以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
[第1実施形態]
<1.1:車両用試験装置の構成>
図1は、第1実施形態に係る車両用試験装置1000の概略構成図である。
車両用試験装置1000は、供試体であるモータやトランスミッション等を回転させた状態で該供試体の各種測定データを得るための試験装置である。
車両用試験装置1000は、図1に示すように、動力を発生させる供試モータM1(供試体)と、ダイナモ(回転体)L1と、供試モータM1とダイナモL1とを連結する中間軸AX1と、中間軸AX1に発生するトルク値を検出するトルク検出器TQ1と、ダイナモL1の速度(角速度)を検出する速度検出部SP1と、を備える。
また、車両用試験装置1000は、トルク指令(指令トルク値)に基づいてダイナモL1を制御するダイナモ制御部1と、トルク検出器TQ1により検出されたトルク値に基づいてダイナモL1で生じるトルクT1と供試モータM1で生じるトルクT2とを取得するトルク取得部2と、ダイナモL1で生じるトルクT1と供試モータM1で生じるトルクT2とから減衰トルク値TDを取得する減衰トルク取得部3と、トルク指令に基づいて供試モータM1を制御するモータ制御部4と、を備える。
なお、本実施形態では、動力系の試験装置を含む車両用試験装置を一例として説明しているが、車両用試験装置は他の用途の試験装置であってもよい。
供試モータM1は、例えば、回転軸を有する電動モータであり、その回転軸(不図示)が中間軸AX1に連結される。具体的には、供試モータM1の回転軸と中間軸AX1とは、両者にそれぞれ設けられたカップリング同士がボルトによって締結されることにより、連結される。また、供試モータM1(供試体)は、モータ制御部4から出力される電流に基づいて、駆動制御される。つまり、供試モータM1(供試体)は、モータ制御部4から出力される電流値に基づいて、回転軸を回転させることで、ダイナモL1が接続されている中間軸AX1を回転駆動する。
中間軸AX1は、供試モータM1とダイナモL1とを連結する部材である。
トルク検出器TQ1は、中間軸AX1に設けられている。トルク検出器TQ1は、ダイナモL1と供試モータM1との間に生じるトルクを検出する。そして、トルク検出器TQ1は、検出したトルクをトルク値としてトルク取得部2に出力する。なお、トルク検出器TQ1は、中間軸AX1上に設けられている。そのため、以下の説明において、ダイナモL1で生じるトルクとは、ダイナモL1に生じるトルクだけでなく、中間軸AX1の一部で生じるトルクも含む。同様に、供試モータM1に生じるトルクとは、供試モータM1に生じるトルクだけでなく、中間軸AX1の一部で生じるトルクも含む。本実施形態では、上述のように各慣性体で生じるトルクに中間軸で生じるトルクも含まれているが、各慣性体に生じるトルクを他の方法によって検出することにより、各慣性体のみに生じるトルクを求めるようにしてもよい。
ダイナモ(回転体)L1は、供試モータM1の回転に対して負荷として機能する。例えば、ダイナモL1は、その発生トルクを制御することにより動力発生体である供試モータM1にかかる負荷を調整することができる(供試モータM1に加わるトルク負荷を模擬する)。ダイナモL1は、例えば、電動モータであり、ダイナモ制御部1から入力される電流に応じて回転数及び出力トルクが制御される。ダイナモL1の構成は、一般的な電動モータと同様であるため、詳しい説明を省略する。
ダイナモL1の回転子は、中間軸AX1を介して供試モータM1の回転軸に接続されている。なお、ダイナモL1の回転子と中間軸AX1とは、両者にそれぞれ設けられたカップリング同士がボルトによって締結されることにより、駆動連結されている。
速度検出部SP1は、ダイナモL1の回転子の回転速度(角速度)を検出する。速度検出部SP1は、例えば、回転速度センサである。速度検出部SP1は、検出したダイナモL1の回転子の回転速度を実速度値としてダイナモ制御部1に出力する。
ダイナモ制御部1は、図1に示すように、速度指令からダイナモL1の実速度値を減算する減算器11と、減算器11からの出力を目標トルク値T01refに変換する速度制御部12(ASR(Automatic Speed Regulator))と、目標トルク値T01refから減衰トルク値TDを減算する減算器13と、減算器13の出力を電流に変換する指令変換部14(T/I)と、指令変換部14により変換された電流によりダイナモL1を制御する電流制御部15(ACR(Automatic Current Regulator))と、を備える。
ダイナモ制御部1は、速度指令(目標速度値)と、速度検出部SP1から出力されるダイナモL1の実速度値と、減衰トルク取得部3に出力される減衰トルク値TDとを入力とする。ダイナモ制御部1は、速度指令、ダイナモL1の実速度値および減衰トルク値に基づいて、ダイナモL1を電流制御するための電流を生成し、生成した電流をダイナモL1に出力する。
なお、図1において、供試モータM1からダイナモL1を見たときの右回転を「正」の回転方向とする(以下、同様)。
トルク取得部2は、図1に示すように、減算器13の出力(ダイナモ用補正後トルク値T1ref)からトルク検出器TQ1から出力されるトルク値Tを減算する減算器21と、モータ制御部4の加算器41の出力(モータ用補正後トルク値T2ref)とトルク値Tとを加算する加算器22と、を備える。トルク取得部2は、トルク検出器TQ1から出力されるトルク値Tに基づいて、回転体用トルク値T1と、供試体用トルク値T2とを取得し、減衰トルク取得部3に出力する。
減衰トルク取得部3は、図1に示すように、トルク取得部2から出力される回転体用トルク値T1を加速度値α1に変換するトルク/加速度変換部31(1/J1)と、トルク取得部2から出力される供試体用トルク値T2を加速度値α2に変換するトルク/加速度変換部32(1/J2)と、を備える。また、減衰トルク取得部3は、トルク/加速度変換部31の出力(α1)からトルク/加速度変換部32の出力(α2)を減算する減算器33と、減算器33の出力(Δα)を時間で積分する積分器34と、積分器34の出力から減衰トルク値TDを取得する減衰トルク算出部35と、を備える。
モータ制御部4は、図1に示すように、供試モータM1用のトルク指令と減衰トルク値とを加算する加算器41と、加算器41の出力を電流に変換する指令変換部42(T/I)と、指令変換部42により変換された電流により供試モータM1を制御する電流制御部43(ACR(Automatic Current Regulator))と、を備える。
<1.2:車両用試験装置の動作>
以上のように構成された車両用試験装置1000の動作について、以下、説明する。
まず、図1で示したダイナモL1と供試モータM1とが中間軸AX1により連結された軸系のモデル(2慣性系モデル(共振機械系のモデル))について、図2を用いて説明する。
図2は、ダイナモL1と供試モータM1とが中間軸AX1により連結された軸系のブロック線図である。図2中に示した符号の意味は、以下の通りである。
TL:ダイナモL1の目標トルク値T01refに対応するトルク
TM:供試モータM1の目標トルク値T02refに対応するトルク
J1:ダイナモL1の慣性モーメント(中間軸AX1の一部の慣性モーメントも含む。以下、同じ)
J2:供試モータM1の慣性モーメント(中間軸AX1の一部の慣性モーメントも含む。以下、同じ)
