JP6008119B2 - テープ印刷装置、及び、テープカートリッジ - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、テープ印刷装置において、光センサーによってテープの位置をより確実に検出できるようにすることを目的とする。
この構成によれば、ラベル用テープの位置合わせ用の変形部に対し、光センサーの上流側でヘッドによって印刷がなされるので、光センサーは印刷が施された変形部の形状を検出する。このように印刷を施すことで、光センサーが変形部の形状を検出する際の検出値の変化が、より顕著になる。これにより、ラベル用テープの材料の反射率や透過率の影響を受けることなく、光センサーによってラベル用テープの位置をより確実に検出できる。
この構成によれば、光センサーによって光を照射することにより、被検出部を検出する。このため、印刷ヘッドにより変形部に印刷を施すことによって、切り欠き部と被検出部とにおける光センサーの検出値の差がより顕著になる。これにより、ラベル用テープの位置をより確実に検出できる。
この構成によれば、ヘッドにより切り欠き部に対する印刷動作を行わないため、ヘッドの寿命を向上できるとともに、印刷動作で消費するエネルギーを低減できる。
この構成によれば、最初にヘッドの印刷位置に達する被検出部の位置が正確に特定されていなくても、被検出部の全体に印刷を行うことで、光センサーが切り欠き部と被検出部との境界を確実に検出できる。このため、印刷動作を開始した直後であってもラベル用テープの位置をより確実に検出できる。
この構成によれば、ラベル用テープの側端部には変形部が形成され、インクリボンは、ダイカットラベル、および、変形部を含む範囲に重なるように設けられたため、このテープカートリッジを用いて印刷を行う印刷装置によって、ダイカットラベルだけでなく変形部に印刷を施すことができる。これにより、印刷装置において、変形部に印刷を施して確実にラベル用テープの位置を検出できる。
また、本発明は、上記テープカートリッジであって、前記変形部は、前記ラベル用テープの長手方向に所定間隔で並ぶ被検出部と、前記被検出部の間を切り欠いて形成された切り欠き部とにより構成されることを特徴とする。
この構成によれば、変形部は、ラベル用テープの長手方向に所定間隔で並ぶ被検出部と、被検出部の間を切り欠いて形成された切り欠き部とにより構成されるため、このテープカートリッジを用いて印刷を行う印刷装置によって、変形部に印刷を施すことにより、切り欠き部と被検出部との境界を確実に検出できる。
[第1の実施形態]
テープ印刷装置1は、装着したテープカートリッジ2からラベル用テープ70を繰出しながら搬送し、このラベル用テープ70に所望の印刷を行うと共にその印刷済み部分を切断して、所望のラベルを得るものである。
図1及び図2に示すように、テープ印刷装置1は、テープカートリッジ2が着脱自在に装着されるカートリッジ装着部3と、ラベル用テープ70に熱転写による印刷を行う印刷ヘッド5を有する印刷部4と、ラベル用テープ70の位置を検出する光センサー6と、印刷部4の下流側に配設されたカッター機構9と、これら構成装置を中枢的に制御する制御部10と、を備えている。
カートリッジケース21には、印刷ヘッド5に対応する位置に矩形の開口部28が形成されており、この開口部28に印刷ヘッド5が挿入される。テープカートリッジ2のプラテンローラー24は、開口部28に遊挿された印刷ヘッド5に接触するように配設されている。
印刷ヘッド5は、複数の発熱素子をテープ幅方向に列設した記録素子列11を有し、この記録素子列11の長さは、ラベル用テープ70の最大幅に対応している。すなわち、本実施形態の印刷ヘッド5では、記録素子列11を構成する複数の発熱素子を、印刷データに基づいて選択的に発熱駆動し、ラベル用テープ70の送りと同期させて1ラインずつのドット印刷を行うようになっている。
テープカートリッジ2をカートリッジ装着部3に装着すると、プラテンローラー24がプラテン軸33に、また、巻取りコア27が巻取り軸34に装着され、ラベル用テープ70の送りとインクリボン23の送りとが可能な状態(送り待機状態)となる。
