応じて各々独立して設定することができる。従って、フィルタの効果が不要な操舵状況においては、フィルタ時定数の漸増速度と比べてフィルタ時定数の漸減速度を早くすれば、いち早くフィルタの効果を打ち消すことができる。このフィルタの効果を打ち消すためのトリガーとなる解除条件は操舵状況に応じて多様に存在する。
解除条件は、下記の2つとする。
a)ハンドルの切り戻し時
b)上記の実施の形態1で示した4つの実施条件がすべて不成立となったとき
これらの解除条件のうちの1つが成立した場合、フィルタ解除部22は、フィルタ部18にフィルタ処理の実施を解除するように指令する。
以下、これらの2つの解除条件について説明する。
a)ハンドルの切り戻し時
まず、第1の解除条件は、ハンドルの切り戻し操作を検出した場合である。なお、ここで、「切り戻し操作」とは、ドライバー(運転者)がハンドルを中立位置に近づける向きに操舵する操作のことである。逆に、ドライバー(運転者)がハンドルを中立位置から遠ざける向きに操舵する操作は「切り増し操作」という。ハンドルの切り戻し操作を検出した場合には、即座に、フィルタ18のフィルタ処理の実施の解除が必要である。なお、ハンドルの切り戻しは、モータ4のモータ回転数の符号(すなわち、モータ回転数の正負)、または、舵角センサ2で検出する操舵角度の情報に基づいて、検出可能である。従って、フィルタ解除部21は、モータ回転数算出部17のモータ回転数、または、舵角センサ2の操舵角度をモニタし、運転者によりハンドルの切り戻し操作がなされたと判定した場合、フィルタ部18にフィルタ処理の実施を解除するように指令する。ここで、フィルタ解除部21は、ハンドルの切り戻し操作を検出するハンドル切り戻し検出部と、フィルタ部18に対してフィルタ処理実施の解除を指令するフィルタ解除部とを構成している。
b)上記の実施の形態1で示した4つの実施条件がすべて不成立となったとき
フィルタ解除部22は、フィルタ部18から、上記の実施の形態1で示した4つの実施条件1)〜4)について、成立/不成立の判定結果を取得する。フィルタ解除部22は、当該判定結果から、上記の実施の形態1で示した4つの実施条件1)〜4)のすべてが不成立か否かを判定する。判定の結果、4つの実施条件1)〜4)がすべて不成立であると判定した場合には、フィルタ解除部22は、フィルタ部18にフィルタ処理の解除指令を出力する。
上記の説明においては、解除条件が成立した場合に、フィルタ解除部22が、フィルタ部18のフィルタ処理の実施を完全に解除する例について説明した。しかしながら、フィルタ処理の実施は完全に解除しなくてもよい。例えば、フィルタ処理の解除後に、再度、実施条件1)〜4)のいずれかが成立することもあるので、フィルタ解除部22は、解除条件が成立したときに、フィルタ部18に、カットオフ周波数の変更を指令するようにしてもよい。それにより、フィルタ部18のカットオフ周波数を一旦上げておき、一定の待機期間の間、状況を確認するためにモータ電流検出値などをモニタし、その後に、フィルタ処理を解除することも有効である。待機期間は、1分、5分、10分など、適宜、任意の時間に予め設定しておく。あるいは、フィルタ解除部22が、フィルタ部18のフィルタ特性の値をすべて初期値に戻す処理を行なうように指示するようにしてもよい。当該初期値は、通常運転時にフィルタ処理を行うためのデフォルト値で、上記4つの実施条件1)〜4)の1つが成立した場合に行なうフィルタ処理に比べて、少なくとも時定数が小さい値に設定されている。このように、フィルタ解除部22が出力するフィルタ処理の解除指令は、フィルタ部18のフィルタ処理の実施を完全に解除する処理を行なうことを指令する、あるいは、フィルタ部18のフィルタ特性を初期値に戻す処理を行なうことを指令する、あるいは、フィルタ部18のカットオフ周波数を現在値より高い値に変更することを指令する、のうちのいずれか1つである。
以上のとおり、本実施の形態においては、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、モータ回転数に対するフィルタ処理が必要な時にフィルタ部18によるフィルタ処理を実施し、フィルタ処理が不要になった時には、フィルタ解除部22がフィルタ処理の実施を解除するようにしたので、発生する振動および騒音等を抑制することができる。また、本実施の形態3の方法は、モータ4への指令値自体に付加する方法ではなく、目標d軸電流設定部11bへの入力値を可変するので、モータ4の定格、および、車両等が変わった場合でも、簡単に対応することができる。さらに、この方法は、入力情報に対してなされるので、従来の制御方法を変更する必要がなく、ソフトウエアへの追加が容易である。
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4について説明する。図4は、本発明の実施の形態4に係る電動パワーステアリング制御装置の構成を示したブロック図である。
図4と図1との第1の相違点は、制御量演算部の構成が異なる点である。図1においては、制御量演算部が、減算部12、フィードバック制御部13、および、2/3相変換部14から構成されているが、図4においては、制御量演算部が、2/3相変換部14A、減算部12A(12c,12d,12e)、フィードバック制御部13Aから構成されており、接続の順序が図1と異なる。また、図4においては、減算部12Aが、3つの減算部12c,12d,12eから構成されている。