K:ばね定数
D0:減衰係数
α1:ダイナモL1の角加速度
α2:供試モータM1の角加速度
ω1:ダイナモL1の角速度
ω2:供試モータM1の角速度
Δω:ダイナモL1と供試モータM1の角速度差
Δθ:ダイナモL1と供試モータM1のねじれ角
図2に示すように、ダイナモL1と供試モータM1との間に生じる軸トルクTは、
T=K×Δθ+D0×Δω
となる。減衰係数D0は、軸系の構成によって決定される係数である。
2慣性系モデル(共振機械系のモデル)の軸系において検出されたトルク値にノイズが含まれており、そのノイズ成分の周波数が軸系のねじり共振周波数と一致すると、共振現象が発生する。このような共振現象により、軸系において検出されたトルク値のノイズ成分が増大されると、供試モータM1の特性を正確に測定することが困難になる。
一方、2慣性系モデル(共振機械系のモデル)の軸系の構成によって決定される減衰係数D0がある程度大きい場合、ねじり振動が発生しにくくなる。つまり、減衰係数D0が大きいと、ねじり振動に対する減衰効果は高くなる。減衰係数D0とねじり振動の共振倍率Qとは反比例の関係にあるので、減衰係数を大きくすることができれば、ねじり振動の共振倍率Qを低く抑えることができる。その結果、2慣性系モデル(共振機械系のモデル)の軸系において、ねじり振動の増大を抑制することができる。
車両用試験装置1000では、制御的に減衰トルクを発生させることで、機械的に減衰係数が不足する(減衰係数が小さい)軸系においても、ねじり振動に対する減衰効果を高め、ねじり振動の増大を抑制することができる。
次に、車両用試験装置1000の具体的な動作について、図1を用いて、説明する。
ダイナモL1側の制御では、まず、速度指令、すなわち、ダイナモL1の目標速度値(目標角速度値)N1refが、ダイナモ制御部1(ダイナモ制御部1の減算器11)に入力される。
ダイナモ制御部1の減算器11では、ダイナモL1の目標速度値(目標角速度値)N1refおよび速度検出部SP1により検出されたダイナモL1の実速度値N1が入力される。そして、減算器11では、
N01ref=N1ref−N1
により、目標速度値と実速度値との差分値N01refが取得され、取得された差分値N01refは、速度制御部12(ASR)に出力される。
速度制御部12では、目標速度値と実速度値との差分値N01refに対応する目標トルク値T01refが取得される。そして、取得された目標トルク値T01refは、減算器13に出力される。
減算器13では、速度制御部12から出力される目標トルク値T01refと、減衰トルク取得部3から出力される減衰トルク値TDを用いて、
T1ref=T01ref−TD
により、ダイナモ用補正後トルク値T1refが取得される。そして、取得されたダイナモ用補正後トルク値T1refは、指令変換部14(T/I)およびトルク取得部2の減算器21に出力される。
指令変換部14(T/I)では、減算器13から出力されるダイナモ用補正後トルク値T1refが電流値に変換(トルク/電流変換)される。そして、変換された電流値は、電流指令値I1refとして電流制御部15に出力される。
電流制御部15(ACR)では、指令変換部14(T/I)から出力される電流指令値I1refに対応する電流が生成される。そして、生成された電流がダイナモL1に供給(出力)されることで、ダイナモL1が制御される。すなわち、電流制御部15(ACR)で生成された、電流指令値I1refに対応する電流が、ダイナモL1に供給(出力)されることで、ダイナモL1の回転数及び出力トルクが制御される。
供試モータM1側の制御では、まず、トルク指令、すなわち、供試モータM1の目標トルク値T02refがモータ制御部4(モータ制御部4の加算器41)に入力される。
モータ制御部4の加算器41では、供試モータM1の目標トルク値T02refに、減衰トルク取得部3から入力された減衰トルク値TDが加算される。すなわち、
T2ref=T02ref+TD
により、モータ用補正後トルク値T2refが取得される。そして、取得されたモータ用補正後トルク値T2refは、指令変換部42(T/I)およびトルク取得部2の加算器22に出力される。
指令変換部42(T/I)では、加算器41から出力されるモータ用補正後トルク値T2refが電流値に変換(トルク/電流変換)される。そして、変換された電流値は、電流指令値I2refとして電流制御部43に出力される。
電流制御部43(ACR)では、指令変換部42(T/I)から出力される電流指令値I2refに対応する電流が生成される。そして、生成された電流が供試モータM1に供給(出力)されることで、供試モータM1が制御される。すなわち、電流制御部43(ACR)で生成された、電流指令値I2refに対応する電流が、供試モータM1に供給(出力)されることで、供試モータM1の回転数及び出力トルクが制御される。
トルク検出器TQ1では、ダイナモL1と供試モータM1との間に生じるトルクが検出され、検出されたトルクが軸トルク値(実トルク値)Tとして、トルク取得部2に出力される。
トルク取得部2の減算器21では、ダイナモ制御部1の減算器13から出力されるダイナモ用補正後トルク値T1refから実トルク値Tが減算される。すなわち、トルク取得部2の減算器21では、
T1=T1ref−T
により、ダイナモ側差分トルク値T1が取得される。そして、取得されたダイナモ側差分トルク値T1は、減衰トルク取得部3のトルク/加速度変換部31(1/J1)に出力される。
トルク取得部2の加算器22では、モータ制御部4の加算器41から出力されるモータ用補正後トルク値T2refから実トルク値Tが加算される。すなわち、トルク取得部2の加算器22では、
T2=T2ref+T
により、モータ差分トルク値T2が取得される。そして、取得されたモータ差分トルク値T2は、減衰トルク取得部3のトルク/加速度変換部32(1/J2)に出力される。
トルク/加速度変換部31(1/J1)では、減算器21から出力されるダイナモ側差分トルク値T1が、ダイナモL1の慣性モーメントJ1で除算される。すなわち、トルク/加速度変換部31(1/J1)では、
α1=T1/J1
により、ダイナモ角加速度値α1が取得される。そして、取得されたダイナモ角加速度値α1は減算器33に出力される。
トルク/加速度変換部32(1/J2)では、加算器22から出力されるモータ差分トルク値T2が、供試モータM1の慣性モーメントJ2で除算される。すなわち、トルク/加速度変換部32(1/J2)では、
α2=T2/J2
により、モータ角加速度値α2が取得される。そして、取得されたモータ側角加速度α2は減算器33に出力される。
減算器33では、ダイナモ角加速度値α1からモータ角加速度値α2が減算される。すなわち、減算器33では、
Δα=α1−α2
により、角加速度差Δαが取得される。そして、取得された角加速度差Δαは、積分器34に出力される。
積分器34では、角加速度差Δαを時間で積分することで(積分要素のラプラス変換1/sによる処理を実行することで)、角速度差Δωが取得される。そして、取得された角速度差Δωは、減衰トルク算出部35に出力される。
減衰トルク算出部35では、角速度差Δωに減衰トルク係数D1が乗算される。すなわち、減衰トルク算出部35では、
TD=D1×Δω
により、減衰トルク値TDが取得される。そして、取得された減衰トルク値TDは、ダイナモ制御部1の減算器13およびモータ制御部4の加算器41に出力される。