変形部73は、ラベル用テープ70の搬送方向(長手方向)におけるダイカットラベル74の搬送位置を検出するための目印として機能する。すなわち、ラベル用テープ70には、各ダイカットラベル74に対応して1つの被検出部75及び切り欠き部76が形成されている。ラベル用テープ70の搬送方向において、各ダイカットラベル74は、被検出部75の前端と切り欠き部76の後端との間に位置している。また、ラベル用テープ70の幅方向においては、ダイカットラベル74はラベル用テープ70の中央部に配置されている。本実施形態では、ダイカットラベル74の印刷開始位置と被検出部75の先端とが、搬送方向において同じ位置となっている。
インクリボン23(図1)は、ラベル用テープ70の全幅に重なる幅を有する。このため、ラベル用テープ70に重ねて搬送される状態では、インクリボン23がダイカットラベル74及び変形部73の両方に重なる。
また、本実施形態の光センサー6は、ラベル用テープ70の搬送方向において印刷ヘッド5より下流側に位置している。光センサー6の位置は、印刷ヘッド5の記録素子列11の近傍において記録素子列11よりも上流側に位置する印刷開始基準位置Pから、被検出部75の1ピッチ分だけ下流側に離れている。このため、あるダイカットラベル74に対応する被検出部75が検出位置Sに到達したタイミングで、次のダイカットラベル74が印刷開始基準位置Pに到達している。ここで、印刷開始基準位置Pは、記録素子列11の近傍であって、ラベル用テープ70が印刷開始基準位置Pから記録素子列11まで搬送される時間が、制御部10により印刷開始を制御するために必要な時間より長くなるような位置である。この構成では、制御部10が光センサー6の検出値に基づいて被検出部75の先端を検出してから、印刷ヘッド5を駆動して印刷動作を開始するための処理を実行し、検出された被検出部75の次の被検出部75に並ぶダイカットラベル74を印刷できる。
制御部10が備える記憶部52には、ラベル用テープ70の最大幅、被検出部75の長さ及び幅、被検出部75のピッチ、切り欠き部76の長さ及び幅、ダイカットラベル74の印刷可能範囲、記録素子列11の位置や長さ、記録素子列11と光センサー6との距離、搬送速度、変形部73の印刷状態の設定、印刷開始基準位置Pから記録素子列11までの距離や搬送時間、印刷開始基準位置Pから検出位置Sまでの距離や搬送時間等のうち少なくともいずれかの情報が格納されており、制御部10はこれらの情報に基づいて印刷を行う。
制御部10は、図3に示すように、被検出部75が検出位置Sに到達し、受光素子6bの受光量が低下したときを印刷開始時期と判定し、記録素子列11に通電してダイカットラベル74及び被検出部75に印刷する。また、制御部10は、予め記憶部52に記憶したダイカットラベル74のサイズに基づき、印刷を開始してから所定量を搬送したときを印刷終了時期と判定して、印刷ヘッド5による印刷を終了する。
また、制御部10は、ラベル用テープ70の搬送開始と同時に被検出部用記録素子部11aへの通電を開始し、この通電を、最初の被検出部75aが光センサー6によって検出されるまで継続するので、ラベル用テープ70の初期位置に影響されずに被検出部75aの全面を黒色に着色できる。
さらに、本実施形態では、2番目以後の被検出部75b、75c…に対して、各被検出部75の一部にのみ印刷を行う例について説明する。本実施形態では被検出部75の先端を印刷開始時期の判定に用いるので、各被検出部75の前端部77のみが着色されていれば、印刷開始時期の判定を正確に行うことができる。
従って、印刷開始時期の判定に影響を及ぼすことなく、被検出部75への着色面積を減らし、被検出部用記録素子部11aに通電される電力を節約できる。また、被検出部用記録素子部11aの消耗を低減できるので、長寿命化が期待できる。