また、図4と図1との第2の相違点は、モータ電流算出部15Aと3/2相変換部16Aとの出力先である。図1においては、モータ電流算出部15で算出したモータ電流検出値は、3/2相変換部16のみに出力されている。一方、図4においては、モータ電流選出部15Aで算出したモータ電流検出値が、減算部12c,12d,12eと3/2相変換部16Aとに出力されている。また、図1においては、3/2相変換部16の出力が、減算部12Aとフィルタ部18とに入力されているが、図4においては、3/2相変換部16Aの出力は、フィルタ部18にのみ入力されている。
他の構成および動作は、実施の形態1と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
本実施の形態4においては、図4に示すように、目標q軸電流設定部11aおよび目標d軸電流設定部11bの後段に、2/3相変換部14Aを設け、その後段に、減算部12Aを設け、さらに、その後段に、フィードバック制御部13Aを配置した。従って、目標q軸電流設定部11aおよび目標d軸電流設定部11bにて目標q軸電流および目標d軸電流が設定された後、2/3相変換部14により、2相から3相への変換を行う。その後、減算部12c,12d,12eで、3相の目標電流(Iu、Iv、Iw)と、モータ電流算出部15からのモータ電流検出値との、偏差を求める。なお、モータ電流算出部15Aのモータ電流の算出動作は、図1のモータ電流算出部15と同じである。フィードバック制御部13Aは、モータ4の電流検出値が目標電流値に追従するように、減算部12c、12d、12eで算出された偏差に基づいて最終的な目標電流値を算出し、これを駆動部20へ出力する。
以上のように、本実施の形態4においては、車両の運転者のハンドル操舵力をアシストするためのモータ4と、ハンドル操舵力の操舵トルクを検出するトルクセンサ1と、モータ4の回転数を検出するモータ回転数検出部(6,17)と、モータ4に流れている電流値を検出するモータ電流検出部(5,15A,16A)と、トルクセンサ1で検出した操舵トルクおよびモータ回転数検出部(6,17)で検出したモータ4の回転数に応じて、モータ4に供給する目標電流をそれぞれdq座標系にて設定する目標d軸・q軸電流設定部11a,11bと、目標d軸電流設定部11bで設定した目標d軸電流値と目標q軸電流設定部11aで設定した目標q軸電流値とモータ電流検出部(5,15A,16A)で検出した電流検出値とに基づいてモータ4を駆動するための制御量を演算する制御量演算部(14A,12c,12d,12e,13A)と、制御量演算部からの制御量に従って、モータ4に電流を供給する駆動部20とを備えた電動パワーステアリング制御装置であって、モータ回転数検出部(6,17)と目標d軸電流設定部11bとの間に設けられ、モータ回転数検出部(6,17)で検出したモータ4の回転数にフィルタ処理を施して、フィルタ処理後の回転数を目標d軸電流設定部11bに出力するフィルタ部18を備えた電動パワーステアリング制御装置である。これにより、本実施の形態1においては、高トルク、および、高モータ回転数等、振動発生の可能性のあるd軸電流の状況に応じて、または、その兆候が発生し始めた場合、モータ回転数にフィルタ処理を施すことで、モータ回転数に対するd軸電流目標値の応答性を下げることにより、振動および騒音等を抑制することができる。従って、本実施の形態1では、目標d軸電流値を制限することなく、小規模なソフトウエア構成で、ハンドル操作時に発生する振動および騒音等を抑制することができる。
さらに、本実施の形態4によれば、フィードバック制御部13Aが、3相(U,V,W)毎の制御量を求めて、モータ4を駆動できるので、モータ4内の巻装されたコイルの相違、例えば抵抗値他が異なっていても、それぞれに合わせた制御ができるメリットがある。
以上により、制御量演算部の構成が異なっていても、モータ回転数にフィルタ部18によるフィルタ処理を実施することにより、目標d軸電流値を可変して、同様に振動、騒音他を抑制することができる。なお、検出されたd軸、q軸電流の情報をフィルタ部18が使用しない場合、3/2相変換部16は不要となる。
なお、図4の構成に、実施の形態2で示した図2のフィルタ特性設定部19およびモータ電圧部21を追加してもよい。同様に、図4の構成に、実施の形態3で示した図3のフィルタ解除部22を追加してもよい。その場合には、実施の形態2,3と同様の効果が得られることは言うまでもない。
1 トルクセンサ、2 舵角センサ、3 車速センサ、4 モータ、5 モータ電流センサ、6 モータ回転センサ、10 CPU、11 目標電流設定部、11a 目標q軸電流設定部、11b 目標d軸電流設定部、12 減算部、13 フィードバック制御部、14 2/3相変換部、15 モータ電流算出部、16 3/2相変換部、17 モータ回転数算出部、18 フィルタ部、19 フィルタ特性設定部、20 駆動部、21 モータ電圧センサ、22 フィルタ解除部。

Claims (7)

  1. 車両の運転者のハンドル操舵力をアシストするためのモータと、
    前記ハンドル操舵力の操舵トルクを検出するトルクセンサと、
    前記モータの回転数を検出するモータ回転数検出部と、
    前記モータに流れている電流値を検出するモータ電流検出部と、