減衰トルク取得部3で取得される減衰トルク値TDは、角加速度差Δαの位相に対して、π/2だけ遅れた位相の信号(値)である。そして、角加速度差Δαは、ダイナモL1の発生トルクと供試モータM1の発生トルクの差と同位相である。つまり、減衰トルク値TDは、ダイナモL1の発生トルクと供試モータM1の発生トルクの差に対して位相がπ/2だけ遅れた信号(値)である。したがって、目標トルク値T01refを、減衰トルク値TDにより補正したダイナモ用補正後トルク値T1refを用いて、ダイナモL1を制御することで、軸系のねじり振動に対する減衰効果を高めることができる。
なお、減衰トルク値TDを、ダイナモL1と供試モータM1の発生トルクの差に対して、位相がπ/2以外の位相だけ遅れた信号(値)としても、軸系のねじり振動に対する減衰効果を高めることができる。
以上のように、車両用試験装置1000は、トルク検出器TQ1で取得される実トルク値(軸トルクの実測値)Tと、ダイナモ制御部1により取得されるダイナモ用補正後トルク値T1refと、モータ制御部4により取得されるモータ用補正後トルク値T2refとを用いて、角速度差Δω(ダイナモL1と供試モータM1の角速度差)を取得する。そして、車両用試験装置1000は、角速度差Δωに減衰トルク係数D1(制御的に設定した減衰トルク係数)を乗ずることで、減衰トルク値TDを取得し、取得した減衰トルク値により、ダイナモ制御用の目標トルク値T01refを補正したダイナモ用補正後トルク値T1refおよびモータ制御用の目標トルク値T02refを補正したモータ用補正後トルク値T2refを取得する。そして、車両用試験装置1000では、ダイナモ用補正後トルク値T1refによりダイナモL1を制御するとともに、モータ用補正後トルク値T2refにより供試モータM1を制御する。
つまり、車両用試験装置1000では、ダイナモL1と供試モータM1の発生トルクの差に対して所定の位相(本実施形態では、π/2)分遅れた信号値である減衰トルク値TDにより、トルク指令補正し、ダイナモL1および供試モータM1を制御する。すなわち、車両用試験装置1000では、減衰トルク係数D1を調整することで、制御的に減衰トルクを発生させ、ねじり振動に対する減衰効果を高めることができる。
したがって、車両用試験装置1000では、機械的に減衰係数が不足する(減衰係数が小さい)軸系においても、ねじり振動の増大を効果的に抑制することができる。
そして、車両用試験装置1000では、トルク検出器TQ1で取得される実トルク値(軸トルクの実測値)Tを微分することなくそのまま用いて処理を実行するため、トルク検出部から出力されるトルク信号(実トルク値)に含まれるノイズの影響を受けにくい。
図3に、車両用試験装置1000によりねじり共振抑制制御を行った場合の伝達特性(周波数−ゲイン特性)を示す。図3において、横軸は、ダイナモL1に対するトルク指令の周波数であり、縦軸は、ダイナモL1のトルク指令に対する軸系のトルク値の比(ゲイン(dB))である。また、図3において、実線で示したグラフが車両用試験装置1000によりねじり共振抑制制御を行った場合のダイナモL1のトルク指令に対する軸系のトルク値のゲイン特性(周波数−ゲイン特性)を示す曲線であり、点線で示したグラフは、単にダイナモL1の速度制御のみを行った場合のダイナモL1のトルク指令に対する軸系のトルク値のゲイン特性(周波数−ゲイン特性)を示す曲線である。
図3から分かるように、単にダイナモL1の速度制御のみを行った場合には、特定の周波数(42Hzあたり)で共振が生じるため、ゲインが増大する。これに対して、車両用試験装置1000によりねじり共振抑制制御を行った場合には、上記特定の周波数(42Hzあたり)で極端にゲインが大きくなることはない。つまり、車両用試験装置1000によりねじり共振抑制制御を行った場合には、特定の周波数での共振の発生を効果的に抑制することができる。すなわち、車両用試験装置1000によりねじり共振抑制制御を行うことで、軸系のねじり振動を効果的に抑制できることが分かる。
≪第1変形例≫
次に、第1実施形態の第1変形例について、説明する。なお、本変形例において、第1実施形態と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図4に、本変形例の車両用試験装置1000Aを示す。車両用試験装置1000Aは、第1実施形態の車両用試験装置1000において、減衰トルク取得部3を、減衰トルク取得部3Aに置換した構成を有している。減衰トルク取得部3Aは、減衰トルク取得部3において、減算器33と積分器34との間に、ハイパスフィルタ部36を追加した構成を有している。それ以外の構成については、車両用試験装置1000Aは、車両用試験装置1000と同様である。
ハイパスフィルタ部36は、減算器33から出力される角加速度差Δαを入力とする。ハイパスフィルタ部36は、直流成分を通過させない、あるいは、直流成分を低減させる周波数特性を有するハイパスフィルタにより構成されている。したがって、ハイパスフィルタ部36は、入力される角加速度差Δαに含まれる直流成分を除去(あるいは低減)した角加速度差Δα’を取得し、取得した角加速度差Δα’を積分器34に出力する。
上述以外の処理は、第1実施形態と同様である。
以上のように、本変形例の車両用試験装置1000Aでは、直流成分を除去(あるいは低減)した角加速度差Δα’により減衰トルク値TDが取得される。したがって、例えば、ダイナモL1の電流制御の応答特性や供試モータM1の電流制御の応答特性により、ダイナモL1の目標トルク値T01refに対応するトルクTLおよび供試モータM1の目標トルク値T02ref対応するトルクTMに定常偏差が含まれる場合や、トルク検出器TQ1から出力される実トルク値Tに定常偏差が含まれる場合であっても、当該定常偏差に起因する成分は、ハイパスフィルタ部36により除去(あるいは低減)される。その結果、本変形例の車両用試験装置1000Aでは、ねじり振動の増大を効果的に抑制可能な減衰トルク値を取得することができる。
≪第2変形例≫
次に、第1実施形態の第2変形例について、説明する。なお、本変形例において、上記実施形態と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図5に、本変形例の車両用試験装置1000Bを示す。車両用試験装置1000Bは、第1実施形態の車両用試験装置1000において、ダイナモ制御部1をダイナモ制御部1Aに置換し、さらに、モータ制御部4をモータ制御部4Aに置換した構成を有している。そして、トルク取得部2の加算器22には、トルク指令(供試モータM1の目標トルク値)T02refが入力される。
ダイナモ制御部1Aは、図5に示すように、速度制御部12(ASR)から出力される目標トルク値T01refを、トルク検出部2の減算器21に出力する。
他の構成については、車両用試験装置1000Bは、車両用試験装置1000と同様である。
