JP2013085474A - 電動機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本制御装置では、回転子角速度ω[rad/s]の振動周波数におけるゲインが小さくなるように、回転子角速度ω[rad/s]をゲイン調整後角速度ω’[rad/s]に変換するゲイン調整部105を備える。非干渉制御を行うために、非干渉d軸電圧指令値Vd[V]および非干渉q軸電圧指令値Vq[V]を求める非干渉制御部104を備える。非干渉制御部104は、ゲイン調整後角速度ω’[rad/s]、d軸PI出力電圧指令値Vd’[V]およびq軸PI出力電圧指令値Vq’[V]に基づいて求める。更に、非干渉d軸電圧指令値Vd[V]と非干渉q軸電圧指令値Vq[V]から変換された三相電圧指令値Vu、Vv、Vw[V]に基づいて、インバータ2を制御するPWM信号PWMを生成するPWM変換部109とを備える。
【選択図】 図2
Description
(インバータシステムの構成)
以下、図1を参照して、インバータシステムの構成と動作について説明する。図1は、本発明の実施例1に係るインバータシステムの全体構成図である。インバータシステムは、図1に示すように、直流電源1、インバータ2、電動機であるモータ3、電流センサ4、共振特性を有する機械系要素5、位相検出器6、電圧センサ7および制御装置であるコントローラ10を主に備える。ここで、インバータ2は、コントローラ10のPWM信号PWMに基づいて、直流電源1から供給された直流電力を三相電力に変換してモータ3に出力する。モータ3は、インバータ2から供給された三相電力に応じたトルクを発生し、当該トルクを機械系要素5に伝達する。電流センサ4は、モータ3に流れる三相電流値iu[A]、iv[A]、iw[A]を検出する。なお、三相電流値には、iu+iv+iw=0の関係があり、三相のうち二相を検出すれば他の一相は演算によって求められる。これから、電流センサ4は、u相電流値iu[A]およびv相電流値iv[A]を検出する。また、電圧センサ7は、直流電源1の直流電圧値Vdc[V]を検出する。位相検出器6は、レゾルバやエンコーダなどから構成され、モータ3の回転子位相(電気角)θ[rad]を検出する。コントローラ10は、演算装置(CPU)を内蔵し、直流電圧値Vdc[V]、u相電流値iu[A]、v相電流値iv[A]、回転子位相(電気角)θ[rad]、トルク指令値T*[N・m]に基づいて、PWM信号PWMを生成する。
次に、図2を参照して、図1に示したコントローラ10の内部構成について説明する。図2は、図1に示すコントローラ10の内部構成図である。図2に示すように、コントローラ10は、微分部101、table部102、電圧指令値演算手段であるPI制御部103、非干渉制御手段である非干渉制御部104およびゲイン調整手段であるゲイン調整部105を備える。更に、コントローラ10は、第1の座標変換部106、進み補償部107、第2の座標変換部108およびPWM信号生成手段であるPWM変換部109を備える。ここで、微分部101は、下記(数1)式に示すように、モータ3の回転子位相(電気角)θ[rad]を微分して、モータ3の回転子角速度(電気角)ω[rad/s]を演算する。
また、Ld:d軸インダクタンス[H]、Lq:q軸インダクタンス[H]、Ra:電機子抵抗[Ω]である。
進み補償部107は、下記(数7)式に示すように、モータ3の回転子位相(電気角)θ[rad]から、進み補償後のモータ3の回転子位相(電気角)θ’[rad/s]を演算する。
次に、ゲイン調整部105による回転数の振動の低減効果とトルク応答について、図3および図4を参照して説明する。図3は、図2に示すゲイン調整部105による回転数の振動の低減効果を示す図、図4は、図2に示すゲイン調整部105による、回転数一定状態におけるトルク応答を示す図である。ここで、図3は、機械系要素5にステップ状にトルクを発生させた場合の回転数を表している。図3に示すように、非干渉制御を行わない場合に比べて、従来の非干渉制御を行った場合、回転数の振動が大きくなっている。しかし、実施例1では、ゲイン調整部105で変換したゲイン調整後角速度ω’[rad/s]に基づいて非干渉制御を行っているので、回転数の振動を低減させることができる。具体的には、図3に示したように、非干渉制御を行わない場合の回転数の振動と同程度にすることができる。よって、非干渉制御を行っても制御対象のアンモデルや状態変化等に関わらず振動をより低減させることができる。