    前記トルクセンサで検出した操舵トルクおよび前記モータ回転数検出部で検出した前記モータの回転数に応じて、前記モータに供給する目標電流をそれぞれdq座標系にて設定する目標d軸・q軸電流設定部と、
    前記目標d軸電流設定部で設定した目標d軸電流値と前記目標q軸電流設定部で設定した目標q軸電流値と前記モータ電流検出部で検出した電流検出値とに基づいて前記モータを駆動するための制御量を演算する制御量演算部と、
    前記制御量演算部からの制御量に従って、前記モータに電流を供給する駆動部と
    を備えた電動パワーステアリング制御装置であって、
    前記モータ回転数検出部と前記目標d軸電流設定部との間に設けられ、前記モータ回転数検出部で検出した前記モータの回転数にフィルタ処理を施して、フィルタ処理後の回転数を前記目標d軸電流設定部に出力するフィルタ部を備え
    前記フィルタ部は、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、および、移動平均処理フィルタのいずれか1つから構成される、
    電動パワーステアリング制御装置。
  2. 前記フィルタ部は、複数の実施条件のうちの少なくとも1つが成立した場合に前記フィルタ処理を行うものであって、
    前記複数の実施条件は、
    1)前記操舵トルクが、高トルク領域を示す閾値より高く、かつ、前記モータの回転数が、高回転数領域を示す閾値より高い場合、
    2)弱め界磁制御を実施している場合、
    3)前記電流検出値の変化量が、高変化量を示す閾値より大きい場合、
    4)d軸優先制御を実施している場合
    を含む
    請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  3. 前記フィルタ部のカットオフ周波数は、前記モータの電気的特性の共振周波数以下、又は、前記モータが装着されている機械系の共振周波数以下の値に設定されている
    請求項1または2に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  4. 前記モータの端子間電圧を検出して、前記端子間電圧から前記モータに発生する誘起電圧を検出する誘起電圧検出部と、
    前記車両の車速を検出する車速センサと、
    前記フィルタ部のフィルタ特性を設定するフィルタ特性設定部と
    をさらに備え、
    前記フィルタ特性設定部は、前記フィルタ部のフィルタ特性を、前記操舵トルク、前記車速、前記目標d軸電流値、前記目標q軸電流値、前記電流検出値、前記モータの回転数の増減、前記モータの誘起電圧の少なくとも1つにより変更する
    請求項1からまでのいずれか1つに記載の電動パワーステアリング制御装置。
  5. 前記ハンドルの操舵角度を検出する舵角センサと、
    前記モータ回転数または前記ハンドルの操舵角度のいずれか1つに基づいて、前記ハンドルの切り戻し操作を検出する切り戻し検出部と、
    複数の解除条件のうちの少なくとも1つが成立した場合に、前記フィルタ部に対して、前記フィルタ処理の解除指令を送信するフィルタ解除部と
    をさらに備え、
    前記解除条件は、
    a)前記切り戻し検出部が、前記ハンドルの切り戻し操作を検出したとき、
    b)前記複数の実施条件がすべて不成立となったとき
    を含む
    請求項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  6. 前記フィルタ解除部が出力する前記フィルタ処理の解除指令は、
    前記フィルタ部のフィルタ特性を初期値に戻す処理を行なうことを指令する、および、前記フィルタ部のカットオフ周波数を現在値より高い値に変更することを指令する、のうちのいずれか1つである
    請求項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  7. モータを用いて車両の運転者のハンドル操舵力をアシストするための操舵制御方法であって、
    前記ハンドル操舵力の操舵トルクを検出するトルク検出ステップと、
    前記モータの回転数を検出するモータ回転数検出ステップと、
    前記モータに流れている電流値を検出するモータ電流検出ステップと、
    前記トルク検出ステップで検出した前記操舵トルクおよび前記モータ回転数検出ステップで検出した前記モータの回転数に応じて、前記モータに供給する目標電流をそれぞれdq座標系にて設定する目標d軸・q軸電流設定ステップと、
    前記目標d軸電流設定ステップで設定した目標d軸電流値と前記目標q軸電流設定ステップで設定した目標q軸電流値と前記モータ電流検出ステップで検出した電流検出値とに基づいて前記モータを駆動するための制御量を演算する制御量演算ステップと、
    前記制御量演算ステップで演算した前記制御量に従って、前記モータに電流を供給する駆動ステップと
    を備え、
    前記目標d軸電流設定ステップで前記目標d軸電流値を求めるときに用いられる前記モータの回転数は、フィルタ処理を施された値であり、
    前記フィルタ処理は、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、および、移動平均処理フィルタのいずれか1つを用いて行われる、
    操舵制御方法。
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