本変形例の車両用試験装置1000Bでは、トルク取得部2および減衰トルク取得部3において、目標トルク値T01refおよび目標トルク値T02refを用いて、第1実施形態と同様の処理により減衰トルク値TDを取得する。つまり、トルク取得部2および減衰トルク取得部3において、第1実施形態では、ダイナモ用補正後トルク値T1refおよびモータ用補正後トルク値T2refを用いて減衰トルク値TDを取得していたが、本変形例では、目標トルク値T01refおよび目標トルク値T02refを用いて減衰トルク値TDを取得する。本変形例の車両用試験装置1000Bにおいても、第1実施形態と同様に、減衰トルク値TDにより補正したダイナモ用補正後トルク値T1refおよびモータ用補正後トルク値T2refを用いて、ダイナモL1および供試モータM1を制御する。言い換えれば、車両用試験装置1000Bでは、制御的に減衰トルクを軸系に与えることができる。したがって、車両用試験装置1000Bにおいても、第1実施形態の車両用試験装置1000と同様に、機械的に減衰係数が不足する(減衰係数が小さい)軸系に対して、ねじり振動の増大を効果的に抑制することができる。
また、本変形例の車両用試験装置1000Bは、モータ制御部4Aを分離しやすい構成であるので、例えば、ダイナモ制御部1A、トルク取得部2および減衰トルク取得部3を1つの装置とし、モータ制御部4Aを別の装置として、本変形例の車両用試験装置1000Bを構成することが容易となる。
≪第3変形例≫
次に、第1実施形態の第3変形例について、説明する。なお、本変形例において、上記実施形態と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図6に、本変形例の車両用試験装置1000Cを示す。車両用試験装置1000Cは、第1実施形態の車両用試験装置1000において、ダイナモ制御部1をダイナモ制御部1Aに置換し、減衰トルク取得部3を減衰トルク取得部3Aに置換し、さらに、モータ制御部4をモータ制御部4Aに置換した構成を有している。そして、トルク取得部2の加算器22には、供試モータM1用のトルク指令(供試モータM1の目標トルク値)T02refが入力される。トルク取得部2の減算器21には、ダイナモL1用のトルク指令(ダイナモL1の目標トルク値)T01refが入力される。
ダイナモ制御部1Aは、上記第1実施形態の第2変形例の車両用試験装置1000Bのダイナモ制御部1Aと同じ構成を有する。
上記以外の構成については、車両用試験装置1000Cは、車両用試験装置1000と同様である。
減衰トルク取得部3Aは、上記第1実施形態の第1変形例の車両用試験装置1000Aの減衰トルク取得部3Aと同じ構成を有する。
モータ制御部4Aは、上記第1実施形態の第2変形例の車両用試験装置1000Bのモータ制御部4Aと同じ構成を有する。
以上の通り、本変形例の車両用試験装置1000Cは、上記第1実施形態の第1変形例と第2変形例を組み合わせたものである。したがって、本変形例の車両用試験装置1000Cは、上記第1実施形態の第1変形例と第2変形例を組み合わせた処理を実行することができる。つまり、本変形例の車両用試験装置1000Cにおいても、制御的に減衰トルクを軸系に与えることができるため、機械的に減衰係数が不足する(減衰係数が小さい)軸系においても、ねじり共振の発生を効果的に抑制することができる。
また、本変形例の車両用試験装置1000Cでは、直流成分を除去(あるいは低減)した角加速度差Δα’により減衰トルク値TDが取得される。したがって、例えば、ダイナモL1の電流制御の応答特性や供試モータM1の電流制御の応答特性によりダイナモL1の目標トルク値T01refに対応するトルクTLおよび供試モータM1の目標トルク値T02ref対応するトルクTMにおいて、定常偏差が含まれる場合や、トルク検出器TQ1から出力される実トルク値Tに定常偏差が含まれる場合であっても、当該定常偏差に起因する成分は、ハイパスフィルタ部36により除去(あるいは低減)される。その結果、本変形例の車両用試験装置1000Cでは、ねじり振動の増大を効果的に抑制可能な減衰トルク値を取得することができる。
また、本変形例の車両用試験装置1000Cは、トルク取得部2の加算器22に、供試モータM1に対する目標トルク値T02refが入力される構成を有する。そのため、第1実施形態の第1変形例の車両用試験装置1000Aのように、供試体用補正後トルク値T2refをトルク取得部2に出力する必要がない。よって、本変形例の車両用試験装置1000Cは、第1実施形態の第1変形例の車両用試験装置1000Aに比べて、モータ制御部4Aの構成をより簡易な構成とすることができる。しかも、本変形例の車両用試験装置1000Cは、モータ制御部4Aを分離しやすい構成であるので、例えば、ダイナモ制御部1Aおよび減衰トルク取得部3Aを1つの装置とし、モータ制御部4Aを別の装置として、本変形例の車両用試験装置1000Cを構成することが容易となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について、説明する。なお、本実施形態において、上記実施形態と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図7に、本実施形態の車両用試験装置2000を示す。車両用試験装置2000は、第1実施形態の車両用試験装置1000において、減衰トルク取得部3を、減衰トルク取得部3Bに置換した構成を有している。減衰トルク取得部3Bは、減衰トルク取得部3において、積分器34をローパスフィルタ部34A(LPF)に置換し、さらに、減衰トルク算出部35を減衰トルク算出部35Aに置換した構成を有している。
ローパスフィルタ部34Aは、1次遅れフィルタにより実現される。1次遅れフィルタの伝達関数G(s)は、
G(s)=1/(1+τs)
s=jω
τ:時定数
j:虚数単位
であるので、τsが「1」に比べて十分大きい場合、
G(s)=1/(1+τs)≒1/τs
となる。つまり、角周波数が大きい領域においては、1次遅れフィルタは、積分要素(1/s)と同様の伝達特性を示す。これについて、図8を用いて説明する。
図8は、1次遅れフィルタの伝達関数G(s)によるボード線図(上図:ゲイン特性図、下図:位相特性図)である。図8中のfcは、カットオフ周波数(fc=1/2πτ)である。
例えば、図8の一点鎖線で示した周波数fa(fa>fc)より周波数が高い領域では、積分要素(伝達関数が1/sである要素)と同様のゲイン特性を示し、また、位相特性も位相遅れが−90°に近くなっており、積分要素の伝達関数(1/s)と同様の位相特性を示している(積分要素の伝達関数(1/s)の位相遅れは常に−90°である)。
つまり、伝達関数G(s)=1/(1+τs)の1次遅れフィルタは、周波数がカットオフ周波数よりも大きい領域において、積分要素の伝達関数(1/s)と同様の特性を示す。
このように、ローパスフィルタ部34Aでは、カットオフ周波数fcより周波数が高い領域において、積分要素の伝達関数(1/s)と同様の特性を示すので、ローパスフィルタ部34Aからの出力Δωxは、第1実施形態の角速度差Δωと類似の性質を有する(類似の物理量となる)。したがって、ローパスフィルタ部34Aからの出力Δωxを用いて、減衰トルク算出部35Aにて、
TD=G1×Δωx
により、減衰トルク値TDを取得することで、第1実施形態と同様に減衰トルク値TDを取得することができる。
なお、ローパスフィルタ部34Aにおける時定数τ(これをτ1とする。つまり、τ=τ1)の設定は、以下のように行うのが好ましい。すなわち、車両用試験装置2000において発生する制御遅れ(トルク検出器TQ1でのトルク検出処理で発生する遅れ、ダイナモL1および/または供試モータM1の電流制御で発生する遅れ、制御演算処理での遅れ、信号処理での遅れ等)の時定数をτ2とし、τall=τ1+τ2により算出される合計時定数をτallとし、車両用試験装置2000における軸系のねじり共振周波数をfrとすると、