さらにまた、制御部10は、切り欠き部76が被検出部用記録素子部11aの下を通過している間、被検出部用記録素子部11aへの通電をオフにする制御を行ってもよい。制御部10が、ラベル用テープ70を搬送する間、被検出部用記録素子部11aに常時通電すれば、被検出部75の全面に着色される一方、切り欠き部76への印刷は行われない。この場合も、被検出部75に印刷が施されるため、本発明の効果を得ることができる。さらに、制御部10が、被検出部75の検出タイミングに基づいて切り欠き部76が印刷ヘッド5の印刷位置を通過するタイミングを特定し、切り欠き部76が通過する間の被検出部用記録素子部11aへの通電をオフにする。これにより、消費電力の抑制を図ることができる。
制御部10は、キーボード54の操作により印刷データが入力され(ステップS1)、印刷の指示が入力されると(ステップS2)、印刷処理を開始する。すなわち、制御部10は、変形部73の被検出部75に対する印刷状態を全面印刷に設定し(ステップS3)、被検出部用記録素子部11aへの通電を開始する(ステップS4)。これにより、最初に印刷ヘッド5の印刷位置に達した被検出部75aに印刷が行われる。
制御部10は、その後のダイカットラベル74に対しても、被検出部75が光センサー6によって検出される毎に印刷を実行し(ステップS7)、印刷指示された全てのダイカットラベル74の印刷が完了すると、ラベル用テープ70の搬送を停止する(ステップS8)。制御部10は、カッターモーター41を駆動してラベル用テープ70のカットを実行し(ステップS9)、一連の動作を終了する。
さらに、ラベル用テープ70に対する印刷動作を開始した後、最初に印刷ヘッド5の印刷位置に達する被検出部75aに対して、印刷ヘッド5により被検出部75aの全体に印刷を行うので、印刷動作を開始したばかりで変形部73の位置を特定できない状態であっても、被検出部75aの全面に確実に着色できる。
また、変形部73は、ラベル用テープ70の長手方向に所定間隔で並ぶ被検出部75と、被検出部75の間を切り欠いて形成された切り欠き部76とにより構成されるため、被検出部75の位置に基づいてラベル用テープ70の位置を検出できる。
また、上記第1の実施形態では、最初の印刷では、最初の被検出部75aの全面を黒色に印刷し、最初より後の印刷では、各被検出部75の前端部77のみに印刷するものとして説明したが、これに限らず、停止時のラベル用テープ70の位置が毎回所定の位置に決められている等、制御部10がラベル用テープ70を把握している場合、最初の被検出部75の印刷時から被検出部75の前端部77のみに印刷するようにしても良い。
図5は、ラベル用テープ70の表側から見たテープ印刷装置1の要部構造図である。図5中の各符号は図2及び図3と同様である。
例えば、図5に示すように、制御部10は、被検出部75の後端部79にのみ着色するように印刷を行ってもよい。
以下、図6を参照して、本発明を適用した第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態において、上記第1の実施形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施形態では、変形部73として、幅方向に突出する略矩形の被検出部75と、ラベル用テープ70の長手方向に所定間隔で並ぶ各被検出部75の間を略矩形に切り欠いて形成された切り欠き部76とにより構成された例を挙げて説明した。この第2の実施形態では、ラベル用テープ270の一方の側端部に孔を形成することで、変形部273を構成した例について説明する。
ラベル用テープ270は、ラベル用テープ70と同様に記録テープ71及び剥離テープ72(図1)を有する。ラベル用テープ270の一方の側端部には、変形部273が形成されている。変形部273は、ラベル用テープ270の長手方向に所定間隔で並ぶ位置検出孔275と、位置検出孔275の間で孔が開いていない部分、すなわち長手方向に延びる平面部276とにより構成されている。
印刷ヘッド5は、記録素子列11によりラベル用テープ270に印刷する。記録素子列11の一端部において、変形部273に重なって平面部276に印刷する部分を、平面部用記録素子部11cとする。