次に、実施例2に係るインバータシステムについて、実施例1に係るインバータシステムと異なる点を中心に図3乃至図5を参照して説明する。また、実施例2に係るインバータシステムについて、実施例1に係るインバータシステムと同様の構造には同じ番号を付し、説明を省略する。実施例2に係るインバータシステムは、実施例1とほとんど同じである。実施例2に係るインバータシステムが、実施例1に係るインバータシステムと異なる点は、ゲイン調整手段であるゲイン調整部が異なることだけである。実施例2に係るゲイン調整部も、モータ3の回転子角速度(電気角)ω[rad/s]の振動周波数におけるゲインが小さくなるように、回転子角速度(電気角)ω[rad/s]をゲイン調整後角速度ω’[rad/s]に変換する。
次に、実施例3に係るインバータシステムについて、実施例1に係るインバータシステムと異なる点を中心に図3乃至図7を参照して説明する。また、実施例3に係るインバータシステムについて、実施例1に係るインバータシステムと同様の構造には同じ番号を付し、説明を省略する。実施例3に係るインバータシステムは、実施例1とほとんど同じである。実施例3に係るインバータシステムが、実施例1に係るインバータシステムと異なる点は、ゲイン調整手段であるゲイン調整部が異なることだけである。図6は、本発明の実施例3に係るゲイン調整部305の内部ブロック図である。図6に示すように、実施例3に係るゲイン調整部305は、判定手段である判定部3051、計時部3052および出力手段である出力部3053を備えている。
5…機械系要素、6…位相検出器、7…電圧センサ、10…コントローラ、
101…微分部、102…table部、
103…電圧指令値演算手段であるPI制御部、
104…非干渉制御手段である非干渉制御部、
105…ゲイン調整手段であるゲイン調整部、106…第1の座標変換部、
107…進み補償部、108…第2の座標変換部、
109…PWM信号生成手段であるPWM変換部、
305…ゲイン調整手段であるゲイン調整部、
3051…判定手段である判定部、3052…計時部、
3053…出力手段である出力部、
Vdc…直流電圧値、iu…u相電流値、iv…v相電流値、
id…d軸電流値、iq…q軸電流値、id*…d軸電流目標値、
iq*…q軸電流目標値、
Vd’ …d軸電圧指令値であるd軸PI出力電圧指令値、
Vq’ …q軸電圧指令値であるq軸PI出力電圧指令値、
Vd…非干渉d軸電圧指令値、Vq…非干渉q軸電圧指令値、
Vu、Vv、Vw…三相電圧指令値、
T*…トルク指令値、
θ…回転子位相(電気角)、θ’…進み補償後の回転子位相(電気角)、
ω…回転子角速度(電気角)、ω’…ゲイン調整後角速度、
PWM…PWM信号
Claims (4)
- 電動機の回転子角速度とトルク指令値に基づいて求められたd軸電流目標値と、前記電動機に流れる三相電流値から二相変換されたd軸電流値との偏差からd軸電圧指令値を、
前記回転子角速度と前記トルク指令値に基づいて求められたq軸電流目標値と、前記三相電流値から二相変換されたq軸電流値との偏差からq軸電圧指令値を、求める電圧指令値演算手段と、
前記回転子角速度の振動周波数におけるゲインが小さくなるように、前記回転子角速度をゲイン調整後角速度に変換するゲイン調整手段と、
非干渉制御を行うために、前記ゲイン調整後角速度にq軸磁束を乗じたものを前記d軸電圧指令値から減算することにより求める非干渉d軸電圧指令値と、前記ゲイン調整後角速度にd軸磁束を乗じたものを前記q軸電圧指令値に加算することにより求める非干渉q軸電圧指令値と、を求める非干渉制御手段と、
前記非干渉d軸電圧指令値と前記非干渉q軸電圧指令値から変換された三相電圧指令値に基づいて、インバータを制御するPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、を備えることを特徴とする電動機の制御装置。 - 前記ゲイン調整後角速度は、ローパスフィルタを通した後の角速度であることを特徴とする請求項1に記載の電動機の制御装置。
- 前記ゲイン調整後角速度は、ノッチフィルタを通した後の角速度であることを特徴とする請求項1に記載の電動機の制御装置。
- 前記ゲイン調整手段は、前記回転子角速度から振動周波数成分を検知する判定手段と、
前記判定手段が前記振動周波数成分である回転子角速度が所定の閾値を超えたと判定した場合に、現在の前記回転子角速度で固定した角速度、現在の前記回転子角速度をレートリミッタで制限した角速度、または、現在の前記回転子角速度をローパスフィルタやノッチフィルタを通した後の角速度である前記ゲイン調整後角速度を出力する出力手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動機の制御装置。
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