(1)1/τall=2π×fr
(2)1/τall≒2π×fr(例えば、0.5×2π×fr≦1/τall≦2×2π×fr)
(3)1/τall<2π×fr
のいずれかが成り立つように、ローパスフィルタ部34Aにおける時定数τ1(=τ)を設定することが好ましい。つまり、ローパスフィルタ部34Aは、上記により決定される時定数τ1(=τ)の1次遅れフィルタにより実現されることが好ましい。
なお、トルク検出器TQ1やダイナモL1および/または供試モータM1の電流制御の応答周波数特性を軸系のねじり共振周波数に対して十分高く設定できない場合、ローパスフィルタ部34Aのカットオフ周波数をねじり共振周波数付近に設定すると、高い減衰効果を維持したまま、ダイナモL1に対するトルク指令に対する発生トルクの追従性を高めることができる。
以上のように、本実施形態の車両用試験装置2000では、ローパスフィルタ部34Aにより、車両用試験装置2000において発生する制御遅れを考慮したフィルタ処理(1次遅れフィルタによる処理)が実行され、そのフィルタ処理結果を用いて減衰トルク値TDが取得される。したがって、車両用試験装置2000では、車両用試験装置2000において発生する制御遅れに応じて、ねじり振動に対する減衰効果を高める減衰トルク値TDを取得することができる。そして、車両用試験装置2000では、制御的に減衰係数を発生させることで、機械的に減衰係数が不足する(減衰係数が小さい)軸系においても、ねじり振動に対する減衰効果を高め、ねじり振動の増大を効果的に抑制することができる。
また、トルク検出器TQ1や、供試モータM1および/またはダイナモL1の電流制御の応答周波数が機械のねじり共振周波数に対して十分高くないと、減衰トルク取得部3の角速度差Δωに定常偏差が発生する。この場合、例えば、減衰トルク取得部3Bのローパスフィルタ部34A(LPF)において、ローパスフィルタのカットオフ周波数をねじり共振周波数よりも低く設定すれば、ねじり共振周波数に対しては積分要素となり、ねじり共振を抑制することができるとともに、定常偏差が発生してもゼロに収束する効果がある。この収束スピードは、LPFのカットオフ周波数をねじり共振周波数に近づけるほど速くなる。
≪第1変形例≫
次に、第2実施形態の第1変形例について、説明する。なお、本変形例において、上記実施形態と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図9に、本変形例の車両用試験装置2000Aを示す。車両用試験装置2000Aは、第2実施形態の車両用試験装置2000において、ダイナモ制御部1をダイナモ制御部1Aに置換し、さらに、モータ制御部4をモータ制御部4Aに置換した構成を有している。そして、トルク取得部2の加算器22には、トルク指令(供試モータM1の目標トルク値)T02refが入力される。トルク取得部2の減算器21には、トルク指令(ダイナモL1の目標トルク値)T01refが入力される。
ダイナモ制御部1Aは、図9に示すように、速度制御部12(ASR)から出力される目標トルク値T01refを、トルク取得部2の減算器21に出力する。
それ以外の構成については、車両用試験装置2000Aは、車両用試験装置2000と同様である。
本変形例の車両用試験装置2000Aでは、トルク取得部2および減衰トルク取得部3Bにおいて、目標トルク値T01refおよび目標トルク値T02refを用いて、第2実施形態と同様の処理により減衰トルク値TDを取得する。つまり、トルク取得部2および減衰トルク取得部3Bにおいて、第2実施形態では、ダイナモ用補正後トルク値T1refおよびモータ用補正後トルク値T2refを用いて減衰トルク値TDを取得していたが、本変形例では、目標トルク値T01refおよび目標トルク値T02refを用いて減衰トルク値TDを取得する。本変形例の車両用試験装置2000Aにおいても、第2実施形態と同様に、減衰トルク値TDにより補正したダイナモ用補正後トルク値T1refおよびモータ用補正後トルク値T2refを用いて、ダイナモL1および供試モータM1を制御する。言い換えれば、車両用試験装置2000Aでは、制御的に減衰トルクを軸系に与えることができる。したがって、車両用試験装置2000Aにおいても、第1実施形態の車両用試験装置1000と同様に、機械的に減衰係数が不足する(減衰係数が小さい)装置において、ねじり共振の発生を効果的に抑制することができる。
また、本変形例の車両用試験装置2000Aは、トルク取得部2の加算器22には、供試モータM1に対する目標トルク値T02refが入力される構成を有する。第2実施形態の車両用試験装置2000のように、供試体用補正後トルク値T2refを減衰トルク取得部3Bに出力する必要がない。よって、本変形例の車両用試験装置2000Aは、第2実施形態の車両用試験装置2000に比べて、モータ制御部4Aの構成をより簡易な構成とすることができる。
しかも、本変形例の車両用試験装置2000Aは、モータ制御部4Aを分離しやすい構成であるので、例えば、ダイナモ制御部1A、トルク取得部2および減衰トルク取得部3Bを1つの装置とし、モータ制御部4Aを別の装置として、本変形例の車両用試験装置2000Aを構成することが容易となる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について、説明する。なお、本実施形態において、上記実施形態と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図10に、本実施形態の車両用試験装置3000を示す。車両用試験装置3000は、第1実施形態の車両用試験装置1000において、減衰トルク取得部3を減衰トルク取得部3Cに置換し、さらに、モータ制御部4をモータ制御部4Bに置換した構成を有している。そして、トルク取得部2の加算器22およびモータ制御部4Bには、トルク指令(供試モータM1の目標トルク値)T02refが入力される。
減衰トルク取得部3Cは、減衰トルク算出部35で取得される減衰トルク値TDをダイナモ制御部1のみに出力するように変更したものである。
モータ制御部4Bは、第1実施形態のモータ制御部4の加算器41がない構成である。目標トルク値T02refは、トルク取得部2の加算器22に入力される。
上記の点以外については、本実施形態の車両用試験装置3000は、第1実施形態の車両用試験装置1000と同様である。
本実施形態の車両用試験装置3000では、第1実施形態の車両用試験装置1000と異なり、減衰トルク取得部3Cで取得された減衰トルク値TDがダイナモ制御部1のみに出力される。つまり、ダイナモ制御部1でのみ減衰トルク値TDにより補正されたトルク値(ダイナモ用補正後トルク値T1ref)による制御が実行される。
車両用試験装置3000では、ダイナモ制御部1のみで減衰トルク値TDを用いた制御を行うので、軸系のねじり振動の増大を抑えつつ、装置構成を簡単にすることができる。しかも、供試体であるモータ側で減衰トルク値TDを用いた制御を行う必要がなくなる。また、例えば、モータ制御部4Bを別装置とすることも容易となる。
なお、本実施形態の車両用試験装置3000においても、ダイナモ制御部1で減衰トルク値TDにより補正されたトルク値(ダイナモ用補正後トルク値T1ref)による制御が実行されるので、従来の技術に比べると、ねじり共振抑制効果は遙かに高い。