制御部10は、ラベル用テープ270の搬送中に平面部用記録素子部11cに連続して通電し、図6に示すように変形部273を全長に亘って黒色に印刷する。位置検出孔275は孔であるため印刷されず、平面部276のみに帯状の着色部が形成される。ここで、制御部10は、位置検出孔275が平面部用記録素子部11cを通過する間に平面部用記録素子部11cへの通電をオフにしても良い。この場合は消費電力を抑制できる。
例えば、上記実施形態では、光センサー6を、ラベル用テープ70の印刷面側に配置される発光素子6aと、発光素子6aに対向してラベル用テープ70の裏面側に配置される受光素子6bとを備えた透過型の光センサーとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、光センサーは、発光素子6aに替えて、ラベル用テープ70の印刷面を向いて配置される発光素子及び受光素子を備えた反射型光センサーを設けた構成としてもよい。この場合、受光素子6bが設置された位置、すなわちラベル用テープ70の搬送路を挟んで反射型光センサーに対向する位置に、光を反射するミラー等を備えた反射部が配置される。この構成では、反射型光センサーは、検出位置Sにラベル用テープ70が存在しない場合には発光素子が発した光の反射光が受光素子により受光され、検出位置Sにラベル用テープ70が存在する場合は発した光が遮られる。このため、受光素子の受光量は、ラベル用テープ70が存在する場合は低く、ラベル用テープ70が存在しない場合は高くなる。この受光量の差に基づき、制御部10は、検出位置Sにおけるラベル用テープ70の有無を検出できる。この場合において、反射型光センサーがラベル用テープ70の印刷面71aに向けて光を発する構成とすれば、被検出部75の印刷面71aが着色された場合の反射光の光量が非印刷状態よりも低くなる。このため、反射型光センサーの受光量の変化がより顕著になり、反射光による誤検出を防止し、より確実に被検出部75を検出できる。
また、上記各実施形態では、発熱素子を備えた印刷ヘッド5を有する熱転写式のテープ印刷装置1を例に挙げて説明したが、本発明を適用可能な装置はこれに限定されず、インクジェット式プリンター、感熱ロール紙等に印刷するサーマル式プリンター、ドットインパクト式プリンター、或いは、これらの装置を内蔵した複合機に対して本発明を適用することも可能である。
その他の細部構成についても、本発明の手指を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
Claims (6)
- 側端部に位置合わせ用の変形部が形成されたラベル用テープに対し、前記変形部の形状を検出する光センサーと、
前記光センサーの上流側で前記ラベル用テープ及び前記変形部に印刷するヘッドとを有することを特徴とするテープ印刷装置。 - 前記ラベル用テープの前記変形部は、前記ラベル用テープの長手方向に所定間隔で並ぶ被検出部と、前記被検出部の間を切り欠いて形成された切り欠き部とにより構成され、
前記光センサーは、前記ラベル用テープの搬送路において前記変形部が搬送される位置に光を照射することにより、前記被検出部を検出すること、
を特徴とする請求項1記載のテープ印刷装置。 - 前記ヘッドにより前記切り欠き部に対する印刷動作を行わず、前記被検出部に印刷を行うことを特徴とする請求項2記載のテープ印刷装置。
- 前記ラベル用テープに対する印刷動作を開始した後、少なくとも最初に前記ヘッドの印刷位置に達する前記被検出部に対して、前記ヘッドにより前記被検出部の全体に印刷を行うこと、
を特徴とする請求項2または3記載のテープ印刷装置。 - ダイカットラベル用の切り込みが形成されたラベル用テープと、
前記ラベル用テープに重ねて搬送可能に配置されたインクリボンとを備え、
前記ラベル用テープの側端部には変形部が形成され、
前記インクリボンは、前記ダイカットラベル、および、前記変形部を含む範囲に重なるように設けられたこと、
を特徴とするテープカートリッジ。 - 前記変形部は、前記ラベル用テープの長手方向に所定間隔で並ぶ被検出部と、前記被検出部の間を切り欠いて形成された切り欠き部とにより構成されること、
を特徴とする請求項5記載のテープカートリッジ。
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