≪第1変形例≫
次に、第3実施形態の第1変形例について、説明する。なお、本実施形態において、上記実施形態と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図11に、本変形例の車両用試験装置3000Aを示す。車両用試験装置3000Aは、第3実施形態の車両用試験装置3000において、減衰トルク取得部3Cを減衰トルク取得部3Dに置換した構成を有している。
減衰トルク取得部3Dは、減算器33と積分器34との間にハイパスフィルタ部36が設けられた構成を有する。
上記の点以外については、本実施形態の車両用試験装置3000Aは、第3実施形態の車両用試験装置3000と同様である。
ハイパスフィルタ部36は、減算器33から出力される角加速度差Δαを入力とする。ハイパスフィルタ部36は、直流成分を通過させない、あるいは、直流成分を低減させる周波数特性を有するハイパスフィルタにより構成されている。したがって、ハイパスフィルタ部36は、入力される角加速度差Δαに含まれる直流成分を除去(あるいは低減)した角加速度差Δα’を取得し、取得した角加速度差Δα’を積分器34に出力する。
ハイパスフィルタ部36以外の処理は、第3実施形態と同様である。
以上のように、本変形例の車両用試験装置3000Aでは、直流成分を除去(あるいは低減)した角加速度差Δα’により減衰トルク値TDが取得される。したがって、例えば、ダイナモL1の電流制御の応答特性や供試モータM1の電流制御の応答特性によりダイナモL1の目標トルク値T01refに対応するトルクTLおよび供試モータM1の目標トルク値T02ref対応するトルクTMにおいて、定常偏差を含む場合や、トルク検出器TQ1から出力される実トルク値Tに定常偏差を含む場合であっても、当該定常偏差に起因する成分は、ハイパスフィルタ部36により除去(あるいは低減)される。その結果、本変形例の車両用試験装置3000Aでは、ねじり振動の増大を効果的に抑制可能な減衰トルク値を取得することができる。
≪第2変形例≫
次に、第3実施形態の第2変形例について、説明する。なお、本実施形態において、上記実施形態と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図12に、本変形例の車両用試験装置3000Bを示す。車両用試験装置3000Bは、第3実施形態の車両用試験装置3000において、ダイナモ制御部1をダイナモ制御部1Aに置換した構成を有している。
ダイナモ制御部1Aは、図12に示すように、速度制御部12(ASR)から出力される目標トルク値T01refを、トルク取得部2の減算器21に出力する。
他の構成については、第3実施形態の車両用試験装置3000と同様である。
本変形例の車両用試験装置3000Bでは、トルク取得部2および減衰トルク取得部3Cにおいて、目標トルク値T01refを用いて、第3実施形態と同様の処理により減衰トルク値TDを取得する。つまり、トルク取得部2および減衰トルク取得部3Cにおいて、第3実施形態では、ダイナモ用補正後トルク値T1refを用いて減衰トルク値TDを取得していたが、本変形例では、目標トルク値T01refを用いて減衰トルク値TDを取得する。本変形例の車両用試験装置3000Bにおいても、第3実施形態と同様に、減衰トルク値TDにより補正したダイナモ用補正後トルク値T1refを用いて、ダイナモL1の回転を制御する。言い換えれば、車両用試験装置3000Bでは、軸系に対して、制御的に減衰トルクを与えることができる。
したがって、車両用試験装置3000Bにおいても、第3実施形態の車両用試験装置3000と同様に、機械的に減衰係数が不足する(減衰係数が小さい)軸系に対しても、ねじり振動に対する減衰効果を高め、ねじり振動の増大を効果的に抑制することができる。
≪第3変形例≫
次に、第3実施形態の第3変形例について、説明する。なお、本実施形態において、上記実施形態と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図13に、本変形例の車両用試験装置3000Cを示す。車両用試験装置3000Cは、第3実施形態の第2変形例の車両用試験装置3000Bにおいて、減衰トルク取得部3Cを減衰トルク取得部3Dに置換した構成を有している。
減衰トルク取得部3Dは、積分器34と減算器33との間に、ハイパスフィルタ部36が設けられた構成を有する。
他の構成については、第3実施形態の第2変形例の車両用試験装置3000Bと同様である。
本変形例の車両用試験装置3000Cでは、第3実施形態の第2変形例の車両用試験装置3000Bと同様の効果を奏する。さらに、本変形例の車両用試験装置3000Cでは、直流成分を除去(あるいは低減)した角加速度差Δα’により減衰トルク値TDが取得される。したがって、例えば、ダイナモL1の電流制御の応答特性や供試モータM1の電流制御の応答特性によりダイナモL1の目標トルク値T01refに対応するトルクTLおよび供試モータM1の目標トルク値T02ref対応するトルクTMにおいて、定常偏差が含まれる場合や、トルク検出器TQ1から出力される実トルク値Tに定常偏差が含まれる場合であっても、当該定常偏差に起因する成分は、ハイパスフィルタ部36により除去(あるいは低減)される。その結果、本変形例の車両用試験装置3000Cでは、軸系のねじり振動を効果的に抑制可能な減衰トルク値を取得することができ、ねじり振動の増大を効果的に抑制することができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について、説明する。なお、本実施形態において、上記実施形態と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図14に、本実施形態の車両用試験装置4000を示す。車両用試験装置4000は、第2実施形態の車両用試験装置2000において、減衰トルク取得部3Bを減衰トルク取得部3Eに置換し、さらに、モータ制御部4をモータ制御部4Bに置換した構成を有している。そして、トルク取得部2の加算器22およびモータ制御部4Bには、トルク指令(供試モータM1の目標トルク値)T02refが入力される。
減衰トルク取得部3Eは、第2実施形態の減衰トルク取得部3Bにおいて、減衰トルク算出部35Aで取得される減衰トルク値TDをダイナモ制御部1のみに出力するように変更したものである。それ以外については、減衰トルク取得部3Eは、減衰トルク取得部3Bと同様である。
モータ制御部4Bは、第2の実施形態のモータ制御部4の加算器41がない構成である。目標トルク値T02refは、トルク取得部2の加算器22に入力される。
上記の点以外については、本実施形態の車両用試験装置4000は、第2実施形態の車両用試験装置2000と同様である。
本実施形態の車両用試験装置4000では、第2実施形態の車両用試験装置2000と異なり、減衰トルク取得部3Eで取得された減衰トルク値TDがダイナモ制御部1のみに出力される。つまり、ダイナモ制御部1でのみ減衰トルク値TDにより補正されたトルク値(ダイナモ用補正後トルク値T1ref)による制御が実行される。
車両用試験装置4000では、ダイナモ制御部1のみで減衰トルク値TDを用いた制御を行うので、軸系のねじり振動の増大を抑えつつ、装置構成を簡単にすることができる。しかも、供試体であるモータ側で減衰トルク値TDを用いた制御を行う必要がなくなる。また、例えば、モータ制御部4Bを別装置とすることも容易となる。
なお、本実施形態の車両用試験装置4000においても、ダイナモ制御部1で減衰トルク値TDにより補正されたトルク値(ダイナモ用補正後トルク値T1ref)による制御が実行されるので、従来の技術に比べると、ねじり共振抑制効果は遙かに高い。
≪第1変形例≫
次に、第4実施形態の第1変形例について、説明する。なお、本実施形態において、上記実施形態と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図15に、本変形例の車両用試験装置4000Aを示す。車両用試験装置4000Aは、第4実施形態の車両用試験装置4000において、ダイナモ制御部1をダイナモ制御部1Aに置換した構成を有している。そして、トルク取得部2の減算器21には、トルク指令(ダイナモL1の目標トルク値)T01refが入力される。
上記の点以外については、本変形例の車両用試験装置4000Aは、第4実施形態の車両用試験装置4000と同様である。
本変形例の車両用試験装置4000Aでは、トルク取得部2および減衰トルク取得部3Eにおいて、目標トルク値T01refを用いて、第4実施形態と同様の処理により減衰トルク値TDを取得する。つまり、トルク取得部2および減衰トルク取得部3Eにおいて、第4実施形態では、ダイナモ用補正後トルク値T1refを用いて減衰トルク値TDを取得していたが、本変形例では、目標トルク値T01refを用いて減衰トルク値TDを取得する。本変形例の車両用試験装置4000Aにおいても、第4実施形態と同様に、減衰トルク値TDにより補正したダイナモ用補正後トルク値T1refを用いて、ダイナモL1を制御する。言い換えれば、車両用試験装置4000Aでは、軸系に対して制御的に減衰トルクを与えることができる。
したがって、車両用試験装置4000Aにおいても、第4実施形態の車両用試験装置4000と同様に、機械的に減衰係数が不足する(減衰係数が小さい)軸系に対して、ねじり振動に対する減衰効果を高め、ねじり振動の増大を効果的に抑制することができる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について、説明する。上記実施形態では、供試体は供試モータM1であったが、本実施形態では、供試体は、エンジンおよびトランスミッションである。また、上記実施形態では、駆動側(供試モータM1側)の制御指令がトルク指令であったが、本実施形態では、駆動側(エンジンE1側)の制御指令は、スロットル開度指令である。
図16に、本実施形態の車両用試験装置5000を示す。図16に示すように、車両用試験装置5000では、供試体がエンジンE1およびトランスミッションTR1である。
第5実施形態の車両用試験装置5000は、第1実施形態の車両用試験装置1000において、ダイナモ制御部1をダイナモ制御部1Bに置換し、減衰トルク取得部3を減衰トルク取得部3Fに置換し、モータ制御部4を駆動側制御部4Cに置換し、さらに、トルク変換部5を追加した構成を有している。
トルク変換部5は、図16に示すように、スロットル開度指令値/指令トルク値変換部51(θ/T)と、トルク調整部52(ADJ)とを備える。
減衰トルク値TDは、減衰トルク取得部3Fの減衰トルク算出部35から、ダイナモ制御部1Bの減算器13のみに出力される。
ダイナモ制御部1Bは、図16に示すように、第1実施形態のダイナモ制御部1における減算器11および速度制御部12を、走行抵抗演算部16に置換した構成を有している。
上記の点以外については、本実施形態の車両用試験装置5000は、第1実施形態の車両用試験装置1000と同様である。
走行抵抗演算部16は、速度検出部SP1から出力されるダイナモL1の実速度値N1を入力とする。走行抵抗演算部16は、ダイナモL1の実速度値N1から走行抵抗を考慮したトルク値を取得(例えば、演算により算出)し、取得したトルク値を目標トルク値T01refとして、減算器13に出力する。なお、走行抵抗演算部16は、ダイナモL1の実速度値N1に対する走行抵抗のデータと、走行抵抗演算部16の出力値である目標トルク値との対応関係(特性)をデータとして予め記憶保持するものであっても良い。
ダイナモ制御部1Bにおいて、上記以外の構成および動作(処理内容)は、第1実施形態のダイナモ制御部1と同様である。
スロットル開度指令値/指令トルク値変換部51は、スロットル開度指令θrefを入力とする。スロットル開度指令値/指令トルク値変換部51は、入力されたスロットル開度指令(スロットル開度値θref)に対応するトルク値を取得し、取得したトルク値を駆動側補正後トルク値T2refとして、トルク調整部52に出力する。
トルク調整部52は、スロットル開度指令値/指令トルク値変換部51から出力される駆動側補正後トルク値T2refを入力とする。トルク調整部52は、供試体であるトランスミッションTR1の変換比(ギア変換比)に応じて、駆動側補正後トルク値T2refを変換(調整)する。トルク調整部52は、変換後のトルク値を調整後トルク値T2ref1として、加算器22に出力する。
加算器22は、トルク調整部52から出力される調整後トルク値T2ref1と、トルク検出器TQ1から出力されるトルク値Tとを入力とする。加算器22は、調整後トルク値T2ref1とトルク値Tとを加算し、加算結果をトルク/加速度変換部32(1/J2)に出力する。
減衰トルク取得部3Fにおいて、上記以外の構成および動作(処理内容)は、第1実施形態の減衰トルク取得部3と同様である。
駆動側制御部4Cは、図16に示すように、スロットル開度指令θrefを入力とし、スロットル開度指令θrefに基づいて、供試体であるエンジンE1を駆動制御する。
車両用試験装置5000では、トルク検出器TQ1で取得される実トルク値(軸トルクの実測値)Tと、ダイナモ制御部1Bにより取得されるダイナモ用補正後トルク値T1refと、駆動側の制御指令であるスロットル開度指令θrefに基づいて取得された駆動側の調整後トルク値T2ref1とを用いて、角速度差Δω(ダイナモL1と供試体との間の角速度差)を取得する。そして、車両用試験装置5000では、角速度差Δωに減衰トルク係数D1(制御的に設定した減衰トルク係数)を乗ずることで、減衰トルク値TDを取得し、取得した減衰トルク値により、ダイナモ制御用の目標トルク値T01refを補正したダイナモ用補正後トルク値T1refを取得する。そして、車両用試験装置5000では、ダイナモ用補正後トルク値T1refによりダイナモL1を制御する。つまり、車両用試験装置5000では、トルク指令を減衰トルク値TDにより補正し、ダイナモL1を制御する。言い換えれば、車両用試験装置5000では、軸系に対し、制御的に減衰トルクを与えて、ねじり振動に対する減衰効果を高めることができる。
したがって、車両用試験装置5000では、軸系に減衰係数が不足する(減衰係数が小さい)軸系においても、ねじり振動の増大を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の車両用試験装置5000は、トルク取得部2の加算器22には、スロットル開度指令から導出された調整後トルク値T2ref1が入力され、駆動側制御部4Cには、スロットル開度指令が入力される構成を有している。つまり、本実施形態の車両用試験装置5000では、ダイナモ制御部1Bのみで減衰トルク値TDを用いた制御を行うので、軸系のねじり振動の増大を抑えつつ、装置構成を簡単にすることができる。しかも、供試体であるモータ側で減衰トルク値TDを用いた制御を行う必要がなくなる。また、例えば、駆動側制御部4Cを別装置とすることも容易となる。
≪第1変形例≫
次に、第5実施形態の第1変形例について、説明する。なお、本変形例において、上記実施形態と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図17に、本変形例の車両用試験装置5000Aを示す。図17に示すように、車両用試験装置5000Aでは、第5実施形態の車両用試験装置5000において、減衰トルク取得部3Fを減衰トルク取得部3Gに置換した構成を有している。それ以外については、本変形例の車両用試験装置5000Aは、第5実施形態の車両用試験装置5000と同様である。
減衰トルク取得部3Gは、減衰トルク取得部3Fにおいて、積分器34をLPF34Aに置換し、減衰トルク算出部35を減衰トルク算出部35Aに置換した構成を有している。なお、LPF34Aは、第2実施形態で説明したものと同様のものである。
車両用試験装置5000Aでは、トルク検出器TQ1で取得される実トルク値(軸トルクの実測値)Tと、ダイナモ制御部1Bにより取得されるダイナモ用補正後トルク値T1refと、駆動側の制御指令であるスロットル開度指令θrefに基づいて取得された駆動側の調整後トルク値T2ref1とを用いて、ローパスフィルタ部34Aからの出力Δωx(ダイナモL1と供試体と間の角速度差の近似値(近似差分合成値))を取得する。そして、車両用試験装置5000Aでは、ローパスフィルタ部34Aからの出力Δωxに減衰トルク係数G1(制御的に設定した減衰トルク係数)を乗ずることで、減衰トルク値TDを取得し、取得した減衰トルクにより、ダイナモ制御用の目標トルク値T01refを補正したダイナモ用補正後トルク値T1refを取得する。そして、車両用試験装置5000Aでは、ダイナモ用補正後トルク値T1refによりダイナモL1を制御する。これにより、車両用試験装置5000Aでは、機械的に減衰係数が不足する(減衰係数が小さい)軸系においても、ねじり振動の増大を効果的に抑制することができる。
[他の実施形態]
上記第1〜4実施形態(変形例も含む)では、回転体用トルク指令を「正」、供試体用トルク指令を「負」とした場合、軸トルク値Tが「正」となるように極性を定義している。このため、軸トルク値Tの極性を逆に定義した場合、それに応じて、車両用試験装置の加減算処理等の極性を適宜変更すればよい。軸トルク値Tの極性を逆に定義した場合であっても、当然、ねじり振動に対する減衰効果を、上記実施形態と同様に高めることができる。
また、上記第1〜4実施形態(変形例も含む)では、ダイナモL1に対する制御指令を速度指令とする場合について説明したが、これに限定されることはなく、例えば、ダイナモL1に対する制御指令をトルク指令(目標トルク値T01ref)としてもよい。この場合、速度制御部12(ASR)を省略することができる。
また、上記第3、4実施形態(変形例も含む)では、供試体を供試モータM1とする場合について説明したが、これに限定されることはなく、例えば、供試体を、エンジンおよび/またはトランスミッションとしてもよい。
また、上記実施形態(変形例も含む)で説明した構成要素を組み合わせて車両用試験装置を構成するようにしてもよい。
例えば、積分器34やローパスフィルタ部34Aを、他のフィルタ部に置換してもよい。このフィルタ部は、入力信号に対して、ダイナモL1と供試モータM1の発生トルクの差に対して、所定の位相(例えば、0〜π/2の範囲の所定値)だけ遅れた信号(値)を出力するものであればよい。
また、減衰トルク値TDをモータ制御部(または駆動制御部)側にのみ入力するようにしてもよい。
また、第2、第4、第5実施形態の車両用試験装置において、減算器33とローパスフィルタ部34A(または積分器34)との間に、ハイパスフィルタ部36を設ける構成としてもよい。
また、第5実施形態の車両用試験装置において、トルク取得部2の減算器21に目標トルク値T01refを入力するようにしてもよい。
また、上記実施形態(変形例を含む。)では、本発明を、2慣性系の軸系に対して適用する場合について説明したが、これに限定されることはなく、3慣性系以上の多慣性系の軸系に対して、本発明を適用してもよい。
例えば、本発明を3慣性系に適用する場合、第1の慣性体および第2の慣性体に発生するトルクと各慣性体の慣性モーメントとから角速度差ω1を求め、角速度差ω1から減衰トルク値TD1を求める。そして、減衰トルク値TD1により補正した指令トルク値により、上記実施形態で説明した処理と同様に、第1慣性体および/または第2慣性体の駆動を制御する。
また、第2の慣性体および第3の慣性体に発生するトルクと各慣性体の慣性モーメントとから角速度差ω2を求め、角速度差ω2から減衰トルク値TD2を求める。そして、減衰トルク値TD2により補正した指令トルク値により、上記実施形態で説明した処理と同様に、第2慣性体および/または第3慣性体を制御する。
このようにして、本発明を、3慣性系以上の多慣性系の軸系に適用してもよい。
また、上記実施形態で説明した車両用試験装置において、各ブロック(各機能部)は、LSIなどの半導体装置により個別に1チップ化されても良いし、一部又は全部を含むように1チップ化されても良い。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用しても良い。
また、上記各実施形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、プログラムにより実現されるものであってもよい。そして、上記各実施形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、コンピュータにおいて、中央演算装置(CPU)により行われる。また、それぞれの処理を行うためのプログラムは、ハードディスク、ROMなどの記憶装置に格納されており、ROMにおいて、あるいはRAMに読み出されて実行される。
また、上記実施形態の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア(OS(オペレーティングシステム)、ミドルウェア、あるいは、所定のライブラリとともに実現される場合を含む。)により実現してもよい。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現しても良い。
また、上記実施形態における処理方法の実行順序は、必ずしも、上記実施形態の記載に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、実行順序を入れ替えることができるものである。
前述した方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc)、半導体メモリを挙げることができる。
上記コンピュータプログラムは、上記記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
また、上記実施形態では、本発明について、車両用試験装置として説明したが、車両用に限定されることはない。車両以外の駆動装置を供試体とする試験装置に、本発明を適用してもよい。
なお、本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。